JP2015190645A - 廃棄物焼却処理装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼却炉そしてその廃熱回収ボイラでの腐食を防止する廃棄物焼却処理装置及び方法を提供する。【解決手段】焼却炉10と、除塵装置30とを備え、焼却炉10が廃棄物投入口12からの廃棄物を燃焼室11内の下流側へ移送しながら燃焼し、燃焼室11の下流端下部の焼却灰排出部13から焼却灰を排出すると共に燃焼室11の排ガス排出部15Aから排ガスを排出し、除塵装置30で排ガスを除塵して飛灰排出部32から飛灰を排出する廃棄物焼却処理装置において、焼却灰排出部13からの焼却灰と飛灰排出部32からの飛灰のうち少なくとも一つである灰分を受けて、Mg,Al,Fe,Siのうちの少なくとも一つを含む金属化合物を分離選別する分離選別装置50を有し、廃棄物投入口12は、廃棄物に加えて、硫黄を含む添加剤が投入されると共に、分離選別装置50からの金属化合物が投入されるように分離選別装置50が接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物焼却炉で廃棄物を焼却し、除塵装置で排ガスの除塵を行う際、燃焼排ガスの熱エネルギを回収するために廃棄物焼却炉に設けられた廃熱回収ボイラの腐食防止を図ることのできる、廃棄物焼却処理装置及び廃棄物焼却炉処理方法に関する。
家庭・店舗そして産業界から多量の廃棄物が排出されている。特に、家庭・店舗から、毎日排出される都市ごみの量は、生活水準の向上とともに増加の一途をたどり、その大部分は廃棄物焼却処理装置での焼却により処理されている。この焼却処理装置における都市ごみの焼却システムについては、いくつかの方式が知られている。その代表的な方式は、火格子式焼却炉による方式である。即ち、廃棄物ピットに貯留された廃棄物は、クレーンで焼却炉のホッパ(廃棄物投入口)に投入され、炉内の火格子上で燃焼され、焼却灰は冷却によりスラグとされた後、埋め立て処分場に搬送されて埋め立てに供される。一方、炉内では火格子の下から導入される燃焼用空気により廃棄物が燃焼され発生した燃焼排ガスは、廃熱回収ボイラでの熱交換により熱回収され、その後、脱硝、脱硫、脱塩処理そして除塵などを経て無害化された後、煙突から大気に放出される。
しかしながら、都市ごみを焼却すると、次のように、焼却により発生する塩化水素ガス等による問題と、金属塩化物による問題が生ずる。
<塩化水素ガス等による問題>
都市ごみの中には、一般家庭や料理店、飲食店等の店舗からの厨房残渣物が多く、その中には食塩(NaCl)を含む廃棄物が多量に含まれている。また、都市ごみには包装材や容器類として使用されるプラスチックス(例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど)が多く、塩素を含むプラスチックスを焼却すると、極めて腐食性の激しい塩化水素ガス(HCl)が発生し、ときにはその一部が酸化されて塩素ガスに変化し、廃熱回収ボイラの伝熱管などを短時間で甚だしく腐食損耗させる。
<金属塩化物による問題>
一方、都市ごみ中には、アルミニウム缶、亜鉛めっきや錫めっき製品をはじめ各種の使用済み乾電池類などの金属製品も含まれているので、これらは廃棄物の燃焼過程でHCl,Clなどと反応して低融点で腐食性の強い金属塩化物(例えば、AlCl ,ZnCl ,SnClなど)のダストを生成し、溶融したダストが焼却炉や廃熱回収ボイラの伝熱管に付着して、いわゆる溶融塩腐食を起こす。
例えば、廃熱回収ボイラにおいて、金属塩化物を主成分とするダストが伝熱管に付着してこれを腐食させるため、伝熱管の耐用期間が著しく短くなり、長期間に亘って安定した運転ができなくなるという問題を生じる。金属塩化物のダストは融点以上では溶融状態で廃熱回収ボイラの伝熱管に付着し、この伝熱管を腐食する反応は高温になるほど溶融状態が進むため顕著になる。そのため、このような溶融塩腐食を防止するために、金属塩化物ダストが溶融状態で付着しないように、つまり、伝熱管表面温度が金属塩化物の融点以上にならないように、伝熱管で発生させる蒸気の温度と圧力を低く制限して操業している。このような状況のもとでは、高温高圧蒸気を得ることができなくなり、蒸気タービンによる発電効率を高くすることができない。その結果、折角の高温状態の燃焼排ガスの保有熱を有効に回収して利用できないこととなる。
