JP2009298967A - ガス化方法、及びガス化装置 - Google Patents

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潤一郎 林
Tomohiro Akiyama
友宏 秋山
Hiroyuki Uesugi
浩之 上杉
Yukiyasu Norinaga
行庸 則永
Satoshi Hosogai
聡 細貝
Atsuji Kimura
篤治 木村
Keigo Sugiyama
慶吾 杉山
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Abstract

【課題】タール非含有ガス、炭状固体及び還元物を併産することができるガス化方法を提供する。
【解決手段】有機物を加熱することにより、該有機物をタール含有ガス、水蒸気及び炭状固体に熱分解するガス化方法に、熱分解によって生成した炭状固体を回収する炭状固体回収工程と、熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気を、所定温度範囲で金属酸化物に接触させることによって、タール非含有ガス及び前記金属酸化物の還元物を併産する酸化還元工程と、併産されたタール非含有ガス及び前記還元物を回収する回収工程とを含ませる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機物をガス化するガス化方法、ガス化装置に関する。
環境負荷の小さいエネルギー源として、バイオマス(Biomass)が注目されている。バイオマスとは、化石資源を除いた生物資源、例えば木材、紙、農業残渣、屎尿、食品廃棄物等の有機物である。バイオマスから得られるエネルギーは、いわゆる再生可能エネルギーの一つであり、バイオマスマスエネルギーと呼ばれている。再生可能エネルギーとは、地球規模で見て、生物による二酸化炭素の吸収量と、その生物に由来するバイオマスを燃焼させた場合に発生する二酸化炭素の排出量とが同量で相殺するため、エネルギーを利用しても現在の大気中二酸化炭素濃度が増加しないものをいう。
バイオマスのエネルギーは例えばガス化発電装置を用いて利用されている(例えば、特許文献1)。ガス化発電装置は、ガス化装置及び発電機を備える。ガス化装置は、バイオマスを400℃以上の高温で熱分解することにより可燃性のガスを発生させ、発電機は熱分解で発生したガスを燃料として発電を行う。
ところが、バイオマスのガス化においては、木炭と、一酸化炭素、メタン、エタン等の可燃性ガスと共にタールも発生する。発生したタールは、熱分解時においては気化しているが、発電機に送出されて温度が低下した場合、該発電機を構成する配管に凝着し、該発電機の不調乃至故障を招来する。
本願発明者は、タール含有ガスからタールを除去する手法として、タール含有ガスを多孔質無機物、例えば酸化アルミニウムに接触させることにより、タールを固体の炭状物質として多孔質無機物に担持する方法を提案した。
炭状物質が担持された多孔質無機物(以下、担持体という)は、電力に比べて、貯蔵及び輸送性に優れている。このため、木質資源が豊富な林業地域でバイオマスから木炭、担持体を生産し、木炭、担持体の余剰分をエネルギー需要のある需要地域へ輸送することが可能になった。需要地域では、木炭又は担持体を水蒸気に接触させることによってタールフリーの水素ガスとしてエネルギーを取り出すことができる。また、担持体の供給先である需要地域から酸化アルミニウムを回収して再利用することができる。
このように構成されたシステムにおいては、バイオマス資源が豊富ではあるがエネルギー需要に乏しい林業地域と、バイオマス資源は乏しいがエネルギー需要のある地域とを結びつけ、バイオマスエネルギーを有効活用することができる。
特許第3980382号公報
しかしながら、一般に多孔質の酸化アルミニウムは高価であるため、従来システムにおいては、水素ガスを発生させた後の多孔質無機物を需要地域から回収することが必要不可欠であり、酸化アルミニウムの回収を必要としないシステムが望まれていた。
多孔質無機物の回収ルートを確保でき、担持体の供給量と、酸化アルミニウムの回収量とがバランスしていれば良いが、酸化アルミニウムの回収量が大きく減少した場合、問題になる。ガス化発電装置の操業を続けるためには、担持体から水素を取り出して酸化アルミニウムを再生するか、高価な多孔質酸化アルミニウムを新たに製造することが必要になる。
なお、特許文献1は、斯かる課題を解決する手段を開示していない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、バイオマス等の有機物の熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気を、所定温度範囲で金属酸化物に接触させる工程を備えることによって、有機物からタール非含有ガス、炭状固体、及び金属酸化物の還元物を併産することができるガス化方法及びガス化装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、バイオマス等の有機物の熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