JP2015194156A - ポンプ運転台数制御方法およびポンプ装置 - Google Patents

ポンプ運転台数制御方法およびポンプ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ポンプ装置が省エネルギー運転となるように制御するポンプ運転台数制御方法を提供する。
【解決手段】本発明のポンプ運転台数制御方法では、同一特性並列揃速で運転されるポンプの運転台数を、n台からn+1台に、またはn台からn−1台に切り替える際に、ポンプ1台あたりの吐出流量および前記ポンプの回転速度から、n台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率と、ポンプn+1台で運転した場合のポンプ1台あたりのポンプ効率またはポンプn−1台で運転した場合のポンプ1台あたりのポンプ効率を算出し、算出されたポンプ1台あたりの前記ポンプ効率から、n台運転時の総軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力を算出し、n台運転時の総軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力とを比較して、総軸動力が低い方のポンプ運転台数を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数台のポンプが並列運転されるポンプ運転台数制御方法およびポンプ装置に関し、特に、省エネルギー運転を実現することができるポンプ運転台数制御方法およびポンプ装置に関する。
従来から、上水道における取水ポンプ装置、送・配水ポンプ装置、給水ポンプ装置、農業用の灌漑ポンプ装置、揚水ポンプ装置、河川利水用揚水ポンプ装置、石油パイプラインポンプ装置、排水ポンプ装置などのポンプ装置が知られている。このようなポンプ装置では、圧力や流量をスムーズにコントロールするために複数台の同一性能ポンプを並列に配置し、この複数台のポンプを同一特性並列揃速で運転する場合が多い。ここで同一特性並列揃速運転とは、同一性能の複数台のポンプを並列して同一の回転速度で運転することを言う。そして、ポンプ装置では、給水場所で必要とされる揚程、流量に応じて、配置されたポンプの運転台数を増減させるポンプ運転台数制御が行われる。
従来のポンプ運転台数制御では、ポンプ運転台数を切り替えるトリガー(きっかけ)となる設定流量値が固定されている。すなわち、ポンプ吐出し側で要求される水の流量が、当該設定流量値を越えた場合に、ポンプの運転台数を増加させ、設定流量値より減った場合は、ポンプの運転台数を減少させていた。
固定された設定流量値に基づいてポンプの運転台数を切り替える場合、ポンプ装置の吐出流量が設定流量値よりも増加または減少すると、切り替える前のポンプ運転台数でポンプ装置が運転可能であっても、ポンプの運転台数を切り替えてしまう。例えば、ポンプの運転台数が1台である場合に、ポンプの運転台数を2台に切り替える設定流量値まで吐出流量が増加すると、ポンプ1台で運転が可能であっても、自動的にポンプ運転台数を2台に切り替えてしまう。あるいは、ポンプの運転台数が2台である場合に、ポンプの運転台数を1台に切り替える設定流量値まで吐出流量が減少すると、ポンプ2台で運転が可能であっても、自動的にポンプ運転台数を1台に切り替えてしまう。
同一特性並列揃速運転では、例えば、ポンプの運転台数が1台から2台に切り替わると、ポンプ1台あたりの吐出流量が半分になる。このため、ポンプ1台あたりのポンプ効率が低くなることがあった。ここで、ポンプ効率とは軸動力から水動力に変換できる割合のことである。この場合、ポンプ1台運転に比べて、ポンプ2台運転の方がポンプの総軸動力が大きくなり、省エネルギーの観点から好ましくない場合がある。すなわち、ポンプ運転台数の切り替えを固定された設定流量値に基づいて行うと、切り替え前のポンプ運転台数でポンプ装置を運転したほうが省エネルギーであるにも拘わらず、ポンプ運転台数を切り替えてしまうことがあった。
特開2010−276006号公報
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、ポンプの総軸動力が小さくなるようにポンプの運転台数を切り替えることができるポンプ運転台数制御方法およびポンプ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、同一特性並列揃速で運転されるポンプの運転台数を、総吐出流量が増加したときにn台からn+1台に(n台からn+1台に切り替える場合のnは1以上の自然数)、または総吐出流量が減少したときにn台からn−1台に(n台からn−1台に切り替える場合のnは2以上の自然数)切り替えるポンプ運転台数制御方法であって、前記ポンプの運転台数切り替え前後の前記総吐出流量および前記ポンプの回転速度が、前記ポンプ運転台数が切り替え可能となる領域内にあることを確認し、ポンプ1台あたりの吐出流量および前記ポンプの回転速度から、n台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率と、ポンプn+1台で運転した場合のポンプ1台あたりのポンプ効率またはポンプn−1台で運転した場合のポンプ1台あたりのポンプ効率を算出し、算出されたポンプ1台あたりの前記ポンプ効率から、n台運転時のポンプ1台あたりの軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力をそれぞれ算出し、算出されたそれぞれのポンプ1台あたりの軸動力にポンプ運転台数を乗算して、n台運転時の総軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力を算出し、n台運転時の総軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力とを比較して、総軸動力が低い方のポンプ運転台数を決定することを特徴とするポンプ運転台数制御方法である。
本発明の好ましい態様は、前記n−1台運転した場合のポンプ1台あたりのポンプ効率を算出する際には、算出されたポンプ効率から所定の設定値を減算し、減算されたポンプ効率を基にn−1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力を算出することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ポンプの運転台数切り替え前後の前記総吐出流量および前記ポンプの回転速度が、前記ポンプの運転台数を切り替え可能な領域内にあることを監視しながら制御することを特徴とする。
本発明の他の態様は、同一特性並列揃速で運転される複数台のポンプと、前記複数台のポンプの総吐出流量を計測する流量計と、前記ポンプの回転速度および運転台数を制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記ポンプの総吐出流量が増加しているか、または減少しているかを判断する流量判断部と、前記ポンプの運転台数切り替え前後の前記ポンプの総吐出流量および回転速度が、ポンプの運転台数を切り替え可能な領域内にあるか否かを確認する領域決定部と、ポンプ1台あたりの吐出流量および前記ポンプの回転速度から、n台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率と、ポンプn+1台で運転した場合(n台からn+1台に切り替える場合のnは1以上の自然数)のポンプ1台あたりのポンプ効率またはポンプn−1台で運転した場合(n台からn−1台に切り替える場合のnは2以上の自然数)のポンプ1台あたりのポンプ効率を算出し、算出されたポンプ1台あたりの前記ポンプ効率から、n台運転時のポンプ1台あたりの軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力をそれぞれ算出し、算出されたそれぞれのポンプ1台あたりの軸動力にポンプ運転台数を乗算して、n台運転時の総軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力を算出し、n台運転時の総軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力とを比較して、総軸動力が低い方のポンプ運転台数を決定するポンプ運転台数決定部と、を有することを特徴とするポンプ装置である。
