JP2015189953A - ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造において、製造条件下における共重合体中のポリオルガノシロキサン含有量の変動幅が少ないポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法を提供する。【解決手段】二価フェノール及びカーボネート前駆体を重合させる反応系にポリオルガノシロキサンを添加し共重合させるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法において、共重合後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の一部を採取し、該共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合を蛍光X線分析法により測定し、該測定値に基づいてポリオルガノシロキサンの反応系への添加量を制御する、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法に関する。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体は、その高い耐衝撃性、耐薬品性、及び難燃性等の優れた性質から注目されており、電気・電子機器分野、自動車分野等の様々な分野における幅広い利用が期待されている。特に、携帯電話、モバイルパソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、電動工具などの筐体、及びその他の日用品への利用が広がっている。
代表的なポリカーボネートとして、原料の二価フェノールが2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称:ビスフェノールA]であるホモポリカーボネートが一般的に用いられる。このホモポリカーボネートの難燃性や耐衝撃性等の物性を改良するために、ホモポリカーボネートにポリオルガノシロキサンを共重合させたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体が知られている(特許文献1及び2参照)。
上記ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体は一般に、界面重合法、エステル交換法等により連続的に製造され得る。この際、原料のポリオルガノシロキサンを所定の含有割合で含むポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を製造することが求められる。
例えば界面重合法により、ポリオルガノシロキサンを一定の含有割合で含むポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を製造する場合には、以下の工程を有し得る。二価フェノールとカーボネート前駆体とからポリカーボネートオリゴマーを調整する工程、該ポリカーボネートオリゴマーとポリオルガノシロキサンとを共重合させる共重合工程、共重合工程後に得られる反応液を、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む有機相(通常は、共重合体の塩化メチレン溶液)と、未反応のビスフェノールAや塩化ナトリウム等の無機塩類等を含むアルカリ性の水相とに分離する分離工程、得られた有機相を洗浄(アルカリ洗浄、酸洗浄、純水洗浄等)する洗浄工程、洗浄工程後の有機相中の有機溶媒を留去することにより、有機相中のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の濃度を濃縮して調整する濃縮工程、濃縮されたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む濃縮物を、ニーダー法、温水造粒法、粉体床造粒法等の方法を用いて、粉末化または造粒する粉末化/造粒工程である。これらの工程を有する製造方法により、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を固形物として得ている。
上記のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造においては、予め設定されたポリオルガノシロキサン含有割合となるように、使用原料をそれぞれ一定比率で用いている。しかしながら、各種製造条件の変動に伴い、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合も変動し得る。
設定された値からのポリオルガノシロキサン含有割合のズレを調整するために、従来は、粉末化/造粒工程後に得られる固体のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を採取して、NMR法を用いて分析した後その分析値に基づいて、原料のポリオルガノシロキサンの使用量を調節していた。しかし、NMR法は煩雑な前処理が必要となり、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の採取から測定値が得られるまで3時間程度の時間がかかる。そのため、原料のポリオルガノシロキサンの使用量の調節が迅速にできず、得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合の変動幅が大きい、または目標値から大きくずれる等の問題があった。
特許第2662310号公報 特開2011−21127号公報
本発明は、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造において、製造条件下における共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合の変動幅が小さいポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来のNMR法に代えて蛍光X線分析法を用いて共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合を監視することにより、原料のポリオルガノシロキサン使用量を迅速に調節することができることを見出した。
すなわち本発明は以下を含むものである。
1.二価フェノールとカーボネート前駆体とを重合させる反応系にポリオルガノシロキサンを添加し共重合させるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法において、共重合後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の一部を採取し、該共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合を蛍光X線分析法により測定し、該測定値に基づいてポリオルガノシロキサンの反応系への添加量を制御する、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
2.粉末化/造粒後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の一部を採取する、1に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
3.前記ポリオルガノシロキサンの添加から前記蛍光X線分析法による測定値に基づくポリオルガノシロキサン添加量の制御までの工程を連続的に行う、1又は2に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
4.蛍光X線分析法による測定時の前記ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサンの形態が、粉末状、ペレット状、フィルム状またはシート状である、1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
5.前記ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサンの形態がフィルム状またはシート状である、1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
6.二価フェノールとカーボネート前駆体とを重合させる反応系において、ポリオルガノシロキサンを添加する前にポリカーボネートオリゴマーを調製する、1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
7.前記カーボネート前駆体がホスゲンである、1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
8.前記二価フェノールが、下記一般式(1)で表される、1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
Figure 2015189953
