JP2015188956A - 製造方法、加工装置及びドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】径の異なる穴を加工するに際して、ドリルを交換することなく、穴付きの部品を製造すること。【解決手段】本発明の加工装置は、切削工具を回転駆動する加工ユニットと、前記加工ユニットを前記切削工具の軸方向に移動可能な移動ユニットと、を備え、前記切削工具は、第一の穴を形成する第一のドリルと、前記第一の穴よりも大径の第二の穴を形成する第二のドリルと、を備え、前記第二のドリルは、前記第一のドリルの周りに同軸上に設けられ、かつ、前記第一のドリルと前記第二のドリルとは、これらの相対位置が変化するように、軸方向にスライド自在であり、前記加工ユニットは、前記第一のドリルと前記第二のドリルとの前記軸方向の相対位置を変化させる相対移動機構を備える。【選択図】 図3

Description

本発明はワークに穴を形成する技術に関する。
径が異なる穴をワークに加工する方法として、例えば、特許文献1〜3に開示された技術が提案されている。特許文献1には、複数種類の段付きのドリルを用いて段付き穴を加工する方法が開示されている。特許文献2及び3には径の異なる複数の刃を備えたドリルにより、穴を加工する方法が開示されている。
特開2004−337997号公報 特開2006−082420号公報 特許第5151501号公報
特許文献1の方法は、ドリルの交換を必要とするため、加工時間が長くなる場合がある。特許文献2及び3の方法は、径の異なる複数の刃を一体に構成したドリルであるため、穴の深さ等が異なる場合には、ドリルの組み換えが必要とされ、やはりドリルの交換が必要となる。
本発明の目的は、径の異なる穴を加工するに際して、ドリルを交換することなく、穴付きの部品を製造することにある。
本発明によれば、ワークに対して切削工具により二種類の穴を形成することで、穴付きの部品を製造する製造方法であって、前記切削工具が、第一の穴を形成する第一のドリルと、前記第一の穴よりも大径の第二の穴を形成する第二のドリルと、を備え、前記第二のドリルは、前記第一のドリルの周りに同軸上に設けられ、かつ、前記第一のドリルと前記第二のドリルとは、これらの相対位置が変化するように、軸方向にスライド自在であり、前記製造方法は、前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置が、第一のドリルの先端が第二のドリルの先端から突出した第一の相対位置に調整された状態で、前記第一のドリルにより、前記ワークに前記第一の穴を形成する第一の加工工程と、前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置を、前記第一のドリルの先端が前記第二のドリルに収容されているか、又は、前記第一の相対位置と比較して、前記第二のドリルの先端からの前記第一のドリルの先端の突出量が小さい第二の相対位置に調整する調整工程と、前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置が前記第二の相対位置に調整された状態で、前記第二のドリルにより、前記ワークに前記第二の穴を形成する第二の加工工程と、を備える、ことを特徴とする製造方法が提供される。
また、ワークに対して切削工具により段付き穴を形成することで、穴付きの部品を製造する製造方法であって、前記切削工具が、第一の穴を形成する第一のドリルと、前記第一の穴よりも大径の第二の穴を形成する第二のドリルと、を備え、前記第二のドリルは、前記第一のドリルの周りに同軸上に設けられ、かつ、前記第一のドリルと前記第二のドリルとは、これらの相対位置が変化するように、軸方向にスライド自在であり、前記製造方法は、前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置が、第一のドリルの先端が第二のドリルの先端から突出した第一の相対位置に調整された状態で、前記第一のドリルにより、前記ワークに前記第一の穴を形成する第一の加工工程と、前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置を、前記第一の相対位置と比較して、前記第二のドリルの先端からの前記第一のドリルの先端の突出量が小さい第二の相対位置に調整する調整工程と、前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置が前記第二の相対位置に調整された状態で、前記第二のドリルにより前記第一の穴と同心の前記第二の穴を形成し、前記段付き穴を形成する第二の加工工程と、を備える、ことを特徴とする製造方法が提供される。