本発明によれば、ポンプの運転台数を切り替えるか否かを判断する際に、総軸動力が低くなる方のポンプ運転台数が選択される。したがって、ポンプ装置を省エネルギー化することができる。また、運転されるポンプは、必ず(n台からn−1台に切り替え時のハンチング防止分(−Δη)を除く)軸動力が低くなるポンプ運転台数で運転される。したがって、ポンプにかかる負荷が小さいので、ポンプの軸受などの消耗部品にかかる負荷を低減することができ、その結果、ポンプの長寿命化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るポンプ装置の系統図である。 図1に示した実施形態に係るポンプ装置の運転特性曲線図(Q−H線図)である。 領域決定部に内蔵されている流量−回転速度グラフの一例である。 ポンプ運転台数切り替え直前の運転特性曲線図(Q−H線図)の一例である。 ポンプ運転切り替え直後の運転特性曲線図(Q−H線図)の一例である。 ポンプの運転台数がn台運転時の1台あたりの運転点an/nと、n台からn+1台にポンプ運転台数を切り替えた時の1台あたりの運転点an+1/n+1とを示した運転特性曲線図(Q−H線図)の一例である。 図2に示す回転速度R%の運転点Aから回転速度100%の運転点Bを換算するときの運転特性曲線図(Q−H線図)である。 ポンプの運転台数を1台運転から2台運転に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)の一例である。 ポンプの運転台数を1台運転から2台運転に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)の別の一例である。 ポンプの運転台数を1台運転から2台運転に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)のさらに別の一例である。 ポンプの運転台数を2台運転から1台運転に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)の一例である。 ポンプの運転台数を2台運転から1台運転に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)の別の一例である。 ポンプの運転台数を2台運転から1台運転に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)のさらに別の一例である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るポンプ装置の系統図である。図1に示されるように、ポンプ装置は、吸込水槽1に連通し、当該吸込水槽1内の水を給水場所3(例えば、給水管網)へ移送するポンプ2を備える。実施形態では、ポンプ2は本来複数台(例えば、3台)並列に配置されているが、図が煩雑になるので1系列のみ示す。これら複数台のポンプ2は、同一特性並列揃速で運転される。すなわち、これらポンプ2は、同一の構成を有し、同一の回転速度で運転される。運転されるポンプ2の運転台数は、給水場所3へ移送する水の流量、ポンプ効率、揚程を用いて算出される軸動力に基づいて増減される。ポンプ2の吸込口には、吸込水槽1と連通する一本の吸込配管5から分岐された複数本(例えば、3本)の分岐吸込配管5’が接続される。ポンプ2の吐出口には、分岐吐出配管6’がそれぞれ接続され、複数本(例えば、3本)の分岐吐出配管6’は、1本の吐出配管6に集合する。ポンプ2は、吸込水槽1から吸込配管5および分岐吸込配管5’を介して吸い込んだ水を、分岐吐出配管6’および吐出配管6を介して給水場所3に移送する。
分岐吸込配管5’には、止水弁11が配置される。分岐吐出配管6’には、それぞれ、逆止弁7およびポンプ吐出弁12が配置される。逆止弁7は、ポンプ2が停止したときの水の逆流を防止するために設けられる。ポンプ吐出弁12は、モータ駆動の電動弁として構成される。ポンプ吐出弁12の下流側には、それぞれ止水弁13が配置される。さらに、吐出配管6には、吐出圧力を計測する圧力計17と、吐出流量を計測する流量計18とが配置される。
ポンプ2には、当該ポンプ2を駆動するためのモータ15が連結されている。モータ15には、モータ15の回転速度を増減するための速度制御装置16が接続される。速度制御装置16には、速度制御装置16を制御するためのコントローラ20が配線(図示せず)により接続され、コントローラ20からの指令を受けた速度制御装置16によりモータ15の回転速度が決められる。このコントローラ20には、配線(図示せず)により圧力計17および流量計18が接続され、圧力計17および流量計18で取得された計測値がコントローラ20に送られる。速度制御装置16とコントローラ20とは、配線により接続されているが、図が煩雑となるため配線の図示を省略している。同様に、圧力計17および流量計18とコントローラ20とは、配線により接続されているが、図が煩雑となるため配線の図示を省略している。なお、コントローラ20は、後述するポンプ運転台数制御も行う。
図2は、図1に示した実施形態に係るポンプ装置の運転特性曲線図(Q−H線図)である。図2において、横軸はポンプ装置の総吐出流量(すなわち、流量計18が計測する流量)であり、縦軸はポンプ装置の吐出圧力(または揚程、すなわち圧力計17が計測する圧力)である。曲線Nx1,Nx2,Nx3は、ポンプ2の運転特性を、回転速度をパラメータとして示している。すなわち、曲線Nx1は、ポンプ2の1台運転時の運転特性、曲線Nx2は、ポンプ2の2台運転時の運転特性、曲線Nx3は、ポンプ2の3台運転時の運転特性を表している。管路抵抗曲線Rは、ポンプ2から給水末端までの水の流量に応じて変わる管路抵抗である。推定末端圧力一定制御においては、管路抵抗曲線Rで示される管路抵抗を考慮して、ポンプ2の回転速度が制御される。すなわち、ポンプ2の吐出圧力が管路抵抗曲線Rに沿って変化するように圧力計17で得られた測定値に基づいてポンプ2の運動台数と回転速度が制御される。
図2に示されるように、ポンプ装置から吐出される水の流量は、ポンプ2の運転台数によって変わる。具体的には、ポンプ2の運転台数に比例して、吐出流量は増大する。従来は、吐出流量が所定の設定流量値より増加または減少したときに、ポンプ2の運転台数を増減させていた。
例えば、図2において、ポンプ2が1台運転している状態で吐出流量が増加していき、設定流量値である60m/min(図2の運転点A)を越えた時点で、ポンプ2の運転台数を2台に切り替えていた。この場合、吐出流量がポンプ1台で達成可能な流量範囲内にあるにも拘わらず、ポンプ2の運転台数は自動的に2台に切り替わってしまい、切り替える前後でどちらの方が省エネルギー運転になるかは検討されていなかった。本発明の実施形態では、ポンプ2の運転台数を切り替えるべきか否かをポンプ装置の消費エネルギーの観点から判断し、ポンプ2の運転台数を決定する。以下に、このポンプ運転台数制御方法について説明する。
図1に示すように、コントローラ20は、流量計18が計測する流量値を監視しており、この流量値が増加しているか、または減少しているかを判断する流量判断部21を有している。また、コントローラ20は、ポンプ運転台数決定部22を有している。ポンプ運転台数決定部22は、流量判断部21が流量が増加していると判断した場合は、ポンプ2の運転台数を増加させるか否かを決定し、流量が減少していると判断した場合は、ポンプ2の運転台数を減少させるか否かを決定する。
ポンプ運転台数決定部22は、領域決定部23を有している。ポンプ運転台数決定部22がポンプ2の運転台数を切り替えるか否かを決定する前に、領域決定部23は、ポンプの運転台数切り替え前後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度がポンプ2の運転台数を切り替え可能な領域内にあるか否かを決定する。この領域決定部23を設けたことにより、ポンプ2がキャビテーション発生領域や過負荷領域で運転されることが防止される。
図3は、領域決定部23に内蔵されている流量−回転速度グラフの一例である。図3では、ポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が、ポンプ2の運転台数が1台から2台へ、あるいは2台から1台へ切り替え可能な領域内にあるか否かを決定するための境界線が描かれている。図3において、横軸はポンプ総吐出流量[m/min]であり、縦軸はポンプ2の回転速度[%]である。
領域決定部23では、以下の4つの式を用いて、総吐出流量およびポンプ2の回転速度が上記の領域(ポンプ2の運転台数を切り替え可能な領域)内にあるか否かの判定を行っている。
最大制限回転速度Nnmax.flow=(α/n)×Q・・・(1)
最小制限回転速度Nnmin.flow=(β/n)×Q・・・(2)
下限回転速度NL=γ・・・(3)
上限回転速度NU=δ・・・(4)
ここで、nはポンプ2の運転台数であり、Qはポンプ装置の総吐出流量である。α、β、γ、およびδは、ポンプ2の性能などから予め定められた定数であり、ポンプ2により異なる。図3で示される例では、αは1.33、βは4.17、γは60、δは100である。
図3に示されるように、式(3)と式(4)で、ポンプ2の回転速度の上限と下限とが決められる。式(1)と式(2)でポンプ2の最大制限回転速度と最小制限回転速度とが定義される。式(1)〜式(4)によって表される4つの直線で囲まれる領域が、nで定まる運転台数におけるポンプ2の運転可能領域である。図3では、式(1)および式(2)から、ポンプ2が1台で運転される場合の最大制限回転速度N1max.flowは、N1max.flow=1.33Qの直線で描かれ、最小制限回転速度N1min.flowは、N1min.flow=4.17Qの直線で描かれる。同様に、ポンプ2が2台で運転される場合の最大制限回転速度N2max.flowは、N2max.flow=0.67Qの直線で描かれ、最小制限回転速度N2min.flowは、N2min.flow=2.08Qの直線で描かれる。
