JP5515625B2 - バイオマスを用いた石炭の改質方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオマスを乾留し、バイオマス炭を製造する際に、褐炭等の低品位の石炭を改質するバイオマスを用いた石炭の改質方法に関する。
昨今、地球温暖化防止の観点からCO2排出量削減が緊急の課題である。CO2排出量削減の方法として、インプットの炭素量を削減する、アウトプットのCO2を回収する、従来の石炭・石油等をカーボンフリーの炭素源に代替する等の技術開発が行われている。カーボンフリーの炭素源としてはバイオマスが知られている。バイオマスとしては、建築家屋の解体で発生する木材廃棄物、製材所発生の木質系廃棄物、森林等での剪定廃棄物、農業系廃棄物などがある。その処理・利用方法としては、埋立て、放置、焼却、燃料等が主なものである。
竪型炉として代表的な高炉では、鉄鉱石と、鉄鉱石還元材および熱源としてコークスとが原料として用いられる。高炉操業に適したコークスを製造するためには、高価で良質な原料炭を必要とする。そのため、現在、燃料用石炭を微粉砕した微粉炭を熱源として高炉の羽口から吹き込み、高価なコークス使用量を削減する高炉の操業が行なわれている。コークス用石炭とは異なり、高炉吹込み用の微粉炭には一般的に粘結性の劣位な石炭(非粘炭)が使用されており、その発熱量は7000〜8000kcal/kg程度である。吹き込む微粉炭の量は、操業条件によっても異なるが、吹き込み量が多いほどコークス使用量を削減でき、コストダウンが可能となる。通常、銑鉄1トン当たり100〜200kgの微粉炭を吹き込むと、ほぼ同量のコークス使用量が削減できる。
鉄鋼業では前述のようにコークス用原料、微粉炭用原料として石炭を利用しているが、石炭埋蔵量中の50mass%の石炭は石炭化度の低い、亜瀝青炭、褐炭等のいわゆる低品位な石炭である。低品位石炭の特徴として以下の点が挙げられる。
まず利点としては、下記a)〜c)がある。
a)埋蔵量が多い(質量的に高品位炭と同等)。
b)一般的に低品位石炭は地表近くに埋蔵されているため、剥土比が低く露天掘りが可能で、経済的にも有利な条件で採掘できる。すなわち、採掘コストが低い。
c)灰分、硫黄分の含有量が少ない炭種が多い。
一方、欠点としては、下記d)、e)がある。
d)水分が多く(多い場合は、例えば66mass%の場合もある。)、発熱量が低い(10MJ/kgから20MJ/kg)ため、瀝青炭よりも大量の石炭を輸送・貯蔵する必要がある。
e)酸素含有量が多く、多孔質な構造であるため輸送・貯蔵時に粉化、自然発火し易い。
従って、低品位石炭利用に際しては、まず水分を除き、同時に粉化、発熱・発火が起こらないように性状を変化させることができれば、高品位炭並みあるいはそれ以上の燃料特性と経済性を有する石炭として利用することのできる、大きな可能性を秘めている。
低品位石炭の脱水技術としては、以下の従来技術がある。脱水方式は、A)蒸発法、B)非蒸発法、C)機械的脱水法に大別できる。
A)蒸発法
蒸発法は、石炭を熱ガスまたは蒸気により蒸発乾燥させる方法で、常圧処理が多く、装置的には有利であるが、水の蒸発潜熱が大きいため消費エネルギーが大きい。また、伝熱効率や蒸発速度をあげる必要性から、粒径を細かくする必要があるため、乾燥された低品位石炭は、急速に酸化し自然発火しやすく、貯蔵、ハンドリングに際して特別な留意が必要となる。
B)非蒸発法
非蒸発法のひとつとして、水分を蒸発させることなく脱水するために、高温高圧下で低品位石炭を処理し、低品位石炭そのものの性状を親水性から疎水性に変える方法がある。高温で処理するための加熱媒体としては飽和蒸気、熱水等が考えられている。この脱水原理は以下の各種要因が重なったものと考えられている。
・カルボキシル基(−COOH)などの親水性の含酸素官能基の破壊により水分の付着力が低下し、親水性から疎水性に変わり、脱水処理後の水分の再吸着が抑えられる。
・高温高圧下での低品位石炭の収縮による毛細管容積の低下により水分を絞り出す。
・高温での毛細管中の水分の膨張および粘性係数低下により水分を流出させる。
・カルボキシル基などの官能基の破壊により発生した炭酸ガスの放出に伴い水分を細孔内から取り除く。
