JP2015189143A - 液体吐出装置及び該液体吐出装置における液体流路の抵抗調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット記録装置1は、インクを貯留するタンク体8と、タンク体8のインクが供給されるインク吐出ヘッド4と、インク吐出ヘッド4を往復移動させるヘッド機構と、タンク体8とインク吐出ヘッド4とを連通し、タンク体8のインクをインク吐出ヘッド4に供給するように構成されたインク供給流路とを備えている。インク供給流路は一部がインク吐出ヘッド4の移動に伴って撓み変形する変形部20を有するチューブ2によって構成される。インク供給流路の変形部20以外の箇所に、インクに流路抵抗を付与する抵抗付与体7が設けられている。抵抗付与体7は、インクが流れる方向においてインク供給流路の内径以上の長さに渡って横断面形状が一定である横断面一定部分70を有する。
【選択図】 図3
Description
本発明の目的は、ヘッドにインクを供給するための供給流路を構成する部品を替えることなく、液体吐出ヘッドの液体吐出性能に応じた、適切な液体供給を行わせることにある。
前記タンク体の液体が供給される液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを往復移動させるためのヘッド移動機構と、
前記タンク体と前記液体吐出ヘッドとを連通し、前記タンク体の液体を前記液体吐出ヘッドに供給するように構成された液体供給流路とを備え、
前記液体供給流路は、その一部が、前記液体吐出ヘッドの移動に伴って撓み変形する変形部を有するチューブによって構成され、
前記液体供給流路の内部における、前記変形部以外の箇所に、前記液体供給流路を流れる液体に流路抵抗を付与する抵抗付与体が設けられ、
前記抵抗付与体は、前記液体供給流路における液体が流れる方向において前記液体供給流路の内径以上の長さに渡って横断面形状が一定である横断面一定部分を有する。
前記液体吐出ヘッドを往復移動させるためのヘッド移動機構と、
前記タンク体と前記液体吐出ヘッドとを連通し、前記タンク体の液体を前記液体吐出ヘッドに供給するように構成された液体供給流路とを備え、
前記液体供給流路は、その一部が、前記液体吐出ヘッドの移動に伴って撓み変形する変形部を有するチューブによって構成される液体吐出装置の、液体供給流路の抵抗調整方法は、
前記液体吐出ヘッドと前記液体供給流路の構成を決定する工程と、
前記液体吐出ヘッドの液体吐出性能に基づいて、前記液体供給流路を流れる液体に付与すべき流路抵抗を決定する工程と、
前記液体供給流路の内部における前記変形部以外の箇所に配置すべき抵抗付与体であって、前記液体供給流路における液体が流れる方向において前記液体供給流路の内径以上の長さに渡って横断面形状が一定である横断面一定部分を有する抵抗付与体の前記横断面一定部分の長さを、前記流路抵抗に基づいて決定する工程とを有する。
また、流路抵抗の調整は、液体供給流路における液体が流れる方向において液体流路の内径以上の長さに渡って横断面形状が一定である横断面一定部分を有する抵抗付与体によって行われるので、液体供給流路の流路抵抗を所望の流路抵抗とする調整が容易に行うことができる。
両用紙搬送ローラ3によって用紙Pは矢印B方向に搬送され、矢印Bを副走査方向、矢印Bに直交し水平面に沿う方向を主走査方向とする。2本のガイドレール6は主走査方向に延び、インク吐出ヘッド4は両ガイドレール6に沿って往復移動可能に設けられている。即ち、インクジェット記録装置1はシリアル型のプリンタである。一方のガイドレール6の両端部には、夫々プーリ60が配置されており、両プーリ60間に無端状の駆動ベルト61が架けられている。該駆動ベルト61の一部分はインク吐出ヘッド4の一端部に取り付けられており、両プーリ60をモータ(図示せず)によって回転させると、インク吐出ヘッド4は駆動ベルト61に引っ張られて、主走査方向に往復移動する。両ガイドレール6とプーリ60と駆動ベルト61とによって、本発明の「ヘッド移動機構」が構成される。
尚、インク吐出ヘッド4は、複数枚の金属板を積層して形成された積層ユニットと、該積層ユニット上に接合されて、吐出口に対応して素子を設けたアクチュエータユニットとから構成され、該アクチュエータユニットの素子に通電されることにより、積層ユニット内のインクがインク吐出口40から吐出される。積層ユニットの最も外側(下側)に位置する金属板に前記のインク吐出口が形成されているが、かかる構成は公知であり、詳細な記載を省く。