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す。Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、または−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数である。]
9.前記ポリオルガノシロキサンが、下記一般式(2)または(3)で表されるポリオルガノシロキサンである、1〜8のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
Figure 2015189953
[式中、R3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは−R7O−、−R7COO−、−R7NH−、−R7NHR8−、−COO−、−S−、−R7COO−R9−O−、または−R7O−R10−O−を示す。前記R7は、単結合、直鎖、分岐鎖若しくは環状アルキレン基、アリール置換アルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、またはジアリーレン基を示す。R8は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアラルキル基を示す。R9は、ジアリーレン基を示す。R10は、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、又はジアリーレン基を示す。Zは、水素原子又はハロゲン原子を示す。βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸若しくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示す。pとqの和はnであり、nは30〜500の平均繰り返し数を示す。]
10.ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合が0.1質量%以上である、1〜9のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
11.1〜10のいずれかに記載の製造方法により得られる、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体。
本発明の製造方法によれば、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合を蛍光X線分析法により測定し、該測定値に基づいてポリオルガノシロキサンの反応系への添加量を制御することにより、共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合の変動幅が小さいポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を安定して得ることができる。蛍光X線分析法では、短時間での微量分析が可能であり、ポリオルガノシロキサンの反応系への添加量の制御を速やかに行うことができる。
界面重合法により本発明のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法を行う製造ラインの一態様を示す概略図である。 本発明のポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体の製造方法を行う製造ラインの一態様を示す概略図である。
以下、本発明のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法について詳述する。
本発明は、二価フェノール及びカーボネート前駆体を重合させる反応系にポリオルガノシロキサンを添加し共重合させるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法において、共重合後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の一部を採取し、共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合を蛍光X線分析法により測定し、該測定値に基づいてポリオルガノシロキサンの反応系への添加量を制御することを特徴とする。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体(以下、「PC−POS共重合体」と略記することがある)は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを重合させる反応系に、ポリオルガノシロキサンを添加して、界面重合方法(ホスゲン法)、エステル交換法(溶融法)等により共重合させた後、各種処理工程を経て連続的に製造することができる。特に界面重合法の場合には、後述するポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む有機相と未反応物や触媒残渣等を含む水相とを分離すること、及びアルカリ洗浄、酸洗浄、純水洗浄による各洗浄工程におけるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む有機相と水相とを分離することにより、塩素イオン等の不純物が少ないポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を効率よく製造することができる。
界面重合法により重合反応を行う場合には、例えば二価フェノールとカーボネート前駆体とを重合させる反応系において、まずポリカーボネートオリゴマーを調製し、該ポリカーボネートオリゴマーにポリオルガノシロキサン及び二価フェノールのアルカリ水溶液を添加し、任意に末端停止剤(分子量調節剤)や触媒の存在下で共重合させた後、共重合体を含む重合液を分離/洗浄した後濃縮し、濃縮物を粉末化/造粒することによりポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を製造することができる。
エステル交換法により重合反応を行う場合には、二価フェノールとカーボネート前駆体とを重合させる反応系にポリオルガノシロキサンを添加し、任意に触媒の存在下で共重合させ溶融物を得た後、脱フェノール化し、造粒することによりポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を製造することができる。
本発明においては、共重合後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体のポリオルガノシロキサン含有割合を蛍光X線分析法により測定する。
本発明においては、蛍光X線分析に供する共重合後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体は、粉末化/造粒後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体であってもよいし、共重合後に得られる重合液若しくは溶融物、特に界面重合方法で得られた重合液から有機相を分離して得られたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む溶液であってもよい。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造においては、共重合体中、予め設定されたポリオルガノシロキサン含有割合となるように、反応系へのポリオルガノシロキサン量を一定割合に設定している。しかしながら、各種製造条件の変動に伴い、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合も変動し得る。設定された値からのポリオルガノシロキサン含有割合のズレを調整するため、得られる共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合を測定し、測定結果をもとに、反応系へのポリオルガノシロキサンの添加量を調節する必要がある。
従来から使用されるNMR法を用いて分析する方法では、粉末化/造粒後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体をサンプリングし、この固体試料を適量秤量し、専用溶媒を用いて溶解させた後に専用チューブに仕込む等の測定用試料調製が必要であり、測定結果が最終的に得られるまで約3時間が必要であった。そのため、得られた測定結果に基づきポリオルガノシロキサンの添加量を調節しようとしても、サンプリングから添加量の調節までのタイムラグが生じており、迅速な調節が不可能であった。
これに対し、蛍光X線分析法においては、粉末化/造粒後に得られる粉末または造粒物を一部採取し、粉末または造粒物そのもの、あるいは粉末または造粒物を加工したシートまたはフィルム、更には、共重合後の任意の工程において重合液を分離して得られたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む有機相をシャーレ等に採取し、その有機相から溶媒を蒸発させて得られるシートまたはフィルムを測定用試料として用いることができる。従って、蛍光X線分析法による測定時のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の形態は、粉末状、ペレット(造粒物)状、シート状またはフィルム状のいずれであっても良い。