この方式で低品位石炭の脱水を行なった場合、水分は液体のまま脱水されるので、蒸発潜熱が不要なためエネルギー消費が少ないことが最大の長所であるが、その他にも脱炭酸によって酸素含有率が下がり単位質量当たりの発熱量が増す、抽出される水分に塩分が溶解するために、ボイラ燃焼時に有害なNaなどの塩分が部分的に除去される、塊状のまま処理できる(粒径10mm以下の粉炭は処理できないという欠点にもなる。)等の長所もある。一方、高温高圧下で処理することから連続処理が難しく、処理時間がかかり、単機容量を増大できない、分離した水分に有機酸などの石炭の有機分が溶け込むために廃水処理負荷が大きくなる等の欠点がある。
C)機械法(圧搾脱水法)
圧搾脱水法は、ブリケット成型機などのように低品位石炭に圧力を加え、脱水する方法であるが、低品位石炭の透水性が悪く、加圧下ではさらに悪化する。この方式は理論的な脱水エネルギーが桁違いに低いが、高圧(100〜500kg/cm2)を必要とし、しかも長時間にわたって処理することが必要なため、コスト的にも実現性がないと考えられている。
上記A)の蒸発法の1種として、油中で低品位石炭を改質する技術もある。本技術の脱水は低品位石炭を油中スラリー化して加熱蒸発することにより行われる。通常、蒸発による脱水操作は単純な物理変化に過ぎず、有機物などの発生がなく環境汚染物質の発生がないという利点を有する反面、製品の多孔質な性質は変化しないため、乾燥後の製品は活性で酸化しやすく、ストックヤードにおいて空気中の水分や酸素をたやすく吸着して蓄熱、自然発火にいたるという欠点がある。上記の油中改質技術では、少量の重質油分を含む軽質油中で蒸発操作を行なうことにより、蒸発と同時進行で重質油分を原料の細孔内に侵入、吸着させ、活性点を減少させることにより、製品を安定化することができる(特許文献1参照。)。
一方、バイオマスは炭素、酸素、水素から構成されているが、そのもの自体は高含水率、低発熱量(例えば、水分15mass%、発熱量16.2MJ/kg−乾燥基準)であり、直接鉄鋼プロセスで使用することは効率面で有利とはいえない。そのため、バイオマスを乾留し、脱水、脱炭酸等の処理を施し、水分を除去、発熱量を高めて鉄鋼プロセスで使用する方法がある。乾留により脱水、脱ガス(脱炭酸、脱メタン、タール発生等)が起き、バイオマス中の炭素分が、ガスおよびタール分として発生するため、固体として残留する炭素分(バイオマス炭)は少ない。発生するタールも炭素源として利用できれば、トータルでバイオマスの利用効率を高めることができる。
バイオマスを乾留(あるいは熱分解)する方法としては、従来、バッチ方式、ロータリーキルン方式(例えば、特許文献2参照。)、流動層方式等の各種の炉を用いる方法が知られている。
また加熱熱源としては、バイオマス乾留により得られる発生ガス、タールを燃焼させ、その燃焼熱を熱源とすることができる。加熱の方式としては、バイオマスを前記燃焼ガスなどの高温ガスで直接加熱する方式(熱風循環式)や、ロータリーキルン等のように炉外部から間接加熱する方式(外熱式)、炉内部で発生ガスを燃焼させ直接加熱する方式(内熱式)がある。
ロータリーキルン方式である特許文献2においては、ロータリーキルンまたはロータリードライヤーで木材を300〜1000℃、酸素濃度10%以下で加熱し、加熱で発生するガスを前記ロータリーキルンまたは前記ロータリードライヤーと連結した燃焼炉で燃焼させる。尚、燃焼炉のガス吹込口がロータリーキルンまたはロータリードライヤーのガス排出口よりも高い位置に設置され、加熱で発生したガスの燃焼を800〜1000℃で行い、ロータリーキルンまたはロータリードライヤーの両端の胴体部とマントル部の間隙に吸気流入防止用の覆いを設置し、ロータリーキルンまたはロータリードライヤーの加熱物取り出し口が二重ダンパー構造であることが記載されている。
特開2007−161926号公報 特開2002−241762号公報
特許文献1に記載の油中で低品位石炭を改質する従来技術においては、以下の課題がある。
・低品位石炭中の可溶成分を除去することから、非水素供与性溶媒を混合する必要がある。
・また、抽出温度を非水素供与性溶媒の沸点以下とするために、0.8〜2.5MPaの加圧下で実施することが好ましいとされている。
・溶剤抽出法であり、別途固液分離の工程が必要となる。
・さらに、抽出された石炭可溶分を発火防止のために石炭のコーティング剤に使用することから、非水素供与性溶媒から石炭可溶分を分離する必要がある。
また、特許文献2等に記載のバイオマスを乾留してバイオマス炭を製造する従来技術においては、以下の課題がある。
