JP2015189901A - 硬化性接着剤および有機電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機電界発光などの有機電子装置の固体充填型の封止などに用いることができる、新規な硬化性接着剤、および有機電子素子が劣化しにくい有機電子装置の提供。
【解決手段】重合性化合物と有機金属化合物とシランカップリング剤とを含む硬化性接着剤、ならびに基板、有機電子素子、および封止部材をこの順で有し、基板と封止部材とを接着層により接着させることにより有機電子素子を封止する構造を有する有機電子装置であって、前記接着層が上記硬化性接着剤を硬化して得られる層である有機電子装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性接着剤に関する。より詳しくは、本発明は有機電子装置の部材の接着に適した硬化性接着剤に関する。本発明はまた有機電子装置に関する。
有機電子装置の製造において、有機電子素子が設けられた基板と封止部材との間の有機電子素子が存在する空間に接着剤を充填して固体充填型の封止が行われる場合がある。特許文献1には、トップエミッション方式の有機電界発光装置での固体充填型の封止を行う場合に用いることができる接着剤についての記載がある。
特開2009−79230号公報
有機電子装置の軽量化やフレキシビリティのためには固体充填型の封止がより好ましい。固体充填型の封止では、基板および封止部材と接着剤との密着がさらに求められる。また、接着剤が有機電子素子を劣化させにくいこと、例えば、水分や酸素などを有機電子素子に与えにくい性質を有するものであることが求められる。本発明は、上記の有機電子装置の固体充填型の封止にも用いることができる、新規な硬化性接着剤の提供を課題とする。本発明は特に有機電子装置をガスバリアフィルムを用いて封止する場合に適した硬化性接着剤の提供を課題とする。本発明はさらに有機電子素子が劣化しにくい有機電子装置の提供も課題とする。
本発明者は上記課題の解決のため、ガスバリアフィルムとの密着性を上げるための接着剤の組成について鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は
以下の[1]〜[15]を提供するものである。
[1]重合性化合物と有機金属化合物とシランカップリング剤とを含む硬化性接着剤。
[2]上記有機金属化合物が
下記一般式(I)で表される化合物である[1]に記載の硬化性接着剤;
M(R11n 一般式(I);
式中、Mは2価または3価の金属原子であり、R11は、R11は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の環状アルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアルコキシル基、を示し、複数存在するR11は同一または異なってもよく、nは2または3でありMの原子価に等しい。
[3]上記Mが、アルミニウムである[2]に記載の硬化性接着剤。
[4]上記有機金属化合物がアルミニウムアルコキシドである[3]に記載の硬化性接着剤。
[5]上記重合性化合物と上記有機金属化合物と上記シランカップリング剤のモル比X:Y:Zが以下の関係式:
X=1、0.1≦Y≦0.5、0.01≦Z≦0.1
を満たす[1]〜[4]のいずれか一項に記載の硬化性接着剤。
[6]上記重合性化合物がエポキシ化合物である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の硬化性接着剤。
[7]上記重合性化合物が(メタ)アクリレート化合物である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の硬化性接着剤。
[8]基板、有機電子素子、および封止部材をこの順で有し、上記基板と上記封止部材とを接着層により接着させることにより上記有機電子素子を封止する構造を有する有機電子装置であって、上記接着層が[1]〜[7]のいずれか一項に記載の硬化性接着剤を硬化して得られる層である有機電子装置。
[9]上記基板、上記有機電子素子、上記接着層および上記封止部材をこの順で含み、上記有機電子素子の上記封止部材側の全面に上記接着層が存在する[8]に記載の有機電子装置。
[10]上記基板および上記封止部材がそれぞれ、ガラスまたは少なくとも一層の無機層を有するガスバリアフィルムである[8]または[9]に記載の有機電子装置。
[11]上記ガスバリアフィルムの上記有機電子素子側の最表面が無機層であって、上記無機層と上記接着層とが直接接している[10]に記載の有機電子装置。
[12]上記無機層が、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸窒化物およびケイ素炭化物からなる群から選択される1種以上の化合物からなる[10]または[11]に記載の有機電子装置。
[13]上記ガスバリアフィルムが無機層および有機層の積層構造を有するバリア積層体を含む[10]〜[12]のいずれか一項に記載の有機電子装置。
[14]上記有機電子素子が有機電界発光素子である[8]〜[13]のいずれか一項に記載の有機電子装置。
[15]上記有機電界発光素子が上記基板側から反射電極、有機電界発光層、透明電極をこの順で含む[14]に記載の有機電子装置。
