JP2015189008A - レーザ印字用多層積層フィルム - Google Patents

レーザ印字用多層積層フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 外層および内層のいずれの側からレーザを照射しても、また、照射するレーザの出力をフィルムにダメージを与えない程度まで低下させても、フィルムの一方の面には太くて視認性の高い印字が得られ、他方の面には細くシャープな印字が得られるレーザ印字用多層積層フィルム、それよりなる包装材料および包装体、並びにレーザ印字方法を提供する。
【課題を解決するための手段】 外層、インキ組成物層、および内層の順に積層されたレーザ印字用多層積層フィルムであって、該インキ組成物層は、レーザの照射により変色するインキ組成物からなり、該外層と該インキ組成物層との間のラミネート強度は、該内層と該インキ組成物層との間のラミネート強度と異なることを特徴とする、上記レーザ印字用多層積層フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザにより印字できるレーザ印字用多層積層フィルム、それよりなる包装材料および包装体、並びにレーザ印字方法に関する。
従来より、レーザを照射することによりフィルム上へ印字することが知られている。そして、これらのレーザにより印字できるレーザ印字用多層積層フィルムとしては、レーザ照射により変色する特殊インキや白色インキを中間層(発色層)として使用するフィルムが知られている(特許文献1、特許文献2)。
このようなレーザ印字用多層積層フィルムにおいて、特に白色インキを発色層として用いるものには、インキの発色が薄くて視認性に劣るという問題がある。そして、十分な視認性を得るためには、レーザ照射部分の中間層が、その深さ方向(フィルムの一方の表面から他方の表面に向かう方向)の全厚さにわたって、全て蒸散するまでレーザ出力を高める必要がある。したがって、強力なレーザの照射によって、ベースとなるフィルムに穴が開く等の問題がある。また、強力なレーザを照射する必要があることから印字スピードが遅いという問題がある。
また一方で、細かい文字等の画像を印刷する場合に、発色したインキが滲み、シャープな画像が得られず、文字が潰れてしまうという問題がある。
特開2007−55110号公報 特開2007−217048号公報
本発明は、上記の問題点を解決して、外層および内層のいずれの側からレーザを照射しても、また、照射するレーザの出力をフィルムにダメージを与えない程度まで低下させても、フィルムの一方の面には太くて視認性の高い印字が得られ、他方の面には細くシャープな印字が得られるレーザ印字用多層積層フィルム、それよりなる包装材料および包装体、並びにレーザ印字方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々研究の結果、外層とインキ組成物層との間のラミネート強度を、内層とインキ組成物層との間のラミネート強度と異なるように調製することによって、上記の課題が解決されることを見出した。
すなわち、外層、インキ組成物層、および内層の順に積層されたレーザ印字用多層積層フィルムであって、該インキ組成物層は、レーザの照射により変色するインキ組成物からなり、該外層と該インキ組成物層との間のラミネート強度は、該内層と該インキ組成物層との間のラミネート強度と異なることを特徴とする、上記レーザ印字用多層積層フィルムが、上記の目的を達成することを見出したものである。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.外層、インキ組成物層、および内層の順に積層されたレーザ印字用多層積層フィルムであって、該インキ組成物層は、レーザの照射により変色するインキ組成物からなり、該外層と該インキ組成物層との間のラミネート強度は、該内層と該インキ組成物層との間の
ラミネート強度と異なることを特徴とする、上記レーザ印字用多層積層フィルム。
2.外層とインキ組成物層との間のラミネート強度と、内層とインキ組成物層との間のラミネート強度との差が、0.2N/15mm以上であることを特徴とする、上記1に記載のレーザ印字用多層積層フィルム。
3.外層および内層の少なくとも1層が、バリア層を含む多層フィルムからなることを特徴とする、上記1または2に記載のレーザ印字用多層積層フィルム。
4.外層とインキ組成物層との間のラミネート強度が、内層とインキ組成物層との間のラミネート強度より小さいことを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載のレーザ印字用多層積層フィルム。
5.外層とインキ組成物層との間のラミネート強度が、内層とインキ組成物層との間のラミネート強度より大きいことを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載のレーザ印字用多層積層フィルム。
6.上記1〜5のいずれかに記載のレーザ印字用多層積層フィルムにおいて、内層が、最内層のシーラントとして機能するヒートシール性樹脂層を含むことを特徴とする、レーザ印字用包装材料。
7.上記6に記載のレーザ印字用包装材料の、最内層のヒートシール性樹脂層同士を対向させ、製袋したことを特徴とする、レーザ印字用包装袋。
8.上記6に記載のレーザ印字用包装材料の最内層のヒートシール性樹脂層と、ヒートシール性樹脂層を有する第2の積層フィルムのヒートシール性樹脂層とを対向させ、製袋したことを特徴とする、レーザ印字用包装袋。