・ロータリーキルン方式もその他の方式も、加熱温度、雰囲気条件等を制御することでのみバイオマスを炭化する方法である。炭化されたバイオマス(バイオマス炭)の収率は、約20mass%であり、発生したタールを積極的に炭素源として利用するものではない。また、発生ガス、タールの顕熱が十分利用されていない。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、バイオマスを乾留し、発熱量の高まったバイオマス炭を製造するとともに、低品位石炭を改質できる、バイオマスを用いた石炭の改質方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)バイオマスを乾留してバイオマス炭を製造する際に、前記乾留により得られた乾留生成物と石炭とを接触させて、前記乾留生成物の顕熱により前記石炭の水分含有率を低下させるとともに、前記乾留生成物中に含まれるタールを前記石炭に付着させることを特徴とするバイオマスを用いた石炭の改質方法。
(2)石炭に付着したタールを、炭化させることを特徴とする(1)に記載のバイオマスを用いた石炭の改質方法。
(3)水分含有率10mass%以上の石炭を用いることを特徴とする(1)または(2)に記載のバイオマスを用いた石炭の改質方法。
本発明によれば、バイオマスを乾留してバイオマス炭を製造するとともに、低品位石炭の脱水を行なうことが可能となる。さらに、バイオマス炭を製造する際に発生する乾留タールを低品位炭の石炭表面及び石炭内部に付着させることにより、低品位石炭を改質することができる。これにより、バイオマスから発生する乾留タールの有効活用が可能となり、全体として、バイオマスの有効利用率が向上する。
本発明の一実施形態の説明図。 本発明で用いる改質炉の一実施形態の説明図。 実施例で用いたロータリーキルン炉の説明図。
本発明では、バイオマスを乾留してバイオマス炭を製造する際に、バイオマス乾留時に発生する乾留ガス、タールを低品位石炭に接触させることにより、乾留ガス、タールの保有する顕熱で低品位石炭を脱水し、脱水した低品位石炭にタールを付着・析出させることにより、低品位石炭を高品位の石炭に改質する。これにより、低品位石炭の水分含有量を低下させ、発熱量を高めることができる。さらには、タールを石炭表面及び内部(細孔の内壁)に付着させることで、発火性が低下して安全性が高まり、鉄鋼プロセス、特に製銑、製鋼工程、焼結炉における炭材として好適に利用することができる。また、バイオマス乾留時に発生するタールを低品位石炭に付着・析出させることから、バイオマスのトータルの有効利用率を向上させることが可能となる。
バイオマスとは、ある一定量集積した動植物資源とこれを起源とする廃棄物の総称(ただし、化石資源を除く)であり、本発明で用いるバイオマスには、農業系、林業系、畜産系、水産系、廃棄物系等の、熱分解して炭化物を生成するあらゆるバイオマスを用いることができる。有効発熱量の高いバイオマスを用いることが好ましく、木質系バイオマスを用いることが好ましい。木質系バイオマスとしては、パルプ黒液、チップダスト等の製紙副産物、樹皮、のこ屑等の製材副産物、枝、葉、梢、端尺材等の林地残材、スギ、ヒノキ、マツ類等の除間伐材、食用菌類の廃ホダ木等の特用林産からのもの、シイ、コナラ、マツ等の薪炭林、ヤナギ、ポプラ、ユーカリ、マツ等の短伐期林業等の林業系バイオマスや、市町村の街路樹、個人宅の庭木等の剪定枝条等の一般廃棄物や、国や県の街路樹、企業の庭木等の剪定枝条、建設・建築廃材等の産業廃棄物等が挙げられる。農業系バイオマスに分類される、廃棄物・副産物を発生源とする籾殻、麦わら、稲わら、サトウキビカス、パームヤシ等や、エネルギー作物を発生源とする米糠、菜種、大豆等の農業系バイオマスの一部も木質系バイオマスとして好適に用いることができる。
また、バイオマスの乾留とは、バイオマスの熱分解であり、空気(酸素)の供給を遮断または制限して加熱し、気体(木ガスとも呼ばれる)、液体(タール)、固体(炭)の生成物を得る技術である。バイオマスを熱分解して得られる液体を静置あるいは蒸留によって褐色透明な液(酢液)を分離して除いた黒褐色の高粘性の液状物をタールと呼ぶ場合もあるが、本発明ではタールと酢液とが混合された状態の液体をタールと呼ぶ。
