JP2015196870A - ばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材、及びその製造方法、ならびにばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線 - Google Patents

ばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材、及びその製造方法、ならびにばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線 Download PDF

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【課題】優れた強度とばね疲労特性を示す高強度複相ステンレス鋼線および線材を提供する。
【解決手段】C:0.21%以下、Si:0.05〜3.2%、Mn:1%超〜15%、Ni:0.5%以上、5%未満、Cr:10〜25%、Mo:3.0%以下、Cu:3.0%以下、N:0.02〜0.35%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなし、下記(a)式で表されるγ中のMd30値が−15〜40であり、α、γ粒径が10μm以下で、γ量が30〜80%体積%の線材であり、引張強さが1600〜2100MPa、加工誘起マルテンサイト量が1〜40vol.%、α量が20〜70vol.%、α、γ、α’粒径が5μm以下である疲労特性に優れる高強度(精密ばね用)複相ステンレス鋼線。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr―18.5Mo ・・・・ (a)
【選択図】なし

Description

本発明は、ばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材およびその製造方法、ならびに前記高強度複相ステンレス鋼線材を用いた高強度複相ステンレス鋼線に関するものである。
従来、ばね疲労特性に優れた高強度ステンレス製品は、SUS304、SUS316を代表とするオーステナイト系ステンレス鋼線材、鋼線を素材として加工・成型され製造されてきた。これら製品は、例えばコイルばねとして用いられる場合、特に鋼線の繰り返し曲げ方向、または、ねじり変形方向の疲労特性が求められる。しかしながら、上記のようなオーステナイト系ステンレス鋼線材から加工、製造されたステンレス製品は普通鋼材から製造された製品に比べ劣るという欠点があった。
上記課題に対して、強度と疲労特性の向上を目的として、加工誘起マルテンサイト(加工誘起α’)や金属間化合物による強化を利用する技術が検討されている(例えば、特許文献1、2)。しかしながら当該技術では、多量のマルテンサイト(α’)を利用するため得られる製品の靭性に劣る。
また、上記技術によって得られるステンレス鋼は希少金属の高価なNiを多く含有しており、製造コストの観点から望ましくない。そのため、近年では、ステンレス鋼に対し、低Ni化による低コスト化の要求が強くなってきている。
低Ni化の方策として、高Mn系ステンレス鋼が提案されてきた。そして、高Mn系ステンレスの強度を向上させる手法として、金属組織の複相組織化が挙げられる(例えば、特許文献3)。
特許文献3に記載の技術は、複相組織のうちオーステナイト(γ)量を制御し、高強度化を図っている。しかしながら、特許文献3に記載の技術では、さらなる高強度化を望む近年の要求強度を満たしてないばかりか、疲労特性が十分でない。
また、特許文献3に記載の技術は、高い強度を必要とする構造用部材に用いられる鋼板に好適な技術であって、鋼線材に対し複相組織化を利用する技術は未だ検討されていない。
特開2005−298932号公報 特開2012−97350号公報 特許第4949124号公報
これまでの低Ni系・高Mn系の安価素材のステンレス鋼線材や鋼線は、ばね用として幅広く使用されておらず、さらに従来のばね用素材では、強度と疲労特性の向上が不十分であった。
本発明の課題は、ばね疲労特性に優れる廉価低Ni・高Mn系高強度複相ステンレス鋼線材、及びその製造方法、ならびにばね疲労特性に優れた高強度ステンレス鋼線を提供することにある。