シートまたはフィルムは、粉末またはペレットを例えば加熱プレス成形することにより得られる。一般に、該シートまたはフィルムが0.2〜5mm程度の厚みを有するように加工する。日本標準産業分類によれば、シートとは、厚さが0.2mm以上で軟質製のものを、フィルムとは、厚さが0.2mm未満で軟質製のもの及び0.5mm未満で硬質製のものをいうと規定されている。本発明においては、シートとフィルムとを厳格に区別する必要はなく、0.2〜5mm程度の厚みを有するものであれば、蛍光X線分析用測定試料はシート状であってもフィルム状であってもよい。なお、測定精度の点から、シートまたはフィルムの厚みは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上とすることが望ましい。
蛍光X線分析法においては、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の形態はシート状またはフィルム状であることが好ましい。シートまたはフィルムに加工することにより試料密度が均一になる。試料密度の均一性は励起X線量の入射深さ、蛍光X線量の発生量を一定にするため、測定精度を保証することができる。また、シートまたはフィルムに加工することにより表面の平坦性(凹凸の無い)が良好となり、X線光路長が安定する。
蛍光X線分析法は一般に以下の利点を有する。すなわち、NMR法のような煩雑な前処理を必要とせず、上述した通り試料作成は不要であるか、または加圧処理等により簡便に速やかに行うことができる。得られるスペクトルは比較的単純であり、解釈も容易である。微量分析にも適しており、定量精度も高い。また、蛍光X線分析法は、非常に短時間で分析を行うことができることもその特徴の1つである。従って、共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合の蛍光X線分析法による測定を含む本発明のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法においては、共重合後任意の工程におけるサンプリングから上記ポリオルガノシロキサン含有割合の測定結果が得られるまで1時間程度しか要しない。そのため、測定結果を速やかにポリオルガノシロキサン添加量を制御する制御装置にフィードバックして、反応系へのポリオルガノシロキサン添加量を調節し、設定された値からのポリオルガノシロキサン含有割合のズレを迅速に調整することができる。結果として、ポリオルガノシロキサン含有率の変動幅が小さいポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を得ることができ、その品質を向上させることができる。
本発明の製造方法においては、前記ポリオルガノシロキサンの添加から蛍光X線分析法による測定値に基づくポリオルガノシロキサン添加量の制御までの工程を連続的に行うことが好ましい。連続的に行うことにより、蛍光X線分析法により得られた共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合の測定結果を速やかに制御装置にフィードバックして、反応系へのポリオルガノシロキサン添加量を調節し、設定された値からのポリオルガノシロキサン含有割合のズレを迅速に調整することができる。
<蛍光X線分析法による測定>
蛍光X線分析法によるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の測定は、例えば以下のように行う。共重合後の任意の工程において得られる重合液を一部採取し、重合液から有機相を分離して得られたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む溶液をシャーレ等に採取し、その有機相を蒸発させて得られるシートまたはフィルムを蛍光X線分析装置による測定に供することができる。特には、粉末化/造粒後に連続的にまたは断続的に粉末若しくは造粒物を一部採取し、採取した粉末若しくは造粒物又はこれらのシート若しくはフィルムを蛍光X線分析装置による測定に供することにより行うことができる。共重合後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサンの採取を連続的にまたは断続的に行うことにより、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造ラインにおいて任意の間隔で共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合を監視することができる。
蛍光X線分析装置はエネルギー分散型と波長分散型に大別されるが、本発明における蛍光X線分析においてはいずれを用いてもよい。蛍光X線分析においては、試料にX線を照射することにより得られる各元素に固有な波長の線スペクトル(特性X線)の強度を測定することにより、試料中の目的元素の濃度(含有割合)を求めることができる。
蛍光X線分析においては幅広い範囲の元素を対象とすることができるが、実用上はナトリウム以上の原子番号を持つ元素を測定対象とすることが多い。本発明においては、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のケイ素の濃度を、検量線を用いて求めることができる。検量線は、事前にNMRでポリオルガノシロキサン濃度を定量したサンプルを用いて蛍光X線分析を行い、得られた定量元素(ケイ素)のX線強度から作成する。この検量線を用いて、実際の測定サンプルから得られたケイ素原子のX線強度と比較することにより短時間で共重合体中のケイ素濃度を測定することができる。
また、特に詳述しないが、蛍光X線分析法において知られる他の定量法、例えばFP法等により共重合体中のケイ素原子濃度を決定することも可能である。
蛍光X線法によるポリオルガノシロキサン含有割合の定量下限値は、約0.1質量%程度である。ポリオルガノシロキサン含有割合が0.1質量%以上である場合に、蛍光X線分析法により求めた定量値は有意であるとして本発明の製造方法の測定値として好ましくは用いることができる。
以下、界面重合法によりポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を製造する場合を例に、本発明をさらに詳述する。
界面重合法を用いた場合の本発明のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法を行う製造ラインの概略図を図1に示す。製造ラインは一般に、二価フェノール、ここではビスフェノールAをアルカリ水溶液に溶解させたビスフェノールA溶解槽111からのビスフェノールAと、カーボネート前駆体(図中ホスゲンで示す)と、必要に応じて分子量調節剤(図中、PTBPで示す)とを有機溶媒中で反応させるオリゴマー調製工程1、ポリカーボネートオリゴマーと、ポリオルガノシロキサン及び二価フェノールとをアルカリ水溶液の存在下で反応させる共重合工程2、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む有機相と過剰の二価フェノール等を含む水相とを分離する分離工程3、得られた有機相を洗浄する洗浄工程4、洗浄後の有機相を濃縮する濃縮工程5、濃縮物を粉末化または造粒する粉末化/造粒工程6を有する。本発明による蛍光X線分析法を用いたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン中のポリオルガノシロキサン含有割合の測定は、粉末化/造粒工程6後の粉末またはペレット、あるいは例えば7で示す加熱プレス成形機によりこれらを加工して得られるシートまたはフィルム、更には、共重合工程2の後の任意の工程で得られる重合液から有機相を分離して得られる溶液をシャーレ等に採取し、その溶媒を蒸発(蒸発乾固)させて得られるシートまたはフィルムを測定用試料として行う。
ここで、共重合工程2にポリオルガノシロキサンを供給する供給ラインは、共重合工程2に導入するポリオルガノシロキサン量を調節するためのコントロールバルブ13を有するものを使用することができる。このコントロールバルブ13は制御装置12と連結されており、当該制御装置は蛍光X線分析装置11と連結されている。
共重合工程2の後に任意の間隔でサンプリングした試料を蛍光X線分析装置11にて測定し、測定データを上記制御装置12に手動で入力するか、又は自動的に送り、測定結果に基づいて制御装置12によりコントロールバルブ13を自動制御してポリオルガノシロキサン量を調節することができる。蛍光X線分析用の試料作成をする場合でも、サンプリングした試料のシートまたはフィルムへの加工や、サンプリングした溶液からの溶媒の蒸発乾固は速やかに行うことができる。また、蛍光X線分析による測定は非常に短時間で行うことができる。その結果、ポリオルガノシロキサン含有割合を迅速に測定することが可能となる。従って、蛍光X線分析装置11における測定からコントロールバルブ13の自動制御までのタイムラグを短くすることにより、共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合の変動を抑えることができる。
