JP2015194042A - 角形鋼管 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げ力を受ける部材として特化し、断面積を小さくしながら、曲げ力を受ける場合に圧縮側となる面(圧縮面部)の局部座屈応力度を極力高くしつつ曲げ力作用方向の断面係数及び断面二次モーメントも同等ないし極力高くすることが可能な、断面効率のよい角形鋼管を提供する。【解決手段】板厚比A/t、B/tが15.6〜200の範囲において、四隅のコーナー部の形状を、基本的には上側コーナー部の特に横方向のコーナー長が下側の横方向のコーナー長より大きくなる態様で、すなわち、「CB1>CB2」の態様で上下に非対称の断面形状とする。【選択図】図1

Description

この発明は建築構造物等における梁、桁、根太、大引き、その他、曲げ力を受ける部材として使用される角形鋼管に関する。
建築構造物その他種々の構造物の構成材として使用される角形鋼管は、JIS G 3466の一般構造用角形鋼管(STKR400、STKR490)(非特許文献1)により、あるいは、日本鉄鋼連盟の規格(建築構造用冷間成形角形鋼管(BCR295など))(非特許文献2)により規格化され、断面形状の標準寸法として辺の長さ(A×B)、板厚t、角部の寸法Sなどが規定されている。
日本鉄鋼連盟のBCR295は冷間ロール成形角形鋼管についての規格(「BCR」は日本鉄鋼連盟の登録商標)であるが、JIS G 3466に準拠する角形鋼管としても冷間のロール成形角形鋼管が広く使用されている。
なお以下では、上記規格における縦辺の長さA及び横辺の長さBを辺長A及び辺長B(又は縦辺長A及び横辺長B)と呼び、角部の寸法Sをコーナー長Cと呼ぶ。なお、上記の各規格では各コーナー部における縦方向のコーナー長と横方向のコーナー長は等しい(両者のコーナー長を変えることを考慮していない)。
上記の各規格で規定される角形鋼管の断面形状は、主として建築構造物の構造部材として標準化する趣旨で、具体的な数値による標準寸法として規定されている。
表1に前記JIS G 3466(STKR400、STKR490) に記載された寸法及び単位重量の表における「辺長A×B」、板厚t、コーナー長Sを転記し、さらに表中に幅厚比(A/t、B/t)、コーナー長と辺長との比(C/A、C/B)を示す。なお、前記表1及び以下の各表は明細書の末尾に纏めて記載する。STKR400とSTKR490とに断面形状の相異はないので、以下ではSTKR400、STKR490の両者を区別する必要がない場合には、両者を含めて単にSTKR400と記載する。
なお、STKR400は、コーナー部が部材外側に凸の円弧状をなす断面形状の角形鋼管となっている。
(a1)部材の塑性変形能力を表す指標としての幅厚比(A/t、B/t)は、正方形断面の場合に8.3〜43.5、矩形断面の場合に8.3〜78.1となっている。
幅厚比の上限が、正方形断面の場合に43.5と比較的小さい数値範囲となっているのは、主な用途が柱用(耐震性が必要)となっているためであり、部材断面を構成する板要素の幅と厚さの比が大きいと、圧縮力を受ける部分に局部座屈を生じ、部材断面の耐力が低下して、必要な塑性変形能力が得られなくなることに起因している。
一方、矩形断面の場合は、用途が柱用(耐震性が必要)から間柱(耐震性が不要)、一般構造用まで多岐にわたることから、幅厚比の上限が78.1と、正方形断面の場合よりかなり大きな数値範囲になっている。
(a2)コーナー長と辺長との比(C/A、C/B)は、正方形断面の場合に0.046〜0.240、矩形断面の場合に0.026〜0.240となっている。
表2に日本鉄鋼連盟規格BCR295における「辺長A×B」、板厚t、コーナー長Cを転記し、さらに表中に幅厚比(A/t、B/t)、コーナー長と辺長との比(C/A、C/B)を示す。
なお、BCR295は、コーナー部が部材外側に凸の円弧状をなす断面形状の角形鋼管となっている。
(b1)部材の塑性変形能力を表す指標としての幅厚比(A/t、B/t)は、正方形断面の場合に15.6〜55.6、矩形断面の場合に11.1〜66.7となっている。
幅厚比の上限が、正方形断面の場合に55.6、矩形断面の場合に66.7と、STKR400に比べ小さい数値となっているのは、主な用途が柱用(耐震性が必要)となっているためであり、部材断面を構成する板要素の幅と厚さの比が大きいと、圧縮力を受ける部分に局部座屈を生じ、部材断面の耐力が低下して、必要な塑性変形能力が得られなくなることに起因している。なお、この場合の局部座屈は、主な用途として柱を想定していることから、管軸方向の圧縮力による局部座屈である。
(b2)コーナー長と辺長との比は、正方形断面の場合に0.045〜0.160、矩形断面の場合に0.043〜0.225となっている。
建築構造物の柱・梁材等に使用される前記STKRやBCRのサイズ範囲の角形鋼管で、前記STKRやBCRに標準寸法が示された角形鋼管とはコーナー長Cと辺長との比が異なるものとして、本発明の技術思想とは全く異質であるが、コーナー長Cと辺長との比に関して(その比が0.16であることに関して)結果的に本発明と一部重複する可能性を持つ特許文献2(特開2001−355286)がある。
この特許文献2では、請求項1、2および表2〜4に、辺長が等しい同一コラム区分内の板厚が異なる角形鋼管において、コーナー部の形状を同一にするか、板厚に応じて複数の単位にグルーピングし、そのグループごとにコーナー部の形状を統一することを特徴とした角形鋼管が開示されている。特許文献2では、例えば薄肉の上柱の角型鋼管と肉厚の下柱の角型鋼管とを接合する際、従来の角形鋼管ではコーナー部の外形が肉厚によって異なるので、コーナー部で段差が生じて施工がし難いうえ、接合後の景観性もよくないなどの不都合を解消しようとするものであり、コーナー部の外形を板厚によらず共通にしようとするものである。すなわち、サイズ(「辺長A×B」)が同じで板厚が種々である角形鋼管群では、コーナー長Cを板厚tによらず一定にするというものである。
表3に特許文献2中に記載の「表2」〜「表4」を転記し、さらに表3中に幅厚比、コーナー長と辺長との比を示す。なお、特許文献2に記載の「表2」〜「表4」は、コーナー部の部材外側に円弧状の断面形状を有する冷間ロール成形角形鋼管となっている。特許文献2に記載の「表1」はBCR295の標準寸法と同一であり、省略した。
(a3)部材の塑性変形能力を表す指標としての幅厚比は、15.6〜50.0となっている。
BCR295の場合とほぼ同様の数値範囲となっているのは、特許文献2に記載の「表2」〜「表4」がBCR295を基にしているためである。
(b3) 特許文献2中の「表3」では、6種類の板厚のうちの最も厚い板厚16.0mmのコーナー長(16.0mm×2.5=40mm)に合わせているので、また、「表4」では、6種類の板厚のうちの最も厚い板厚19.0mmのコーナー長(19.0mm×2.5=47.5(≒40mm))に合わせているので、いずれもコーナー長Cと辺長との比が0.16と大きくなっている。このように最大板厚に合わせた特殊の場合として、コーナー長Cと辺長との比が0.16と大きくなっている。
特許文献1は、上記の各規格に準拠する角形鋼管ではなく、厚さが0.4mm〜1.6mmの薄板による箱形断面型薄板部材(薄肉角形鋼管に相当)を対象として、板要素の幅厚比は、従来鋼構造に使用される部材の幅厚比より大きく、箱形断面型薄板部材の幅bを次式、
b>740×t/√(F)
で設定している。このような薄板の箱形断面薄板部材では、圧縮あるいは曲げ応力下において局部座屈が発生しやすいことから、これを克服する箱形断面薄板部材の座屈補剛構造を見出した、という発明であり、隣り合う辺相互を接続するコーナー部(隅部補剛部)の幅寸法Dを、板厚の2倍を超え、外形幅寸法bの1/3以下の寸法とするというものであるが、明らかに、コーナー部の形状が四隅とも同じ、すなわち上下左右に対称である場合についての考察で得られたものである。
特開2006−328942 特開2001−355286
JIS G 3466(STKR400、STKR490) 社団法人日本鉄鋼連盟による規格(BCR295)
上述の各規格STKR400、BCR295に規定された標準寸法は、断面効率という観点、すなわちその断面形状が断面積との関係(=単位重量との関係)で効率的であるかどうか、所望の耐力を極力少ない材料で実現し得るかという主として経済性を考慮した観点で決定されたものではない。また、特許文献2は、同サイズで板厚の異なる角型鋼管同士を接合する際にコーナー部で段差が生じるという不都合を解決しようとするもので、やはり、断面効率という観点で考慮されたものではない。
従来、建築構造物の柱・梁材等に使用される前記各規格STKR400、BCR295に対応する角形鋼管について、断面効率という観点から断面形状の各部寸法を見直すことはあまりされていないが、前記各規格STKR400、BCR295に対応する角形鋼管について、断面効率の改善という観点から、所望の耐力や断面性能を極力少ない材料で実現可能な断面形状が望まれる。
ところで、角形鋼管では、辺長A×B、板厚tが部材強度に関係するが、コーナー長Cも部材強度に関係する。
例えば、幅厚比(A/t、B/t)は、部材の塑性変形能力を表す指標であり、幅厚比が小さいほど局部座屈は発生しにくく(局部座屈応力度が高い)、塑性変形能力が高くなる。しかし、幅厚比が小さいことは、辺長が同じであれば板厚tが厚いことであるから、断面積が増し(単位重量が増し)、単位断面積当たり(単位重量当たり)の部材強度が低下、すなわち断面効率が低下し経済性が低下する方向にある。
コーナー長と辺長との比(C/A、C/B)は、局部座屈や断面性能に関係する。例えば、柱材として使用する場合には、コーナー長と辺長との比が1/3までの範囲内で大きいことは、辺長が同じであれば平板部の長さが短いことであるから、局部座屈は発生しにくく(局部座屈応力度が高い)、塑性変形能力が高くなる。また、辺長が同じであれば断面積は小さくなる。
なお、柱材として使用する場合には、四方の各辺(各面)についての局部座屈応力度が問題になるが、梁等の曲げ力を受ける部材として使用する場合は、曲げ力を受ける場合に圧縮側となる面(圧縮面部)の局部座屈応力度が問題となる。
上述のSTKR400、BCR295の各規格では、コーナー長が部材強度に関係することは特に考慮していないので、四隅のコーナー部のコーナー長はすべて同じく板厚tの2倍ないし2.5倍としている(したがって、四隅のコーナー部の形状がすべて同じ)が、本発明者らは、コーナー長を上記の各規格より大きくとるとともに、上下のコーナー部の形状を非対称とすることで、単位断面積当たりの部材強度の向上、断面効率、経済性の向上を図ることが可能であるかを考察した。特に、構造物等における梁などのように曲げ力を受ける角形鋼管として使用する場合に焦点を絞って、断面積を極力小さくしながら部材強度を向上させることが可能な条件について考察した。
この場合、基本的な考え方としては、曲げ力を受ける場合の圧縮側を上としその反対側を下として述べると、角形管の四隅のコーナー部の形状を曲げ力作用方向上下に非対称とすることで、曲げ力を受ける場合に圧縮側となる面(圧縮面部)の局部座屈応力度を極力高くしつつ曲げ力作用方向の断面係数及び断面二次モーメントも同等ないし極力高くすることが可能かどうかを、辺長A、Bと、板厚tと、上下のコーナー部のコーナー長C(CA1、CB2、CB1、CB2)とをパラメータとして有限要素法の固有値解析の手法を用いて考察した。
本発明は、上記の考察のなかで、建築構造物等における梁、桁、根太、大引き、その他、曲げ力を受ける部材用の角形鋼管について、断面積を小さくするために板厚を薄くしても、STKR400やその他従来の種々の角形鋼管と比較して、曲げ力を受ける場合に圧縮側となる面(圧縮面部)の局部座屈応力度を極力高くしつつ曲げ力作用方向の断面係数及び断面二次モーメントも同等ないし極力高くすることが可能な断面形状の条件を見出した。本発明は、そのような知見により得られたものである。
上記課題を解決する請求項1の発明は、
コーナー部に直線状または弧状の断面形状を有する左右対称断面の、曲げ力を受ける部材に用いる角形鋼管であって、
その断面の縦辺長A又は横辺長Bと板厚tとの比である幅厚比(A/t又はB/t)をxとした場合に式(1)を満たし、
かつ、コーナー部において接続する辺と平行な方向のコーナー長のうち、
横方向のコーナー長の一方をCB1、対向するもう一方をCB2
前記CB1に隣り合う縦方向のコーナー長をCA1、前記CB2に隣り合う縦方向のコー ナー長をCA2とした場合に、
式(2)を満たし、
かつ、式(3)又は(3)のいずれか一方を満たすという条件(3)を満たし、
かつ、式(4)又は(4)のいずれか一方を満たすという条件(4)を満たすことを特徴とする角形鋼管。
15.6≦x≦200 ・・・・・・(1)
B1>CB2 ・・・・・・・・・・(2)
条件(3)15.6≦x<31.7 において、
-0.0054x+0.2561 ≦(CA1/A)≦(A-2t)/A ・・・(3
31.7≦x≦200 において、
0.085≦(CA1/A)≦(A-2t)/A ・・・(3
条件(4)15.6≦x<31.7 において、
-0.0054x+0.2561 ≦(CB1/B)≦0.300・・・(4
31.7≦x≦200 において、
0.085≦(CB1/B)≦0.300 ・・・(4
なお、上記の式(3)、(3)の右側の不等式は、「CA1≦(A−2t)」である。
請求項2は、請求項1において、 式(2)に代えて、式(2)を満たしかつ式(2)を満たすという条件(2’)を満たすことを特徴とする。
B1=CB2 ・・・・・・・・(2