本発明では高Mn、低Ni系の廉価な素材で、フェライト相、オーステナイト相及びマルテンサイト相から構成される複相組織(以下、α/γ/α’相とも称する)の比率と、α及びγの平均粒径を微細に制御することで、優れた強度とばね疲労特性を示す複相系ステンレス鋼線および線材とすることができる。また、当該線材を製造する際、線材製造プロセス特有の高減面率圧延を有効に活用することで、本発明に係る。高強度複相ステンレス鋼線材を製造できる。
本発明の要旨は下記のとおりである。
[1] 質量%で、
C :0.21%以下、
Si:0.05〜3.2%、
Mn:1%超〜15%、
Ni:0.5%以上、5%未満、
Cr:10〜25%、
Mo:3.0%以下、
Cu:3.0%以下、
N :0.02〜0.35%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
金属組織がフェライト相及びオーステナイト相を備え、前記オーステナイト相率が30〜80vol.%であり、下記(a)式で示される前記オーステナイト相中のMd30値が−15〜45であり、前記フェライト相、前記オーステナイト相において、線材の横断面方向の平均粒径が10μm以下であることを特徴とするばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr―18.5Mo ・・・・ (a)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。
[2] 更に質量%で、
Co:2.5%以下、
Al:0.001〜2.0%以下、
B :0.012%以下
の内、1種類以上を含有することを特徴とする上記[1]に記載のばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材。
[3] 更に質量%で、
W :2.5%以下、
Sn:2.5%以下
の内、1種類以上を含有することを特徴とする上記[1]または[2]に記載のばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材。
[4] 更に質量%で、
Ti:1.0%以下、
V :2.5%以下、
Nb:2.5%以下、
Ta:2.5%以下
の内、1種類以上を含有することを特徴とする上記[1]〜[3]の何れか一項に記載のばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材。
[5] 更に質量%で、
Ca:0.012%以下、
Mg:0.012%以下、
Zr:0.012%以下、
REM:0.05%以下
の内、1種類以上を含有することを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材。
[6] 上記[1]〜[5]の何れか一項に記載の高強度複相ステンレス鋼線材の製造方法であって、
ビレットを1000〜1280℃で300分以内在炉させることで加熱し、
前記加熱後の前記ビレットを熱間線材圧延で99.0%以上の減面率で熱間加工した後、
水冷、または、溶体化処理として950〜1150℃で600s以下のインライン熱処理を施して水冷することを特徴とするばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材の製造方法。
[7] 上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の化学成分を有し、
引張強さが1600〜2300MPaで、
金属組織が、フェライト相、オーステナイト相及び加工誘起マルテンサイト相から構成される複相組織を有し、前記フェライト相率が20〜70vol.%、前記加工誘起マルテンサイト相率が1〜40vol.%、残部金属組織が前記オーステナイト相及び不可避的析出相からなり、
前記複相組織の鋼線の横断面方向の平均粒径が5μm以下であることを特徴とするばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線。
本発明によれば、ばね疲労特性に優れる廉価低Ni・高Mn系高強度複相ステンレス鋼線材、及びその製造方法、ならびにばね疲労特性に優れた高強度ステンレス鋼線を提供できる。
また、本発明による高強度複相ステンレス線材及びステンレス鋼線は、廉価かつ強度とばね疲労特性に優れるため、当該鋼線をばね部品等に適用することで、強度と耐疲労特性に優れたばね等の部品を安価に提供する効果を持つ。