直線γ=60、直線δ=100、直線N1min.flow=4.17Q、および直線N2min.flow=2.08Qで囲まれる領域が領域Iとして定義される。直線γ=60、直線δ=100、直線N2min.flow=2.08Q、および直線N1max.flow=1.33Qとで囲まれる領域が領域IIとして定義される。直線γ=60、直線δ=100、直線N1max.flow=1.33Q、および直線N2max.flow=0.67Qとで囲まれる領域が領域IIIとして定義される。上記のように定義された領域Iおよび領域IIが、ポンプ2が1台で運転可能な領域である。領域IIおよび領域IIIが、ポンプ2が2台で運転可能な領域である。したがって、領域IIが、ポンプ2が1台または2台で運転可能な領域である。
ポンプ2の運転台数をn台からn+1台に、またはn−1台に切り替えるか否かを判断する前に、領域決定部23は、ポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度がn台で運転可能な領域内にあるか否かを確認するとともに、n+1台、またはn−1台で運転可能な領域内にあるか否かを確認する。例えば、ポンプ2の運転台数を1台から2台に切り替えるか否かを判断する際には、領域決定部23は、ポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度がポンプ1台で運転可能な領域IおよびIIで運転されているか否かを確認する。同時に、領域決定部23は、ポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度がポンプ2台で運転可能な領域IIおよびIIIで運転されるか否かを確認する。
領域決定部23が、ポンプ2の運転台数を切り替えた後のポンプ装置の総吐出流量とポンプ2の回転速度がポンプ運転台数が切り替え可能となる領域に入っていることを確認した後で、ポンプ運転台数決定部22は、以下に記述するポンプ運転台数決定アルゴリズムに従って、ポンプ装置の総軸動力が小さくなるようにポンプ運転台数を決定する。以下、ポンプ装置の総軸動力を算出するためのポンプ運転台数決定アルゴリズムについて説明する。
ポンプ装置を省エネルギーで運転するためには、ポンプ2が消費するエネルギーをできるだけ少なくする必要がある。ポンプ2の消費エネルギーは軸動力で表される。ポンプの軸動力とは、ポンプの羽根車を回転させるために必要な動力であり、以下の式で表される。
L=0.163×Q×H/(η/100)・・・(5)
ここで、Lは軸動力[kW]、Qは流量[m/min]、Hは全揚程[m]、ηはポンプ効率[%]である。全揚程H[m]は、吐出圧力P[m]から吸込水位[m]を引いた値である。今回の例の場合、吸込水位は37.1mである。よって、吐出圧力Pが70mだとすると、全揚程Hは32.9mとなる。
ポンプ装置において複数台配置されるポンプ2の総軸動力は、ポンプ1台あたりの軸動力を式(5)から算出し、得られたポンプ1台あたりの軸動力にポンプ運転台数を乗算することで算出できる。したがって、ポンプ2の運転台数を切り替えるか否かの判断は、実際の運転台数であるn台運転時の総軸動力Lと、n+1台運転時時の総軸動力Ln+1またはn−1台運転時の総軸動力Ln−1を式(5)に基づいて算出し、総軸動力Lと、総軸動力Ln+1または総軸動力Ln−1とを比較することにより、ポンプ2の運転台数を切り替えるか否かを決定する。以下、ポンプ装置で運転されているポンプの運転台数がn台である状態から、n+1台の運転台数に切り替えるか否かを決定する場合における軸動力Lを求める方法について、図4および図5を参照しながら説明する。なお、ポンプの運転台数をn台からn+1台に切り替えるか否かを決定する際のnは、1以上の自然数である。
図4は、ポンプ運転台数切り替え直前の運転特性曲線図(Q−H線図)であり、図5は、ポンプ運転切り替え直後の運転特性曲線図(Q−H線図)である。図4および図5では、ポンプ2の運転台数が1台から2台に切り替わるときの運転特性曲線図が描かれており、両図下部には、ポンプの吐出流量に対するポンプ効率を表す曲線が描かれている。
図4において、n台運転されるポンプの運転点a は、座標(Qan ,Han ,Nan )で表される。Qan はn台運転時の総吐出流量[m/min]であり、Han はn台運転時の全揚程[m]であり、Nan はn台運転時のポンプの回転速度[%]である。図5において、n台運転からn+1台にポンプ運転台数を切り替えた時の運転点an+1 は、座標(Qan+1 ,Han+1 ,Nan+1 )で表される。ここで、Qan+1 はn+1台運転時の総吐出流量[m/min]であり、Han+1 はn+1台運転時の全揚程[m]であり、Nan+1 はn+1台運転時の回転速度[%]である。なお、右肩に“*”が付いている座標値は既知の値または算出解であることを示す。例えば、Qan およびQan+1 は、流量計18の計測値であり、Han およびHan+1 は、本実施形態では推定末端圧力一定制御を行っているので、圧力計17の計測値である。Qan およびHan やQan+1 およびHan+1 が解れば、コントローラ20には、速度制御装置16の制御のためにポンプ2のQ−H線図が記憶されているので、Nan およびNan+1 をこのQ−H線図から得ることができる。
ポンプ運転台数をn台からn+1台に切り替えた直後の総吐出流量と全揚程は、切り替え直前の総吐出流量と全揚程に等しいので、以下の式が成り立つ。
an =Qan+1 ・・・(6)
an =Han+1 ・・・(7)
ここで、図6は、ポンプの運転台数がn台運転時の1台あたりの運転点an/nと、n台からn+1台にポンプ運転台数を切り替えた時の1台あたりの運転点an+1/n+1とを示した運転特性曲線図(Q−H線図)の一例である。図6に、ポンプ装置のポンプ2が1台運転である場合の1台あたりの運転点a1/1と、ポンプ装置のポンプ2が2台運転に切り替わった場合の、1台あたりの運転点a2/2とが示される。図6に示されるように、n台運転時の1台あたりの運転点an/nは、座標(Qan/n,Han/n,Nan/n)で表される。同様に、n台からn+1台にポンプ運転台数を切り替えた時の1台あたりの運転点an+1/n+1は、座標(Qan+1/n+1,Han+1/n+1,Nan+1/n+1)で表される。この場合、本実施形態のポンプ装置は、同一特性並列揃速で運転されるので、以下の式が成り立つ。
an/n=Qan /n・・・(8)
an/n=Han ・・・(9)
an/n=Nan ・・・(10)
また、以下の式が成り立つ。
an+1/n+1=Qan+1 /(n+1)・・・(11)
an+1/n+1=Han+1 ・・・(12)
an+1/n+1=Nan+1 ・・・(13)
式(11)に式(6)を代入し、式(12)に式(7)を代入すると、以下の式が得られる。
an+1/n+1=Qan /(n+1)・・・(14)
an+1/n+1=Han ・・・(15)
ここで、図4,図5に示されるようなポンプ運転特性曲線図(Q−H線図)において、ポンプ1台が100%の回転速度で運転される場合、全揚程Hは、吐出流量Qの関数として表されるので、以下の関係が成り立つ。
100 =f(Q100 )・・・(16)
ここで、H100 は、100%回転速度時の全揚程を表し、Q100 は、100%回転速度時の吐出流量を表す。すなわち、式(16)は、全揚程H100 がポンプ2の吐出流量Q100 を変数とした関数fの式から得られることを表している。関数fの式は、ポンプ2の性能試験などにおいて得られた全揚程Hと吐出流量Qとから定まる点を複数プロットし、このプロットされた複数点を近似曲線で繋いだ時の多項近似式として得ることができる。この多項近似式は、例えば、二次曲線として描くことができる。この多項近似式は、予め定められており、コントローラ20に記憶されている。
さて、一般的には、図4,図5に示されるように、ポンプ1台がR%の回転速度で運転される流量−ポンプ効率特性曲線(Q−η曲線)では、ポンプ効率ηは、吐出流量Qの関数として表されるので、以下の関係が成り立つ。
η=g(Q)・・・(17)
ここで、ηは、回転速度R%時のポンプ効率を表し、Qは、回転速度R%時の吐出流量を表す。すなわち、式(17)は、ポンプ効率ηが吐出流量Qを変数とした関数gの式から得られることを表している。関数gの式は、ポンプ2の性能試験などにおいて得られたポンプ効率ηと吐出流量Qとから定まる点を複数プロットし、このプロットされた複数点を近似曲線で繋いだ時の多項近似式として得ることができる。この多項近似式は、例えば、三次曲線として描くことができる。この多項近似式は、予め定められており、コントローラ20に記憶されている。
