JP2015191159A - 送風手段を備えた電気機器及び該電気機器における送風制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザプリンタ1は、筐体10と、筐体10内に設けられ、その回路を実現する上で必要な所定機能を有するコンデンサ21、22と、通電時に発熱するトランス2とを備えた電気回路3と、トランス2の発熱によって加熱された空気がコンデンサ21、22に流れるように、空気流を筐体10内に生じさせるファン20と、ファン20の駆動を制御する制御手段31とを備えている。コンデンサ21、22は、電気回路3が動作する温度範囲にて、温度が上昇するにつれて容量が単調減少又は単調増加するように変化する性質を有し、 制御手段31は、加熱された空気によるコンデンサ21、22の温度変化に伴う容量変化を検出し、この検出結果に基づいてファン20の駆動を制御する。
【選択図】 図2
Description
この点に鑑みて、特許文献1に開示された構成が知られている。特許文献1は、電気部品として電源用のトランスを空冷する画像記録装置を開示している。この画像記録装置にあっては、電流を検出する専用部品である抵抗を装置内に設け、該抵抗をトランスに接続している。この抵抗を流れる電流値を所定値と比較し、該電流値が所定値を越えた場合にファンを駆動する。これによって、トランスが過熱した場合にのみファンを回転させて、トランスを空冷している。
本発明の目的は、ファンの回転制御用に構成部品が増加することを抑えることにある。
前記筐体内に設けられ、その回路を実現する上で必要な所定機能を有するコンデンサと、通電時に発熱する電気部品とを備えた電気回路と、
前記電気部品の発熱によって加熱された空気が前記コンデンサに流れるように、前記電気部品を上流側、前記コンデンサを下流側とする空気流を前記筐体内に生じさせる送風手段と、
前記送風手段の駆動を制御する制御手段とを備え、
前記コンデンサは、該電気回路が動作する温度範囲のうちの一部温度範囲において、温度が上昇するにつれて容量が単調減少又は単調増加するように変化する性質を有し、
前記制御手段は、前記加熱された空気による前記コンデンサの温度変化に伴う容量変化を検出し、この検出結果に基づいて前記送風手段の駆動を制御する。
筐体と、
前記筐体内に設けられ、その回路を実現する上で必要な所定機能を有するコンデンサと、通電時に発熱する電気部品とを備えた電気回路と、
前記電気部品の発熱によって加熱された空気が前記コンデンサに流れるように、前記電気部品を上流側、前記コンデンサを下流側とする空気流を前記筐体内に生じさせる送風手段とを備え、
前記コンデンサは、該電気回路が動作する温度範囲のうちの一部温度範囲において、温度が上昇するにつれて容量が単調減少又は単調増加するように変化する性質を有する電気機器における送風制御方法であって、
前記加熱された空気による前記コンデンサの温度変化に伴う容量変化を検出する工程と、
該検出結果に基づいて前記送風手段の駆動を制御する工程とを有する。
レーザプリンタ1は、給紙トレイ12から供給される用紙Pに対し、画像形成部6にてトナー像を形成した後に、定着器8にてそのトナー像を加熱して定着処理を行い、該トナー像が定着された用紙Pを排紙トレイ11に排紙する。
スキャナ9は発光部91からのレーザ光を、ポリゴンミラー90、複数枚の反射鏡92を介して、感光ドラム60の表面上に高速走査にて照射させる周知の構成である。
現像カートリッジ7内には、帯電可能な粉体であるトナーが収容され、該現像カートリッジ7の下面に開設されたトナー供給口72の近傍には現像ローラ70、供給ローラ71が互いに対向して設けられている。現像ローラ70は感光ドラム60に対向しており、該感光ドラム60の上方に帯電器61が配置されている。転写ローラ62は感光ドラム60の下方に設けられて、該感光ドラム60と共に用紙Pを搬送する。