本実施形態に係るばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材(以下、単に、高強度複相ステンレス鋼線材またはステンレス鋼線材、もしくは単に線材ともいう。)は、質量%で、C:0.21%以下、Si:0.05〜3.2%、Mn:1%超〜15%、Ni:0.5%以上、5%未満、Cr:10〜25%、Mo:3.0%以下、Cu:3.0%以下、N :0.02〜0.35%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、金属組織がフェライト相及びオーステナイト相を備え、前記オーステナイト相率が30〜80vol.%であり、下記(a)式で示される前記オーステナイト相中のMd30値が−15〜45であり、前記フェライト相、前記オーステナイト相において、線材の横断面方向の平均粒径が10μm以下であることを特徴とする。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr―18.5Mo ・・・・ (a)
但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。
以下に、先ず、成分組成の限定理由について説明する。
Cは、伸線加工後に高強度を得るために、0.21%以下(以下は全て質量%)添加する。しかしながら、Cを0.14%を超えて添加すると、粒界に粗大Cr炭化物が析出し、疲労亀裂の起点となり、ばね疲労特性(以下、単に疲労特性ともいう。)が低下傾向となるおそれがあるため、C量は0.14%以下とすることが好ましい。また、C量が0.01%未満となると強度不足となるおそれがある。以上から、C量の好ましい範囲は、0.01〜0.14%である。
Siは、脱酸を行い、脱酸生成物を少なくして疲労特性を確保するために0.05%以上添加する。しかしながら、Siを3.2%を超えて添加するとその効果は飽和するばかりか製造性が悪くなり、また、線材、鋼線の疲労特性を劣化させるため、上限を3.2%にする。Si量の好ましい範囲は、0.2〜1.5%である。
Mnは、Niの代替元素として有効であり、かつ高強度化に有効な加工誘起双晶を得るのに有効な元素である。これらの効果を享受するためMn量は1%超にする。しかしながら、Mnを15%を超えて添加すると線材、鋼線の靱性が低下して疲労特性を劣化させるため、Mn量の上限を15%に限定する。Mn量の好ましい範囲は、5%超、15%以下である。
Niは、延靱性を確保して疲労特性を確保するため、0.5%以上添加する。しかしながら、5.0%以上添加すると、オーステナイト(γ)相中のMd30値が低くなり、強度特性に劣るばかりか、本発明の低Ni化の特徴が損なわれる。そのため、Ni量の上限を5%未満にする。Ni量の好ましい範囲は、1.0〜4.5%である。
Crは、耐食性を確保するため、10.0%以上添加する。しかしながら、Crを25%を超えて添加すると、γ相中のMd30値が低くなり、強度特性に劣るばかりか、本発明の低Ni化の特徴が損なわれるため、Cr量の上限を25%にする。Cr量の好ましい範囲は、13.0〜24.0%である。
Moは、耐食性を向上させるのに有効な元素である。しかしながら、Moを3.0%を超えて含有すると、その効果は飽和するばかりか、逆に疲労特性が劣化する。そのため、Moは3.0%以下の範囲で含有させる。Mo量の好ましい範囲は、0.05〜2.5%である。
Cuは、微細Cu析出物として強度や疲労特性の向上に寄与する元素である。しかしながら、Cuを3.0%を超えて含有すると、線材、鋼線の強度が低下する。そのため、Cuは3.0%以下の範囲で含有させる。Cu量の好ましい範囲は、0.05〜2.5%である。
Nは、伸線加工後に高強度を得るために、0.02%以上添加する。しかしながら、Nを0.35%を超えて添加すると、粒界に粗大Cr窒化物が析出し、疲労亀裂の起点となるばかりか、製鋼プロセスで窒素のブローホールが生成して製造性を大幅に劣化させる。そのため、N量の上限を0.35%とする。N量の好ましい範囲は、0.04〜0.30%である。
本発明のステンレス線材及び鋼線は、上述してきた元素以外は、Fe及び不可避的不純物からなる。
代表的な不可避的不純物としては、O,S,Pなどが挙げられ、通常、鉄鋼の製造プロセスで不可避的不純物として0.0001〜0.1%の範囲で混入する。
