JP2015199054A - 酸素吸収剤 - Google Patents

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絵美子 村井
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Abstract

【課題】充填機適性を備えつつ、酸素吸収速度の低下を防止し、且つ酸素吸収剤の染み出しを防止することができる酸素吸収剤を提供する。【解決手段】本発明の酸素吸収剤10は、酸素吸収能を有する中心部2と、中心部2を内包し、酸素透過能と水分吸着能とを有する外殻部3と、を備えた錠剤である。【選択図】 図1

Description

本発明は、酸素吸収剤に関する。
食品包装では、酸化やカビの発生による食品の品質劣化を防止し、食品の保存期間を延ばす手法の一つとして、食品包装内に酸素吸収剤を入れて、その包装内の酸素濃度を極端に低下させる手法がある。例えば、通気性の高い小袋に酸素吸収剤を充填してシールし、その小袋を食品等と一緒に酸素バリア性の高い食品包装用容器や食品包装用袋に入れて密封する。こうすることで、食品包装内の酸素を酸素吸収剤に吸収させ、その包装内の酸素濃度を殆ど0%にすることができる。
また、酸素吸収剤を食品包装内に入れることで、その包装内に、封入時に存在していた酸素ばかりでなく、封入後に侵入してくる酸素も吸収することができる。このため、酸素吸収剤の酸素吸収能力の範囲内で、食品包装内の酸素濃度を0%に近い状態で一定期間保つことができる。
上記酸素吸収剤及びその製造方法に関連する従来技術として、例えば、特許文献1には、粉末状の酸素吸収剤を、押し出し造粒機を用いて造粒した酸素吸収剤に関する技術が記載されている。また、造粒以外の成形方法として、例えば、特許文献2から特許文献4には、粉末状の酸素吸収剤を圧縮し、その酸素吸収剤を錠剤化する方法に関する技術がそれぞれ記載されている。また、その他関連する技術として、例えば、特許文献5及び特許文献6には、酸素インジケータを備えた酸素吸収剤に関する技術がそれぞれ記載されている。
上記食品包装用の酸素吸収剤であって現在一般的に広く使用されている酸素吸収剤には、大きく分けて2つの種類がある。1つは、鉄を主成分とする無機系酸素吸収剤であり、他の1つは、アスコルビン酸系の酸素吸収物質を主成分とする有機系酸素吸収剤である。通常、これらの酸素吸収剤は、用途や対象食品に応じてそれぞれ使い分けされている。
また、近年、商品を金属探知機にかける必要が高まっており、金属探知機にかけることが可能な(つまり、金属探知機に反応しない)有機系酸素吸収剤については、その需要が増えてきている。
ところで、上記特徴を有する有機系酸素吸収剤には、上記無機系酸素吸収剤に比べて酸素吸収速度が遅いものが多い。食品の保存性向上を目的として酸素吸収剤を使用する場合には、24時間から48時間で生育するカビの発生を抑えるためには、24時間以内に食品包装内の酸素濃度を0%近くまで低下させておくことが望ましい。
そこで、酸素吸収速度を高めるために、有機系酸素吸収剤に、酸化反応を促進する触媒を加えたり、最適pHにするためのアルカリ剤を加えたりする場合がある。また、有機系酸素吸収剤内に、酸素と酸素吸収物質との会合頻度(反応確率)を高める反応場を設ける場合もある。例えば、アスコルビン酸系の酸素吸収物質に代表される水溶性の酸素吸収物質を使用する際には、その酸素吸収物質の水溶液を保持しつつ上記反応場を設けるために、その水溶液の保持体(つまりは、酸素吸収物質の担持体)として多孔質材料を用いることがある。酸素吸収物質の担持体として多孔質材料を用いると、その比表面積を大きくすることができるので、酸素吸収剤の酸素吸収速度を高めることが可能となる。特に、粉末状の多孔質材料を用いることで、その比表面積はより大きくなり、酸素吸収剤の酸素吸収速度はより高まる。なお、従来は、上記多孔質材料として、例えば、多孔質の二酸化珪素微粒子や活性炭、または珪藻土などが用いられてきた。
また、食品包装用の酸素吸収剤は、充填機を用いて、通気性の高い小袋に連続的に充填包装される場合がある。この際、充填機による充填効率を向上させる目的で、粉末状の酸素吸収剤を造粒して、例えば顆粒状にすることがある。粉末状の酸素吸収剤を造粒すると、酸素吸収剤の流動性が向上するとともに、粉立ちが低減し、さらには酸素吸収剤を充填する小袋のシール部に酸素吸収剤が付着して生じるシール不良を低減することができる。つまり、粉末状の酸素吸収剤を造粒することで、充填機適性を備えた酸素吸収剤とすることができる。ここで、「充填機適性」とは、充填機を用いて酸素吸収剤を通気性の高い小袋に連続的に充填包装する際の充填の容易さを意味する。また、同様に酸素吸収剤に充填機適性を付与することを目的として、粉末状の酸素吸収剤を、打錠成形機を使用して押し固め錠剤形状とする、つまり錠剤化することもある。
特開昭59−45861号公報 特開平2−90941号公報 特開平4−8298号公報 特開2001−62281号公報 実開昭63−98729号公報 実公昭63−14888号公報
上述のように、酸素吸収物質を多孔質材料に担持させることで、酸素吸収剤の酸素吸収速度を増加させることができる。ところが、粉末状の酸素吸収剤を造粒又は錠剤化して充填機適性を備えた酸素吸収剤とすると、その酸素吸収速度が低下する場合がある。この造粒又は錠剤化による酸素吸収速度の低下は、粉末状の酸素吸収剤を造粒又は錠剤化する際に多孔質材料に圧力がかかることで多孔質材料の微細孔が部分的に潰れてしまい、多孔質材料によって提供されるはずの反応場が減少することに起因すると考えられる。
