JP2015195287A - 放熱シートおよび放熱シート用塗布液、並びにパワーデバイス装置 - Google Patents

放熱シートおよび放熱シート用塗布液、並びにパワーデバイス装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シートの垂直方向にも高い熱伝導性を有する放熱シートを提供する。
【解決手段】放熱シートは、板状粒子が配向せず複雑に積層した構造であるカードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子と、板状窒化ホウ素粒子の二種類の窒化ホウ素粒子を含み、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の長さが3μm以上であり、XRD測定で100軸と004軸の強度比I(100)/I(004)が3.0より小さく、窒化ホウ素二次粒子/(窒化ホウ素二次粒子+板状窒化ホウ素粒子)で表される窒化ホウ素二次粒子と板状窒化ホウ素粒子との含有割合が、0.1以上0.98以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワー半導体デバイス用に好適に用いられる放熱シートに関する。本発明の放熱シートは、特定の窒化ホウ素二次粒子と特定の板状窒化ホウ素粒子からなり、また、これらの窒化ホウ素二次粒子及び板状粒子を含む放熱シート用塗布液、および放熱シートを用いたパワーデバイス装置に関する。
近年、鉄道、自動車、一般家電などの様々な分野で使用されているパワー半導体デバイスは、更なる小型・低コスト・高効率化などのために、従来のSiパワー半導体からSiC、AlN、GaNなどを使用したパワー半導体へ移行しつつある。
パワー半導体デバイスは、一般的には、複数の半導体デバイスを共通のヒートシンク上に配してパッケージングしたパワー半導体モジュールとして利用される。
このようなパワー半導体デバイスの実用化に向けて、種々の課題が指摘されているが、その内の一つにデバイスから発する熱の放熱問題がある。この問題は、一般的に、パワー半導体デバイスは、高出力・高密度化で作動させることにより高温となり、パワー半導体デバイスの信頼性に影響を与える。また、デバイスのスイッチングに伴う発熱なども、信頼性を低下させることが懸念されている。
近年、特に電気・電子分野では集積回路の高密度化に伴う発熱が大きな問題となっており、いかに熱を放熱するかが緊急の課題となっている。
この課題を解決する一つの手法として、パワー半導体デバイスを実装する放熱基板に、アルミナ基板や窒化アルミニウム基板などの熱伝導性の高いセラミック基板が使用されている。しかしながら、これらの基板は多層化が困難であり、加工性も悪く、コストも非常に高いという課題があった。一方、樹脂を利用した放熱シートは、加工性に優れ、積層も可能であるという特徴を有するものの、放熱性の指標である熱伝導率が非常に低いという課題がある。
そこで、組成物の樹脂成分を構成する熱硬化性樹脂として、高熱伝導性のエポキシ樹脂を使用したり、このような高熱伝導性樹脂と高熱伝導性無機フィラーとを複合化したりすることで、組成物を高熱伝導化することが行われている。例えば、特許文献1には、球状の窒化ホウ素凝集体をフィラーとして配合した組成物が記載されている。この組成物は、通常適当な有機溶剤に分散ないし溶解させて適度な粘度に調整された塗布液として銅基板に塗布される。
しかし、以下の通り、従来において、樹脂を用いた放熱シートでは、セラミックス基板に匹敵するような熱伝導性を有するものは未だに開発されていない。
従来の組成物において、フィラーとしては窒化ホウ素(BN)が用いられている。窒化ホウ素(BN)は、絶縁性のセラミックスであり、ダイヤモンド構造を持つc−BN、黒鉛構造をもつh−BN(六方晶窒化ホウ素)、乱層構造を持つα−BN、β−BNなど様々な結晶型が知られている。なかでも、黒鉛構造をもつh−BNは、黒鉛と同じ層状構造を有し、合成が比較的容易でかつ熱伝導性、固体潤滑性、化学的安定性、耐熱性に優れるという特徴を備えており、電気・電子材料分野で多く利用されている。
また、h−BNは、絶縁性であるにもかかわらず、高い熱伝導性を有するという特徴を活かして、このような放熱部材用熱伝導性フィラーとして注目を集めており、放熱性に優
れた放熱シートを形成し得ると考えられる。前述の特許文献1以外にも、従来から窒化ホウ素粉体を用いる技術が知られており、そのような窒化ホウ素として、例えば、特定の粒径、粒度分布を有する窒化ホウ素粉体が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、これとは別に表面積、粒度、タップ密度等の粒子特性の異なる二種の混合窒化ホウ素を用いる技術(例えば、特許文献3参照)が知られている。
また、h−BN粉体は、熱伝導性に優れた材料として知られており、粗六方晶窒化ホウ素粉体を水洗後、不活性ガス気流中で1200〜1850℃で加熱処理することで、高結晶性窒化ホウ素を作製する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。この技術では、窒化ホウ素の結晶子の100面の結晶子サイズ(La)を成長させている。また、特許文献5では、粗製六方晶窒化ホウ素粉末に、特定の処理を施すことで、粒子径が大きく、潤滑性に優れる六方晶窒化ホウ素粉末が得られることが記載されている。また、特許文献6には、同じく粗製六方晶窒化ホウ素粉末にランタンを主成分とする化合物を混合し、非酸化性ガス雰囲気下で特定の温度範囲で加熱処理することで、002面の結晶子サイズ(Lc)を成長させて得られる六方晶窒化ホウ素粉末が記載され、この六方晶窒化ホウ素粉末は、分散性に優れ、高結晶性を有することが記載されている。
しかしながら、h−BNは、板状の粒子形状であり、その板面方向(C面方向あるいは(002)面方向)には高い熱伝導性を示すものの(通常、熱伝導率として250W/mK程度)、板厚方向(C軸方向)には低い熱伝導性(通常、熱伝導率として2〜3W/mK程度)しか示さないため、これを樹脂に配合して組成物の塗布液として基板表面に塗布して塗膜を形成し、これを加熱してBステージ化し、更に本硬化を行って放熱シートを製造すると、製造された放熱シートにおいて、板状のBN粒子が塗膜の膜面方向に配向することとなり、形成された放熱シートは、膜面方向には熱伝導率に優れるものの、厚み方向には低い熱伝導率しか示さないという課題があった。
従来、このようなBN粒子の熱伝導性の異方性を改良するために、窒化ホウ素の一次粒子が集合した二次粒子にすることで熱伝導のシート厚み方向への放熱性を上げる試みが行われてきた。
さらに、板状の窒化ホウ素粒子が配向することを妨げるように、球状窒化ホウ素二次粒子と併せて混合することが提案されている(特許文献7、8)。
特表2008−510878号公報 特開2008−189818号公報 特表2010−505729号公報 特開昭61−7260号公報 特開平9−263402号公報 特許第5171798号公報 特許第5092050号公報 特開2009−144072号公報
しかしながら、板状窒化ホウ素粒子の配向を抑えるために、上記文献で混合する球形窒化ホウ素二次粒子は、圧壊強度が高くない。そのため、シート内に形成される空隙をなくすために行うシート成形の際の加圧工程において、球形窒化ホウ素二次粒子がつぶれてしまうため、結果的に板状窒化ホウ素がシート長さ方向に配向してしまい、シートの厚さ方向に対しても効果的に熱伝導性を高めることができなかった。
本発明は、シートの厚さ方向にも高い熱伝導性を有する放熱シートを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、放熱シートに含有させるフィラーとして、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子と窒化ホウ素板状粒子を用いることで、上記課題を解決することを見出した。つまり、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子がシート内の空隙をなくすための加圧工程においても圧壊することがなく、それによって併用する板状窒化ホウ素粒子がシート長手方向に配向しない。これによって、パワーデバイスの信頼性を高める高熱伝導性、高耐電圧性を有する放熱シートを提供できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1]カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子と、板状窒化ホウ素粒子とを含む放熱シート。
[2]前記板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の長さが3μm以上であることを特徴とする[1]に記載の放熱シート。
[3]前記板状窒化ホウ素粒子は、XRD測定で100軸と004軸の強度比I(100)/I(004)が3.0より小さい、[1]または[2]に記載の放熱シート。
[4]窒化ホウ素二次粒子/(窒化ホウ素二次粒子+板状窒化ホウ素粒子)で表される、前記窒化ホウ素二次粒子と前記板状窒化ホウ素粒子との含有割合が、0.1以上0.98以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の放熱シート。