上述のような状況に対応するため、特許文献1では廃棄物焼却炉、廃熱回収ボイラの金属塩化物による腐食を抑制する防食添加剤が提案されている。特許文献1によると、廃棄物を焼却する際に、防食添加剤として、硫黄又は硫黄化合物と、Mg,Al,Fe,Siのうち少なくとも一つの元素を含む金属化合物(金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩など)とを添加することとしている。
防食添加剤中の上記硫黄又は硫黄化合物そして上記金属化合物による腐食抑制のメカニズム(原理)は次の通りである。
<腐食抑制のメカニズム>
廃棄物由来の金属塩化物ダストと塩化水素ガスとを発生させる廃棄物焼却炉に上述の防食添加剤を供給することにより、廃棄物の燃焼過程で防食添加剤中の硫黄又は硫黄化合物から硫黄酸化物を発生させ、廃棄物由来の金属塩化物をこの硫黄酸化物との反応により金属硫酸塩化合物に変化させる。金属硫酸塩化合物は金属塩化物に比べて融点が高いため、廃熱回収ボイラ内ではその融点以下の温度雰囲気であるため、溶融せず固体状である。そのため、金属硫酸塩化合物ダストは伝熱管に付着することなく炉外へ排出される。このように、廃棄物由来の金属塩化物の存在を抑制することにより廃棄物焼却炉および廃熱回収ボイラ内の環境を腐食の生じない環境とし、腐食を抑制する。
一方、防食添加剤中の上記金属化合物(Mg,Al,Fe,Si)は、硫黄酸化物と反応し金属硫酸塩(Mg,Al,Fe,Si)を生成し、これが伝熱管表面に付着して保護被膜として形成されるので、廃棄物由来の金属塩化物ダストが溶融付着することを防止すると共に、塩化水素ガスの伝熱管表面との直接接触を防ぎ、塩化水素ガスによる腐食を防止する。
特開平09−241667
しかしながら、特許文献1では、防食添加剤として、硫黄又は硫黄化合物の他に、Mg,Al,Fe,Siのうち少なくとも一つの元素を含む金属化合物とを添加することとなるので、添加剤のための費用が必要となる。
また、廃棄物焼却処理装置外から上記防食添加剤を加えるので、追加して添加される金属化合物の添加分だけ、集塵する飛灰量が増加し、有害物の溶出防止など飛灰処理費用が増加する。
本発明は、このような事情に鑑み廃棄物焼却炉及びその廃熱回収ボイラが抱えている環境雰囲気の腐食性を抜本的に改善する廃棄物焼却処理装置及び方法を提供することを課題とする。
上述の課題は、次のような本発明の廃棄物焼却処理装置そして方法により解決される。
<廃棄物焼却処理装置>
廃棄物を焼却する焼却炉と、焼却炉からの排ガスを除塵する除塵装置とを備えていて、焼却炉が廃棄物投入口から投入された廃棄物を燃焼室内の下流側へ移送しながら燃焼し、燃焼室の下流端下部の焼却灰排出部から焼却灰を排出すると共に燃焼室の下流端上部の排ガス排出部から排ガスを排出し、該排ガス排出部に連通して接続された除塵装置で焼却炉からの排ガスを除塵して該除塵装置の飛灰排出部から飛灰を排出する廃棄物焼却処理装置において、
焼却灰排出部からの焼却灰と飛灰排出部からの飛灰のうち少なくとも一つである灰分を受けて、Mg,Al,Fe,Siのうちの少なくとも一つを含む金属化合物を分離選別する分離選別装置を有し、
廃棄物投入口は、廃棄物に加えて、硫黄を含む添加剤が投入されると共に、上記分離選別装置からの上記金属化合物が投入されるように該分離選別装置が接続されていることを特徴とする廃棄物焼却処理装置。
このような構成の本発明装置では、分離選別装置は、風力選別機、磁力選別機そして非鉄金属選別機とを順に備え、焼却灰排出部からの焼却灰と飛灰排出部からの飛灰のうち少なくとも一つである灰分を受けて、風力選別機で軽量塵を除去し、磁力選別機で鉄分を分離して取出し、非鉄金属選別機で焼却残渣を除去すると共に酸化鉄分と非鉄金属分を分離して取出し、上記磁力選別機からの鉄分と非鉄金属選別機からの酸化鉄分とを金属化合物として廃棄物投入口から焼却炉内へ投入することができる。