9.上記4に記載のレーザ印字用多層積層フィルムに、外層側からまたは内層側からレーザを照射することにより、外層とインキ組成物層との間に空隙が形成され、変色したインキ組成物が該空隙中に広がってレーザ印字画像が形成されたことを特徴とする、レーザ印字付き多層積層フィルム。
10.上記5に記載のレーザ印字用多層積層フィルムに、外層側からまたは内層側からレーザを照射することにより、内層とインキ組成物層との間に空隙が形成され、変色したインキ組成物が該空隙中に広がってレーザ印字画像が形成されたことを特徴とする、レーザ印字付き多層積層フィルム。
11.上記4に記載のレーザ印字用多層積層フィルムに、外層側からまたは内層側からレーザを照射して、外層とインキ組成物層との間に空隙を形成し、変色したインキ組成物が該空隙中に広がってレーザ印字画像を形成することを特徴とする、レーザ印字方法。
12.上記5に記載のレーザ印字用多層積層フィルムに、外層側からまたは内層側からレーザを照射して、内層とインキ組成物層との間に空隙を形成し、変色したインキ組成物が該空隙中に広がってレーザ印字画像を形成することを特徴とする、レーザ印字方法。
13.前記レーザが、グリーンレーザ、YVO4レーザ、またはファイバーレーザであることを特徴とする、上記11または12に記載のレーザ印字方法。
本発明のレーザ印字用多層積層フィルムにおいて、使用するインキ組成物は、レーザ印字のための特殊インキに限定されない。例えば、包装フィルムの印刷時の下地として普通に用いられる白色インキを、インキ組成物層を形成するインキ組成物として用いることができる。したがって、安価な材料から製造することができ、また、フィルム製造工程において、レーザ印字のために下地上にさらなる層を設ける必要がない。
また、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムに、グリーンレーザ、YVO4(イットリウム・バナデート)レーザまたはファイバーレーザ等の任意のレーザを照射することにより、インキ組成物層を形成するインキ組成物がガス化する。次いで、このガスは、外層とインキ組成物層、または、内層とインキ組成物層のいずれか所望の境界に蓄積し、ここに空隙を形成し、レーザ照射によって変色したインキ組成物が、該空隙中に広がる。そのため、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムは、弱い出力で、すなわち、インキ組成物
層を全層厚にわたって全て蒸散させるまでレーザ出力を高める必要なしに、所望に応じて、フィルムの一方の面には視認性に優れたレーザ印字画像を形成することができる。そして、他方の面には、細かくシャープな印字画像を形成することができる。
ここで、レーザ照射は、外層側からでも、内層側からでもよく、いずれの場合にも、上記空隙は、所望の側に形成される。
さらに、本発明のレーザ印字付き多層積層フィルムは、レーザ印字画像が、そのフィルム表面ではなく、内部、すなわち外層と内層との間に施される。したがって、この画像は、耐摩耗性に優れることから擦れ等による消失を効果的に防止することができ、且つ、その改ざんを効果的に防止することができる。
これらの利点から、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムは、食料品、化成品等の包装材料として好適に用いられ、賞味期限、製造日、製造番号、検査結果等の情報をレーザ印字画像として記録することができる。
本発明のレーザ印字用多層積層フィルムの層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明のレーザ印字用多層積層フィルムの層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明のレーザ印字用多層積層フィルムの層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明のレーザ印字用多層積層フィルムの層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明のレーザ印字付き多層積層フィルムの層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明のレーザ印字付き多層積層フィルムの層構成について、一例を示す概略的断面図である。
本発明について以下に詳しく説明する。
<I> 本発明のレーザ印字用多層積層フィルムおよびレーザ印字付き多層積層フィルムの層構成
図1は、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムの層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
図1に示されるように、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムは、外層1、インキ組成物層2および内層3からなる構成を基本とする。ここで、各層はそれぞれ、単層構成であっても、2またはそれ以上の層を積層した多層構成であってもよい。
また、外層および内層の少なくともいずれか1層が、酸素及び水蒸気に対するガスバリア性を有してもよい。例えば、外層が、図2に示されるように、最外層1aと、バリア層1bとの2層構成であってよい。また図示しないが、内層が、バリア層を含んでもよい。
さらに別の態様において、内層が、最内層のシーラントとして機能するヒートシール性樹脂のみからなってもよい。さらには、図3に示されるように、非ヒートシール性樹脂層3aと、ヒートシール性樹脂層3bとの2層構成またはそれ以上の多層構成であってもよい。