[5]前記窒化ホウ素二次粒子は、XRD測定で100軸と004軸の強度比I(100)/I(004)が3.0以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の放熱シート。[6]前記窒化ホウ素二次粒子は、樹脂を内包する粒子である、[1]〜[5]のいずれかに記載の放熱シート。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の放熱シートが支持体に積層されてなる積層放熱シート。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の放熱シートを含むパワーデバイス装置。
本発明の放熱シートによれば、含有するカードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子が、シート内の空隙をなくすための加圧工程においても圧壊することがない。そのため、本発明の放熱シートは高熱伝導性、高耐電圧性を有し、パワーデバイスに適用した際に、高い信頼性を付与することができる。
また、廉価な板状窒化ホウ素を併用することにより、放熱シートの製造コストを下げることができる。
(a)窒化ホウ素二次粒子のカードハウス構造を示すSEM写真であり、(b)窒化ホウ素二次粒子の断面におけるカードハウス構造の模式図である。 実施例における窒化ホウ素二次粒子のSEM写真である(図面代用写真)。
以下、本発明を詳しく説明するが、本発明は以下の説明に限定して解釈されるものではなく、その要旨の範囲内で任意に実施することが可能である。
[1.放熱シート]
本発明の放熱シートは、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子(以下、単に窒化ホウ素二次粒子ともいう。)と、板状窒化ホウ素粒子の、二種類の窒化ホウ素粒子を含
む。
カードハウス構造とは、例えばセラミックス 43 No.2(2008年 日本セラミックス協会発行)に記載されており、板状粒子が配向せず複雑に積層した構造である。より具体的には、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子とは、窒化ホウ素一次粒子の集合体であって、一次粒子の平面部と端面部が接触している構造を有する窒化ホウ素二次粒子である(図1(a)(b)参照)。
カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子は、その構造上破壊強度が非常に高く、放熱シート成形時に行われる加圧工程においても圧壊しない。そのため、板状の窒化ホウ素粒子と併せて混合して用いることで、通常放熱シートの長手方向に配向する板状窒化ホウ素粒子を、ランダムな方向に存在させることが可能となった。結果として、放熱シートの長手方向のみならず、厚さ方向に対しても高い熱伝導性を達成できることを本発明者らは見出した。
[1−1.窒化ホウ素二次粒子]
本発明に用いる窒化ホウ素二次粒子は、カードハウス構造を有する。カードハウス構造は上記説明したとおりであるが、窒化ホウ素二次粒子は、好ましくは窒化ホウ素一次粒子が板状であって、平面部と端面部が接触しているカードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子であり、より好ましくは窒化ホウ素一次粒子が多角形状であって、平面部と端面部が接触しているカードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子である。
窒化ホウ素二次粒子の凝集形態は走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。
<ピーク強度比>
窒化ホウ素二次粒子は、XRD測定における100軸と004軸のピーク強度比I(100)/I(004)が、通常3.0以上、好ましくは3.1以上、より好ましくは、3.2以上、特に好ましくは、3.3以上である。通常、上限はないが、10以下である。
この範囲であることにより、窒化ホウ素二次粒子を構成している1次粒子がランダムに配向していることを示し、このような二次粒子は破壊強度が非常に高い。そのため、放熱シートを成形する際のシート内の空隙をなくすための加圧工程の際に加圧しても、窒化ホウ素二次粒子が圧壊することない。それにより、併せて混合している板状窒化ホウ素粒子がランダムに配向することができ、放熱シートの厚さ方向への熱伝導性を高めることができる。
なお、ピーク強度比は粉末X線回折測定により測定された該当するピーク強度の強度比から計算することができる。なお、測定に供する試料は、一次粒子が凝集した窒化ホウ素二次粒子であってもよく、後述する樹脂が内包された窒化ホウ素粒子でもよい。また、成形体(放熱シート)の状態でX線回折測定を行うこともできる。
<破壊強度>
窒化ホウ素二次粒子の破壊強度は、通常2.5MPa以上、好ましくは3.0MPa以上、より好ましくは3.5MPa以上、更に好ましくは4.0MPa以上であり、通常20MPa以下、好ましくは15MPa以下、更に好ましくは10MPa以下である。上記上限より大きいと、粒子の強度が強すぎるため、成形体とした際に表面平滑性が失われ、熱伝導性が低下する傾向があり、上記下限未満だと、成形体を作製する際の圧力で粒子が変形しやすくなり、熱伝導性が向上しない傾向がある。
なお、破壊強度は、粒子1粒をJIS R 1639−5に従って圧縮試験し、下記式により算出できる。通常、粒子は5点以上測定し、その平均値を採用する。
式:Cs=2.48P/πd2
Cs:破壊強度(MPa)
P:破壊試験力(N)
d:粒子径(mm)
ただし、粒子が変形したりして破壊強度が算出できず、10%強度で表す場合があるが、この場合は破壊強度という概念を適用しない。
<比表面積>
窒化ホウ素二次粒子の比表面積は通常1m2/g以上であるが、好ましくは3m2/g以上50m2/g以下、より好ましくは5m2/g以上40m2/g以下である。この下限以下だと毛管現象が働きにくく、この上限以上だと一次粒子が小さすぎ、後述する樹脂内包窒化ホウ素粒子とすることが難しい。
なお、比表面積は、BET1点法(吸着ガス:窒素)で測定することができる。
<平均結晶子径>
窒化ホウ素二次粒子の粉末X線回折(XRD)による(002)面ピークから求めた平均結晶子径は、通常375Å以上であり、好ましくは380Å以上、より好ましくは390Å以上、更に好ましくは400Å以上であり、通常5000Å以下、好ましくは2000Å以下、更に好ましくは1000Å以下である。上記上限より大きいと、二次粒子を構成する一次粒子が成長しすぎるため、二次粒子内の間隙が多くなり、毛管現象が生じにくくなるため、後述する樹脂内包窒化ホウ素粒子とすることが難しい。上記下限未満だと、二次粒子を構成する一次粒子内の粒界が増えるため、フォノン散乱が結晶粒界で発生し、低熱伝導になる傾向がある。
なお、ここで、「平均結晶子径」とは、粉末X線回折測定によって得られる(002)面ピークからScherrer式にて求められる結晶子径をさす。なお、測定に供する試料は、一次粒子が凝集した窒化ホウ素二次粒子であってもよく、後述する樹脂が内包された窒化ホウ素粒子でもよい。
<窒化ホウ素一次粒子の大きさ>
本発明に用いる窒化ホウ素二次粒子の別の表現としては、窒化ホウ素一次粒子の長軸が通常0.5〜10μmに成長し、二次粒子の中心側から表面側へ向けて放射状に成長したウニ様の外観を形成しているともできる。窒化ホウ素二次粒子を構成する窒化ホウ素一次粒子の長軸は、好ましくは、0.6〜5μmであり、より好ましくは、0.8〜3μmであり、更に好ましくは、1.0〜3.0μmのh−BNが凝集した粒子である。
尚、長軸とは走査型電子顕微鏡(SEM)測定により得られた粒子1粒を拡大し、1粒の粒子を構成している一次粒子について、画像上で観察できる一次粒子の最大長を平均した値である。
<細孔直径>
窒化ホウ素二次粒子は、毛管現象による窒化ホウ素二次粒子中への樹脂の導入を容易にする観点から、細孔直径が10nm以上であることが好ましく、30nm以上がより好ましく、50nm以上が更に好ましい。一方細孔直径が10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。細孔直径は、水銀圧入法により測定することができる。
<細孔容積>
窒化ホウ素二次粒子は、好ましくは後述する樹脂が内包された窒化ホウ素二次粒子である。樹脂が内包された窒化ホウ素二次粒子は、毛管現象によって樹脂を空隙に導入しているので、樹脂が内包される前の窒化ホウ素二次粒子は、適度な細孔容積が必要となる。
窒化ホウ素二次粒子の全細孔容積は、通常0.05ml/g以上、好ましくは0.1ml/g以上、より好ましくは0.15ml/g以上、更に好ましくは0.2ml/g以上である。一方通常、5 ml/g以下、好ましくは3 ml/g以下、より好ましくは2 ml/g以下、さらに好ましくは1.5 ml/g以下である。
全細孔容積が小さいものは、窒化ホウ素二次粒子内が密になっているために、熱伝導を阻害する境界面を少なくすることが可能となるものの、窒化ホウ素二次粒子の空隙に樹脂
