JP2015193554A - フェノール性ヒドロキシ基を有する芳香族複素環化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
[1] 工程(1)〜(3)を行うフェノール性ヒドロキシ基を有する芳香族複素環化合物の製造方法。
工程(1):ルイス酸化合物とチオール化合物とを混合し、混合物(Q)を得る工程
工程(2):エーテル構造を有する芳香族複素環化合物と溶媒とを混合し、混合物(R)を得る工程
工程(3):混合液(Q)に、混合液(R)を加え、混合する工程
[2] 工程(3)における混合する温度が、−15〜120℃である[1]に記載の芳香族複素環化合物の製造方法。
[3] ルイス酸化合物が塩化アルミニウムである[1]又は[2]に記載の芳香族複素環化合物の製造方法。
[4] チオール化合物が式(C)で表される化合物である[1]〜[3]のいずれかに記載の芳香族複素環化合物の製造方法。
[式中、R0は炭素数1〜31のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよい。]
[5] エーテル基を有する芳香族複素環化合物が、芳香族複素環が有する炭素原子−酸素原子−1級炭素原子又は芳香族複素環が有する炭素原子−酸素原子−2級炭素原子で表される構造を有する化合物である[1]〜[4]のいずれかに記載の芳香族複素環化合物の製造方法。
[6] エーテル基を有する芳香族複素環化合物が式(B)で表される化合物であり、フェノール性ヒドロキシ基を有する芳香族複素環化合物が式(A)で表される化合物である[1]〜[4]のいずれかに記載の芳香族複素環化合物の製造方法。
[式中、Q1は、−CR1R2−、−S−、−NR1−、−CO−又は−O−を表す。Y1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Z1及びZ2は、それぞれ独立に、アルキル基を表す。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
ルイス酸化合物の使用量は、芳香族複素環化合物が有するフェノール性ヒドロキシ基1モルに対して1〜10モルが好ましく、1〜8モルがより好ましく、1〜5モルがさらに好ましい。
溶媒としては、ルイス酸化合物に対して不活性なものであれば、特に制限されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、フェノール、クロロベンゼン及び、ニトロベンゼン等の芳香族溶媒、並びに、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素及び、トリクロロエタン等の含ハロゲン溶媒が挙げられる。好ましくは、トルエン、キシレン、クロロベンゼン及び、これらの混合溶媒であり、より好ましくは、クロロベンゼンである。溶媒には、これらの溶媒を単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。これらの溶媒は、ルイス酸化合物の溶解性が高く、取り扱いが容易なため好ましい。
混合は、ルイス酸化合物が溶解するまで行うのが好ましい。
[式中、R0は炭素数1〜31のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる炭素原子は、酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよい。]
R0としては、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、エイコシル基、ヘントリアコンチル基等が挙げられる。
工程(2)で用いられる溶媒は、ルイス酸化合物に不活性なものであれば、特に制限されないが、好ましくは、エーテル構造を有する芳香族複素環化合物の溶解性が高い溶媒である。工程(1)において、溶媒を用いた場合には、該溶媒と同一であると好ましい。
具体的には、前記した溶媒と同じものが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、複数組合わせて用いてもよい。
2級炭素を構成する基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基及び、オクチル基等が挙げられる。
3級炭素を構成する基としては、イソプロピル基、sec−ブチル基等が挙げられる。
4級炭素を構成する基としては、tert-ブチル基等が挙げられる。
芳香族炭素を構成する基としては、フェニル基、ナフチル基及び、ピリジル基等が挙げられる。
[式中、Q1は、−CR1R2−、−S−、−NR1−、−CO−又は−O−を表す。Y1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。Z1及びZ2は、それぞれ独立に、アルキル基を表す。R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
