JP2015191143A - 光学フィルム、光学フィルムの製造方法 - Google Patents

光学フィルム、光学フィルムの製造方法 Download PDF

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【課題】光学フィルムを構成する偏光子の収縮応力による層間ズレを抑制することができる光学フィルムを提供する。【解決手段】本発明に係る光学フィルムは、基材11と、垂直配向膜12と、その垂直配向膜12の配向規制力により配向した状態で固化した液晶材料による光学機能層13とがこの順に積層された積層体を備え、垂直配向膜12が、バインダー樹脂と、アクリルモノマーとを含み、そのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以上であることを特徴とするものである。【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法に関し、特に、正のCプレートを備えた光学フィルム及びその製造方法に関する。
近年、フラットパネルディスプレイ等に適用される位相差フィルムは、位相差層により透過光に所望の位相差を付与して所望する光学特性を確保するものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。この種の位相差フィルムは、透明フィルム等による基材の表面に配向膜が作製され、この配向膜の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で硬化して位相差層が作製される。このような位相差層に適用される液晶材料は、通常、正の波長分散特性を備えているものの、近年、逆分散特性による液晶材料が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。ここで、逆分散特性とは、短波長側ほど透過光における位相差が小さい波長分散特性であり、より具体的に、450nmの波長におけるリタデーション(R450)と、550nmの波長におけるリタデーション(R550)との関係が、R450<R550である。
また、画像表示パネルにおいては、Aプレート、Cプレート等を利用して視野角特性、色味等の種々の光学特性を改善する方法が提案されており、例えば特許文献4には、Aプレート、Cプレートを使用したIPS液晶表示装置の光学補償に係る工夫が提案されている。ここで、光学補償とは、黒表示の際に直線偏光板からの斜め方向の光漏れを低減する構成である。また、Cプレートは、nx=ny<nz又はnx=ny>nzで表され、nx=ny<nzは正のCプレートであり、nx=ny>nzは負のCプレートである。また、Aプレートは、nx>ny=nz又はnz=nx>nyで表され、nx>ny=nzは正のAプレートであり、nz=nx>nyは負のAプレートである。なお、nx、ny(nx≧ny)は面内方向の屈折率であり、nzは厚さ方向の屈折率である。
これらのうち、正のAプレートは、位相差層に適用される正の波長分散特性による液晶材料、逆分散特性による液晶材料を使用して、それぞれ正の波長分散特性、逆分散特性により作製することができる。これに対して、正のCプレートにおいては、いわゆるCプレート用の液晶材料による塗工液を塗布して乾燥硬化させることにより作製することができる。また、バーチカル・アライメント(VA)液晶表示装置等では、垂直配向膜により液晶材料を垂直方向に配向させており、VA液晶に関する垂直配向膜の工夫が種々提案されている(例えば、特許文献5〜10参照)。
さて、上述したようなCプレートを使用した液晶表示装置用の光学補償偏光板(光学補償板)においては、近年、特にモバイル向け液晶パネルにおいて、薄型化の要望により、例えばトリアセテートセルロース(TAC)からなる保護フィルムを直線偏光板の片方のみに貼合させる(片TAC)ことが主流となっている。ここで、図5に、Cプレートを使用した液晶表示装置用の光学補償板(光学フィルム)の構成例の断面図を示す。この図5に示すように、光学補償板5は、ガラス基板51上に、接着層52を介してCプレート53が積層されている。このCプレート53は、基材53Aと、垂直配向性を示す配向膜53Bと、光学機能層(液晶層)53Cとが順次積層されている。そして、光学補償板5は、そのCプレート53上に、接着層54を介して延伸PVA(ポリビニルアルコール)フィルム等からなる偏光子55が積層されてなり、その偏光子55上に、TACフィルム等からなる保護フィルム56が貼合されている。
しかしながら、図5に示すような片TACの構成とした場合、偏光子55の収縮(図5中の矢印)により、偏光子55よりも下の層、すなわち、接着層52や、基材53A、配向膜53B、光学機能層53CからなるCプレート53に収縮応力が掛かることがある。このような収縮応力が掛かる状態においては、例えばそのCプレート53を構成する配向膜53Bが縮んでしまい、その基材53Aと配向膜53Bとの間で層間ズレが生じて、その界面において剥離してしまうことがあった。
特開平10−68816号公報 米国特許第8119026号明細書 特表2010−522892号公報 特表2006−520008号公報 特開2011−227484号公報 特開2012−163945号公報 特開2004−83810号公報 特開2009−258665号公報 特開2006−337958号公報 特開2005−308924号公報
本発明は、上述したような実情に鑑みて提案されたものであり、光学フィルムを構成する偏光子の収縮応力による層間ズレを抑制することができる光学フィルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、光学フィルムに備えられたCプレートにおいて、その垂直配向膜を構成するバインダー成分を、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上の樹脂からなるものとすることで、光学フィルムの偏光子の収縮応力による層間ズレの発生を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、基材と、垂直配向膜と、該垂直配向膜の配向規制力により配向した状態で固化した液晶材料による光学機能層とがこの順に積層された積層体を備え、前記垂直配向膜は、バインダー樹脂と、アクリルモノマーとを含み、該バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以上であることを特徴とする光学フィルムである。