が入りにくくなり、十分に窒化ホウ素二次粒子の空隙を樹脂で埋めることができなくなる。一方、全細孔容積が大きくなりすぎた場合も、通常は空隙の間隔が大きくなりすぎ、毛管現象が起こりにくくなり、樹脂が窒化ホウ素二次粒子内部に取り込まれにくくなる。
なお、窒化ホウ素二次粒子の全細孔容積は、水銀圧入法で測定することができる。
<体積基準の最大粒子径Dmax、平均粒子径D50
窒化ホウ素二次粒子は、体積基準の最大粒子径Dmax(本明細書では、単に「最大粒子径」と記載する場合がある。)が、通常2μm以上であり、好ましくは3μm以上であり、より好ましくは5μm以上であり、特に好ましくは10μm以上である。また、通常300μm以下であり、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは100μm以下であり、特に好ましくは80μm以下である。
窒化ホウ素二次粒子(以下、単にフィラーともいう。)の最大粒子径が、上記上限以下であることにより、マトリクス樹脂とフィラー界面が減少する結果、熱抵抗が小さくなり、高熱伝導化を達成できるとともに、表面荒れなどのない良質な膜を形成できる。最大粒子径が上記下限より小さいと、パワー半導体デバイスに求められる熱伝導性フィラーとしての熱伝導性向上効果が小さくなる。高熱伝導性のフィラーを用いた場合、複合材料として熱伝導性を発現するためには、熱伝導性フィラーと樹脂の界面密着性、複合材料と基材の密着性などが重要であり、これらの界面が最も熱伝導性減衰の要因となると考えられている。特に、パワー半導体デバイス用の放熱シートとしては、200μm〜300μm厚みの放熱シートが適用されるケースが多いが、シートの厚みに対して上述の界面の影響が顕著になるのは放熱シート厚みに対する熱伝導性フィラーの大きさが1/10以下の場合であると考えられる。したがって、熱伝導性の観点からはフィラーの体積基準の最大粒子径は上記下限より大きいことが好ましい。フィラーの体積基準の最大粒子径が上記上限を超えると、硬化した後の放熱シートの表面にフィラーが突出して、放熱シートの表面形状が悪化し、銅基板との張り合わせシートを作製する際の密着性が低下し、耐電圧特性が低下する傾向となる。一方で、フィラーの最大粒子径が小さ過ぎると、熱伝導性に及ぼす上述の界面の影響が顕著になる以外に、フィラー粒子が小さいことにより必要となる熱伝導パス数が増加して、放熱シートの厚み方向に一方の面から他方の面まで繋がる確率が小さくなり、熱伝導性の高いマトリクス樹脂と組み合わせても、放熱シートの厚み方向の熱伝導率向上効果が不十分となったり、マトリクス樹脂とフィラーの界面面積が大きくなり、耐電圧特性が低下する傾向がある。
一般的には、パワー半導体デバイス用放熱シートは、更なる高速化・高容量化などの性能向上のために、200℃〜300℃の高温で使用されることが想定されているが、この200℃以上の高温下での使用でも周辺部材の寿命を延ばし、高熱伝導性および耐電圧特性などの信頼性を確保するためには、配合されるフィラーの最大粒子径は、放熱シートの厚みに対して通常1/10以上、好ましくは1/5以上、より好ましくは1/4以上であり、通常1/2以下、好ましくは1/3以下である。
また、窒化ホウ素二次粒子の体積基準の平均粒子径D50(以下、単に「平均粒径」と記載する場合がある。)については特に制限はないが、上記体積基準の最大粒子径の値と同様な理由から、通常1μm以上、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。また、通常250μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは70μm以下である。平均粒径D50を上記範囲とすることにより、放熱シートの厚み方向に十分な熱伝導率を有し、耐電圧特性も良好な放熱シートを得ることができる。
上記最大粒子径及び平均粒径は、例えば、これを適当な溶剤に分散させ、具体的には、分散安定剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを含有する純水媒体中に窒化ホウ素二次粒
子を分散させた試料に対して、堀場製作所社製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920にて粒度分布を測定し、得られた粒度分布から窒化ホウ素二次粒子の最大粒子径及び平均粒径を求めることができる。
後述する、樹脂内包窒化ホウ素二次粒子の平均粒径及び最大粒子径についても同様に、これを適当な溶剤に分散させ、上記と同様の装置で測定することが可能である。
窒化ホウ素球状二次粒子は、カードハウス構造を有し、好ましくは上記物性を満たすものであれば、その製造方法は限定されない。以下に、窒化ホウ素二次粒子の製造方法の詳細を例示する。
[1−2.窒化ホウ素二次粒子の製造方法]
窒化ホウ素二次粒子を製造する方法としては、制限はないが、特にカードハウス構造とするためには、原料となる窒化ホウ素(以下、これを粉砕したものとともに原料BN粉末と記することがある。)を粉砕工程で粉砕した後、造粒工程で凝集させることにより造粒し、更に加熱処理する加熱工程を経ることが好ましい。より具体的には、原料BN粉末を一旦媒体中に分散させて原料BN粉末のスラリー(以下、「BNスラリー」と記することがある。)とした後、粉砕処理を施し、その後得られたスラリーを用いて球形の粒子に造粒し、造粒した凝集BN造粒粒子の結晶化を行うために加熱処理を施すことが好ましい。
<原料BN粉末>
窒化ホウ素二次粒子(以下、凝集BN粒子ともいう。)を製造する場合には、以下に説明する窒化ホウ素の粒子を原料として用いることが可能である。ただし、本発明の凝集BN粒子の原料としては以下のものに特に限定されない。
より具体的には、市販のh−BN、市販のαおよびβ−BN、ホウ素化合物とアンモニアの還元窒化法により作製されたBN、ホウ素化合物とメラミンなどの含窒素化合物から合成されたBN、ホウ水素ナトリウムと塩化アンモニウムから作製されるBNなど何れも制限なく使用できるが、特にh−BNが好ましく用いられる。
h−BN結晶成長の観点からは、原料となるh−BN等の原料BN粉末中に酸素がある程度存在することが好ましく、原料BN粉末中の全酸素含有量は1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、原料BN粉末中の全酸素含有量はより好ましくは3質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上9質量%以下である。
全酸素含有量が上記範囲内である原料BN粉末は、一次粒子径が小さく、結晶が未発達のものが多いため、加熱処理により結晶が成長し易い。造粒により原料BN粉末が凝集したBN造粒粒子を加熱処理することでBN結晶を成長させることが好ましいが、上記全酸素含有量の範囲の原料BN粉末を用いることで、BN結晶の一次粒子がa軸を外に向けるように法線方向へカードハウス構造を形成するように成長させる、すなわちBN一次粒子を得られる凝集BN粒子表面において放射状、かつ、BN一次粒子の平面部と端面部が接触するように配置することができる。
凝集BN粒子が、一次粒子を表面で放射状に、かつ、BN一次粒子の平面部と端面部が接触するように配置することにより、毛管現象により、樹脂が窒化ホウ素二次粒子内の中心部まで導入されやすくなるという利点もある。
原料BN粉末の全酸素含有量が上記下限未満の場合、原料BN自体の純度、結晶性が良いために、C面の結晶成長が十分になされず、凝集BN粒子表面において、BN一次粒子を放射状に、かつ、カードハウス構造に配置することができず、逆に上記上限を超えると、加熱処理後も酸素含有量が高い状態となって、放熱シートとして用いた際に高熱伝導化が図れなくなるため好ましくない。
原料BN粉末の全酸素含有量を上記範囲に調整する方法としては、BN加熱時の加熱温
度を2500℃以下の低温で行う方法などが挙げられる。
また、全酸素含有量が上記好適範囲の原料BN粉末としては市販品を用いることもでき、例えば、日新リフラテック社製のh−BN「ABN」やMARUKA社製のh−BN「AP170S」などが挙げられる。
なお、原料BN粉末の酸素含有量は、不活性ガス融解−赤外線吸収法によりHORIBA製酸素・窒素分析計を用いて測定することができる。
また、原料BN粉末の他の物性としては、例えば、原料BN粉末の全細孔容積は通常1.0cm3/g以下であるが、好ましくは0.3cm3/g以上1.0cm3/g以下、より好ましくは0.5cm3/g以上1.0cm3/g以下である。
また、原料BN粉末の比表面積は通常20m2/g以上であるが、好ましくは20m2/g以上500m2/g以下、より好ましくは50m2/g以上200m2/g以下である。
全細孔容積が1.0cm3/g以下であることにより、原料BN粉末が密になっているために凝集BN粒子を構成する一次粒子として用いた場合に、球形度の高い造粒が可能となる。また、比表面積が20m2/g以上であることにより、造粒による球形化の際に用いるBNスラリー中の分散粒子径を小さくすることができるため好ましい。
なお、原料BN粉末の全細孔容積は、水銀圧入法で測定することができ、比表面積は、BET1点法(吸着ガス:窒素)で測定することができる。
<BNスラリーの調製>
BNスラリーの調製に用いる媒体としては特に制限はなく、水及び/又は各種の有機溶剤を用いることができるが、噴霧乾燥の容易さ、装置の簡素化などの観点から、水(純水)を用いることが好ましい。