図7は、図2に示す回転速度R%の運転点Aから回転速度100%の運転点Bを換算するときの運転特性曲線図(Q−H線図)である。図7に示されるように、回転速度R%の運転点Aに対し相似則により得られる回転速度100%換算の点B(Q100 ,H100 )は、回転速度100%のQH曲線と点Aを通る二次曲線H=α×Qの交点より求めることができる。ここでα=Han/n/(Qan/nである。
回転速度100%の時の流量Q100 に対する、回転速度R%の時の流量Qには以下の式(18)の関係が成り立ち、回転速度100%の時の全揚程H100 に対する回転速度R%の時の全揚程Hには以下の式(19)の関係が成り立つ。
=(N/100)×Q100 ・・・(18)
=(N/100)×H100 ・・・(19)
ここで、Nは回転速度である。(便宜上記号が異なるが、NとRは共に回転速度[%]を表す)
式(18)から、 Q100 =Q/(N/100)・・・(20)
式(19)から、 H100 =H/(N/100)・・・(21)
式(20)および式(21)を式(16)に代入すると、以下の式(22)が導かれる。
/(N/100)=f(Q/(N/100))
よって、 H=(N/100)×f(Q/(N/100))・・・(22)
式(18)を式(17)に代入すると、以下の式(23)が導かれる。
η=g((N/100)×Q100 )・・・(23)
式(23)から、ポンプn台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率ηan/nは、以下の式(24)により得られる。
ηan/n=g((Nan/n/100)×Q100 )・・・(24)
式(24)に式(10)を代入すると、
ηan/n=g((Nan /100)×Q100 )・・・(25)
となり、式(25)から、ポンプn台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率ηan/nを算出することができる。
同様に、ポンプn+1台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率ηan+1/n+1は、以下の式(26)により得られる。
ηan+1/n+1=g((Nan+1/n+1/100)×Q100 )・・・(26)
式(26)に式(13)を代入すると、
ηan+1/n+1=g((Nan+1 /100)×Q100 )・・・(27)
となり、式(27)から、ポンプn+1台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率ηan+1/n+1を算出することができる。
先に記述した式(5)により、ポンプ軸動力を求めることができる。この式(5)により、ポンプn台運転時のポンプ1台あたりのポンプ軸動力Lan/nは、以下の式(28)により求められる。
an/n=0.163×Qan/n×Han/n/(ηan/n/100)・・・(28)
式(28)に、式(8)、式(9)および式(25)を代入して、以下の式(29)を得ることができる。
an/n
0.163×(Qan /n)×Han
(g((Nan /100)×Q100 )/100)・・・(29)
同様に、ポンプn+1台運転時のポンプ1台あたりのポンプ軸動力Lan+1/n+1は、以下の式(30)により求められる。
an+1/n+1=0.163×Qan+1/n+1×Han+1/n+1/(ηan+1/n+1/100)
・・・(30)
式(30)に、式(11)、式(12)、および式(27)を代入して、以下の式(31)を得ることができる。
an+1/n+1
0.163×(Qan+1 /(n+1))×Han+1
(g((Nan+1 /100)×Q100 )/100))
・・・(31)
式(29)は、ポンプn台運転時のポンプ1台あたりの軸動力Lan/nを示しているので、ポンプn台の総軸動力Lは、ポンプ1台あたりの軸動力Lan/nにnを乗算すれば得ることができる。
したがって、
=Lan/n×n
=0.163×Qan ×Han
(g((Nan /100)×Q100 )/100)・・・(32)
式(32)において、上述したように、Qan は、流量計18から得ることができ、Han は、圧力計17から得ることができる。Qan とHan が得られれば、Nan は、コントローラ20が記憶しているQ−H曲線から取得できる。したがって、コントローラ20のポンプ運転台数決定部22は、式(32)を用いてポンプn台運転時の総軸動力Lを算出することができる。
同様に、式(31)は、ポンプn+1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力Lan+1/n+1を示しているので、ポンプn+1台の総軸動力Ln+1は、ポンプ1台あたりの軸動力Lan+1/n+1にn+1を乗算すれば得ることができる。
n+1=Lan+1/n+1×(n+1)
=0.163×Qan+1 ×Han+1
(g((Nan+1 /100)×Q100 )/100)
・・・(33)
式(33)に、式(6)および式(7)を代入して、
n+1=0.163×Qan ×Han
(g((Nan+1 /100)×Q100 )/100)
・・・(34)
式(34)において、上述したように、Qan は、流量計18から得ることができ、Han は、圧力計17から得ることができる。Qan とHan が得られれば、Nan+1 は、コントローラ20が記憶しているQ−H曲線から取得できる。したがって、コントローラ20のポンプ運転台数決定部22は、式(34)を用いてポンプn+1台運転時の総軸動力Ln+1を算出することができる。
これまで、ポンプ2の運転台数をn台からn+1台に切り替えるか否かを決定する場合における総軸動力Lの算出方法について説明してきた。以下では、ポンプ2の運転台数をn台からn−1台に切り替えるか否かを決定する場合における総軸動力Lの算出方法について説明する。なお、ポンプの運転台数をn台からn−1台に切り替えるか否かを決定する際のnは、2以上の自然数である。
ポンプ2の運転台数がn台である場合の総軸動力Lは、上記した式(32)により算出することができる。ポンプ2の運転台数がn台からn−1台に切り替わる際の総軸動力Ln−1を算出する際には、n−1台運転時におけるポンプ1台あたりのポンプ効率から所定の設定値Δηを減算して、減算されたポンプ効率を基にn−1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力を算出する。これは、ポンプ2の吐出流量がポンプ運転台数切り替え点付近で上下動した際に、ポンプ2の運転台数が増えたり減ったりとハンチングするおそれがあるからである。そこで、ハンチング防止のために流量切り替えの差分であるΔQを設けて、n台からn−1台に切り替えを行う。この手段としてポンプ1台あたりのポンプ効率から所定の設定値Δηを減算することにより、ポンプ運転台数がn−1台に切り替わった直後にn台に再び切り替わることを防止する。なお、n台からn−1台に切り替えの場合にも決定に総軸動力を使用するが、ポンプ効率に−Δηの減算が入るため、厳密な意味合いとしては、総軸動力の比較を行なっているわけではない。所定の設定値Δηは、例えば5%である。
具体的には、n−1台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率の算出式は、上記した式(27)に相当する以下の式で表される。
ηan-1/n-1=g((Nan−1 /100)×Q100 )・・・・・(35)
この式(35)から所定の設定値Δηを減算したポンプ効率値は、ポンプ軸動力を求める際のポンプ効率値として以下の計算で用いられる。
すなわち、ポンプn−1台運転時のポンプ1台あたりのポンプ軸動力Lan-1/n-1は、式(31)に相当する以下の式により求められる。
an-1/n-1
0.163×(Qan−1 /(n−1))×Han−1
((g((Nan−1 /100)×Q100 )−Δη)/100)
・・・(36)
式(36)は、ポンプn−1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力Lan-1/n-1を示しているので、ポンプn−1台の総軸動力Ln−1は、ポンプ1台あたりの軸動力Lan-1/n-1にn−1を乗算すれば得ることができる。
n―1=Lan-1/n-1×(n−1)
=0.163×Qan−1 ×Han−1
((g((Nan−1 /100)×Q100 )−Δη)/100)
・・・(37)
ポンプ運転台数が切り替わった直後は、以下の式が成り立つ。
an =Qan−1 ・・・(38)
an =Han−1 ・・・(39)
したがって、式(37)に、式(38)および式(39)を代入して、以下の式(40)を得ることができる。
n−1=0.163×Qan ×Han
((g((Nan−1 /100)×Q100 )−Δη)/100)
・・・(40)