本発明により、新規な硬化性接着剤が提供される。本発明の硬化性接着剤はガスバリアフィルムおよびガラスとの密着性が高い。また、上記の硬化性接着剤を用いて製造された有機電子装置においては有機電子素子が劣化しにくい。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味を表す。「(メタ)アクリロイル基」等も同様である。
<硬化性接着剤>
硬化性接着剤は光または熱の作用により硬化して、接着剤として機能できるものである。本発明の硬化性接着剤は特に有機電子装置の各部材の接着に好ましく用いることができ、硬化して接着層を形成し直接接している部材を接着することができる。本発明の硬化性接着剤は有機電界発光装置の基板と封止部材との接着に好ましく用いることができ、特に基板および封止部材が、ガラスまたはガスバリアフィルムである場合に特に好ましく用いることができる。
硬化性接着剤は硬化後透明であることが好ましく、例えば、厚み100μmで形成された接着層につき、波長400nm〜800nmの光の透過率が90%以上であることが好ましい。
また、硬化性接着剤の硬化後の屈折率は、1.3〜1.8が好ましく、1.4〜1.7がより好ましく、1.4〜1.6がさらに好ましい。
硬化性接着剤は含水量を抑えて精製されることが好ましい。含水量は1000ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、ゼロであることが特に好ましい。含水量は、重合性化合物の官能基を適切に選択することによって、または硬化性接着剤の調製の際の外気湿度を調整することによって調整することができる。
硬化性接着剤は紫外線などによる光硬化性であっても熱硬化性であってもよく、有機電子装置の製造プロセスに応じて選択すればよい。
硬化性接着剤は重合性化合物と有機金属化合物とシランカップリング剤とを含む。硬化性接着剤は上記成分以外の他の成分を含んでいてもよい。
重合性化合物と有機金属化合物とシランカップリング剤との混合比は特に限定されないが、モル比をX:Y:Zとしたときに以下の関係式:
X=1 、Y≦0.7、Z≦0.4
を満たすように混合されていることが好ましく、
以下の関係式:
X=1 、0.05≦Y≦0.6、0.005≦Z≦0.3
を満たすように混合されていることが好ましく、以下の関係式:
X=1、0.1≦Y≦0.5、0.01≦Z≦0.1
を満たすように混合されていることがより好ましい。
以下、各成分について説明する。
(重合性化合物)
重合性化合物としては(メタ)アクリレート化合物またはエポキシ化合物を好ましく用いることができる。
光硬化性接着剤とする場合は(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましく、熱硬化性接着剤とする場合はエポキシ化合物を用いることが好ましい。
エポキシ化合物としては、芳香族環を有するエポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物のいずれも用いることができる。
上記芳香族環を有するエポキシ化合物としては、その構造中に芳香族環とエポキシ基とを有する化合物であれば特に限定されず、例えば、フェノールノボラック型エポキシモノマー、クレゾールノボラック型エポキシモノマー、ビフェニルノボラック型エポキシモノマー、トリスフェノールノボラック型エポキシモノマー、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシモノマー等のノボラック型エポキシモノマー;ビスフェノールA型エポキシモノマー、ビスフェノールF型エポキシモノマー、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシモノマー、ビスフェノールS型エポキシモノマー、ポリオキシプロピレンビスフェノールA型エポキシ等のビスフェノール型エポキシモノマー等が挙げられる。なかでも、ビスフェノールA型エポキシモノマー、ビスフェノールF型エポキシモノマーが好適に用いられる。
脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば下記化学式(1)(2)(3)、で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015189901
式(3)中、Rは、水素、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜12のアルキル基、nは1〜30の整数を表す。
上記化学式(1)で表される化合物のうち、市販されている化合物としては、例えば、新日本理化工業社製「DME−100」等が挙げられる。
上記化学式(2)で表される化合物のうち、市販されている化合物としては、例えば、ダイセル化学工業社製「セロキサイド2000」等が挙げられる。
上記一般式(3)で表される化合物のうち、市販されている化合物としては、例えば、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、2個以上の脂肪族環状骨格を有する化合物も好ましい例として挙げられる。2個以上の脂肪族環状骨格を有するエポキシ化合物の好ましい例としては下記一般式(4)、(5)又は(6)からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。これらの化合物は、耐光性に優れるとともに、耐湿性にも優れるからである。