制御装置12としては、添加するポリオルガノシロキサン量を調節するコントロールバルブを制御することができるものであれば、任意のものを用いることができる。
以下、界面重合法のそれぞれの製造工程について詳述する。
(1)ポリカーボネートオリゴマー調製工程
ポリカーボネート(以下、PCと略記することがある)オリゴマーの調製方法については特に制限はないが、例えば次に示す方法を好ましく用いることができる。
二価フェノールとカーボネート前駆体との反応は、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用でき、非水溶性有機溶媒の存在下、界面重合法によって実施することが好ましい。必要に応じて、分子量調節剤及び重合触媒の存在下に反応させることもできる。なお、二価フェノールは、二価フェノールをアルカリ化合物の水溶液に溶解させた二価フェノールのアルカリ水溶液として用いる。
二価フェノールとしては、下記一般式(1)で表される二価フェノールを用いることが好ましい。なお、(1)PCオリゴマー調製工程を有するか否かに係らず、本発明において用いられる二価フェノールについても同様に下記一般式(1)で表される二価フェノールを用いることが好ましい。
Figure 2015189953
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す。Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、または−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数である。]
上記一般式(1)で表される二価フェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの二価フェノールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系が二価フェノールとして好ましく、ビスフェノールAがより好ましい。二価フェノールとしてビスフェノールAを用いた場合、上記一般式(1)において、Xがイソプロピリデン基であり、且つa=b=0のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体となる。
ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えば、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、ジヒドロキシアリールエーテル類、ジヒドロキシジアリールスルフィド類、ジヒドロキシジアリールスルホキシド類、ジヒドロキシジアリールスルホン類、ジヒドロキシジフェニル類、ジヒドロキシジアリールフルオレン類、ジヒドロキシジアリールアダマンタン類等が挙げられる。これらの二価フェノールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等が挙げられる。
ビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類としては、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン等が挙げられる。ジヒドロキシアリールエーテル類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル等が挙げられる。
ジヒドロキシジアリールスルフィド類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールスルホキシド類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールスルホン類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等が挙げられる
ジヒドロキシジフェニル類としては、例えば4,4’−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールフルオレン類としては、例えば9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられる。ジヒドロキシジアリールアダマンタン類としては、例えば1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等が挙げられる。
上記以外の二価フェノールとしては、例えば4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタン等が挙げられる。
なお、界面重合法に限らず、本発明で用いるカーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、炭酸ジエステル、ハロホルメート等を挙げることができる。具体的には、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロホルメート等である。これらの中でも、界面重合法で使用されるホスゲンが好ましい。
二価フェノールを溶解させるアルカリ水溶液は、通常そのアルカリ濃度が1〜15質量%のものが好ましく用いられる。アルカリ水溶液中の二価フェノール量は、通常0.5〜20質量%の範囲で選ばれる。
アルカリ水溶液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物などのアルカリ性無機化合物の水溶液を挙げることができる。これらの中でも、アルカリ金属水酸化物の水溶液が好ましく、水酸化ナトリウムの水溶液がより好ましい。
非水溶性有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素が好ましく、塩化メチレンがより好ましい。
非水溶性有機溶媒の使用量は、通常、有機相と水相との容量比が、好ましくは5/1〜1/7、より好ましくは2/1〜1/4となるように選択される。
オリゴマー調製工程(1)における反応温度は通常0〜50℃、好ましくは5〜40℃の範囲で選ばれる。
重合触媒としては、第三級アミンや第四級アンモニウム塩が挙げられる。第三級アミンとしては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等が挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えばトリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。重合触媒としては、第三級アミンが好ましく、トリエチルアミンがより好ましい。
オリゴマー調製工程(1)では、必要に応じて分子量調節剤を添加してもよい。分子量調節剤としては、一価フェノールであれば特に制限は無く、例えば、フェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、o−n−ペンチルフェノール、m−n−ペンチルフェノール、p−n−ペンチルフェノール、o−n−ヘキシルフェノール、m−n−ヘキシルフェノール、p−n−ヘキシルフェノール、p−t−オクチルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘキシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−n−ノニルフェノール、m−n−ノニルフェノール、p−n−ノニルフェノール、o−クミルフェノール、m−クミルフェノール、p−クミルフェノール、o−ナフチルフェノール、m−ナフチルフェノール、p−ナフチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジクミルフェノール、3,5−ジクミルフェノール、p−クレゾール、p−ブロモフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、平均炭素数12〜35の直鎖状又は分岐状のアルキル基をオルト位、メタ位又はパラ位に有するモノアルキルフェノール、3−ペンタデシルフェノール、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレン、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4−(1−アダマンチル)フェノールなどが挙げられる。これらの中でも、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−フェニルフェノールが好ましく、p−t−ブチルフェノールがより好ましい。