式(40)において、上述したように、Qan は、流量計18から得ることができ、Han は、圧力計17から得ることができる。Qan とHan が得られれば、Nan−1 は、コントローラ20が記憶しているQ−H曲線から取得することができる。したがって、コントローラ20のポンプ運転台数決定部22は、式(40)を用いてポンプn−1台運転時の総軸動力Ln−1を算出することができる。
より正確には、ポンプ1台がR%の回転速度で運転される流量−ポンプ効率特性曲線(Q−η曲線)では、ポンプ効率ηは、吐出流量Qの関数として以下の関係が成り立つ。
η=g(Q100 )・・・(41)
ここで、ηは、回転速度R%時のポンプ効率を表し、Q100 は、100%回転速度時の吐出流量を表す。すなわち、式(41)は、R%回転速度時の吐出流量Qにおけるポンプ効率ηは、Qに対して100%回転速度時の吐出流量に換算されるQ100 を変数とした関数gの式から得られることを表している。関数gの式は、ポンプ2の性能試験などにおいて得られた100%回転速度時のポンプ効率ηと吐出流量Qとから定まる点を複数プロットし、このプロットされた複数点を近似曲線で繋いだ時の多項近似式として得ることができる。この多項近似式は、例えば、三次曲線として描くことができる。この多項近似式は、予め定められており、コントローラ20に記憶されている。
上述したように、図7は、図2に示す回転速度R%の運転点Aから回転速度100%の運転点Bを換算するときの運転特性曲線図(Q−H線図)である。図7に示されるように、回転速度R%の運転点Aに対し相似則により得られる回転速度100%換算の点B(Q100 ,H100 )は、回転速度100%のQH曲線と点Aを通る二次曲線H=α×Qの交点より求めることができる。ここでα=Han/n/(Qan/nである。
回転速度100%の時の流量Q100 に対する、回転速度R%の時の流量Qには上述の式(18)の関係が成り立ち、回転速度100%の時の全揚程H100 に対する回転速度R%の時の全揚程Hには上述の式(19)の関係が成り立つ。式(18)および式(19)を再度記載する。
=(N/100)×Q100 ・・・(18)
=(N/100)×H100 ・・・(19)
ここで、Nは回転速度である。(便宜上記号が異なるが、NとRは共に回転速度[%]を表す)
式(18)および式(19)から、上述の式(20)と式(21)が得られる。式(21)および式(21)を再度記載する。
100 =Q/(N/100)・・・(20)
100 =H/(N/100)・・・(21)
上述したように、式(20)および式(21)を式(16)に代入すると、上述の式(22)が導かれる。式(22)を再度記載する。
/(N/100)=f(Q/(N/100))
よって、 H=(N/100)×f(Q/(N/100))・・・(22)
式(20)を式(41)に代入すると、以下の式(42)が導かれる。
η=g(Q/(N/100))・・・(42)
式(42)から、ポンプn台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率ηan/nは、以下の式(43)により得られる。
ηan/n=g(Qan/n/(Nan/n/100))・・・(43)
式(43)に、上述した式(8)、式(10)を代入すると、
ηan/n=g((Qan /n)/(Nan /100))・・・(44)
となり、式(44)から、ポンプn台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率ηan/nを算出することができる。
同様に、ポンプn+1台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率ηan+1/n+1は、以下の式(45)により得られる。
ηan+1/n+1=g(Qan+1/n+1/(Nan+1/n+1/100))・・・(45)
式(45)に、上述した式(11)、式(13)を代入すると、
ηan+1/n+1=g((Qan+1 /(n+1))/(Nan+1 /100))
・・・(46)
となり、式(46)から、ポンプn+1台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率ηan+1/n+1を算出することができる。
上述した式(5)により、ポンプ軸動力を求めることができる。この式(5)により、ポンプn台運転時のポンプ1台あたりのポンプ軸動力Lan/nは、上述した式(28)により求められる。式(28)を再度記載する。
an/n=0.163×Qan/n×Han/n/(ηan/n/100)・・・(28)
式(28)に、式(8)、式(9)および式(44)を代入して、以下の式(47)を得ることができる。
an/n
0.163×(Qan /n)×Han
(g((Qan /n)/(Nan /100))/100)・・・(47)
同様に、ポンプn+1台運転時のポンプ1台あたりのポンプ軸動力Lan+1/n+1は、上記した式(30)により求められる。式(30)を再度記載する。
an+1/n+1=0.163×Qan+1/n+1×Han+1/n+1/(ηan+1/n+1/100)
・・・(30)
式(30)に、式(11)、式(12)、および式(46)を代入して、以下の式(48)を得ることができる。
an+1/n+1
0.163×(Qan+1 /(n+1))×Han+1
(g((Qan+1 /(n+1)/(Nan+1 /100))/100))
・・・(48)
式(47)は、ポンプn台運転時のポンプ1台あたりの軸動力Lan/nを示しているので、ポンプn台の総軸動力Lは、ポンプ1台あたりの軸動力Lan/nにnを乗算すれば得ることができる。
したがって、
=Lan/n×n
=0.163×Qan ×Han
(g(Qan /(Nan /100))/100)・・・(49)
式(49)において、上述したように、Qan は、流量計18から得ることができ、Han は、圧力計17から得ることができる。Qan とHan が得られれば、Nan は、コントローラ20が記憶しているQ−H曲線から取得できる。したがって、コントローラ20のポンプ運転台数決定部22は、式(49)を用いてポンプn台運転時の総軸動力Lを算出することができる。
同様に、式(48)は、ポンプn+1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力Lan+1/n+1を示しているので、ポンプn+1台の総軸動力Ln+1は、ポンプ1台あたりの軸動力Lan+1/n+1にn+1を乗算すれば得ることができる。
n+1=Lan+1/n+1×(n+1)
=0.163×Qan+1 ×Han+1
(g((Qan+1 /(n+1))/(Nan+1 /100))/100)
・・・(50)
式(50)に、式(6)および式(7)を代入して、
n+1=0.163×Qan ×Han
(g((Qan /(n+1))/(Nan+1 /100))/100)
・・・(51)
式(51)において、上述したように、Qan は、流量計18から得ることができ、Han は、圧力計17から得ることができる。Qan とHan が得られれば、Nan+1 は、コントローラ20が記憶しているQ−H曲線から取得できる。したがって、コントローラ20のポンプ運転台数決定部22は、式(51)を用いてポンプn+1台運転時の総軸動力Ln+1を算出することができる。
これまで、ポンプ2の運転台数をn台からn+1台に切り替えるか否かを決定する場合における総軸動力Lの算出方法について説明してきた。以下では、ポンプ2の運転台数をn台からn−1台に切り替えるか否かを決定する場合における総軸動力Lの算出方法について説明する。なお、ポンプの運転台数をn台からn−1台に切り替えるか否かを決定する際のnは、2以上の自然数である。
ポンプ2の運転台数がn台である場合の総軸動力Lは、上記した式(49)により算出することができる。ポンプ2の運転台数がn台からn−1台に切り替わる際の総軸動力Ln−1を算出する際には、n−1台運転時におけるポンプ1台あたりのポンプ効率から所定の設定値Δηを減算して、減算されたポンプ効率を基にn−1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力を算出する。これは、ポンプ2の吐出流量がポンプ運転台数切り替え点付近で上下動した際に、ポンプ2の運転台数が増えたり減ったりとハンチングするおそれがあるからである。そこで、ハンチング防止のために流量切り替えの差分であるΔQを設けて、n台からn−1台に切り替えを行う。この手段としてポンプ1台あたりのポンプ効率から所定の設定値Δηを減算することにより、ポンプ運転台数がn−1台に切り替わった直後にn台に再び切り替わることを防止する。なお、n台からn−1台に切り替えの場合にも決定に総軸動力を使用するが、ポンプ効率に−Δηの減算が入るため、厳密な意味合いとしては、総軸動力の比較を行なっているわけではない。所定の設定値Δηは、例えば5%である。
具体的には、n−1台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率の算出式は、上記した式(46)に相当する以下の式で表される。