定着器8は定着ローラ80と加圧ローラ81とを備えて、定着ローラ80は内蔵したヒータ82によって加熱される。定着ローラ80と加圧ローラ81とによって挟持搬送され、且つヒータ82によって加熱された用紙Pにはトナー像が定着される。その後、用紙Pは、前記の如く排紙トレイ11に排紙される。ヒータ82は筐体10内の電気回路3から給電される。尚、電気回路3は筐体10内の他の駆動部品にも給電している。
制御手段31は、1つのCPU、複数のCPU又はCPUとASIC(Application Specific Integrated Circuit)との組み合わせの何れかにて構成されて、メモリ及び外部入力を受信した後の経過時間を計測するタイマー機能を有する。また、制御手段31は印刷指示情報内に含まれる画像情報を処理して、スキャナ9を制御する機能も有する。
図2では、電気回路3の側方に排気口13が設けられているが、電気回路3の上方に排気口13が設けられていてもよい。
レーザプリンタ1は動作モードとして、通常モードとオフモードとを有する。通常モードは、レーザプリンタ1が外部入力である印刷指示に応答して直ぐに印刷処理を実行できるモードであり、オフモードは印刷指示が所定時間以上送信されず、レーザプリンタ1が待機状態にあるモードである。
スイッチング電源4は、交流電源ACの電圧を整流平滑化して、通常モードにて夫々異なる値の直流電圧を生成して、第1乃至第3出力端子45、46、47から出力する。オフモードでは、第1乃至第3出力端子45、46、47からは電圧が出力されない。小容量電源回路5は通常モード及びオフモードにおいて制御手段31に電力を供給する。尚、制御手段31には通常モードにて第3出力端子47からも給電される。
前記の如く、DC-DCコンバータ51は降圧型であるから、第4コンデンサ26はDC-DCコンバータ51内部のダイオードやインダクタと合わせてDC-DCコンバータ51の出力電圧の平滑作用を有する。また、DC-DCコンバータ51から出力されるパルス状電圧を補完するので蓄電作用も奏する。
制御手段31がオフモードに設定した直後に印刷指示が送信されることがある。制御手段31には第3コンデンサ25に蓄電された電荷から電圧が供給されるから、制御手段31はスイッチングトランジスタQ3をオンにすることができる。第3コンデンサ25からはリレー駆動ラインRLを介して、リレー30に通電されて、リレー30がオンとなり、スイッチング電源4に交流電圧が供給される。このように、通常モードにて第1コンデンサ21と第2コンデンサ22を介して、第3コンデンサ25を充電させておくことによって、オフモードから通常モードへ即時に復帰することが可能となる。換言すれば、第1コンデンサ21又は第2コンデンサ22は小容量電源回路5の蓄電の維持のために用いられ、レーザプリンタ1の電気回路3を実現する上で必要不可欠な機能を有している。
更に、両コンデンサ21、22は1次側と2次側の絶縁のためにも用いられる。かかる絶縁により、1次側の電圧を2次側の電気部品に安全に給電することができる。
尚、制御手段31はDC-DCコンバータ51からの電圧が所定値以上か否かを判断することにより、第1コンデンサ21及び第2コンデンサ22の充電量がリレー30の駆動に十分か否かを判断する機能を有してもよい。
図5は、コンデンサ21、22の温度特性を実線Sにて示すグラフであり、横軸に温度(単位:℃)、縦軸に温度が20℃のときの容量を基準とした容量の変化割合が示される。電気回路3が動作することができる温度範囲のうち、望ましい温度範囲は30℃から60℃である。図5からわかるように、30℃から60℃まで温度が上昇すると、コンデンサ21、22の容量は約15%-20%程度、単調減少する。このコンデンサ21、22は、E特性を有する積層セラミックコンデンサである。E特性のコンデンサは、温度変化に対する容量変化が大きいことが知られている。