水の使用量は、多過ぎると噴霧乾燥時の負荷が増大し、少な過ぎると均一分散が困難であることから、原料BN粉末に対して通常0.5〜20質量倍、特に0.5〜10質量倍とすることが好ましい。
BNスラリーの、25℃1atmにおける粘度は、通常100mPa・s以上であり、好ましくは300mPa・s以上である。また通常3000mPa・s以下であり、好ましくは2000mPa・s以下である。この範囲であることで、樹脂を内包しやすい窒化ホウ素二次粒子を製造し易くなる。
<界面活性剤>
BNスラリーには、後述の粉砕処理時のスラリーの粘度上昇を抑制すると共に、BN粒子の分散安定性(凝集抑制)の観点から、種々の界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を用いることができ、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
BNスラリーに界面活性剤を添加して用いる場合、BNスラリーの界面活性剤濃度は通常0.1質量%以上10質量%以下、特に0.5質量%以上5質量%以下の割合となるように用いることが好ましい。BNスラリーの濃度が上記下限以上であることにより、界面活性剤を添加したことによる上記効果を十分に得ることができ、また、上記上限以下であることにより、原料BN粉末の含有量の高いBNスラリーを調製した後、造粒し、さらに加熱処理を施した際の残存炭素の影響を小さくすることができる。
なお、界面活性剤は、以下の粉砕処理の前に添加してもよく、粉砕処理後に添加してもよい。
<バインダー>
BNスラリーは、原料BN粉末を効果的に凝集粒子に造粒するために、バインダーを含むことが好ましい。バインダーは、元来、粒子同士が接着性のない原料BN粉末を強固に結びつけ、造粒粒子の形状を安定化するために作用する。
BNスラリーに用いるバインダーとしては、BN粉末同士の接着性を高めることができるものであればよいが、造粒粒子は凝集化後に加熱処理されるため、この加熱処理工程における高温条件に対する耐熱性を有するものが好ましい。
このようなバインダーとしては金属酸化物が好ましく、具体的には酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸化珪素、酸化ホウ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどが好ましく用いられる。これらの中でも、酸化物としての熱伝導性と耐熱性、BN粉末同士を結合する結合力などの観点から、酸化アルミニウム、酸化イットリウムが好適である。なお、バインダーはアルミナゾルのような液状バインダーであってもよく、有機金属化合物のように焼成により金属酸化物に変換されるものを用いてもよい。
これらのバインダーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
バインダーの使用量(液状バインダーの場合は、固形分としての使用量)は、BNスラリー中の原料BN粉末に対して、通常1質量%以上30質量%以下であり、好ましくは1質量%以上20質量%以下、より好ましくは5質量%以上20質量%以下である。バインダーの使用量が上記下限未満の場合、BN粉末同士を結着させる効果が小さくなるため造粒粒子が造粒後の形状を保てなくなるおそれがあり、上記上限を超えると造粒粒子中のBNの含有量が少なくなり、結晶成長に影響するばかりか熱伝導性のフィラーとして用いた場合に熱伝導率改善効果が小さくなるおそれがある。
<粉砕処理>
BNスラリーは、そのまま噴霧乾燥による造粒工程に供してもよいが、造粒に先立ち、スラリー中の原料BN粉末を粉砕処理して微細化することが好ましく、微細化することにより、凝集化を円滑に行うことができるようになる。
即ち、原料BN粉末の粒子径にもよるが、原料BN粉末をそのまま媒体中に分散させた場合、BN粉末は平板状粒子であるために、凝集化の工程で造粒されない粒子が多くなる傾向にあるが、微細化で、効率的な凝集化を行える。
粉砕には、ビーズミル、ボールミル、ピンミルなど通常の粉砕方法を用いることができるが、スラリーとして大量に循環粉砕可能で粉砕粒子径を制御しやすいという観点からビーズミルが好適である。また、粉砕によりBN粒子が微粒子化することで、BNスラリーの粘度が上昇するため、より高濃度、高粘度でも粉砕が可能なものがよく、加えて、粉砕が進むにつれてBNスラリーの温度上昇も生じるため、冷却システムが備えられているものが好ましい。このような装置としては、例えばフロイントターボ社製「OBミル」、アシザワ・ファインテック社製「スターミルLMZシリーズ」などが挙げられる。
<造粒(凝集化)>
BNスラリーから凝集BN粒子である造粒粒子を得るには、特に制限はないがスプレードライ法が好適に用いられる。スプレードライ法では、原料となるスラリーの濃度、装置に導入する単位時間当たりの送液量と送液したスラリーを噴霧する際の圧空圧力及び圧空量により、所望の大きさの造粒粒子を製造することが可能であって、球状の造粒粒子を得ることも可能である。球状化に際して使用するスプレードライ装置に制限はないが、より大きな球状BN造粒粒子とするためには、回転式ディスクによるものが最適である。この
ような装置としては、大川原化工機社製スプレードライヤーFシリーズ、藤崎電機社製スプレードライヤー「MDL−050M」などが挙げられる。
造粒により得られた造粒粒子の最大粒子径は、加熱処理後に本発明の凝集BN粒子として体積基準の最大粒子径の範囲を25μmより大きく200μm以下とするために、体積基準の平均粒子径D50で通常1μm以上、特に10μm以上150μm以下、とりわけ10μm以上100μm以下であることが好ましい。ここで、造粒粒子の体積基準の平均粒子径D50は、例えば、日機装社製「マイクロトラックHRA」で測定することができる。
<加熱処理>
上記の造粒により得られた窒化ホウ素の造粒粒子は、更に非酸化性ガス雰囲気下に加熱処理されるのが好ましい。
ここで、非酸化性ガス雰囲気とは、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、アンモニアガス、水素ガス、メタンガス、プロパンガス、一酸化炭素ガスなどの雰囲気のことである。ここで用いる雰囲気ガスの種類により凝集BN粒子の結晶化速度が異なるものとなり、例えばアルゴンガスでは、結晶化の速度が遅くなり、加熱処理時間が長時間に及ぶ。結晶化を短時間で行うためには特に窒素ガス、もしくは窒素ガスと他のガスを併用した混合ガスが好適に用いられる。この加熱処理の条件を適切に選択することも、凝集BN粒子の比表面積や全細孔容積を特定の範囲としながら、表面に窒化ホウ素一次粒子を放射状に配置させる上で、重要である。
加熱処理温度は通常1300℃〜2500℃であるが、好ましくは1300℃〜2300℃、更に好ましくは1400℃〜2200℃である。加熱処理温度が下記下限未満では、h−BNの結晶化が不十分となり、熱伝導性フィラーとした場合の熱伝導率改善効果が小さくなる。加熱処理温度が、上記上限を超えると、添加したバインダー成分が溶融・分解して凝集BN粒子同士が凝集し、本来の形状を保てなくなったり、BNの分解などが生じてしまうおそれがある。
加熱処理時間は、通常1時間以上、50時間以下であり、より好ましくは3時間以上、40時間以下、特に好ましくは5時間以上、30時間以下である。更に、上記加熱処理時間内に、特に1300℃〜1500℃で3時間以上の保持工程を導入することが好ましい。前記温度範囲で保持工程を導入することにより、より効率的にh−BNの結晶化が行われるため、上限の加熱処理温度を低下できる傾向にある。加熱処理時間が上記下限未満の場合、結晶化が不十分となり、上記上限を超えるとh−BNが一部分解するおそれがある。
加熱処理は、非酸化性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、このためには、通常、炉内を真空ポンプで引きながら加熱し、加熱に伴う分解ガスなどが少なくなるまで排気を行った後、非酸化性ガスを導入しながら、続けて所望の温度まで加熱して昇温することが好ましい。真空ポンプで排気を行う温度の目安としては、200〜500℃、例えば、400℃付近まで30〜60分程度で加熱昇温した後、その温度を保持しながら30〜60分程度排気を続け、真空度が10Pa以下となるまで真空引きを行い、その後、非酸化性ガスを導入することが好ましい。非酸化性ガスの流量は、炉の大きさにもよるが、通常2L(リットル)/分以上であれば問題ない。その後、非酸化性ガスを導入しながら1500℃程度まで50〜100℃/時で昇温し、その後1500℃から所定の加熱処理温度まで30〜50℃/時で昇温する。この温度で上記加熱処理時間中、加熱した後、5〜50℃/分程度で室温まで降温することが好ましい。
例えば、窒素ガス雰囲気下で加熱処理を行う場合は、2000℃前後で5時間程度、アルゴンガス雰囲気の場合は、2000℃前後で5〜15時間程度の条件とすることで、放
射状に成長させることができる。
加熱処理を施す焼成炉は、マッフル炉、管状炉、雰囲気炉などのバッチ式炉やロータリーキルン、スクリューコンベヤ炉、トンネル炉、ベルト炉、プッシャー炉、竪型連続炉などの連続炉が挙げられ、目的に応じて使い分けられる。