また、本発明によれば、切削工具を回転駆動する加工ユニットと、前記加工ユニットを前記切削工具の軸方向に移動可能な移動ユニットと、を備え、前記切削工具は、第一の穴を形成する第一のドリルと、前記第一の穴よりも大径の第二の穴を形成する第二のドリルと、を備え、前記第二のドリルは、前記第一のドリルの周りに同軸上に設けられ、かつ、前記第一のドリルと前記第二のドリルとは、これらの相対位置が変化するように、軸方向にスライド自在であり、前記加工ユニットは、前記第一のドリルと前記第二のドリルとの前記軸方向の相対位置を変化させる相対移動機構を備える、ことを特徴とする加工装置が提供される。
また、所定のドリルの内側に配設されるドリルであって、軸方向の一方端部側に形成され、加工装置に固定される装着部と、軸方向の他方端部側に形成され、ワークに穴を加工する刃部と、前記装着部と前記刃部との間に形成され、前記所定のドリルの軸方向の移動を案内する案内部と、を備える、ことを特徴とするドリルが提供される。
また、所定のドリルの外側に配設されるドリルであって、前記所定のドリルが挿通される軸方向に延びる貫通孔と、軸方向の一方端部側に形成され、加工装置に固定される装着部と、軸方向の他方端部側に形成され、ワークに穴を加工する刃部と、を備える、ことを特徴とするドリルが提供される。
本発明によれば、径の異なる穴を加工するに際して、ドリルを交換することなく、穴付きの部品を製造することができる。
本発明の一実施形態に係る加工システムの概略図。 (A)〜(D)は切削工具の説明図。 本発明の一実施形態に係る加工装置の斜視図。 図3の加工装置の分解斜視図。 図3のIII-III線断面図。 (A)は切削工具の先端検出例の説明図、(B)は制御ユニットのブロック図。 (A)及び(B)は加工例の説明図。 (A)及び(B)は加工例の説明図。 加工例の説明図。 (A)〜(F)は他の加工例の説明図。 (A)〜(F)は他の加工例の説明図。 (A)〜(D)は他の加工例の説明図。 (A)〜(F)は他の加工例の説明図。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図においてX、Yは互いに直交する水平方向を示し、Zは上下方向を示す。
<加工システム>
図1は本発明の一実施形態に係る加工システム100の概略図である。加工システム100は、ワークWに対して切削工具Tで穴を形成することで穴付きの部品を製造するシステムであり、加工装置1と、加工装置1を移動する移動装置101と、を備える。
ワークWは、本実施形態の場合、板状の部材W1と板状の部材W2との積層体であり、水平姿勢で準備される。穴を形成するワークとしては、様々なワークを対象とすることができる。例えば、鋼板、建材用パネル、構造用の鉄鋼材又は木材、エンジンのシリンダブロックやシリンダヘッド等を挙げることができる。
移動装置101は、一対の支柱部101bと、一対の支柱部101b間に架設された梁部101aとを備え、一対の支柱部101bは、Y方向に延びるレール101c上をレール101cに沿って移動可能となっている。梁部101aには複数の加工装置1が支持されており、一対の支柱部101bがレール101c上を移動することで、複数の加工装置1を同時に水平に移動することができ、ワークWの複数部位に同時に穴の加工作業を行うことができる。また、各加工装置1は、梁部101aの長手方向(図1中ではX方向)に沿ってスライド移動自在に設けても良い。これによって、加工装置1間の各離間距離を任意の値に設定することができる。
なお、本実施形態では、移動装置101を複数の加工装置1を同時に移動する直動機構を備えたガントリー型のロボットとしたが、個々の加工装置1毎に設けられ、加工装置1を3次元的に移動する多関節アーム型のロボットとしてもよい。
<切削工具>
図2(A)〜(D)を参照して切削工具Tの構成について説明する。図2(A)は切削工具Tの正面図、図2(B)は切削工具Tの先端側の部分の拡大図、図2(C)は図2(B)のI-I線断面図、図2(D)は図2(C)のII-II線断面図である。