(2)また本発明は、(1)に係る発明において、前記バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が120℃以上であることを特徴とする光学フィルムである。
(3)また本発明は、(1)又は(2)に係る発明において、前記バインダー樹脂が、シクロへキシルマレイミドを共重合成分として含む共重合体であることを特徴とする光学フィルムである。
(4)また本発明は、(1)乃至(3)の何れかに係る発明において、前記バインダー樹脂が、スチレンと、メタクリル酸メチルと、シクロへキシルマレイミドとの共重合体であることを特徴とする光学フィルムである。
(5)また本発明は、(1)乃至(4)の何れかに係る発明において、前記アクリルモノマーが、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートであることを特徴とする光学フィルムである。
(6)また本発明は、(1)乃至(5)の何れかに係る発明において、前記基材が、シクロオレフィン系ポリマーからなることを特徴とする光学フィルムである。
(7)本発明は、基材上に垂直配向膜を形成する配向膜形成工程と、前記垂直配向膜上に、液晶材料による塗工液を塗布して、該垂直配向膜の配向規制力により該液晶材料を配向させた状態で固化させることによりCプレートとして機能する光学機能層を形成する光学機能層形成工程とを備え、前記配向膜作製工程では、バインダー樹脂と、垂直配向性を示すアクリルモノマーとを含み、該バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以上である配向膜組成物を前記基材上に塗布することによって垂直配向膜を形成することを特徴とする光学フィルムの製造方法である。
本発明によれば、光学フィルムを構成する偏光子の収縮応力による層間ズレを効果的に抑制することができ、信頼性の高い光学フィルムを提供することができる。
Cプレートの構成の一例を示す断面図である。 Cプレートの製造工程を示すフローチャートである。 液晶表示装置の構成の一例を示す断面図である。 光学フィルムの構成の一例を示す断面図である。 従来の問題点を説明するための光学補償板の構成を示す断面図である。
以下、本発明の具体的な実施例形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら以下の順で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
1.Cプレート
2.Cプレートの製造方法
3.Cプレートを適用した光学フィルム
≪1.Cプレート≫
図1は、本実施の形態に係る、Cプレートの構成の一例を示す断面図である。本実施の形態では、例えば画像表示装置において、このCプレート1を各種の光学フィルムと共に液晶表示パネルの視聴者側面に配置することによって、種々の光学特性を向上させることができる。なお、ここでの光学特性の向上とは、例えば視野角特性の向上、斜め方向に係る光漏れの低減に係る光学補償、色味の補正等である。
ここで、Cプレート1は、nx=ny<nzの光学特性である正のCプレートであり、逆分散特性の波長分散特性を備える。より具体的に、450nm〜650nmの波長λにおける0度入射の位相差(Re0(λ))が20nm以下で、斜め入射角θ(θ>0)の位相差(Reθ(λ))が0度入射の位相差(Re0(λ))よりも大きく、これにより正のCプレートとして機能する。また、さらに波長λが増加するに従い、斜め入射角θ(θ>0)の位相差(Reθ(λ))が増加する光学特性を備え、これにより逆分散特性により機能する。このことから、このCプレート1に係る画像表示装置では、広い波長帯域で所望の光学特性を確保できるように構成される。
具体的に、Cプレート1は、透明フィルム材による基材11に、垂直配向膜12と、光学機能層13とを順次積層させることで作製される。
<1−1.基材>
基材11としては、特に限定されないが、Cプレートとしての機能を損なわないようにする観点から、光学異方性の小さな材料を適用することが好ましい。例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、TAC(トリアセチルセルロース)、ポリカーボネート、COP(環状オレフィンポリマー)等の透明フィルムを適用することができる。
ここで、従来の光学フィルムにおいては、特にCOPからなる基材によりCプレートを構成した場合、Cプレート上に積層させた偏光子において収縮が生じると、そのCOPからなる基材と垂直配向膜との間において層間ズレが生じやすく、その基材と垂直配向膜との界面において剥離する問題が多かった。これに対して、詳しくは後述するが、本実施の形態においては、垂直配向膜を構成するバインダー成分として、ガラス転移温度(Tg)が所定の温度以上の樹脂からなるものとすることで、たとえCOP等のような層間ズレが生じやすい基材によりCプレートを構成した場合であっても、偏光子による収縮応力に起因する層間ズレを抑制して、基材と垂直配向膜との剥離を防ぐことができる。
<1−2.垂直配向膜>
[垂直配向膜の構成について]
垂直配向膜12は、基材11上に塗膜として設けることで、光学機能層13に適用される液晶分子の分子軸をホメオトロピック配向させる機能を有する配向膜である。
