JP2015193544A - 葉菜蛋白質由来のace阻害作用を有するペプチド - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、日常の食生活において容易に入手および摂取でき、血圧上昇を抑制することができる、副作用が少なく安全の高い、予防・改善用機能性食品又は食品素材や、飼料を提供することにある。【解決手段】安全性の確認されているケールやアスパラガスなどの葉菜タンパク質を由来とするアンジオテンシン変換酵素阻害活性を有するペプチド、および当該ペプチドを含有するアンジオテンシン変換阻害剤、機能性飲食品、飼料、血圧上昇抑制作用を有する医薬を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、葉菜蛋白質を由来とするペプチドであって、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペプチドに関する。特に、葉菜由来のタンパク質を加熱変性させた後、プロテアーゼを作用させて得られるアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペプチドに関する。さらには、本発明は、当該ペプチドの製造方法、当該ペプチドを含む血圧上昇抑制機能性食品または食品素材、内服剤として、ヒト若しくはヒト以外の動物に与えられる医薬品(動物用治療薬も含む)用、飲食品用、および飼料用またはペットフードの組成物に関する。
高血圧症は生活習慣病の一つである。高血圧症は原因が分かっている二次性高血圧症と原因不明の本態性高血圧症の二つがあるが、日本における高血圧患者の約90%が本態性高血圧である。血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗その他さまざまな因子によって調節されており、なかでも、レニン・アンジオテンシン系は、血圧の制御に関して大きな役割を担っている。肝臓でアンジオテンシノーゲンが合成され、アンジオテンシノーゲンは腎臓で合成されるレニンによってアンジオテンシンIに変換さる。さらにアンジオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンIIへと変換される。アンジオテンシンIIがアンジオテンシンII受容体に結合することで、血管平滑筋が収縮し、結果として血圧が上昇する。高血圧は自覚症状がないため、放置してしまうことが多く、動脈硬化、心臓病、脳卒中等の危険因子である。
前述の高血圧については、これを解消するための医療品が種々提案され、既に数多く市販されている。治療剤としては、腎臓でのナトリウムと水の再吸収を抑制し循環血液量を減少させて血圧を下げる利尿薬、交感神経のa受容体の血管収縮作用を遮断し血管を拡張させ血圧を下げるa遮断薬、交感神経のb受容体の心臓収縮力強化や昇圧ホルモン産生などの作用を遮断して血圧を下げるb遮断薬、カルシウムイオンの細胞内への取り込みを抑制し血管を拡張することで血圧を下げるカルシウム拮抗薬、強力な昇圧ホルモンであるアンジオテンシンIIの生産を減少させ、血圧を下げるアンジオテンシン変換酵素(以下ACEと略すこともある。)阻害薬、昇圧ホルモンであるアンジオテンシンIIが作用する受容体の働きを阻害することで血圧を下げるアンジオテンシンII受容体阻害薬(ARB)が用いられるが、これら医療用合成製剤は、処方箋を必要とするため、簡易には入手できないばかりか、製剤の投与又は服用により種々の副作用を伴うことがある。従って、高血圧の治療に使用される抗高血圧剤として、入手が容易でかつ副作用ができるだけ少ない天然物起源のものが求められている。天然物起源の高血圧の改善剤としては、ACE阻害を示すノリ蛋白質由来ペプチド(非特許文献1、特許文献1)、微細藻類蛋白質由来ペプチド(非特許文献2)、ワカメ蛋白質由来ペプチド(非特許文献3)、イワシ蛋白質ペプチド(非特許文献4)、マグロ蛋白質由来ペプチド(非特許文献5)、マサバ蛋白質由来ペプチド(非特許文献6)、ミルクカゼイン由来ペプチド(非特許文献7)、ニンニク由来ペプチド(非特許文献8)、朝鮮人参蛋白質由来ペプチド(特許文献2)、コムギふすま、大麦糠、コメ糠蛋白質由来ペプチド(特許文献3)、ダイズ蛋白質由来ペプチド(特許文献4、特許文献5)などが知られている。これらACE阻害活性を示すペプチドの他に副交感神経を刺激し血管平滑筋が弛緩され血圧が降下作用を示す杜中葉抽出物、ノルアドレナリンの分泌を抑制し血圧降下作用を示すγ‐アミノ酪酸を配合した特定保健用食品が知られており、これらは特定保健用食品としての承認を得ている。