切削工具Tは、切削可能な穴径が異なる二種類のドリルT1、T2を組み合わせて構成されている。ドリルT1とドリルT2とは、ドリルT1がドリルT2の内側に配設され、ドリルT2がドリルT1の外側に配設される関係にある。
ドリルT1は相対的に小径の穴を形成するドリルである。ドリルT1は、全体として円柱状の部材であり、刃部T11、装着部T12、案内部T13とを備える。刃部T11は、ドリルT1の前方側となる先端T1aから一定の範囲に渡って形成され、ワークWに穴を形成する刃の部分である。ここで言う先端T1aとは、ドリルの先端部における逃げ面の部分を意味している。装着部T12は、加工装置1に固定される部分であり、ドリルT1の後方側となる後端から一定の範囲に渡って形成されている。ドリルT1はその軸方向がZ方向となるように加工装置1に固定され、使用時に先端T1aはドリルT1の下端に位置することになる。案内部T13は、刃部T11と装着部T12との間に形成されており、ドリルT2の軸方向の移動を案内する。本実施形態の場合、装着部T12と案内部T13とは同径の円柱形状としているが、他の形状(例えば、多角形)であってもよく、また、装着部T12と案内部T13とが異径の円柱形状であってもよいし、異形状であってもよい。
ドリルT2は相対的に大径の穴を形成するドリルである。ドリルT2は、全体として円筒状の部材であり、刃部T21、装着部T22、貫通穴T23とを備える。刃部T21は、ドリルT2の前方側となる先端T2aから一定の範囲に渡って形成され、ワークWに穴を形成する刃の部分である。ここで言う先端T2aとは、ドリルの先端部における逃げ面の部分を意味している。装着部T22は、加工装置1に固定される部分であり、ドリルT2の後方側となる後端から一定の範囲に渡って形成されている。本実施形態の場合、刃部T21と装着部T22とが、それぞれドリルT2の全長の約半分ずつ形成されている。貫通穴T23はドリルT2の軸方向に延びて形成されており、ドリルT2を軸方向に貫通する穴である。ドリルT2はその軸方向がZ方向となるように加工装置1に固定され、使用時に先端T2aはドリルT2の下端に位置することになる。
貫通穴T23にはドリルT1が挿通され、ドリルT2がドリルT1の周りを囲むようにして、ドリルT1とドリルT2とは同軸上に設けられる。本実施形態の場合、貫通穴T23は、ドリルT1の刃部T11及び案内部T13の外径よりも僅かに大きい穴径とされる。案内部T13と貫通穴T23とは、互いの軸方向の移動を案内する関係にある。ドリルT1とドリルT2とはそれらの相対位置が変化するように、互いに軸方向にスライド自在である。この結果、ドリルT2の先端T2aから突出するドリルT1の先端T1aの突出量Lを0〜所定量まで変化させることができる。
ドリルT1とドリルT2との相対位置としては、例えば、以下の例が想定される。
まず、ドリルT1の先端T1aは貫通穴T23内に完全に収容された状態であり、L=0の場合である。専らドリルT2のみで加工を行う場合の相対位置である。
次に、ドリルT1の先端T1aが僅かにドリルT2の先端T2aから突出した状態であり、L=逃げ面が形成された先端部の突出長さである。ドリルT2での加工の際にドリルT1の先端T1aを利用する場合、或いは、ポンチ穴として利用する凹部を形成する場合等の相対位置である。
次に、ドリルT1の刃部T11の周面が露出した状態であり、L>逃げ面が形成された先端部の突出長さである。この場合、刃部T11の全体が露出した場合と一部が露出した場合とがあり得る。ドリルT1で加工を行う場合、或いは、ドリルT2で加工を行う際に、ドリルT1をガイドとして利用する場合等の相対位置である。
<加工装置>
図3〜図6(A)を参照して加工装置1について説明する。図3は切削工具Tを装着した状態での加工装置1の斜視図、図4は切削工具Tを装着した状態での加工装置1の分解斜視図である。図5は図3のIII-III線断面図である。図6(A)は切削工具Tの先端検出例の説明図である。
加工装置1は、駆動ユニット2と、移動ユニット3と、多機能ユニット4と、支持ユニット5とを備える。
<駆動ユニット>
駆動ユニット2は、駆動機構21と、ドリル支持ユニット22と、ドリル支持ユニット23と、相対移動機構24と、を備える。
駆動機構21は、切削工具Tを回転駆動する駆動力を出力する。駆動機構21は、例えば、電動モータ等の駆動源を備え、必要に応じて駆動源の出力を減速する減速機を設けてもよい。本実施形態の場合、速度制御可能なモータを採用しており、切削工具Tおよび加工対象となるワークWの材質に応じた最適な加工速度になるように速度制御が行われる。