Z1及びZ2はそれぞれ独立に、好ましくはエーテル結合に隣接する炭素原子が1級炭素であるアルキル基、及び、エーテル結合に隣接する炭素原子が2級炭素であるアルキル基である。より好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基及び、ヘキシル基であり、さらに好ましくはメチル基及び、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
[式(Y1−1)〜式(Y1−7)中、Z3は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、−R3、シアノ基、ニトロ基、−SO2R4、−SOR4、−SR4、−OR4、カルボキシ基又は−NR4R5を表す。
V1及びV2は、それぞれ独立に−CO−、−NR1−、−SO2−、又は16族元素を表す。
W1〜W6は、それぞれ独立に、−CH=又は−N=を表す。
R1は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を表す。
aは、0〜5の整数を表す。
bは、0〜3の整数を表す。
cは、0〜2の整数を表す。
a又はbが2以上の整数である場合、複数のZ3は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。
*は結合手を表す。]
[式(Y2−1)〜式(Y2−7)中、Z3、a、b、c及び*は、上記と同じ意味を表す。
J1及びJ2は、それぞれ独立に−CO−、−NR1−、又は16族元素を表す。
L1は、それぞれ独立に、−CH=又は−N=を表す。]
混合は、エーテル構造を有する芳香族複素環化合物が溶解するまで行うのが好ましい。
混合液(R)は、滴下によって加えるのが好ましい。
混合液(R)を加える速度は、通常、混合液(R)全量の0.08〜2質量%/分であり、好ましくは0.15〜2質量%/分である。また、好ましい加える速度は、加えられたエーテル構造を有する芳香族複素環化合物の80モル%以上が、加えられた後1分以内にフェノール性ヒドロキシ基を有する芳香族複素環化合物となる速度であり、より好ましくは10秒以内にフェノール性ヒドロキシ基を有する芳香族複素環化合物となる速度である。
加える時間は、混合液(R)の量と加える速度から決定されるが、通常1〜20時間であり、好ましくは1〜8時間である。
例えば、化合物(B)とルイス酸との反応によって、化合物(A)と、副生成物として式(D)で表される化合物(以下「化合物(D)」という場合がある)を生成することがある。
[式中、Z1、Z2、Q1及びY1は上記と同じ意味を表す。]
[式中、Q1および、Y1は上記と同じ意味を表す。]
使用カラム:Kinetex、2.6μm、C18、100Å、50×4.mm
カラム温度:40℃
移動相:(A液)0.1%(v/v)−TFA/水
(B液)0.1%(v/v)−TFA/アセトニトリル
グラジェンと条件 0min A液98%、B液2%
30min A液0%、B液100%
35min A液0%、B液100%
流量:1.0mL/min
注入量:5μL
検出方法:UV(254nm)
<化合物(A−036)の合成例−1>
化合物(A−036)を以下のスキームにしたがって合成した。
塩化アルミニウム1.65gと、ドデカンチオール2.5gとをクロロベンゼン6gに溶解させた後、60℃に加熱し混合物(Q−1)を得た。一方、化合物(B−036)2gとクロロベンゼン16gとを混合し混合物(R−1)を得た。得られた混合物(Q−1)に、混合物(R−1)を4時間かけて滴下し、さらに3時間攪拌した。得られた混合物についてLC測定を行ったところ、化合物(A−036)のLC面積%は98.52%であり、化合物(D−036)のLC面積%は0%であった。得られた混合物を室温に冷却した後、析出した固形物を濾過し、得られた固形物を1mol/L硫酸とN,N−ジメチルホルムアミドとの混合溶液及び、水で洗浄し、さらに真空乾燥をすることによって、黄色粉末の固形物(1)1.73gを得た。
得られた固形物についてLC測定を行ったところ、化合物(A−036)のLC面積%は98.81%であり、化合物(D−036)のLC面積%は0%であった。
化合物(B−036)を基準とした化合物(A−036)の収率は93.17%であった。なお、収率は、得量とLC面積%とを積し、理論得量で除することで算出した。
得られた固形物(1)の1H−NMR(DMSO):δ(ppm)2.43(s、3H)、2.52(s、3H)、6.71〜6.80(m、2H)、7.00(s、1H)、7.36(s、1H)、7.76(s、1H)、9.58(s、1H)、9.90(s、1H)
