JP2015196815A - バイオマスの利用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオマスをエネルギー源として有効に利用する方法を提供する。
【解決手段】バイオマス1を乾留してバイオマス炭11を製造する。バイオマス1の乾留の際に生じる分解生成物4を水蒸気改質反応により改質する。改質で、一酸化炭素5COと水素6Hとを生成する。バイオマス炭11、一酸化炭素5CO、及び/または、水素6Hをエネルギー源101として利用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バイオマスの利用方法に関し、バイオマスからバイオマス炭を乾留する際に生じるバイオマスの分解生成物及び前記バイオマス炭をエネルギー源として利用する方法に関する。
近年、地球温暖化防止の観点から、化石燃料由来の二酸化炭素の排出量を削減することが求められている。この排出量を削減する技術として、工場などの設備のエネルギー源として、石炭や石油などの化石燃料に代えて、カーボンフリーのバイオマスを用いる技術がある。このバイオマスとしては、建築家屋の解体で発生する木材廃棄物、製材所発生の木質系廃棄物、森林等での剪定廃棄物、農業系廃棄物などの廃木材がある。
製鉄所では、高炉に鉄鉱石とともにコークスを装入し、高炉に熱風を吹き込み、コークスで鉄鉱石を還元して銑鉄を製造しており、化石燃料であるコークスが高炉のエネルギー源となっている。コークスを製造するために、高価で良質な原料炭を必要となるので、コークス使用量を増やすと、高炉操業のコストが増大してしまう。このコストを抑えるべく、コークスの一部に代わりに、比較的安価な微粉炭を高炉の羽口から吹き込み、コークス使用量の削減を図っている。化石燃料である微粉炭の代わりとしてあるいはその一部としてバイオマスを用いることができ、これにより、コークス使用量の削減を図ることができる上に、バイオマスを高炉のエネルギー源として使用して、化石燃料由来の二酸化炭素の排出量を削減することにもなる。
特許文献1には、廃木材とプラスチックとを混合して該プラスチックの少なくとも一部を溶融固化させることで木材とプラスチックとを含有する造粒物を製造し、少なくとも微粉炭の一部が前記造粒物の表面に付着するように前記造粒物と前記微粉炭とを混合して混合物とし、該混合物を熱風中に投入して羽口より高炉内に吹込む方法が提案されている。
特開2004−183005号公報
特許文献1の技術で、廃木材(バイオマス)を高炉に用いることが可能となっている。しかしながら、バイオマスは、含水率が高くかつ発熱量が低いので(例えば、水分が15質量%で、発熱量が16.2MJ/kg−乾燥基準)、バイオマスが配合された混合物は、発熱量が低下するおそれがある。また、バイオマスは酸素を含有しており、バイオマスを加熱すると、水HO及び二酸化炭素COが発生する。高炉内では、この水HO及び二酸化炭素COがコークスと反応して、削減対象の化石燃料由来の二酸化炭素COが発生してしまうおそれもある上に、コークスの使用量が増大してしまうおそれもある。現状、バイオマスを高炉のエネルギー源としての利用に適するものとする技術は未だ確立されていないというのが実情である。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、エネルギー源としてのバイオマスをより有効に利用する方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
[1]バイオマスを乾留してバイオマス炭を製造し、前記バイオマスの乾留の際に生じる分解生成物を水蒸気改質反応により改質して、一酸化炭素COと水素Hとを生成し、前記バイオマス炭、前記一酸化炭素CO、及び、前記水素Hをエネルギー源として利用するバイオマスの利用方法。
[2]前記バイオマス炭、前記一酸化炭素CO、及び、前記水素Hをエネルギー源として高炉に用いる上記[1]に記載のバイオマスの利用方法。
[3]前記バイオマス炭、及び、前記水素Hをエネルギー源として高炉に用いる上記[1]に記載のバイオマスの利用方法。
[4]バイオマスを乾留してバイオマス炭を製造し、前記バイオマスの乾留の際に生じる分解生成物を水蒸気改質反応及び水性シフト反応により改質して、水素Hを生成し、前記バイオマス炭、及び、前記水素Hをエネルギー源とするバイオマスの利用方法。
[5]前記バイオマス炭、及び、前記水素Hをエネルギー源として高炉に用いる上記[4]に記載のバイオマスの利用方法。