本発明で用いる低品位石炭とは、石炭分類表(財団法人エネルギー総合工学研究所の定期刊行物「新エネルギーの展望」、1997年3月発行、論文名:低品位炭の改質技術、表1−1参照。)による、亜瀝青炭および褐炭と定義し、発熱量が3000〜7500kcal/kg、水分含有率は10〜72mass%程度のものである。また、本発明では、低品位石炭として脱水により比表面積が増加するものを用いることが、タールの付着量が増え、改質効果が向上するので好ましい。脱水により石炭の表面積が増加し、タールの付着量が増加する水分含有率10mass%以上の石炭を用いることが、より好ましい。
本発明の一実施形態を図1を用いて説明する。1はバイオマス乾留炉、2は低品位石炭の改質炉を示す。バイオマスは図示しない供給装置により乾留炉1に供給され、バイオマス炭と乾留生成物(ガス、タール)を生成する。乾留生成物は改質炉2内に供給され、保有する顕熱で低品位石炭を脱水する。脱水された低品位石炭は多孔質石炭となり、まず、その表面および内部にタールが付着する。続いて、多孔質石炭に付着したタールはさらに熱により脱水素し、炭素析出する。これにより、石炭はタールが付着しただけの状態の石炭よりも高品質なものとなる。改質炉2からは軽質ガスおよび水分が排出される。軽質ガスは低級炭化水素および水素が主体であることから、図示しない燃焼装置にて燃焼し、乾留炉1あるいは必要に応じて改質炉2の熱源として利用される。バイオマス炭および改質石炭は鉄鋼プロセス等に利用される。
低品位石炭の脱水温度は150℃以上、500℃以下であればよい。150℃未満では充分に含有水分が除去できない。また、500℃を超える場合は低品位石炭からのタール発生量が増加するためである。従って、バイオマスの乾留温度は300℃以上、600℃以下とすることが好ましい。300℃未満の場合には乾留ガス、タールの顕熱が低く、低品位石炭を脱水できない。また、バイオマスからのタール発生量も少ない。600℃超えでは、バイオマス炭の収率が低下する。
乾留炉1はバイオマスを乾留できるものであればよく、通常のバッチ式炉、ロータリーキルン式炉、竪型炉等を用いることができる。連続プロセスとして採用可能なロータリーキルン式の炉を用いることが好ましい。
改質炉2は、乾留炉1で発生する乾留生成物と低品位石炭が接触できるものであればよく、充填層あるいは移動層方式であることが好ましい。低品位石炭はバイオマス乾留生成物の顕熱で脱水、タール付着されることから、乾留生成物と低品位石炭の流れは向流方式とすることが好ましい。
乾留炉1の加熱方法は改質炉2より発生する軽質ガスを燃焼し、加熱して行なってもよく、別途重油、プロパン等の燃料ガスを燃焼させ加熱ガスとして用いてもよい。また、燃料ガスを燃焼させる方法以外に、電気加熱により加熱してもよい。電気加熱の場合であれば乾留炉1および改質炉2をそれぞれ分割して温度制御することが可能である。
図2を用いて、本発明の改質炉の一実施形態を説明する。図1の改質炉2が竪型炉の場合の発明例である。改質炉2の上部より低品位石炭が供給され、同時に上部側面の供給口3より、バイオマス乾留生成物(タール、ガス)が供給される。低品位石炭と乾留生成物は改質炉2内で接触し、乾留生成物の顕熱で低品位石炭は脱水される。さらに低品位石炭と乾留生成物は改質炉2の下方に移動し、脱水し、多孔質化した低品位石炭の表面および内部にタールが付着する。改質炉2下部側面の排出口4より、乾留生成物(タールが除去された)ガスおよび低品位石炭からの水分が排出される。低品位石炭は改質炉下部の排出装置5より排出され、回収される。
改質炉から排出される、乾留生成物(タールが除去された)ガスおよび低品位石炭からの水分の温度は100℃以上とすることが好ましい。100℃未満の場合は改質炉下部に水分が凝縮する場合があるためである。
改質炉下部から排出される改質石炭の温度は、発火しない温度範囲であればよく、200℃以下とすればよい。より好ましくは100℃以下とする。
(本発明例)図3に示すロータリーキルン炉を用いたバイオマス乾留試験装置にて、バイオマスを乾留し、バイオマス炭と乾留生成物を得た。但し、乾留試験に用いたロータリーキルン炉10の加熱方法は3分割の電気加熱とし、ロータリーキルン炉10の装置本体11は内径15cm、長さ1.0m、傾斜角1度であり、回転数1.5rpm(乾留時間:約50分)、乾留温度500℃の条件でバイオマス1.0kg/hを供給した。バイオマスとしては3mm〜10mmに粉砕分級した杉を用いた。使用したバイオマスの組成を表1に示す。