また、ケールやアスパラガスを由来とする抗高血圧食品も知られている(特許文献6,7)。しかし、これらの有効成分は主にγ―アミノ酪酸、すなわち、GABAである。
特許第2678180号公報 特許第2920829号公報 特開2011−102300号公報 特開2010−248096号公報 特開2010−163400号公報 特開2002−186452号公報 特開2008−50296号公報
マリンバイオテクノロジー、6巻、163頁、1998年 マリンバイオテクノロジー、3巻、305頁、2001年 ジャーナル・ニュートリショナル・バイオケミストリー、11巻、450頁、2000年 日食工誌、41巻、589頁、1994年 Food Chemistry, 118巻、96頁、2010年 Fisheries Science, 70巻、1121頁、2004年 Agric.Biol.Chem., 46巻、1393頁、1983年 ジャーナル・ニュートリショナル・バイオケミストリー、9巻、415頁、1998年
本発明の課題は、日常の食生活において容易に入手および摂取でき、血圧上昇を抑制することができる、副作用が少なく安全の高い、予防・改善用機能性食品又は食品素材や、飼料を提供することにある。
本発明者は、上述の目的を達成するために、葉菜蛋白質由来のペプチドの機能性成分に着目し、鋭意研究を行った結果、特にケールあるいはアスパラガスに含有される蛋白質由来ペプチドに血圧上昇抑制作用があることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明の血圧上昇抑制作用は、ケールあるいはアスパラガス蛋白質由来のペプチドを有効成分することを特徴とするものである。
アスパラガス及びケール由来のペプチドは、そのままあるいは機能性食品、飲料、ペットフードなどの構成成分とすることで高血圧症を予防・改善することができる。
即ち本発明が提供するのは以下の通りである。
[1]葉菜由来のタンパク質を加熱変性させた後、プロテアーゼを作用させて得られるアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペプチド。
[2]葉菜がアスパラガスまたはケールである前記[1]記載のペプチド。
[3]プロテアーゼがバチルス属由来の酵素である前記[1]記載のペプチド。
[4]平均分子量が5000以下である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のペプチド。
[5]以下の工程を有するアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペプチドの製造方法。
(1)葉菜由来のタンパク質を加熱変性させる工程
(2)加熱変性したタンパク質にプロテアーゼを作用させる工程
[6]葉菜がアスパラガスまたはケールである前記[5]記載のペプチドの製造方法。
[7]プロテアーゼがバチルス属由来の酵素である前記[5]記載のペプチドの製造方法。
[8]さらに(3)平均分子量5000以下に分画する工程を含む前記[5]〜[7]のいずれかに記載のペプチドの製造方法。
[9]前記[1]〜[4]のいずれかに記載のペプチド、を有効成分とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
[10] 前記[1]〜[4]のいずれかに記載のペプチドを含有するアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する機能性食品。
[11]前記[1]〜[4]のいずれかに記載のペプチドを含有するアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する飲料。
[12]前記[1]〜[4]のいずれかに記載のペプチドを含有するアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペットフード。
[13] 前記[9]記載のアンジオテンシン変換酵素阻害剤を含有してなる、血圧上昇抑制作用を有する医薬。