さらなる態様において、図4に示されるように、インキ組成物層2は、それぞれ同じかまたは異なるインキ組成物からなるインキ組成物層を、2層またはそれ以上積層した構成であってもよい。
また、インキ組成物層と外層・内層とのラミネート強度を調整するために、必要に応じて、外層や内層の積層面に対して、積層前に表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を施すことができる。
またさらに、インキ組成物層と外層および/または内層との間に、例えば、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層等を設けてもよい。
図5に示されるように、本発明のレーザ印字付き多層積層フィルムは、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムに、レーザを外層側から、または、内層側から照射することにより製造することができる。外層とインキ組成物層とのラミネート強度を、内層とインキ組成物層とのラミネート強度より小さく設定することにより、レーザ照射によって外層とインキ組成物層との間に空隙が形成され、この空隙内に変色したインキ組成物が広がって印字部となる。したがって、外層側には、太く視認性に優れた印字画像が形成され、内層側には細かくシャープな印字画像が形成される。
また、外層とインキ組成物層とのラミネート強度を、内層とインキ組成物層とのラミネート強度より大きく設定することにより、図6に示されるように、内層とインキ組成物層との間に空隙が形成され、この空隙内に変色したインキ組成物が広がって印字部となる。したがって、外層側には、細かくシャープな印字画像が形成され、内層側には太く視認性に優れた印字画像が形成される。
<II> 外層
本発明において、外層は、その使用目的、用途等に応じた任意のフィルムを使用することができる。
具体的には、基本素材となり、更に、印字後は、表面保護層を構成するものである。外層側から視認するためには、レーザ印字画像を透視し得るものである。また、機械的、物理的、化学的等に優れた強度を有し、その他所望に応じて、耐突き刺し性、耐熱性、防湿性等に優れたフィルムを使用することができる。
本発明において好適に使用されるフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール、ポリアミド、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルを主成分とするアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアセタール、アセチル・ジ又はトリ・セルロースの繊維素誘導体や、ポリカーボネート等よりなる延伸あるいは未延伸フィルム、または、これらのフィルム等との積層体が挙げられる。
特に包装材料として、安定性、加工性、コスト、耐熱性および耐薬品性等の面で優れており、また、後述のインキ組成物を積層する際に、該インキ組成物との望ましいラミネート強度が得られることから、より具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、延伸ナイロン(ONY)フィルム、ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルムが挙げられるが、これらに限定されない。
また、外層は、酸素および水蒸気等に対するバリア性を有するものであってもよい。例えば、バリア層として、バリア性樹脂層、無機物もしくは無機酸化物の蒸着膜を含むものであってよい。また、内層側から視認する場合、外層は、視認性を有しないバリア層、例えば金属箔を含むものであってもよい。バリア層としては、具体的には、アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム、アルミニウム蒸着ポリプロピレンフィルム、シリカ蒸着ポリエステルフィルム、シリカ蒸着ポリ
アミドフィルム、アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、MXD6等が挙げられる。なお、バリア層を2層以上有してもよい。バリア層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
また、外層は、必要に応じて、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光層や、任意の中間層を設けることもできる。
本発明において、外層の厚さとしては強度、耐突き刺し性等について、必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇するという欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性等が抵下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、例えば5μm〜170μm、好ましくは10μm〜50μm程度である。
<III> インキ組成物層
本発明において、インキ組成物層は、レーザ照射により変色するインキ組成物を、外層または内層上に印刷や塗布等により積層して設けられる層である。インキ組成物層は、単層構成であっても、同じかまたは異なるインキ組成物を2層以上積層した多層構成であってもよい。
レーザ照射により変色するインキ組成物としては、白色インキ等の有色インキ、および/または、レーザ照射により発色する発色剤を含むレーザ発色性インキが使用される。