A1>CA2 ・・・・・・・・(2
請求項3は、請求項1又は2に記載の角形鋼管において、式(5)を満たすことを特徴とする。
0.085≦(CA1/A)<0.500・・・・・・(5)
請求項4は、請求項1乃至3のいずれか1項の角形鋼管において、式(6)を満たすことを特徴とする。
A1+CA2=A・・・・・・・・・・・・・・・(6)
請求項5は、請求項1の角形鋼管において、 式(5)を満たし、 かつ、式(7)、(8)を満たすことを特徴とする。
0.085≦(CA1/A)≦0.500 ・・・・・・(5)
(2t/A)×0.5≦(CA2/A)≦(2t/A)×1.5・・・(7)
(2t/A)×0.5≦(CB2/B)≦(2t/B)×1.5・・・(8)
なお、上記の式(7)は「2t×0.5≦CA2≦2t×1.5」と簡略でき、さらに「t≦CA2≦3t」と簡略化できる。
また 上記の式(8)は「2t×0.5≦CB2≦2t×1.5」と簡略でき、さらに「t≦CB2≦3t」と簡略化できる。
請求項6は、請求項1〜5のいずれか1項の角形鋼管において、使用する鋼材の設計用降伏応力度をF(N/mm)とした場合に、式(9)を満たすことを特徴とする。
205≦F≦375・・・・・・・・・・・・・・(9)
請求項7は、請求項6の角形鋼管において、 式(10)、(11)を満たすことを特徴とする。
15.6≦(A/t)≦1,100/√F・・・(10)
15.6≦(B/t)≦740/√F・・・(11)
幅厚比をこの式(10)、(11)に設定したことについて説明すると、建設省告示第1792号第3二によると、柱及び梁の種別は幅厚比によってFA〜FDの4つの構造ランクに区分される。このうちFCランクに規定された制限値以下の数値であれば、構造耐力上支障のある局部座屈を生じないとされている。FCランクに規定された幅厚比の制限値は、角形鋼管柱で48√(235/F)、H形鋼梁のウェブで71√(235/F)である。本発明の断面は告示には記載されていないが、建築構造上主要な部分に用いる場合、支持条件と作用応力の対応を勘案すると、圧縮を受ける上部フランジについては(B/t)≦48√(235/F)≒740/√F、曲げを受けるウェブについては(A/t)≦71√(235/F)≒1100/√Fの範囲で制限値を設ける事が適切であろう。したがって、上記式(10)、式(11)に設定した。
本発明によれば、四隅のコーナー部の形状を、基本的には上側コーナー部の特に横方向のコーナー長が下側の横方向のコーナー長より大きくなる態様で上下に非対称としたことで、STKR400やその他従来の種々の角形鋼管と比較して、断面効率を向上させるために断面積を小さくしながら、曲げ力を受ける場合に圧縮側となる面(圧縮面部)の局部座屈応力度を極力高くしつつ曲げ力作用方向の断面係数及び断面二次モーメントも同等ないし極力高くすることが可能となり、梁等の曲げ力を受ける部材に用いる角形鋼管として断面効率のよい角形鋼管を得ることができる。
本発明の各実施例の角形鋼管における「幅厚比との関係におけるコーナー長と板厚との比」を座標として示したグラフである。実施例は後述するA1〜A4、B1〜B4、C1〜C4、D1〜D2、E1〜E2、F1、G1〜G2、H1〜H2、I1、J1、K1〜K3、L1〜L3、M1の各実施例である。 図1における各実施例の「幅厚比、コーナー長と板厚との比」の座標の大半について、それぞれの実施例であることを示す符号を付した図である(但し、要部を拡大して示している)。 図1における各実施例の「幅厚比、コーナー長と板厚との比」の座標のうち、図2Aに符合を付さなかった残りの部分にそれぞれの実施例であることを示す符号を付した図である。 本発明の対象とするロール成形角形鋼管について、各部の寸法等を説明する断面図である。 本発明の第1実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例A1〜A4、及び比較例A0を示す。 本発明の第2実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例B1〜B4、及び比較例B0を示す。 本発明の第3実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例C1〜C4、及び比較例C0を示す。 本発明の第4実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例D1〜D2、及び比較例D0を示す。 本発明の第5実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例E1〜E2、及び比較例E0を示す。 本発明の第6実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例F1、及び比較例F0を示す。 本発明の第7実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例G1〜G2、及び比較例G0を示す。 本発明の第8実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例H1〜H2、及び比較例H0を示す。 本発明の第9実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例I1、及び比較例I0を示す。 本発明の第10実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例J1、及び比較例J0を示す。 本発明の第11実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例K1〜K3、及び比較例K0を示す。 本発明の第12実施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例L1〜L3、及び比較例L0を示す。 本発明の第13施例の角形鋼管の断面形状及び寸法を比較例の角形鋼管とともに示すもので、本発明の実施例M1、及び比較例M0を示す。
以下、本発明の角形鋼管を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
本発明の角形鋼管は、建築構造物等の構造物における梁、桁、根太、大引き等の、曲げ力を受ける部材として用いる角形鋼管である。曲げ力を受ける部材としては、その他、土木構造物における曲げ力を受ける構造材、あるいは機械構造における曲げ力を受けるフレームなどに適用できる。
ここで、「角形鋼管」の「角形」とは、ベースとなる形状である正方形の角形鋼管又は矩形の角形鋼管の各辺の平板部の長さの長短を問わず、隣接する辺の平板部間を繋ぐ部分であるコーナー部が直線状または弧状をなす多角形を指す。平板部の長さの長短を問わないので、コーナー長の長短も問わないし、平板部の長さがゼロの場合を含む。
一般的な角形鋼管の断面形状は上下対称かつ左右対称であるが、本発明では、左右対称であるが上下は非対称の断面形状である。
図3の角形鋼管の断面図において、縦辺の長さ(縦辺長)をA、横辺の長さ(横辺長)をB、板厚をt、
縦辺の上側のコーナー部のコーナー長(コーナー部の長さ)をCA1
下側のコーナー部のコーナー長をCA2
横辺の上側のコーナー部のコーナー長をCB1
下側のコーナー部のコーナー長をCB2
で示す。
縦辺及び横辺の平板部の長さをそれぞれM、MB1、B2で示す。
幅厚比は、縦辺側(A側)がA/t、横辺側(B側)がB/tである。
コーナー長と辺長との比は、縦辺の上側はCA1/A、下側はCA2/A、横辺の上側はCB1/B、下側はCB2/Bである。
本発明では、幅厚比(A/t、B/t)が15.6〜200の範囲について、辺長A、Bと、板厚tと、上下のコーナー部のコーナー長C(CA1、CA2、CB1、CB2)とをパラメータとして有限要素法の固有値解析の手法を用いて、曲げ力を受ける場合に圧縮側となる上面部(圧縮面部)の局部座屈応力度を極力高くしつつ曲げ力作用方向の断面係数及び断面二次モーメントも同等ないし極力高くすることが可能な「幅厚比との関係におけるコーナー長と板厚との比」を求めて、下記の条件を得た。
すなわち、下記の式(1)を満たし、かつ、式(2)を満たし、 かつ、式(3)又は(3)のいずれか一方を満たすという条件(3)を満たし、かつ、式(4)又は(4)のいずれか一方を満たすという条件(4)を満たすものである。
15.6≦x≦200 ・・・・・・(1)
B1>CB2 ・・・・・・・・・・(2)
条件(3)15.6≦x<31.7 において、
-0.0054x+0.2561 ≦(CA1/A)≦(A-2t)/A ・・・(3
31.7≦x≦200 において、
0.085≦(CA1/A)≦(A-2t)/A ・・・・・・(3
条件(4)15.6≦x<31.7 において、
-0.0054x+0.2561 ≦(CB1/B)≦0.300 ・・・(4
31.7≦x≦200 において、
0.085≦(CB1/B)≦0.300 ・・・・・・(4
図1にそのような条件を満たす実施例の「幅厚比との関係におけるコーナー長と板厚との比」をプロットしている。
図1の(イ)はSTKR400、(ロ)はBCR295についてのグラフである。(ハ)は特許文献2中の「表2」に記載の断面形状についてのグラフである。(ニ)は特許文献2中の「表3」、「表4」に記載の断面形状についてのグラフである。なお、STKR400とSTKR490の断面形状の標準寸法は同じなので、上記STKR400という記載にはSTKR490の場合も含めている。
図1及びその補足説明図である図2A、2Bにおける座標(x、y)のxは幅厚比、yはコーナー長と辺長との比である。
図1中には、種々の条件についての固有値解析の結果得られた後述の実施例を記載した表4〜表16の数値による座標(x、y)がプロットされている。白抜きのマークは縦辺側(A側)のもの、塗り潰しのマークは横辺側(B側)のもので、いずれも上側コーナー部のものである。なお、図1の右側の凡例を示す欄で、例えば、「実施例A」とあるのは上部の縦辺側(A側)のものであることをし、「実施例A−CB1」とあるのは、実施例Aの上部の横辺側(B側)のものであることを示す。
前記式(3)又は式(4)の左辺の式は図1から得ている。
図1におけるPの座標(15.8、0.170)は後述する実施例C1の縦辺側のデータ(xとy)、Qの座標(31.4、0.085)は実施例I1の縦辺側ののデータ(xとy)である。詳細説明は省略するが、P、Qを通る直線の式は下記の通りとなる。
y=-0.0054x+0.2561 ・・・(3’)
この式(3’)から、式(3)又は式(4)の左辺の式を得ている。
表4〜表16に、以下で説明する各実施例A(A1、A2、A3、A4)、実施例B(B1、B2、B3、B4)、実施例C(C1、C2、C3、C4)、実施例D(D1、D2)、実施例E(E1、E2)、実施例F(F1)、実施例G(G1、G2)、実施例H(H1、H2)、実施例I(I1)、実施例J(J1)、実施例K(K1、K2、K3)、実施例L(L1、L2、L3)、実施例M(M1)、及びそれぞれの比較例A0、B0、C0、D0、E0、F0、G0、H0、I0、J0、K0、L0、M0を示し(明細書の末尾に纏めて記載)、図4〜図16に各実施例A〜M、及びそれぞれの比較例A0〜M0の角形鋼管の断面形状・寸法を示す。
なお、各比較例A0〜M0はいずれもSTKR400規格による形状寸法である。
なお、以下では、縦辺長がAmm、横辺長がBmm、板厚がtmmである角形鋼管を指して、□AxBxtで示す。
本発明におけるコーナー長と辺長との比y(CA1/A、CB1/B、CA2/A、CB2/B)の範囲について説明する。
コーナー長と辺長との比を大きくすることにより、平板部Mの長さを短くして見かけ上の幅厚比を小さくできることから、コーナー長と辺長との比が1/3(0.333)を超えない範囲でコーナー長を大きくすると基本的には局部座屈応力度が高くなる。
本発明では、梁等の曲げ力を受ける部材として使用することを想定しており、曲げ力を受ける場合に圧縮側となる上面部(上側の横辺)について局部座屈応力度が問題となるので、上辺のコーナー長CB1と辺長Bとの比CB1/Bを0.300以下とした。
そこで、前記式(1)の範囲(幅厚比(A/t、B/t)が15.6〜200)について、前記条件(CB1/B≦0.300)のもとで、コーナー長と辺長との比y(CA1/A、CB1/B、CA2/A、CB2/B)を、基本としては、通常より大きい領域、すなわちJIS G 3466の一般構造用角形鋼管(STKR400、STKR490)や、日本鉄鋼連盟の規格の冷間ロール成形角形鋼管(BCR295)に規定されている数値範囲より大きい領域を目標にして固有値解析で調べて、基本的には、式(2)の「CB1>CB2」、及び、コーナー長と辺長との比yの上限及び下限を示す「式(3)又は式(3)のいずれか一方を満たすという条件(3)」、及び、「式(4)又は式(4)のいずれか一方を満たすという条件(4)」を得た。
但し、式(2)の「CA1>CA2」という条件のもとで、(2)の「CB1=CB2」であってもよいという条件(2’)を得た。
上記のような式、条件を満たす各実施例の角形鋼管の、幅厚比x(A/t、B/t)との関係におけるコーナー長と辺長との比y(CA1/A、CB1/B、CA2/A、CB2/B)は図1、及び補足説明の図である図2A、図2Bに示した通りである。
表4〜表16に第1〜第13の各実施例A〜Mのデータを示し、図4〜図16に前記第1〜第13の各実施例A〜Mの角形鋼管及び比較例A0〜M0の断面形状を示す。なお、表4〜表16では縦側をA側、横側をB側として記載している。
前記比較例A0〜M0はいずれも、各コーナー部のコーナー長CA1、CA2、CB1、CB2がいずれも板厚tの2倍すなわち2tであって、4箇所とも同一であり、従来のSTKR400のものである。