オリゴマー調製工程(1)では、得られた反応混合物は、ポリカーボネートオリゴマーを含む有機相と塩化ナトリウム等の不純物を含む水相とを含む混合物である。そのため、静置分離等を行うことにより得られるポリカーボネートオリゴマーを含む有機相を共重合工程で使用する。
(2)共重合工程
本工程においては、オリゴマー調製工程(1)で得られたポリカーボネートオリゴマーを含む有機相(ポリカーボネートオリゴマー溶液)、芳香族二価フェノールのアルカリ水溶液及びポリオルガノシロキサンを導入し、必要に応じて重合触媒、分子量調節剤、アルカリ水溶液及び非水溶性有機溶媒を加えて界面重合させて、共重合反応を完結させる。
共重合工程(2)の一例を具体的に示すと、ポリカーボネートオリゴマー調製工程(1)により得られたポリカーボネートオリゴマー溶液と、非水溶性有機溶媒により希釈したポリオルガノシロキサン溶液と、非水溶性有機溶媒と、アルカリ性化合物水溶液とを任意に重合触媒の存在下で混合し、通常0〜80℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温度において界面重合させる。
次に、分子量調節剤と、アルカリ水溶液と、二価フェノールのアルカリ水溶液とを混合し、通常0〜50℃、好ましくは5〜40℃の範囲の温度において界面重合を完結させる。
なお、共重合工程におけるアルカリ水溶液、非水溶性有機溶媒、重合触媒、芳香族二価フェノール及び分子量調節剤としては、上記ポリカーボネートオリゴマー調製工程(1)で記載したものを挙げることができ、好ましい範囲も同様である。また、界面重合における有機相と水相との容量比についても、ポリカーボネートオリゴマー調製工程(1)と同様である。
ポリオルガノシロキサンとしては、以下の一般式(2)及び(3)に示すものを用いることができる。
Figure 2015189953
[式中、R3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは−R7O−、−R7COO−、−R7NH−、−R7NHR8−、−COO−、−S−、−R7COO−R9−O−、または−R7O−R10−O−を示し、前記R7は、単結合、直鎖、分岐鎖若しくは環状アルキレン基、アリール置換アルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、またはジアリーレン基を示す。R8は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアラルキル基を示す。R9は、ジアリーレン基を示す。R10は、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、又はジアリーレン基を示す。Zは、水素原子又はハロゲン原子を示す。βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸若しくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示す。pとqの和はnであり、nは30〜500の平均繰り返し数を示す。]
3〜R6がそれぞれ独立して示すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。R3〜R6がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(「各種」とは、直鎖状及びあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示し、以下、同様である。)、各種ペンチル基、及び各種ヘキシル基が挙げられる。R3〜R6がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。R3〜R6がそれぞれ独立して示すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
3〜R6としては、いずれも、好ましくは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基である。
一般式(2)及び(3)で表されるポリオルガノシロキサンとしては、R3〜R6がいずれもメチル基であるものが好ましい。
Yが示す、−R7O−、−R7COO−、−R7NH−、−R7NHR8−、−COO−、−S−、−R7COO−R9−O−、または−R7O−R10−O−におけるR7が表す直鎖又は分岐鎖アルキレン基としては、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基が挙げられ、環状アルキレン基としては、炭素数5〜15、好ましくは炭素数5〜10のシクロアルキレン基が挙げられる。
7が表すアリール置換アルキレン基としては、芳香環にアルコキシ基、アルキル基のような置換基を有していてもよく、その具体的構造としては、例えば、下記の一般式(4)または(5)の構造を示すことができる。なお、アリール置換アルキレン基を有する場合、アルキレン基がSiに結合している。
Figure 2015189953
(式中cは正の整数を示し、通常1〜6の整数である)
7、R9及びR10が示すジアリーレン基とは、二つのアリーレン基が直接、又は二価の有機基を介して連結された基のことであり、具体的には−Ar1−W−Ar2−で表わされる構造を有する基である。ここで、Ar1及びAr2は、アリーレン基を示し、Wは単結合、又は2価の有機基を示す。Wの示す2価の有機基は、例えばイソプロピリデン基、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基である。
7、Ar1及びAr2が表すアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基などの環形成炭素数6〜14のアリーレン基が挙げられる。これらアリーレン基は、アルコキシ基、アルキル基等の任意の置換基を有していてもよい。
8が示すアルキル基としては炭素数1〜8、好ましくは1〜5の直鎖または分岐鎖のものである。アルケニル基としては、炭素数2〜8、好ましくは2〜5の直鎖または分岐鎖のものが挙げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、フェニルメチル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
10が示す直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基は、R7と同様である。
Yとしては、好ましくは−R7O−であって、R7が、アリール置換アルキレン基であって、特にアルキル基を有するフェノール系化合物の残基であり、アリルフェノール由来の有機残基やオイゲノール由来の有機残基がより好ましい。
なお、一般式(3)中のp及びqについては、p=q、すなわち、p=n/2、q=n/2であることが好ましい。
また、βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸若しくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示し、例えば、以下の一般式(3−1)〜(3−5)で表される2価の基が挙げられる。
Figure 2015189953
一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンとしては、例えば、以下の一般式(2−1)〜(2−11)の化合物が挙げられる。
Figure 2015189953
上記一般式(2−1)〜(2−11)中、R3〜R6、n及びR8は上記の定義の通りであり、好ましいものも同じである。cは正の整数を示し、通常1〜6の整数である。
これらの中でも、重合の容易さの観点においては、上記一般式(2−1)で表されるフェノール変性ポリオルガノシロキサンが好ましい。また、入手の容易さの観点においては、上記一般式(2−2)で表される化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、上記一般式(2−3)で表される化合物中の一種であるα,ω−ビス[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンが好ましい。
本発明に用いられる粗ポリオルガノシロキサンの製造方法は特に限定されない。例えば、特開平11−217390号公報に記載の方法によれば、シクロトリシロキサンとジシロキサンとを酸性触媒存在下で反応させて、α,ω−ジハイドロジェンオルガノペンタシロキサンを合成し、次いで、ヒドロシリル化反応用触媒の存在下に、該α,ω−ジハイドロジェンオルガノペンタシロキサンに不飽和基を有するフェノール化合物(例えば2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、オイゲノール、2−プロペニルフェノール等)等を付加反応させることで、粗ポリオルガノシロキサンを得ることができる。また、特許第2662310号公報に記載の方法によれば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラメチルジシロキサンとを硫酸(酸性触媒)の存在化で反応させ、得られたα,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを上記と同様に、ヒドロシリル化反応用触媒の存在下に不飽和基を有するフェノール化合物等を付加反応させることで、粗ポリオルガノシロキサンを得ることができる。なお、α,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンは、その重合条件によりその鎖長nを適宜調整して用いることもできるし、市販のα,ω−ジハイドロジェンオルガノポリシロキサンを用いてもよい。