なお、凝集BN粒子は、製造直後では、得られた粒子が更に凝集して、本発明に好適な粒子径の範囲を満たさない場合がある。そのため、凝集BN粒子は、必要に応じて、本発明に好適な粒子径の範囲を満たすように粉砕してもよい。
凝集BN粒子の粉砕の方法は特に限定されず、ジルコニアビーズ等の粉砕用メディアと共に攪拌混合する方法や、ジェット噴射等の従来公知の粉砕方法を適用できる。
<分級>
上記加熱処理後の凝集BN粒子は、平均粒子径を大きくし、しかも組成物に配合したときの粘度上昇を抑制するために、好ましくは分級処理する。この分級は、通常、造粒粒子の加熱処理後に行われるが、加熱処理前の造粒粒子について行い、その後加熱処理に供してもよい。
分級は湿式、乾式のいずれでも良いが、h−BNの分解を抑制するという観点からは、乾式の分級が好ましい。特に、バインダーが水溶性を有する場合には、特に乾式分級が好ましく用いられる。
乾式の分級には、篩による分級のほか、遠心力と流体抗力の差によって分級する風力分級などがあるが、分級精度の観点からは、風力分級が好ましく、旋回気流式分級機、強制渦遠心式分級機、半自由渦遠心式分級機などの分級機を用いて行うことができる。これらの中で、サブミクロンからシングルミクロン領域の小さな微粒子を分級するには旋回気流式分級機を、それ以上の比較的大きな粒子を分級するには半自由渦遠心式分級機など、分級する粒子の粒子径に応じて適宜使い分ければよい。
体積基準の最大粒子径が25μm以上、200μm以下の凝集BN粒子を得るために、旋回気流式分級機を用いて微粒子の除去のための分級操作および/又は半自由渦遠心式分級を行うことが好ましい。
<窒化ホウ素二次粒子の形状>
上述のようにして、原料BN粉末を造粒し、加熱処理をすることによって、その形状を保持したままh−BNの結晶を成長させることで、上述した物性の別の態様として、表面に通常0.05μm以上5μm以下の窒化ホウ素一次粒子(以下、「BN一次粒子」と記載する場合がある。)を配置することが可能となり、カードハウス構造を有する凝集粒子とすることができる。好ましくは板状のBN一次粒子の平面部と端面部が接触しているカードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子とすることができ、より好ましくは多角形状の窒化ホウ素一次粒子の平面部と端面部が接触しているカードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子とすることができる。。更に好ましくは、凝集BN粒子が球状であるという上記物性の別の形態として表すことができる。尚、「球状」とは、アスペクト比(長径と短径の比)が1以上2以下、好ましくは1以上1.5以下であることをさす。凝集BN粒子は、後述の原料BN粉末を凝集させて造粒された粒子であり、この造粒粒子が「球状」であることが好ましく、「球状であることが好ましい」とは、一次粒子の形状が球状であることが好ましいというものではない。凝集BN粒子のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影された画像から200個以上の粒子を任意に選択し、それぞれの長径と短径の比を求めて平均値を算出することにより決定する。
なお、凝集BN粒子の表面には、平均粒子径0.05μm以上のBN一次粒子が存在するが、「平均粒子径0.05μm以上のBN一次粒子」の「0.05μm以上」とは、当
該BN一次粒子の粒子径に相当する長さを指す。このBN一次粒子の結晶の大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、2万倍程度の倍率で観察して、表面に観察される任意の100個の粒子の最大粒子サイズを計測して、平均値を求めることで測定することができる。
凝集BN粒子において、結晶がどのように成長しているかは、高熱伝導性フィラーとしての用途において重要な要件の一つである。
本発明では、このような特異的な結晶成長によりカードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子が得られることで、熱伝導性の等方性、マトリクス樹脂との混練性、耐崩壊性に優れるという効果を奏する。
凝集BN粒子の調製方法の一手段として、全酸素含有量が通常1質量%以上10質量%以下のh−BN粉末を原料に用い、更に、加熱処理の条件を前述のように制御することで製造が可能になる。
具体的には、凝集BN粒子では、h−BNの結晶成長方向は球に対して中心から放射状、即ち、BN結晶の一次粒子がa軸を外に向けるように法線方向へ成長し、かつ、カードハウス構造となるのに対して、全酸素含有量が1質量%未満の原料h−BNを用いた場合は、円周方向に結晶成長(h−BNのC面を外に向けるように成長)しており、この結果、カードハウス構造が得られず、また比表面積が小さく、全細孔容積も大きいものとなると考えられる。
[1−3.板状窒化ホウ素粒子]
本発明の放熱シートは、板状窒化ホウ素粒子を含有する。板状窒化ホウ素粒子は、特段限定されないが、XRD測定における100軸と004軸のピーク強度比I(100)/I(004)が、通常3.0以下、好ましくは、2.95以下、特に好ましくは2.9以下、より好ましくは2.85以下である。通常下限値は限定されないが、1.0以上である。
<板状窒化ホウ素粒子のサイズ>
板状窒化ホウ素粒子の長軸方向のサイズ平均長さは、通常3μm以上300μm以下、好ましくは6μm以上200μm以下、より好ましくは7μm以上150μm以下、特に好ましくは8μm以上100μm以下である。I(100)/I(004)及び長軸方向のサイズがこの範囲にあることにより、上述の窒化ホウ素二次粒子との混合により、シート厚さ方向への熱伝導性を高めることができ、好ましい。この範囲を外れると、空隙が多くなり、熱伝導性が高められない恐れがあり、耐電圧性も上げられない恐れがある。
上記範囲を満たす板状窒化ホウ素としては市販品も存在し、市販品としては、デンカ社製 デンカボロンナイトライド SGP、MGP、GP、HGP、SP−2 などやモメンティブ社製 PT−110、PT−120、PT−140、PT−180、PT−160、PT−180などがある。I(100)/I(004)については、市販品の板状窒化ホウ素であればその範囲を充足するものが市販品として存在し、適宜選択すればよい。一方、長軸方向のサイズは、大きい場合には分級等によりサイズダウンすることで、上記範囲とすることができる。
なお、板状窒化ホウ素粒子の長軸方向のサイズ平均長さは、電子顕微鏡で20粒子以上観察した平均値である。
放熱シートにおける、窒化ホウ素二次粒子と板状窒化ホウ素粒子との重量含有比率は特に限定されないが、窒化ホウ素二次粒子/(窒化ホウ素二次粒子+板状窒化ホウ素粒子)は、通常0.1以上0.98以下、好ましくは、0.2以上0.95以下、より好ましくは0.3以上0.9以下、特に好ましくは0.4以上0.85以下である。
上記範囲とすることで、窒化ホウ素二次粒子と板状窒化ホウ素粒子とが適当な比率で放熱シート中に含有され、板状窒化ホウ素粒子がランダムな方向に配置されることで、高い熱伝導率を達成できる。
[1−4.マトリクス樹脂]
放熱シートにおいて通常、熱伝導性の担い手は、上述のフィラーである窒化ホウ素二次粒子および板状窒化ホウ素粒子であるが、パワー半導体デバイス用の放熱シートは、10W/mK以上の高い熱伝導性を必要とされるため、放熱シートに用いられるマトリクス樹脂の熱伝導性も高いことが望ましい。
フィラーとの複合化で高い熱伝導性を得るために、マトリクス樹脂の熱伝導率は0.2W/mK以上であることが好ましく、特に0.22W/mK以上であることが好ましい。
なお、放熱シート中のマトリクス樹脂の熱伝導率は、放熱シート用塗布液を構成する成分のうち、マトリクス樹脂と有機溶剤と、更に塗布液中に硬化剤を含む場合には硬化剤のみを用いて、通常の硬化方法に従って硬化膜を形成し、この硬化膜について、以下の方法で求めた値である。
<マトリクス樹脂の熱伝導率の測定方法>
マトリクス樹脂の硬化膜について、以下の装置を用いて、熱拡散率、比重、及び比熱を測定し、この3つの測定値を乗じることで熱伝導率を求める。
(1)熱拡散率:アイフェイズ社製 「アイフェイズ・モバイル 1u」
(2)比重:メトラー・トレド社製 「天秤 XS−204」
(固体比重測定キット使用)
(3)比熱:セイコーインスツル社製 「DSC320/6200」
マトリクス樹脂としては、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも制限なく用いることが出来る。硬化性樹脂としては、熱硬化性、光硬化性、電子線硬化性などの架橋可能なものであればよいが、耐熱性、吸水性、寸法安定性などの点で、熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂としては、例えばWO2013/081061に例示されたものを用いることができる。このうち、熱硬化性樹脂を用いることが好ましく、特にエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びジシクロペンタジエン骨格からなる群から選択された少なくとも1つの骨格を有するフェノキシ樹脂が好ましい。中でも、耐熱性がより一層高められることから、フルオレン骨格及び/又はビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂が特に好ましく、とりわけビルフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格及びビフェニル骨格のうちの少なくとも1つ以上の骨格を有するフェノキシ樹脂であることが好ましい。