本発明の一つの態様において、インキ組成物層は、白色インキ等の有色インキのみからなる層であってよい。好適に使用される有色インキとしては、無機酸化物およびバインダー樹脂を含むインキ組成物であり、該無機酸化物としては、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化珪素等、およびこれらの混合物を用いることができる。特に、白色顔料である酸化チタンを含む白色インキが好適に使用される。
インキ組成物を構成するバインダー樹脂としては、従来公知の任意の樹脂を用いることができる。例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂等を単独で、または2種以上混合して使用することができる。
本発明のインキ組成物は、印刷下地として従来から使用される任意の白色インキを好適に使用することができるが、その組成として、特に好ましくは、無機酸化物:バインダー樹脂の質量比が、70〜90:30〜10、より好ましくは75〜85:25〜15である。これらを、必要に応じて慣用の溶剤で希釈し、外層または内層上に印刷または塗布することにより、インキ組成物層を形成することができる。無機酸化物が上記範囲より多いと、フィルムがレーザ照射によるダメージを受け易くなる。逆に、無機酸化物が上記範囲より少ないと、印字画像が不明瞭になり易い。
インキ組成物を希釈する溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸n−プロピル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、1−メトキシー2−プロパノール、トルエン、キシレン等の有機溶剤を用いることができる。
インキ組成物層を構成する有色インキは、無機酸化物およびバインダー樹脂に加えてさらに、レーザ照射により発色する発色剤を含んでもよい。このような発色剤としては、例えば、フルオラン系、フェノチアジン系、スピロピラン系、トリフェニルメタフタリド系、ローダミンラクタム系等のロイコ染料が挙げられる。ロイコ染料の具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−アミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ニトロフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(3−
ジメチルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等を挙げることができる。
また、発色剤としては、モリブデン、鉄、銅、ニッケル、クロム、ジルコニウム、アンチモン、ビスマス等の金属を含む無機化合物、例えば酸化ビスマスが挙げられる。
本発明の別の態様において、インキ組成物層は、有色インキと、レーザ発色性インキとを重ねて印刷または塗布したものであってよい。
本発明において、レーザ発色性インキとしては、上記の発色剤と、上記のバインダー樹脂とを含むインキ組成物が挙げられる。
インキ組成物層が発色剤を含む場合、その含有量は、インキ組成物層の全質量に対して、固形分換算で0.1〜95.0質量%の範囲で含有される。本発明においては、その発色材料の含有量は、1〜30質量%であることが好ましい。1質量%未満では、発色、印字が不十分、不鮮明となることなどの理由から好ましくなく、含有量が増加するほど印字の発色は濃くなって行くが、30質量%より多くしても、その濃度上昇による視認性の差が顕著に認識できるものではなく、むしろ、コストアップや、印刷下地層が硬くなり、ひび割れ、強度低下等を導き、レーザ光の照射により発色する発色材料自体の顔料色が印刷下地層に色を付けてしまうこと等の理由から好ましくない。
インキ組成物は、必要に応じて、任意の添加剤を含んでよい。例えば、外層または内層とのラミネート強度を低下させるために、ブロッキング防止剤、硬化剤等を添加することが挙げられる。また、ラミネート強度を高めるために、シランカップリング剤を添加してもよい。その他、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、防腐剤、防錆剤、可塑剤、難燃剤、顕色剤等の添加剤を加えてもよい。これら添加剤の種類や使用量は、印刷方法、印刷基材、印刷条件等により適宜選択できる。
インキ組成物層の総厚としては、当業者が適宜に決定することができるが、例えば、インキ組成物の塗布量が、乾燥後の塗布量として1.5〜8.0g/m2である。これよりもインキ組成物層が厚いと、フィルムがレーザ照射によるダメージを受け易くなる。逆に、これよりも薄いと、印字画像が不明瞭になり易い。
インキ組成物層の積層方法は、特に限定されないが、インクジェット、浸漬、スピンコーティング、印刷等の方法を用いることができる。本発明においては印刷により積層する方法が好ましい。特に、印刷下地として全面または一部にベタ印刷することにより、製造工程を簡略化できる。
<IV> 内層
本発明において、内層は、その使用目的、用途等に応じた任意のフィルムを使用することができる。また、内層側から視認するためには、レーザ印字画像を透視し得るものである。
レーザ印字用包装材料として適用するためには、最内層のシーラントとして機能するヒートシール性樹脂層を含むものである。
内層は、シーラントとして機能するヒートシール性樹脂層のみからなっても、ヒートシール性樹脂層と上記インキ組成物層との間に、任意の中間層を含んでもよい。
中間層としては、前述のバリア層、遮光層、および非ヒートシール性樹脂層等が挙げられるが、これらに限定されない。非ヒートシール性樹脂層としては、例えば、延伸ポリアミド系樹脂フィルムからなる層が挙げられる。中間層を設ける場合、中間層とヒートシー