また、各実施例A〜M、及び比較例A0〜M0はいずれも、設計用降伏応力度(設計基準強度)F=235(N/mm)の鋼材を使用している。
実施例A1〜A4、及び、各実施例に共通の比較例A0について説明する。
[比較例A0]
比較例A0は、サイズが□60x60x2.3である。
コーナー長CA1=CA2=CB1=CB2=4.6mm(従来のSTKR400形状に対応しているコーナー部のコーナー長2t)、幅厚比A/t=B/t=26.1、コーナー長と辺長との比CA1/A=CA2/A=CB1/B=CB2/B=0.077となっている。
この比較例A0では、式(1)は満たすが、式(2)は満たさず、条件(3)、(4)を満たさない(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たさない)。
比較例A0の断面性能等は、断面積517mm、断面二次モーメントIA=IB=282,318mm、断面係数ZA=ZB=9,786mm、固有値解析による局部座屈応力度1,621N/mmと計算される。
[実施例A1]
実施例A1は、サイズが□72x72x1.8である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが40.0、横側の幅厚比B/tも40.0である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.350、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.200である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が25.2mm、下側のコーナー長CA2も25.2mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が14.4mm、下側のコーナー長CB2が7.2mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
この実施例A1において、
(A-2t)/A =(72−2×1.8)/72=68.4/72=0.95、
であるから、明らかに、式(3)、(3)の右側の不等式「(CA1/A)≦(A-2t)/A」を満たす。
なお、以下の各実施例は、式(3)、(3)の右側の不等式を明らかに満たすので、以下では「CA1/A≦(A−2t)/A」であるか否かの言及を省く。
上記の通り実施例A1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。
この実施例A1の断面性能等は、断面積447mm、断面二次モーメントIA=330,739mm、IB=305,865mm、断面係数ZA=9,840mm、ZB=8,714mm、固有値解析による局部座屈応力度1,759N/mmと計算される。
比較例A0と本発明実施例A1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例A1は、断面積が比較例A0の約86%に減少(14%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例A0より大きく上昇(109%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大幅に上昇(117%)、横側IBも大きく上昇(108%)している。断面係数は縦側ZAは比較例A0と同等(101%)である。なお、横側ZBは低下(89%)している。
上記の通りであり、実施例A1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、上昇した断面二次モーメント及び局部座屈応力度を得つつ、14%程度軽量化させることが可能となる。
このように、顕著な軽量化、すなわち鋼材使用量の顕著な削減が図られる上に、局部座屈応力度、断面二次モーメントの向上を実現できる。
なお、横側の断面係数ZBは低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例A2]
実施例A2は、サイズが□72x72x1.9である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが37.9、横側の幅厚比B/tも37.9である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.300、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.200である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が21.6mm、下側のコーナー長CA2が14.4mmである。すなわち、「CA1>CA2」である(式(2)を満たす)。
横側は上側のコーナー長CB1が14.4mm、下側のコーナー長CB2も14.4mmである。すなわち、「CB1=CB2」である(式(2)を満たす)。したがって、条件(2’)を満たす。
上記の通り実施例A2は、式(1)を満たし、条件(2’)(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項2の条件をすべて満たす。
この実施例A2の断面性能等は、断面積465mm、断面二次モーメントIA=334,373mm、IB=325,865mm、断面係数ZA=9,679mm、ZB=9,297mm、固有値解析による局部座屈応力度1,959N/mmと計算される。
比較例A0と本発明実施例A2の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例A2は、断面積が比較例A0の約90%に減少(10%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例A0より大幅に上昇(121%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大幅に上昇(118%)し、横側IBも大幅に上昇(115%)している。断面係数は縦側ZAは比較例A0と同程度(99%)、横側ZBは若干低下(95%)している。
上記の通りであり、実施例A2によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、大幅に上昇した断面二次モーメント及び局部座屈応力度を得つつ、10%程度軽量化させることが可能となる。
このように、顕著な軽量化、すなわち鋼材使用量の顕著な削減が図られる上に、局部座屈応力度、断面二次モーメントの大幅な向上を実現できる。
なお、横側の断面係数ZBは若干減少するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例A3]
実施例A3は、サイズが□−69x69x1.8である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが38.3、横側の幅厚比B/tも38.3である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.192、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.192である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が13.8mm、下側のコーナー長CA2は55.2mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が13.8mm、下側のコーナー長CB2が3.5mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
上記の通り実施例A3は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。実施例A3はまた、式(6)も満たしている。
この実施例A3の断面性能等は、断面積444mm、断面二次モーメントIA=310,797mm、IB=292,157mm、断面係数ZA=9,670mm、ZB=8,695mm、固有値解析による局部座屈応力度1,872N/mmと計算される。
比較例A0と本発明実施例A3の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例A3は、断面積が比較例A0の約86%に減少(14%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例A0より大幅に上昇(116%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大きく上昇(110%)し、横側IBは若干の上昇(103%)となっている。断面係数は縦側はZAは比較例A0と同程度(99%)、横側ZBは低下(89%)している。
上記の通りであり、実施例A3によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、特に縦方向について大きく上昇をした断面二次モーメント、及び大幅に上昇した局部座屈応力度を得つつ、14%程度軽量化させることが可能となる。
このように、顕著な軽量化、すなわち鋼材使用量の顕著な削減が図られる上に、局部座屈応力度の大幅な向上を実現でき、断面二次モーメントも特に縦方向について大きな向上を実現できる。
なお、横側の断面係数ZBは低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例A4]
実施例A4は、サイズが□72x72x1.7である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが42.4、横側の幅厚比B/tも42.4である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.300、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bも0.300である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
また、前記CA1/A(=0.300)は式(5)を満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が21.6mm、下側のコーナー長CA2が3.4mmである。CA2=3.4mmは式(7)を満たす。
横側は上側のコーナー長CB1が21.6mm、下側のコーナー長CB2は3.4mmである。CB2=3.4mmは式(8)を満たす。また、式(2)を満たす。
上記の通り実施例A4は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たし、式(5)、(7)、(8)を満たす。すなわち、請求項5の条件をすべて満たす。
前述したように、式(7)、(8)は、それぞれ「t≦CA2≦3t」、「t≦CB2≦3t」と簡略化できるので、式(7)、(8)はCA2、CB2の上限が3t(板厚tの3倍)、下限が0.5t(板厚tの半分)ということである。この実施例では、上限が3×1.7=5.1mm、下限が0.5×1.7=0.85mmである。したがって、この実施例のCA2、CB2=3.4mmは、前記の通り、式(7)、(8)を満たす。
この実施例では、下側のコーナー部の縦側及び横側のコーナー長(CA2、CB2)がいずれも3.4mm(板厚の2倍:2t)と小さいので、このコーナー部は一般的な角形鋼管のコーナー部と同様な直角形状となっており、したがって、この実施例では全体形状が六角形となっている。
なお、以下に述べる実施例B4、C1、C4、D1、H1、H2、I1も、この実施例A4と同様に式(5)を満たしかつ式(7)、(8)を満たして、全体形状が六角形となっている。
この実施例A4の断面性能等は、断面積431mm、断面二次モーメントIA=311,325mm、IB=317,244mm、断面係数ZA=9,901mm、ZB=9,025mm、固有値解析による局部座屈応力度3,122N/mmと計算される。
比較例A0と本発明実施例A4の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例A4は、断面積が比較例A0の約83%に減少(17%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例A0よりほぼ2倍近くと特に大幅に上昇(193%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大きく上昇(110%)し、横側IBも大きく上昇(112%)している。断面係数は縦側はZAは比較例A0と同程度(101%)、横側ZBは低下(92%)している。
上記の通りであり、実施例A4によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、大きく上昇した断面二次モーメント、及び特別大幅に上昇した局部座屈応力度を得つつ、しかも17%という大幅な軽量化が可能となる。
このように、顕著な軽量化、すなわち鋼材使用量の顕著な削減が図られる上に、断面二次モーメントの大きな向上、及び局部座屈応力度の特別に大幅な上昇を実現できる。
なお、横側の断面係数ZBは減少するが、用途工夫や設計上の配慮を講じることにより、対応可能な範囲での使用を考えていけばよい。
なお、横側の断面係数ZBは低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