図2は、チューブ2の平面図である。チューブ2は図2に示すように、その中間部が止め具11によって筐体10に固定されている。よって、その止め具11からインク吐出ヘッド4までのチューブ2のうち、その一部分は、インク吐出ヘッド4の移動によって撓み変形するが、該止め具11からタンク体8までの部分はインク吐出ヘッド4の移動によっても撓み変形しない。また、ジョイント部41にあっても、チューブ2はインク吐出ヘッド4の移動によって撓み変形しない。
ここでは、チューブ2においてインク吐出ヘッド4の移動によって撓み変形する部分を変形部20とし、インク吐出ヘッド4の移動によっても撓み変形しない非変形部21とする。
しかし、インクジェット記録装置1の機種毎に、インク吐出仕様が異なるインク吐出ヘッド4が搭載される場合があるから、該機種毎に要求されるインクの流路抵抗が異なる場合がある。また、4本のチューブ2には夫々異なる色のインクが流れるが、色によってインクの粘度が異なるから、要求される流路抵抗はチューブ2ごとに異なる。従って、要求される流路抵抗はインクジェット記録装置1の機種又はインクの色等によってカスタマイズする必要があるが、インクジェット記録装置1の機種又はインクの色毎に別々のチューブ2を用いると、コストアップに繋がる。また、流路抵抗を大きくすべく、チューブ2の外径を小さくすると、チューブ2をタンク体8又はインク吐出ヘッド4に接続する部分の強度が低下する問題もある。
そこで、発明者はインクジェット記録装置1の機種又はインクの色等に拘らず、同一のチューブ2を用いるとともに、該チューブ2の内部に抵抗付与体7を設けて、チューブ2毎に適切なインクの流路抵抗を付与することを着想した。
ここで、図3(b)にあっては、抵抗付与体7とチューブ2の内面との間には、隙間が形成されているから、仮に抵抗付与体7の流路方向における移動を規制するものが何もなければ、インクの流れによって、抵抗付与体7が不用意に変形部20に移動する虞がある。抵抗付与体7が不用意に変形部20へ移動すると、抵抗付与体7が硬質材料から形成されていればチューブ2の内面を傷付ける恐れがある。逆に抵抗付与体7が軟質材料から形成されていれば、チューブ2の反力に影響を与え、これはインク吐出ヘッド4のスムーズな移動にも影響する。従って、抵抗付与体7が不用意に変形部20へ移動すると、チューブ2及びインク吐出ヘッド4に悪影響を及ぼす。
この規制部22によって、抵抗付与体7が不用意に変形部20へ移動することを防いでいる。規制部22はチューブ2を内向きに塑性変形させて形成されるから、別途部品を設ける必要がなく、構成部品点数の増加を抑えることができる。抵抗付与体7が中空状部材の場合であっても、チューブ2に規制部22を設けてもよい。
なお、チューブ2に形成された規制部22は、必ずしも、その内径を小さくなるようにして、その内径が抵抗付与体7の外径より小となるように構成する必要はない。例えば、チューブ2の内径を小さくせずにチューブ2を湾曲させることで、抵抗付与体7が変形部20に移動できないように構成してもよい。
カートリッジ9からはインク供給部90を通って供給された各色のインクは、インク導入路82及び凹溝83内を流れて、ジョイント部材85から対応するチューブ2に流れる。即ち、本実施形態にあっては、インクニードル81から凹溝83、ジョイント部材85、チューブ2を介してインク吐出ヘッド4のジョイント部41までがインク供給流路となる。
また、図8に示すように、凹溝83内に、抵抗付与体7を設けてもよい。図8では抵抗付与体7として中空状部材を示すが、凹溝83に規制部を設けて凹溝83以外の箇所に移動できないようにしたうえで、抵抗付与体7として中実状部材を設けてもよい。
例えば図3(a)に示すように、チューブ2内に抵抗付与体7を配置する場合は以下の手順で行う。先ず、インク吐出ヘッド4とチューブ2の構成を決定する。具体的には、インク吐出ヘッド4の動圧吸収性能、アンダーリフィルに対する耐性、最小液滴サイズ、単位時間当たりの最大インク吐出量やチューブ2の長さ、断面積、材質等を決定する。
次に、インク吐出ヘッド4のインク吐出性能に基づいて、チューブ2内を流れるインクに付与すべき流路抵抗を決定する。最後に、決定した流路抵抗に基づいて、抵抗付与体7の長さを決定し、この長さを有する抵抗付与体7をチューブ2内に挿入する。抵抗付与体7をチューブ2に挿入する際の作業性を考えると、抵抗付与体7は弾性体が好ましい。
また、上記実施形態では、インクはカートリッジ9から供給されるとしたが、カートリッジ9よりも大型のインク容器(図示せず)から供給されてもよい。