Figure 2015189901
式(4)中、nは、0〜20の整数を表す。R1およびR2は、水素、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表し、これらは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(5)中、nは、0〜20の整数を表す。R1〜R8は、水素、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表し、これらは互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(6)中、nは、0〜20の整数を表す。
上記一般式(4)で表される化合物の中でも、R1およびR2は、水素またはメチル基であることがより好ましい。これらを用いることで、本発明の硬化性接着剤は、優れた耐光性と耐湿性とを兼ね備えたものとなる。なかでも、R1およびR2は、水素であることが特に好ましい。
エポキシ化合物は1種類を用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
(メタ)アクリレート化合物の例としては、特開2013−108057号公報の0038〜0041に記載の化合物が挙げられる。(メタ)アクリレート化合物の例としては多官能(メタ)アクリレートまたは単官能(メタ)アクリレートのいずれを用いてもよく、多官能(メタ)アクリレートおよび単官能(メタ)アクリレートを組み合わせて使用してもよい。市販されている(メタ)アクリレートとしては例えば大阪有機化学工業株式会社製のビスコートや新中村化学工業株式会社製のA-9300やTMPTが挙げられる。
<シランカップリング剤>
シランカップリング剤は、重合性化合物がエポキシ化合物である場合は、エポキシ基を有するシランカップリング剤であることが好ましく、重合性化合物が(メタ)アクリレート化合物である場合は、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。
エポキシ基を備えたシランカップリング剤の好ましい例としては、グリシジルオキシアルキルシラン等が挙げられる。以下にグリシジルオキシアルキルシランの例を挙げる。
Figure 2015189901
エポキシ基を備えたシランカップリング剤として、市販品としては、東京化成工業株式会社製のD2632、G0210、G0261、T2675、信越シリコーン製のKBM-303、KBM-402、KBM-403、KBE-402、KBE-403、東レ・ダウコーニング株式会社製のZ-6040、Z-6043、Z-6011、Z-6020、Z-6094、Z-6062などが挙げられる。
エポキシ基を備えたシランカップリング剤としては、加水分解する基としてエトキシ基、2―メトキシエトキシ基等を有するシランカップリング剤であることが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、特に制限はなく公知のシランカップリング剤を用いることができる。その中でも加水分解する基としてジメトキシメチルシリル基またはトリメトキシシリル基を有することが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤の好ましい例としては以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2015189901
上記化合物は、信越化学工業株式会社製のKBM-5103、KBM-503、KBM-502として入手可能である。
<有機金属化合物>
本実施の硬化性接着剤は、有機金属化合物を含有する。本発明者らは、シランカップリング剤とともに有機金属化合物を用いることにより、接着性が高いとともに有機電子素子が劣化しにくい接着剤が得られることを見出した。
有機金属化合物としては、下記一般式(I)で示される化合物であることが好ましい。
M(R11n …(I)
式(I)中、R11は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の環状アルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアルコキシル基、を示す。
本明細書において、「置換もしくは無置換の」というときの「置換」の際の置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシル基、カルボキシル基、アミノ基が挙げられる。置換基の数、ならびにその種類、置換位は限定されず、2または3以上の置換基が存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。
アルキル基は直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数は1〜30が好ましく、6〜25がより好ましく、12〜20が特に好ましい。アルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、直鎖状または分枝鎖状のヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、またはドデシル基を挙げることができる。アルキル基に関する上記説明はアルコキシル基におけるアルキル基においても同様である。