また、上述してきた元素以外の任意添加元素について、代表的なものを上記[2]〜[5]にて説明したが、詳細を以下で説明する。なお、本明細書中に記載されていない元素であっても、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることが出来る。
上記[2]にて記載した成分組成の限定理由について説明する。
Coは、線材、鋼線の疲労特性を向上させるのに有効な元素である。しかしながら、Coを2.5%を超えて含有すると、その効果は飽和するばかりか、逆に線材、鋼線の疲労特性が劣化するおそれがある。そのため、Coは必要に応じて2.5%以下の範囲で含有させてもよい。Co量のより好ましい範囲は、0.05〜1.0%であり、更に好ましくは0.1〜0.8%である。
Bは、粒界強度を向上させて、線材、鋼線の疲労特性を向上させるのに有効な元素である。しかしながら、Bを0.012%を超えて含有すると、粗大なボライド生成により、逆に疲労特性が劣化するおそれがある。そのため、Bは必要に応じて0.012%以下の範囲で含有させてもよい。B量のより好ましい範囲は、0.0004〜0.010%であり、更に好ましくは0.001〜0.005%である。
Alは、脱酸を促進して介在物清浄度レベルを向上させ、線材、鋼線の疲労特性を向上させるのに有効な元素であるため、0.001%以上含有させてもよい。しかしながら、Alを2.0%を超えて含有すると、その効果は飽和するばかりか、材料自体の疲労特性が劣化するおそれがある。そのため、Alは必要に応じて2.0%以下の範囲で含有させてもよい。Al量のより好ましい範囲は、0.003〜1.0%であり、更に好ましくは0.005〜0.1%である。
次に、上記[3]にて記載した成分組成の限定理由について説明する。
Wは、耐食性を向上させるのに有効な元素である。しかしながら、Wを2.5%を超えて含有すると、その効果は飽和するばかりか、逆に疲労特性が劣化するおそれがある。そのため、Wは必要に応じて2.5%以下の範囲で含有させてもよい。W量のより好ましい範囲は、0.05〜2.0%であり、更に好ましくは0.1〜1.5%以下である。
Snは、耐食性を向上させるのに有効な元素である。しかしながら、Snを2.5%を超えて含有すると、その効果は飽和するばかりか、逆に疲労特性が劣化するおそれがある。そのため、Snは必要に応じて2.5%以下の範囲で含有させてもよい。Sn量のより好ましい範囲は、0.01〜1.0%であり、更に好ましくは0.05〜0.2%以下である。
次に、上記[4]にて記載した成分組成の限定理由について説明する。
Ti,V,Nb,Taは、炭窒化物を形成して結晶粒径を微細にして線材、鋼線の疲労特性を改善するため、必要に応じて、Ti:1.0%以下,V:2.5%以下,Nb:2.5%以下,Ta:2.5%以下の内、1種類以上を含有させてもよい。しかしながら、これら各元素を各規定上限を超えて含有させると粗大介在物が生成し、線材、鋼線の疲労特性が低下するおそれがある。これらのことから、各元素の好ましい範囲は、Ti:0.03〜0.7%、V:0.04〜1.5%、Nb:0.04〜1.5%、Ta:0.04〜1.5%であり、更に好ましくは、Ti:0.05〜0.5%,V:0.08〜0.9%,Nb:0.08〜0.9%,Ta:0.08〜0.9%である。
次に、上記[5]にて記載した成分組成の限定理由について説明する。
Ca,Mg,Zr,REMは、脱酸のため、必要に応じて、Ca:0.012%以下,Mg:0.012%以下,Zr:0.012%以下,REM:0.05%以下の1種以上を含有させる。しかしながら、各上限を超えて含有すると粗大介在物が生成して鋼線の疲労特性が低下する。好ましい範囲は、Ca:0.0004〜0.010%、Mg:0.0004〜0.010%、Zr:0.0004〜0.010%、REM:0.0004〜0.05%であり、更に好ましくはCa:0.001〜0.005%,Mg:0.001〜0.005%,Zr:0.001〜0.005%,REM:0.001〜0.05%である。
以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることが出来る。その他の成分について本発明では特に規定するものではないが、一般的な不純物元素であるP、S、Zn、Bi、Pb、Se、Sb、H、Ga等は可能な限り低減することが好ましい。これらの元素は、本発明の課題を解決する限度にいて、その含有割合が制御され、必要に応じて、P≦400ppm、S≦100ppm、Zn≦100ppm、Bi≦100ppm、P≦100ppm、Se≦100ppm、Sb≦100ppm、H≦10ppm、Ga≦100ppmの1種以上を含有する。