また、水分活性の高い食品(例えば、水分量の多い食品)等とともに酸素吸収剤を使用した場合には、その酸素吸収剤が食品包装内の水分を吸収して液状化することがある。その場合には、酸素吸収剤を充填した通気性のある小袋から液状化した酸素吸収剤が染み出し、食品包装内の食品が汚染されるおそれがある。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、充填機適性を備えつつ、酸素吸収速度の低下を防止し、且つ酸素吸収剤の染み出しを防止することができる酸素吸収剤を提供することを目的とする。
本発明に係る一態様は、酸素吸収能を有する中心部と、前記中心部を内包または狭持し、酸素透過能と水分吸着能とを有する外殻部と、を備えた錠剤であることを特徴とする酸素吸収剤である。
また、上記の酸素吸収剤において、前記中心部は、有機系酸素吸収物質と、反応触媒と、アルカリ剤と、多孔質材料とを含み、前記外殻部は、多孔質材料を含むこととしてもよい。
また、上記の酸素吸収剤において、前記多孔質材料は、多孔質構造を有する珪酸カルシウムであることとしてもよい。
また、上記の酸素吸収剤において、前記有機系酸素吸収物質の含有量は、前記中心部の全体量の30質量%以上95質量%以下の範囲内であることとしてもよい。
また、上記の酸素吸収剤において、前記中心部の体積比は、酸素吸収剤の全体量の30%以上60%以下の範囲内であることとしてもよい。
また、上記の酸素吸収剤において、酸素吸収剤の形状は、直径が5mm以上40mm以下の範囲内であり、高さが2mm以上20mm以下の範囲内である円柱状であることとしてもよい。
また、上記の酸素吸収剤において、前記中心部の少なくとも一部は、露出していることとしてもよい。ここで、「前記中心部の少なくとも一部は、露出している」とは、中心部の少なくとも一部は、外殻部で覆われていないことを意味している。
本発明の一態様に係る酸素吸収剤であれば、錠剤化しているため、充填機適性を備えている。また、当該酸素吸収剤であれば、中心部の反応場が減少することを低減できるので、酸素吸収速度の低下を防止することができる。また、当該酸素吸収剤によれば、外殻部が水分吸着能を有するので、酸素吸収剤の染み出しを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る酸素吸収剤の構造を模式的に示す部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る酸素吸収剤の構造を模式的に示す部分断面図である。
(構造)
以下、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る酸素吸収剤の構造を、図1及び図2をそれぞれ参照しつつ説明する。なお、各図面において、同一の材料で形成され同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図1は、本発明の第1実施形態に係る酸素吸収剤の構造を模式的に示す部分断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る酸素吸収剤10は、中心部2と外殻部3とを備えた酸素吸収剤である。また、酸素吸収剤10の外観形状は、直径が5mm以上40mm以下の範囲内であり、高さが2mm以上20mm以下の範囲内である円柱状である。
中心部2は、載置した状態で上方または側方からみて、中心部2の重心と酸素吸収剤10の重心とが近くなるように、酸素吸収剤10の中心に位置している。また、中心部2は酸素吸収能を有する錠剤であって、その外観形状は円柱状である。なお、この中心部2は、後述する粉末状の中心部用材料を、例えば打錠成形により成形したものである。ここで、「錠剤」とは、粉末状の物質を押し固めて成形されたものを意味する。
中心部2の表面は、酸素透過能と水分吸着能とを有する外殻部3で覆われている。つまり、中心部2は外殻部3に内包されている。この外殻部3の外観形状(酸素吸収剤10の外観形状)は、円柱状である。なお、外殻部3は、後述する粉末状の外殻部用材料で中心部2を覆った状態で、例えば打錠成形により成形したものである。したがって、中心部2と外殻部3とは、一体となった錠剤である。
このような構造を有する酸素吸収剤10において、中心部2の体積比は、酸素吸収剤10の全体量の30%以上60%以下の範囲内である。また、中心部2の厚みt2を酸素吸収剤10の総厚t1で割った厚み比率の値は、1/6以上1未満の範囲内である。
図2は、本発明の第2実施形態に係る酸素吸収剤の構造を模式的に示す部分断面図である。図2に示すように、本実施形態に係る酸素吸収剤20は、中心部2と外殻部3とを備えた酸素吸収剤である。また、酸素吸収剤20の外観形状は、直径が5mm以上40mm以下の範囲内であり、高さが2mm以上20mm以下の範囲内である円柱状である。
中心部2は、載置した状態で上方または側方からみて、中心部2の重心と酸素吸収剤20の重心とが近くなるように、酸素吸収剤20の中心に位置している。また、中心部2は酸素吸収能を有する錠剤であって、その外観形状は円柱状である。なお、この中心部2は、後述する粉末状の中心部用材料を、それのみで、あるいは後述する外殻部用材料で挟んだ状態で、例えば打錠成形により成形したものである。
