JP2015190868A - X線測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線信号のピーク位置が不良素子近傍に存在する場合であっても、定性分析でのピーク位置や定量分析での面積比の測定が問題なく行えるX線測定装置を提供する。
【解決手段】X線検出素子が一次元又は二次元に配列されたX線検出器アレイ13を、X線信号を検出する位置に配置し、X線信号を所定の積算時間をかけて検出位置で積算し、積算時間中に各X線検出素子で積算されたX線信号を強度分布信号として検出するX線測定装置1であって、検出位置においてX線検出素子の配列方向に沿ってX線検出器アレイ13を搖動する揺動機構30と、積算時間中に揺動機構を揺動させる揺動制御部21fとを備えた構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光X線分析装置やX線回折装置等のX線測定装置(X線分析装置)に関し、さらに詳細には、多数のX線検出素子が一次元又は二次元に並べて配置されたX線検出器アレイ(アレイ型X線検出器)を用いてX線強度プロファイルを検出するX線測定装置に関する。
X線検出器を用いた様々な種類のX線測定装置(分析装置)が利用されている。例えば、X線回折装置は、X線源から特性X線を粉末試料等に照射し、粉末試料等から放射される回折X線をゴニオメータに搭載されたX線検出器によって回折角度ごとに検出する(特許文献1参照)。これにより、粉末試料等に含まれる結晶成分の定性・定量分析を行っている。
また、波長分散型の蛍光X線分析装置は、X線源からのX線を試料に照射し、試料から発生した蛍光X線を分光結晶で分光し、分光された蛍光X線をX線検出器で波長ごとに検出する(特許文献2参照)。これにより、試料を構成する元素成分の定量、定性分析を行っている。
近年、これらX線測定装置のなかには、計測時間の短縮化を図るために、多数のX線検出素子(例えば1280個)が線状に配列されたX線検出器アレイ(ラインセンサともいう)を測定対象からのX線信号を検出する位置に配置し、X線検出器アレイの各検出素子により測定可能な範囲(領域)のX線強度分布を同時測定する装置も開発されている。
ところで、従来からX線の検出を行う場合には、X線検出器を検出位置に配置して所定の積算時間(例えば10秒)をかけて同じ位置で検出し、その間に取得した信号を積算することにより十分な信号強度が得られるようにすることが一般的に行われている。そして、X線検出器アレイを用いたX線測定装置においても、十分に強い強度で強度分布データを取得する場合に、各検出素子ごとに、それぞれの検出位置でのX線信号を積算する機能が設けられている。
特開平10−185844号公報 特開2012−242285号公報
X線検出器アレイは多数の検出素子が並べて配置されており、すべての検出素子が測定可能な正常素子であることが好ましいのはいうまでもないことであるが、不良素子が全く存在しない完全なX線検出器アレイを製造することはかなり困難である。したがって製品としての歩留まりの都合上、少数の不良素子が含まれるX線検出器アレイについては良品としてそのまま使用せざるを得ない場合があることから、不良素子が含まれるX線検出器アレイを用いてX線強度分布データを取得しなければならないことがありうる。そのため、図5に示すように、不良素子が含まれるX線検出器アレイでX線強度分布データを検出した場合、積算されたX線信号は、不良素子の位置で信号強度がゼロの欠落データとなっている。このような場合には、当該不良素子の位置での強度データについては、当該不良素子と隣接する近傍の正常素子の信号強度から補間処理によって算出することが行われている。
しかしながら、補間処理によって不良素子の位置での強度データを求める場合、不良素子の位置近傍にX線強度信号のピークが存在するときには、ピーク位置のわずかな違いで不良素子の両側に隣接する正常素子の信号強度が大きく変動し、補間処理で求められる補間データが大きく変動してしまうこととなる。そのため、ピーク位置を求める定性分析や、ピーク面積比に基づく定量分析の際に、従来行われていた補間処理を用いるだけでは演算結果に大きな誤差を生じやすく、好ましい補間データを得ることが困難である。
例えば、既知試料(標準試料)と未知試料との2回の測定によって対応する信号ピークの面積比から定量分析を行う際には、既知試料を試料取付位置にセットして1回目の測定を行った後に、測定試料を未知試料に交換して2回目の測定が行われるが、試料交換の際に測定試料の取付位置がわずかに変化することは避けられない。その結果、検出される信号ピークの頂点位置についてもわずかに変化するので、信号のピーク位置が不良素子近傍に存在したときに、これまでと同様の補間処理を行った場合には、試料取付位置のわずかな位置変化で大きな誤差が発生することになっていた。
