JP2015191779A - 二次電池用電極と二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の二次電池用電極の製造方法は、活物質を含むスラリーを集電体8に塗布する塗布工程と、塗布されたスラリーを乾燥して活物質層7を形成する乾燥工程と、乾燥された活物質層7を圧縮する圧縮工程と、を含む。乾燥工程は、スラリーの溶媒を揮発させる本乾燥工程と、本乾燥工程の後に、本乾燥工程よりも高温で、かつ110℃以上300℃以下の温度で加熱する加熱工程とを含む。圧縮工程は少なくとも加熱工程の後に行う。
【選択図】図3
Description
二次電池は、シート状の正極と負極とがセパレータによって隔離されつつ重ね合わされた電池素子(電極積層体)が、電解液とともに外装容器内に封入された構成である。正極は、正極集電箔の片面または両面に正極活物質層が形成されたものであり、負極は、負極集電箔の片面または両面に負極活物質層が形成されたものである。
このような二次電池において充放電を繰り返すと、負極活物質層の表面に固体電解質界面(SEI:Solid Electrolyte Interphase)と呼ばれる不動態皮膜が生成される。SEIは、電解液と電極とが直接接触することを防いで電解液の分解を防ぐ。
特許文献2には、活物質を含むスラリーを集電体に塗布した後に乾燥し、圧縮した後に、熱処理を行うことが記載されている。
特許文献2には、SEIの生成状態を改善することについては全く考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、より安定した不動態皮膜を形成可能な二次電池用電極と二次電池の製造方法を提供することにある。
本発明の二次電池の製造方法は、前記した二次電池用電極の製造方法によって負極を形成し、集電体上に活物質層を形成することによって正極を形成し、負極と正極とを、セパレータを介して積層して電池素子を形成し、電池素子と電解液を、可撓性フィルムからなる外装容器内に収容して封止することを含む。
[二次電池の基本構造]
図1は、本発明を採用した積層型のリチウムイオン二次電池の構成の一例を模式的に示している。本発明のリチウムイオン二次電池100は、正極(正極シート)1と負極(負極シート)6とが、セパレータ20を介して交互に複数層積層された電極積層体(電池素子)を備えている。この電池素子は電解液12と共に、可撓性フィルム30からなる外装容器に収容されている。電池素子の正極1には正極端子11の一端が、負極6には負極端子16の一端がそれぞれ接続されており、正極端子11の他端側および負極端子16の他端側は、それぞれ可撓性フィルム30の外部に引き出されている。図1では、電極積層体を構成する各層の一部(厚さ方向の中間部に位置する層)を図示省略して、電解液を示している。
正極1は、正極集電体3と、その正極集電体3の両面に形成された正極活物質層2とを含み、負極6は、負極集電体8と、その負極集電体8の両面に形成された負極活物質層7とを含む。正極1と負極6のそれぞれの、活物質層2,7が形成されていない未塗布部は、電極端子(正極端子11または負極端子16)と接続するためのタブとして用いられる。正極1の一部である正極タブ同士は正極端子11上にまとめられ、正極端子11とともに超音波溶接等で互いに接続される。負極6の一部である負極タブ同士は負極端子16上にまとめられ、負極端子16とともに超音波溶接等で互いに接続される。そのうえで、正極端子11の他端部および負極端子16の他端部は外装容器の外部にそれぞれ引き出されている。負極6の塗布部(負極活物質層7)の外形寸法は正極1の塗布部(正極活物質層2)の外形寸法よりも大きく、セパレータ20の外形寸法よりも小さい。
負極活物質層7を構成する材料としては、黒鉛、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどの炭素材料や、リチウム金属材料、シリコンやスズなどの合金系材料、Nb2O5やTiO2などの酸化物系材料、あるいはこれらの複合物を用いることができる。正極活物質にMnスピネルが含まれる材料が用いられる場合には、負極活物質は炭素材料であることが好ましい。