ドリル支持ユニット22は、ドリルT1を支持するユニットである。ドリル支持ユニット22は、回転部材221と、回転部材221をZ軸周りに回転自在に支持する回転支持部材222とを備える。回転支持部材222は筒状の部材であり、この回転支持部材222の内部空間に回転部材221が挿通される。
回転部材221は、連結部221aと、装着部221bと、係合部221cとを備える。連結部221aは、ドリルT1の軸方向(Z方向。以下同じ)で一方の端部(上側)に設けられている。連結部221aには駆動機構21の出力軸が連結され、駆動機構21の回転力が伝達される。これにより、回転部材221はZ軸周りに回転する。
装着部221bは、ドリルT1の軸方向で他方の端部(下側)に設けられている。装着部221bは、ドリルT1の装着部T12を固定するチャックを備え、ドリルT1は装着部221bに着脱可能に取り付けられる。
係合部221cは、連結部221aと装着部221bとの間の位置に設けられている。係合部221cは後述するように回転部材231の係合部231aと係合して、駆動機構21の回転力を回転部材231に伝達する。
ドリル支持ユニット23は、ドリルT2を支持するユニットである。ドリル支持ユニット23は、回転部材231と、回転部材231をZ軸周りに回転自在に支持する回転支持部材232とを備える。回転支持部材232は筒状の部材であり、筒状の筒体部232aと、筒体部232aにおける他方端部(図4中では下端部)に設けられるフランジ部232bとを備える。この筒体部232aの内部空間に回転部材231が挿通される。
回転部材231は、係合部231aと、装着部231bとを備える。係合部231aは、ドリルT2の軸方向(Z方向。以下同じ)で一方の端部(上側)に設けられており、本実施形態の場合、回転部材231の上端面に開口した開口部として形成されている。装着部231bは、ドリルT2の軸方向で他方の端部(下側)に設けられている。装着部231bは、ドリルT2の装着部T22を固定するチャックを備え、ドリルT2は装着部231bに着脱可能に取り付けられる。筒体部232aの内部空間には、回転部材231の装着部231bの側が挿通される。
回転部材231は、回転部材221から回転力が伝達されて回転する。回転力の伝達は、回転部材221の係合部221cと回転部材231の係合部231aとの係合により行われる。回転部材221と回転部材231とは同軸上に配置される。図5に示すように、係合部221cは略四角形の断面形状を有しており、係合部231aは係合部221cと略同形状の開口部を有しており、係合部221cが、係合部231aに挿入、嵌合され、両者は嵌め合い(すきまばめ)の関係にある。
このため、回転部材221と回転部材231とのZ方向の相対移動は許容されるが、回転部材221と回転部材231とのZ軸周りの相対回転は許容されない。したがって、駆動機構21の回転力は、回転部材221を介して回転部材231に伝達されることになる。本実施形態では、係合部221cと係合部231aとの結合態様が嵌め合いの場合を例に挙げたが、Z方向の相対移動を許容しながら回転力を伝達できれば、どのような結合態様であってもよい。例えば、キー溝結合、スプライン結合であっても良い。
相対移動機構24は、回転部材221と回転部材231とをZ方向に相対移動させる機構である。本実施形態では回転部材231側を移動させる構成としている。回転部材221と回転部材231とを相対移動させることで、ドリルT1とドリルT2との軸方向の相対位置を変化させることができ、したがって、上述した突出量Lを変化させることができる。
相対移動機構24は、支持部241と、支持部241をZ方向に移動する移動部242、242を備える。支持部241は、回転支持部材232を固定する部材であり、回転支持部材232を介して回転部材231を回転自在に支持する。支持部241は、互いに結合される支持部材241aと、支持部材241bとを備える。支持部材241aは回転支持部材232が装着される凹部241a’と、回転支持部材232を軸方向の装着位置に規定する規定部241a”とを備え、支持部材241bは回転支持部材232が装着される凹部241b’を備える。これら凹部241a’、241b’により回転支持部材232を挟み込むようにして回転支持部材232を固定し、規定部241a”によってフランジ部232bを規定することで軸方向の位置を規定する。