中心部2は、図2の上下方向(つまり、中心部2の厚み方向)から、酸素透過能と水分吸着能とを有する外殻部3で挟まれている。つまり、中心部2は外殻部3に狭持されている。ここで、中心部2の直径は、外殻部3の直径と同じ、すなわち酸素吸収剤20の直径と同じであるため、酸素吸収剤20の側面から見て、外殻部3、中心部2、外殻部3の順で材料が積層されていることを目視できる。なお、外殻部3は、後述する粉末状の外殻部用材料で中心部2を挟んだ状態で、例えば打錠成形により成形したものである。したがって、中心部2と外殻部3とは、一体となった錠剤である。
このような構造を有する酸素吸収剤20において、中心部2の体積比は、酸素吸収剤1の全体量の30%以上60%以下の範囲内である。また、中心部2の厚みt2を酸素吸収剤20の総厚t1で割った厚み比率の値は、1/6以上1未満の範囲内である。
(成形方法)
以下、本発明の第1実施形態に係る酸素吸収剤10の成形方法の一例について、簡単に説明する。まず、粉末状の中心部用材料を打錠成形機に備わる第1の臼に投入した後に、その中心部用材料に予め設定した圧力を加えて打錠成形する。こうして、中心部2を成形する。なお、中心部2を打錠成形する際の圧力は、従来技術に係る1層からなる酸素吸収剤を打錠成形する際の圧力よりも小さい圧力である。
次に、粉末状の外殻部用材料を打錠成形機に備わる第2の臼の底部に敷き詰めた後に、中心部2を第2の臼に投入する。その後、第2の臼に再度外殻部用材料を投入し、その外殻部用材料に予め設定した圧力を加えて打錠成形する。こうして、内部に中心部2を備え、その周囲を外殻部3で覆った酸素吸収剤10を成形する。
次に、本発明の第2実施形態に係る酸素吸収剤20の成形方法の一例について、簡単に説明する。まず、粉末状の外殻部用材料を打錠成形機に備わる臼の底部に予め設定した分量敷き詰める。次に、粉末状の中心部用材料をその上に投入する。このとき、中心部用材料が先に敷き詰めた外殻部用材料の上に均一の厚みで積層されるように整える。次に、中心部用材料の上に、再度粉末状の外殻部用材料を投入し、中心部用材料を覆う。その後、これら積層した粉末材料に予め設定した圧力を加えて打錠成形する。こうして、外殻部3、中心部2、外殻部3の3層構造を備え、中心部2の上下が外殻部3で覆われた(狭持された)酸素吸収剤20を成形する。
積層した上記粉末材料に、その厚み方向(つまり、図面上下方向)に沿って均一に圧力を加えることで、錠剤の厚み方向の密度分布を、厚み方向の中心部からみて、図面上下方向で対称とすることができる。また、厚み及び密度分布を錠剤の図面上下方向で対称とするためには、最初に臼に投入する外殻部用材料と最後に投入する外殻部用材料とを同じ量にすることが好ましい。
また、中心部用材料を外殻部用材料で挟み込んで打錠を行うことで、打錠の際に中心部2に加わる圧力は外殻部3に加わる圧力よりも低くなる。したがって、外殻部3に比べて中心部2が硬く締まらないため、酸素吸収能の低下を抑えることができる。また、酸素吸収剤20の厚み方向で中心部2が中心にくるように外殻部3の厚みを調節することで、より中心部2の打錠時の締まりを防ぐことができる。
(組成)
中心部2を構成する中心部用材料は、酸素吸収組成物と中心部用多孔質材料とを含んでいる。そして、酸素吸収組成物は、有機系酸素吸収物質と、反応触媒と、アルカリ剤とを含んでいる。また、外殻部3を構成する外殻部用材料は、外殻部用多孔質材料を含んでいる。
以下、これらの材料の詳細について説明する。
<有機系酸素吸収物質>
上記各実施形態に係る有機系酸素吸収物質は、酸素吸収能を有するものであればよく、その種類を特に限定するものではない。ただし、この有機系酸素吸収物質を含んだ酸素吸収剤10、20は食品とともに食品包装内に封入されて用いられるという用途を考慮した場合には、材料としての安全性が高く、食品包装内に同封される食品に臭いや味覚などの影響を与えないものが、上記各実施形態に係る有機系酸素吸収物質としては好ましい。この有機系酸素吸収物質の具体例としては、アスコルビン酸やその異性体、またはそれらの塩類、グリセリン、エチレングリコールなどの多価アルコール、没食子酸、タンニン等の多価フェノール類などが挙げられる。これらの中でも、安全性、食品への影響、コストなどを考慮すると、上記各実施形態に係る有機系酸素吸収物質としては、アスコルビン酸類が最も好ましい。
なお、この有機系酸素吸収物質の含有量は、中心部2の全体量の30質量%以上95質量%以下の範囲内であることが好ましい。
<反応触媒>
上記各実施形態に係る反応触媒は、上述の有機系酸素吸収物質の酸素吸収能を促進するものであれば、その種類を特に限定するものではない。この反応触媒の具体例としては、鉄化合物、銅化合物、亜鉛化合物、スズ化合物、マンガン化合物などの遷移金属化合物またはその塩などが挙げられる。これらの中でも、触媒作用の発現性及び安全性を考慮すると、上記各実施形態に係る反応触媒としては、鉄化合物が最も好ましい。
<アルカリ剤>
上記各実施形態に係るアルカリ剤は、上述の有機系酸素吸収物質の酸素吸収能を促進するものであれば、その種類を特に限定するものではない。このアルカリ剤の具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウムが挙げられる。