本発明のアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペプチド、またはこれを含有する組成物は、体内でアンジオテンシンIを、昇圧作用を持つアンジオテンシンIIに変換するACEの活性を抑制する。従って、血圧上昇抑制剤として有用である。さらに、食経験のある材料から本発明の剤または組成物を製造することが可能であるので、摂取しても安全である。
ケール蛋白質由来ペプチドのラットでの血圧低下作用を示した。 アスパラガス蛋白質由来ペプチドのラットでの血圧低下作用を示した。 カツオ蛋白質由来ペプチドのラットでの血圧低下作用を示した。
本発明で葉菜由来のACE阻害活性を有するペプチドの原料となる蛋白質は、水に可溶性のものであっても水に不溶性のものであっても良い。葉菜は生のものを使用しても良く長期保存に優れた乾燥した粉末状のものを使用してもよいが、生葉菜は保存中に腐敗変質しやすので乾燥粉末を原料に用いる方が好ましい。葉菜として葉菜全体を使用しても良く葉菜汁を除去した廃棄物も使用できる。葉菜に含有される蛋白質にプロテアーゼを作用させペプチドに加水分解することができる。この際未変性蛋白質に直接プロテアーゼを作用することもできるが、加熱あるいは酸性処理することによって変性させた蛋白質にプロテアーゼを作用させる方が効率的にペプチド化できる。
本発明のペプチドの一般的な製造方法は、次のとおりである。
(1)葉菜を粉末化したものに精製水を加え、ミキサーで攪拌した後、濾布で固形分を除去し得られた濾液を減圧濃縮する。
(2)次に、濃縮液にエチルアルコールを加え生じた沈殿物を遠心分離で集める。集めた沈殿物を精製水に懸濁させ、加熱処理してタンパク質変性処理を行う。
(3)変性処理をしたタンパク質に各種プロテアーゼを添加しプロテアーゼを作用させる。
(4)反応後加熱してプロテアーゼの酵素活性を失活させる。
(5)各反応液にエタノールを添加して沈殿物を遠心分離により除去し、上清液を乾固させて、粉末を得る。
上記(5)において本発明のペプチドは上清側に移行することになるが、いわゆるGABAは沈殿物の方へ移行する。
ここで、必要に応じて分子量分画ができる遠心分離を行うことにより(例えば、遠心分離型限外濾過デバイスによる分離)、平均分子量10000以下のペプチドを得ることができ、さらに望ましくは5000以下のペプチドを得ることである。
使用するプロテアーゼの起源としては動植物由来の酵素の他に微生物由来の酵素も使用することができるが、品質の安定性の面で微生物由来の酵素が好ましい。微生物由来酵素のなかでもバチルス属由来酵素が特に好ましい。プロテアーゼ反応の際のpHは中性からアルカリ性が好ましい。反応温度は酵素が失活しない範囲で行うことができるが30℃から60℃が好ましく特に40から50℃が好ましい。
使用する酵素の量は、0.01%から0.5%程度が好ましく、特に0.1〜0.2%程度が好ましい。
反応時間としては、用いる酵素の量にもよるが6〜20時間である。製造工程の作業効率を考慮すると15から18時間が好ましい。以上の条件は酵素反応によって遊離されるACE阻害活性を測定することによって決定すれば良い。
酵素反応は葉菜の水抽出物(濾液)を用いても良く、固形分をホモゲナイズしたものに直接酵素を添加して反応を行ってもよい。
酵素反応によって遊離したACE阻害活性を有するペプチドの調製法としては酵素反応後に添加した酵素を加熱処理あるいは酸、アルカリ性にして失活させた後濾過あるいは遠心分離によりACE阻害活性ペプチドを含有する水溶液を得ることができる。この液を直接ACE活性阻害物として用いることもできるが凍結乾燥、減圧乾燥あるいはスプレードライ化して粉末を得ることもできる。長期保存のためには粉末化する方が好ましい。前記のACE阻害活性ペプチドを含有する水溶液にエタノール等の有機溶媒を添加してACE阻害ペプチド以外の成分を沈殿分離して上清を得、減圧濃縮して精製したACE阻害活性を示すペプチドを得ることもできる。更にイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーなどによって精製した高純度ペプチドを得ることもできる。
本発明の血圧上昇抑制剤は、アスパラガスあるいはケール由来のペプチドを有効成分として含有するACE阻害作用を有する剤および組成物である。上記の化合物の含有量は限定されないが、血圧上昇抑制作用を発揮できる範囲で含まれていれば良い。