上記ヒドロシリル化反応用触媒としては、遷移金属系触媒が挙げられるが、中でも反応速度及び選択性の点から白金系触媒が好ましく用いられる。白金系触媒の具体例としては、塩化白金酸,塩化白金酸のアルコール溶液,白金のオレフィン錯体,白金とビニル基含有シロキサンとの錯体,白金担持シリカ,白金担持活性炭等が挙げられる。
粗ポリオルガノシロキサンを吸着剤と接触させることにより、粗ポリオルガノシロキサン中に含まれる、上記ヒドロシリル化反応用触媒として使用された遷移金属系触媒に由来する遷移金属を、吸着剤に吸着させて除去することが好ましい。
吸着剤としては、例えば、1000Å以下の平均細孔直径を有するものを用いることができる。平均細孔直径が1000Å以下であれば、粗ポリオルガノシロキサン中の遷移金属を効率的に除去することができる。このような観点から、吸着剤の平均細孔直径は、好ましくは500Å以下、より好ましくは200Å以下、更に好ましくは150Å以下、より更に好ましくは100Å以下である。また同様の観点から、吸着剤は多孔性吸着剤であることが好ましい。
吸着剤としては、上記の平均細孔直径を有するものであれば特に限定されないが、例えば活性白土、酸性白土、活性炭、合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性アルミナ、シリカ、シリカ−マグネシア系吸着剤、珪藻土、セルロース等を用いることができ、活性白土、酸性白土、活性炭、合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性アルミナ、シリカ及びシリカ−マグネシア系吸着剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
粗ポリオルガノシロキサン中に含まれる遷移金属を吸着剤に吸着させた後、吸着剤は任意の分離手段によってポリオルガノシロキサンから分離することができる。ポリオルガノシロキサンから吸着剤を分離する手段としては、例えばフィルタや遠心分離等が挙げられる。フィルタを用いる場合は、メンブランフィルタ、焼結金属フィルタ、ガラス繊維フィルタ等のフィルタを用いることができるが、特にメンブランフィルタを用いることが好ましい。
遷移金属の吸着後に吸着剤をポリオルガノシロキサンから分離する観点から、吸着剤の平均粒子径は、通常1μm〜4mm、好ましくは1〜100μmである。
本発明において吸着剤を使用する場合には、その使用量は特に限定されない。粗ポリオルガノシロキサン100質量部に対して、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは2〜20質量部の範囲の量の多孔性吸着剤を使用することができる。
なお、処理する粗ポリオルガノシロキサンの分子量が高いために液体状態でない場合は、吸着剤による吸着及び吸着剤の分離を行う際に、ポリオルガノシロキサンが液体状態となるような温度に加熱してもよい。または、塩化メチレンやヘキサン等の溶剤に溶かして行ってもよい。
共重合工程(2)においては、ラインミキサー、スタティックミキサー、オリフィスミキサー、攪拌槽、多段塔型撹拌槽、無撹拌槽、配管などを反応器として用いることができる。
共重合工程(2)にて用いられる反応器の数は1つであってもよいし、複数であってもよい。つまり、共重合工程(2)が複数の反応器から構成されていてもよい。
複数の反応器を用いる場合、第1番目の反応器としては反応器内に攪拌機能を有するものを用いることが好ましく、ラインミキサー、スタティックミキサー、オリフィスミキサー、攪拌槽等を用いることが好ましい。また、第2番目以降に用いられる反応器としては、ラインミキサー、スタティックミキサー、オリフィスミキサー、攪拌槽、多段塔型撹拌槽、無撹拌槽、配管などを任意に用いることができる。
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサン含有率は、0.1質量%以上となるように設定することが好ましい。上述した通り、ポリオルガノシロキサン含有率が0.1質量%以上であれば、蛍光X線分析装置を用いて測定した際の測定結果を十分な精度で得ることができる。
(3)分離工程
本工程は、工程(2)で得た重合液を水相と非水溶性有機相とに分離する工程である。
重合工程(2)の後、得られる重合液を塩化メチレン等の不活性有機溶媒で適宜希釈する。この希釈溶液を静置することにより、または遠心分離することにより、水相とポリカーボネート−ポリオルガノシロキサンを含む有機相とに分離する。遠心分離を行なう場合には、遠心分離条件に特に制限は無いが、通常、回転速度は1,000〜3,000rpm程度であることが好ましい。
上記分離後に得られた有機相は、微量の二価フェノールを含有していることが多いため、該非水溶性有機溶媒相をアルカリ水溶液で洗浄(以下、アルカリ洗浄と称することがある。)することが好ましい。アルカリ水溶液に用いるアルカリ性化合物は、工程(1)にて使用したものと同じものが挙げられ、好ましいものも同様である。アルカリ水溶液で洗浄した後、水相と有機相とに分離する。この際も、分離する方法に特に制限は無く、静置分離でも、遠心分離でもよい。洗浄に使用するアルカリ水溶液の量に特に制限は無いが、洗浄効果と排水発生量低減の観点から、全液体中の5〜40体積%程度であることが好ましく、より好ましくは5〜30体積%、さらに好ましくは10〜20体積%である。40体積%以下であれば、連続相が有機相から水相に転換せず、有機相からの抽出効率を高く維持することができる。
工程(3)で得られた水相には、二価フェノールやアルカリ性化合物が含まれているため、製造コストの観点から、該水相を工程(1)または(2)、特に工程(1)に再利用することが好ましい。
(4)洗浄工程
洗浄工程(4)は、工程(3)で分離した非水溶性有機溶媒相を酸性水溶液で洗浄(以下、酸洗浄と称することがある)した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する工程である。この酸洗浄によって、工程(3)で分離した有機相に含まれ得る重合触媒や微量のアルカリ性化合物を除去することができる。なお、分離する方法に特に制限は無く、静置分離でよい。酸性水溶液の調製に用いる酸としては、例えば塩酸、リン酸等が挙げられ、塩酸が好ましいが、特にこれらに制限されるものではない。
上記分離によって得られる有機相には、洗浄で用いた酸や無機物が含まれる傾向にあるため、1回以上水によって洗浄(以下、水洗と称することがある)することが好ましい。ここで、非水溶性有機溶媒相の清浄度は、洗浄後の水相の電気伝導度により評価できる。目標とする電気伝導度は、好ましくは1mS/m以下、より好ましくは0.5mS/m以下である。水で洗浄した後、水相と非水溶性有機溶媒相とに分離する。この際も、分離する方法に特に制限は無く、静置分離でよい。
工程(4)で分離した水相(水洗後の水相も含む)には、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体が含まれ得るため、有機溶媒にてこれを抽出し、抽出液の一部又は全部を、適宜、二酸化炭素除去のための脱揮工程や蒸留精製工程を経てから、工程(1)または(2)、特に工程(1)に再利用することが好ましい。脱揮工程については、特開2005−60599号公報に記載の方法を採用できる。
(5)濃縮工程
本工程において、工程(4)を経て得られた有機相を濃縮する。続く工程(6)において粉末化/造粒するに適正な濃度範囲、好ましくは10〜45質量%に濃縮される。
濃縮工程(5)にて除去された非水溶性有機溶媒は、工程(1)または(2)に再利用するか、洗浄工程において分離された水相からポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体等の有機物を抽出する溶媒として再利用することが好ましい。
また、前述したように、工程(1)で得られた反応混合液から分離した水相及び工程(4)における酸性水溶液による洗浄後に分離して得られる水相の少なくとも一方(好ましくは両方)を、非水溶性有機溶媒で抽出し、得られた抽出液を工程(2)で使用する非水溶性有機溶媒の一部又は全部として利用する排水処理工程を有することが好ましい。
その他にも、本発明の製造方法は、非水溶性有機溶媒の蒸留精製工程や、非水溶性有機溶媒中の二酸化炭素除去のための脱揮工程等を有することが好ましい。
なお、重合液から有機相を分離して得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む溶液から溶媒を蒸発させて得られるシートまたはフィルムを測定用の試料とする場合、該有機相は、前記共重合工程(2)〜濃縮工程(5)から得られるいずれの重合液を用いてもよい。