気を、575℃〜1375℃、好ましくは600℃〜900℃で安価な多孔質酸化鉄に接触させることによって、タール非含有ガス、炭状固体及び還元鉄を併産することができるガス化方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、結合水を含有する安価な金属酸化物を加熱し、結合水を水蒸気として脱水させることで多孔質の金属酸化物を製造することにより、安価な低品位鉱石を用いて、タール非含有ガス、炭状固体、及び金属酸化物の還元物を併産することができるガス化方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、バイオマスの熱分解によって、タール非含有ガス、木炭、及び金属酸化物の還元物を併産することができるガス化方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、酸化還元工程でタール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物を並流又は向流させることにより、金属酸化物の流れ方向下流側から金属酸化物の還元物を回収することができるガス化方法及びガス化装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、バイオマスの熱分解によって発生した水蒸気、タール含有ガス及び金属酸化物の酸化還元反応系に水蒸気又は空気を導入する工程を備えることにより、該酸化還元反応を制御することができるガス化方法及びガス化装置を提供することにある。
第1発明に係るガス化方法は、有機物を加熱することにより、該有機物をタール含有ガス、水蒸気及び炭状固体に熱分解するガス化方法において、熱分解によって生成した炭状固体を回収する炭状固体回収工程と、熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気を、所定温度範囲で金属酸化物に接触させることによって、タール非含有ガス及び前記金属酸化物の還元物を併産する酸化還元工程と、併産されたタール非含有ガス及び前記還元物を回収する回収工程とを有することを特徴とする。
第2発明に係るガス化方法は、前記金属酸化物は多孔質の酸化鉄を含み、前記所定温度範囲は、575〜1375℃であることを特徴とする。
第3発明に係るガス化方法は、前記金属酸化物は多孔質の酸化鉄を含み、前記所定温度範囲は、600〜900℃であることを特徴とする。
第4発明に係るガス化方法は、結合水を含有する金属酸化物を加熱し、結合水を水蒸気として脱水させることによって、多孔質の金属酸化物を製造する工程を有することを特徴とする。
第5発明に係るガス化方法は、前記有機物は、木質のバイオマスであることを特徴とする。
第6発明に係るガス化方法は、前記酸化還元工程は、タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物を並流又は向流させる工程を有することを特徴とする。
第7発明に係るガス化方法は、前記酸化還元工程は、タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物の反応系に水蒸気又は空気を導入する工程を有することを特徴とする。
第8発明に係るガス化装置は、有機物を加熱することにより、該有機物をタール含有ガス、水蒸気及び炭状固体に熱分解するガス化装置において、熱分解によって生成した炭状固体を回収する炭状固体回収手段と、熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気を、所定温度範囲で金属酸化物に接触させることによって、タール非含有ガス及び前記金属酸化物の還元物を併産する酸化還元手段と、併産されたタール非含有ガス及び前記還元物を回収する回収手段とを備えることを特徴とする。
第9発明に係るガス化装置は、前記酸化還元手段は、タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物を並流又は向流させる容器と、該容器を加熱する燃焼加熱炉とを備えることを特徴とする。
第10発明に係るガス化装置は、水蒸気又は空気を前記容器へ投入する投入器を備えることを特徴とする。
第1及び第8発明にあっては、まず有機物を加熱し、該有機物をタール含有ガスと、水蒸気と、炭状固体とに熱分解する。熱分解によって発生した炭状固体は回収される。
次いで、熱分解によって発生したタール含有ガスと、水蒸気とを所定温度範囲で、金属酸化物に接触させる。金属酸化物は、酸化剤、水蒸気改質触媒及び炭素担持体として機能する。
タール含有ガスと、金属酸化物とが接触した場合、タール含有ガス及び金属酸化物は、それぞれが還元剤及び酸化剤として作用し、酸化還元反応が進行する。該酸化還元反応によって、タール含有ガスは水素、一酸化炭素等のタール非含有ガスに分解されると共に、金属酸化物は還元される。