<廃棄物焼却処理方法>
上述の本発明装置は、次のような方法で実施される。
廃棄物を焼却する焼却炉と、焼却炉からの排ガスを除塵する除塵装置とを備えている廃棄物焼却処理装置にて、焼却炉が廃棄物投入口から投入された廃棄物を燃焼室内の下流側へ移送しながら燃焼し、燃焼室の下流端下部の焼却灰排出部から焼却灰を排出すると共に燃焼室の下流端上部の排ガス排出部から排ガスを排出し、該排ガス排出部に連通して接続された除塵装置で焼却炉からの排ガスを除塵して該除塵装置の飛灰排出部から飛灰を排出する廃棄物焼却処理方法において、
焼却灰排出部からの焼却灰と飛灰排出部からの飛灰のうち少なくとも一つである灰分を受けて、Mg,Al,Fe,Siのうちの少なくとも一つを含む金属化合物を分離選別し、
廃棄物投入口に、廃棄物に加えて、硫黄を含む添加剤を投入すると共に、上記金属化合物を投入することを特徴とする廃棄物焼却処理方法。
以上のような、本発明装置そして本発明方法にあっては、廃棄物を焼却する際に、焼却炉から排出される焼却灰や飛灰の灰分を捨てることなく、灰分を分離選別装置に供給し、上記金属化合物を選別して、焼却炉へ硫黄分と共に投入する。したがって、硫黄分は外部から供給されるが、上記金属化合物に関しては、廃棄物からの焼却灰と飛灰の灰分で賄えることとなる。
以上のように、本発明にあっては、廃棄物焼却炉や廃熱回収ボイラにおける防食対策として、添加剤として焼却時に廃棄物投入口から廃棄物と共に投入される硫黄分に加えて添加投入される金属化合物を別途用意せずに、廃棄物の焼却時に発生する灰分を分離選別することで得て、これを廃棄物投入口に投入することとしたので、金属化合物の分だけ添加剤費用が低減され、経済的に腐食抑制を行うことができ、その結果、廃熱回収ボイラで発生させる蒸気を高温高圧のものとし、蒸気タービンによる発電効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態装置の概要構成図である。 図1における分離選別装置の構成図である。
以下、添付図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態装置の概要構成を示す図1において、廃棄物焼却処理装置1は、焼却炉10、減温塔20、除塵装置30、排ガス放出装置40、分離選別装置50とを備えている。
焼却炉10は、廃棄物を一端側(図にて左端側)となる上流側から他端側となる下流側へ移送中に焼却する燃焼室11と、該燃焼室11の上流端上部に設けられた廃棄物投入口12と、燃焼室11の下流端下部に設けられた焼却灰排出部13と、燃焼室11の下流端上部に形成される二次燃焼領域14に接続される廃熱回収ボイラ部15とを有している。
上記燃焼室11の下部には、廃棄物を上流側から下流側に廃棄物を移送する火格子(図示せず)が設けられており、該火格子の下方から、燃焼用の空気が空気供給管16から上記燃焼室11内へ供給されるようになっている。
また、二次燃焼領域14には、特には図示しないが、外部から空気等の二次燃焼用ガスが吹き込まれ、燃焼室11から導かれたガス中の可燃性ガスが二次燃焼されている。かかる二次燃焼領域14の後流側に配された廃熱回収ボイラ部15の下端側上部には排ガス排出部15Aが設けられている。
かくして、廃棄物投入口12から投入された廃棄物は、燃焼室11内の火格子上で下流側へ移動しながら燃焼用の空気を受けて自燃する。燃焼室11から導かれたガス中の可燃性ガスは二次燃焼領域で二次燃焼し、燃焼排ガスは廃熱回収ボイラ部15との熱交換後に降温して排ガス排出部15Aから排出される。また燃焼室11内での廃棄物の燃焼後の焼却灰は焼却灰排出部13から炉外へ排出される。
上記排ガス排出部15Aに接続されている減温塔20は、排ガス排出部15Aからの排ガスに対して水を噴射して排ガスの温度を低下させて、ダイオキシン類の再合成を防止しかつ後続の除塵装置30でのバグフィルタ等による除塵に支障のない温度にまで降温するようになっている。