環状アルキル基の炭素数は3〜10が好ましく、炭素数は3〜7がより好ましい。環状アルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
アルケニル基は直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。アルケニル基の炭素数は2〜20が好ましく、2〜10がより好ましい。アルケニル基の例としてはビニル基、アリル基、1−プロペニル基、ブテニル基、ペンテニ基ル、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基などが挙げられる。
アルキニル基は直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。アルキニル基の炭素数は2〜20が好ましく、2〜10がより好ましい。アルキニル基の例としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基などが挙げられる。
アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
11の炭素数は、1〜30が好ましく、6〜25がより好ましく、12〜20が特に好ましい。特にR1の炭素数が6〜25であると、加水分解によりR11に由来する成分が遊離した場合アウトガスの成分となりにくく好ましい。
なお、一般式(I)で示される化合物が加水分解することにより、アルコール(R11−OH)やアルカン(R11−H)等の分解生成物が発生する。この分解生成物の沸点は、1気圧において200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましい。200℃以上であれば、分解生成物の有機電子装置内への拡散を抑制することができる。
一般式(I)で示される化合物において、複数存在するR11は同一であっても異なっていてもよい。nは2または3であり、Mの原子価に等しい。
一般式(I)中、Mは2価または3価の金属原子である。このような金属原子としては、IUPAC周期表における第2族元素、第4族元素、第12族元素や第13族元素を挙げることができ、具体的にはAl、B、Mg、Zn、Ti、Zr等が例示できる。これらの中でも、吸湿性や吸酸素性に優れる観点や、水分や酸素を捕捉することにより分解した後、着色がなく透明性を保持できる観点から、Alがより好ましい。
一般式(I)で示される化合物は、少なくとも1つのM−C結合(但し、Cは炭素原子を表す。)を有することが好ましい。M−C結合を有することで、水分または酸素との反応性を高めることができ、水分または酸素の捕捉能が向上する。
また、上記一般式(I)で示される化合物は、少なくとも1つのM−O結合(但し、Oは酸素原子を表す。)を有することが好ましい。M−O結合を有することで、水分との反応性を高めることができ、水分の捕捉能が向上する。
上記一般式(I)で示される化合物の具体例としては、例えばトリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリシクロプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−2−メチルブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、トリ−n−ドデシルアルミニウム、トリヘキサデシルアルミニウム、トリステトラメチルヘキサデシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジメチルフェニルアルミニウム、ジブチルフェニルアルミニウム、ジイソブチルフェニルアルミニウム、メチルジフェニルアルミニウム、エトキシジエチルアルミニウム、エトキシジ−n−オクチルアルミニウム、トリオクタデシロキシアルミニウム、トリ(2,2−ビス(アリロキシメチル)−1−ブトキシ)アルミニウム、トリ(3−シクロドデシルプロピル)アルミニウム、トリス(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)アルミニウム、トリエチルボラン、トリブチルボラン、トリ−n−オクチルボラン、トリ−n−ドデシルボラン、トリフェニルボラン等が挙げられる。
上記一般式(I)で示される化合物は、市販品として入手可能である。市販品としては、例えば、東京化成工業製のアルミニウムイソプロポキシド, アルミニウム sec-ブトキシドなどがある。
<重合開始剤>
硬化性接着剤は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤としては、硬化性接着剤の硬化条件に応じて光重合開始剤または熱重合開始剤が用いられる。
光重合開始剤としては、ラジカル光重合開始剤またはカチオン光重合開始剤のいずれを用いてもよい。重合性化合物がエポキシ化合物である場合は、光カチオン重合開始剤を用いることが好ましく、重合性化合物が(メタ)アクリレート化合物である場合は、ラジカル系光重合開始剤を用いることが好ましい。
上記光カチオン重合開始剤としては特に限定されず、イオン性光酸発生タイプであってもよいし、非イオン性光酸発生タイプであってもよい。