この問題は、不良素子が複数個連続する場合により顕著に現れることになる。ただし、不良素子の連続する数が多すぎると、検出器アレイとして不良品であると判定されるので、実用上は不良素子が最大で5個程度連続する場合を想定しておけばよい。
そこで本発明は、不良素子が存在するX線検出器アレイによるX線強度分布の検出を、これまでとは異なる方法で行うことにより、たとえX線信号のピーク位置が不良素子近傍に存在する場合であっても、定性分析でのピークトップ位置や定量分析での面積比の測定が問題なく行えるX線測定装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、不良素子が後発的に発生する場合も考慮し、さらには、不良素子が存在しているか否かについて使用者があまり気にすることなく、それでいて安定してX線検出器アレイを用いたX線強度分布の測定(分析)を行うことができるX線測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明のX線測定装置は、X線検出素子が一次元又は二次元に配列されたX線検出器アレイを、測定対象からのX線信号を検出する位置に配置し、前記X線信号を所定の積算時間をかけて前記検出位置で積算し、前記積算時間中に前記各X線検出素子で積算されたX線信号を強度分布信号として検出するX線測定装置であって、前記検出位置において前記X線検出素子の配列方向に沿って前記X線検出器アレイを揺動する揺動機構と、前記積算時間中に前記揺動機構を揺動させる揺動制御部とを備えるようにしている。
本発明によれば、ピーク信号を含むX線信号を検出する際に、X線検出器アレイは、積算時間中に検出素子の配列方向に沿って揺動される。すると、静止状態のときにX線のピーク信号が照射されるピーク照射範囲内(領域)に存在する一部の検出素子群(素子群Aと呼ぶ)だけでなく、揺動によって当該ピーク照射範囲内に一時的に入り込む近隣の検出素子群(素子群Bと呼ぶ)に対しても、積算時間中にピーク信号の一部が照射されるようになる。
すなわち、本来は積算時間中に素子群AのみによってカウントされるX線量は、揺動により素子群Aに近隣の素子群Bを加えた素子群A、B間で均されるようにしてカウントされることになる。
仮に、素子群A、Bの全素子が正常素子であったとして、積算時間中に十分な回数(少なくとも積算時間中に5回以上の多数回、例えば10回)搖動したとする。そして静止状態で検出した積算時間経過後のピーク信号波形Aと、揺動状態で検出した積算時間経過後の検出信号ピーク信号波形Bとを比較すると、図6に示すように、揺動で均された結果、ピーク信号波形Bはピーク信号波形Aよりもピーク高さについては小さくなるとともに、ピーク幅については広がってブロードな波形となり、したがって分解能については悪化することになる。しかし、定性分析で求めるピークトップ位置や、定量分析で求めるピークの面積比については、素子群A、B全体で均された検出データから求めた場合でも静止状態でのピーク信号波形Aと同程度の正確さで求めることができる。
ところで、上述した素子群A、Bの一部に不良素子が含まれる場合には、不良素子による信号が欠落する幅を超える搖動幅(具体的には素子5個分の幅程度)で搖動すると、静止状態ではピーク信号波形Aの一部に欠落データ部分が発生し、揺動状態ではピーク信号波形Bの一部に欠落データ部分が発生したピーク信号波形になる。
そして、これらの欠落部分に対し、補間処理を行って求めたピークトップ位置やピーク面積比の誤差については、均された信号であるピーク信号波形Bでの誤差の方が、ピーク信号波形Aでの誤差よりも小さくなるため、搖動させながら検出したときの方が小さい誤差で測定できることになる。
本発明によれば、不良素子が含まれるX線検出器アレイで強度分布測定を行う際に、検出器アレイを搖動することにより、分解能は悪化するが、定性分析でのピークトップ位置の検出や定量分析でのピーク面積比の検出については、揺動させないで検出するときよりも正確かつ簡単に求めることができるようになる。
また、不良素子を含まないX線検出器アレイであっても、搖動することで上記のピーク位置やピーク面積比については十分正確に求めることができるので、不良素子存在の有無に関わらず搖動しながら検出することによって、測定者は不良素子の存在を意識することなくピーク位置やピーク面積比を正確に測定することが可能になる。
上記発明において、揺動制御部は、積算時間に合わせて整数回の揺動が行われるように揺動機構を制御するようにしてもよい。