本発明の飲食用組成物は、上記の血圧上昇抑制剤を含有する組成物であり、これらを一般的な食品に混合したものである。また、公知の食品として適当な担体や助剤などを使用してカプセル剤、錠剤、顆粒剤など服用しやすい形態にしたものでもよい。ここに言う飲食用とは、例えば、一般食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)、健康食品、栄養補助食品、ペットフードなどである。ここにいう一般食品とは、飲料、乳製品、発酵乳、乳酸菌飲料、加工乳、コーヒー飲料、ジュース、アイスクリーム、飴、ビスケット、ウェハース、ゼリー、スープ、麺類、を含むがそれに限定されるものではない。好ましくは飲料、乳製品、加工乳、発酵乳、乳酸菌飲料、ウェハース、ゼリーを含む。
本発明の医薬用組成物は、上記の血圧上昇抑制剤を含有する組成物であり、上記剤そのものであってもよいし、所望により医薬的に許容される担体を含有する組成物であってもよい。その用途は限定されず、例えば一般用医薬品(OTC)など容易に入手可能な医薬品又は医薬部外品などが挙げられる。医薬用組成物の形態は限定されず、例えば、丸薬剤、液剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル錠剤、トローチ剤、シロップ剤、ドライシロップ剤などである。好ましくはカプセル剤、液剤、エリクシル、錠剤、カシェ、座薬などとするほうが良い。また医薬的に許容される担体とは、経口、経腸、経皮、および皮下投与のために好適である任意の材料であり、例えば水、ゼラチン、アラビアガム、ラクトース、微結晶性セルロース、スターチ、ナトリウムスターチグリコレート、燐酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、コロイド性二酸化ケイ素などが挙げられる。
アスパラガスあるいはケール由来の該組成物は、血圧上昇抑制剤の有効成分として配合されるが、血圧上昇抑制剤として製剤化する場合、剤形としては、粉末状、顆粒状、錠剤状等、任意の剤形を採用することができる。その際、保存や取り扱いを容易にするために、デキストリン、シクロデキストリン等のキャリヤ、保存料、その他任意の助剤を必要に応じて配合することができる。またその形態は限定されず、飲食用組成物、医薬用組成物を含む。これらの含有量は限定されないが、血圧上昇抑制作用に対して効果が発揮できる範囲で含まれていれば良い。前記血圧上昇抑制剤は、ACEの活性を阻害してアンジオテンシンIIが生成されないようにする。
アスパラガスあるいはケール由来の該組成物は、アンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペプチドを有効成分として含有する本発明の血圧上昇の予防・改善用機能性食品又は食品素材は、前記本発明の血圧上昇の予防・改善剤を飲食品原料の一部として用いたり、あるいは製造工程又は製造後に添加・配合することにより得ることができる。かかる機能性食品としては特に制限されるものではなく、調味類、ふりかけ類、菓子類、スナック類、麺類、魚肉練り製品、乳製品、飲料などを具体的に例示することができる。
以下に実施例を挙げより詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[ACE阻害活性の測定]
以下の試験例および実施例におけるACEの阻害活性の測定方法は以下のとおりである。
ACE阻害活性の測定ACE酵素活性キット(富士レビオ社)の基質溶液150マイクロリットルに、適宜希釈したACE阻害活性を示す溶液5マイクロリットルを添加し、37℃で3分間予備加温した後、ACE(シグマ社のウサギ肺由来の酵素)10マイクロリットルを添加し、37℃で60分間反応を行い、発色剤を含む反応停止液300マイクロリットルを添加した後、500マイクロリットルの精製水を添加し、500nmにおける吸光度を測定した。ACE阻害活性1単位は上記条件下、ACE活性を50%阻害する活性を1単位として定義した。
[試験例1] ケール由来蛋白質の各種プロテアーゼ処理によるACE阻害活性ペプチドの調製