また、所定温度範囲は、金属酸化物又は該金属酸化物の還元物が水蒸気改質触媒として機能する温度範囲であり、該温度範囲においては、タール含有ガス及び水蒸気は、それぞれが還元剤及び酸化剤として作用し、酸化還元反応が進行する。該酸化還元反応によって、タール含有ガスはタール非含有ガスに分解され、水は水素に分解される。タール及び水蒸気の分解が進行した場合、酸化反応によって生成した水素ガス及び一酸化炭素の分圧が高くなるため、金属酸化物の還元が優位に進行し、還元物が生成される。これらの反応によって生成されたタール非含有ガス及び還元物は回収される。
従って、有機物及び金属酸化物から、タールフリーの炭状固体、タール非含有ガス及び前記金属酸化物の還元物を回収することができる。
なお、言うまでもなく回収物はこれらに限定されず、金属酸化物の半還元物を回収する場合も本発明に含まれる。例えば、金属酸化物がFe2 3 である場合、該金属酸化物の還元物Fe及び半還元物FeO、並びに還元物Fe及び半還元物FeOに炭素が担持されたものを回収しても良い。
本発明の技術的思想を補足すると、以下の通りである。
金属酸化物を水蒸気改質触媒として機能させるためには水蒸気が必要であり、水蒸気が不足した場合、金属酸化物は、還元物に還元、つまり失活してしまう。従って、タールの分解のみを主目的とした場合、金属酸化物が失活しないように十分な量の水蒸気を投入する必要があるとの結論に至る。
ところが、タール除去に加え、触媒として失活した還元物を有用資源として回収することも目的の一つとして捉えると、水蒸気が不足し、触媒失活しても良いと発想転換することができる。そして、水蒸気が不足しても良いなら、有機物の熱分解時に発生する水蒸気のみを利用して、タールを分解すれば良いという結論に至る。
本願発明は、斯かる発想転換によって創作された発明である。
第2及び第3発明にあっては、タール含有ガス及び水蒸気を575〜1375℃、好ましくは600〜900℃で多孔質の酸化鉄に接触させる。酸化鉄又は該酸化物の還元物は575〜1375℃の温度範囲で、水蒸気改質触媒及び炭素の担体として機能し、タール非含有ガス及び還元鉄が併産され、回収される。
600℃以上は、酸化鉄又は該酸化鉄の還元物が水蒸気改質触媒として十分に機能し、一定の反応速度でタールが分解される温度条件である。
900℃以下は、反応容器の耐久性を考慮した温度条件である。汎用の反応容器では、900℃超の温度に耐えることができない。もちろん、900℃超の高温に耐えることができる反応容器も存在するが、高コストになる。
第4発明にあっては、結合水を含有する金属酸化物を加熱し、結合水を水蒸気として脱水させることによって、多孔質の金属酸化物を製造する。従って、結合水を含有する安価な低品位鉱石を用いて、炭状固体、タール非含有ガス、及び金属酸化物の還元物を併産することが可能になる。
第5発明にあっては、木質のバイオマスから、木炭、タール非含有ガス、及び金属酸化物の還元物を併産することが可能になる。
第6及び第9発明にあっては、タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物は容器中を並流する。つまり、タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物は略同一方向へ移動する。金属酸化物に接触しながら、タール含有ガス及び水蒸気が通流した場合、金属酸化物の還元剤として作用するタールガスの分圧が高い上流側で金属酸化物の還元が進行し、タールガスは酸化反応によって酸化、即ち分解される。また、上流側では、水蒸気改質によって水蒸気も水素に分解される。
金属酸化物の下流側では、タールガス及び水蒸気の分圧は低くなり、該タール及び水蒸気の酸化によって発生した水素及び一酸化炭素等の分圧が高くなる。このため、下流側では、金属酸化物の還元が優位に進行し、該金属酸化物の還元物が生成される。
従って、タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物を並流させることによって、下流側から金属酸化物の還元物を回収することができる。
一方、タール含有ガス、水蒸気と、金属酸化物とを向流させても良い。つまり、タール含有ガス、水蒸気を一の方向へ移動させ、金属酸化物を該一の方向に対して逆方向へ移動させても良い。酸化還元反応速度が十分に速い場合、金属酸化物の流れ方向下流側で金属酸化物の還元物が生成される。また、酸化還元反応速度によっては、金属酸化物の還元物と、半還元物、金属酸化物、炭状物質が担持された半還元物又は金属酸化物との混合物を回収することもできる。
第7及び第10発明にあっては、タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物の反応系に水蒸気又は空気を導入することによって、タール含有ガスに必要な水蒸気、空気の量を調整することが可能になる。
第1及び第8発明によれば、有機物から水素、一酸化炭素等のタール非含有ガス、炭状固体、及び金属酸化物の還元物を併産することができる。
第2及び第3発明によれば、安価な酸化鉄を用いて、タール非含有ガス、炭状固体及び還元鉄を併産することができる。
第4発明によれば、結合水を有する安価な低品位鉱石を用いて、タール非含有ガス、炭状固体、及び金属酸化物の還元物を併産することができる。
第5発明によれば、バイオマスの熱分解によって、タール非含有ガス、木炭、及び金属酸化物の還元物を併産することができる。