除塵装置30は、例えば、除塵部材としてバグフィルタ31を内蔵しており、上記減温塔20で低温にされた排ガスから飛灰を除去し、飛灰を排出する飛灰排出部32が下部に設けられていると共に、上部には飛灰除去後の排ガスを排出する排ガス排出部33が設けられている。
上記除塵装置30に接続されている排ガス放出装置40は、煙突41と、除塵装置30の排ガス排出部33からの排ガスを吸引して上記煙突41へ送気する誘引ブロワ42とを有している。
本実施形態では、焼却炉10の焼却灰排出部13及び除塵装置30の飛灰排出部32と上記焼却炉10の廃棄物投入口12との間に分離選別装置50が設けられている。該分離選別装置50は、焼却炉10からの焼却灰と除塵装置30からの飛灰を受け、これらの混合物としての灰分を分離選別して後述の金属化合物を取り出して、これを上記廃棄物投入口12へ送るように、上記焼却灰排出部13そして飛灰排出部32と廃棄物投入口12を接続するように位置づけられている。
上記分離選別装置50は、図2に見られるように、風力選別機51、スクリーン52、磁力選別機53そして非鉄金属選別機54を順に接続することで構成されている。このような構成の分離選別装置50自体は、例えば特開平09−075853に見られるように、すでに公知である。
風力選別機51は、上記焼却灰と飛灰との混合物たる灰分に風力を与えて、軽量塵を吹き飛ばして除去し、残った土砂類、鉄分、非鉄金属分、焼却残渣を含む灰分をスクリーン52へ送る。
スクリーン52は、風力選別機51からの土砂類、鉄分、非鉄金属分、焼却残渣を含む灰分を受け、土砂類をスクリーンのメッシュで篩下物として除去する。なお、スクリーン52は、場合によっては省略可能である。
磁力選別機53は、磁力によって鉄分と他の成分とに分離し、鉄分を取り出し、他の成分を次の非鉄金属選別機54へ送る。他の成分には、非鉄金属分と焼却残渣の他、一部に酸化鉄をも含んでいる。
非鉄金属選別機54は、移動磁界の作用によって、磁力選別機53から受けた鉄分以外の成分を非鉄金属分、酸化鉄分、残りの焼却残渣とに選別する。
かくして、各段階で分離選別を行う上記分離選別装置50により、磁力選別機53からの鉄分と非鉄金属選別機54からの酸化鉄分とを、既述のMg,Al,Fe,Siのうちの少なくとも一つを含む金属化合物として、焼却炉10の廃棄物投入口12へ送り、図1に見られるように、該廃棄物投入口12では硫黄に加え、上記金属化合物が廃棄物と共に投入される。
このような構成の本実施形態において、廃棄物は次の要領で焼却処理される。
先ず、廃棄物が焼却炉10の廃棄物投入口12へ投入されるが、この廃棄物と共に、硫黄を含む添加剤に加え、分離選別装置50からの上記金属化合物が投入される。
廃棄物は焼却炉10への投入後、燃焼室11内の火格子上に積載されるが、その中に上記硫黄を含む添加剤そしてMg,Al,Fe,Siのうち少なくとも一つを含む上記金属化合物が混入されている。かかる廃棄物は、火格子上を下流側へと移送されつつ、火格子の下方より送入される燃焼用空気を受けて、燃焼室11内で燃焼し、高温の排ガスと、焼却灰とを生ずる。高温の排ガスは、二次燃焼領域14にて未燃の可燃性ガスが二次燃焼してさらに高温化した後、廃熱回収ボイラ部15との熱交換後、排ガス排出部15Aから排出される。また、焼却灰は焼却灰排出部13から排出される。
廃棄物は、火格子上での燃焼の際、既述のように、廃棄物中に含まれている食塩やプラスチックスからHCl、塩素ガスを発生し、また廃棄物中に含まれている金属製品から金属塩化物を発生する。
本実施形態では、上記硫黄を含む添加剤そして上記金属化合物が廃棄物中に混入しているので、廃棄物の燃焼過程で添加剤中の硫黄又は硫黄化合物から硫黄酸化物が発生し、廃棄物由来でMg,Al,Fe,Siのうちの少なくとも一つを含む金属塩化物がこの硫黄酸化物との反応により金属硫酸塩化合物に変化する。金属硫酸塩化合物は金属塩化物に比べて融点が高く、廃熱回収ボイラ内では融点以下の温度雰囲気であるので、溶融せず固体状であるため伝熱管に付着することなく上記焼却灰排出部13から炉外へ排出される。廃棄物由来の金属塩化物の存在を抑制することにより廃棄物焼却炉および廃熱回収ボイラ内の環境を腐食の生じない環境とする。