粉末ケール10グラムに200mlの精製水を加え、家庭用ミキサーで攪拌した後、濾布で固形分を除去し得られた濾液170mlを減圧濃縮した。濃縮液30mlに90mlのエチルアルコールを加え生じた沈殿物を遠心分離で集めた。集めた沈殿物を20mlの精製水に懸濁させ、100℃で5分間加熱処理し、表1に示した各種プロテアーゼを0.3%添加し40℃で16時間攪拌しながら反応を行った。反応後100℃で5分間加熱して酵素活性を失活させた。各反応液に3倍量のエタノールを添加して沈殿物を遠心分離(3000回転、5分間)で除去し、上清液をロータリーエバポレーターで乾固させ、粉末を得た。
本粉末を適宜水で希釈し、ACE阻害活性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2015193544
[試験例2]アスパラガス由来蛋白質の各種プロテアーゼ処理によるACE阻害活性ペプチドの調製
粉末アスパラガス10グラムに200mlの精製水を加え、家庭用ミキサーで攪拌した後、濾布で固形分を除去し得られた濾液170mlを減圧濃縮した。濃縮液30mlに90mlのエチルアルコールを加え生じた沈殿物を遠心分離で集めた。集めた沈殿物を20mlの精製水に懸濁させ、100℃で5分間加熱処理し、表1に示した各種プロテアーゼを0.3%添加し40℃で16時間攪拌しながら反応を行った。反応後100℃で5分間加熱して酵素活性を失活させた。各反応液に3倍量のエタノールを添加して沈殿物を遠心分離(3000回転、5分間)で除去し、上清液をロータリーエバポレーターで乾固させ、粉末を得た。
本粉末を適宜水で希釈し、ACE阻害活性を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2015193544
[試験例3]乾燥ケール粉末からのACE阻害を示すペプチドの調製
粉末ケール(ケール葉汁の残渣を乾燥したもの)10グラムに精製水を添加し家庭用ミキサーで均一化した後100℃で5分間加熱し、室温まで冷却した後、0.5mlのプロテアーゼ(ジェネンコア社製、プロテックス7L)を添加し、40℃で18時間反応した。100℃で5分間処理し酵素を失活させた後、濾布で固形分を除去し濾液170mlを得た。濾液を減圧濃縮し20mlの濃縮液を得た。濃縮液に60mlのエチルアルコールを添加し、生じた沈殿物を遠心分離(3000回転、5分)除去した。アルコール上清液を減圧濃縮し固形分を減圧乾燥して1.3gの粉末を得た。
本粉末を適宜水で希釈し、ACE阻害活性を測定した。この標品のACE阻害活性は145単位/mgであった。
[試験例4]乾燥アスパラガス粉末からのACE阻害を示すペプチドの調製
粉末アスパラガス(アスパラガス廃棄物を乾燥したもの)10グラムに200mlの精製水を添加し家庭用ミキサーで均一化した後100℃で5分間加熱し、室温まで冷却した後、0.5mlのプロテアーゼ(ノボ社製、アルカラーゼ)を添加し、40℃で18時間反応した。100℃で5分間処理し酵素を失活させた後、濾布で固形分を除去し濾液160mlを得た。濾液を減圧濃縮し20mlの濃縮液を得た。濃縮液に60mlのエチルアルコールを添加し、生じた沈殿物を遠心分離(3000回転、5分)除去した。アルコール上清液を減圧濃縮し固形分を減圧乾燥して3gの粉末を得た。
本粉末を適宜水で希釈し、ACE阻害活性を測定した。この標品のACE阻害活性は75単位/mgであった。
[実施例1]ケールあるいはアスパラガス由来ペプチドの血圧低下作用の確認試験
1.試験方法
6週齢の高血圧自然発症ラット(SHR、雄性)を用い、1群5匹で試験例3あるいは試験例4で取得した8500単位のACE阻害活性を示すケールあるいはアスパラガス由来ペプチド溶液(0.5ml)を経口投与した。投与前、投与後1時間、2時間、4時間目の血圧を測定した。血圧測定には、マウス・ラット用無加温型非観血式血圧計(BLOOD PRESSURE MONITOR FOR MICE&RAT Model MK-2000)を使用し、ラットの尾動脈収縮期血圧(SBP)を測定した。マウスの尾部をカフで締め付け、Tail - cuff法によりSBPを6回測定し、その平均値を求めた。
2.試験結果
図1にケール蛋白質由来ペプチドの結果を、図2にアスパラガス由来ペプチドの結果を示した。いずれの由来のペプチドにも投与後4時間まで安定した血圧低下作用があることが確認できた。
[参考例1] カツオ由来ペプチドの血圧低下作用の確認試験