正極活物質層2および負極活物質層7を構成する材料は、結着剤や導電助剤等を適宜加えた合剤であってよい。導電助剤としては、カーボンブラック、炭素繊維、または黒鉛などのうちの1種、または2種以上の組み合せを用いることができる。また、結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、変性アクリロニトリルゴム粒子などを用いることができる。
正極集電体3としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金等を用いることができ、特にアルミニウムが好ましい。負極集電体8としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金を用いることができる。
また、電解液12としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類や、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類や、脂肪族カルボン酸エステル類や、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類や、鎖状エーテル類、環状エーテル類、などの有機溶媒のうちの1種、または2種以上の混合物を使用することができる。これらの有機溶媒にリチウム塩を溶解させることができる。
セパレータ20は主に樹脂製の多孔膜、織布、不織布等からなり、その樹脂成分として、例えばポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、またはナイロン樹脂等を用いることができる。特にポリオレフィン系の微多孔膜は、イオン透過性と、正極と負極とを物理的に隔離する性能に優れているため好ましい。また、必要に応じて、セパレータ20には無機物粒子を含む層を形成してもよく、無機物粒子としては、絶縁性の酸化物、窒化物、硫化物、炭化物などを挙げることができ、なかでもTiO2やAl2O3を含むことが好ましい。
外装容器には可撓性フィルム30からなるケースや缶ケース等を用いることができ、電池の軽量化の観点からは可撓性フィルム30を用いることが好ましい。可撓性フィルム30には、基材となる金属層の表面と裏面に樹脂層が設けられたものを用いることができる。金属層には、電解液12の漏出や外部からの水分の浸入を防止する等のバリア性を有するものを選択することができ、アルミニウム、ステンレス鋼などを用いることができる。金属層の少なくとも一方の面には、変性ポリオレフィンなどの熱融着性樹脂層が設けられる。可撓性フィルム30の熱融着性樹脂層同士を対向させ、電池素子を収容する部分の周囲を熱融着することで外装容器が形成される。熱融着性の樹脂層が形成された面と反対側の面となる外装容器表面にはナイロンフィルム、ポリエステルフィルムなどの樹脂層を設けることができる。
正極端子11には、アルミニウムやアルミニウム合金で構成されたもの、負極端子16には銅や銅合金あるいはそれらにニッケルメッキを施したものなどを用いることができる。それぞれの端子11,16の他端部側は外装容器の外部に引き出される。それぞれの端子11,16の、外装容器の外周部分の熱溶着される部分に対応する箇所には、熱融着性の樹脂をあらかじめ設けることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極、特に負極6の製造方法について、図2,3を参照して説明する。負極6を構成するための長尺の負極集電体8が、図3に示す経路を通って送られる。例えば、図示しないがロール状に巻かれた負極集電体が繰り出されて、図3に示す経路を通過した後に、両面に負極活物質層7が形成された負極6として再度ロール状に巻き取られる(図示せず)。図3に示すように、まず、繰り出された負極集電体8の一方の面8aに、負極活物質を含むスラリーをダイヘッド5000によって連続的または間欠的に塗布する(第1の塗布工程S1)。そして、一方の面8aにスラリーが塗布された負極集電体8を第1乾燥炉500で乾燥し、一方の面8aに負極活物質層7を形成する(第1の乾燥工程S2)。