実施例B1〜B4、及び、各実施例に共通の比較例B0について説明する。
[比較例B0]
比較例B0は、サイズが□150x105x1.2である。
コーナー長CA1=CA2=CB1=CB2=2.4mm、幅厚比A/t=125.0、B/t=87.5、コーナー長と辺長との比CA1/A=CA2/A=0.016、CB1/B=CB2/B=0.023となっている。
この比較例B0では、式(1)は満たすが、式(2)は満たさず、条件(3)、(4)を満たさない(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たさない)。
比較例B0の断面性能等は、断面積602mm、断面二次モーメントIA=2,016,345mm、IB=1,175,117mm、断面係数ZA=17,330mm、ZB=14,479mm、固有値解析による局部座屈応力度130N/mmと計算される。
[実施例B1]
実施例B1は、サイズが□172.5x121x1.0である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが172.5、横側の幅厚比B/tが121.0である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.250、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.200である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が43.1mm、下側のコーナー長CA2も43.1mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が24.2mm、下側のコーナー長CB2が12.1mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
上記の通り実施例B1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。
この実施例B1の断面性能等は、断面積527mm、断面二次モーメントIA=2,140,438mm、IB=1,214,962mm、断面係数ZA=19,976mm、ZB=15,680mm、固有値解析による局部座屈応力度191N/mmと計算される。
比較例B0と本発明実施例B1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例B1は、断面積が比較例B0の約87%に減少(13%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例B0より特別大幅に上昇(147%)し、断面二次モーメントは縦側IAが若干上昇(106%)、横側IBも若干上昇(103%)となっている。断面係数は縦側ZAが大幅に上昇(115%)、横側ZBは大きく上昇(108%)している。
上記の通りであり、実施例B1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、縦側及び横側とも上昇した断面二次モーメント、及び特別大幅に上昇した局部座屈応力度を得、さらに、縦側及び横側とも大きく上昇した断面係数も得つつ、13%程度軽量化させることが可能となる。
このように、顕著な軽量化、すなわち鋼材使用量の顕著な削減が図られる上に、断面二次モーメント、局部座屈応力度、断面係数のすべてについて向上させることを実現できる。
[実施例B2]
実施例B2は、サイズが□180x126x1.0である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが180.0、横側の幅厚比B/tが126.0である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.250、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.200である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が45.0mm、下側のコーナー長CA2が27.0mmである。すなわち、「CA1>CA2」である(式(2)を満たす)。
横側は上側のコーナー長CB1が25.2mm、下側のコーナー長CB2も25.2mmである。すなわち、「CB1=CB2」である(式(2)を満たす)。したがって、条件(2’)を満たす。
上記の通り実施例B2は、式(1)を満たし、条件(2’)(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項2の条件をすべて満たす。
この実施例B2の断面性能等は、断面積541mm、断面二次モーメントIA=2,334,256mm、IB=1,359,579mm、断面係数ZA=19,649mm、ZB=16,174mm、固有値解析による局部座屈応力度176N/mmと計算される。
比較例B0と本発明実施例B2の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例B2は、断面積が比較例B0の約90%に減少(10%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例B0より大幅に上昇(135%)し、断面二次モーメントは縦側IA、横側IBとも大きく上昇(いずれも116%)している。断面係数は縦側ZA、横側ZBとも大きく上昇(ZA113%、横側ZB112%)している。
上記の通りであり、実施例B2によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、大幅に上昇した断面二次モーメント及び特に大幅に上昇した局部座屈応力度を得、さらに、縦側及び横側とも大きく上昇した断面係数も得つつ、10%程度軽量化させることが可能となる。
このように、顕著な軽量化、すなわち鋼材使用量の顕著な削減が図られる上に、断面二次モーメント、局部座屈応力度、断面係数のすべてについて向上させることを実現できる。
[実施例B3]
実施例B3は、サイズが□180x126x1.0である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが180.0、横側の幅厚比B/tが126.0である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.300、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.200である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が54mm、下側のコーナー長CA2が126mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が25.2mm、下側のコーナー長CB2が12.6mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
上記の通り実施例B3は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。実施例B3はまた、式(6)も満たしている。
この実施例B3の断面性能等は、断面積545mm、断面二次モーメントIA=2,401,044mm、IB=1,220,270mm、断面係数ZA=20,457mm、ZB=14,410mm、固有値解析による局部座屈応力度173N/mmと計算される。
比較例B0と本発明実施例B3の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例B3は、断面積が比較例B0の約91%に減少(9%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例B0より大幅に上昇(133%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大幅に上昇(119%)し、横側IBは若干の上昇(104%)となっている。断面係数は縦側ZAが大幅に上昇(118%)、横側ZBは同程度(100%)である。
上記の通りであり、実施例B3によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、特に縦方向について大幅に上昇をした断面二次モーメント、及び特別大幅に上昇した局部座屈応力度を得、さらに、縦側について大幅に上昇した断面係数も得つつ、9%程度軽量化させることが可能となる。
このように、顕著な軽量化、すなわち鋼材使用量の顕著な削減が図られる上に、局部座屈応力度の特別に大幅な上昇と、断面二次モーメント及び断面係数の特に縦側での大幅な上昇を実現できる。
[実施例B4]
実施例B4は、サイズが□180x126x1.0である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが200.0、横側の幅厚比B/tは140.0である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.300、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bは0.200である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
また、前記CA1/A(=0.300)は式(5)を満たす。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が54mm、下側のコーナー長CA2が1.8mmである。CA2=1.8mmは式(7)を満たす。
横側は上側のコーナー長CB1が25.2mm、下側のコーナー長CB2は1.8mmである。CB2=1.8mmは式(8)を満たす。また、式(2)を満たす。
上記の通り実施例B4は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たし、式(5)、(7)、(8)を満たす。すなわち、請求項5の条件をすべて満たす。
なお、この実施例では、下側のコーナー部の縦側及び横側のコーナー長(CA2、CB2)をいずれも1.8mm(板厚の約2倍)と小さいので、このコーナー部は一般的な角形鋼管のコーナー部と同様な直角形状となっており、したがって、この実施例では全体形状が六角形となっている。
この実施例B4の断面性能等は、断面積511mm、断面二次モーメントIA=2,313,879mm、IB=1,327,891mm、断面係数ZA=18,458mm、ZB=14,084mm、固有値解析による局部座屈応力度140N/mmと計算される。
比較例B0と本発明実施例B4の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例B4は、断面積が比較例B0の約85%に減少(15%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例B0より大きく上昇(108%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大幅に上昇(115%)し、横側IBも大きく上昇(113%)している。断面係数は縦側ZAは比較例A0より若干上昇(107%)しているが、横側ZBは若干低下(97%)している。
上記の通りであり、実施例B4によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、縦側で大幅に横側でも大きく上昇した断面二次モーメント、及び大きく上昇した局部座屈応力度を得つつ、しかも15%という大幅な軽量化が可能となる。
このように、顕著な軽量化、すなわち鋼材使用量の顕著な削減が図られる上に、断面二次モーメントの特に縦側で大幅な向上、及び局部座屈応力度の大きな上昇を実現できる。
なお、横方向の断面係数ZBは若干低下するが、縦方向の断面係数ZAは十分高いので、それを考慮した用途や設計上の配慮により、対応可能な範囲は広いと言える。
実施例C1〜C4、及び、各実施例に共通の比較例C0について説明する。
[比較例C0]
比較例C0は、サイズが□230x280x18である。
コーナー長CA1=CA2=CB1=CB2=36mm、幅厚比A/t=12.8、B/t=15.6、コーナー長と辺長との比CA1/A=CA2/A=0.157、CB1/B=CB2/B=0.129となっている。
この比較例C0では、式(1)は縦の幅厚比A/tが満たさず、式(2)は満たさず、条件(3)、(4)を満たさない(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たさない)。
比較例C0の断面性能等は、断面積16,195mm、断面二次モーメントIA=124,113,532mm、IB=169,051,617mm、断面係数ZA=1,170,882mm、ZB=11,290,470mm、固有値解析による局部座屈応力度4,998N/mmと計算される。
[実施例C1]
実施例C1は、サイズが□253x308x16である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが15.8、横側の幅厚比B/tは19.3である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.170、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bは0.250である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