そして、本実施の形態においては、この垂直配向膜12が、バインダー樹脂と、アクリルモノマーとを含むものであって、そのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以上である配向膜組成物の硬化物により構成されている。ここで、ガラス転移温度(Tg)は、例えばDSC法(JIS K 7121記載の方法)によって昇温速度10℃/分の条件で測定することができる値とする。
このように、本実施の形態においては、Tgが80℃以上のバインダー樹脂を材料成分として用いて垂直配向膜12を構成することによって、その垂直配向膜12の軟化を抑制することができるようになる。このことにより、例えば、このCプレート1に偏光子を貼り付けて光学フィルムを作製したとき、光学フィルムの偏光子の収縮による応力から、垂直配向膜12が縮むことを防ぐことができ、基材11と垂直配向膜12との間における層間ズレを抑制することができる。このようなCプレート1によれば、その層間ズレに起因する基材11と垂直配向膜12との界面における剥離を防止でき、信頼性の高い光学フィルムを製造することができる。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、上述したようにガラス転移温度(Tg)が80℃以上である樹脂であって、垂直配向膜12を構成するものである。このバインダー樹脂としては、Tgが80℃以上の樹脂により構成されるものであれば特に限定されず、例えば、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、1,2−ポリブタジエン系、塩化ビニル系、及びポリアミド系等の各種の樹脂を用いることができる。その中でも、バインダー樹脂としては、スチレン系樹脂であることが好ましい。
より具体的に、バインダー樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン等の芳香族ビニル類、塩化ビニル、酢酸ビニル、メタクリルアミド、メタクリロニトリル、メタクリル酸及びその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタリル酸アルキル、メタリル酸メトキシエチル等のメタリル酸アルコキシアルキル、メタリル酸ヒドロキシエチル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸シクロアルキル、メタクリル酸トリフロロエチル等のハロゲン化メタクリル酸アルキル、メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸アリールなどを挙げることができる。
そして、特に、本実施の形態においては、バインダー樹脂として、シクロへキシルマレイミドを共重合成分として含む共重合体であることが好ましい。このように、シクロへキシルマレイミドを共重合成分として共重合させてバインダー樹脂を構成することで、そのガラス転移温度(Tg)をより効果的に且つ簡易に高めることができる。このことは、シクロへキシルマレイミドが、重合すると剛直なポリマーを形成して、耐熱性に優れた樹脂となることによるものと考えられる。具体的に、例えばスチレンやメタクリル酸メチルのホモポリマーのTgが100℃程度であるのに対して、シクロヘキシルマレイミドのホモポリマーのTgが300℃程度であり、シクロへキシルマレイミドが剛直なポリマーを形成して、耐熱性に優れたものになることが明確に分かる。
シクロへキシルマレイミドを共重合成分として含む共重合体の一例としては、スチレンと、メタクリル酸メチルと、そしてシクロへキシルマレイミドとの共重合体を例示すことができ、この共重合体によりバインダー樹脂を構成することができる。
なお、これらの成分の共重合体からなるバインダー樹脂において、そのガラス転移温度(Tg)は、それぞれの共重合体成分(単量体)の組成(種類、重合度)によって調整することができる。例えば、上述のようにシクロへキシルマレイミドを共重合体成分として含む場合、そのシクロヘキシルマレイミドの含有量や重合度を調整することによって、重合させて得られるバインダー樹脂のTgを容易に制御することができる。
バインダー樹脂の含有量としては、特に限定されないが、垂直配向膜12における固形分中に重量比で5重量%〜80重量%の範囲であることが好ましく。40質量%〜60質量%以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の含有量が固形分中に5質量%未満であると、十分に垂直配向膜12の軟化を抑制することができない上、基材11への塗布時にハジキが発生するなどの欠陥が生じる可能性がある。一方で、バインダー樹脂の含有量が固形分中に80質量%を超えると、垂直配向の配向規制力が弱くなり、光学機能層13における液晶材料を厳密に垂直配向させることができない可能性がある。
(アクリルモノマー)
アクリルモノマーは、上述したバインダー樹脂と共に含有させることによって、垂直配向性を示すものである。アクリルモノマーとしては、上述したバインダー樹脂と架橋可能なモノマーであって相溶性が良好なものであれば特に限定されず、単官能アクリルモノマーであっても、多官能アクリルモノマーであってもよい。
具体的に、単官能アクリルモノマーとしては、例えば、イソボロニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等が挙げられる。
また、多官能アクリルモノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ヒドロキシピペリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
その中でも、本実施の形態においては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を用いることが好ましい。アクリルモノマーとしてHDDAを用いることによって、より効果的に且つ厳密に、液晶材料を垂直配向させることができる。