第1の乾燥工程S2は、後述する第1乾燥炉500の乾燥ゾーン510,520によって行われる本乾燥工程S2aと、加熱ゾーン530によって行われる加熱工程S2bとを含む。次に、第1乾燥炉500を通過した負極集電体8の他方の面8bに、負極活物質を含むスラリーをダイヘッド6000によって連続的または間欠的に塗布する(第2の塗布工程S3)。一方の面8aに負極活物質層7が形成され他方の面8bにスラリーが塗布された負極集電体8を第2乾燥炉600で乾燥し、他方の面8bに負極活物質層7を形成する(第2の乾燥工程S4)。第2の乾燥工程S4は、後述する第2乾燥炉600の乾燥ゾーン610,620によって行われる本乾燥工程S4aと、加熱ゾーン630によって行われる加熱工程S4bとを含む。こうして負極集電体8の両面8a,8bに形成された負極活物質層7が、図示しない圧縮装置で圧縮されて所定の厚さにされる(圧縮工程S5)。
第1および第2の乾燥工程S2,S4において用いられる第1乾燥炉500および第2乾燥炉600は、それぞれ少なくも2つ以上のゾーン、すなわち、シート状の被処理物の搬送方向の上流側に位置する乾燥ゾーン510,520,610,620と、被処理物の搬送方向の下流側に位置する加熱ゾーン530,630とを少なくとも有している。下流側の乾燥ゾーン520,620と加熱ゾーン530,630との間に他の処理装置は介在せず、それらは連続して、または隣接して配置されている。
乾燥ゾーン510,520,610,620内の温度は、各ゾーンの中心付近における被処理物の(負極活物質層7の)表面の温度と実質的に一致するが、ここでは負極活物質層7の表面から、その面に対して直交する方向に5cmだけ離れた位置で、熱電対を用いて計測している。そして、加熱ゾーン530,630は、スラリー中の溶媒が実質的に揮発し終わった後に、計測した乾燥ゾーン510,520,610,620の温度よりも高く、かつ110℃以上300℃以下の温度で被処理物を加熱する。具体的には、加熱ゾーン530,630による加熱温度は140℃以上190℃以下であることが好ましい。このような乾燥ゾーン510,520,610,620による本乾燥工程S2a,S4aと、その後の加熱ゾーン530,630による加熱工程S2b,S4bは、実質的に連続して行われる。すなわち、本乾燥工程S2a,S4aと加熱工程S2b,S4bとの間に、特別な処理を行う工程(例えば圧縮工程)は介在しない。
これに対し、本実施形態では、本乾燥工程S2a,S4aと加熱工程S2b,S4bとを連続して行い、本乾燥工程S2a,S4a後に温度があまり低下しないうちに(少なくとも室温まで低下しないうちに、好ましくは100℃以下に低下しないうちに)加熱工程S2b,S4bを行う。それにより、負極集電体8や負極活物質層7への過剰なストレスが働かず、負極集電体8と負極活物質層7との密着性は良好である。負極活物質層7の表面に生成されるSEIを分析した結果、本実施形態において本乾燥工程S2a,S4aと加熱工程S2b,S4bとを連続的に行うと、本乾燥工程S2a,S4aと加熱工程S2b,S4bとを、長い間隔を置いてばらばらに行うよりも、SEIの形成状態が均一であることがわかった。これは、加熱工程S2b,S4bにより、炭素の表面に付着する水分量が低下するなど炭素の表面状態が改質されて、SEIの生成が阻害されにくくなったことに起因すると考えられる。実際に、本乾燥工程S2a,S4aと加熱工程S2b,S4bとを連続して行って製造した負極6を備えた二次電池は、本乾燥工程S2a,S4aと加熱工程S2b,S4bとを間隔を置いて行って製造した負極を備えた二次電池に比べて、サイクル試験後の二次電池の膨張が小さいという結果が得られた。
なお、図2,3に示す例では、第1の乾燥工程S2の前に第1の塗布工程S1が行われ、第1の乾燥工程S2と第2の乾燥工程S4の間に第2の塗布工程S3が行われる。
図3に示す第1乾燥炉500および第2乾燥炉600についてさらに説明する。