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類や、鉄−アレン錯体、チタノセン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。これらの光カチオン重合開始剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤の具体例としては、例えば、「アデカオプトマーSP150」、「アデカオプトマーSP170」(いずれも旭電化工業社製)等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤としては特に限定されないが、波長300nm以上の光を吸収することが好ましく、波長300〜400nmの光を吸収することがより好ましい。
上記非イオン性光酸発生タイプの光カチオン重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナート等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤を用いる場合、硬化性接着剤は100℃以下で硬化されることが好ましい。
ラジカル系光重合開始剤の例としてはBAFSジャパンから市販されているイルガキュア(Irgacure)シリーズ(例えば、イルガキュア651、イルガキュア754、イルガキュア184、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819など)、ダロキュア(Darocure)シリーズ(例えば、ダロキュアTPO、ダロキュア1173など)、クオンタキュア(Quantacure)PDO、ランベルティ(Lamberti)社から市販されているエザキュア(Esacure)シリーズ(例えば、エザキュアTZM、エザキュアTZT、エザキュアKTO46など)、エザキュアKIPシリーズ等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬 V−60または 大塚化学 AIBNとして入手可能)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬 V−65または大塚化学ADVNとして入手可能)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬 V−70として入手可能)等の油溶性または水溶性の有機アゾ化合物等が挙げられる。
重合開始剤は硬化性接着剤において重合性化合物のモル量に対し、モル比で0.001以上であることが好ましく、0.005〜0.05で含まれていることがより好ましい。
<硬化性接着剤の用途>
本発明の硬化性接着剤の用途は特に限定されないが、有機電子装置の部材の接着に用いることができる。
有機電子装置の例としては、有機電界発光装置、液晶表示素子装置、薄膜トランジスタ、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池等を挙げることができる。
本発明の硬化性接着剤は有機電界発光装置の製造に好ましく用いることができる。本発明の硬化性接着剤は、基板や封止部材に用いられる、ガラスやガスバリアフィルムとの密着性が高いため、有機電界発光装置の作製において、封止剤として用いることができる。基板と封止部材との間の有機電界発光素子が存在する空間に充填される接着剤として用いることも好ましい。このような形態で用いた場合にも本発明の硬化性接着剤は有機電界発光素子を劣化させにくい。また、本発明の硬化性接着剤から形成される接着層は透明性が高いため、有機電界発光素子が設けられた基板と封止部材との間の有機電界発光素子が存在する空間に接着剤を充填した構成においてトップエミッション型で使用しても光取り出し効率に影響が少ない。
<有機電界発光装置>
有機電界発光装置は基板、有機電界発光素子、および封止部材を含む。基板とともに封止部材により有機電界発光素子を封止(密閉)することにより、水や酸素等により常温常圧下における使用によっても経年劣化しうる有機電界発光素子を劣化から保護する。
有機電界発光装置は、基板、有機電界発光素子、接着層および封止部材を基板の厚み方向でこの順に含む部位を含む構造を有する。
(有機電界発光素子)
有機電界発光素子は、陰極となる電極と陽極となる電極とを含み、さらに2つの電極の間に有機電界発光層とを含む構成を有する。
電極は、有機電界発光装置において、基板側となる一方の電極または封止部材側となる電極のいずれか一方が反射電極であって、他方の電極が透明電極であればよい。基板側となる一方の電極が反射電極であって、封止部材側となる電極が透明電極であることも好ましい。
有機電界発光層は、少なくとも発光層を有し、さらに発光層以外の機能層として、正孔輸送層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層を含んでいてもよい層を意味する。
有機電界発光層、有機電界発光層中各層、各電極の作製材料や構成、積層順、および有機電界発光装置の構成については、特開2012−155177号公報の段落0081〜0122の記載を参照することができる。
(基板、封止部材)
基板および封止部材それぞれの形状、構造、大きさ、材料等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。 形状としては、例えば平板状などが挙げられる。構造としては、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。大きさは、機能性積層材料の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