アクリルモノマーの含有量としては、後述する液晶化合物を垂直に配向させることができれば特に限定されないが、例えば、上述のバインダー樹脂100質量部に対して、10質量部〜300質量部の範囲であることが好ましく、70質量部〜150質量部の範囲であることがより好ましい。アクリルモノマーの含有量が10質量部未満であると、十分な配向規制力が働かずに光学機能層13を構成する液晶化合物の分子を垂直に配向させることができない可能性がある。一方で、アクリルモノマーの含有量が300質量部を超えると、垂直配向膜の軟化を十分に抑制することができない可能性があるうえ、基材11への塗布時にハジキが発生するなどの欠陥が生じる可能性がある。
(溶媒)
上述したバインダー樹脂やアクリルモノマー等の配向材料は、一般的に溶媒に溶かして用いられる。これにより、配向膜組成物の基材11に対する塗工性を向上させることができる。具体的に、溶媒としては、バインダー樹脂やアクリルモノマー等の配向材料を所望の濃度に溶解できるものであれば特に限定されるものでない。
例えば、溶媒としては、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られない。また、溶媒は、1種類単独であってもよいし、2種類以上の混合溶媒であってもよい。
溶媒の量としては、例えば、上述したバインダー樹脂とアクリルモノマーとからなる配向材料100質量部に対して600質量部〜3900質量部であることが好ましい。溶媒の量が600質量部未満であると、配向材料を均一に溶かすことができない可能性がある。一方で、溶媒の量が3900質量部を超えると、配向性が低下してしまう可能性がある。
(重合開始剤)
また、垂直配向膜12を構成する配向膜組成物としては、上述した成分と共に、重合開始剤を含有させることが好ましい。
具体的に、重合開始剤としては、公知の化合物の中から任意に選択することができるが、特にベンゾイン系、フェノン系、及びアントラキノン系が好ましい。具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−エチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン、及びα−アリルベンゾイン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、ω−ブロモアセトフェノン、及びアセトフェノン等のフェノン系重合開始剤、アントラキノン、クロロアントラキノン、メチルアントラキノン、及びエチルアントラキノン等のアントラキノン系の重合開始剤などを挙げることができる。これらの重合開始剤は、1種単独であってもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤の含有量としては、特に限定されるものではなく、例えば、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部程度の範囲であることが好ましく、0.5質量部〜2質量部程度の範囲であることがより好ましい。
(その他の添加剤)
なお、この垂直配向膜12においては、その効果を損なわない範囲でその他の添加剤を含有させることができる。具体的には、例えば、レシチン、シラン系界面活性剤、チタネート系界面活性剤、ピリジニウム塩系高分子界面活性剤、n−オクタデシルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等を含有させることができる。
[垂直配向膜の形成方法について]
垂直配向膜12は、上述した垂直配向膜材料(配向膜組成物)による塗工液を基材11上に塗布して乾燥させた後、紫外線等の照射あるいは加熱により硬化させることで形成することができる。
基材11への配向膜組成物を塗工するにあたっての塗工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ダイコート法、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法等を用いることができる。
また、熱硬化させる場合における配向膜組成物の硬化温度としては、特に限定されないが、100℃〜130℃程度であることが好ましい。硬化温度が100℃未満であると、配向膜組成物を均一に熱硬化できず、薄膜が不均一になる可能性がある。一方で、硬化温度が130℃を超えると、基材11や薄膜が収縮する可能性があるため好ましくない。
また、硬化時間としては、特に限定されないが、1分以上10分未満であることが好ましい。硬化時間が1分未満であると、熱硬化できず、薄膜が不均一になる可能性がある。また、配向膜表面に配向成分が出現しなくなり、良好な垂直配向性を発揮させることができない可能性がある。一方で、硬化時間が10分以上であると、ハジキや欠点が発生する可能性があり、また基材11や薄膜が収縮する可能性がある。
<1−3.光学機能層>
[光学機能層の構成について]
光学機能層(液晶層)13は、Cプレートとしての光学的機能を担う層であり、各種の光学フィルムの位相差層の作製に供する液晶材料であって、波長分散特性が例えば逆分散特性である液晶材料により形成される。
(液晶化合物)
具体的に、液晶材料としては、重合性液晶組成物を含有する。この重合性液晶組成物は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する液晶化合物(棒状化合物)を含有する。
液晶化合物は、屈折率異方性を有し、規則的に配列することにより所望の位相差性を付与する機能を有する。液晶化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す液晶化合物を用いることがより好ましい。ネマチック相を示す液晶化合物としては、メソゲン両端にスペーサを有する材料を用いることが好ましい。メソゲン両端にスペーサを有する液晶化合物は、柔軟性に優れる。