<中心部用多孔質材料及び外殻部用多孔質材料>
上記各実施形態に係る中心部用多孔質材料は、中心部の打錠成形性を担保することができる材料であれば、その種類を特に限定するものではない。この中心部用多孔質材料の例としては、多孔質構造を有する珪酸カルシウムが挙げられる。また、多孔質構造を有する種々の珪酸カルシウムの中でも、花冠状の結晶構造を有し比表面積の高い多孔質材料であるジャイロライト型珪酸カルシウム化合物が最も好ましい。この種の多孔質材料は、圧力が加わった時に材料自らがクラッシュしながら隣接する多孔質材料と結合するため、結合力が高まる。これにより、打錠成形性が担保され、中心部2の打錠成形が容易となる。
上記各実施形態に係る外殻部用多孔質材料は、外殻部3の打錠成形性を担保することができる物質であれば、その種類を特に限定するものではない。この外殻部用多孔質材料の例としては、中心部用多孔質材料と同様に、多孔質構造を有する珪酸カルシウムが挙げられる。また、多孔質構造を有する種々の珪酸カルシウムの中でも、中心部用多孔質材料と同様に、ジャイロライト型珪酸カルシウム化合物が最も好ましい。この種の多孔質材料を用いることで、打錠成形性が担保され、外殻部3の打錠成形が容易となる。
(使用例)
以下、第1実施形態に係る酸素吸収剤10の使用方法の一例について、説明する。なお、第2実施形態に係る酸素吸収剤20の使用方法は、実質的に酸素吸収剤10の使用方法と同じであるため、ここではその説明を省略する。
まず、上述の酸素吸収剤10に、酸素吸収剤10全体の含水量が予め設定した量となるように、水を与える。その後、封入する食品と包材に包んだ酸素吸収剤10とを食品包装内に一緒に入れ、その食品包装を密封する。こうして、酸素吸収剤10を使用する。上記包材としては、通気性があり、且つ、耐水性のあるものが好ましい。上記包材の具体例としては、有孔ポリエチレンフィルムをラミネートした紙袋、耐水紙、不織布などが挙げられる。なお、上記使用例では、酸素吸収剤10を包材に包んだ場合について説明したが、酸素吸収剤10の使用方法は、これに限定されるものではない。例えば、酸素吸収剤10を包材に包まずにそのまま酸素吸収剤10と封入する食品とを食品包装内に一緒に入れ、その食品包装を密封してもよい。
(実施例1)
多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物を19.95%、エリソルビン酸ナトリウムを53.76%、硫酸第一鉄を14.34%、炭酸ナトリウムを11.95%の割合で混合して、粉末状の中心部用材料を調整した。次に、この中心部用材料を打錠して、直径が25mm、最薄部の厚さが4.50mm、質量が1.60gの中心部を得た。次に、この中心部を、多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物0.8gを敷いた直径30mmの臼に投入し、その上からさらに多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物0.7gを投入して、打錠成形した。こうして、実施例1に係る酸素吸収剤として、直径が30mm、最薄部の厚さが6.10mm、質量が3.10gであり、中心部を核とする有核打錠品を得た。このとき、酸素吸収剤全体に対する中心部の体積比は、51.23%であった。その後、実施例1に係る酸素吸収剤に、酸素吸収剤全体の含水量が35%になるように、水を与えた。
(実施例2)
多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物を16.13%、エリソルビン酸ナトリウムを48.39%、硫酸第一鉄を12.90%、炭酸ナトリウムを9.68%、水酸化カルシウムを9.68%、活性炭を3.23%の割合で混合して、粉末状の中心部用材料を調整した。次に、この中心部用材料を打錠して、直径が25mm、最薄部の厚さが4.80mm、質量が1.96gの中心部を得た。次に、この中心部を、多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物と疎水性シリカとの混合物0.8gを敷いた直径30mmの臼に投入し、その上からさらに多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物と疎水性シリカとの混合物0.7gを投入し、打錠成形した。こうして、実施例2に係る酸素吸収剤として、直径が30mm、最薄部の厚さが6.50mm、質量が3.50gであり、中心部を核とする有核打錠品を得た。このとき、酸素吸収剤全体に対する中心部の体積比は、51.28%であった。その後、実施例2に係る酸素吸収剤に、酸素吸収剤全体の含水量が32%になるように、水を与えた。
(実施例3)