基板、封止部材の材料としては、特に、ガラス(無アルカリガラス、ソーダライムガラス等)等の無機材料、およびガスバリアフィルムが好ましい。後述のガスバリアフィルムが基板として用いられる場合は、基材フィルムに対し、バリア層側の表面が有機電界発光素子側となっていることが好ましい。有機電界発光素子側の最表面は無機層であることが好ましい。
基板としてガラスを用い、かつ封止部材としてガスバリアフィルムを用いた有機電界発光装置が好ましい一例として挙げられる。
基板は、適宜合成したものであってもよいし、市販品を使用してもよい。
基板の厚みは、ガラスなどの剛直な基板を用いる場合は、300μm〜1000μmであることが好ましく、500μm〜800μmであることがより好ましい。ガスバリアフィルムのフィルムまたはフレキシブルガラスを基板として用いる場合は10μm〜500μmであることが好ましく、20μm〜300μmであることがより好ましい。
封止部材の厚みは、10μm〜500μmであることが好ましく、20μm〜300μmであることがより好ましい。
本発明の硬化性接着剤から形成される接着層の厚みは5μm〜200μmであることが好ましく、10μm〜100μmであることがより好ましい。
また、封止部材および本発明の硬化性接着剤から形成される接着層を合わせた厚みは50μm〜600μmであることが好ましく、100μm〜300μmであることがより好ましい。
基板および封止部材の屈折率は、それぞれ1.3〜1.8が好ましく、1.4〜1.7がより好ましく、1.4〜1.6が更に好ましい。
(ガスバリアフィルム)
有機電界発光装置において、ガスバリアフィルムはバリア性およびフレキシビリティを有する基板として機能できる。ガスバリアフィルムとしては、従来公知のいずれのガスバリアフィルムを用いてもよい。
ガスバリアフィルムは、一般的に基材フィルムと、該基材フィルム上に形成されたバリア層とを有する。ガスバリアフィルムにおいて、バリア層は、基材フィルムの片面にのみ設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよいが、片面のみに設けられていることが好ましい。
バリア層は少なくとも1層の無機層を含む。バリア層は少なくとも1層の無機層および少なくとも1層の有機層を含むバリア積層体であってもよい。
ガスバリアフィルムのいずれの面側に有機電界発光素子を配置してもよいが、バリア層を有する面側であることが好ましい。またガスバリアフィルム中のバリア層中の無機層が有機電界発光素子側の最表面であることが好ましい。特に、バリア層中の無機層と本発明の接着剤から形成される接着層とが直接接していることが好ましい。
ガスバリアフィルムはバリア層および基材フィルム以外の構成成分(例えば、易接着層、または易滑性層等の機能性層)を有していてもよい。機能性層はバリア性積層体の上、バリア層と基材との間、基材上のバリア層が設置されていない側(裏面)のいずれに設置してもよい。
(基材フィルム)
ガスバリアフィルムは、通常、基材フィルムとして、プラスチックフィルムを用いる。用いられるプラスチックフィルムは、バリア性積層体を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
基材フィルムの厚みは10μm〜250μmであることが好ましく、20μm〜130μmであることがより好ましい。
(バリア層)
バリア層は一層の無機層からなるものであってもよく、少なくとも1層の無機層および少なくとも1層の有機層を含むバリア積層体であってもよい。
(無機層)
バリア層を構成する無機層、およびバリア性積層体中の無機層は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。無機層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でもよい。例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)、めっきやゾルゲル法等の液相成長法がある。無機層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物または金属酸化炭化物であり、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、またはTaから選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物などを好ましく用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、Tiから選ばれる金属の酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましく、特にSi(ケイ素)またはAl(アルミニウム)の金属酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有していてもよい。例えば、水酸基を有する窒化物等となっていてもよい。
無機層としては、特に、Siを含む無機層が好ましい。より透明性が高く、かつ、より優れたガスバリア性を有しているからである。その中でも特に、窒化ケイ素からなる無機層が好ましい。