積算時間中の搖動回数が多数回(5回以上)であれば、1回の搖動で積算される信号量が信号全体に与える影響は十分に小さいため、1回以下の搖動は無視しても影響は小さいが、搖動回数が少数回(5回未満)であれば1回以下の搖動での信号量が信号全体に与える影響は無視できなくなる。
しかし、積算時間中の搖動回数が整数回になるように制御しさえすれば、各検出素子に照射されるX線は搖動回数の多少に関わらず偏ることなく照射できているので、たとえ搖動回数が少なくても(例えば1〜2回であっても)正確な測定が可能になる。
上記発明において、X線測定装置がゴニオメータを備えたX線回折装置であり、X線検出器アレイにはゴニオメータの回転中心を中心として回転するための回転駆動機構が設けられており、揺動機構は前記回転駆動機構が兼用されるようにしてもよい。
本発明によれば、X線回折装置が本来備えているゴニオメータおよびその回転駆動機構を利用して検出器アレイを揺動させることにより、積算時間中に搖動するための制御系(制御プログラム)を追加するだけでX線回折装置に本発明を実現することができる。
上記発明において、X線測定装置が分光素子により波長分散された蛍光X線のX線信号を、X線検出器アレイで検出する蛍光X線分析装置であってもよい。
本発明によれば蛍光X線分析装置に本発明を実現することができる。
本発明の一実施形態であるX線回折装置の概略構成図。 定性分析でピークトップ位置を求める場合のピーク付近の信号を示す図。 定量分析でピーク面積比を求める場合のピーク付近の信号を示す図。 本発明の他の一実施形態である蛍光X線分析装置の概略構成図。 不良素子を含むX線検出器アレイでのX線強度分布データ検出時の信号を示す図。 X線検出器アレイの全素子が正常素子であり、当該アレイを静止状態又は搖動状態として信号検出した際のピーク波形の一例を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
図1は、本発明の一実施形態であるX線回折装置の概略構成図である。
X線回折装置1は、X線源11と、スリット12と、ラインセンサ(X線検出器アレイ)13と、ゴニオメータ30と、X線回折装置1全体の制御を行う制御部(コンピュータ)20とを備える。
ラインセンサ13は、N個(例えば1280個)の検出素子(半導体素子)が一次元に配列されている。そして、各検出素子が所定の積算時間をかけて検出されたX線強度I(検出素子番号n=1、2、・・・、N)が、制御部20にそれぞれ出力されるようになっている。積算時間は試料に応じて十分な強度のピーク信号が得られる程度に設定すればよく、例えば10〜30秒程度の積算時間が設定される。
また、ラインセンサ13は、ゴニオメータ30の2θ軸に搭載されるとともに、測定試料Sは、ゴニオメータ30のθ軸に搭載されるようになっており、θ−2θ連動の駆動方法で、ゴニオメータ30の中心軸を中心として付設の回転駆動機構(図示略)によりそれぞれ回転されるようになっている。そして本実施形態では当該回転駆動機構を用いてラインセンサ13が検出位置で搖動運動できるようにしてある。
制御部20を構成するコンピュータは、CPU21と入力装置22と表示装置23とを備え、X線回折装置1全体の制御を行う。CPU21により行われる制御のうち、本発明に関係する機能をブロック化して説明すると、X線源制御部21aと、信号取得部21bと、画像表示制御部21c、回転制御部21d、補間処理部21e、搖動制御部21fとを有している。
X線源制御部21aは、X線源11から特性X線を出射させる制御を行う。
信号取得部21bは、入力装置22で設定した積算時間(例えば10秒)の間に、ラインセンサ13のN個の各検出素子が検出するX線強度信号Iをそれぞれ積算して取得する制御を行う。
画像表示制御部21cは、各検出素子により積算時間をかけて取得したX線強度信号Iを強度分布として画像表示する制御を行う。
回転制御部21dは、回折測定の際に試料Sとラインセンサ13とがθ−2θ連動の関係を保ちながら測定できるようにゴニオメータ30を回転する制御を行う。
補間処理部21eは、不良素子の存在による検出信号の欠落部分があるときに、その欠落部分を挟んだ両側の検出信号データに基づいて補間処理の演算を行う。
搖動制御部21fは、本発明による新たな機能を実現するために必要な制御を行う構成部分であり、積算時間中にゴニオメータ30の回転駆動機構を駆動してラインセンサ13を揺動させる制御を行う。この揺動は、積算時間中にラインセンサ13が整数回揺動するように制御される。例えば積算時間10秒間に整数回である1回、2回の揺動、あるいは5回以上の多数回の搖動(往復動)が行われるように制御される。なお、揺動回数が5回以上、好ましくは10回以上であれば、1回以下の揺動による信号全体への影響は十分小さいので、整数回の揺動となるよう正確に制御する必要はなくなる。本実施例では10秒間の積算時間で10回程度の揺動を行うようにしている。