また、前記CA1/A(=0.170)は式(5)を満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が43.0mm、下側のコーナー長CA2が40.5mmである。CA2=40.5mmは式(7)を満たす。
横側は上側のコーナー長CB1が77mm、下側のコーナー長CB2は40mmである。CB2=40mmは式(8)を満たす。また、式(2)を満たす。
上記の通り実施例C1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たし、式(5)、(7)、(8)を満たす。すなわち、請求項5の条件をすべて満たす。
この実施例C1の断面性能等は、断面積15,321mm、断面二次モーメントIA=136,816,037mm、IB=188,803,548mm、断面係数ZA=1,187,614mm、ZB=1,293,175mm、固有値解析による局部座屈応力度6,391N/mmと計算される。
比較例C0と本発明実施例C1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例C1は、断面積が比較例B0の約95%に減少(5%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例C0より大幅に上昇(128%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大きく上昇(110%)し、横側IBも大きく上昇(112%)している。断面係数は縦横とも同等である(縦側ZAは101%)、横側ZBは100%)。
上記の通りであり、実施例C1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、断面係数を同等に維持した上、縦側でも横側でも大きく上昇した断面二次モーメント、及び大幅に上昇した局部座屈応力度を得つつ、十分な軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
[実施例C2]
実施例C2は、サイズが□253x308x16.2である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが15.6、横側の幅厚比B/tが19.0である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.750、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.200である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が189.8mm、下側のコーナー長CA2が32.9mmである。すなわち、「CA1>CA2」である(式(2)を満たす)。 横側は上側のコーナー長CB1が61.6mm、下側のコーナー長CB2も61.6mmである。すなわち、「CB1=CB2」である(式(2)を満たす)。したがって、条件(2’)を満たす。
上記の通り実施例C2は、式(1)を満たし、条件(2’)(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項2の条件をすべて満たす。
この実施例C2の断面性能等は、断面積14,787mm、断面二次モーメントIA=128,142,793mm、IB=146,788,468mm、断面係数ZA=1,160,754mm、ZB=1,006,090mm、固有値解析による局部座屈応力度7,964N/mmと計算される。
比較例C0と本発明実施例C2の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例C2は、断面積が比較例C0の約91%に減少(9%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例C0より特別大幅に上昇(159%)し、断面二次モーメントは縦側IAが若干上昇(103%)し、横側IBは低下(87%)している。断面係数は縦側ZAは比較例C0と同程度(99%)、横側ZBは低下(78%)している。
上記の通りであり、実施例C2によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、特別大幅に上昇した局部座屈応力度と若干上昇した縦側の断面二次モーメントを得つつ、充分な軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
なお、横側の断面二次モーメント及び断面係数ZBは低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例C3]
実施例C3は、サイズが□264.5x322x16.0である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが16.5、横側の幅厚比B/tが20.1である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.350、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.300である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が92.6mm、下側のコーナー長CA2が171.9mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が96.6mm、下側のコーナー長CB2が41.86mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
上記の通り実施例A1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。実施例C3はまた、式(6)も満たしている。
この実施例C3の断面性能等は、断面積14,964mm、断面二次モーメントIA=136,360,844mm、IB=162,694,279mm、断面係数ZA=1,164,090mm、ZB=1,063,361mm、固有値解析による局部座屈応力度11,710N/mmと計算される。
比較例C0と本発明実施例C3の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例C3は、断面積が比較例C0の約92%に減少(8%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例C0より特別大幅に上昇(234%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大きく上昇(110%)し、横側IBは若干低下(96%)している。断面係数は縦側ZAは比較例C0と同程度(99%)、横側ZBは低下(82%)している。
上記の通りであり、実施例C3によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、特別大幅に上昇した局部座屈応力度と大きく上昇した縦側の断面二次モーメントを得つつ、充分な軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
なお、横側の断面二次モーメント及び断面係数ZBが低下するが、梁などの曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例C4]
実施例C4は、サイズが□253x308x16.0である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが15.8、横側の幅厚比B/tは19.3である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.350、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bは0.300である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
また、前記CA1/A(=0.350)は式(5)を満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が88.55mm、下側のコーナー長CA2が32mmである。CA2/=32mmは(7)式を満たす。
横側は上側のコーナー長CB1が92.4mm、下側のコーナー長CB2は32mmである。CB2=32mmは(8)式を満たす。また、式(2)を満たす。
上記の通り実施例C4は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たし、式(5)、(7)、(8)を満たす。すなわち、請求項5の条件をすべて満たす。
この実施例C4の断面性能等は、断面積14,809mm、断面二次モーメントIA=124,883,883mm、IB=170,616,357mm、断面係数ZA=1,170,663mm、ZB=1,168,605mm、固有値解析による局部座屈応力度6,118N/mmと計算される。
比較例C0と本発明実施例C4の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例C4は、断面積が比較例C0の約91%に減少(9%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例C0より大幅に上昇(122%)し、断面二次モーメントは縦側横側とも同等(101%)、断面係数は縦側ZAは同等(100%)、横側ZBは低下(91%)している。
上記の通りであり、実施例C4によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、大幅に上昇した局部座屈応力度を得つつ、縦側横側の断面二次モーメント及び縦側の断面係数を同等に維持しつつ、充分な軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
なお、横側の断面係数ZBは低下するが、梁などの曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
なお、曲げ材として用いる場合、曲げ力の作用する方向である縦方向の寸法(縦辺長)を横辺長より大きい縦長断面形状とするのが、曲げに対する所望の断面性能を小さい断面積で得るために有効であるが、縦辺長に制約のある箇所に用いる場合は、その縦辺長を短くする制約の下で、所望の断面性能を極力小さい断面積で得ることが望まれる。C1〜C4の実施例の角形鋼管は、そのような場合に採用して好適である。
実施例D1、D2、及び、各実施例に共通の比較例D0について説明する。
[比較例D0]
比較例D0は、サイズが□150x50x1.6である。
コーナー長CA1=CA2=CB1=CB2=3.2mm、
幅厚比A/t=93.8、B/t=31.3、
コーナー長と辺長との比CA1/A=CA2/A=0.021、CB1/B=CB2/B=0.064となっている。
この比較例D0では、式(1)は満たすが、式(2)は満たさず、条件(3)、(4)を満たさない(縦側は式(3)、(4)の幅厚比領域で、横側は式(3)、(4)の幅厚比領域でいずれも満たさない)
比較例D0の断面性能等は、断面積623mm、断面二次モーメントIA=1,685,970mm、IB=304,270mm、断面係数ZA=22,722mm、ZB=12,573mm、固有値解析による局部座屈応力度620N/mmと計算される。
[実施例D1]
実施例D1は、サイズが□170x70x1.3である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが130.8、横側の幅厚比B/tは53.8である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.100、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bは0.250である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
また、前記CA1/A(=0.100)は式(5)を満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が17mm、下側のコーナー長CA2が2.6mmである。CA2=2.6mmは(7)式を満たす。
横側は上側のコーナー長CB1が17.5mm、下側のコーナー長CB2は2.6mmである。CB2=2.6mmは(8)式を満たす。また、式(2)を満たす。
上記の通り実施例D1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たし、式(5)、(7)、(8)を満たす。すなわち、請求項5の条件をすべて満たす。
この実施例D1の断面性能等は、断面積588mm、断面二次モーメントIA=2,072,207mm、IB=544,778mm、断面係数ZA=25,618mm、ZB=15,860mm、固有値解析による局部座屈応力度639N/mmと計算される。
比較例D0と本発明実施例D1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例D1は、断面積が比較例B0の約94%に減少(6%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例D0より若干上昇(103%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大幅に上昇(123%)し、横側IBは特に大幅に上昇(179%)している。断面係数は縦側ZAは比較例D0より大きく上昇(113%)、横側ZBは大幅に上昇(126%)している。