また、液晶化合物は、上述したように分子内に重合性官能基を有する重合性液晶化合物である。重合性官能基を有することにより、液晶化合物を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差性の経時変化が生じにくくなる。また、重合性液晶化合物は、分子内に三次元架橋可能な重合性官能基を有することがより好ましい。三次元架橋可能な重合性官能基を有することで、配列安定性をより一層に高めることができる。なお、「三次元架橋」とは、液晶性分子を互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることをいう。
重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、あるいは熱の作用によって重合するものを挙げることができる。これら重合性官能基としては、ラジカル重合性官能基が挙げられる。ラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例として、置換基を有する若しくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。
さらにまた、重合性液晶化合物は、末端に重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような液晶化合物を用いることにより、例えば、互いに三次元に重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れたCプレートを形成することができる。
重合性液晶化合物の量としては、垂直配向膜12上に塗布する塗布方法に応じて、液晶組成物の粘度を所望の値に調整できれば特に限定されないが、液晶組成物中の量として5質量部〜40質量部の範囲内であることが好ましく、10質量部〜30質量部の範囲内であることがより好ましい。重合性液晶化合物の量が5質量部未満であると、含有量が少なすぎるために光学機能層13への入射光を適切に配向できない可能性がある。一方で、40質量部を超えると、液晶組成物の粘度が高くなりすぎるために作業性が悪くなる。
なお、重合性液晶化合物は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(溶媒)
上述した液晶化合物は、通常、溶媒に溶かされている。溶媒としては、液晶化合物等を均一に分散できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、シクロヘキサン等のアノン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒を例示することができるが、これらに限られない。また、溶媒は、1種類単独であってもよいし、2種類以上の混合溶媒であってもよい。
溶媒の量は、液晶化合物100質量部に対して66質量部〜900質量部であることが好ましい。溶媒の量が66質量部未満であると、液晶化合物を均一に溶かすことができない可能性がある。一方で、900質量部を超えると、溶媒の一部が残存し、信頼性が低下する可能性があり、また均一に塗工できない可能性がある。
(その他の添加剤)
また、液晶組成物には、必要に応じて他の添加剤を含有させることができる。他の化合物としては、上述した液晶化合物の配列秩序を害するものでなければ特に限定されるものではなく、例えば、重合開始剤、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤及びシランカップリング剤等を挙げることができる。例えば、重合開始剤として、ラジカル重合開始剤を含有させることができる。
[光学機能層の形成方法について]
光学機能層13は、垂直配向膜12上に光学機能層13を構成する液晶組成物からなる塗工液を塗布した後、乾燥させて紫外線や電子線等の照射を行うことで硬化させることによって作製することができる。
垂直配向膜12上への液晶組成物からなる塗工液の塗工方法としては、特に限定されるものではなく、上述した配向膜組成物の基材11への塗布方法と同様に、例えば、ダイコート法、グラビアコート法等を用いることができる。
液晶化合物を重合し硬化させる硬化処理としては、紫外線や電子線等の活性放射線を照射して行うことができる。活性放射線としては、液晶化合物を重合することが可能な放射線であれば特に限定されないが、通常は装置の容易性等の観点から紫外光を使用することが好ましい。このような硬化処理を施すことで、液晶化合物が互いに重合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができ、列安定性を備え、かつ、光学特性の発現性に優れた光学機能層13を形成することができる。
例えば、活性放射線として紫外線を用いる場合、その光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)、ショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)等を用いることができる。その中でも、メタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ等を好ましく用いることができる。
また、紫外線の波長としては、液晶材料等に応じて適宜設定されるものであり、具体的には、波長が210nm〜380nm、好ましくは230nm〜380nm、さらに好ましくは250nm〜380nmの照射光を用いることが好ましい。また、紫外線の照射量(積算光量)としては、特に限定されないが、例えば、100J/cm〜1500mJ/cmの範囲内であることが好ましく、100mJ/cm〜800mJ/cmの範囲内であることがより好ましい。
[光学機能層の厚さについて]
光学機能層13の厚さとしては、特に限定されないが、適切な配向性能を得るためには、例えば500nm〜2000nm程度であることが好ましい。
≪2.Cプレートの製造方法≫
次に、上述した構成のCプレート1の製造方法について簡単に説明する。図2は、Cプレート1の製造工程を示すフローチャートである。
図2に示すように、Cプレート1の製造工程においては、先ず、基材11が、ロールにより提供される(ステップSP1)。