多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物を4.29%、エリソルビン酸ナトリウムを64.29%、硫酸第一鉄を17.14%、炭酸ナトリウムを14.29%の割合で混合して、粉末状の中心部用材料を調整した。次に、この中心部用材料を打錠して、直径が25mm、最薄部の厚さが2.70mm、質量が1.30gの中心部を得た。次に、この中心部を、多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物と疎水性シリカとの混合物0.8gを敷いた直径30mmの臼に投入し、その上からさらに多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物と疎水性シリカとの混合物0.7gを投入し、打錠成形した。こうして、実施例3に係る酸素吸収剤として、直径が30mm、最薄部の厚さが5.30mm、質量が2.75gであり、中心部を核とする有核打錠品を得た。このとき、酸素吸収剤全体に対する中心部の体積比は、35.38%であった。その後、実施例3に係る酸素吸収剤に、酸素吸収剤全体の含水量が32%になるように、水を与えた。
(実施例4)
多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物を19.95%、エリソルビン酸ナトリウムを53.76%、硫酸第一鉄を14.34%、炭酸ナトリウムを11.95%の割合で混合して、粉末状の中心部用材料を調整した。次に、この中心部用材料を打錠して、直径が25mm、最薄部の厚さが1.70mm、質量が0.50gの中心部を得た。次に、この中心部を、多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物と疎水性シリカとの混合物1.3gを敷いた直径30mmの臼に投入し、その上からさらに多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物と疎水性シリカとの混合物1.3gを投入し、打錠成形した。こうして、実施例4に係る酸素吸収剤として、直径が30mm、最薄部の厚さが10.20mm、質量が3.02gであり、中心部を核とする有核打錠品を得た。このとき、酸素吸収剤全体に対する中心部の体積比は、9.84%であった。その後、実施例4に係る酸素吸収剤に、酸素吸収剤全体の含水量が35%になるように、水を与えた。
(実施例5)
多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物を19.95%、エリソルビン酸ナトリウムを53.76%、硫酸第一鉄を14.34%、炭酸ナトリウムを11.95%の割合で混合して、粉末状の中心部用材料を調整した。次に、この中心部用材料を打錠して、直径が25mm、最薄部の厚さが4.71mm、質量が1.58gの中心部を得た。次に、この中心部を、多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物と疎水性シリカとの混合物0.2gを敷いた直径30mmの臼に投入し、その上からさらに多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物と疎水性シリカとの混合物0.2gを投入し、打錠成形した。こうして、実施例5に係る酸素吸収剤として、直径が30mm、最薄部の厚さが4.80mm、質量が2.00gであり、中心部を核とする有核打錠品を得た。このとき、酸素吸収剤全体に対する中心部の体積比は、68.14%であった。その後、実施例5に係る酸素吸収剤に、酸素吸収剤全体の含水量が35%になるように、水を与えた。
(実施例6)
多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物を39.06%、エリソルビン酸ナトリウムを23.44%、硫酸第一鉄を6.25%、炭酸ナトリウムを12.50%、水酸化カルシウムを12.50%、活性炭を6.25%の割合で混合して、粉末状の中心部用材料を調整した。次に、この中心部用材料を打錠して、直径が25mm、最薄部の厚さが10.00mm、質量が1.30gの中心部を得た。次に、この中心部を、多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物と疎水性シリカとの混合物0.7gを敷いた直径30mmの臼に投入し、その上からさらに多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物と疎水性シリカとの混合物0.7gを投入し、打錠成形した。こうして、実施例6に係る酸素吸収剤として、直径が30mm、最薄部の厚さが12.50mm、質量が2.73gであり、中心部を核とする有核打錠品を得た。このとき、酸素吸収剤全体に対する中心部の体積比は、55.56%であった。その後、実施例6に係る酸素吸収剤に、酸素吸収剤全体の含水量が35%になるように、水を与えた。
(実施例7)
多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物を16.13%、エリソルビン酸ナトリウムを48.39%、硫酸第一鉄を12.90%、炭酸ナトリウムを9.68%、水酸化カルシウムを9.68%、活性炭を3.23%の割合で混合して、粉末状の中心部用材料を調整した。
また、外殻部用材料として、多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物を用意した。この外殻部用材料0.75gを、打錠用の直径30mmの臼に投入し、平坦にならした。次に、粉末状の中心部用材料2.0gを先に投入した外殻部用材料の上に投入し、外殻部用材料を覆うように平坦にならした。次に、再度、外殻部用材料0.75gを先に投入した中心部用材料の上に投入し、中心部用材料を覆うように平坦にならした。最後に、臼に積み重ねた外殻部用材料、中心部用材料、外殻部用材料を打錠成形した。こうして、実施例7に係る酸素吸収剤として、直径が30mm、最薄部の厚さが4.80mm、質量が3.50gの3層構造をした打錠品を得た。このとき、酸素吸収剤全体に対する中心部の体積比は、51.28%であった。その後、実施例7に係る酸素吸収剤に、酸素吸収剤全体の含水量が35%になるように、水を与えた。