各乾燥炉500,600は複数の乾燥ゾーンを備えていてよく、最も上流側の乾燥ゾーン510は、スラリーが塗布された面とは反対側の面(他方の面8b)からより大きな熱量を加えるように設定されていることが好ましい。一例として、各乾燥ゾーンは、負極集電体8の一方の面8aと他方の面8bとに対向するようにそれぞれ配置された複数のヒーターまたは複数の熱風吹き出し口を備えているのが好ましい。図3に示す第1乾燥炉500は、最も上流側の第1の乾燥ゾーン510と、最も下流側の加熱ゾーン530と、第1の乾燥ゾーン510と加熱ゾーン530の間に位置する第2の乾燥ゾーン520とを備えている。第1の乾燥ゾーン510と第2の乾燥ゾーン520が乾燥部である。第1の乾燥ゾーン510には、負極集電体8の一方の面8aに対向するように配置された熱風吹き出し口510aと、他方の面8bに対向するように配置された熱風吹き出し口510bが設けられている。既にスラリーが塗布されている一方の面8aに対向する熱風吹き出し口510aからはほとんど熱風を出さず、スラリーが未塗布の他方の面8bに対向する熱風吹き出し口510bから主に熱風を吹き出して、負極集電体8を通してスラリーを加熱する(第1の本乾燥工程)。すなわち、第1の本乾燥工程では、負極集電体8の一方の面8a(スラリーが塗布された塗布面)よりも、他方の面8b(塗布面と反対側の面)に大きな熱量を加えている。これにより、塗布済みのスラリーの露出面が先に乾燥してしまうことがなく、負極活物質層7の表面またはその近傍にスラリー中の溶媒などが残存しにくくなるため、後で負極活物質層7の表面におけるSEIの生成を阻害することがない。一方、第2の乾燥ゾーン520では、負極集電体8の一方の面8aに対向する熱風吹き出し口520aと他方の面8bに対向する熱風吹き出し口520bとから均等に熱風が吹き付けるようになっている(第2の本乾燥工程)。すなわち、第2の本乾燥工程では、一方の面8a(塗布面)に対して、第1の本乾燥工程よりも大きな熱量を加えており、一方の面8a(塗布面)と他方の面8b(塗布面と反対側の面)に同じ熱量を加えている。
第2乾燥炉600も第1乾燥炉500と同様に、第1の乾燥ゾーン610と第2の乾燥ゾーン620と加熱ゾーン630とを備え、各ゾーン610,620,630にそれぞれ、負極集電体8の一方の面8aに対向するヒーターまたは熱風吹き出し口と、他方の面8bに対向するヒーターまたは熱風吹き出し口が設けられている。
前記したように、加熱ゾーン530,630による加熱温度は、乾燥ゾーン510,520,610,620の温度よりも高く、かつ110℃以上300℃以下、より好ましくは140℃以上190℃以下である。この点について説明すると、仮に加熱ゾーン530,630による加熱温度が100℃以下であると、この加熱工程を経て製造された負極6を採用した電池において、負極活物質層7の表面におけるSEIの生成状態の改善がほとんど見られない。また、加熱ゾーン530,630による加熱温度が300℃を超えると、負極活物質層7内の結着剤や負極集電体8などの軟化が進みすぎ、負極活物質層7と負極集電体8との剥離が生じやすくなる。それに対し、加熱ゾーン530,630による加熱温度が130℃以上190℃以下である場合に、SEIが著しく安定して生成され、二次電池用電極として好適である。しかし、加熱ゾーン530,630による加熱温度が200℃の場合には、SEI生成状態の改善は見られるものの、負極活物質層7内の結着剤や負極集電体8の熱による伸びの影響が大きく、あまり好ましくない。
上流側の乾燥ゾーン510によって負極集電体8の他方の面8bに熱風を吹き付けるのに加えて、負極集電体8を予備加熱しておくことも考えられる。ただし、予備加熱を行うとダイヘッド5000の吐出口にも熱が及ぶため、乾燥ゾーン510に入る前に、溶媒の揮発や、スラリーの一部が乾燥することによるダイヘッド5000への活物質の付着や、さらに付着した活物質が脱落してスラリーに混入することなどが生じる可能性がある。そのため、予備加熱の温度は、乾燥ゾーンの温度よりも十分低い温度にすることが好ましい。
また、負極の表面状態の安定化は、スラリーの溶媒が十分に乾燥するような条件にする本乾燥工程S2a,S4aの後に連続して、本乾燥工程S2a,S4aよりも高い温度で加熱する加熱工程S2b,S4bを行うことで、負極活物質層7の表面から、SEIの形成を阻害する化合物を十分に除去し、その後に水分をはじめとする炭素表面に吸着する物質の割合を低減したことによって実現したと考えられる。