次に、本実施形態に係る線材の金属組織について説明する。
線材の金属組織において、オーステナイト相率を30〜80vol.%に限定する。オーステナイト相率が30vol.%未満では、強度特性に劣るばかりか、熱間製造性を得られない。一方、オーステナイト相率が80vol.%を超えると粒径が大きくなり、疲労特性が劣化する。そのため、オーステナイト相率の上限を80vol.%に限定する。オーステナイト相率の好ましい範囲は40〜73vol.%以下である。
また、線材において、オーステナイト相以外の残部金属組織の大部分がフェライト相である。さらに、不可避的析出相からなる線材とする。
なお、本実施形態に係る線材を用いて製造された鋼線の金属組織については後述することとする。
次に、Md値について説明する。
本実施形態に係る線材において、オーステナイト相中のMd値は、−15〜40に限定する。
Md30値は、伸線後の加工誘起マルテンサイト量と成分の関係をそれぞれ調査して得られた指標であり、高強度と鋼線の疲労特性を安定的に確保するために制御する必要がある。
Md30値は、下記式(a)より求められる値であり、オーステナイト相中のこの値が−15未満の場合、オーステナイト相の安定度が増し、伸線加工では高強度化し難くなる。一方、Md30値が45を超えると、オーステナイト相が不安定となり、伸線加工で加工誘起マルテンサイト相が40体積%以上に生成してしまい、疲労特性が劣化する。そのため、Md30値を−15〜40に限定する。Md値の好ましい範囲は、−10〜40である。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo ・・・ (a)
次に、フェライト(α)相及びオーステナイト(γ)相の結晶粒径について説明する。
α粒径、γ粒径において、粒径の微細化は疲労特性の向上に寄与する。つまり、α相及びγ相の平均粒径が10μm以下の場合、疲労特性は良好になる。しかし、α相及びγ相の平均粒径が10μmを超えると疲労特性の劣化に加え、強度も劣位となる。そのため、α相及びγ相の平均粒径を10μm以下に限定する。α相及びγ相の平均粒径好ましい範囲は5μm以下とする。なお、α相及びγ相の平均粒径の下限は特に限定せず、小さければ小さいほど上記効果を十分に享受できる。
「α相及びγ相の平均粒径」は、線材の横断面をFE-SEMで観察し、繊維方向に直角となる直線L(μm)を引き、その直線に存在した粒(αもしくはγ)の数Nから下記(F)式を用いて算出することができる。
α相及びγ相の平均粒径(μm)=L/N ・・・ (F)
次に、本実施形態に係る線材の製造方法について説明する。
本実施系形態に係る高強度複相ステンレス鋼線材を廉価に得るには、α、γ結晶粒径を微細にするように線材製造条件を制御することが重要である。
まず、線材圧延用のビレット加熱条件について説明する。
上記化学成分を有するビレットと加熱する際、加熱温度が1000℃未満では線材圧延時の割れが生じてしまう。一方、加熱温度が1280℃を超えると結晶粒が発達し、粗大結晶粒が残存し、鋼線の疲労特性を劣化させる。そのため、ビレットの加熱温度が1000〜1280℃の範囲内とする。
また、加熱する際のビレットの在炉時間が300分を超えても鋼線において粗大結晶粒が残存する。従って、ビレットを加熱する際は、加熱温度範囲を1000〜1280℃の範囲内とするとともに、在炉時間が300分以内となるように厳格に管理することが必要である。
なお、ビレット加熱時の条件の好ましい範囲は、加熱温度1000〜1280℃で、在炉時間200分以内である。
次に、加熱後のビレットを熱間線材圧延で99.0%以上の減面率で熱間加工する。
熱間線材圧延での減面率の合計が99%未満になると材料の粒径の均一化が不足し、疲労特性が劣位になる。そのため、熱間線材圧延での減面率を99%以上とし、更に、好ましくは99.5〜99.99%とする。
また、線材の結晶粒径を抑制するには、熱間線材圧延後に水冷、もしくは溶体化処理として、短時間の連続したインライン熱処理後に水冷することが好ましい。この時、熱間線材圧延直後、または、インライン熱処理直後に水冷しないと炭窒化物が生成してしまうため、鋼線の疲労特性が劣化し易い。