次に、基材11を供給リールから引き出し、垂直配向膜形成工程(ステップSP2)において、基材11上にダイ等による垂直配向膜12を構成する配向膜組成物の塗工液を塗布した後に乾燥して、紫外線等の照射処理あるいは加熱処理を施すことによって塗膜を硬化させて、これにより垂直配向膜12を形成する。
ここで、本実施の形態においては、基材11上に対して、バインダー樹脂と、垂直配向性を示すアクリルモノマーとを含み、そのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以上である配向膜組成物を塗布することによって垂直配向膜12を形成する。このようにして得られたCプレート1によれば、そのCプレート1上に接着層を介して偏光子を貼り付けて光学フィルムとしたときに、偏光子の収縮が生じた場合でも、垂直配向膜12における縮みを抑制することができ、基材11と垂直配向膜12との間の層間ズレを効果的に防止することができる。
次に、光学機能層形成工程(ステップSP3)において、垂直配向膜12上に光学機能層13の塗工液を塗布した後、乾燥させて紫外線の照射を行うことにより塗膜を硬化させて、これにより光学機能層13を形成する。このような工程を経ることによって、Cプレート1を製造することができる。
≪3.Cプレートを適用した光学フィルム≫
次に、上述したCプレートを適用した光学フィルムについて説明する。この光学フィルムにおいては、画像表示パネルに配置される各種の光学フィルムに一体にCプレートを作製するようにして、このCプレートとして上述したCプレート1の構成を適用する。
<3−1.光学フィルムを備えた液晶表示装置の例>
ここで、Cプレートとの一体化に係る構成の光学フィルムにおいては、正のCプレートを配置する箇所の部材表面に、上述したCプレート1の垂直配向膜12、光学機能層13を順次積層させるようにする。このような光学フィルムとしては、液晶表示パネルの出射面に配置される直線偏光板による光学フィルム、この直線偏光板とカラーフィルタを一体化した光学フィルム等、種々の構成を広く適用することができる。なお、液晶表示パネルの出射面に配置される直線偏光板による光学フィルムや、この直線偏光板とカラーフィルタを一体化した光学フィルムにあっては、Cプレートを使用した光学補償が種々に提案されており、上述したCプレート1を適用することができる。
図3は、例えば、光学フィルムの検討に供した液晶表示装置の構成を示す断面図である。この図3に示す液晶表示装置2において、光学フィルム21は、上述した液晶表示パネルの出射面に配置される直線偏光板とカラーフィルタを一体化した光学フィルムにCプレートを適用して光学補償に供する例である。
液晶表示装置2は、IPS液晶表示装置(In−plane Switching liquid crystal display;IPS−LCD)であり、バックライト22の前面に液晶表示パネル23が配置される。
液晶表示パネル23は、IPS液晶による液晶セル24が設けられ、この液晶セル24のバックライト側に、例えば感圧性の粘着層(図示せず)により直線偏光板25が設けられる。なお、直線偏光板25は、透明フィルムからなる基材25A及び25Cにより、直線偏光板として機能を担う光学機能層である偏光子25Bを挟持して構成される。
液晶表示パネル23は、液晶セル24の出射面に光学フィルム21が配置される。この光学フィルム21は、光学補償のための光学補償層26、偏光子27、表面材である基材(保護フィルム)28を備える。また、光学補償層26が、正(+)のCプレート(以下、「+Cプレート26」ともいう)により構成される。基材28は、TAC等の透明フィルムが適用され、直線偏光板25と同様に直線偏光板としての光学機能層が設けられる。また、光学フィルム21は、この光学機能層により偏光子27が形成され、基材28及び偏光子27により出射面側の直線偏光板が構成される。
このような積層体における+Cプレート26が、上述した基材11/垂直配向膜12/光学機能層13が順に積層された積層体(Cプレート1)により構成される。
<3−2.光学フィルム>
次に、より具体的に、上述した液晶表示装置2における光学フィルム21について説明する。図4は、上述した光学フィルム21の構成例を示す断面図である。図4に示すように、光学フィルム21は、基材11と、垂直配向膜12と、光学機能層(液晶層)13とが順次積層されたCプレート26(上述した説明における「Cプレート1」を適用。したがって、以下では「Cプレート26(1)」と表記する。)上に、UV接着剤等からなる接着層30を介して偏光子27が積層されてなり、その偏光子27上に、TACフィルム等からなる基材(保護フィルム)28が貼合されている。
ここで、接着層30は、上述したようにCプレート26(1)上に積層されるものであり、この接着層30を介して偏光子27をCプレート26(1)に貼り付ける。接着層30は、主として、主剤と硬化剤とからなる2液タイプの接着剤組成物を硬化させることによって形成される。主剤としては、特に限定されないが、例えば紫外線硬化性樹脂を用いてUV接着層とすることができる。より具体的に、紫外線硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられ、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、多官能ウレタンアクリレート等が好ましく用いられる。その中でも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いることが特に好ましい。
また、偏光子27は、上述した接着層30上に接着されるものであって、その接着層30を介してCプレート26(1)に貼り付けられて構成されるものである。偏光子27としては、特に限定されず公知のものを用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性材料を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。