放熱シート中のマトリクス樹脂の含有量は、通常2wt%以上、好ましくは5wt%以上、より好ましくは7wt%以上であり、通常70wt%以下、好ましくは60wt%以下、より好ましくは40wt%以下である。
また、放熱シート中の窒化ホウ素(窒化ホウ素二次粒子および板状窒化ホウ素粒子)の含有量は、通常30wt%以上、好ましくは40wt%以上、より好ましくは50wt%以上であり、通常99wt%以下、好ましくは98wt%以下、より好ましくは95wt%以下である。
また、放熱シート中の窒化ホウ素二次粒子の含有量は、通常3wt%以上、好ましくは10wt%以上、より好ましくは15wt%以上であり、通常97wt%以下、好ましく
は95wt%以下、より好ましくは90wt%以下である。
また、放熱シート中の板状窒化ホウ素粒子の含有量は、通常3wt%以上、好ましくは10wt%以上、より好ましくは15wt%以上であり、通常97wt%以下、好ましくは95wt%以下、より好ましくは90wt%以下である。
放熱シート中に上記範囲でマトリクス樹脂、及び窒化ホウ素を含有させることで、高い熱伝導性を発揮することができる。
[1−5.樹脂内包窒化ホウ素二次粒子]
放熱シートに含有される窒化ホウ素二次粒子は、樹脂を内包する窒化ホウ素二次粒子であってもよい。
窒化ホウ素二次粒子は、カードハウス構造を有することから適度な細孔容積を有し、毛管現象により、窒化ホウ素二次粒子内に樹脂を導入することができる。
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を用いることで、窒化ホウ素二次粒子内への溶剤の吸収や、窒化ホウ素二次粒子内の空隙をなくすことができ、高い熱伝導性、高い耐電圧性を達成することができる。
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子における内包樹脂の重量比率であるが、通常5wt%以上50wt%以下、好ましくは8wt%以上45wt%以下、さらに好ましくは、10wt%以上40wt%以下、特に好ましくは、15wt%以上35wt%以下である。この上限値以上であると樹脂が窒化ホウ素二次粒子外にはみ出してしまい、粒子が凝集し易くなり、取り扱いにくくなる。一方、この下限以下の場合は、窒化ホウ素二次粒子を十分に樹脂で覆うことができず、組成物中において溶剤の吸収量を十分に抑えることができず、スラリー化しにくくなる。
窒化ホウ素二次粒子に含まれる内包樹脂は、水に対する溶解度が通常5wt%以下、好ましくは4wt%以下、さらに好ましくは3wt%以下、特に好ましくは2wt%以下である。これは、窒化ホウ素のベーサル面は疎水的であるためである。毛管現象により窒化ホウ素二次粒子内部に樹脂を導入させるためには、用いられる溶剤は非水溶性であり、さらには内包樹脂も非水溶性溶剤に溶解することが求められるためである。つまり内包樹脂に求められる樹脂は疎水性樹脂であることが好ましい。加えて非水溶性溶剤を除去後、内包樹脂が窒化ホウ素二次粒子内部を満たした場合においても、窒化ホウ素と内包樹脂との密着を上げるために、疎水性樹脂であることが望ましい。
また、窒化ホウ素粒子に内包される樹脂は、硬化性樹脂を含むことが好ましく、また、エポキシ樹脂を含むことが好ましい。さらに、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格およびビフェニル骨格からなる群のうち、少なくとも1つ以上の骨格を有するフェノキシ樹脂を含むことが好ましい。これらの樹脂を含むことで、放熱シートとした際に良好な放熱性を出すことができる。
また、内包樹脂には、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の添加量としては、内包樹脂全量に対して通常0.001〜5質量%であり、0.005〜3質量%が好ましい。界面活性剤の添加量が上記下限未満では、内包樹脂が窒化ホウ素二次粒子内に十分に浸透できない場合があり、また上記上限を超えると窒化ホウ素と内包樹脂との密着性が劣り、好ましくない。
また、後述する硬化剤、その他の添加剤を、内包樹脂に含有させてもよい。含有量等は、後述する説明を参照できる。
また、内包樹脂と、マトリクス樹脂とを別の樹脂とすることで、異なる機能を放熱シートに付与することができ、好ましい。
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子を製造するためには、窒化ホウ素二次粒子内に樹脂を導入できれば、いかなる方法を用いてもよいが、窒化ホウ素二次粒子内に毛管現象を用いて樹
脂を導入する場合は、溶剤を用いることが好ましい。用いる溶剤は特に制限はないが、窒化ホウ素のベーサル面は、疎水的な表面を有しているために、有機溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、例えば、以下に例示するアルコール系溶剤、芳香族系溶剤、アミド系溶剤、アルカン系溶剤、エチレングリコールエーテル及びエーテル・エステル系容易剤、プロピレングリコールエーテル及びエーテル・エステル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤の中から、樹脂の溶解性等を考慮して、好適に選択して用いることができる。
有機溶剤の具体例としては、WO2013/081061に例示されたものを用いることができる。
有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
<その他の無機物質>
樹脂内包窒化ホウ素二次粒子は、必要に応じて窒化ホウ素以外の無機物質を含有してもよく、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、および酸化マグネシウムの中から選ばれる1種以上の無機フィラーを含有してもよい。
これらの無機フィラーの含有量は、通常50wt%以下、好ましくは40wt%以下、より好ましくは30wt%以下である。また、通常0.5wt%以上である。
[1−6.その他成分]
<硬化剤>
放熱シートに含まれるマトリクス樹脂は、必要に応じて硬化剤を含有していてもよい。
本発明で用いる硬化剤とは、エポキシ樹脂のエポキシ基等などの、マトリクス樹脂の架橋基間の架橋反応に寄与する物質を示す。
エポキシ樹脂においては、必要に応じて、エポキシ樹脂用の硬化剤、硬化促進剤が共に用いられる。
硬化促進剤は、用いられるマトリクス樹脂や硬化剤の種類に応じて適宜選べばよい。例えば前記酸無水系硬化剤用の硬化促進剤としては、例えば三フッ化ホウ素モノエチルアミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの硬化促進剤は、通常、エポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
硬化剤としては、特に制限はなく、用いる熱硬化性樹脂の種類に応じて選択使用される。熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾール及びその誘導体、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
硬化剤の具体例としては、WO2013/081061に例示されたものを用いることができる。
これらの硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
硬化剤の中でも、イミダゾール又はその誘導体やジシアンジアミン化合物が好適に用いられる。
硬化剤の含有量は、マトリクス樹脂100質量部に対して、通常0.1〜60質量部であり、0.5〜40質量部が好ましい。
特に、硬化剤がフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤の場合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基と硬化剤中の官能基との当量比で、通常0.8〜1.5の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲外であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留し、所望の物性が得られないことがある。
また、硬化剤がアミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾール及びその誘導体、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等の場合は、エポキシ樹脂100質量部に対して、通常0.1〜20質量部の範囲で用いることが好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
また、ジシアンジアミン化合物の場合は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲で用いることが好ましく、通常0.5〜6質量部がより好ましい。