(6)粉末化/造粒工程
濃縮工程(5)により濃縮されたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を含む有機相を、粉末化/造粒工程(6)にて、ニーダー法、温水造粒法、粉体床造粒法等既知の方法にて粉末(フレーク)または造粒物を得ることができる。粉末化/造粒を行った後、通常、減圧下に80〜160℃程度で得られた粉末(フレーク)または造粒物を乾燥させることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合中のポリオルガノシロキサン量の変動幅が小さいポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を得ることができる。本発明の製造方法により得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体はその品質に優れるため、携帯電話、モバイルパソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、電動工具などの筐体、及びその他の日用品としての利用に適する。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。ここで、各例において、粘度数及び粘度平均分子量(Mv)は、以下の方法によって求めた。
1.粘度数
ISO1628−4(1999)に準拠して粘度数を測定した。
2.粘度平均分子量(Mv)の測定方法
ウベローデ型粘度管にて、20℃における塩化メチレン溶液の極限粘度〔η〕を測定し、次の関係式(Schnellの式)より計算した。
[η]=1.23×10-5×Mv0.83
実施例1
図2に示す製造ラインを用いて、ポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン共重合体を連続的に製造した。具体的には以下の通りである。
(1)ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液及びポリカーボネートオリゴマー
<ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液>
ビスフェノールAの溶解槽233にて、5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、後から溶解するビスフェノールAに対して2,000質量ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加えた。この水酸化ナトリウム水溶液に、芳香族二価フェノールとしてビスフェノールAを、水溶液中の濃度が13.5質量%になるように溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
<ポリカーボネートオリゴマー>
ポリカーボネートオリゴマーとしてビスフェノールAのアルカリ水溶液、ホスゲン、塩化メチレン及びp−t−ブチルフェノールを用いて製造された、濃度318g/L、クロロホーメート基濃度0.75mol/L、重量平均分子量(Mw)=3,100、NMRより求めた末端基における官能基比がp−t−ブチルフェノール(PTBP):OH:クロロホーメート(CF)基=3.3:7.7:89.0のポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン溶液21を原料に使用した。
なお、重量平均分子量(Mw)は、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用い、GPC[カラム:TOSOH TSK-GEL MULTIPORE HXL-M(2本)+Shodex KF801(1本)、温度40℃、流速1.0ml/分、検出器:RI]にて、標準ポリスチレン換算分子量(重量平均分子量:Mw)として測定した。
(2)共重合工程
共重合工程(2)−1及び(2)−2における各成分の流量を以下の表1に示す。
<(2)−1>
表1に示す流量で、上記(1)のポリカーボネートオリゴマー溶液と、塩化メチレンとを配管内で予め混合(塩化メチレン中でのポリカーボネートオリゴマーの濃度:221g/L)してから、ジメチルシロキサン単位の繰り返し数(n)が90であるアリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン(以下、PDMSと略記する)の20質量%塩化メチレン溶液を加えて配管内で混合した。続いてスタティックミキサーで十分に混合した後、混合液を熱交換器により19〜22℃に冷却した。
冷却した混合液に、重合触媒としてトリエチルアミン(TEA)の1質量%塩化メチレン溶液を配管内で混合した後、スタティックミキサーで十分に混合した。その後、図2に示す反応器222(Rx−1)直前で8.0質量%水酸化ナトリウム水溶液(NaOH水溶液−1)を加え、反応器222(Rx−1)にて塩化メチレン相を連続相としながらポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSの反応を行った。なお、反応器222(Rx−1)はタービン翼を供えたミキサー「パイプラインホモミキサー」[特殊機化工業(株)製]であり、回転数4,400rpmで運転した。
<(2)−2>
反応器222(Rx−1)を出た予備重合液を熱交換器で17〜20℃まで冷却した後、反応器223(Rx−2)の前にて、表1に示す流量でトリエチルアミンの1質量%水溶液(TEA水溶液)を加えた。次いで、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液[(1)においてビスフェノールAの溶解槽にて調製したもの]と15質量%水酸化ナトリウム水溶液(NaOH水溶液−2)とを合流させてスタティックミキサーでよく混合した後、さらにp−t−ブチルフェノール(PTBP)の8質量%塩化メチレン溶液を加えて配管内で混合したものを加えて反応器223(Rx−2)にて反応を行った。なお、反応器223(Rx−2)はタービン翼を供えたミキサー「パイプラインホモミキサー」[特殊機化工業(株)製]であり、回転数4,400rpmで運転した。
反応器223(Rx−2)を出た重合反応液は、反応器224(Rx−3)と反応器225(Rx−4)に順次導き、温度を38℃以下に制御しながら重合反応を完結させた。反応器224(Rx−3)はオリフィスプレートと冷却ジャケットを有する反応器であり、反応器225(Rx−4)は冷却ジャケットを有する塔型の5段反応器である。
Figure 2015189953
(3)分離工程,(4)濃縮工程,(5)粉末化工程
この塔型反応器225(Rx−4)の上部からオーバーフローした重合反応物は、静置分離にて有機層と水相を分離した後、pHを13.5に調整した水酸化ナトリウム水溶液、pHを1.5に調整した塩酸水溶液及び純水を用いてポリマーを含む有機相(ポリマー溶液)を順次洗浄し、清澄なポリマー溶液を得た(ポリマー濃度:15質量%)。この清澄なポリマー溶液から塩化メチレンを加熱減圧下で蒸発させ、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体溶液を35質量%に濃縮させた(分離/洗浄/濃縮工程24)。この濃縮液をニーダーに投入して、減圧、加熱下で溶媒である塩化メチレンを蒸発させて得られた固形物を粉砕して白色のポリカーボネート粉末を得た(粉末化工程26)。上記のようにして得られたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造開始後から20時間後の粘度数及び粘度平均分子量(Mv)を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2015189953
<蛍光X線(XRF)分析による測定値に基づくプラント運転>
上記方法によって約20時間の製造プラントの運転を行った。この間、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体粉末を1時間ごとにサンプリングし、サンプリングした粉末を加熱プレス成形機27により厚さ3mmのシートに成形した。得られたシートを蛍光X線分析に供し、共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合(濃度)を測定した。なお、それぞれの原料については通常の制御を行い、できる限り一定流量になるようにプラントの運転を行った
ポリオルガノシロキサン濃度は、事前にNMRでポリオルガノシロキサン濃度を定量したサンプルを用いて蛍光X線分析計211にて測定したケイ素原子のX線強度から検量線を作成し、実際のサンプルを測定することにより得られるX線の強度比からポリオルガノシロキサン濃度を測定した。