上記の通りであり、実施例D1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、縦側で大幅に横側では特に大幅に上昇した断面二次モーメント、及び縦側で大きく横側では大幅に上昇した断面係数、及び若干上昇した局部座屈応力度を得つつ、すなわちすべての断面性能を向上させつつ、充分な軽量化が可能となり、断面効率が向上する。
[実施例D2]
実施例D2は、サイズが□175x65x1.3である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが134.6、横側の幅厚比B/tが50.0である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.150、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.250である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が26.3mm、下側のコーナー長CA2は8.8mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が16.25mm、下側のコーナー長CB2が6.5mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
上記の通り実施例D2は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。
この実施例D2の断面性能等は、断面積577mm、断面二次モーメントIA=2,046,730mm、IB=455,357mm、断面係数ZA=24,432mm、ZB=14,297mm、固有値解析による局部座屈応力度871N/mmと計算される。
比較例D0と本発明実施例D2の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例D2は、断面積が比較例D0の約93%に減少(7%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例D2より特に大幅に上昇(140%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大幅に上昇(121%)、横側IBは特に大幅に上昇(150%)となっている。断面係数は縦側ZAが大きく上昇(108%)、横側ZBも大きく上昇(114%)している。
上記の通りであり、実施例D2によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、縦側、横側とも大幅に上昇した断面二次モーメント、及び特別大幅に上昇した局部座屈応力度を得、さらに、縦側、横側とも大きく上昇した断面係数も得つつ、すなわち、すべての断面性能を向上させつつ、充分な軽量化が可能となり、断面効率が向上する。
実施例E1、E2、及び、各実施例に共通の比較例E0について説明する。
[比較例E0]
比較例E0は、サイズが□150x200x2.3である。コーナー長CA1=CA2=CB1=CB2=4.6mm、幅厚比A/t=65.2、B/t=87.0、コーナー長と辺長との比CA1/A=CA2/A=0.031、CB1/B=CB2/B=0.023となっている。
この比較例E0では、式(1)は満たすが、式(2)は満たさず、条件(3)、(4)を満たさない(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たさない)。
比較例E0の断面性能等は、断面積1,575mm、断面二次モーメントIA=6,116,570mm、IB=9,460,675mm、断面係数ZA=54,537mm、ZB=63,020mm、固有値解析による局部座屈応力度138N/mmと計算される。
[実施例E1]
実施例E1は、サイズが□195x180x1.8である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが108.3、横側の幅厚比B/tが100.0である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.218、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.100である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が42.5mm、下側のコーナー長CA2が34.0mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が18mm、下側のコーナー長CB2が10.5mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
上記の通り実施例E1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。
この実施例E1の断面性能等は、断面積1,255mm、断面二次モーメントIA=7,319,531mm、IB=6,342,932mm、断面係数ZA=56,067mm、ZB=51,784mm、固有値解析による局部座屈応力度168N/mmと計算される。
比較例E0と本発明実施例E1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例E1は、断面積が比較例E0の約80%に減少(20%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例E0より大幅に上昇(122%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大幅に上昇(120%)、横側IBは大幅低下(67%)となっている。断面係数は縦側ZAが若干上昇(103%)、横側ZBは低下(82%)している。
上記の通りであり、実施例E1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、縦側について大幅上昇した断面二次モーメント、若干上昇した断面係数を得、かつ大幅に上昇した局部座屈応力度を得つつ、20%という大幅な軽量化が可能となり、断面効率の向上が特に大である。
なお、横側の断面二次モーメント及び断面係数ZBが低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例E2]
実施例E2は、サイズが□180x210x1.9である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが94.7、横側の幅厚比B/tが110.5である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.600、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.200である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が108.0mm、下側のコーナー長CA2が36.0mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が42mm、下側のコーナー長CB2が10.5mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
上記の通り実施例E1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。
この実施例E2の断面性能等は、断面積1,306mm、断面二次モーメントIA=6,518,554mm、IB=7,328,351mm、断面係数ZA=67,465mm、ZB=59,376mm、固有値解析による局部座屈応力度226N/mmと計算される。
比較例E0と本発明実施例E2の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例E2は、断面積が比較例E0の約83%に減少(17%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例E0より大幅に上昇(164%)し、断面二次モーメントは縦側IAが若干上昇(107%)、横側IBは大幅低下(77%)となっている。断面係数は縦側ZAが大幅上昇(124%)、横側ZBは若干低下(94%)している。
上記の通りであり、実施例E2によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、縦側について若干上昇した断面二次モーメント、大幅に上昇した断面係数を得、かつ特に大幅に上昇した局部座屈応力度を得つつ、17%という大幅な軽量化が可能となり、断面効率の向上が特に大である。
なお、横側の断面二次モーメント及び断面係数ZBが低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
実施例F1、及びその比較例F0について説明する。
[比較例F0]
比較例F0は、サイズが□450x500x7.5である。
コーナー長CA1=CA2=CB1=CB2=15mm、幅厚比A/t=60.0、B/t=66.7、コーナー長と辺長との比CA1/A=CA2/A=0.033、CB1/B=CB2/B=0.030となっている。
この比較例F0では、式(1)は満たすが、式(2)は満たさず、条件(3)、(4)を満たさない(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たさない)。
比較例F0の断面性能等は、断面積13,874mm、断面二次モーメントIA=462,438,014mm、IB=542,534,909mm、断面係数ZA=2,090,115mm、ZB=2,203,187mm、固有値解析による局部座屈応力度234N/mmと計算される。
[実施例F1]
実施例F1は、サイズが□550x550x6.6である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが83.3、横側の幅厚比B/tも83.3である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.450、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.270である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が247.5mm、下側のコーナー長CA2が55.0mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が148.5mm、下側のコーナー長CB2が82.5mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
上記の通り実施例F1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。
この実施例F1の断面性能等は、断面積12,450mm、断面二次モーメントIA=526,209,188mm、IB=501,904,027mm、断面係数ZA=2,124,115mm、ZB=1,847,273mm、固有値解析による局部座屈応力度622N/mmと計算される。
比較例F0と本発明実施例F1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例F1は、断面積が比較例F0の約90%に減少(10%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例F0の2.5倍以上と特別大幅に上昇(266%)し、断面二次モーメントは縦側IA大きく上昇(114%)、横側IBは若干低下(93%)している。断面係数は縦側ZAはF0と同等(102%)、横側ZBは低下(84%)である。
上記の通りであり、実施例F1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、縦側について大きく上昇した断面二次モーメント、同程度の断面係数を得、かつ特別大幅に上昇した局部座屈応力度を得つつ、10%の軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
なお、横側の断面二次モーメント及び断面係数ZBが低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
実施例G1、G2.及び、各実施例に共通の比較例G0について説明する。
[比較例G0]
比較例G0は、サイズが□400x350x12である。
コーナー長CA1=CA2=CB1=CB2=24mm、幅厚比A/t=33.3、B/t=29.2、コーナー長と辺長との比CA1/A=CA2/A=0.060、CB1/B=CB2/B=0.069となっている。
この比較例G0では、式(1)は満たすが、式(2)は満たさず、条件(3)、(4)を満たさない(縦側は式(3)、(4)の幅厚比領域で、横側は式(3)、(4)の幅厚比領域で、いずれも満たさない)。
比較例G0の断面性能等は、断面積17,038mm、断面二次モーメントIA=407,165,648mm、IB=331,816,800mm、断面係数ZA=2,098,792mm、ZB=1,963,413mm、固有値解析による局部座屈応力度1,265N/mmと計算される。