また、熱処理温度950℃未満のインライン熱処理でも炭窒化物が生成し、鋼線の疲労特性が劣化し易い。一方、1150℃超や600sを超えた条件でインライン熱処理すると、結晶粒径が粗大化する。また、熱間線材圧延後にオフライン熱処理を施す場合も同様に結晶粒径が粗大化する。そのため、溶体化処理としてインライン処理と行う場合、熱処理条件を950〜1150℃、600s以下とする。なお、好ましいインライン熱処理条件の範囲は、1000〜1100℃、300s以下である。
次に、本実施形態に係る線材を用いた製造した高強度複相ステンレス鋼線について説明する。
本実施形態に係る鋼線は、引張強さが1600〜2300MPaで、金属組織が、フェライト相、オーステナイト相及び加工誘起マルテンサイト相から構成される複相組織を有し、フェライト相率が20〜70vol.%、加工誘起マルテンサイト相率が1〜40%、残部金属組織がオーステナイト相及び不可避的析出相からなり、複相組織の鋼線の横断面方向の平均粒径が5μm以下である。
以下、各構成要件について説明する。
鋼線の引張強さは1600〜2300MPaである。引張強さについて、1600MPa未満では、高強度ばね製品として必要な強度を満足せず、価値が格段に低下する。一方、引張強さが2300MPaを超えると、鋼線のねじり加工性及び疲労特性が安定せずに劣る。そのため、上限を2300MPaにする。鋼線の引張強さの好ましい範囲は、1700以上、2000MPa未満である。
なお、引張強さの測定方法は、圧延方向と平行方向にJIS13B引張試験片を用いてJIS Z 2241に準拠した引張試験により測定することができる。N数は3以上として平均値をとることとしてよい。
鋼線の金属組織は、フェライト相、オーステナイト相及び加工誘起マルテンサイト相から構成される複相組織である。
加工誘起マルテンサイト量について、1vol.%未満では、強度を得られないため、加工誘起マルテンサイト相率は1vol.%以上とする。一方、40vol.%を超えると靭性が劣化し、疲労特性に劣る。そのため、加工誘起マルテンサイト相率の上限を40vol.%に限定する。加工誘起マルテンサイト相率の好ましい範囲は、1〜35vol.%以下である。
鋼線のフェライト量について、20vol.%未満では、粒径の粗大化のため靭性及び疲労特性を劣化させるため、フェライト相率は20vol.%以上とする。一方、フェライト相率が70%を超えると強度及び熱間加工性を劣化させる。そのため、フェライト相率の上限を50vol.%に限定する。フェライト相率の好ましい範囲は、20〜50vol.%以下である。
オーステナイト相の一部は、冷間加工によって、加工誘起マルテンサイト相へ変態することが望ましい。靭性を高水準に保ちながら強度を増加させる働きおよび、衝撃吸収能が期待できるからである。フェライト相及び加工誘起マルテンサイト相以外の残部金属組織の大部分がオーステナイト相ならびに不可避的析出相である。この理由は、ステンレス鋼線中には添加元素の組み合わせによっては炭化物、硫化物及び窒化物などの析出物が析出したり、脱酸時に生成した酸化物が不可避的に残存したりする場合があるためである。
なお、フェライト相および加工誘起マルテンサイト相は、強磁性を有し、一方、オーステナイト相の常磁性であるので、相率の測定には、電磁気的測定方法を用い、フェライト相および加工誘起マルテンサイト相を体積%で求めることができる。不可避的析出物相の量は無視できるので、オーステナイト相量は、100%からもしくはフェライト相または加工誘起マルテンサイト相の体積%を引いた値となる。
また、複相組織の鋼線の横断面方向の平均粒径は5μm以下とする。
鋼線のα、γ、α’平均粒径(複相組織の平均粒径)において、粒径の微細化は疲労特性の向上に寄与する。つまり、α、γ、α’平均粒径が5μm以下の場合、疲労特性は良好になる。α、γ、α’平均粒径が5μmを超えると疲労特性の劣化に加え、強度も劣位となる。そのため、α、γ、α’平均粒径を5μm以下に限定する。α、γ、α’平均粒径の好ましい範囲は2μm以下とする。
なお、鋼線の粒径の測定方法は、鋼線の横断面をFE-SEMで観察し、繊維方向に直角となる直線L(μm)を引き、その直線に存在した粒(α、α’もしくはγ)の数Nから下記(F)式を用いて算出した。
平均粒径(μm)=L/N ・・・ (F)