本発明によれば、バイオマスを乾留してバイオマス炭を製造する際に発生する分解生成物を改質し、一酸化炭素CO及び水素Hの還元ガスを生成し、このバイオマス炭、及び、水素Hのみ、あるいは、一酸化炭素CO及び/または水素Hをエネルギー源に利用することで、エネルギー源としてのバイオマスの利用率を向上させる。特に、製鉄所での高炉におけるエネルギー源(補助還元材)として、バイオマス炭と併せて、一酸化炭素CO及び/または水素Hを利用することで、高価なコークスの使用量を削減するとともに、カーボンフリーではないコークス由来の二酸化炭素COの排出量を削減できる。
バイオマスの処理及び利用フローを示す説明図である。 バイオマスの乾留に用いるロータリーキルン式の乾留炉を示す説明図である。 バイオマスの乾留で生じた分解生成物の改質炉の説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態の一例を具体的に説明する。図1は、バイオマスの処理及び利用フローを示す説明図である。まず、バイオマス1は乾留される(乾留工程2)。バイオマス1の乾留の際、バイオマス1の熱分解で生じる分解生成物4を改質して(改質工程3)、一酸化炭素5と水素6とを生成する。本発明では、バイオマス炭11に併せて、一酸化炭素5と水素6を、たとえば、高炉などの設備のエネルギー源101として利用し、これにより、バイオマス1を、エネルギー源として有効的に利用する。
バイオマスとは、ある一定量集積した動植物資源とこれを起源とする廃棄物の総称(ただし、化石資源を除く)である。本発明に係るバイオマス1として、農業系、林業系、畜産系、水産系、廃棄物系等の、熱分解して炭化物を生成するあらゆるバイオマスを用いることができ、有効発熱量の高いバイオマスを用いることが好ましく、木質系バイオマスを用いることが好ましい。木質系バイオマスとしては、パルプ黒液、チップダスト等の製紙副産物、樹皮、のこ屑等の製材副産物、枝、葉、梢、端尺材等の林地残材、スギ、ヒノキ、マツ類等の除間伐材、食用菌類の廃ホダ木等の特用林産からのもの、シイ、コナラ、マツ等の薪炭林、ヤナギ、ポプラ、ユーカリ、マツ等の短伐期林業等の林業系バイオマスや、市町村の街路樹、個人宅の庭木等の剪定枝条等の一般廃棄物や、国や県の街路樹、企業の庭木等の剪定枝条、建設・建築廃材等の産業廃棄物等が挙げられる。農業系バイオマスに分類される、廃棄物・副産物を発生源とする籾殻、麦わら、稲わら、サトウキビカス、パームヤシ等や、エネルギー作物を発生源とする米糠、菜種、大豆等の農業系バイオマスの一部も木質系バイオマスとして好適に用いることができる。
次に、乾留工程2及び改質工程3について詳しく説明する。
<乾留工程>
バイオマス1を、乾留炉または熱分解炉で乾留(熱分解)し、バイオマス炭11を製造する。乾留炉または熱分解炉としては、バッチ式炉、ロータリーキルン式炉、竪型炉などを用いることができるが、連続プロセスとして機能するロータリーキルン式の乾留炉を用いることが好ましい。ロータリーキルン式の乾留炉20におけるバイオマス1の乾留工程について説明する。
図2は、ロータリーキルン式の乾留炉を示す説明図である。乾留炉20は、装置本体21及びバイオマス1のフィーダー26を有する。装置本体21は、円管状の外管22と、該外管22と同芯状に外管22の内部に配置される内管23と、を有する。内管23は、バイオマス1が通過可能なバイオマス通路24を構成し、該バイオマス通路24が外気から遮断されるように構成されており、内管23は、外管22に回転可能に取り付けられている。外管22と内管23との間は加熱ガス通路25となっており、外管22には加熱ガス流入口22a及び加熱ガス流出口22bが設けられている。これらは加熱ガス通路25に繋がっており、加熱ガス27をガス流入口22aを介して加熱ガス通路25に供給可能としており、ガス流出口22bから加熱ガス27を排出可能としている。
装置本体21の一端は、バイオマス1の入口21aとなっており、該入口21aには、バイオマス通路24にバイオマス1を供給するためのフィーダー26が接続されている。加熱ガス27を加熱ガス通路25に供給するとともに、フィーダー26を介してバイオマス1を、外気から遮断されたバイオマス通路24に供給する。バイオマス1は、内管23の回転によって撹拌されながらバイオマス通路24を通過する。その際、加熱ガス通路25からの熱でバイオマス通路24が加熱され、バイオマス1は、乾留されてバイオマス炭11となるとともに、バイオマス1から分解生成物4が発生する。