ル性樹脂層との積層方法としては、慣用のドライラミネート法、押し出しコーティング法、サンドラミネート法等を適宜選択することができる。
本発明において、ヒートシール性樹脂としては、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の樹脂を、単独で、または2種又はそれ以上を混合して使用することができる。
内層を形成するヒートシール性樹脂中には、インキ組成物層とのラミネート強度を調整する等の各種目的のために、滑剤、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤を添加することができる。
包装材料としての用途において、内容品と接する最内層となるため、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィンが好適に使用される。
内層の層厚は、レーザ印字用多層積層フィルムの用途に応じて適宜に設定することができるが、好ましくは5〜170μmであり、更に好ましくは10〜50μmである。
<V> 積層
本発明の多層積層フィルムは、外層の積層面に、インクジェット、浸漬、スピンコーティング、印刷等の方法によってインキ組成物層を設け、次いで、内層を、慣用のドライラミネート法、押し出しコーティング法、サンドラミネート法等により積層することができる。
あるいは、内層の積層面にインクジェット、浸漬、スピンコーティング、印刷等の方法によってインキ組成物層を設け、次いで、外層を、慣用のドライラミネート法、押し出しコーティング法、サンドラミネート法等により積層してもよい。
外層・内層とインキ組成物層とのラミネート強度を調整するために、必要に応じて、それぞれの積層面に、積層前に所望の表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理等の前処理を施すことができる。
さらに、外層・内層とインキ組成物層との間に、例えば、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層等を設けてもよい。
本発明において、積層のために好適に使用されるドライラミネート用接着剤としては、ウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等を用いることができる。また、サンドイッチラミネート用接着性樹脂としては、任意のヒートシール性樹脂を用いることができる。
いずれの場合においても、外層・内層とインキ組成物層とのラミネート強度が相違するように、樹脂の種類の組み合わせ、積層方法、接着剤の種類、表面処理方法等を選択する。
例えば、外層とインキ組成物層との間のラミネート強度を、内層とインキ組成物層との間のラミネート強度より小さくするためには、内層の積層面に、ラミネート強度を高めるための表面処理を行うか、または、適宜アンカーコート剤層等を設けることができる。
逆に、外層とインキ組成物層との間のラミネート強度を、内層とインキ組成物層との間のラミネート強度より大きくするためには、外層の積層面に、ラミネート強度を高めるための表面処理を行うか、または、適宜アンカーコート剤層等を設けることができる。
本発明のレーザ印字用多層積層フィルムにおいて、外層とインキ組成物層との間のラミネート強度と、内層とインキ組成物層との間のラミネート強度との差は、0.2N/15
mm以上であることが好ましく、より好ましくは1.0N/15mm以上である。ラミネート強度の差が小さ過ぎると、所望の層間に空隙を形成することができず、本発明の効果が得られない。
本発明において、ラミネート強度は、移動速度50mm/minとし、測定サンプルの幅を15mmとし、その他の条件をJIS K6854に準拠して実施するT型剥離接着強さ試験で測定される値である。
上記ラミネート強度を達成するには、外層を形成する樹脂フィルムの種類、インキ組成物層を形成するインキ組成物中のバインダー樹脂の種類、および内層を形成する樹脂の種類の組み合わせにより、所望のラミネート強度が得られるような組み合わせを見出すことが好ましい。しかしながら、意図的にラミネート強度を低くするためにコロナ処理を施さない面上にインキ組成物層を積層したり、インキ組成物に密着を防止する材料たとえばブロッキング防止剤を加えてもよい。
<VI> 印字
本発明で使用するレーザ光の種類は特に問わないが、エネルギー量の微細なコントロールが可能で、かつ、透明フィルムに対する透過率が高いYVO4(イットリウム・バナデート)レーザ光線(波長ピーク1060nmおよび1064nm付近)、グリーンレーザ(波長ピーク532nm付近)、およびファイバーレーザ(波長ピーク1090nm付近)を好適に用いることができる。ビームの中心一点にパワーのピークが集中するシングルモードであれば、ムラのない細密な印刷がより好ましく達成できる。これらのレーザは、透明体を透過する性質を有し、印字時の煙等の発生が抑えられ、また、発色濃度やフィルムに与える影響等を調整することができる。その結果、レーザ印字画像を形成しても穴あき等がない極めて鮮明なレーザ印字画像を形成することができる。
これらのレーザを、外層側または内層側から照射することにより、低出力で、フィルムに与えるダメージを最小限に抑えつつ、インキ組成物層のインキ組成物をガス化・炭化させて、外層とインキ組成物層との間または内層とインキ組成物層との間に空隙を形成し、インキ組成物層表面にレーザ印字画像を効率よく形成することができる。
そして、空隙が形成された側には、太く視認性に優れた印字画像が形成され、その反対側には、細かくシャープな印字画像が形成される。