第6及び第9発明によれば、タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物を並流又は向流させることにより、金属酸化物の流れ方向下流側から金属酸化物の還元物を回収することができる。
第7及び第10発明によれば、バイオマスの熱分解によって発生した水蒸気、タール含有ガス、及び金属酸化物の酸化還元反応を制御することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係るガス化方法を概念的に示す説明図である。本発明の実施の形態に係るガス化方法は、バイオマスの熱分解によって発生したタール含有ガスをタール非含有ガスに改質する工程において、鉄鉱石をタール含有ガスの改質剤として利用することによって、木炭と、タール非含有ガスと、還元鉄とを併産するものである。
本発明に係るガス化方法では、まず、木質のバイオマスを400〜600℃、例えば550℃で加熱することにより、バイオマスは、木炭と、タール含有ガスと、水蒸気とに熱分解し、熱分解によって生成した木炭を回収する。
タール含有ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び低級炭化水素ガス等を含んだ可燃性の非凝縮性ガスと、タールガスとからなる。タールガスは、常温まで冷却すると液体又は固体になる凝縮性化合物、即ちタールが気化したものである。ここでの凝縮性とは、常温・常圧で液体又は固体になる性質という程度の意味である。タール含有ガスは、熱分解直後の冷却されていない状態では、非凝縮性ガスにタールの蒸気が含まれた状態となっている。
なお、タールには芳香族化合物が含まれる。これらの化合物のうち、1分子あたり1個の芳香族環を持つベンゼン、トルエン及びキシレン等のアルキルベンゼン類は、配管閉塞等のトラブルやガスエンジン運転のトラブルの原因とならないため、タールには含められないことが多い。但し、1個の芳香族環を持つ化合物であってもフェノールのような高沸点の化合物はタールに分類される。2個以上の芳香族環を持つ化合物は全てタールに分類される。
また、バイオマスの熱分解によって発生する水蒸気には、バイオマスから蒸発した水蒸気のみならず、バイオマス自体の熱分解反応で発生した水蒸気も含まれている。つまり、乾燥状態のバイオマスを熱分解しても水蒸気が発生する。本発明では、バイオマスの熱分解で発生した水蒸気をタールの改質に利用する。木質のバイオマスを熱分解した場合、タールの改質に十分な量の水蒸気、具体的には乾燥状態のバイオマス重量の15〜20%の水蒸気が発生する。
次に、熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気を、575〜1375℃、好ましくは600〜900℃、より好ましくは650℃〜800℃の温度範囲で低品位鉄鉱石に接触させることによって、タール含有ガスの改質、即ち酸化還元を行い、水素、一酸化炭素等を含むタール非含有ガスと、還元鉄Feとを併産し、併産されたタール非含有ガス及び還元鉄Feを回収する。この改質工程では、熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気と、低品位鉄鉱石とを並流させる。
前記低品位鉄鉱石は、メソ多孔質の酸化鉄、例えばヘマタイトFe2 3 を主成分とするメソ多孔質鉱石である。メソ多孔質鉱石は、バイオマスのガス化を行う前段階で製造する。具体的には、低品位鉄鉱石、例えば、結合水を有する酸化鉄を主成分とするリモナイト鉱石、ゲーサイト鉱石FeOOH等を加熱し、結合水を水蒸気として脱水させることによって製造される。なお、低品位鉄鉱石として、脱水前のリモナイト鉱石、ゲーサイト鉱石をタール含有ガスの改質に直接使用しても良い。
改質工程(酸化還元工程)において、メソ多孔質のヘマタイトFe2 3 と、タール含有ガスとが少なくとも500℃以上の温度下で接触した場合、タール含有ガス及びヘマタイトFe2 3 は、それぞれが還元剤及び酸化剤として作用し、酸化還元反応が進行する。つまり、ヘマタイトFe2 3 は、自身の酸素を、タール含有ガスに含まれるタール、炭化水素、一酸化炭素、水素等に与え、ヘマタイトFe2 3 はマグネタイトFe3 4 に還元される。上述の酸化還元反応は、下記化学反応式で表される。なお、(CO、CO2 、H2 O)は、一酸化炭素CO、二酸化炭素CO2 、及びH2 O、又は一酸化炭素CO、二酸化炭素CO2 、及びH2 Oのいずれかが発生することを示している。
3Fe2 3 +CO=2Fe3 4 +CO2 ・・・(1)
3Fe2 3 +H2 =2Fe3 4 +H2 O・・・(2)
3Fe2 3 +タール=2Fe3 4 +(CO、CO2 、H2 O)・・・(3)
3Fe2 3 +炭化水素=2Fe3 4 +(CO、CO2 、H2 O)・・・(4)
また、少なくとも575〜1375℃の温度下においては、マグネタイトFe3 4 も、同様の酸化還元反応によって、タール含有ガスを酸化、つまり改質し、自身はウスタイトFeOに還元される。