バイオマス1の乾留とは、バイオマス1の熱分解であり、空気(酸素)の供給を遮断または制限して加熱し、気体(木ガス)、液体(タール)、固体(バイオマス炭)の分解生成物4を得ることを意味する。バイオマスを熱分解して得られる液体を静置あるいは蒸留によって褐色透明な液(酢液)を分離して除いた黒褐色の高粘性の液状物をタールと呼ぶ場合もあるが、本発明ではタールと酢液とが混合された状態の液体をタールと呼ぶ。本発明における分解生成物4は、木ガス及び/またはタールであり、水分も含む場合がある。バイオマス1中の炭素分が、ガスおよびタールの一部となるため、固体として残留するバイオマス炭11の炭素分はそれほど多くなく、発生する分解生成物4もエネルギー源として利用できれば、バイオマス1のエネルギー源としての利用率を高めることができる。
バイオマス炭11を製鉄所のエネルギー源101に利用することを考慮して、バイオマス炭11中の酸素濃度は低いことが好ましく、該酸素濃度を抑えるために、バイオマス1の乾留温度は、500〜700℃であることが好ましい。乾留温度を700℃以下とすれば、バイオマス炭11の収率が著しく低下することを防止することができるし、乾留温度が500℃以上とすれば、酸素濃度が抑えられ、バイオマス炭11の発熱量が低くなってしまう。製鉄プロセスでは使用しやすくなる。
装置本体21の他端はバイオマス炭11の出口21bとなっており、該出口21bには、例えば、上部に排出ガスダクトや下部に篩いなど(図示しない)を設けておく。出口21bから、分解生成物4及びバイオマス炭11が排出される。気体状の分解生成物4は排出ガスダクトに向かい、液体状の分解生成物4は、篩いの篩下となり、固体状のバイオマス炭11は、篩上となる。このようにして、分解生成物4とバイオマス炭11とを分離することができる。
排出後、気体状及び液体状の分解生成物4は改質炉30に送られ、バイオマス炭11は、冷却され収容器110に送られる。バイオマス炭11の冷却方法としては、水噴霧などの冷却があるが、製鉄所での利用を考慮すると、乾燥した状態で冷却することが好ましい。乾留後のバイオマス炭11は燃焼しやすいことから、例えば、窒素Nや二酸化炭素COなどの非酸化性ガスを用いて冷却することが好ましい。また、バイオマス炭11を粉砕しておいてもよい。粉砕方法については、従来使用されている粉砕機でも、例えば、石炭を微粉にするローラーミル等の粉砕機にて1mm以下に粉砕することができる。
<改質工程>
気体状の木ガスや液体状のタールを含む分解生成物4は、水分(HO)を含み得るが、主には炭素と水素と酸素との化合物(C)であり、空気(酸素)の供給が遮断または制限されかつ水分がある環境で、分解生成物4を加熱することで、下記式(X)に示す水蒸気改質反応が生じ、後述するように、加熱温度によっては、この反応と共に下記式(Y)に示す水性ガスシフト反応も生じ、式(X)及び(Y)の反応を併せた下記(1)式で表される反応によって、分解生成物4(C)から、二酸化炭素CO、一酸化炭素CO、水素Hが生成される。
+(x−z)HO→nCO+(z+y/2−z)H ・・・(X)
CO+HO→CO+H ・・・(Y)
+HO→CO、CO、HO、H ・・・(1)
(1)式では、式(X)で示す反応が生じ、式(Y)で示す反応の進行度合で、右辺の生成物の化学量論係数は変わってしまうので、化学量論係数を便宜的に省いてある。(1)式の右辺の物質のうち、一酸化炭素COと水素Hとは、更に燃焼可能であり、エネルギー源101に用いることができる。なお、(1)式の右辺において、水HOを記載しててあるが、これは、水蒸気改質反応及び水性ガスシフト反応で用いられなかった水分を表している。改質炉30は、この水蒸気改質・水性ガスシフト反応を生じさせ、分解生成物4を改質する機能を発揮する。
図3は、分解生成物の改質炉の説明図である。改質炉30は、円柱状の炉本体31を有し、該炉本体31を上下に貫通する円柱状の反応室32を複数有する。反応室32には触媒33が充填されており、外気から遮断されるように構成されている。炉本体31にはバーナー34が挿入され、該バーナー34は、燃料ガス35及び支燃性ガス(図示しない)が供給可能な構成となっている。炉本体31において、バーナー34の挿入位置とは離れた位置に排ガス出口36が設けられている。バーナー34に燃料ガス35及び支燃性ガスを供給して、炉本体31内部で燃焼させて、反応室32を加熱することが可能であり、燃料ガス35及び支燃性ガスの燃焼後の排ガス37は、排ガス出口36から排出される。