ロータリーキルン炉10の装置本体11は、外管12と内管13とで構成されている。この内管13は外管12の内部長手方向に外管12と同芯状に配置されている。そして、内管13の内部がバイオマスの通路14(処理用空間)を構成し、また外管12と内管13の間の空間が加熱ガスの通路(加熱ガス空間)15を構成している。
バイオマスの乾留は、バイオマスをロータリーキルン本体11の一端側より材料供給用のスクリューフィーダー22を介して処理用空間14に供給して行った。加熱ガス(熱風)は熱風導管16を介して加熱ガス空間15に供給した。内管13内部の処理用空間14に供給されたバイオマスは内管13の回転によって混合されながら処理用空間14を移送されつつ加熱され、乾留され、バイオマス炭となるとともに乾留生成物が発生した。バイオマス炭収率は24.5mass%、乾留生成物の内訳はCO、CO2、メタン、エチレン、エタンを含む軽質ガス32.7mass%、タール成分:30.2mass%、水分:12.6mass%であった。得られたバイオマス炭の組成を表1に併せて示す。
Figure 0005515625
この乾留生成物(水分を含む)を直接、図2に示す装置と同様の設備に供給して、低品位石炭の改質試験を行った。低品位石炭として、褐炭を用いた。竪型炉は内径6.6cm、長さ40.0cmとし、炉上部に設置したロータリーバルブにより、低品位石炭を0.98kg/hで供給し、下部に設置のスクリューフィーダーより改質された石炭を排出し、回収した。なお、乾留炉と竪型炉の接続間は電気ヒータにて加熱して保温した。竪型炉の低品位石炭の滞留時間は、45分とした(本発明例1)。試験に用いた石炭の組成を表1に併せて示す。また石炭の比表面積をCO2吸着により測定したところ、168m2/gであった。
回収した改質石炭量は0.64kg/h、発熱量は7750kcal/kg(湿基準)、比表面積は66m2/gであった。バイオマス炭の合計の収率(乾留による収率と低品位石炭に付着したタール分)は38.1mass%である。
本発明例2として、低品位石炭の供給速度を1.95kg/h(滞留時間30min)とした以外は、本発明例1と同じ方法で行った。回収した改質石炭量は0.95kg/h、発熱量は6740kcal/kg(湿基準)、比表面積は126m2/gであった。バイオマス炭の合計の収率(乾留による収率と低品位石炭に付着したタール分)は35.6mass%である。
(比較例)バイオマス乾留により発生する乾留生成物を図2の装置に供給せず、低品位石炭の供給速度1.72kg/hとした以外は本発明例1と同様に低品位石炭の改質を行った。この場合は図2の装置に、乾留生成物の代わりに500℃に加熱した窒素を供給した。回収した改質石炭量は0.64kg/h、発熱量は5550kcal/kg(湿基準)、比表面積は167m2/gであった。
以上の結果を表2に併せて示す。
Figure 0005515625
比較例においても、発熱量は向上するが、比表面積はほとんど変化しておらず、乾燥によるものと考えられる。これに対して、本発明例で得られた改質石炭の発熱量は十分に向上し、比表面積が減少して、タールによる改質が行われたことがわかる。また、本発明例および比較例で得られた改質石炭を110℃の恒温槽に保持したところ、比較例では発火が見られたが、本発明例の改質石炭では発火が認められなかった。
1 バイオマス乾留炉
2 改質炉
3 供給口
4 排出口
5 排出装置
6 駆動モータ
10 ロータリーキルン炉
11 装置本体
12 外管
13 内管
14 処理用空間(バイオマスの通路)
15 加熱ガス空間(加熱ガスの通路)
16 熱風導管
17 加熱ガスの排出口
18 排出口
19 定量供給装置
20 駆動モータ
21 駆動モータ
22 スクリューフィーダー

Claims (3)

  1. バイオマスを乾留してバイオマス炭を製造する際に、前記乾留により得られた乾留生成物と石炭とを接触させて、前記乾留生成物の顕熱により前記石炭の水分含有率を低下させるとともに、前記乾留生成物中に含まれるタールを前記石炭に付着させることを特徴とするバイオマスを用いた石炭の改質方法。
  2. 石炭に付着したタールを、炭化させることを特徴とする請求項1に記載のバイオマスを用いた石炭の改質方法。
  3. 水分含有率10mass%以上の石炭を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバイオマスを用いた石炭の改質方法。
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