図2は、Fe−H−O系及びFe−C−Oの平衡図である。図2(a)は、Fe−H−O系の平衡図であり、横軸は温度(K)、縦軸は水素の分圧PH2/(PH2 +PH2 O)を示している。図2(a)に示すように、Fe−H−O系においては、850〜1650K、即ち575〜1375℃以上で、ウスタイトFeOの生成が可能になることが分かる。同様に、図2(b)に示すようにFe−C−O系においては、約800〜1650K、即ち525〜1375℃以上で、ウスタイトFeOが生成されることが分かる。図2(b)は、Fe−C−O系の平衡図であり、横軸は温度(K)、縦軸は一酸化炭素の分圧PCO/(PCO+PCO2 )を示している。上述の酸化還元反応系においては、Fe−H−O系、Fe−C−O系が共存しているため、少なくとも575℃以上であれば、ウスタイトFeOの生成が可能になると考えられる。
なお、現実的には、水素、水蒸気、一酸化炭素及び二酸化炭素の分圧が変動しても、ウスタイトFeOが生成するように、575℃よりは高温、例えば600℃〜900℃の温度範囲で酸化還元反応を行うと良い。600℃以上であれば、ウスタイトFeOが水蒸気改質触媒として十分に機能し、一定の反応速度でタールを分解することが可能になる。また、本発明においては、一酸化炭素の分圧PCO/(PCO+PCO2 )が約0.4であるため、ウスタイトFeOを生成することが可能になる温度として600℃以上を選択すると良い。また、900℃以下であれば、汎用の反応容器を用いて、改質反応を行わせることができる。
更に、ウスタイトFeOは、少なくとも575〜1375℃の温度下で水蒸気改質触媒として機能する。タール含有ガス及び水蒸気は、それぞれが還元剤及び酸化剤として作用し、酸化還元反応が進行する。該酸化還元反応によって、タール含有ガスに含まれるタール、難分解性の芳香族化合物(ベンゼン、トルエン、ナフタレン等)、及び低級炭化水素ガス(メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン等)が水素及び一酸化炭素に酸化される。また、水蒸気は、水素ガスに還元される。上述の酸化還元反応は、下記化学反応式で表される。
nFe+nH2 O=nFeO+nH2 ・・・(5)
n m +nFeO=nCO+(m/2)H2 +nFe・・・(6)
上記化学反応式から分かるように、鉄の酸化還元サイクルが成立する。つまり、ウスタイトFeOは、タール、炭化水素等を酸化して、Feに還元され、還元されたFeが水蒸気を還元して、自身はウスタイトFeOに戻るようなサイクルが成立する。
なお、上記化学反応式(5)では、バイオマスの熱分解、及び上記化学反応式(2)で発生した水蒸気H2 Oが利用される。
また、上述の酸化還元反応と共に、タール含有ガスからウスタイトFeOへの炭素析出も並行的に進行する。
更に、酸化鉄、例えばウスタイトFeOは、炭素担持体としても機能する。ウスタイトFeOに担持された炭素Cは、ウスタイトFeOの還元剤として作用し、還元鉄Feと、一酸化炭素COが生成される。また、発生した一酸化炭素COは、更にウスタイトFeOの還元剤として作用し、還元鉄Feと、二酸化炭素CO2 が生成される。
これらの酸化還元反応によって、タール含有ガスに含まれるタールは改質され、残留タール(BTX以外の凝縮性有機化合物)濃度は、20mg/Nm3 未満となる。BTXとは、ベンゼン、トルエン及びキシレンの三種類の物質を示している。また、低品位鉄鉱石は、炭素を約10wt%の質量分率で含有するウスタイトFeO、還元鉄Feの混合物が得られる。
次いで、酸化還元反応によって発生したタール非含有ガスを回収する。また、タール非含有ガスの通流方向、下流側から還元鉄Feを回収する。なお、必要に応じて、ウスタイトFeO、炭素を担持した還元鉄Fe、炭素を担持したウスタイトFeO、又はこれらの混合物を回収しても良い。
このような本発明に係るガス化方法によれば、3種類の製品、即ちバイオマスから、木炭と、タール非含有ガスと、還元鉄Feとを併産し、回収することができる。
次に、本発明に係るガス化方法を実施するためのガス化装置1を説明する。
図3は、本発明のガス化装置1の構成例を示す模式的断面図である。ガス化装置1は、バイオマスを、可燃性のタール含有ガス、水蒸気及び木炭に熱分解する熱分解反応器11と、タール含有ガスをタール非含有ガスに改質すると共に、還元鉄Feを併産するガス改質反応器17とを備える。
熱分解反応器11は、中空円筒状をなし、該熱分解反応器11を400〜600℃に加熱する外部熱風加熱槽方式の燃焼加熱炉12の内部に略水平の姿勢で設置されている。熱分解反応器11の一端部に設けられたバイオマス供給口11aには管内にバイオマスを供給するホッパ14が結合されており、熱分解反応器11の内部には、ホッパ14及びバイオマス供給口11aから供給されたバイオマスを他端部側へ搬送する搬送スクリュー13が設けられている。熱分解反応器11は、他端部に木炭排出口11b及び排気口11cを有する。排気口11cには、バイオマスの熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気をガス改質反応器17へ導く配管15が接続され、木炭排出口11bには、残渣である木炭を回収する木炭回収器16とが設けられている。