反応室32は、一端から水蒸気51及び分解生成物4を供給可能とし、他端から水蒸気改質反応及び水性ガスシフト反応で生じた改質ガス41を排出可能とするように構成されており、反応室32の温度を、例えば1000℃などの高温とし、水蒸気51とともに分解生成物4を反応室32に供給して、触媒33を通過させると、水蒸気改質反応及び水性ガスシフト反応のうち、水蒸気改質反応が支配的になり、上記(1)式の右辺に示すうち、一酸化炭素COと水素Hとを生成する下記(2)式に示す反応が主に生じることになる。
+HO→CO、H ・・・(2)
この(2)式でも、化学量論係数は省いており、後述の(3)式でも省いてある。
また、反応室32の温度を、例えば500℃などの低温とし、水蒸気51とともに分解生成物4を反応室32に供給して、触媒33を通過させると、水蒸気改質反応が生じるとともに水性ガスシフト反応も生じ、上記(1)式の右辺に示すうち、二酸化炭素COと水素Hとを生成する下記(3)式に示す反応が生じることになる。
+HO→CO、H ・・・(3)
触媒33は、分解生成物4の上記水蒸気改質反応及び水性ガスシフト反応を促進させるものであり、反応室32に充填しておくことが好ましい。触媒33としては、Feなどの遷移金属系触媒を用いればよく、鉄鉱石を触媒として用いることもできる。また、分解生成物4のタールには、様々な化合物が含有されており、触媒33を失活させる可能性がある。その場合には、分解生成物4から、触媒33の被毒成分となる物質を事前に除去しておくことが好ましい。
水蒸気51及び分解生成物4を反応室32に供給し、該反応室32で、分解生成物4に上記(2)及び(3)式で示す反応を生じさせた後で、排出された改質ガス41には、二酸化炭素CO、一酸化炭素CO、及び、水素Hが含まれ、上記(2)及び(3)式の右辺には記載していないが、水蒸気改質反応及び水性ガスシフト反応で用いられなかった水分(水蒸気51)HOも含まれ得る。この改質ガス41から、一酸化炭素5及び水素6と、残部42(二酸化炭素CO及び水分HO)と、に分離する(分離工程60)。分離工程60では、例えば、ゼオライト吸着などの物理吸着方法などの分離方法を採用することができる。得られた一酸化炭素5及び水素6とをエネルギー源101に用いる。
上記水蒸気改質反応及び水性ガスシフト反応を用いる方法以外の分解生成物4の改質方法としては、例えば、反応室32から触媒33を取り除き、反応室32に酸素を少量送りこみ、分解生成物4を部分酸化する方法がある。この場合でも、一酸化炭素COが得られ、該一酸化炭素COをエネルギー源101に利用することができる。
一酸化炭素5及び水素6とのうち、水素6のみをエネルギー源とし、高炉の補助還元材に用いることが好ましい。水素6は、二酸化炭素COを発生させない点で高炉での二酸化炭素の削減効果が大きいからである。また、水素Hは、一酸化炭素COに比較してガス密度が低位であることから、高炉で鉄鉱石還元材に用いた場合は炉内の圧損を軽減できる。
また、上記(3)式で示す反応で分解生成物4を改質する方が、上記(2)式で反応で改質するよりも、反応室32をより高温に加熱する必要がないので、エネルギー的に有利である。また、改質炉30の材質を安価に済ませることが可能であるという点でも有利である。
上記改質工程3で得られる一酸化炭素5と水素6及び前述の乾留工程2で得られるバイオマス炭11はバイオマスから得られる物質であり、これらをエネルギー源101に利用することで、エネルギー源として用いるバイオマス1の利用率が向上する。特に、製鉄所での高炉における補助還元材として、バイオマス炭および一酸化炭素CO及び水素Hを利用することで、高価なコークスの使用量を削減するとともに、カーボンフリーではないコークス由来の二酸化炭素(CO)の排出量を削減できる。
図1に示す処理フローに基づき、図2に示す乾留炉20で、バイオマス1を乾留して、バイオマス炭11を製造した。更に、図3に示す改質炉30で、バイオマス1の乾留の際に生じる分解生成物4を水蒸気改質反応により改質して、一酸化炭素5と水素6とを生成した。バイオマス炭11及び一酸化炭素5と水素6を、高炉に吹き込まれる補助還元材に用いて、高炉操業について数値計算により操業解析を行った(本発明例)。
本発明例では、乾留炉20の内管23は内径15cm、長さ1.0mであり、回転数1.5rpm(乾留時間:約50分)、乾留温度500℃の条件でバイオマス1を、1.0kg/時で供給した。バイオマス1としては3mm〜10mmに粉砕分級した杉を用いた。使用したバイオマス(杉)の組成を表1に示す。