(比較例1)
多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物を2.17%、エリソルビン酸ナトリウムを97.83%、硫酸第一鉄を0%、炭酸ナトリウムを0%の割合で混合して、粉末状の中心部用材料を調整した。次に、この中心部用材料を打錠したが、中心部用材料は粉末状のままで錠剤にならなかった。
(比較例2)
多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物を16.13%、エリソルビン酸ナトリウムを48.39%、硫酸第一鉄を12.90%、炭酸ナトリウムを9.68%、水酸化カルシウムを9.68%、活性炭を3.23%の割合で混合して、粉末状の中心部用材料を調整した。次に、この中心部用材料を打錠して、直径が25mm、最薄部の厚さが4.80mm、質量が1.96gの中心部を得た。こうして得た中心部のみを(つまり、単層の酸素吸収剤を)、比較例2に係る酸素吸収剤とした。その後、比較例2に係る酸素吸収剤に、酸素吸収剤全体の含水量が32%になるように、水を与えた。
実施例1〜7及び比較例1〜2の酸素吸収剤の酸素吸収速度及び染み出し観察の結果を、各酸素吸収剤の組成比と共に表1に示す。表1では、酸素吸収速度及び染み出し防止の能力を「○」、「△」及び「×」の3段階でそれぞれ評価した。なお、表1中に示した「○」は良を意味し、「△」は可を意味し、「×」は不可を意味する。また、「○」及び「△」であれば、酸素吸収剤として好適に用いることができる。
Figure 2015199054
なお、上記実施例及び上記比較例において説明した、多孔質微粒子である珪酸カルシウム化合物は「中心部用多孔質材料」及び「外殻部用多孔質材料」」に相当するものである。また、エリソルビン酸ナトリウムは「有機系酸素吸収物質」に相当するものである。また、硫酸第一鉄は「反応触媒」に相当するものである。また、炭酸ナトリウムは「アルカリ剤」に相当するものである。
以下、酸素吸収速度の測定方法及びその結果、並びに染み出し観察の方法及びその結果について説明する。
<酸素吸収速度>
実施例1〜7及び比較例1〜2の酸素吸収剤を、有孔ポリエチレンフィルムをラミネートした包材に封入した。そして、この包材を、純水3.5gを含む脱脂綿とともにKコートナイロンフィルム外装袋内に入れた後、空気500mLを注入して、密封した。その後、25℃環境における袋内の酸素濃度の経時変化を測定した。ここで、上記脱脂綿に含ませた純水は、後述する染み出しの有無を評価するための水分であり、酸素吸収能活性化のための水分とは異なるものである。なお、酸素吸収能活性化のための水分量は、各実施例及び各比較例に記載されている。
実施例1及び5では、2日以内に酸素濃度が0%になった。また、実施例2、3、7及び比較例2では、1日以内に酸素濃度が0%になった。
実施例4では、酸素濃度の低下は確認できたが5日経過しても酸素濃度が0%にならなかった。これは、外殻部が厚く、中心部まで酸素が十分供給されなかったことが原因と考えられる。また、実施例6でも酸素濃度の低下は確認できたが5日経過しても酸素濃度が0%にならなかった。これは、中心部においてエリソルビン酸ナトリウムの占める割合が低かったためと考えられる。
<染み出し観察>
実施例1〜7及び比較例1〜2の酸素吸収剤を、有孔ポリエチレンフィルムと紙とで構成された包材に封入した。そして、この包材を、純水3.5gを含む脱脂綿とともにKコートナイロンフィルム外装袋内に入れた後、空気500mLを注入して、密封した。その後、25℃環境における袋内の様子を目視観察し、有孔ポリエチレンフィルムと紙とで構成された包材からの液状化した酸素吸収剤の染み出しの有無を判断した。
実施例1〜4及び6は、3ヶ月以上経過しても包材からの染み出しは確認されなかった。また、実施例5は、1ヶ月以上経過しても包材からの染み出しは確認されなかったが2ヶ月以内に包材からの染み出しが確認された。実施例7は、酸素吸収剤の側面に露出した中心部が包材と接していない場合には、3ヶ月以上経過しても包材からの染み出しは確認されなかったが、中心部が包材と接する場合には、1ヶ月以内に包材からの染み出しが確認された。
一方、比較例2は、1ヶ月以内に包材からの染み出しが確認された。
<充填機適性>
実施例1〜7及び比較例1〜2の酸素吸収剤は、それぞれ打錠品であり、充填機適性を備えていた。
以上のように、本実施形態に係る酸素吸収剤であれば、従来技術と比較して、充填機適性を備えつつ、酸素吸収速度の低下を防止し、且つ酸素吸収剤の染み出しを防止することができることを確認した。
(本実施形態の効果)
(1)本実施形態に係る酸素吸収剤10、20は、酸素吸収能を有する中心部2と、その中心部2を内包または狭持し、酸素透過能と水分吸着能とを有する外殻部3と、を備えた錠剤である。また、酸素吸収剤10、20は、外殻部3と中心部2とが一体となった錠剤である。