ガス改質反応器17は、縦長円筒状をなし、該ガス改質反応器17を600〜900℃に加熱する燃焼加熱炉12の内部に配置されている。ガス改質反応器17は,ヘマタイトFe2 3 粒子の移動層、又は流動層を形成する。ガス改質反応器17の上部に形成された低品位鉄鉱石投入口17bには、例えば、粒状の低品位鉄鉱石をガス改質反応器17に供給するホッパ18がロータリーバルブ19を介して設けられている。ガス改質反応器17は、上端側部にガス流入口17aを有し、ガス流入口17aには、熱分解反応器11に連通する配管15が接続されており、バイオマスの熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気がガス改質反応器17へ流入し、低品位鉄鉱石の集積物中を通流するように構成されている。600〜800℃の温度でタール含有ガス及び水蒸気と、低品位鉄鉱石とが並流した場合、タールが除去されたタール非含有ガス及び還元鉄Feが併産される。ガス改質反応器17は、下端部に、還元鉄Fe及びタール非含有ガスを排出する還元鉄排出口17cを有する。還元鉄排出口17cには、ロータリーバルブ20、気固分離器21及びロータリーバルブ22を介して還元鉄Feを回収する還元鉄回収器23が設けられている。気固分離器21のタール非含有ガス排気側は、配管24に通じており、タール非含有ガスが回収される。また、配管24は途中で配管26に分岐している。配管26は、空気を燃焼加熱炉12に供給する配管25に接続しており、タール非含有ガス及び空気の混合ガスが燃焼加熱炉12に供給されるように構成されている。燃焼加熱炉12は、タール非含有ガスを燃焼させることによって、ガス改質反応器17及び熱分解反応器11を多段的に加熱する。より詳細には、タール非含有ガスを燃焼させることによって、まず改質反応器を600〜900℃の温度範囲で加熱する。改質反応器の周囲を通流して温度が低下した燃焼ガスは、改質反応器から熱分解反応器11へ送られ、熱分解反応器11を400〜600℃で加熱する。熱分解反応器11の周囲を通流して更に温度が低下した燃焼ガスは、バイオマスの乾燥、低品位鉄鉱石の脱水に多段利用される。
図4は、ガス化装置1の実施態様の一例を示す説明図である。本発明に係るガス化装置1は、例えば木質資源の豊富な林業地域に設けられる。安価な低品位鉄鉱石を前記林業地域へ輸送し、該低品位鉄鉱石及び豊富なバイオマスから、ガス化装置1を用いて、木炭、タール非含有ガス、及び還元鉄Feを併産する。そして、木炭、タール非含有ガス、及び還元鉄Feを需要地域へ輸送する。需要地域では、小規模コジェネレーションシステムによって、木炭、タール非含有ガスのエネルギーを電力、熱、鉄源として利用する。
次に、本発明に係るガス化方法、ガス化装置1によって生成される各種生成物の収率を示す実験について説明する。
図5は、ガス改質反応の実験に用いた実験装置の一部を示す概略図である。実験装置の構成は、概ね図3に示したガス化装置1の構成と同様であり、熱分解反応器11、配管15、及びガス改質反応器17の加熱方式が異なる。以下では、主に上記相異点と、各部の寸法を説明する。
実験装置としてのガス化装置1は、熱分解反応器11を550℃に加熱する電気炉31を備える。熱分解反応器11の内径は55mm、長手方向における有効加熱長さは200mmである。また、熱分解反応器11の有効加熱区間における、バイオマス(10×10×2mmの木質チップ)の滞留時間は47秒である。
なお、電気炉31で加熱可能な最高温度は700℃であり、熱分解反応器11における前記滞留時間は、20〜240秒の間で調整することが可能である。
また、実験装置としてのガス化装置1は、配管15を500℃に加熱する電気ヒータ(マントルヒータ)32を備える。配管15の内径は50mm、全長は600mmである。
更に、実験装置としてのガス化装置1は、ガス改質反応器17を650〜800℃に加熱する電気炉33を備える。ガス改質反応器17の内径は60mm、長手方向における有効加熱長さ200mmである。
本実験では、バイオマスの熱分解及びタール改質を行い、生成したガス、低品位鉄鉱石及び木炭の分析を行った。
加熱脱水処理されたメソ多孔質のヘマタイトFe2 3 をガス改質反応器17に948g充填し、ヘマタイトFe2 3 を650〜800℃の温度範囲で加熱すると共に、バイオマスを、4.3g/分の供給速度で390分供給した(総量1677g)。なお、温度範囲に650℃〜800℃の幅があるのは、電気炉加熱の特性から生じる不可避的な温度分布であり、上流側の最高温度が800℃、下流側で650〜700℃の温度分布が生じていた。
図6は、低品位鉄鉱石の充填層における各種生成物の収率分布を概念的に示す説明図である。左図は、タール含有ガス通流前における低品位鉄鉱石の充填層の状態を示しており、右図は、タール含有ガス通流後の充填層の状態を示している。本実験では、低品位鉄鉱石の充填層を、タール含有ガスの通流方向、上流側から下流側へ向かって、第1層〜第5層に等分割し、各層における生成物のXRD分析を行った。タール含有ガス通流前における各層の主成分はヘマタイトFe2 3 である。タール含有ガス通流後における第1層及び第2層には、ウスタイトFeO、還元鉄Fe、炭素Cが分布している。第3及び第4層には、主に還元鉄Feが分布しており、炭素Cがわずかに存在している。第5層には、主に還元鉄Feが分布しており、ウスタイトFeO、炭素Cは見られなかった。