Figure 2015196815
表1には、得られたバイオマス炭11の組成も示してある。バイオマス1からのバイオマス炭11の収率は24.5mass%であった。乾留で得られた乾留生成物4の内訳は、木ガス32.7mass%、タール:30.2mass%、水分:12.6mass%であった。木ガスは、一酸化炭素CO、二酸化炭素CO、メタンCH、エチレンC、エタンC、を含有していた。得られたタールの組成を表2に示す。
Figure 2015196815
改質炉30の反応室32の温度を1000℃にして、表2に示す組成を有するタール及び木ガスからなる分解生成物4とともに水蒸気51を反応室32に供給して、分解生成物4の改質を行った。
分解生成物4 :0.63[kg/時]
水蒸気51の供給量: 1.5[kg/時]
触媒30 :鉄鉱石
接触時間(W/F): 3.2[時]
接触時間とは、触媒単位質量当たりの分解生成物通過量であり、分解生成物4の触媒上での滞留時間を意味する。得られた改質ガス41の組成を表3(乾燥基準)に示す。
Figure 2015196815
表3に示す組成の改質ガス41を1.8[Nm/kg−バイオマス]分製造し、この改質ガス41を一酸化炭素5及び水素6と残部42とに分離し、該一酸化炭素5及び水素6を得た。得られたバイオマス炭11[0.245kg/kg−バイオマス]を粒径が1.0mm以下となるように粉砕し、高炉の羽口に供給する高炉操業解析を行った。
また、本発明例で用いた3mm〜10mmに粉砕分級した杉を、バイオマスである廃木材に採用し、高炉の羽口に供給した以外は本発明例と同様の条件で、高炉操業解析を行った(比較例)。
1トンの溶銑を製造するのに用いる杉(バイオマス)を50[kg]として、本発明例と比較例とで同量用い、本発明例と比較例とでは共に、バイオマス炭11及び一酸化炭素5と水素6(本発明例)、または、バイオマス(比較例)、に加え更に、微粉炭を100[kg/トン−溶銑]吹き込む設定としてある。高炉操業解析の結果、本発明例の高炉操業におけるコークス比は、366[kg/トン−溶銑]となり、比較例では、コークス比は、381[kg/トン−溶銑]となった。
比較例の場合よりも、本発明の方が、バイオマスを乾留してバイオマス炭を製造する際に発生する分解生成物を改質し、CO及びHの還元ガスを製造し、バイオマス炭及び一酸化炭素COと及び水素Hとを、高炉の補助還元材としているので、エネルギー源としてのバイオマスの利用率が向上し、コークスの使用量を削減することができた。本発明によって、カーボンフリーのバイオマスをより有効に利用できたことが確認でき、カーボンフリーではないコークス由来の二酸化炭素COの排出量を削減し得ることがわかる。
1 バイオマス
2 乾留工程
3 改質工程
4 分解生成物
5 一酸化炭素
6 水素
11 バイオマス炭
20 乾留炉
21 装置本体
21a 入口
21b 出口
22 外管
22a 加熱ガス流入口
22b 加熱ガス流出口
23 内管
24 バイオマス通路
25 加熱ガス通路
26 フィーダー
27 加熱ガス
30 改質炉
31 炉本体
32 反応室
33 触媒
34 バーナー
35 燃料ガス
36 排ガス出口
37 排ガス
41 改質ガス
42 残部
51 水蒸気
60 分離工程
101 エネルギー源
110 収容器

Claims (5)

  1. バイオマスを乾留してバイオマス炭を製造し、
    前記バイオマスの乾留の際に生じる分解生成物を水蒸気改質反応により改質して、一酸化炭素COと水素Hとを生成し、
    前記バイオマス炭、前記一酸化炭素CO、及び、前記水素Hをエネルギー源として利用するバイオマスの利用方法。
  2. 前記バイオマス炭、前記一酸化炭素CO、及び、前記水素Hをエネルギー源として高炉に用いる請求項1に記載のバイオマスの利用方法。
  3. 前記バイオマス炭、及び、前記水素Hをエネルギー源として高炉に用いる請求項1に記載のバイオマスの利用方法。
  4. バイオマスを乾留してバイオマス炭を製造し、
    前記バイオマスの乾留の際に生じる分解生成物を水蒸気改質反応及び水性シフト反応により改質して、水素Hを生成し、
    前記バイオマス炭、及び、前記水素Hをエネルギー源とするバイオマスの利用方法。
  5. 前記バイオマス炭、及び、前記水素Hをエネルギー源として高炉に用いる請求項4に記載のバイオマスの利用方法。
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