<化合物(A−036)の合成例−2>
塩化アルミニウム2.5gと、ドデカンチオール3.8gとをクロロベンゼン6gに溶解させ、混合物(Q−3)を得た。一方、化合物(B−036)3gとクロロベンゼン18gとを混合し、60℃に加熱して混合物(R−3)を得た。得られた混合液(R−3)に、混合物(Q−3)を加えて反応させた。反応後、得られた混合物についてLC測定を行ったところ、化合物(A−036)のLC面積%は78.2%であり、化合物(D−036)のLC面積%は13.1%であった。得られた混合物を、実施例1と同様の方法で精製することによって固形分(2)2.05gを得た。
得られた固形物についてLC測定を行ったところ、化合物(A−036)のLC面積%は85.3%であり、化合物(D−036)のLC面積%は12.8%であった。
化合物(B−036)を基準とした化合物(A−036)の収率は63.53%であった。なお、収率は、得量とLC面積%とを積し、理論得量で除することで算出した。
<化合物(A−001)の合成例−1>
化合物(A−001)を以下のスキームにしたがって合成した。
塩化アルミニウム30.3gと、ドデカンチオール46gとをクロロベンゼン60gに溶解させた後、60℃に加熱し混合物(Q−2)を得た。一方、化合物(B−001)30gとクロロベンゼン180gとを混合し混合物(R−2)を得た。得られた混合物(Q−2)に、混合物(R−2)を4時間かけて滴下し、さらに3時間攪拌した。得られた混合物についてLC測定を行ったところ、化合物(A−001)のLC面積%は98.07%であり、化合物(D−001)のLC面積%は0%であった。得られた混合物を室温に冷却した後、析出した固形物を濾過し、得られた固形物を1mol/L硫酸とN,N−ジメチルホルムアミドとの混合溶液及び、水で洗浄し、さらに真空乾燥することによって、黄色粉末の固形物(3)26.3g得た。
得られた固形物についてLC測定を行ったところ、化合物(A−001)のLC面積%は97.52%であり、化合物(D−001)のLC面積%は0%であった。
化合物(B−001)を基準とした化合物(A−001)の収率は95.12%であった。なお、収率は、得量とLC面積%とを積し、理論得量で除することで算出した。
得られた固形物(2)の1H−NMR(DMSO):δ(ppm)6.65〜6.74(m、2H)、7.21〜7.24(m、1H)、7.77〜7.79(dd、1H)、7.81〜7.83(dd、1H)。
<化合物(A−001)の合成例−2>
塩化アルミニウム5gと、ドデカンチオール7.7gとを、クロロベンゼン10gに溶解させ、混合物(Q−4)を得た。一方、化合物(B−001)5gとクロロベンゼン30gとを混合し、60℃に加熱して混合物(R−4)を得た。得られた混合液(R−4)に、混合物(Q−4)を加えて反応させた。反応後、得られた混合物についてLC測定を行ったところ、化合物(A−001)のLC面積%は77.3%であり、化合物(D−001)のLC面積%は16.7%であった。
Claims (6)
- 工程(1)〜(3)を行うフェノール性ヒドロキシ基を有する芳香族複素環化合物の製造方法。
工程(1):ルイス酸化合物とチオール化合物とを混合し、混合物(Q)を得る工程
工程(2):エーテル構造を有する芳香族複素環化合物と溶媒とを混合し、混合物(R)を得る工程
工程(3):混合液(Q)に、混合液(R)を加え、混合する工程 - 工程(3)における混合する温度が、−15〜120℃である請求項1記載の芳香族複素環化合物の製造方法。
- ルイス酸化合物が塩化アルミニウムである請求項1又は2に記載の芳香族複素環化合物の製造方法。
- エーテル基を有する芳香族複素環化合物が、芳香族複素環が有する炭素原子−酸素原子−1級炭素原子又は芳香族複素環が有する炭素原子−酸素原子−2級炭素原子で表される構造を有する化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族複素環化合物の製造方法。
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JPH07278138A (ja) * | 1994-03-31 | 1995-10-24 | Eli Lilly & Co | ベンゾチオフェン化合物の新規中間体及び製造法 |
JP2010031223A (ja) * | 2007-12-28 | 2010-02-12 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 化合物、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 |
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