以上の実験結果から、上流側の第1及び第2層では、炭素析出、上記化学反応式(1)〜(6)の酸化還元反応がすべて起こっており、正味として,徐々にウスタイトFeOの還元が進行すると予想される。一方、下流側の第5層では、Feを酸化するのに十分な分圧の水蒸気、二酸化炭素が存在せず、水素やCOといった炭素を析出しない還元性ガスが高い分圧で存在するため、ウスタイトFeOの還元が十分に進行し、還元鉄Feが生成していると予想される。
従って、低品位鉄鉱石と、タール含有ガスとを並流させることによって、充填層の下流側から、還元鉄Feを回収することができることがわかる。
図7は、熱分解及び改質反応によって生成した各種成分の収率、及び液成分の詳細を示す図表である。図7(a)は、熱分解及び改質反応によって生成した各種成分の収率を示している。特に「550℃熱分解」列は、熱分解によって得られる各種成分の収率、「熱分解+改質」列は、熱分解及び改質反応によって得られる各種成分の収率を示している。図7(b)は、液成分に含まれる成分の詳細を示している。
図7(a),(b)から分かるように、改質後のガスは、水素、一酸化炭素、メタンCH4 を主成分としており、液成分、特に問題となるタールの重量%は、18.8%からわずか0.002%にまで分解されている。
以上、説明した本発明に係るガス化方法、及びガス化装置1によれば、安価な酸化鉄を用いて、木質のバイオマスから水素、一酸化炭素、メタン等のタール非含有ガス、木炭、及び還元鉄Feを併産することができる。
また、結合水を含む安価なゲーサイト鉱石FeOOHを原料として、多孔質のヘマタイトFe2 3 を製造することができ、該ヘマタイトFe2 3 を用いて効果的にタールを分解し、タール非含有ガス、木炭、及び還元鉄Feの還元物を併産することができる。
更に、低品位鉄鉱石として、多孔質の酸化物、ヘマタイトFe2 3 は、脱水前のゲーサイト鉱石に比べて、高比表面積固体であるため、水蒸気改質触媒としての活性が高く、効果的にタール非含有ガスを生成することができる。
更にまた、タール含有ガス、水蒸気及びヘマタイトFe2 3 を並流させることにより、並流方向下流側から還元鉄Feを回収することができる。
更にまた、バイオマスの熱分解によって発生した水蒸気を利用して、タールを水蒸気改質するように構成されているため、水の供給、又は水蒸気発生を行う設備を備えることなく、タール改質を行い、タール非含有ガス、木炭、及び還元鉄Feの還元物を併産することができる。
更にまた、タールの熱分解によって発生した水蒸気を利用するように構成されているため、水蒸気の発生及び供給を行う方式に比べ、改質工程における熱効率を向上させることができる。
更にまた、タールの熱分解によって発生した水蒸気はタールの改質工程で水素に分解されるため、水蒸気を含まないタール非含有ガスを得ることができる。従って、タール非含有ガスから水を凝縮、除去する工程が不要になり、設備費用を抑えることができる。
(変形例1)
図8は、変形例1に係るガス化装置1の構成例を示す模式的断面図である。変形例1に係るガス化装置1は、配管15の途中に設けられた、空気・水蒸気供給器27と、空気・水蒸気供給器27による空気及び水蒸気の供給を操作するための図示しない操作手段とを備える。使用者は操作手段を操作することによって、空気・水蒸気供給器27は、空気又は水蒸気をタール含有ガスと共にガス改質反応器17へ供給する。
変形例1に係るガス化方法、及びガス化装置1においては、空気又は水蒸気の供給量を増減させることによって、水蒸気、タール含有ガス、及び鉄鉱石の酸化還元反応、つまり還元鉄Feの生成量、タール含有ガスの改質を制御することができる。
(変形例2)
上述の実施の形態においては、低品位鉄鉱石と、タール含有ガス及び水蒸気とを並流させる場合を説明したが、低品位鉄鉱石としてのヘマタイトFe2 3 と、タール含有ガス及び水蒸気とを向流させるように構成しても良い。
変形例2に係るガス化装置のガス改質反応器は、下端側部にガス流入口を有し、ガス流入口には、熱分解反応器に連通する配管が接続されており、バイオマスの熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気がガス改質反応器へ流入し、低品位鉄鉱石の集積物中を通流するように構成されている。また、ガス改質反応器は、気固分離器及び該気固分離器に接続された配管を備えず、上端側部にガス流出口を有している。該ガス流出口には、配管が接続されている。該配管は、途中で分岐し、分岐した配管は、空気を燃焼加熱炉に供給する配管に接続しており、タール非含有ガス及び空気の混合ガスが燃焼加熱炉に供給されるように構成されている。
変形例2に係るガス化装置にあっては、低品位鉄鉱石は上方から下方へ流れ、熱分解反応器から流入したタール含有ガス及び水蒸気、並びに酸化還元反応によって発生した一酸化炭素、水素ガス等が下方から上方へ流れる。
従って、変形例2にあっては、酸化還元反応が所定速度以上で進行した場合、低品位鉄鉱石の流れ方向下流側から還元鉄Feを回収することができる。
また、酸化還元反応速度によっては、還元鉄Fe、ウスタイトFeO、炭素が担持された還元鉄Fe、炭素が担持されたウスタイトFeO、又はこれらの混合物を回収することもできる。