グリーンレーザを用いることにより、ピークパワーが高いので、硬度の高い材質へも深くシャープに印字することができる。また、パルス幅が短いので、印字対象物へ熱影響を与えにくい。さらに、波長が短く高エネルギーなので物質に対する吸収率が上がる。また、反射率の高い金や銅などの金属にも印字可能であり、白濁樹脂にも印字可能である。
<VII> レーザ印字付き多層積層フィルム
本発明のレーザ印字用多層積層フィルムへの印字工程において、レーザの平均出力を低く設定しても、または、スキャンスピードを速く設定しても、鮮明な印字画像、例えば太くて明瞭な文字を印字することができる。
本発明のレーザ印字付き多層積層フィルムにおいて、レーザのスポット照射により、外層または内層とインキ組成物層との間に形成される空隙の直径は、望ましくは40μm〜1mm、より好ましくは400〜700μmである。この空隙に変色(炭化)したインキ組成物が広がって、明瞭な印字画像が得られる。空隙の直径がこれよりも小さいと、印字画像の欠損や、線幅の細りが発生し、視認性を欠く。逆にこれよりも大きいと、画像がつぶれる等のため好ましくない。
本発明において、レーザ印字画像は、文字、数字、記号、図柄等を含むが、これらに限定されない。
また、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムに印字して得られるレーザ印字付き多層積層フィルムは、各種包装材料、ラベル類、カード類等に適用することができる。
本発明のレーザ印字用多層積層フィルムにおいて、インキ組成物層は、印刷下地として機能する白色インキからなってよい。したがって、該インキ組成物層を下地として、レーザ印字を施さない部分に、所望のカラーインキ組成物層を設けることもできる。
<VIII> 包装袋
本発明の多層積層フィルムからなる包装材料を、最内層のヒートシール性樹脂層同士を対向させて、周囲をヒートシールすることにより、レーザ印字用包装袋が得られる。
また、ヒートシール性樹脂層を有する任意のフィルムを用いて、そのヒートシール性樹脂層と、本発明の包装材料のヒートシール性樹脂層とを対向させて、同様に製袋してもよい。
レーザ印字は、製袋前および製袋後のいずれに行ってもよい。
袋体の形態としては、三方シールタイプ、四方シールタイプ、スタンディングパウチ、ガセットタイプ、封筒貼りシールタイプ、ピロータイプ等を任意に選ぶことができ、特に限定されるものではない。
また、ヒートシールの方法としては、たとえば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の周知の方法で行うことができる。なお、袋状体のヒートシール部には易開封性手段として開封用のノッチ部を設けてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
[実施例1]
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ(株)製OP−M1)の一方の面上に、レーザ露光腐食製版方式により作成した版を取り付けたグラビア印刷機を用いて、以下の組成よりなるインキ組成物を、線数175/インチ、版深30μmにて塗工し、塗布量2.7g/m2(乾燥時)のインキ組成物層を設けた。
インキ組成物
酸化チタン 80質量%(固形分換算値)
ウレタン樹脂 20質量%(固形分換算値)
合計100質量%
上記組成からなるインキ組成物を、等質量の混合溶剤(メチルエチルケトン:酢酸エチル:イソプロピルアルコール=4:4:2(質量比))と混合して使用した。
次いで、該インキ組成物層上に、ポリプロピレン樹脂を300℃にて押出コーティング法により、厚さ13μmとなるように積層し、内層(シーラント層)を設けた。これにより、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムを得た。該フィルムにおいて、外層とインキ組成物層との間のラミネート強度は、0.3〜0.5N/15mmであり、内層とインキ組成物層と内層との間のラミネート強度は、3.5〜4.0N/15mmであった。
[実施例2]
実施例1と同様にして、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ(株)製OP−M1)の一方の面上に、上記実施例1で用いたインキ組成物を塗布量2.7g/m2(乾燥時)となるように塗布し、第1のインキ組成物層を設けた。
次いで、該第1のインキ組成物層上に、レーザ露光腐食製版方式により作成した版を取り付けたグラビア印刷機を用いて、酸化チタン75質量%(インキ組成物全質量に対する
固形分換算値)および塩素化ポリプロピレン系樹脂25質量%(インキ組成物全質量に対する固形分換算値)を含む第2のインキ組成物を、線数175/インチ、版深30μmにて塗工し、塗布量2.7g/m2(乾燥時)の第2のインキ組成物層を設けた。
次いで、該第2のインキ組成物層上に、ポリプロピレン樹脂を300℃にて押出コーティング法により、厚さ13μmとなるように積層し、内層(シーラント層)を設けた。これにより、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムを得た。該フィルムにおいて、外層と第1のインキ組成物層との間のラミネート強度は、0.4〜0.6N/15mmであり、第2のインキ組成物層と内層との間のラミネート強度は、5.0〜6.0N/15mmであった。
[実施例3]