ポリオルガノシロキサンの供給量は蛍光X線分析計211による定量結果をもとに、制御装置212によってコントロールバルブ213を自動制御することにより調整[フィードバック制御(FB)]した。なお、プラントのPDMS供給部(222(RX−1)入口)から粉末採取部(26(粉末化)出口)までの滞留時間(6時間)、及び粉末採取から蛍光X線分析による測定結果が得られるまでの所要時間(1時間)を考慮して7時間ごとに調整[フィードバック制御(FB)]した。ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造開始後、1時間〜20時間の測定結果を表3に示す。検量線作成に使用したNMRは、株式会社JEOL RESONANCE製(型式:ECA500)を使用し、蛍光X線分析による測定は、PANalitical製の蛍光X線分析計(型式:MagiX−PW2403)を使用した。
比較例1
実施例1で得られたポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体粉末のポリオルガノシロキサン濃度をNMRで測定した。ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体粉末の採取からポリオルガノシロキサン濃度の測定値が得られるまでに3時間を要した。この測定値に基づいて、ポリオルガノシロキサンの供給量を制御装置にて調整[フィードバック制御(FB)]した。プラントのPDMS供給部(222(RX−1)入口)から粉末採取部(26(粉末化)出口)までの滞留時間(6時間)を考慮して、フィードバック制御(FB)から6時間後のポリオルガノシロキサン濃度を測定し、9時間ごと(滞留時間6時間+測定時間3時間)に調整[フィードバック制御(FB)]した。なお、実施例1と同様に1時間ごとにサンプルを採取して、ポリオルガノシロキサン濃度の測定を行った。ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体製造開始後、1時間〜20時間の測定結果を表3に示す。
Figure 2015189953
本発明の製造方法によれば、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合を蛍光X線分析法により測定し、該測定値に基づいてポリオルガノシロキサンの反応系への添加量を制御することにより、共重合体中のポリオルガノシロキサン量の変動幅が小さいポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を安定して得ることができる。蛍光X線分析法では、短時間での微量分析が可能であり、ポリオルガノシロキサンの反応系への添加量の制御を速やかに行うことができる。
本発明によれば、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合を蛍光X線分析法により測定し、該測定値に基づいてポリオルガノシロキサンの反応系への添加量を制御することにより、共重合体中のポリオルガノシロキサン量の変動幅が小さいポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を安定して得ることができる。
111 ビスフェノールA溶解槽
1 オリゴマー調製工程
2 共重合工程
3 分離工程
4 洗浄工程
5 濃縮工程
6 粉末化/造粒工程
7 加熱プレス成形機
11 蛍光X線分析装置
12 制御装置
13 コントロールバルブ
233 ビスフェノールA溶解槽
21 オリゴマー/塩化メチレン溶液
222 共重合反応器
223 共重合反応器
224 共重合反応器
225 共重合反応器
24 分離/洗浄/濃縮工程
26 粉末化工程
27 加熱プレス成形機
211 蛍光X線分析計
212 制御装置
213 コントロールバルブ

Claims (11)

  1. 二価フェノールとカーボネート前駆体とを重合させる反応系にポリオルガノシロキサンを添加し共重合させるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法において、共重合後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の一部を採取し、該共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合を蛍光X線分析法により測定し、該測定値に基づいてポリオルガノシロキサンの反応系への添加量を制御する、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  2. 粉末化/造粒後に得られるポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の一部を採取する、請求項1に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  3. 前記ポリオルガノシロキサンの添加から前記蛍光X線分析法による測定値に基づくポリオルガノシロキサン添加量の制御までの工程を連続的に行う、請求項1又は2に記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  4. 蛍光X線分析法による測定時の前記ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサンの形態が、粉末状、ペレット状、フィルム状またはシート状である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  5. 前記ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサンの形態がフィルム状またはシート状である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  6. 二価フェノールとカーボネート前駆体とを重合させる反応系において、ポリオルガノシロキサンを添加する前にポリカーボネートオリゴマーを調製する、請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  7. 前記カーボネート前駆体がホスゲンである、請求項1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  8. 前記二価フェノールが、下記一般式(1)で表される、請求項1〜7のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
    Figure 2015189953
    [式中、R1およびR2は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を示す。Xは単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO2−、−O−、または−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数である。]
  9. 前記ポリオルガノシロキサンが、下記一般式(2)または(3)で表されるポリオルガノシロキサンである、請求項1〜8のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
    Figure 2015189953
    [式中、R3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、−R7O−、−R7COO−、−R7NH−、−R7NHR8−、−COO−、−S−、−R7COO−R9−O−、または−R7O−R10−O−を示す。前記R7は、単結合、直鎖、分岐鎖若しくは環状アルキレン基、アリール置換アルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、またはジアリーレン基を示す。R8は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアラルキル基を示す。R9は、ジアリーレン基を示す。R10は、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、又はジアリーレン基を示す。Zは、水素原子又はハロゲン原子を示す。βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、又はジカルボン酸若しくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示す。pとqの和はnであり、nは30〜500の平均繰り返し数を示す。]
  10. ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体中のポリオルガノシロキサン含有割合が0.1質量%以上である、請求項1〜9のいずれかに記載のポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法により得られる、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体。
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