一般的に、図4に一例を示す構成の光学フィルム21においては、偏光子27の収縮により、偏光子27よりも下の層、すなわち、基材11、垂直配向膜12、光学機能層13からなるCプレート26(1)に収縮応力が掛かることがある。このような偏光子の収縮による応力が掛かると、Cプレート26(1)を構成する垂直配向膜12が縮んでしまい、その基材11と垂直配向膜12との間で層間ズレが生じる。このような層間ズレは、その界面における剥離の原因となり、光学フィルムとして著しく信頼性を損ねてしまう。
この点において、本実施の形態に係るCプレート26(1)では、上述したように、その垂直配向膜12を、バインダー樹脂とアクリルモノマーとを含み、そのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以上である樹脂により構成するようにしている。このような垂直配向膜12によれば、たとえ光学フィルム21を構成する偏光子27に収縮が生じたとしても、その収縮応力に起因する垂直配向膜12の軟化を抑制することができ、基材11と垂直配向膜12との間における層間ズレを効果的に抑制することができる。そして、このことにより、基材11と垂直配向膜12との界面を剥離面とした剥離の発生を防ぐことができ、信頼性の高い光学フィルムを提供することができる。
以下、実施例を示すことによって本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
≪Cプレートを備えた光学フィルムの作製≫
以下に示すようにして、実施例、比較例において、正のCプレートを備えた光学フィルムを作製した。
[実施例1]
<Cプレートの作製>
(垂直配向膜)
バインダー樹脂として、スチレンと、メタクリル酸メチルと、シクロへキシルマレイミドとを各100質量部ずつ混合し、液状重合させて得られた共重合体を用いた。なお、このバインダー樹脂の重合度は80,000g/molであり、ガラス転移温度(Tg)は130℃であった。
このように調製したバインダー樹脂50質量部と、アクリルモノマーである1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)50質量部とを、エタノール/ブチルセロソルブ系の溶媒に10%の濃度となるように混合して配向膜組成物を調製した。
COPフィルムからなる基材(ゼオノアフィルム、日本ゼオン(株)製)に、調製した配向膜組成物をダイヘッドコーティング方式にて塗工し(膜厚:100nm)、乾燥温度120℃で5分間乾燥させて垂直配向膜を形成した。
(光学機能層)
次に、このようにして形成した垂直配向膜上に、重合性液晶組成物(RMM28B、メルク社製)をダイヘッドコーティング方式で塗工した。その後、乾燥温度65℃で5分間乾燥させた後に、紫外線照射装置(Hバルブ、Fusion社製)を用いて照射量が380mJ/cmとなるように紫外線を照射して硬化させる光学機能層を形成した。
<光学フィルム>
次に、偏光子として、親水性高分子フィルムであるポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素/ヨウ化カリウムの水溶液(濃度0.3%)に浸漬して一軸延伸させた後に乾燥させることで得られた偏光子を準備した。また、接着層を構成する材料として、カルボン酸含有ポリマーである無水マレイン酸−ビニルエチルエーテル共重合体を80℃の熱水中で撹拌して固形分濃度10重量%の光硬化接着剤溶液を調製した。
そして、上述のようにして作製したCプレートに対して、その光学機能層の面上に、調製した光硬化接着剤を塗布し、その接着剤を介して偏光子を貼り付けた上で、紫外線照射装置(Hバルブ、Fusion社製)を用いて露光処理を施し、接着層を硬化させた。これにより、Cプレートに偏光子を貼り付けた光学フィルムを作製した。
[実施例2]
そのガラス転移温度(Tg)が120℃となるように、スチレンと、メタクリル酸メチルと、シクロへキシルマレイミドとの共重合体を共重合させてバインダー樹脂を調整した。このように調製したバインダー樹脂を50質量部と、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を50質量部とを、エタノール/ブチルセロソルブ系の溶媒に10%の濃度となるように混合して配向膜組成物を調製した。
実施例2では、このようにして調製した配向膜組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCプレートを作製し、そのCプレート上に偏光子を貼り付けて光学フィルムを作製した。
[実施例3]
そのガラス転移温度(Tg)が110℃となるように、スチレンと、メタクリル酸メチルと、シクロへキシルマレイミドとの共重合体を共重合させてバインダー樹脂を調整した。このように調製したバインダー樹脂を50質量部と、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を50質量部とを、エタノール/ブチルセロソルブ系の溶媒に10%の濃度となるように混合して配向膜組成物を調製した。
実施例3では、このようにして調製した配向膜組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCプレートを作製し、そのCプレート上に偏光子を貼り付けて光学フィルムを作製した。
[実施例4]
そのガラス転移温度(Tg)が80℃となるように、スチレンと、メタクリル酸メチルと、シクロへキシルマレイミドとの共重合体を共重合させてバインダー樹脂を調整した。このように調製したバインダー樹脂を50質量部と、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を50質量部とを、エタノール/ブチルセロソルブ系の溶媒に10%の濃度となるように混合して配向膜組成物を調製した。
実施例4では、このようにして調製した配向膜組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCプレートを作製し、そのCプレート上に偏光子を貼り付けて光学フィルムを作製した。