[実施例G1]
実施例G1は、サイズが□480x380x10である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが48.0、横側の幅厚比B/tは38.0である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.450、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.270である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が216.0mm、下側のコーナー長CA2が48mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が102.6mm、下側のコーナー長CB2が57mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
上記の通り実施例G1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。
この実施例G1の断面性能等は、断面積14,663mm、断面二次モーメントIA=438,024,643mm、IB=289,197,024mm、断面係数ZA=2,021,358mm、ZB=1,563,227mm、固有値解析による局部座屈応力度2,539N/mmと計算される。
比較例G0と本発明実施例G1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例G1は、断面積が比較例G0の約86%に減少(14%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例G0の約2倍と特別大幅に上昇(201%)し、断面二次モーメントは縦側IAは大きく上昇(108%)、横側IBは低下(87%)している。断面係数は縦側ZAは若干低下(96%)、横側ZBは低下(80%)である。
上記の通りであり、実施例G1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、横側の断面二次モーメント及び断面係数が低下し、また縦側の断面係数も若干低下しているが、縦側について大きく上昇した断面二次モーメントを得、特別大幅に上昇した局部座屈応力度を得つつ、14%という大幅な軽量化が可能となり、断面効率の向上が特に大である。
なお、横側の断面二次モーメント及び断面係数ZBが低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例G2]
実施例G2は、サイズが□520x400x9である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが57.8、横側の幅厚比B/tは44.4ある。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.550、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bが0.290である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が286.0mm、下側のコーナー長CA2が78mmである。
横側は上側のコーナー長CB1が116mm、下側のコーナー長CB2が60mmである。すなわち、「CB1>CB2」であり、式(2)を満たす。
上記の通り実施例G2は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす。
すなわち、請求項1の条件をすべて満たす。
この実施例G2の断面性能等は、断面積13,891mm、断面二次モーメントIA=475,961,004mm、IB=283,199,145mm、断面係数ZA=2,030,078mm、ZB=1,448,589mm、固有値解析による局部座屈応力度1,579N/mmと計算される。
比較例G0と本発明実施例G2の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例G2は、断面積が比較例G0の約82%に減少(18%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例G0より大幅に上昇(125%)し、断面二次モーメントは縦側IAが大幅に上昇(117%)、横側IBは低下(85%)している。断面係数は縦側ZAは若干低下(97%)、横側ZBは大幅低下(74%)である。
上記の通りであり、実施例G2によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、縦側について大幅に上昇した断面二次モーメントを得、大幅に上昇した局部座屈応力度を得つつ、18%という大幅な軽量化が可能となり、断面効率の向上が大である。
なお、横側の断面二次モーメント及び断面係数ZBが低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
実施例H1、H2、及び、各実施例に共通の比較例H0について説明する。
[比較例H0]
比較例H0は、サイズが□120x90x2.3である。
コーナー長CA1=CA2=CB1=CB2=4.6mm、幅厚比A/t=52.2、B/t=39.1、コーナー長と辺長との比CA1/A=CA2/A=0.038、CB1/B=CB2/B=0.051となっている。
この比較例H0では、式(1)は満たすが、式(2)は満たさず、条件(3)、(4)を満たさない(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たさない)。
この比較例H0の断面性能等は、断面積931mm、断面二次モーメントIA=1,972,129mm、IB=1,271,748mm、断面係数ZA=33,511mm、ZB=29,002mm、固有値解析による局部座屈応力度679N/mmと計算される。
[実施例H1]
実施例H1は、サイズが□130x100x2.0である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが65.0、横側の幅厚比B/tは50.0である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.190、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bは0.130である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
また、前記CA1/A(=0.190)は式(5)を満たす)。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が24.7mm、下側のコーナー長CA2が4.0mmである。CA2=4.0mmは(7)式を満たす。
横側は上側のコーナー長CB1が13mm、下側のコーナー長CB2は4.0mmである。CB2=4mmは(8)式を満たす。また、式(2)を満たす。
上記の通り実施例H1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たし、式(5)、(7)、(8)を満たす。すなわち、請求項5の条件をすべて満たす。
なお、この実施例では、下側のコーナー部の縦側及び横側のコーナー長(CA2、CB2)が小さく、通常の角形鋼管のコーナー部と同様な直角コーナー部となっている。
この実施例H1の断面性能等は、断面積858mm、断面二次モーメントIA=2,093,705mm、IB=1,399,286mm、断面係数ZA=33,987mm、ZB=28,557mm、固有値解析による局部座屈応力度771N/mmと計算される。
比較例H0と本発明実施例H1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例H1は、断面積が比較例H0の約92%に減少(8%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例H0より大きく上昇(114%)し、断面二次モーメントは縦側IAが若干上昇(106%)し、横側IBは大きく上昇(110%)している。断面係数は縦横とも同等(ZA=101%、ZB=98%)である。
上記の通りであり、実施例H1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、大きく上昇した局部座屈応力度、横側の断面二次モーメントを得つつ、他の断面性能を殆んど損なわずに、8%の軽量化が可能となり、断面効率が向上する。
[実施例H2]
実施例H2は、サイズが□130x95x2.0である。
幅厚比は、縦側の幅厚比A/tが65.0、横側の幅厚比B/tは47.5である。したがって、式(1)を満たす。
コーナー長と辺長との比は、上側のコーナー部の縦側のコーナー長と辺長との比CA1/Aが0.150、横側のコーナー長と辺長との比CB1/Bは0.090である。したがって、条件(3)、(4)を満たす(式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。
また、前記CA1/A(=0.150)は式(5)を満たす。
コーナー長は、縦側は上側のコーナー長CA1が19.5mm、下側のコーナー長CA2が4.0mmである。CA2=4.0mmは(7)式を満たす。
横側は上側のコーナー長CB1が8.55mm、下側のコーナー長CB2は4.0mmである。CB2=4.0mmは(8)式を満たす。また、式(2)を満たす。
上記の通り実施例H2は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たし、式(5)、(7)、(8)を満たす。すなわち、請求項5の条件をすべて満たす。
なお、この実施例では、下側のコーナー部の縦側及び横側のコーナー長(CA2、CB2)が小さく、通常の角形鋼管のコーナー部と同様な直角コーナー部となっている。
この実施例H2の断面性能等は、断面積850mm、断面二次モーメントIA=2,073,528mm、IB=1,283,547mm、断面係数ZA=33,131mm、ZB=27,603mm、固有値解析による局部座屈応力度697N/mmと計算される。
比較例H0と本発明実施例H2の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例H2は、断面積が比較例H0の約91%に減少(9%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例H0より若干上昇(103%)し、断面二次モーメントは縦側IAが若干上昇(105%)し、横側IBは同等(101%)である。断面係数は縦側は同等(99%)、横側は若干低下(95%)である。
上記の通りであり、実施例H2によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、若干低下する横側の断面係数以外の他の断面性能を同等以上に確保しながら、充分な軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
この実施例以下では、比較例及び実施例の各数値は表を参照することとして、実施例が満たす式、条件を述べ、実施例と比較例との対比について説明する。
[実施例I1]
実施例I1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たし((式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)、式(5)、(7)、(8)を満たす。すなわち、請求項5の条件をすべて満たす。
なお、この実施例では、下側のコーナー部の縦側及び横側のコーナー長(CA2、CB2)が小さく、通常の角形鋼管のコーナー部と同様な直角コーナー部となっている。
比較例I0と本発明実施例I1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例I2は、断面積が比較例I0の約93%に減少(7%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例I0と同等(102%)で、断面二次モーメントは縦側IAが大きく上昇(110%)し、横側IBは若干上昇(105%)している。断面係数は縦横とも同等である(101%、98%)である。
上記の通りであり、実施例I1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、僅かに低下する横側の断面係数以外の他の断面性能を同等以上に確保しながら、充分な軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
[実施例J1]
実施例J1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす((式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。すなわち、請求項1の各式、条件をすべて満たす。
比較例J0と本発明実施例J1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例J1は、断面積が比較例J0の約97%に減少(3%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例J0より2倍以上と特に大幅に上昇(201%)し、断面二次モーメントは縦横とも大きく上昇(いずれも109%)し、断面係数は縦横とも若干上昇ないし同等(103%、102%)である。