一方、防食添加剤中の上記金属化合物は、硫黄酸化物と反応し金属硫酸塩を生成し、これが伝熱管表面に付着して保護被膜として形成されるので、廃棄物由来の金属塩化物が伝熱管表面に溶融付着することを防止すると共に、塩化水素ガスの伝熱管表面との直接接触を防ぎ、塩化水素ガスによる腐食を防止する。
ここで、上記添加剤そして上記金属化合物の腐食抑制のメカニズムについて、具体例を示しつつ説明する。
廃棄物の燃焼により発生する金属塩化物ダストとその融点は、例を挙げると、次のごとくである。
金属塩化物 融点(℃)
KCl 776
ZnCl 283
SnCl 247
PbCl 501
このように、金属塩化物は低融点化合物であるので、廃熱回収ボイラ部の伝熱管表面に付着すると、融点以上の温度雰囲気にあり、溶融状態となり、伝熱管が腐食損傷する。このように、金属塩化物ダストの融点が低いことは、これらの金属塩化物が付着している伝熱管表面において腐食損傷が発生することを示唆しており、腐食損傷を防止するため、伝熱管表面温度を金属塩化物の融点以下とする操業をよぎなくされ、ボイラの蒸気温度を高くできない最大の原因となる。
本発明では、硫黄を含む添加剤を添加しているので、都市ごみ燃焼排ガスに含まれている金属塩化物を金属硫酸塩に変化させることにより、金属塩化物による腐食を防止する。即ち、次式のように、金属塩化物を高温状態の硫黄酸化物と反応させて熱力学的に安定な金属硫酸塩に変化させる。
2KCl+SO+HO+1/2O→KSO+2HCl
ZnCl+SO+HO→ZnSO+2HCl
SnCl+SO+HO→SnSO+2HCl
PbCl+SO+HO→PbSO+2HCl
以上のような金属塩化物と金属硫酸塩の融点を比較すると、次に示すように、金属塩化物よりも金属硫酸塩の方がはるかに高い融点となっている。廃熱回収ボイラ部内ではこれらの金属硫酸塩の融点より低い温度雰囲気であるので、金属硫酸塩は固体のダストとして存在するため、焼却灰排出部から炉外へ排出される。
金属塩化物の融点(℃) 金属硫酸塩の融点(℃)
KCl :776 KSO:1069
ZnCl:283 ZnSO: 740
SnCl:247 SnSO: 880
PbCl:501 PbSO:1084
また、上述の金属塩化物を硫黄酸化物によって金属硫酸塩に変化させるとともに、廃棄物にCa,Mg,Fe,Al及びSiのうち少なくとも一つを含む金属化合物、例えば水酸化物、酸化物又は炭酸塩が添加されており、硫黄を含む添加剤から生じた硫黄酸化物に由来するSO,SOが排ガス中に含まれていると、上記金属化合物が次の反応式のもとで、SO ,SOと反応して金属硫酸塩を生成し、この金属硫酸塩がボイラ伝熱管表面に付着して保護膜を形成して、気相状態の塩化水素(HCl)のボイラの伝熱管表面への直接接触を防ぎ、ボイラ伝熱管表面を保護することとなる。
CaO+SO+1/2O→CaSO
MgO+SO+1/2O→MgSO
FeO+SO+1/2O→FeSO
さらに、硫黄を含む添加剤として硫黄酸化物を加える代わりに、単体の硫黄、無機硫黄化合物、有機硫黄化合物を添加することとしてもよい。これらは燃焼により硫黄酸化物(SO,SO)に変化して、塩化物を硫酸塩に変化させる役割を果たす。無機硫黄化合物としては、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫酸水素アンモニウム、硫酸鉄、硫酸水素カリウム、硫酸マンガン、硫酸銅などの硫酸塩や、硫化アンモニウム、硫化水素、硫化水素アンモニウム、硫化鉄、硫化銅、硫化ニッケル、硫化コバルト、硫化クロムなどの硫化物を挙げることができる。また、有機硫黄化合物としては、メルカプタン類、有機硫化物、有機二硫化物、チオフェン及びその同族体、加硫ゴム中の有機硫黄化合物、石炭中の下記構造式の有機硫黄化合物などを挙げることができる。
かくして、燃焼室11で廃棄物が燃焼されると、上記金属化合物を含む焼却灰が焼却灰排出部13から排出され、また金属化合物を含む飛灰が排ガスと共に排ガス排出部15Aから排出されることとなる。