ガス化装置の使用者は、回収する目的物に応じて、並流方式、又は向流方式を適宜選択すれば良い。
なお、実施の形態、及び変形例1,2では有機物の一例としてバイオマスを説明したが、バイオマスに代えて、石炭、有機質の廃棄物等の炭素系固体燃料を用いても良い。
また、ガス改質容器の形式は、移動層、又は流動層に限定されず、固定層であっても良い。
更に、金属酸化物として、酸化鉄を説明したが、Ti,Mn,Ni,W,V,Moの酸化物を用いて、実施の形態と同様のガス化方法及びガス化装置を実施しても良い。
更にまた、実施の形態では主に還元鉄Feを回収する場合を説明したが、還元鉄及び半還元鉄のウスタイトFeOを回収するようにしても良い。なお、FeOには、一定の炭状物質が析出している。
更にまた、図3に示したガス化装置は一例であり、本発明に係るガス化方法を実施することができるのであれば、他の構成であっても良い。例えば、製鉄装置の一部に本発明を適用しても良い。
更にまた、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係るガス化方法を概念的に示す説明図である。 Fe−H−O系及びFe−C−Oの平衡図である。 本発明のガス化装置の構成例を示す模式的断面図である。 ガス化装置の実施態様の一例を示す説明図である。 ガス改質反応の実験に用いた実験装置の一部を示す概略図である。 低品位鉄鉱石の充填層における各種生成物の収率分布を概念的に示す説明図である。 熱分解及び改質反応によって生成した各種成分の収率、及び液成分の詳細を示す図表である。 変形例1に係るガス化装置の構成例を示す模式的断面図である。
符号の説明
1 ガス化装置
11 熱分解反応器
12 燃焼加熱炉
13 搬送スクリュー
14 ホッパ
15 配管
16 木炭回収器
17 ガス改質反応器
18 ホッパ
21 気固分離器
23 還元鉄回収器
24 配管

Claims (10)

  1. 有機物を加熱することにより、該有機物をタール含有ガス、水蒸気及び炭状固体に熱分解するガス化方法において、
    熱分解によって生成した炭状固体を回収する炭状固体回収工程と、
    熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気を、所定温度範囲で金属酸化物に接触させることによって、タール非含有ガス及び前記金属酸化物の還元物を併産する酸化還元工程と、
    併産されたタール非含有ガス及び前記還元物を回収する回収工程と
    を有することを特徴とするガス化方法。
  2. 前記金属酸化物は多孔質の酸化鉄を含み、
    前記所定温度範囲は、575〜1375℃である
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス化方法。
  3. 前記金属酸化物は多孔質の酸化鉄を含み、
    前記所定温度範囲は、600〜900℃である
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス化方法。
  4. 結合水を含有する金属酸化物を加熱し、結合水を水蒸気として脱水させることによって、多孔質の金属酸化物を製造する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のガス化方法。
  5. 前記有機物は、木質のバイオマスである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のガス化方法。
  6. 前記酸化還元工程は、
    タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物を並流又は向流させる工程を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のガス化方法。
  7. 前記酸化還元工程は、
    タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物の反応系に水蒸気又は空気を導入する工程を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のガス化方法。
  8. 有機物を加熱することにより、該有機物をタール含有ガス、水蒸気及び炭状固体に熱分解するガス化装置において、
    熱分解によって生成した炭状固体を回収する炭状固体回収手段と、
    熱分解によって発生したタール含有ガス及び水蒸気を、所定温度範囲で金属酸化物に接触させることによって、タール非含有ガス及び前記金属酸化物の還元物を併産する酸化還元手段と、
    併産されたタール非含有ガス及び前記還元物を回収する回収手段と
    を備えることを特徴とするガス化装置。
  9. 前記酸化還元手段は、
    タール含有ガス、水蒸気及び金属酸化物を並流又は向流させる容器と、
    該容器を加熱する燃焼加熱炉と
    を備えることを特徴とする請求項8に記載のガス化装置。
  10. 水蒸気又は空気を前記容器へ投入する投入器を備える
    ことを特徴とする請求項9に記載のガス化装置。
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