このような構成であれば、従来技術に係る単層の酸素吸収剤と比較して、弱い圧力で中心部2を打錠成形することができる。これは、従来技術よりも弱い圧力で中心部2を打錠成形しても、中心部2を内包または狭持する外殻部3の存在により、中心部2の形状は外殻部3内で維持可能だからである。したがって、中心部2の打錠成形時に、中心部2に含まれる多孔質材料の微細孔が部分的に潰れるのを低減することができる。よって、粉末状の酸素吸収剤を造粒又は打錠した場合であっても、中心部2内に設けた反応場を維持することができ、造粒又は錠剤化による酸素吸収速度の低下を低減できる。
また、酸素吸収剤10、20は錠剤であるので、粉末状の酸素吸収剤と比較して、優れた充填機適性を発揮する。
また、外殻部3は水分吸着能を備えているので、酸素吸収剤10、20が食品包装内の水分を吸収して液状化した場合であっても、酸素吸収剤10、20の染み出しを防止することができる。
なお、特許文献5及び特許文献6には、2層構造をした酸素吸収剤について記載されているが、そのうちの1層であるインジケータ層は、水分吸着能を有するものではない。
また、外殻部3が中心部2を狭持している場合(つまり、酸素吸収剤20の場合)、中心部2の一部が酸素吸収剤20の表面に露出しているので、より高い酸素吸収能を発揮することができる。さらに、外殻部3が中心部2を狭持している場合には、必ずしも中心部2を打錠成形する必要がないため、中心部2の打錠工程を省略することができる。また、この場合には、中心部2を打錠成形するための臼(つまり、第1実施形態における第1の臼)は不要となる。したがって、1つの臼(つまり、第1実施形態における第2の臼)のみを用いて、酸素吸収剤20を成形することができる。このため、酸素吸収剤の打錠成形工程を簡略化することができる。
(2)本実施形態に係る酸素吸収剤10、20の中心部2は、有機系酸素吸収物質と、反応触媒と、アルカリ剤と、中心部用多孔質材料とを含んでいる。また、外殻部3は、中心部用多孔質材料または中心部用多孔質材料とは材質の異なる多孔質材料を含んでいる。
このような構成であれば、有機系酸素吸収剤として使用できるため、酸素吸収剤10、20を同封した商品を金属探知機にかけることができる。
また、外殻部用多孔質材料と中心部用多孔質材料とを同じものとした場合には、中心部2と外殻部3の結合力が高まり、より安定した形状の維持が可能になる。
(3)本実施形態に係る酸素吸収剤10、20の中心部用多孔質材料と外殻部用多孔質材料とは、多孔質構造を有する珪酸カルシウムである。
このような構成であれば、中心部2及び外殻部3を打錠成形する際に必要な圧力を最も小さくすることができる。
(4)本実施形態に係る酸素吸収物質の含有量は、中心部2の全体量の30質量%以上95質量%以下の範囲内である。
このような構成であれば、酸素吸収能を維持しつつ、中心部2を容易に打錠成形することができる。酸素吸収物質の含有量が、中心部2の全体量の30質量%未満の場合には、酸素吸収物質の分量が少なく、十分な酸素吸収能が得られないことがある。また、酸素吸収物質の含有量が、中心部2の全体量の95質量%を超える場合には、中心部用多孔質材料の相対比が減少するため、中心部2の打錠成形が困難となることがある。
(5)本実施形態に係る中心部2の体積比は、酸素吸収剤10、20の全体量の30%以上60%以下の範囲内である。
このような構成であれば、酸素吸収能及び水分吸収能を維持しつつ、外殻部3を容易に打錠成形することができる。中心部2の体積比が、酸素吸収剤の全体量の30%未満の場合には、外殻部3の相対比が増加するため、外殻部3における酸素透過量が減少する。その場合には、酸素吸収剤は十分な酸素吸収能が得られないことがある。また、中心部2の体積比が、酸素吸収剤10、20の全体量の30%以上60%以下の場合には、長期間染み出しを防ぐことができる。また、中心部2の体積比が、酸素吸収剤の全体量の60%を超える場合には、外殻部3の相対比が減少するため、外殻部3の打錠成形が困難となることがある。
(6)本実施形態に係る酸素吸収剤10、20の形状は、直径が5mm以上40mm以下の範囲内であり、高さが2mm以上20mm以下の範囲内である円柱状である。
このような構成であれば、酸素吸収剤10、20は、外部応力に対して十分な強度を得ることができる。また、中心部2が酸素吸収剤20の側面に露出した構造の場合は、中心部2を酸素吸収剤20の包材に接触させないことで、染み出しを起こすのを防ぐことができる。特にピロー包装のように、外殻部3の上面と下面のみが包材内部と接触し、側面にゆとりがある包材構造である場合は、外殻部3の面積が十分に広く、安定して戴置できるので、酸素吸収剤20が横に倒れて包材に接触するのを防ぐことができる。
(7)本実施形態に係る中心部2の厚みt2を酸素吸収剤10、20の総厚t1で割った厚み比率の値は、1/6以上1未満の範囲内である。
上記比率の値が1/6未満の場合には、外殻部3が中心部2の酸素吸収能の付与に必要な水分まで吸水してしまい、酸素吸収速度が低下する。その場合には、酸素吸収剤は十分な酸素吸収能が得られないことがある。
<第1実施形態及び第2実施形態の変形例>