次に測定動作について説明する。一般にX線回折装置1では測定内容に応じて、いくつかの測定モードが用意されている。具体的には、広い角度範囲で回折測定するためにラインセンサ13を連続的に回転走査し、あるいは、ラインセンサ13で測定可能な角度範囲幅ごとに間欠的に走査して測定する測定する「走査モード」が設けられている。
また、ピーク信号を検出する角度範囲が判明している試料等の測定であって、検出する角度範囲が狭くてよい場合には、ラインセンサ13を動かさずに回折測定を行うことができるため、ラインセンサ13を所望の角度範囲の検出位置にセットし、積算時間中はその検出位置で固定して測定する「固定測定モード」(ワンショットモード)も設けられている。なお、測定モードの選択は、入力装置22からの入力操作によって選択できるようにしてある。
そして本発明は、この「固定測定モード」を用いて不良素子の存在による悪影響を排除することが目的の一つであるため、以下は「固定測定モード」について説明するとともに、本発明を実行する際の「揺動測定モード」と対比しながら説明する。
「固定測定モード」により、積算時間中にラインセンサ13を検出位置に固定して測定すると、(後述する「揺動測定モード」よりも)高分解能でのX線信号の強度分布を得ることができる。しかしながらラインセンサ13のX線検出素子の一部に不良素子が含まれていると、その不良素子の位置に対応する信号が欠落することになり、その場合には補間処理部20eによって補間処理が行われることになる。
図2は、定性分析でピークトップ位置を求める場合のピーク付近の信号を示す図であり、図2(a)は「固定測定モード」測定時のX線信号において、不良素子存在時に検出される欠落信号プロファイル(太い実線部分)と、補間処理で求めた補間プロファイル(細い実線部分)とを示した信号波形の模式図である。なお、本来のピークプロファイル(点線部分)、すなわち、不良素子が存在しないときのピークプロファイルについても併せて示してある。図2では、不良素子の位置近傍に、たまたまピーク位置が存在した状態を示している。
この場合、「固定測定モード」では、高い分解能のピークが得られる結果、ピーク付近の信号高さは十分に高く、急峻な変化になっている。したがって不良素子が存在するときの補間プロファイルは、急峻に変化する位置で補間が行われることになり、ピークの幅方向のわずかな位置ずれがあると、(不良素子に隣接する)正常素子位置P、Pの信号高さの変動は大きくなる。よって変動が大きい信号を用いて求めた補間プロファイルを利用して、ガウスフィッティング等でピークトップ位置を算出したとしても、ピークトップの位置は本来の位置から変動しやすく再現性も小さい。したがって、求めたピーク位置の信頼性は低く、ピーク位置を検知して定性分析を行う場合に、定性分析の判定ミスが起こりやすい。
これに対し、X線回折装置1では、この「固定測定モード」に加えて、搖動制御部21fによりラインセンサ13を検出位置で揺動させながら同様の測定を行う「揺動測定モード」が追加されている。すなわち、入力装置22で「揺動測定モード」を選択することにより、積算時間中にラインセンサ13を検出位置で揺動させながらX線信号を取得する制御が行われる。
図2(b)は「揺動測定モード」測定時のX線ピーク信号において、不良素子存在時に検出される欠落信号プロファイル(太い実線部分)と、補間処理で求めた補間プロファイル(細い実線部分)とを示した信号波形の模式図である。なお、図2(a)と同様に本来のピークプロファイル(点線部分)も併せて示してある。
揺動が行われることによってX線信号が均される結果、欠落信号プロファイルは、ピーク中心付近の高さが本来のピーク高さよりも低くなり、ピークの裾野部分が本来のピーク高さよりも高くなり、全体的にブロードなピーク信号波形になる。したがって「固定測定モード」に比べて分解能が悪化している。
しかし「揺動測定モード」では、不良素子が存在するときの補間プロファイルは、均されたピーク波形上での補間が行われることになり、ピークの幅方向の位置ずれがあっても(不良素子に隣接する)正常素子位置P、Pの信号高さの変動は小さくなっている。よって補間プロファイルがあまり大きく変動しないので、ガウスフィッティング等でピークトップ位置を算出すると、このピークトップ位置は本来の位置からの変動値が小さくなり、再現性も大きい。したがって、求めたピーク位置の信頼性は高く、ピーク位置を検知して定性分析を行う場合に、定性分析の判定ミスが起こり難い。