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ(株)製OP−M1)の一方のコロナ処理面上に、レーザ露光腐食製版方式により作成した版を取り付けたグラビア印刷機を用いて、以下の組成よりなるインキ組成物を、線数175/インチ、版深30μmにて塗工し、塗布量2.7g/m2(乾燥時)のインキ組成物層を設けた。
インキ組成物
酸化ビスマス10質量%(固形分換算値)
酸化チタン 25質量%(固形分換算値)
ウレタン樹脂 65質量%(固形分換算値)
合計100質量%
上記組成からなるインキ組成物を、等質量の混合溶剤(メチルエチルケトン:酢酸n−プロピル:イソプロピルアルコール=3:5:2(質量比))と混合して使用した。
次いで、該インキ組成物層上に、ポリプロピレン樹脂を280℃にて押出コーティング法により、厚さ13μmとなるように積層し、内層(シーラント層)を設けた。これにより、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムを得た。該フィルムにおいて、外層とインキ組成物層との間のラミネート強度は、0.5〜0.7N/15mmであり、内層とインキ組成物層と内層との間のラミネート強度は、0.2〜0.3N/15mmであった。
[実施例4]
実施例1と同様にして、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ(株)製OP−M1)の一方のコロナ処理面上に、上記実施例1で用いたインキ組成物を塗布量2.7g/m2(乾燥時)となるように塗布し、第1のインキ組成物層を設けた。
次いで、該第1のインキ組成物層上に、レーザ露光腐食製版方式により作成した版を取り付けたグラビア印刷機を用いて、実施例3で用いたインキ組成物を、線数175/インチ、版深30μmにて2度塗工し、塗布量4.4g/m2(乾燥時)の第2のインキ組成物層を設けた。
次いで、該第2のインキ組成物層上に、ポリプロピレン樹脂を280℃にて押出コーティング法により、厚さ13μmとなるように積層し、内層(シーラント層)を設けた。これにより、本発明のレーザ印字用多層積層フィルムを得た。該フィルムにおいて、外層と第1のインキ組成物層との間のラミネート強度は、0.7〜0.9N/15mmであり、第2のインキ組成物層と内層との間のラミネート強度は、0.4〜0.6N/15mmであった。
[実施例5]
厚さ12μmの易カット性PETフィルムの一方の面上に、レーザ露光腐食製版方式により作成した版を取り付けたグラビア印刷機を用いて、実施例3で用いたインキ組成物を、線数175/インチ、版深30μmにて塗工し、塗布量2.7g/m2(乾燥時)のイン
キ組成物層を設けた。
次いで、該インキ組成物層上に、2液硬化型のポリエステル系接着剤を用いてドライラミネーション法(DL)により接着剤層を設け、さらに厚さが7μmのアルミ箔を積層した。
次いで、2液硬化型ポリエステル系接着剤を用いてドライラミネーション法により接着剤層を設け、厚さ12μmの易カット性PETフィルム及び厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネーション法により積層した。
これにより、易カット性PETフィルム(外層)/インキ組成物層/接着剤層/アルミ箔(バリア層)/接着剤層/易カット性PETフィルム/接着剤層/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(シーラント層)の層構成を有する本発明のレーザ印字用多層積層フィルムを得た。該フィルムにおいて、外層とインキ組成物層との間のラミネート強度は、5〜6N/15mmであり、アルミ箔(内層)とインキ組成物層との間のラミネート強度は、4〜4.8N/15mmであった。
[比較例1]
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ(株)製OP−M1)の一方の面上に、レーザ露光腐食製版方式により作成した版を取り付けたグラビア印刷機を用いて、以下の組成よりなるインキ組成物を、線数175/インチ、版深30μmにて塗工し、塗布量2.7g/m2(乾燥時)の第1のインキ組成物層を設けた。
インキ組成物
酸化ビスマス10質量%(固形分換算値)
酸化チタン 25質量%(固形分換算値)
ウレタン樹脂 65質量%(固形分換算値)
合計100質量%
上記組成からなるインキ組成物を、等質量の混合溶剤(メチルエチルケトン:酢酸n−プロピル:イソプロピルアルコール=3:5:2(質量比))と混合して使用した。
次いで、該第1のインキ組成物層上に、レーザ露光腐食製版方式により作成した版を取り付けたグラビア印刷機を用いて、酸化チタン75質量%(インキ組成物全質量に対する固形分換算値)および塩素化ポリプロピレン系樹脂25質量%(インキ組成物全質量に対する固形分換算値)を含む第2のインキ組成物を、線数175/インチ、版深30μmにて塗工し、塗布量2.7g/m2(乾燥時)の第2のインキ組成物層を設けた。
次いで、該第2のインキ組成物層上に、ポリプロピレン樹脂を押出コーティング法により、厚さ13μmとなるように積層し、内層(シーラント層)を設け、レーザ印字用多層積層フィルムを得た。該フィルムにおいて、外層と第1のインキ組成物層との間のラミネート強度、第2のインキ組成物層と内層との間のラミネート強度は等しく、3.0〜4.0N/15mmであった。
[レーザ印字方法1]
実施例1〜4および比較例1のレーザ印字用多層積層フィルムについて、下記条件下で、外層側または内層側からYVO4レーザ光を照射し、レーザ印字画像を形成してレーザ印字付き多層積層フィルムを得た。
レーザ照射条件
YVO4レーザ機にて平均出力10W、印字パルス周期20μs、スキャンスピード9000mm/s