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例で用いた条件に限定されるものではない。
表1、表2に実施例の鋼の化学組成、Md30値を示す。なお、表中の下線は本発明範囲から外れているものと示す。
Figure 2015196870
Figure 2015196870
これらの化学組成の鋼は、ステンレス鋼の安価溶製プロセスであるAOD溶製を想定し、100kgの真空溶解炉にて溶解し、φ180mmの鋳片に鋳造した。そしてその鋳片を1100℃で200分の加熱後、φ5.5mmまで熱間の線材圧延(減面率:99.9%)を行い、1050℃で熱間圧延を終了した。その直後に水冷、または熱間圧延終了から連続して、溶体化処理として1050℃で3分のインライン熱処理を実施して水冷し、酸洗を行い線材とした。
その後、φ4.0mmまで冷間で伸線加工を施し、1050℃で3分の中間ストラウンド焼鈍を施し、引き続き2.0mmまで冷間で伸線加工を施した。その後、大気にて400℃で30分の時効処理を行い、高強度ステンレス鋼線の製品とした。
そして、線材製品のα相、γ相における平均粒径(α、γ粒径)、オーステナイト相率(γ分率)、引張強さ、ならびに鋼線製品の引張強さ、加工誘起マルテンサイト量(α’量),α量,α/γ/α’粒径(複相組織平均粒径)、疲労特性を評価した。
その評価結果を表4〜6に示す。オーステナイト相率(γ分率)については表1及び表2に示す。
次に、α、γ粒径に及ぼすビレット加熱条件と熱間線材圧延での熱間加工率および、その後の均一化熱処理温度の影響を調査した。
表1及び表2に示す成分組成の鋼A及び鋼Eのφ180mmの鋳片を、表3に示すビレット加熱温度と保持時間(ビレット加熱時間)でビレットを加熱し、各線材圧延減面率で熱間線材圧延し、1000℃で熱間圧延を終了した。その後、溶体化処理(均一化熱処理)として900℃、1000℃、1050℃、1150℃、1200℃のいずれかの温度で300s保持した後に水冷し、酸洗を行い線材とした。
そして、得られた線材のα、γ粒径を測定した。その評価結果を表3に示す。粒径が5μm以下の場合を(◎),5〜10μmの場合を(○)、10μmを超える場合を(×)として評価した。
鋼線の引張強さは、JIS Z 2241の引張試験での引張強さと破断絞りにて評価した。
表4〜6に示すとおり、本発明例の鋼線の製品では、全て1600〜2100MPaあり、強度特性に優れていた。
鋼線のα’量とα(γ)量は、「製品」と「製品を1050℃×3分の熱処理した材料」を直流磁束計にて10000 Oeの磁場を付与した時の飽和磁化値を測定し、以下の(A)〜(E)式にて求めた。
α’量(vol.%)={(σ−σ1050)/σ(bcc)}×100 ・・・ (A)
α 量(vol.%)={σ1050/σ(bcc)}×100 ・・・ (B)
γ 量(vol.%)=100−{σ1050/σ(bcc)×100} ・・・ (C)
ここで、σ:製品の飽和磁化値(T),σ1050:製品を1050℃×3分の熱処理した材料の飽和磁化値(T),σs(bcc):γが100%マルテンサイト(α’)変態した時の飽和磁化値(計算値)
σ(bcc)=2.14−0.030Creq ・・・ (D)
Creq=Cr+1.8Si+Mo+0.5Ni+0.9Mn+3.6(C+N)+1.25P+2.91S+1.85Al+1.07V・・(E)
表4〜6に示すとおり、本発明の線材の線品では、γ量は30〜80体積%であり、鋼線の製品では、α’量は1〜40体積%であり、α量は20〜70体積%であった。
鋼線の疲労特性は、中村式の回転曲げ疲労試験にて、回転曲げ応力500および600N/mmを負荷して105回の回転を負荷させて鋼線が破断するか否かで評価した。両応力とも破断しない場合を非常に良い(◎),500N/mmのみ破断しない場合を良い(○),いずれも破断した場合を悪い(×)として評価した。
表4〜6に示すとおり、本発明の範囲内であるNo.1〜6、15〜56の鋼線の疲労特性は◎または○であり、疲労特性に優れていた。特に、回転曲げ応力600N/mmで破断しないことは、ピアノ線相当以上の耐疲労特性を有することを示すものであり、従来ステンレス鋼線では難しいとされていたピアノ線代替として使用できる可能性のあるものである。そのため、産業上非常に有効である。