無機層は、例えば、金属の酸化物、窒化物もしくは酸窒化物が水素を含むことにより、適水素を含んでいてもよいが、前方ラザフォード散乱における水素濃度が30%以下であることが好ましい。
本発明により形成される無機層の平滑性は、1μm角の平均粗さ(Ra値)として3nm未満であることが好ましく、1nm以下がより好ましい。
無機層の厚みに関しては特に限定されないが、1層に付き、通常、5〜500nmの範囲内であり、好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは15〜50nmである。無機層は複数のサブレイヤーから成る積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。
(バリア性積層体)
バリア性積層体は、少なくとも1層の有機層と少なくとも1層の無機層を含むものであり、2層以上の有機層と2層以上の無機層とが交互に積層しているものであってもよい。 バリア性積層体を構成する層数に関しては特に制限はないが、典型的には2層〜30層が好ましく、3層〜20層がさらに好ましい。また、有機層および無機層以外の他の構成層を含んでいてもよい。バリア性積層体の厚みは0.5μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmであることがより好ましい。
バリア性積層体については、例えば、特開2010−200780号公報特開2010−200780号公報、特開2010−6064号公報、特開2008−221830号公報のバリア性積層体に関する記載、特開2009−81122号公報のガスバリア層に関する記載を参照することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<接着剤の作製>
表1にしたがって、各原料を、露点-80℃環境のグローブボックス内にて撹拌混合機を用い、撹拌速度1000rpmで均一に混合した。得られた混合物に表4に示す添加剤とシランカップリング剤を表2に示す量で添加した。なお、表4中の数値は重合性化合物の総モル量に対するモル比であり、重合性化合物の総モル量を1としたときの値である。
添加剤のゼオライトは東ソー製ゼオラム、有機金属化合物は東京化成工業製のアルミニウムイソプロポキシド, アルミニウムsec−ブトキシド、オルトチタン酸テトライソプロピルとシランカップリング剤T2675は東京化成工業製のトリエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)シラン、G0210は東京化成工業製の3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランを用いた。
表1中、ビスフェノール型エポキシ樹脂は三菱化学株式会社製の樹脂であり、ビスA型ではYL980、ビスF型ではYL983Uである。CEL2021Pは、株式会社ダイセル製セロキサイド2021Pであり、SP170は旭電化工業社製アデカオプトマーSP170である。
Figure 2015189901
<ガスバリアフィルムの作製>
ポリエチレンテレフタレート(東レ社製、S10)の片面上に、プラズマ処理を行った後、下記組成の重合性組成物を乾燥厚みが2000nmとなるように塗布成膜した。塗布膜に、酸素含有量100ppm以下の窒素雰囲気下、照射量0.5J/cm2の紫外線で硬化させ、有機層を作製した。

(重合性組成物)
重合性化合物(アクリレート1) 50質量部
重合開始剤(Lamberti社 Esacure KTO46) 1質量部
シランカップリング剤(信越シリコーン社製KBM−5013) 5質量部
2−ブタノン 400質量部
Figure 2015189901
得られた有機膜表面に、CCP−CVD装置、および原料ガスとしてシランガス(流量160sccm:0℃、1気圧の標準状態、以下同じ)、アンモニアガス(370sccm)、水素ガス(590sccm)、および窒素ガス(240sccm)を用いたプラズマCVD法により、窒化ケイ素膜(膜中に酸素,水素を含む)を成膜した。プラズマCVDの条件は、成膜圧力40Pa、周波数13.56MHzにて2.5kWとした。厚み50nmになるように成膜した。
<有機電界発光素子の作製>
(陽極の成膜)
基板(コーニング社製無アルカリガラス(イーグルXG)0.7mmt)表面にITO配線を形成し、陽極としてAlを用い、80nmの厚みになるように真空蒸着にて成膜した。さらにその上にバッファー層(MoO3)を3nm真空蒸着にて成膜した。
(有機発光層の作製)
陽極上に、真空蒸着により、正孔輸送層(α−NPD:Bis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl]benzidine)を30nm、CBP (4,4'-Bis(carbazol-9-yl)biphenyl ) をホスト材料として5%のIr(ppy)3(Tris(2-phenylpyridinato)iridium)をドープした発光層を計30nm、正孔ブロック層としてBAlq(Bis-(2-methyl-8- quinolinolato)-4-(phenyl-phenolate)-aluminium(III))層を10nm、電子輸送層としてAlq3 (Tris(8-hydroxy-quinolinato)aluminium)層を20nmの厚みでそれぞれ蒸着して有機電界発光層を形成した。
(陰極の成膜)