6週齢の高血圧自然発症ラット(SHR、雄性)を用い、1群5匹で8500単位のACE阻害活性を示すカツオ由来ペプチド(日本サプリメント株式会社製、商品名:ペプチドエース)溶液(0.5ml)を経口投与した。投与前、投与後1時間、2時間、4時間目の血圧を測定した。血圧測定には、マウス・ラット用無加温型非観血式血圧計(BLOOD PRESSURE MONITOR FOR MICE&RAT Model MK-2000)を使用し、ラットの尾動脈収縮期血圧(SBP)を測定した。マウスの尾部をカフで締め付け、Tail - cuff法によりSBPを6回測定し、その平均値を求めた。
投与後経時的に血圧低下が見られたが、投与後4時間で血圧が再び上昇した。結果を図3に示した。
[実施例2]
試験例3及び試験例4で得られた粉末を1mg/mlになるように水に溶解後、アミコン社の遠心分離型限外濾過デバイス(濾過分子量;5000)に入れ3000回転で30分間遠心分離した。遠心分離前の水溶液および遠心分離後の濾液のACE阻害活性を測定した。結果を表3に示す。
本結果より、ACE阻害活性を有するペプチドは殆ど濾液に回収されたことがわかった。
すなわち、ACE阻害活性を有する成分は、濾液にほぼすべて回収されていることから、沈殿物成分には当該活性はなく、GABAはアルコール不溶性であって沈殿物に回収されるとみられることから、本試験例で確認できたACE阻害活性はGABAによるものではないことがわかる。
Figure 2015193544
[実施例3](飲料の調製)
試験例3で得られたペプチドの粉末1g
蔗糖10g
酸味料0.2g
還元水飴2g
香料0.2g
脱イオン水 100g
以上の組成溶液をガラス瓶に充填し、90℃、15分間殺菌後、密栓し、飲料を調製した。

Claims (13)

  1. 葉菜由来のタンパク質を加熱変性させた後、プロテアーゼを作用させて得られるアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペプチド。
  2. 葉菜がアスパラガスまたはケールである請求項1記載のペプチド。
  3. プロテアーゼがバチルス属由来の酵素である請求項1記載のペプチド。
  4. 平均分子量が5000以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のペプチド。
  5. 以下の工程を有するアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペプチドの製造方法。
    (1)葉菜由来のタンパク質を加熱変性させる工程
    (2)加熱変性したタンパク質にプロテアーゼを作用させる工程
  6. 葉菜がアスパラガスまたはケールである請求項5記載のペプチドの製造方法。
  7. プロテアーゼがバチルス属由来の酵素である請求項5記載のペプチドの製造方法。
  8. さらに(3)平均分子量5000以下に分画する工程を含む請求項5〜7のいずれかに記載のペプチドの製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載のペプチド、を有効成分とするアンジオテンシン変換酵素阻害剤。
  10. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のペプチドを含有するアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する機能性食品。
  11. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のペプチドを含有するアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有する飲料。
  12. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のペプチドを含有するアンジオテンシン変換酵素阻害作用を有するペットフード。
  13. 請求項9記載のアンジオテンシン変換酵素阻害剤を含有してなる、血圧上昇抑制作用を有する医薬。
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CN114698757A (zh) * 2022-05-06 2022-07-05 中国农业科学院农业质量标准与检测技术研究所 富含内源性活性肽的nfc橙汁在ace抑制中的应用

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