ここで両コンデンサ21、22を通過する電流の電流値をIout、交流電源の電圧値をV、交流電源ACの周波数をf、第1コンデンサ21の容量をC1、第2コンデンサ22の容量をC2としたとき、以下の数式が成立する。
両コンデンサ21、22の温度が例えば30℃から60℃に上昇すると、両コンデンサ21、22の容量が約15パーセント減少し、これに伴いIoutも数2より、約15パーセント減少する。
制御手段31は、Ioutを検出しつつ、ファン20を駆動制御する。
図6は、ファン20の制御動作を示すフローチャートである。このフローチャートに従って、制御手段31の動作を説明する。このフローチャートにおいて、電流値Ia、Ibは、両コンデンサ21、22が夫々所定温度におけるIoutの値であり、電流値Iaは、Ioutが最大となるときの電流値である。また、Ib<Iaである。本実施形態ではIa時の温度は、図5の実線Sにて単調減少を開始する約30℃であるとする。また、初期状態においてファン20は停止しており、仮に周囲温度を20℃とする。
まず、レーザプリンタ1の電源が入力されると、制御手段31は、両コンデンサ21、22に流れる電流値Ioutを検知する(ステップS1)。
次に、Ioutが単調に減少していくかを判断するとともに、Ioutが所定の電流値Ia以下であるとの条件が満たされるかを判断する(ステップS2)。そして該条件が満たされなければ、制御手段31は電流値Ioutを検知し(ステップS1)、再度該条件が満たされるかを判断する(ステップS2)。初期状態においては、Iout<Iaであるが、Ioutは単調に減少しないから、ステップS1に戻る。
すると制御手段31はこれを検知して、ファン20の駆動を開始する(ステップS3)。このファン20の駆動開始により、電気回路3、トランス2、両コンデンサ21、22の空冷が開始される。制御手段31は、両コンデンサ21、22に流れる電流値Ioutを検知し続ける(ステップS4)。
かかる空冷を続けることにより、電気回路3や両コンデンサ21、22の温度が下降してゆく。両コンデンサ21、22の容量が単調増加し、これに伴い電流値Ioutが徐々に上昇する。電流値Ioutは一旦Iaに達すると、その後逆に単調減少する。
次に、制御手段31は、Ioutの値が単調減少し、且つ所定の電流値Ib以下であるとの条件が満たされるかを判断する(ステップS5)。そして該条件が満たされなければ、制御手段31は電流値Ioutを検知し続け(ステップS4)、再度該条件が満たされるかを判断する(ステップS5)。
Ioutの値が単調減少し、且つ電流値Ibに達すると、電気回路3や両コンデンサ21、22は十分に空冷されたから、制御手段31は、ファン20の駆動を停止する(ステップS6)。これにより、ファン20による無駄な電力消費を防いでいる。
その後、レーザプリンタ1の電源がオフにならなければ(ステップS7)、制御手段31はステップS1に戻って、両コンデンサ21、22に流れる電流値Ioutを検知する。
以上のように制御手段31がファン20を駆動制御するので、電気回路3を所望の温度範囲内で駆動させることができる。
なお上記では、ファン20を駆動状態と停止状態との間で切り替えるような制御を説明したが、ファン20を停止させることなく、回転数を変化させるように制御することもできる。
本実施形態に係るレーザプリンタ1では、以下の効果がある。
1.制御手段31は、電気回路3を実現するうえで、必要な所定機能を発揮するために設けられたコンデンサ21、22の容量変化に基づいて、ファン20の動作を制御する。つまり、電気回路3を実現するうえで、必要な機能を発揮するコンデンサ21、22を、ファン20の動作を制御するのにも用いる。従って、ファン20の制御のために、専用部品を設ける必要がなく、ファン20の制御用に構成部品が増加することを抑えることができる。