(実施例1)
<正極>
正極活物質としてLiMn2O4とLi(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2とを1:1で混合した混合物を用い、さらに、導電剤であるカーボンブラックと、バインダーであるPVdFとを用い、これらの合剤を、鎖状カーボネートと環状カーボネートとが混合された有機溶媒中に分散したスラリーを準備した。このスラリーを、厚さ20μmのアルミニウムを主成分とする正極集電体3の一方の面に塗布してから乾燥し、厚さ80μmの正極活物質層2を形成した。正極集電体の他方の面にも同様にして厚さ80μmの正極活物質層2を形成した。
<負極>
負極活物質として、表面を非晶質で被覆した黒鉛を用い、バインダーとしてPVdFを用い、これらの合剤を、鎖状カーボネートと環状カーボネートとが混合された有機溶媒中に分散したスラリーを準備した。このスラリーを、ダイヘッド5000によって、厚さ15μmの銅箔からなる負極集電体8の一方の面8aに塗布してから、第1乾燥炉500で乾燥した。第1乾燥炉500における本乾燥は、前記したように2つの乾燥ゾーン510,520で行う。最も上流側の第1の乾燥ゾーン510では、負極集電体8の他方の面8bに対向する熱風吹き出し口510bから微弱な熱風を吹き付け、スラリーを塗布した面(一方の面8a)に熱風が回り込まないように、負極集電体8の搬送方向に直交する面内方向に配置されたダクト(図示せず)から、負極集電体8の側方に回り込んだ熱風を回収した。熱風の温度は、負極活物質層7の表面から5cmだけ離れた位置で80℃であった。第1の乾燥ゾーン510では、第2の乾燥ゾーン520で負極活物質層7の表面に熱風を吹き付けてもその表面が波打たない状態になるまで乾燥した。第1の乾燥ゾーン510と加熱ゾーン530との間に位置する第2の乾燥ゾーン520においては、スラリーを塗布した一方の面8aと、塗布した面とは反対の面8bとの両方から80℃の熱風を吹きつけ、溶媒をほぼすべて揮発させた。第1の乾燥ゾーン510および第2の乾燥ゾーン520で乾燥した負極活物質層7および負極集電体8を、連続して加熱ゾーン530に移動して、負極活物質層7の表面から5cmだけ離れた位置の温度が140℃になるように、熱風によって負極集電体8の両面8a,8bを加熱した。その後、ダイヘッド6000によって負極集電体8の他方の面8bにスラリーを塗布し、それから、第2乾燥炉600によって本乾燥および加熱を行う。さらに、図示しない圧縮装置によって負極活物質層7を圧縮する。
<ラミネート電池の作製>
前記したように製造された正極1と負極6を、厚さ25μmのポリプロピレンからなるセパレータ20を介して交互に積層し、これに負極端子16や正極端子11を設け、可撓性フィルム30からなる外装容器内に電解液12とともに収容することによって、厚さ8mmのラミネート型(積層型)二次電池100を得た。
正極活物質をLiMn2O4とLiNi0.8Co0.15Al0.05O2の混合物に替え、それ以外は実施例1と同様にして負極6を作製した。そして、正極1の製造方法および二次電池100の製造方法は実施例1と同様にして、二次電池100を製造した。
第2の乾燥ゾーン520による加熱を、負極活物質層7の表面から5cmだけ離れた位置の温度が180℃になるようにして、それ以外は実施例1と同様にして負極6を作製した。そして、正極1の製造方法および二次電池100の製造方法は実施例1と同様にして、二次電池100を製造した。
第1の乾燥ゾーン510および第2の乾燥ゾーン520による加熱を、負極活物質層7の表面から離れた位置の温度を120℃になるようにして、それ以外は実施例1と同様にして負極6を作製した。そして、正極1の製造方法および二次電池100の製造方法は実施例1と同様にして、二次電池100を製造した。
正極活物質をLiNi0.8Co0.15Al0.05O2に替え、それ以外は実施例1と同様にして負極6を作製した。そして、正極1の製造方法および二次電池100の製造方法は実施例1と同様にして、二次電池100を製造した。