[レーザ印字方法2]
実施例1のレーザ印字用多層積層フィルムについて、下記条件下で、外層側からグリー
ンレーザ光(SHGタイプ、波長532nm)を照射し、レーザ印字画像を形成してレーザ印字付き多層積層フィルムを得た。
レーザ照射条件
平均出力4.8W、印字パルス周期30kHz、スキャンスピード2000mm/s
[レーザ印字方法3]
実施例5のレーザ印字用多層積層フィルムについて、下記条件下で、外層側からグリーンレーザ光(SHGタイプ、波長532nm)を照射し、レーザ印字画像を形成してレーザ印字付き多層積層フィルムを得た。
レーザ照射条件
平均出力4.8W、印字パルス周期40kHz、スキャンスピード2000mm/s
[評価]
得られたレーザ印字画像について、外層側および内層側の着色線幅を測定した。また、レーザ照射後の外観を確認した。
結果を以下の表1および表2に示す。
Figure 2015189008
Figure 2015189008
外層側および内層側のいずれから照射した場合も、実施例1および2のレーザ印字用多層積層フィルムについては、外層側には濃く太い印字が得られ、内層側には細くシャープな印字が得られた。
これとは逆に、実施例3および4のレーザ印字用多層積層フィルムについては、外層側には細くシャープな印字が得られ、内層側には濃く太い印字が得られた。
実施例5のレーザ印字用多層積層フィルムについては、にじみがなく、細部までシャー
プな印字が得られた。
一方、比較例1の積層フィルムについては、外層とインキ組成物層との間のラミネート強度と内層とインキ組成物層との間のラミネート強度が同程度であったため、インキの凝集剥離が発生した。外層および内層のいずれの側からも、視認性が低く、インク滲みが観察された。
1.外層
1a.最外層
1b.バリア層
2.インキ組成物層
2a.第1のインキ組成物層
2b.第2のインキ組成物層
3.内層
3a.非ヒートシール性樹脂層
3b.ヒートシール性樹脂層
4.印字部
A.空隙の直径

Claims (13)

  1. 外層、インキ組成物層、および内層の順に積層されたレーザ印字用多層積層フィルムであって、
    該インキ組成物層は、レーザの照射により変色するインキ組成物からなり、
    該外層と該インキ組成物層との間のラミネート強度は、該内層と該インキ組成物層との間のラミネート強度と異なることを特徴とする、上記レーザ印字用多層積層フィルム。
  2. 外層とインキ組成物層との間のラミネート強度と、内層とインキ組成物層との間のラミネート強度との差が、0.2N/15mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載のレーザ印字用多層積層フィルム。
  3. 外層および内層の少なくとも1層が、バリア層を含む多層フィルムからなることを特徴とする、請求項1または2に記載のレーザ印字用多層積層フィルム。
  4. 外層とインキ組成物層との間のラミネート強度が、内層とインキ組成物層との間のラミネート強度より小さいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ印字用多層積層フィルム。
  5. 外層とインキ組成物層との間のラミネート強度が、内層とインキ組成物層との間のラミネート強度より大きいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ印字用多層積層フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザ印字用多層積層フィルムにおいて、内層が、最内層のシーラントとして機能するヒートシール性樹脂層を含むことを特徴とする、レーザ印字用包装材料。
  7. 請求項6に記載のレーザ印字用包装材料の、最内層のヒートシール性樹脂層同士を対向させ、製袋したことを特徴とする、レーザ印字用包装袋。
  8. 請求項6に記載のレーザ印字用包装材料の最内層のヒートシール性樹脂層と、ヒートシール性樹脂層を有する第2の積層フィルムのヒートシール性樹脂層とを対向させ、製袋したことを特徴とする、レーザ印字用包装袋。
  9. 請求項4に記載のレーザ印字用多層積層フィルムに、外層側からまたは内層側からレーザを照射することにより、外層とインキ組成物層との間に空隙が形成され、変色したインキ組成物が該空隙中に広がってレーザ印字画像が形成されたことを特徴とする、レーザ印字付き多層積層フィルム。
  10. 請求項5に記載のレーザ印字用多層積層フィルムに、外層側からまたは内層側からレーザを照射することにより、内層とインキ組成物層との間に空隙が形成され、変色したインキ組成物が該空隙中に広がってレーザ印字画像が形成されたことを特徴とする、レーザ印字付き多層積層フィルム。
  11. 請求項4に記載のレーザ印字用多層積層フィルムに、外層側からまたは内層側からレーザを照射して、外層とインキ組成物層との間に空隙を形成し、変色したインキ組成物が該空隙中に広がってレーザ印字画像を形成することを特徴とする、レーザ印字方法。
  12. 請求項5に記載のレーザ印字用多層積層フィルムに、外層側からまたは内層側からレーザを照射して、内層とインキ組成物層との間に空隙を形成し、変色したインキ組成物が該
    空隙中に広がってレーザ印字画像を形成することを特徴とする、レーザ印字方法。
  13. 前記レーザが、グリーンレーザ、YVO4レーザ、またはファイバーレーザであることを特徴とする、請求項11または12に記載のレーザ印字方法。
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