[その他の添加剤]
放熱シートには、機能性の更なる向上を目的として、本発明の効果を損なわない範囲において、各種の添加剤(その他の添加剤)を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、液晶性エポキシ樹脂等の、前記のマトリクス樹脂に機能性を付与した機能性樹脂、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、繊維状窒化ホウ素等の窒化物粒子、アルミナ、繊維状アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の絶縁性金属酸化物、ダイヤモンド、フラーレン等の絶縁性炭素成分、樹脂硬化剤、樹脂硬化促進剤、粘度調整剤、分散安定剤が挙げられる。
さらに、その他の添加剤としては、基材との接着性やマトリクス樹脂と無機フィラーとの接着性を向上させるための添加成分として、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤、保存安定性向上のための紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、着色剤、分散剤、流動性改良剤、基材との密着性向上剤等が挙げられる。
また、放熱シートには、成形時の流動性改良及び基材との密着性向上の観点より、熱可塑性のオリゴマー類を含有させることもできる。
その他、組成物或いは塗布液中での各成分の分散性を向上させる、界面活性剤や、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等を添加することもできる。
これらは、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
添加剤の具体例については、WO2013/081061に例示されたものを用いることができ、添加量についてもWO2013/081061に記載の範囲とすることができる。
[2.放熱シート用塗布液]
本発明の別の実施態様は、放熱シート用塗布液であり、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子と、板状窒化ホウ素粒子の、二種類の窒化ホウ素粒子を含む。また、放熱シート用塗布液は、マトリクス樹脂、溶剤およびその他の添加剤を含有してもよい。これらの構成材料を分散・混合することを目的として、ペイントシェーカーやビーズミル、プラネタリミキサ、攪拌型分散機、自公転攪拌混合機、三本ロール、ニーダー、単軸又は二軸混練機等の一般的な混練装置などを用いて混合することが好ましい。
放熱シート用塗布液の固形分濃度は、通常5wt%以上、好ましくは10wt%以上、より好ましくは15wt%以上、特に好ましくは20wt%以上である。また通常90wt%以下であり、好ましくは80wt%以下であり、より好ましくは70wt%以下であり、特に好ましくは60wt%以下である。
放熱シート用塗布液の固形分濃度がこの上限以上の場合、スラリーが増粘しすぎて、レベリング性が悪くなり、均一な塗布膜を形成することができない。一方、この下限以下の場合、放熱シートに所望のドライ膜厚を得るためには、ウェット膜厚を厚くすることが必要となる。ウェット膜厚を厚くすると、それを乾燥するための製造コストが高くなるだけでなく、タクトタイムも長くなってしまう。さらに、乾燥におけるムラの発生が起こる恐れがある。
放熱シート用塗布液は、上述のマトリクス樹脂に添加することができる添加剤(上述の窒化ホウ素以外の無機材料、硬化剤、分散剤など)を用いることができる。
放熱シート用塗布液の各配合成分の混合順序も、反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であり、組成物及び組成物塗布液の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め混合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
[3.成形体の製造方法]
上記放熱シート用塗布液を用いて、各種の成形体を製造することができる。
この成形体を成形する方法は、樹脂組成物の成形に一般に用いられる方法を用いることができる。
例えば、放熱シート用塗布液を所望の形状で、例えば、型へ充てんした状態で硬化させることによって成形することができる。このような成形体の製造法としては、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、及び圧縮成形法を用いることができる。
また、放熱シート用塗布液がエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂組成物を含む場合、成形体の成形、すなわち硬化は、それぞれの組成に応じた硬化温度条件で行うことができる。
また、放熱シート用塗布液が熱可塑性樹脂組成物を含む場合、成形体の成形は、熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度及び所定の成形速度や圧力の条件で行うことができる。また、放熱シート用塗布液を成形硬化した固形状の材料から所望の形状に削り出すことによって成形体を得ることもできる。
以下、本発明の放熱シートを製造する方法を具体的に説明する。
<塗布工程>
まず基板の表面に、放熱シート用塗布液で塗膜を形成する。
即ち、放熱シート用塗布液を用いて、ディップ法、スピンコート法、スプレーコート法、ブレード法、その他の任意の方法で塗膜を形成する。組成物塗布液の塗布には、スピンコーター、スリットコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどの塗布装置を用いることにより、基板上に所定の膜厚の塗膜を均一に形成することが可能であり、好ましい。
なお、基板としては、後述の厚さの銅箔が一般的に用いられるが、何ら銅基板に限定されるものではない。
<乾燥工程>
放熱シート用塗布液を塗布することにより形成された塗膜を、溶剤や低分子成分の除去のために、通常10〜150℃、好ましくは25〜100℃、より好ましくは、30〜90℃、特に好ましくは、40〜80℃の任意の温度で乾燥することができる。ただし、溶剤の沸点を越えないことが望ましい。この温度範囲の上限以上の場合、溶剤除去時に、溶剤の対流のために、塗布膜表面が荒れてしまうことがある。加えて、放熱シート塗布液が熱硬化性樹脂を含む場合、塗布液が硬化してしまい、その後のプレスプロセスで樹脂が流れなくなり、ボイドを除去することができない恐れがある。なお、この温度範囲の下限以下であると、効果的に溶剤を取り除くことができず、溶剤除去に時間がかかってしまう恐れがある。乾燥時間は、通常5分〜10日間、好ましくは、10分〜3日間、より好まし
くは20分〜1日間、特に好ましくは、30分から4時間の加熱処理を行って乾燥膜を形成する。
乾燥時間が短すぎると、十分に溶剤が除去できず、残留溶剤が放熱シート内のボイドになってしまう恐れがある。乾燥時間が長すぎると、生産性があげられず、製造プロセスコストが高くなる恐れがある。
<加圧工程>
乾燥工程の後には、加圧工程を行ってもよい。シート化工程は、窒化ホウ素同士を接合させヒートパスを形成する目的、シート内のボイドや空隙をなくす目的、基材との密着をさせる目的、窒化ホウ素粒子に含まれる内包樹脂を押し出しシート内の結合を行う目的から加圧することが望ましい。加圧工程は、銅基板上の乾燥膜に通常10kgf/cm2〜2000kgf/cm2、好ましくは50kgf/cm2〜1000kgf/cm2、より好ましくは80kgf/cm2〜800kgf/cm2、特に好ましくは100kgf/cm2〜500kgf/cm2の加重をかけて実施することが望ましい。この加圧時の加重を上記上限以下とすることにより、窒化ホウ素二次粒子が破壊することなく、シート中に空隙などがない高い熱伝導性を有するシートを得ることが出来る。また、加重を上記下限以上とすることにより、凝集BN粒子間の接触が良好となり、熱伝導パスを形成しやすくなるため、高い熱伝導性を有するシートを得ることが出来る。
加圧工程では、銅基板に塗布、乾燥した組成物膜を通常25〜300℃、好ましくは40〜250℃、より好ましくは50〜200℃、特に好ましくは60〜160℃で加熱することが望ましい。この温度範囲でシート化工程を行うことにより、加熱は乾燥膜中の樹脂の溶融粘度を低下させることができ、シート内のボイドや空隙をなくすことができる。この温度範囲以上で行うと、有機成分が分解する恐れや残留溶剤が蒸気となり、ボイドを形成する恐れがある。
加圧工程は、通常30秒〜4時間、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは3分〜1時間、特に好ましくは5分〜45分である。この上限時間以上では、放熱シートの製造プロセス時間が長すぎ、生産コストが高くなる恐れがある。この下限時間以下では、シート内の空隙やボイドを十分に取り除けないため、熱伝達性能や耐電圧特性に影響を与える恐れがある。
完全に硬化反応を行わせる硬化工程は、加圧下で行ってもよく、無加圧で行ってもよいが、加圧する場合は、上記と同様の理由から、上記の加圧工程と同様の条件で行うことが望ましい。なお、加圧工程と硬化工程を同時におこなっても構わない。