本実施形態に係るインクジェット記録装置1にあっては、以下の技術的効果を有する。
1.本実施形態に係る構成によって、インク吐出ヘッド4とタンク体8との間のインク供給流路の構成を替えることなく、インク供給流路の流路抵抗をインク吐出ヘッド4のインク吐出性能に対応するように調整することができる。よって、互いにインク吐出性能の異なるインク吐出ヘッド4を搭載した複数のインクジェット記録装置1に関して、インク供給流路の構成を共通化することが可能となり、コストダウンを図ることができる。
2.流路抵抗の調整は、インク供給流路におけるインクが流れる方向に沿ってインク供給流路の内径以上の長さに渡って横断面形状が一定である横断面一定部分70を有する抵抗付与体7によって行われる。従って、インク供給流路の流路抵抗を所望の流路抵抗とする調整が容易に行うことができる。
2 チューブ
4 インク吐出ヘッド
7 抵抗付与体
8 タンク体
9 カートリッジ
70 横断面一定部分
80 カートリッジ装着箱
Claims (8)
- 液体を貯留するタンク体と、
前記タンク体の液体が供給される液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを往復移動させるためのヘッド機構と、
前記タンク体と前記液体吐出ヘッドとを連通し、前記タンク体の液体を前記液体吐出ヘッドに供給するように構成された液体供給流路とを備え、
前記液体供給流路は、その一部が、前記液体吐出ヘッドの移動に伴って撓み変形する変形部を有するチューブによって構成され、
前記液体供給流路の内部における、前記変形部以外の箇所に、前記液体供給流路を流れる液体に流路抵抗を付与する抵抗付与体が設けられ、
前記抵抗付与体は、前記液体供給流路における液体が流れる方向において前記液体供給流路の内径以上の長さに渡って横断面形状が一定である横断面一定部分を有する、液体吐出装置。 - 前記チューブは、前記液体吐出ヘッドが移動しても撓み変形しない非変形部を有し、
前記抵抗付与体が前記非変形部に設けられ、
前記抵抗付与体の前記変形部側への移動を防ぐ規制部が設けられた、請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記規制部は、前記チューブを、前記非変形部においてその内径が他よりも小さくなるように変形させる、または、前記非変形部において湾曲させることにより構成される、 請求項2に記載の液体吐出装置。
- 前記規制部は、前記チューブの、前記抵抗付与体が設けられた位置よりも前記変形部側の位置において、前記チューブの外面を内向きに変形させることによって形成される、請求項2に記載の液体吐出装置。
- 前記抵抗付与体は、前記液体供給流路中における、前記タンク体に形成された前記チューブとの接続部、前記液体吐出ヘッドに形成された前記チューブとの接続部、又は前記タンク体に形成された流路の何れかに設けられた、請求項1乃至4の何れかに記載の液体吐出装置。
- 前記抵抗付与体は、管状部材、又は、前記液体流路の内径よりも小径の中実部材である、請求項1乃至5の何れかに記載の液体吐出装置。
- 前記抵抗付与体は管状部材であり、
前記抵抗付与体は、前記液体流路に圧入されることにより前記液体流路に設けられる、請求項1乃至5の何れかに記載の液体吐出装置。 - 液体を貯留するタンク体と、前記タンク体の液体が供給される液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを往復移動させるためのヘッド移動機構と、
前記タンク体と前記液体吐出ヘッドとを連通し、前記タンク体の液体を前記液体吐出ヘッドに供給するように構成された液体供給流路とを備え、
前記液体供給流路は、その一部が、前記液体吐出ヘッドの移動に伴って撓み変形する変形部を有するチューブによって構成される液体吐出装置の、液体供給流路の抵抗調整方法であって、
前記液体吐出ヘッドと前記液体供給流路の構成を決定する工程と、
前記液体吐出ヘッドの液体吐出性能に基づいて、前記液体供給流路を流れる液体に付与すべき流路抵抗を決定する工程と、
前記液体供給流路の内部における前記変形部以外の箇所に配置すべき抵抗付与体であって、前記液体供給流路における液体が流れる方向において前記液体供給流路の内径以上の長さに渡って横断面形状が一定である横断面一定部分を有する抵抗付与体の前記横断面一定部分の長さを、前記流路抵抗に基づいて決定する工程とを有する、液体吐出装置の液体流路の抵抗調整方法。
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