第2の乾燥ゾーン520による加熱を、負極活物質層7の表面から5cmだけ離れた位置の温度が200℃になるようにして、それ以外は実施例1と同様にして負極6を作製した。そして、正極1の製造方法および二次電池100の製造方法は実施例1と同様にして、二次電池100を製造した。
第2の乾燥ゾーン520による加熱を、負極活物質層7の表面から5cmだけ離れた位置の温度が110℃になるようにして、それ以外は実施例1と同様にして負極6を作製した。そして、正極1の製造方法および二次電池100の製造方法は実施例1と同様にして、二次電池100を製造した。
第1の乾燥ゾーン510において、第2の乾燥ゾーン520と同様に、負極集電体8の両面8a,8bから同様に熱風を吹きつけて乾燥させるようにして、それ以外は実施例1と同様にして負極6を作製した。そして、正極1の製造方法および二次電池100の製造方法は実施例1と同様にして、二次電池100を製造した。
実施例1〜8において製造されたリチウムイオン二次電池100はいずれも、負極活物質層8の表面に良好な不動態皮膜(SEI)が形成され、電解液の分解を抑制できた。ただし、実施例5〜8では充放電サイクルを繰り返すうちに、可撓性フィルム30からなる外装容器が膨張し、電池容量が低下する傾向が見られた。一方、実施例1〜4では、充電サイクルを500サイクル以上繰り返した後も、十分な電池容量が確保された。これは、電極の特定の加熱処理の有無によってガスの発生状態が変化することを示している。
2 正極活物質層
3 正極集電体
6 負極
7 負極活物質層
8 負極集電体
20 セパレータ
100 二次電池
500 第1乾燥炉
510,520,610,620 乾燥ゾーン
530,630 加熱ゾーン
600 第2乾燥炉
Claims (7)
- 活物質を含むスラリーを集電体に塗布する塗布工程と、塗布された前記スラリーを乾燥して活物質層を形成する乾燥工程と、乾燥された前記活物質層を圧縮する圧縮工程と、を含む、二次電池用電極の製造方法であって、
前記乾燥工程は、スラリーの溶媒を揮発させる本乾燥工程と、本乾燥工程の後に、本乾燥工程よりも高温で、かつ110℃以上300℃以下の温度で加熱する加熱工程とを含み、
前記圧縮工程は少なくとも前記加熱工程の後に行う
ことを特徴とする、二次電池用電極の製造方法。 - 前記本乾燥工程は、前記集電体の前記スラリーが塗布された塗布面よりも、該塗布面と反対側の面に大きな熱量を加える第1の本乾燥工程と、前記第1の本乾燥工程の後に、前記塗布面に対して前記第1の本乾燥工程よりも大きな熱量を加える第2の本乾燥工程とを含む、請求項1に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 前記第2の本乾燥工程では、前記塗布面と、前記塗布面と反対側の面に、同じ熱量を加える、請求項2に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 前記加熱工程における加熱温度は140℃以上190℃以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 前記加熱工程は、前記本乾燥工程の後に前記活物質層が室温まで温度低下しないうちに行われる、請求項1から4のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 前記加熱工程は、前記本乾燥工程の後に前記活物質層が100℃以下まで温度低下しないうちに行われる、請求項5に記載の二次電池用電極の製造方法。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の二次電池用電極の製造方法によって負極を形成し、
集電体上に活物質層を形成することによって正極を形成し、
前記負極と前記正極とを、セパレータを介して積層して電池素子を形成し、
前記電池素子と電解液を、可撓性フィルムからなる外装容器内に収容して封止する、
二次電池の製造方法。
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