特に加圧工程と硬化工程を経るシート化工程においては、上記の範囲の加重をかけて、後述の圧縮率の範囲となるように加圧、硬化を行うことが好ましい。
放熱シートの製造にあたっては、このように乾燥膜に大きな加重を加えることによりシート化することで本発明の効果を発揮しやすい傾向がある。
XRD測定でカードハウス構造を有さない窒化ホウ素二次粒子を用いて、放熱シートを製造した場合、窒化ホウ素二次粒子は、加圧工程により圧壊され、シート面内方向に低熱伝導面が配向してしまい、また、板状窒化ホウ素粒子がシートの長さ方向に配向することから、シート厚み方向では低熱伝導性しか得られない。これに対して、破壊強度が高い、特定の窒化ホウ素二次粒子と特定の板状窒化ホウ素粒子を放熱シートに含有させることで、加圧工程において窒化ホウ素二次粒子の構造が圧壊されにくく、板状窒化ホウ素粒子がシート中にランダムに存在し、シートの厚さ方向であっても熱伝導性を有するシートとすることができる。
放熱シートは、上述のように大きな加重下でシート化を行って製造されるが、特に加重をかける前の硬化前シート厚みと加重をかけて完全に硬化させた後の硬化シート厚みの比((硬化シート厚み)/(硬化前シート厚み))から計算される圧縮率(1−(硬化シー
ト厚み)/(硬化前シート厚み))が0.2以上0.8以下の圧縮率の時に、厚み方向に10W/mK以上50W/mK以下の高熱伝導性が発現する。この圧縮率は、より好ましくは0.3以上0.7以下、更に好ましくは0.4以上0.7以下、特に好ましくは0.5以上0.7以下である。圧縮率を上記上限以下とすることにより、窒化ホウ素二次粒子を破壊することなく、シート中に空隙などがない高い熱伝導性を有するシートを得ることが出来る。また、圧縮率を上記下限以上とすることにより、窒化ホウ素二次粒子間の接触が良好となり、熱伝導パスを形成しやすくなるため、高い熱伝導性を有するシートを得ることが出来る。
また、このような圧縮率で硬化させて得られる本発明の放熱シートの厚み方向の熱伝導率は、より好ましくは15〜40W/mK、特に好ましくは20〜40W/mKである。
また、上記放熱シートは、XRD測定で100軸と004軸の強度比I(100)/I(004)が3.0以上であることが好ましい。上記範囲であることで、加圧工程においても窒化ホウ素二次粒子が圧壊せず、板状窒化ホウ素粒子がランダムに配向されており、放熱シートの厚み方向において高い熱伝導率を達成できる。
[4.積層放熱シート]
本発明の別の実施態様は、放熱シートを支持体に積層させてなる積層放熱シートである。支持体は特段限定されないが、熱伝導性を高くするために、特に銅箔を用いることが好まれ、例えば、上述の放熱シートの製造方法により製造され、銅箔が積層一体化されたものが好ましい。
本発明の放熱シート又は上記積層放熱シートの厚さについては特に制限はないが、通常100〜300μm、特に150〜250μmであることが好ましい。放熱シートの厚さが上記下限未満では、硬化膜の厚さが薄すぎて、耐電圧特性が悪化し、絶縁破壊電圧が低くなるため好ましくなく、上記上限を超えるとパワー半導体デバイスの小型化や薄型化が達成できなくなるため好ましくない。
また、銅箔の厚さは通常、十分な放熱性を確保するという理由から、30〜200μm、特に30〜150μmであることが好ましい。
[5.パワーデバイス装置]
上記放熱シート又は積層放熱シートは、放熱基板としてパワーデバイス装置に実装することができる。上記放熱シート及び積層放熱シートを備えたパワーデバイス装置は、高い熱伝導性による放熱効果で、高い信頼性のもとに、高出力、高密度化が可能である。パワー半導体デバイス装置において、放熱シート又は積層放熱シート以外のアルミ配線、封止材、パッケージ材、ヒートシンク、サーマルペースト、はんだというような部材は従来公知の部材を適宜採用できる。
以下、製造例により本発明をさらに詳細に説明する。
<窒化ホウ素二次粒子の製造例1>
以下に記載する方法で、BN−A凝集粒子を調製した。
BN−A凝集粒子を作製するためには、原料として、粉末X線回折測定によりえられる(002)面ピークの半値幅が2θ=0.67°、酸素濃度が7.5質量%であるh−BN(以下原料h−BN粉末と記載)を用いた。
・BNスラリーからの凝集粒子の作製
[スラリーA]
以下の配合で粘度が810mPa・sのスラリーAを調製した。
スラリーA配合
原料h−BN粉末:10000g
純水:0g
バインダー(多木化学(株)製「タキセラムM160L」、固形分濃度21質量%):1
1496g
界面活性剤(花王(株)製界面活性剤「アンモニウムラウリルサルフェート」:固形分濃度14質量%):250g
[スラリーの調製]
原料h−BN粉末を樹脂製のボトルに所定量計量し、次いで純水、バインダーの順に所定量添加した。さらに、界面活性剤を所定量添加した後、ジルコニア性のセラミックボールを添加して、ポットミル回転台で撹拌した。撹拌は、1〜5時間所望の粘度になるまで実施した。
[造粒]
BNスラリーからの造粒は、大河原化工機株式会社製FOC−20を用いて造粒した。
ディスク回転数20000〜23000rpm、乾燥温度80℃で実施した。
[BN−A凝集粒子の作製]
上記BN造粒粒子を、2000℃で5時間、窒素ガス流通下に加熱処理した。
加熱処理時の昇温および降温は、以下のように行った。
室温で真空引きをした後、窒素ガスを導入して復圧し、そのまま窒素ガスを導入しながら2000℃まで83℃/時で温度を上げ、2000℃到達後、5時間保持した。その後、室温まで冷却し、BN−A凝集粒子を得た。
[分級]
更に、上記加熱処理後のBN凝集粒子を、乳鉢および乳棒を用いて軽粉砕した後、目開き90μmの篩を用いて分級した。分級後、BN−A凝集粒子の平均結晶子径、D50、XRD測定による(100)面と(004)面のピーク強度比を測定した。測定結果は表1に示す。また、BN−AのSEM写真を図2に示す。図2より、製造したBN二次粒子は、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子であることがわかる。
<放熱シートの製造>
上記製造したBN二次粒子と板状窒化ホウ素とエポキシ樹脂とを、水に添加して混合し、放熱シート用スラリーを調製する。調製後のスラリーを銅板上にシート状に塗布し、乾燥させて水を除去することで、放熱用シートを得る。
上記製造例により製造された、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子は、板状の窒化ホウ素粒子と共にフィラーとして放熱シートに含有させることで、非常に有利な効果を奏する。まず、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子は、その構造上破壊強度が非常に高く、放熱シート成形時に行われる加圧工程においても圧壊しない。そのため、板状の窒化ホウ素粒子と併せて混合して用いることで、通常放熱シートの長手方向に配向する板状窒化ホウ素粒子を、ランダムな方向に存在させることが可能となった。その結果、厚さ方向に対しても高い熱伝導性を達成できる放熱シートを提供することができる。
また、カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子は、加圧工程においても圧壊しないことで、放熱シートに含有させた際に高熱伝導性、高耐電圧性を有する放熱シートとすることが可能である。当該放熱シートは、パワーデバイスに適用した際に、高い信頼性を付与することができる。

Claims (8)

  1. カードハウス構造を有する窒化ホウ素二次粒子と、板状窒化ホウ素粒子とを含む放熱シート。
  2. 前記板状窒化ホウ素粒子の長軸方向の長さが3μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の放熱シート。
  3. 前記板状窒化ホウ素粒子は、XRD測定で100軸と004軸の強度比I(100)/I(004)が3.0より小さい、請求項1または2に記載の放熱シート。
  4. 窒化ホウ素二次粒子/(窒化ホウ素二次粒子+板状窒化ホウ素粒子)で表される、前記窒化ホウ素二次粒子と前記板状窒化ホウ素粒子との含有割合が、0.1以上0.98以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放熱シート。
  5. 前記窒化ホウ素二次粒子は、XRD測定で100軸と004軸の強度比I(100)/I(004)が3.0以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の放熱シート。
  6. 前記窒化ホウ素二次粒子は、樹脂を内包する粒子である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の放熱シート。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の放熱シートが支持体に積層されてなる積層放熱シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の放熱シートを含むパワーデバイス装置。
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