上記の通りであり、実施例J1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、断面性能の低下を伴うことなしに、特別大幅に上昇した局部座屈応力度と、大きく上昇した断面二次モーメントを得つつ、若干の軽量化が可能となり、断面効率が向上する。
[実施例K1]
実施例K1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす((式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。すなわち、請求項1の各式、条件をすべて満たす。
比較例K0と本発明実施例K1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例K1は、断面積が比較例K0の約92%に減少(8%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例K0より大幅に上昇(145%)し、断面二次モーメントは縦側は若干上昇(104%)し、横側は低下(89%)している。断面係数は縦側は同等(101%)、横側は低下(82%)している。
上記の通りであり、実施例K1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、大幅に上昇した局部座屈応力度と、若干上昇した縦側の断面二次モーメントを得つつ、充分な軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
なお、横側の断面二次モーメント及び断面係数ZBは低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例K2]
実施例K2は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす((式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。すなわち、請求項1の各式、条件をすべて満たす。
比較例K0と本発明実施例K2の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例K2は、断面積が比較例K0の約93%に減少(7%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例K0より大幅に上昇(122%)し、断面二次モーメントは縦側は若干上昇(107%)し、横側は同等(98%)である。断面係数は縦側は同等(101%)、横側は低下(92%)している。
上記の通りであり、実施例K2によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、大幅に上昇した局部座屈応力度と、若干上昇した縦側の断面二次モーメントを得つつ、充分な軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
なお、横側の断面係数ZBは若干低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例K3]
実施例K3は、表式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす((式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。すなわち、請求項1の各式、条件をすべて満たす。
比較例K0と本発明実施例K3の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例K2は、断面積が比較例K0の約94%に減少(6%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例K0の約2.5倍程度と特別大幅に上昇(247%)し、断面二次モーメントは縦側は若干上昇(103%)し、横側は同等(93%)である。断面係数は縦側は同等(101%)、横側は低下(82%)している。
上記の通りであり、実施例K3によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、特別大幅に上昇した局部座屈応力度と、若干上昇した縦側の断面二次モーメントを得、充分な軽量化を実現でき、断面効率が顕著に向上する。
なお、横側の断面二次モーメント及び断面係数ZBは若干低下するが、梁などの上側からの荷重に起因する曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例L1]
実施例L1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす((式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。すなわち、請求項1の各式、条件をすべて満たす。
比較例L0と本発明実施例L1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例L1は、断面積が比較例L0の約88%に減少(12%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例L0より特別大幅に上昇(179%)し、断面二次モーメントは縦側は若干上昇(104%)し、横側は低下(85%)である。断面係数は縦側は若干上昇(104%)し、横側は低下(74%)である。
上記の通りであり、実施例L1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、特に大幅上昇した局部座屈応力度と、若干上昇した縦側の縦側の断面二次モーメント及び断面係数を得つつ、大幅な軽量化が可能となり、断面効率が特別大幅に向上する。
なお、横側についての断面二次モーメント、及び断面係数が低下するが、梁などの曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例L2]
実施例L2は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす((式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。すなわち、請求項1の各式、条件をすべて満たす。
比較例L0と本発明実施例L2の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例L2は、断面積が比較例L0の約90%に減少(10%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例L0より特別大幅に上昇(174%)し、断面二次モーメントは縦横とも大きく上昇(113%、108%)し、断面係数は縦側は同等(101%)し、横側は低下(91%)である。
上記の通りであり、実施例L2によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、特に大幅上昇した局部座屈応力度と、大きく上昇した縦横の断面二次モーメントを得つつ、充分な軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
なお、横側の断面係数が低下するが、梁などの曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例L3]
実施例L3は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす((式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。すなわち、請求項1の各式、条件をすべて満たす。
比較例L0と本発明実施例L3の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例L3は、断面積が比較例L0の約90%に減少(10%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例L0より大幅に上昇(126%)し、断面二次モーメントは縦側は大幅上昇(114%)し、横側は同等(102%)であり、断面係数は縦側は同等(102%)、横側は低下(87%)である。
上記の通りであり、実施例L3によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、大幅に上昇した局部座屈応力度と、大きく上昇した縦側の断面二次モーメントを得つつ、充分な軽量化が可能となり、断面効率が顕著に向上する。
なお、横側の断面係数が低下するが、梁などの曲げ力を受ける部材の用途であれば、悪影響のない使用が可能である。
[実施例M1]
実施例M1は、式(1)、(2)を満たし、条件(3)、(4)を満たす((式(3)、(4)の幅厚比領域で満たす)。すなわち、請求項1の各式、条件をすべて満たす。
比較例M0と本発明実施例M1の断面積、断面二次モーメント、断面係数、局部座屈応力度をそれぞれ比較すると、実施例M1は、断面積が比較例M0の約86%に減少(14%軽量化)し、局部座屈応力度は比較例M0より若干上昇(104%)し、断面二次モーメントは縦側横側とも大幅上昇(118%、117%)し、断面係数は縦横とも同等(100%、99%)である。
上記の通りであり、実施例M1によれば、STKR400などの通常断面の角形鋼管と比較して、横側の断面係数に極めて僅かな低下はあるが、若干上昇した局部座屈応力度と、大幅に上昇した縦側・横側の断面二次モーメントを得つつ、他は同等以上を確保して、大幅な軽量化が可能となり、断面効率が特に大幅に向上する。
上述の各実施例は、角形鋼管の場合であり、鋼材の設計用降伏応力度(F)が235N/mmのものを使用しているが、角形鋼管の場合に、必要に応じて、鋼材の設計用降伏応力度(F)が235〜325N/mmのものを使用することができ、用途によってはその下側の範囲の205〜325N/mm、あるいは上側の範囲325〜375N/mmのものを用いることができる。
上述の説明では、コーナー部が直線状の角形鋼管について説明したが、コーナー部が円弧等の弧状の角形鋼管にも適用できる。
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Claims (7)

  1. コーナー部に直線状または弧状の断面形状を有する左右対称断面の、曲げ力を受ける部材に用いる角形鋼管であって、
    その断面の縦辺長A又は横辺長Bと板厚tとの比である幅厚比(A/t又はB/t)をxとした場合に式(1)を満たし、
    かつ、コーナー部において接続する辺と平行な方向のコーナー長のうち、
    横方向のコーナー長の一方をCB1、対向するもう一方をCB2
    前記CB1に隣り合う縦方向のコーナー長をCA1、前記CB2に隣り合う縦方向のコー ナー長をCA2とした場合に、
    式(2)を満たし、
    かつ、式(3)又は(3)のいずれか一方を満たすという条件(3)を満たし、
    かつ、式(4)又は(4)のいずれか一方を満たすという条件(4)を満たすことを特徴とする角形鋼管。
    15.6≦x≦200 ・・・・・・(1)
    B1>CB2 ・・・・・・・・・・(2)
    条件(3)15.6≦x<31.7 において、
    -0.0054x+0.2561 ≦(CA1/A)≦(A-2t)/A ・・・(3
    31.7≦x≦200 において、
    0.085≦(CA1/A)≦(A-2t)/A ・・・(3
    条件(4)15.6≦x<31.7 において、
    -0.0054x+0.2561 ≦(CB1/B)≦0.300 ・・・(4
    31.7≦x≦200 において、
    0.085≦(CB1/B)≦0.300 ・・・(4
  2. 式(2)に代えて、式(2)を満たしかつ式(2)を満たすという条件(2’)を満たすことを特徴とする請求項1記載の角形鋼管。
    B1=CB2 ・・・・・・・・(2
    A1>CA2 ・・・・・・・・(2
  3. 式(5)を満たすことを特徴とする請求項1又は2記載の角形鋼管。
    0.085≦(CA1/A)<0.50 ・・・・・(5)
  4. 式(6)を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項の角形鋼管。
    A1+CA2=A ・・・・・・・・・・・・・・・(6)
  5. 式(5)を満たし、
    かつ、式(7)、(8)を満たすことを特徴とする請求項1記載の角形鋼管。
    0.085≦(CA1/A)≦0.50 ・・・・・・(5)
    (2t/A)×0.5≦(CA2/A)≦(2t/A)×1.5・・・(7)
    (2t/A)×0.5≦(CB2/B)≦(2t/B)×1.5・・・(8)
  6. 使用する鋼材の設計用降伏応力度をF(N/mm)とした場合に、式(9)を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の角形鋼管。
    205≦F≦375・・・・・・・・・・・・・・(9)
  7. 式(10)、(11)を満たすことを特徴とする請求項6に記載の角形鋼管。
    15.6≦(A/t)≦1,100/√F ・・・(10)
    15.6≦(B/t)≦740/√F ・・・・(11)
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