ηan-1/n-1=g((Qan-1 /(n−1))/(Nan-1 /100))
・・・(52)
この式(52)から所定の設定値Δηを減算したポンプ効率値は、ポンプ軸動力を求める際のポンプ効率値として以下の計算で用いられる。
すなわち、ポンプn−1台運転時のポンプ1台あたりのポンプ軸動力Lan-1/n-1は、式(48)に相当する以下の式により求められる。
an-1/n-1
0.163×(Qan−1 /(n−1))×Han−1
((g((Qan−1 /(n−1))/(Nan−1 /100))−Δη)/100)
・・・(53)
式(53)は、ポンプn−1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力Lan-1/n-1を示しているので、ポンプn−1台の総軸動力Ln−1は、ポンプ1台あたりの軸動力Lan-1/n-1にn−1を乗算すれば得ることができる。
n―1=Lan-1/n-1×(n−1)
=0.163×Qan−1 ×Han−1
((g((Qan−1 /(n−1))/(Nan−1 /100))−Δη)/100)
・・・(54)
ポンプ運転台数が切り替わった直後は、上述した式(38)および式(39)の関係が成り立つ。式(38)および式(39)を再度記載する。
an =Qan−1 ・・・(38)
an =Han−1 ・・・(39)
したがって、式(54)に、式(38)および式(39)を代入して、以下の式(55)を得ることができる。
n−1=0.163×Qan ×Han
((g((Qan /(n−1))/(Nan−1 /100))−Δη)/100)
・・・(55)
式(55)において、上述したように、Qan は、流量計18から得ることができ、Han は、圧力計17から得ることができる。Qan とHan が得られれば、Nan−1 は、コントローラ20が記憶しているQ−H曲線から取得することができる。したがって、コントローラ20のポンプ運転台数決定部22は、式(55)を用いてポンプn−1台運転時の総軸動力Ln−1を算出することができる。
コントローラ20のポンプ運転台数決定部22は、このようにして求められたn台運転時の総軸動力Lと、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力Ln+1またはLn−1とを比較して、総軸動力が低いポンプ運転台数を決定する。具体的には、ポンプ装置の総吐出流量が増加しているときに、Ln+1がL以下である(L≧Ln+1)場合、ポンプ2の運転台数をn+1台に増加させる。ポンプ装置の総吐出流量が増加しているときに、Ln+1がLより大きい(L<Ln+1)場合、ポンプ2の運転台数をn台に維持する。ポンプ装置の総吐出流量が減少しているときに、Ln−1がL以下である(L≧Ln−1)場合、ポンプ2の運転台数をn−1台に減少させる。ポンプ装置の総吐出流量が減少しているときに、Ln−1がLより大きい(L<Ln−1)場合、ポンプ2の運転台数をn台に維持する。コントローラ20は、ポンプ運転台数決定部22が決定した台数のポンプ2を運転する。
この実施形態によれば、ポンプの運転台数を切り替えるか否かを判断する際に、総軸動力が低くなる方のポンプ運転台数を選択する。したがって、ポンプ装置を省エネルギーで運転することができる。また、運転されるポンプ2は、必ず(n台からn−1台に切り替え時のハンチング防止(−Δη)を除く)軸動力が低くなるポンプ運転台数で運転される。したがって、ポンプ2にかかる負荷が小さくて済むので、ポンプの軸受などの消耗部品にかかる負荷を低減することができ、その結果、ポンプ2の長寿命化を図ることができる。
以下に、図8〜図13を用いて、具体的なポンプ運転台数制御について説明する。図8は、ポンプ装置の総吐出流量が増加していき、ポンプ2の運転台数を1台から2台に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)の一例である。先に記述したように、コントローラ20のポンプ運転台数決定部22がポンプ2の運転台数を切り替えるか否かを決定する前に、領域決定部23は、ポンプの運転台数切り替え前後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が、上記領域(ポンプ2の運転台数を切り替え可能な領域)内にあるか否かを決定する。上述したように、領域決定部23には、式(1)〜式(4)に従って定義された3つの領域I,II,III(図3参照)が記憶されている。領域決定部23は、ポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が3つの領域I,II,IIIのうちのどの領域に位置しているかを判定する。式(1)〜式(4)における定数αは1.33が、定数βは4.17が、γは60が、δは100が、それぞれ選定されている。また、図8の下部に示される流量−ポンプ効率特性曲線(Q−η曲線)は、式(17)で示した関数gの多項近似式で表されるものであり、この多項近似式は、予め定められていて、コントローラ20に記憶されている。後述する図9〜図13の下部に示される流量−ポンプ効率特性曲線(Q−η曲線)も、式(17)で示した関数gの多項近似式で表されるものであり、この多項近似式は、予め定められていて、コントローラ20に記憶されている。
まず、領域決定部23は、ポンプの運転台数切り替え前後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が、上記領域内にあるか否かを決定する。図8は、ポンプ2が運転点Cで運転されているときに領域判定が行われる例を示す。C点は、ポンプ装置の総吐出流量が36m/minの時の運転点であり、この時のポンプ2は1台で運転され、ポンプ回転速度は86%である。運転点Cでのポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度は、図3における領域Iにある。したがって、運転点Cでは1台のみのポンプ2が運転される。この運転点Cでポンプ2の運転台数が2台に切り替わった場合、ポンプ2の回転速度は82%である。総吐出流量36m/minおよびポンプ2の回転速度82%は、領域Iにある。したがって、領域決定部23は、ポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度がポンプ2の運転台数を2台へ切り替え可能な領域内にないと判定し、ポンプ運転台数決定部22は、ポンプ2の運転台数を1台に維持する。
なお、この運転点Cにおける、ポンプ2が1台運転時の総軸動力Lは次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan/nが77%であり、流量Qan が36m/minであり、吐出圧力Pan が78m(全揚程Han が40.9m)であるから、式(32)または式(49)より、総軸動力Lは、311.7kWである。一方、運転点Cにおける、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Ln+1は次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan+1/n+1が77%であり、流量Qan が36m/minであり、吐出圧力Pan が78m(全揚程Han が40.9m)なので、式(34)または式(51)より、総軸動力Ln+1は311.7kWとなり、ポンプ1台運転時の総軸動力Lと等しくなる。しかしながら、運転点Cでのポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度は、ポンプ2が2台で運転可能な領域IIおよびIIIに存在していないので、ポンプ2の運転台数は1台に維持される。
図9は、ポンプ装置の総吐出流量が増加していき、ポンプ2の運転台数を1台運転から2台運転に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)の別の一例である。まず、3つの領域I,II,IIIのどの領域に、ポンプの運転台数切り替え前後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が位置しているかがまず判定される。図9は、ポンプ2が運転点Dで運転されているときに領域判定が行われる例を示す。D点は、ポンプ装置の総吐出流量が63m/minの時の運転点であり、この時のポンプ2は1台で運転され、ポンプ回転速度は98%である。運転点Dでのポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度は、図3における領域IIにある。したがって、ポンプ2は、1台で運転できる。この運転点Dでポンプ2の運転台数が2台に切り替わった場合、ポンプ2の回転速度は85%である。総吐出流量63m/minおよびポンプ2の回転速度85%は、領域IIにある。したがって、領域決定部23は、ポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が、ポンプ2の運転台数を2台へ切り替え可能な領域内にあると判定する。