[比較例1]
そのガラス転移温度(Tg)が0℃以下である、変性ポリオレフィン系のバインダー樹脂(ユニストールP901、三井化学(株)製)を用い、そのバインダー樹脂を50質量部と、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)を50質量部とを、エタノール/ブチルセロソルブ系の溶媒に10%の濃度となるように混合して配向膜組成物を調製した。
比較例1では、このようにして調製した配向膜組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCプレートを作製し、そのCプレート上に偏光子を貼り付けて光学フィルムを作製した。
≪評価(Cプレートにおける基材と垂直配向膜との層間ズレの評価)≫
上述のようにして各実施例及び比較例にて作製した、正のCプレートを備えた光学フィルムについて、偏光子の収縮によるCプレートでの基材と垂直配向膜との間における層間ズレの有無(及び大きさ)を測定した。具体的に、層間ズレの評価は、作製した光学フィルムを10cm×10cmの大きさにカットして試験サンプルとし、その試験サンプルに対して、85℃(dry)の温度条件下での耐久性試験を500時間行うことによって評価した。この耐久性試験により、偏光子に収縮を生じさせ、その偏光子の収縮応力によるCプレート中の基材と垂直配向膜との間の層間ズレの発生の有無を確認した。
このような耐久性試験に基づき、層間ズレの有無及び大きさについて以下の基準により評価した。下記表1に、各実施例及び比較例の評価結果を、バインダー樹脂のTgと共に示す。また、各光学フィルムの実用性の有無についての評価も示す。なお、実用性の評価は、層間ズレの評価が「○」以上のものを信頼性が高いものとして実用性有りとした。
『◎◎』:層間ズレが全く無かったもの
『◎』:層間ズレは確認されたもののズレの大きさが50μm未満であったもの
『○』:層間ズレの大きさが50μm以上100μm未満であったもの
『×』:層間ズレの大きさが100μm以上であったもの
Figure 2015191143
表1の結果から明らかなように、そのTgが80℃以上であるバインダー樹脂を含む配向膜組成物により垂直配向膜を構成してCプレートとした実施例1〜4の光学フィルムでは、Cプレート中の基材と垂直配向膜との間での層間ズレは全く生じず、あるいは極小さい範囲となり、偏光子の収縮による影響がない実用性(信頼性)の高いものであった。このことは、Tgが80℃以上のバインダー樹脂を含む垂直配向膜としたことでその配向膜の剛性が高まり、偏光子の収縮応力による軟化を抑制できたためと考えられる。
これに対して、そのTgが0℃以下のバインダー樹脂を含む配向膜組成物により垂直配向膜を構成してCプレートとした比較例1の光学フィルムでは、100μm以上(具体的には約250μm)もの大きさの層間ズレが生じてしまい、実用性の低いものとなってしまった。この比較例1の光学フィルムでは、偏光子の収縮応力が下層を構成するCプレートの垂直配向膜に与えられて軟化してしまい、その結果として基材との間で層間ズレが生じてしまったものと考えられる。なお、比較例1の光学フィルムでは、その層間ズレの結果、基材と垂直配向膜とがその界面で剥離してしまった。
1 Cプレート
2 液晶表示装置
11、25A、25C、28 基材
12 垂直配向膜
13 光学機能層
21 光学フィルム
22 バックライト
23 液晶表示パネル
24 液晶セル
25 直線偏光板
25B 偏光子
26 光学補償層(+Cプレート)
27 偏光子
30 接着層

Claims (7)

  1. 基材と、垂直配向膜と、該垂直配向膜の配向規制力により配向した状態で固化した液晶材料による光学機能層とがこの順に積層された積層体を備え、
    前記垂直配向膜は、バインダー樹脂と、アクリルモノマーとを含み、該バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以上であることを特徴とする光学フィルム。
  2. 前記バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が120℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記バインダー樹脂は、シクロへキシルマレイミドを共重合成分として含む共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. 前記バインダー樹脂は、スチレンと、メタクリル酸メチルと、シクロへキシルマレイミドとの共重合体であることを特徴とする請求項3に記載の光学フィルム。
  5. 前記アクリルモノマーは、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学フィルム。
  6. 前記基材は、シクロオレフィン系ポリマーからなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光学フィルム。
  7. 基材上に垂直配向膜を形成する配向膜形成工程と、
    前記垂直配向膜上に、液晶材料による塗工液を塗布して、該垂直配向膜の配向規制力により該液晶材料を配向させた状態で固化させることによりCプレートとして機能する光学機能層を形成する光学機能層形成工程とを備え、
    前記配向膜作製工程では、バインダー樹脂と、垂直配向性を示すアクリルモノマーとを含み、該バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃以上である配向膜組成物を前記基材上に塗布することによって垂直配向膜を形成することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
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