排ガスは、既述したように、減温塔20で降温化されてダイオキシンの再合成防止とする無害化後に除塵装置30で除塵され、完全に無害化されてから煙突41から大気に放出される。一方、除塵により、除塵装置30の飛灰排出部32から飛灰が排出される。
上記焼却灰と飛灰は、図1に見られるように、分離選別装置50へ移送される。分離選別装置50では、既述したように、焼却灰と飛灰は灰分として、先ず風力選別機51で軽量塵が除去されて、残った土砂類、鉄分、非鉄金属分、焼却残渣を含む灰分がスクリーン52へ送られ、ここでは土砂類が篩下物として除去され、篩上物が磁力選別機53へ送られる。
磁力選別機53では、鉄分を取り出し、他の成分を次の非鉄金属選別機54へ送る。他の成分には、非鉄金属分と焼却残渣の他、一部に酸化鉄をも含んでいる。非鉄金属選別機54では、磁力選別機53から受けた鉄分以外の成分を非鉄金属分、酸化鉄分、残りの焼却残渣とに選別する。
かくして得られた、磁力選別機53からの鉄分と非鉄金属選別機54からの酸化鉄分が金属化合物として焼却炉10の廃棄物投入口12へ送られ、硫黄を含む添加物と共に、上記廃棄物投入口12から投入されて、既述のごとく、上記添加物との作用により、廃熱回収ボイラにおける腐食防止に寄与する。
10 焼却炉
11 燃焼室
12 廃棄物投入口
13 焼却灰排出部
15A 排ガス排出部
30 除塵装置
32 飛灰排出部
50 分離選別装置
51 風力選別機
53 磁力選別機
54 非鉄金属選別機

Claims (3)

  1. 廃棄物を焼却する焼却炉と、焼却炉からの排ガスを除塵する除塵装置とを備えていて、焼却炉が廃棄物投入口から投入された廃棄物を燃焼室内の下流側へ移送しながら燃焼し、燃焼室の下流端下部の焼却灰排出部から焼却灰を排出すると共に燃焼室の下流端上部の排ガス排出部から排ガスを排出し、該排ガス排出部に連通して接続された除塵装置で焼却炉からの排ガスを除塵して該除塵装置の飛灰排出部から飛灰を排出する廃棄物焼却処理装置において、
    焼却灰排出部からの焼却灰と飛灰排出部からの飛灰のうち少なくとも一つである灰分を受けて、Mg,Al,Fe,Siのうちの少なくとも一つを含む金属化合物を分離選別する分離選別装置を有し、
    廃棄物投入口は、廃棄物に加えて、硫黄を含む添加剤が投入されると共に、上記分離選別装置からの上記金属化合物が投入されるように該分離選別装置が接続されていることを特徴とする廃棄物焼却処理装置。
  2. 分離選別装置は、風力選別機、磁力選別機そして非鉄金属選別機とを順に備え、焼却灰排出部からの焼却灰と飛灰排出部からの飛灰のうち少なくとも一つである灰分を受けて、風力選別機で軽量塵を除去し、磁力選別機で鉄分を分離して取出し、非鉄金属選別機で焼却残渣を除去すると共に酸化鉄分と非鉄金属分を分離して取出し、上記磁力選別機からの鉄分と非鉄金属選別機からの酸化鉄分とを金属化合物として廃棄物投入口から焼却炉内へ投入するようになっていることとする請求項1に記載の廃棄物焼却処理装置。
  3. 廃棄物を焼却する焼却炉と、焼却炉からの排ガスを除塵する除塵装置とを備えている廃棄物焼却処理装置にて、焼却炉が廃棄物投入口から投入された廃棄物を燃焼室内の下流側へ移送しながら燃焼し、燃焼室の下流端下部の焼却灰排出部から焼却灰を排出すると共に燃焼室の下流端上部の排ガス排出部から排ガスを排出し、該排ガス排出部に連通して接続された除塵装置で焼却炉からの排ガスを除塵して該除塵装置の飛灰排出部から飛灰を排出する廃棄物焼却処理方法において、
    焼却灰排出部からの焼却灰と飛灰排出部からの飛灰のうち少なくとも一つである灰分を受けて、Mg,Al,Fe,Siのうちの少なくとも一つを含む金属化合物を分離選別し、
    廃棄物投入口に、廃棄物に加えて、硫黄を含む添加剤を投入すると共に、上記金属化合物を投入することを特徴とする廃棄物焼却処理方法。
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