この場合、ポンプ運転台数決定部22は、先に記述したポンプ運転台数決定アルゴリズムに従って、ポンプ装置の総軸動力が小さくなるようにポンプ運転台数を決定する。この運転点Dにおける、ポンプ2が1台運転時の総軸動力Lは、次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan/nが78%であり、流量Qan が63m/minであり、吐出圧力Pan が79m(全揚程Han が41.9m)なので、式(32)または式(49)より、ポンプ2が1台運転時の総軸動力Lは551.6kWである。一方、この運転点Dにおける、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Ln+1は、次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan+1/n+1が79%であり、流量Qan が63m/minであり、吐出圧力Pan が79m(全揚程Han が41.9m)なので、式(34)または式(51)より、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Ln+1は544.6kWとなり、ポンプ1台運転時の総軸動力Lよりも小さくなる。したがって、ポンプ運転台数決定部22は、ポンプの運転台数を2台に切り替えるように指令を発し、コントローラ20は、2台のポンプ2を運転する。
図10は、ポンプ装置の総吐出流量が増加していき、ポンプ2の運転台数を1台運転から2台運転に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)のさらに別の一例である。まず、3つの領域I,II,IIIのどの領域に、ポンプの運転台数切り替え前後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が位置しているかが判定される。図10は、ポンプ2が運転点Eで運転されているときに領域判定が行われる例を示す。E点は、ポンプ装置の総吐出流量が66m/minの時の運転点である。運転点Eでポンプ2が1台で運転される場合、ポンプ回転速度は100%である。この時の運転点Eでのポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度は、図3における領域IIにある。しかしながら、式(4)で示される上限回転速度NU(=δ=100)にポンプ2の回転速度が到達している。また、この運転点Eでポンプ2の運転台数が2台に切り替わったとした場合、ポンプ2の回転速度は85%である。総吐出流量66m/minおよびポンプ2の回転速度85%は、領域IIIにある。したがって、ポンプ運転台数決定部22は、ポンプ2の運転台数を1台から2台に切り替えるように決定し、コントローラ20は、2台のポンプ2を運転する。
なお、この運転点Eにおける、ポンプ2が1台運転時の総軸動力Lは次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan/nが82%であり、流量Qan が66m/minであり、吐出圧力Pan が80m(全揚程Han が42.9m)なので、式(32)または式(49)より、ポンプ2が1台運転時の総軸動力Lは562.8kWである。一方、この運転点Eにおける、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Ln+1は次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan+1/n+1が72%であり、流量Qan が66m/minであり、吐出圧力Pan が80m(全揚程Han が42.9m)なので、式(34)または式(51)より、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Ln+1は641.0kWとなり、1台のポンプ2で運転していた方が、総軸動力は小さくなる。しかしながら、ポンプ2の回転速度が式(4)で示される上限回転速度NU(=δ=100)に到達し、且つ、ポンプの運転台数を切り替えた後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が領域IIおよびIIIにあるため、ポンプ2の運転台数は2台に切り替えられる。
図11は、ポンプ装置の総吐出流量が減少していき、ポンプ2の運転台数を2台から1台に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)の一例である。3つの領域I,II,IIIのどの領域に、ポンプの運転台数切り替え前後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が位置しているかがまず判定される。
図11は、ポンプ2が運転点Fで運転されているときに領域判定が行われる例を示す。F点は、ポンプ装置の総吐出流量が39m/minの時の運転点である。運転点Fでポンプ2が2台で運転される場合、ポンプ回転速度は82%である。この運転点Fでのポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度は、図3における領域Iにある。また、また、この運転点Fでポンプ2の運転台数が1台に切り替わったとした場合、ポンプ2の回転速度は86%である。総吐出流量39m/minおよびポンプ2の回転速度86%は、領域Iにある。したがって、領域決定部23は、ポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が、ポンプ2台で運転可能な領域内になく、ポンプ1台で運転可能な領域内にあると決定する。そして、ポンプ運転台数決定部22は、ポンプ2の運転台数を2台から1台に切り替えるように決定し、コントローラ20は1台のポンプ2を運転する。
なお、この運転点Fにおける、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Lは次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan/nが77%であり、流量Qan が39m/minであり、吐出圧力Pan が78m(全揚程Han が40.9m)なので、式(32)または式(49)より、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Lは337.7kWである。一方、この運転点Fにおける、ポンプ2が1台運転時の総軸動力Ln−1は、次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan-1/n-1が77%であり、流量Qan が39m/minであり、吐出圧力Pan が78m(全揚程Han が40.9m)であり、且つ設定値Δηは5%であるので、式(40)または式(55)より、ポンプ2が1台運転時の総軸動力Ln−1は361.1kWとなり、ポンプ2が2台で運転していた方が、総軸動力Lは小さくなる。しかしながら、ポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が、ポンプ運転台数が2台で運転できる領域IIおよびIIIを外れ、且つ、ポンプの運転台数を切り替えた後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が領域IIおよびIにあるので、ポンプ2の運転台数は、2台から1台に切り替えられる。
図12は、ポンプ装置の総吐出流量が減少していき、ポンプ2の運転台数を2台運転から1台運転に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)の別の一例である。3つの領域I,II,IIIのどの領域に、ポンプの運転台数を切り替え前後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が位置しているかがまず判定される。
図12は、ポンプ2が運転点Gで運転されているときに領域判定が行われる例を示す。G点は、ポンプ装置の総吐出流量が57m/minの時の運転点である。この運転点Gではポンプ2は2台で運転され、ポンプ回転速度は85%である。この運転点Gでのポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度は、図3における領域IIにある。この運転点Gでポンプ2の運転台数が1台に切り替わったとした場合、ポンプ2の回転速度は96%である。総吐出流量57m/minおよびポンプ2の回転速度96%は、領域IIにある。したがって、領域決定部23は、ポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が、ポンプ2の運転台数を切り替え可能な領域内にあると判定する。