(1)本実施形態では、円柱状をした中心部2や外殻部3について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では、中心部2が外殻部3に内包または狭持されていればよく、中心部2や外殻部3の外観形状の如何を問わない。つまり、中心部2や外殻部3の外観形状は、角柱状や球状その他の形状であってもよい。中心部2や外殻部3の外観形状は、例えば、アーモンド型、ラグビーボール型、卵型、碁石型などであってもよい。また、中心部2と外殻部3との外観形状は相似形であって、外殻部3の厚みが一定であれば、より好ましい。この場合であっても、上述の効果を奏することができる。また、中心部2の一部が露出していて、酸素吸収剤20の外部から観察できる場合、すなわち中心部2が外殻部3に狭持されている場合は、露出した中心部2が包材に触れない状態で安定して維持できる形状であれば、上述の効果を奏することができる。
(2)本実施形態では、中心部用多孔質材料と外殻部用多孔質材料とが同じ材料である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、中心部用多孔質材料と、外殻部用多孔質材料とを異なった材料としてもよい。この場合であっても、上述の効果を奏することができる。
(3)本実施形態では、中心部2が酸素吸収剤10、20の中心に位置している場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、中心部2は、酸素吸収剤10の中心位置から図1の左右方向または図1の上下方向にずれて位置していてもよいし、酸素吸収剤20の中心位置から図2の左右方向または図2の上下方向にずれて位置していてもよい。これらの場合であっても、上述の効果を奏することができる。
(4)第2実施形態では、中心部2の側面すべてが酸素吸収剤20の側面にすべて露出している場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、中心部2は、酸素吸収剤20の中心位置から図2の左右方向または図2の上下方向にずれて位置した結果、あるいは中心部2の形状と外殻部3の形状とが互いに異なる結果、中心部2の側面の一部のみが酸素吸収剤20の側面から露出していてもよい。この場合であっても、上述の効果を奏することができる。
(5)本実施形態では、中心部2と外殻部3の2種類の層で構成された酸素吸収剤10、20について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、酸素吸収剤10、20は、中心部2、外殻部3以外の層を備えていてもよい。この場合であっても、上述の効果を奏することができる。
(6)第2実施形態では、粉末状の中心部用材料を、粉末状の外殻部用材料で挟んだ状態で打錠成形した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、まず、粉末状の中心部用材料を打錠成形して中心部2を成形する。その後、その中心部2を粉末状の外殻部用材料で挟んだ後、全体を打錠成形して酸素吸収剤20を成形してもよい。この場合であっても、上述の効果を奏することができる。
<その他>
また、本発明は、以上に記載した各実施形態に限定されるものではない。当業者の知識に基づいて各実施形態に設計の変更等を加えてもよく、そのような変更等が加えられた態様も本発明の範囲に含まれる。
2 中心部
3 外殻部
10 酸素吸収剤
20 酸素吸収剤
t1 酸素吸収剤の厚み
t2 中心部の厚み

Claims (7)

  1. 酸素吸収能を有する中心部と、前記中心部を内包または狭持し、酸素透過能と水分吸着能を有する外殻部と、を備えた錠剤であることを特徴とする酸素吸収剤。
  2. 前記中心部は、有機系酸素吸収物質と、反応触媒と、アルカリ剤と、多孔質材料とを含み、
    前記外殻部は、多孔質材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の酸素吸収剤。
  3. 前記多孔質材料は、多孔質構造を有する珪酸カルシウムであることを特徴とする請求項2に記載の酸素吸収剤。
  4. 前記有機系酸素吸収物質の含有量は、前記中心部の全体量の30質量%以上95質量%以下の範囲内であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の酸素吸収剤。
  5. 前記中心部の体積比は、酸素吸収剤の全体量の30%以上60%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の酸素吸収剤。
  6. 酸素吸収剤の形状は、直径が5mm以上40mm以下の範囲内であり、高さが2mm以上20mm以下の範囲内である円柱状であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の酸素吸収剤。
  7. 前記中心部の少なくとも一部は、露出していることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の酸素吸収剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017104846A (ja) * 2015-12-07 2017-06-15 凸版印刷株式会社 脱酸素剤及びその製造方法
JP2017177013A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 三菱瓦斯化学株式会社 脱酸素剤組成物

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