続けて、有機発光層の上にLiFを0.5nm、Alを2nm、Agを15nm蒸着し、有機電界発光素子を得た。
(無機防湿膜の成膜)
有機電界発光素子上に反応性スパッタ(スパッタガスはアルゴン、反応ガスは酸素、ターゲットはアルミ金属)によりAl23膜を厚み100nmで成膜した。
<有機電界発光装置の作製>
窒素ガス雰囲気中にて、得られた有機電界発光素子付き基板の有機電界発光素子を設けた面側に実施例1−9,比較例1−3の接着剤を塗布した上記ガスバリアフィルムを接着剤を設けた面側で貼り合わせた。接着剤を波長365nmの紫外線の照射(3000mJ)により硬化し、その後さらに80℃で30分間の熱処理を行った。
<有機電界発光装置評価>
(密着性評価)
密着性評価のために、ガラス基板(コーニング社製無アルカリガラス(イーグルXG)0.7mmt)表面に実施例1−11,比較例1−11の接着剤により上記のバリアフィルムを接着した。接着剤により形成された接着層の厚みは50μmであった。
密着性評価は、JIS K5400に準拠した碁盤目試験により行った。上記で得られたガラス基板とガスバリアフィルムの積層体のガスバリアフィルム側の表面にそれぞれカッターナイフで膜面に対して90°の切込みを1mm間隔で入れ、1mm間隔の碁盤目を100個作製した。この上に2cm幅のマイラーテープ[日東電工製、ポリエステルテープ(No.31B)]を貼り付け、テープ剥離試験機を使用して貼り付けたテープをはがした。積層フィルム上の100個の碁盤目のうち剥離せずに残存したマスの数(n)をカウントし、密着性を以下表2の基準で評価した。
Figure 2015189901
(有機電界発光素子発光評価)
有機電界発光素子発光評価は、有機電界発光素子の発光面積に従って、以下表3の基準で行った。
Figure 2015189901
Figure 2015189901
添加剤としてゼオライトを用いた比較例では、有機電界発光素子の劣化を招かない量のゼオライトを用いた結果、接着層が不透明性となった。

Claims (15)

  1. 重合性化合物と有機金属化合物とシランカップリング剤とを含む硬化性接着剤。
  2. 前記有機金属化合物が
    下記一般式(I)で表される化合物である請求項1に記載の硬化性接着剤;
    M(R11n 一般式(I);
    式中、Mは2価または3価の金属原子であり、R11は、R11は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換の環状アルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアルコキシル基、を示し、複数存在するR11は同一または異なってもよく、nは2または3でありMの原子価に等しい。
  3. 前記Mが、アルミニウムである請求項2に記載の硬化性接着剤。
  4. 前記有機金属化合物がアルミニウムアルコキシドである請求項3に記載の硬化性接着剤。
  5. 前記重合性化合物と前記有機金属化合物と前記シランカップリング剤のモル比X:Y:Zが以下の関係式:
    X=1、0.1≦Y≦0.5、0.01≦Z≦0.1
    を満たす請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性接着剤。
  6. 前記重合性化合物がエポキシ化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性接着剤。
  7. 前記重合性化合物が(メタ)アクリレート化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性接着剤。
  8. 基板、有機電子素子、および封止部材をこの順で有し、前記基板と前記封止部材とを接着層により接着させることにより前記有機電子素子を封止する構造を有する有機電子装置であって、前記接着層が請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性接着剤を硬化して得られる層である有機電子装置。
  9. 前記基板、前記有機電子素子、前記接着層および前記封止部材をこの順で含み、前記有機電子素子の前記封止部材側の全面に前記接着層が存在する請求項8に記載の有機電子装置。
  10. 前記基板および前記封止部材がそれぞれ、ガラスまたは少なくとも一層の無機層を有するガスバリアフィルムである請求項8または9に記載の有機電子装置。
  11. 前記ガスバリアフィルムの前記有機電子素子側の最表面が無機層であって、前記無機層と前記接着層とが直接接している請求項10に記載の有機電子装置。
  12. 前記無機層が、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸窒化物およびケイ素炭化物からなる群から選択される1種以上の化合物からなる請求項10または11に記載の有機電子装置。
  13. 前記ガスバリアフィルムが無機層および有機層の積層構造を有するバリア積層体を含む請求項10〜12のいずれか一項に記載の有機電子装置。
  14. 前記有機電子素子が有機電界発光素子である請求項8〜13のいずれか一項に記載の有機電子装置。
  15. 前記有機電界発光素子が前記基板側から反射電極、有機電界発光層、透明電極をこの順で含む請求項14に記載の有機電子装置。
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