この場合、ポンプ運転台数決定部22は、先に記述したポンプ運転台数決定アルゴリズムに従って、ポンプ装置の総軸動力が小さくなるようにポンプ運転台数を決定する。この運転点Gにおける、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Lは次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan/nが76%であり、流量Qan が57m/minであり、吐出圧力Pan が79m(全揚程Han が41.9m)なので、式(32)または式(49)より、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Lは512.2kWである。一方、この運転点Gにおける、ポンプ2が1台運転時の総軸動力Ln−1は次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan-1/n-1が82%であり、流量Qan が57m/minであり、吐出圧力Pan が79m(全揚程Han が41.9m)であり、且つ設定値Δηは5%であるので、式(40)または式(55)より、総軸動力Ln−1は506.0kWとなり、ポンプ2台運転時の総軸動力Lより小さくなる。したがって、ポンプ運転台数決定部22は、ポンプの運転台数を2台から1台に切り替えるように決定し、コントローラ20は1台のポンプ2を運転する。
図13は、ポンプ装置の総吐出流量が減少していき、ポンプ2の運転台数を2台運転から1台運転に切り替えるか否かを決定する際の運転特性曲線図(Q−H線図)のさらに別の一例である。3つの領域I,II,IIIのどの領域に、ポンプの運転台数切り替え前後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が位置しているかがまず判定される。
図13は、ポンプ2が運転点Hで運転されているときに領域判定が行われる例を示す。H点は、ポンプ装置の総吐出流量が54m/minの時の運転点である。この運転点Hではポンプ2は2台で運転され、ポンプ回転速度は84%である。この運転点Hでのポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度は、図3における領域IIにある。この運転点Hでポンプ2の運転台数が1台に切り替わったとした場合、ポンプ2の回転速度は94%である。総吐出流量54m/minおよびポンプ2の回転速度94%は、領域Iにある。したがって、領域決定部23は、ポンプの運転台数を切り替えた後のポンプ装置の総吐出流量およびポンプ2の回転速度が、ポンプ2の運転台数を切り替え可能な領域内にあると判定する。
この場合、ポンプ運転台数決定部22は、先に記述したポンプ運転台数決定アルゴリズムに従って、ポンプ装置の総軸動力が小さくなるようにポンプ運転台数を決定する。この運転点Hにおける、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Lは次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan/nが82%であり、流量Qan が54m/minであり、吐出圧力Pan が78m(全揚程Han が40.9m)なので、式(32)または式(49)より、ポンプ2が2台運転時の総軸動力Lは439.0kWである。一方、この運転点Hにおける、ポンプ2が1台運転時の総軸動力Ln−1は次のように求められる。ポンプ1台あたりのポンプ効率ηan-1/n-1が68%であり、流量Qan が54m/minであり、吐出圧力Pan が78m(全揚程Han が40.9m)であり、且つ設定値Δηは5%であるので、式(40)または式(55)より、総軸動力Ln−1は571.4kWとなり、ポンプ2台運転時の総軸動力Lよりも大きくなる。したがって、ポンプ運転台数決定部22は、ポンプの運転台数を2台に維持するように決定し、コントローラ20は2台のポンプ2を運転する。
これまで、図8〜図13を用いて、最も簡単な例として、ポンプ2の運転台数が1台から2台に切り替わる場合と、2台から1台に切り替わる場合とを説明してきた。また、ポンプの運転台数が2台から3台に切り替わる場合と、3台から2台に切り替わる場合にも、同様の方法を適用することができる。同様に、ポンプの運転台数がn台からn+1台に、あるいはn台からn−1台に切り替わる場合にも、同様の方法を適用することができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
1 吸込水槽
2 ポンプ
3 給水場所
5 吸込配管
5’ 分岐吸込配管
6 吐出配管
6’ 分岐吐出配管
7 逆止弁
11 止水弁
12 ポンプ吐出弁
13 止水弁
15 モータ
16 速度制御装置
17 圧力計
18 流量計
20 コントローラ
21 流量判断部
22 ポンプ運転台数決定部
23 領域決定部

Claims (4)

  1. 同一特性並列揃速で運転されるポンプの運転台数を、総吐出流量が増加したときにn台からn+1台に(n台からn+1台に切り替える場合のnは1以上の自然数)、または総吐出流量が減少したときにn台からn−1台に(n台からn−1台に切り替える場合のnは2以上の自然数)切り替えるポンプ運転台数制御方法であって、
    前記ポンプの運転台数切り替え前後の前記総吐出流量および前記ポンプの回転速度が、前記ポンプ運転台数が切り替え可能となる領域内にあることを確認し、
    ポンプ1台あたりの吐出流量および前記ポンプの回転速度から、n台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率と、ポンプn+1台で運転した場合のポンプ1台あたりのポンプ効率またはポンプn−1台で運転した場合のポンプ1台あたりのポンプ効率を算出し、
    算出されたポンプ1台あたりの前記ポンプ効率から、n台運転時のポンプ1台あたりの軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力をそれぞれ算出し、
    算出されたそれぞれのポンプ1台あたりの軸動力にポンプ運転台数を乗算して、n台運転時の総軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力を算出し、
    n台運転時の総軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力とを比較して、総軸動力が低い方のポンプ運転台数を決定することを特徴とするポンプ運転台数制御方法。
  2. 前記n−1台運転した場合のポンプ1台あたりのポンプ効率を算出する際には、算出されたポンプ効率から所定の設定値を減算し、減算されたポンプ効率を基にn−1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力を算出することを特徴とする請求項1に記載のポンプ運転台数制御方法。
  3. 前記ポンプの運転台数切り替え前後の前記総吐出流量および前記ポンプの回転速度が、前記ポンプの運転台数を切り替え可能な領域内にあることを監視しながら制御することを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ運転台数制御方法。
  4. 同一特性並列揃速で運転される複数台のポンプと、
    前記複数台のポンプの総吐出流量を計測する流量計と、
    前記ポンプの回転速度および運転台数を制御するコントローラと、を備え、
    前記コントローラは、
    前記ポンプの総吐出流量が増加しているか、または減少しているかを判断する流量判断部と、
    前記ポンプの運転台数切り替え前後の前記ポンプの総吐出流量および回転速度が、ポンプの運転台数を切り替え可能な領域内にあるか否かを確認する領域決定部と、
    ポンプ1台あたりの吐出流量および前記ポンプの回転速度から、n台運転時のポンプ1台あたりのポンプ効率と、ポンプn+1台で運転した場合(n台からn+1台に切り替える場合のnは1以上の自然数)のポンプ1台あたりのポンプ効率またはポンプn−1台で運転した場合(n台からn−1台に切り替える場合のnは2以上の自然数)のポンプ1台あたりのポンプ効率を算出し、算出されたポンプ1台あたりの前記ポンプ効率から、n台運転時のポンプ1台あたりの軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時のポンプ1台あたりの軸動力をそれぞれ算出し、算出されたそれぞれのポンプ1台あたりの軸動力にポンプ運転台数を乗算して、n台運転時の総軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力を算出し、n台運転時の総軸動力と、n+1台運転時またはn−1台運転時の総軸動力とを比較して、総軸動力が低い方のポンプ運転台数を決定するポンプ運転台数決定部と、を有することを特徴とするポンプ装置。
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