2.トランス2の両巻線23、24に接続された第1部分A1及び第2部分A2を冷却した両空気流が合わさる箇所にコンデンサ21、22を配置することにより、コンデンサ21、22はトランス2の発熱による温度上昇の影響を受けやすい。従って、コンデンサ21、22の容量変化が起こり易く、ファン20の動作を精度よく制御することができる。
3.温度上昇に伴うコンデンサ21、22の容量変化が小さいと、該制御手段31が容量変化を検出しにくいから、制御手段31がファン20の動作を正確に制御することが困難となる虞がある。その反面、温度上昇に伴うコンデンサ21、22の容量変化が大きいと、本来の電気回路3の特性が損なわれる虞がある。そこで、コンデンサとして積層セラミックコンデンサを用いることにより、温度上昇に伴う容量変化を適切な範囲に設定し、ファン20の正確な制御と電気回路3の特性の担保を両立させている。
3 電気回路
10 筐体
20 ファン
21 第1コンデンサ
22 第2コンデンサ
Claims (7)
- 筐体と、
前記筐体内に設けられ、その回路を実現する上で必要な所定機能を有するコンデンサと、通電時に発熱する電気部品とを備えた電気回路と、
前記電気部品の発熱によって加熱された空気が前記コンデンサに流れるように、前記電気部品を上流側、前記コンデンサを下流側とする空気流を前記筐体内に生じさせる送風手段と、
前記送風手段の駆動を制御する制御手段とを備え、
前記コンデンサは、該電気回路が動作する温度範囲のうちの一部温度範囲において、温度が上昇するにつれて容量が単調減少又は単調増加するように変化する性質を有し、
前記制御手段は、前記加熱された空気による前記コンデンサの温度変化に伴う容量変化を検出し、この検出結果に基づいて前記送風手段の駆動を制御する、電気機器。 - 前記筐体に排気口が設けられ、
前記送風手段が、前記排気口に、又は、前記コンデンサと前記排気口との間に設けられた、請求項1に記載の電気機器。 - 前記電気回路が前記電気部品を複数有し、当該複数の前記電気部品の一つが電源用トランスであり、
前記電気回路は、前記電源用トランスの一次側巻線に接続された第1部分と、前記電源用トランスの2次側巻線に接続された第2部分とを有し、
前記送風手段は、主に前記第1部分を通過する第1の空気流と、主に前記第2の部分を通過する第2の空気流とを生じさせ、
前記第1の空気流と前記第2の空気流の少なくとも一方は、前記電源用トランスを通過し、
前記第1の空気流と前記第2の空気流とが、前記コンデンサの配置位置において合流する、請求項1又は2記載の電気機器。 - 前記一部温度範囲が30℃から60℃までの温度範囲であり、 前記コンデンサは、温度が30℃から60℃まで上昇するに伴い、容量が15%-20%減少する、請求項1乃至3の何れかに記載の電気機器。
- 前記電気回路は小容量電源回路を含み、
前記コンデンサは、前記小容量電源回路の蓄電の維持のために用いられる、請求項1乃至4の何れかに記載の電気機器。 - 前記コンデンサは、誘電体材料にチタン酸バリウムを用いた積層セラミックコンデンサである、請求項1乃5の何れかに記載の電気機器。
- 筐体と、
前記筐体内に設けられ、その回路を実現する上で必要な所定機能を有するコンデンサと、通電時に発熱する電気部品とを備えた電気回路と、
前記電気部品の発熱によって加熱された空気が前記コンデンサに流れるように、前記電気部品を上流側、前記コンデンサを下流側とする空気流を前記筐体内に生じさせる送風手段とを備え、
前記コンデンサは、該電気回路が動作する温度範囲のうちの一部温度範囲において、温度が上昇するにつれて容量が単調減少又は単調増加するように変化する性質を有する電気機器における送風制御方法であって、
前記加熱された空気による前記コンデンサの温度変化に伴う容量変化を検出する工程と、
該検出結果に基づいて前記送風手段の駆動を制御する工程とを有する、電気機器における送風制御方法。
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