また、図3は、定量分析でピーク面積比を求める場合のピーク付近の信号を示す図である。図3(a)は「固定測定モード」測定時の標準試料Sおよび未知試料UのX線ピーク信号において、不良素子存在時に検出される欠落信号プロファイル(太い実線部分)と、補間処理で求めた補間プロファイル(細い実線部分)とを示した信号波形の模式図であって、上側は標準試料Sの測定結果、下側は試料交換後の未知試料Uの測定結果を示している。なお、本来のピークプロファイル(点線部分)も併せて示してある。
定量測定では、試料交換による光路変化によって、ピーク位置が少しずれることがある。ピーク位置がずれることにより、急峻なピーク形状が得られている「固定測定モード」では、同一含有量の測定した場合でも、補間処理で求めたピーク面積が大きく異なりやすい。
これに対し、図3(b)は「揺動測定モード」測定時のX線ピーク信号において、不良素子存在時に検出される欠落信号プロファイル(太い実線部分)と、補間処理で求めた補間プロファイル(細い実線部分)とを示した信号波形の模式図である。なお、図3(a)と同様に本来のピークプロファイル(点線部分)も併せて示してある。
揺動が行われることによってX線信号が均される結果、全体的にブロードなピーク信号波形になる。定量測定でのピーク面積比においても「固定測定モード」に比べて変動が小さくなっており、定量値の誤差を小さく抑えることができる。
以上はX線回折装置1に本発明を実施した場合について説明したが、その他のX線測定装置にも本発明を適用することができる。
例えば、図4は本発明の他の一実施形態である蛍光X線分析装置2を示す概略構成図である。蛍光X線分析装置2は、試料Sに向けてX線を照射するX線源41と、試料Sから発生した蛍光X線を通過させるスリット42と、スリット42を介して入射する蛍光X線を分光する分光結晶43と、多数の検出素子が一次元に配列され、分光結晶により波長ごとに分散された蛍光X線を波長ごとに検出するラインセンサ44(X線検出器アレイ)とを備えている。
そしてこの蛍光X線分析装置2では、ラインセンサ44を検出素子の配列方向に搖動させる搖動機構45が新たに設けられている。
蛍光X線分析装置2の装置全体を制御する制御部(コンピュータ)50は、CPU51、入力装置52、表示装置53を有している。また、CPU51により行われる制御のうち、本発明に関係する機能をブロック化して説明すると、X線源制御部51aと、信号取得部51bと、画像表示制御部51cと、補間処理部51eと、搖動制御部51fとを有している。
これらは図1で説明したX線回折装置1におけるX線源制御部21a、信号取得部21b、画像表示制御部21c、補間処理部21e、搖動制御部21fと同様の制御を行うので説明を省略する。
そして蛍光X線分析装置2でも搖動機構45と搖動制御部51fとにより、X線回折装置1と同様の「搖動測定モード」での測定が行われる。よってラインセンサ44の一部に不良素子が存在するときには、「固定測定モード」に比べて誤差の小さい補間処理が可能になる。
上述した実施例では、N個の検出素子が一次元に配列されたラインセンサを用いたが、(N×M)個の検出素子が二次元に配列されたX線検出器アレイを用いて二次元に搖動させるようにしてもよい。
本発明は、X線回折装置や蛍光X線分析装置やX線測定装置等に利用することができる。
1 X線回折装置
2 蛍光X線分析装置
11、41 X線源
13、44 ラインセンサ(X線検出器アレイ)
20、50 制御部
30 ゴニオメータ(揺動機構)
21f、51f 搖動制御部

Claims (4)

  1. X線検出素子が一次元又は二次元に配列されたX線検出器アレイを、測定対象からのX線信号を検出する位置に配置し、前記X線信号を所定の積算時間をかけて前記検出位置で積算し、前記積算時間中に前記各X線検出素子で積算されたX線信号を強度分布信号として検出するX線測定装置であって、
    前記検出位置において前記X線検出素子の配列方向に沿って前記X線検出器アレイを揺動する揺動機構と、
    前記積算時間中に前記揺動機構を揺動させる揺動制御部とを備えたことを特徴とするX線測定装置。
  2. 前記揺動制御部は、積算時間に合わせて整数回の揺動が行われるように前記揺動機構を制御する請求項1に記載のX線測定装置。
  3. 前記X線測定装置がゴニオメータを備えたX線回折装置であり、前記X線検出器アレイには前記ゴニオメータの回転中心を中心として回転するための回転駆動機構が設けられており、
    前記揺動機構は前記回転駆動機構が兼用される請求項1又は請求項2に記載のX線検出装置。
  4. 前記X線測定装置が分光素子により波長分散された蛍光X線のX線信号を、前記X線検出器アレイで検出する蛍光X線分析装置である請求項1又は請求項2に記載のX線検出装置。
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