なお、本実施例において、線材と鋼線の粒径の測定方法は、線材および鋼線の横断面をFE-SEMで観察し、繊維方向に直角となる直線L(μm)を引き、その直線に存在した粒(αもしくは(α’+γ)もしくは(α+α’+γ))の数Nから下記(F)式を用いて算出した。
平均粒径(μm)=L/N ・・・ (F)
表4〜6に示すとおり、本発明の線材の線品では、粒径は10μm以下であり、鋼線の製品の粒径は5μm以下であった。
Figure 2015196870
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以上の各実施例から明らかなように、本発明により、強度,疲労特性に優れる廉価な低Ni・高Mn系の高強度ステンレス鋼線材、鋼線を安価に製造でき、複雑形状のばねに割れ無く、精度よく成形可能であり、耐久性に優れる高強度複雑形状の精密ばね製品を安価に提供することができ、産業上極めて有用である。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C :0.21%以下、
    Si:0.05〜3.2%、
    Mn:1%超〜15%、
    Ni:0.5%以上、5%未満、
    Cr:10〜25%、
    Mo:3.0%以下、
    Cu:3.0%以下、
    N :0.02〜0.35%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
    金属組織がフェライト相及びオーステナイト相を備え、前記オーステナイト相率が30〜80vol.%であり、下記(a)式で示される前記オーステナイト相中のMd30値が−15〜45であり、前記フェライト相、前記オーステナイト相において、線材の横断面方向の平均粒径が10μm以下であることを特徴とするばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr―18.5Mo ・・・・ (a)
    但し、式中の元素記号は、当該元素の鋼中における含有質量%を意味する。
  2. 更に質量%で、
    Co:2.5%以下、
    Al:0.001〜2.0%以下、
    B :0.012%以下
    の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材。
  3. 更に質量%で、
    W :2.5%以下、
    Sn:2.5%以下
    の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材。
  4. 更に質量%で、
    Ti:1.0%以下、
    V :2.5%以下、
    Nb:2.5%以下、
    Ta:2.5%以下
    の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材。
  5. 更に質量%で、
    Ca:0.012%以下、
    Mg:0.012%以下、
    Zr:0.012%以下、
    REM:0.05%以下
    の内、1種類以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の高強度複相ステンレス鋼線材の製造方法であって、
    ビレットを1000〜1280℃で300分以内在炉させることで加熱し、
    前記加熱後の前記ビレットを熱間線材圧延で99.0%以上の減面率で熱間加工した後、
    水冷、または、溶体化処理として950〜1150℃で600s以下のインライン熱処理を施して水冷することを特徴とするばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線材の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化学成分を有し、
    引張強さが1600〜2300MPaで、
    金属組織が、フェライト相、オーステナイト相及び加工誘起マルテンサイト相から構成される複相組織を有し、前記フェライト相率が20〜70vol.%、前記加工誘起マルテンサイト相率が1〜40vol.%、残部金属組織が前記オーステナイト相及び不可避的析出相からなり、
    前記複相組織の鋼線の横断面方向の平均粒径が5μm以下であることを特徴とするばね疲労特性に優れた高強度複相ステンレス鋼線。
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