移動部242,242は支持部241をZ方向に移動する移動機構であり、本実施形態の場合、X方向に離間して二つの移動機構を併設しているが一つであってもよい。本実施形態の場合、移動部242は電動シリンダ等のアクチュエータであり、Z方向に延びるロッド242aをZ方向に進退させる機構である。ロッド242aの下端には支持部241が接続されており、二つの移動部242を同期的に駆動することで支持部241をZ方向に移動(昇降)し、ドリルT2のZ方向の位置を調整すると共に、ドリルT2による穴加工時の推進力を最適に制御することができる。この移動を円滑に行うため、支持部材241aの背面には、後述するレール部53、53と係合するスライダ241c、241cが設けられている。
<支持ユニット>
支持ユニット5は、加工ユニット2及び多機能ユニット4を支持するユニットである。支持ユニット5は、ベース部材50、支持部51、支持部52、52、レール部53、53及びレール部54を備える。
ベース部材50は板状の部材であり、その一面に支持部51、支持部52、52、レール部53、53及びレール部54が固定されている。支持部51は駆動機構21を支持する。支持部52、52は、それぞれ、移動部242、242を支持する。これにより、相対移動機構24が支持ユニット5に支持される。
レール部53、53はZ方向に延設されており、スライダ241c、241cのZ方向の移動を案内する。これにより支持部241がZ方向に円滑に昇降可能となる。レール部54はZ方向に延設されており、多機能ユニット4のスライダ41と係合して多機能ユニット4のZ方向の移動を案内する。なお、多機能ユニット4がレール部54から落下することを防止するため、その降下量を規制する不図示のストッパが設けられている。
<移動ユニット>
移動ユニット3は支持ユニット5をZ方向に移動する機構である。支持ユニット5をZ方向に移動することで、加工ユニット2及び多機能ユニット4がZ方向に移動することになる。加工ユニット2を降下させることで、切削工具TをワークWに当接させ加工することが可能となる。
移動ユニット3は、移動体31と、支柱32とを備える。支柱32は、移動体31をZ方向に移動する機構を内蔵する。このような機構は、例えば、電動モータ等の駆動源と、駆動源の駆動力を移動体31に伝達する伝達機構(例えばボールねじ機構やベルト伝動機構等)とから構成することができる。本実施形態の場合の駆動源は、エンコーダを含むサーボモータを採用しており、移動体31の移動を任意の位置に移動制御することができる。支持ユニット5は移動体31に固定され、移動体31の移動により支持ユニット5が移動し、ドリルT1をZ方向の所定の位置に調整し、ドリルT1による穴加工時の推進力を最適に制御することができる。
<多機能ユニット>
多機能ユニット4は、ワークWにおける加工部位の周囲を囲包し、負圧吸引される内部空間を形成する吸引空間形成ユニットとしての機能と、ワークWに対する切削工具Tの先端位置を検出する検出ユニットとしての機能とを有している。
多機能ユニット4は、スライダ41と、本体ユニット42と、接続機構43とを備える。スライダ41は、上述したとおり、レール部54と係合してZ方向にスライド自在であり、多機能ユニット4はレール部54にZ方向にスライド自在に支持される。
接続機構43は、スライダ41に対して吸引空間形成ユニットを含む本体ユニット42を移動可能に接続する蝶番機構である。本実施形態の場合、後述する当接部44を加工軸上の作業位置と加工軸から離脱した退避位置との間で移動可能に構成する。具体的には、接続機構43の回転軸43aの周りに、当接部44を含む本体ユニット42全体が、作業位置と退避位置との間で回動される。これにより、加工ユニット2や本体ユニット42のメンテナンス等の(本実施形態の場合、それぞれのドリルの交換を行う)場合に、当接部44を退避位置に移動させることでドリルの交換作業性を向上する。
多機能ユニット5は、吸引空間形成ユニットとしての構成として、中空の当接部44と、中空の中間部422と、中空のダクト部423とを備え、これらの内部空間は連通している。
当接部44は、図6(A)に示すように、ワークWに対する切削工具Tの加工部位の周囲を囲包するよう、下方が開放した箱状をなしており、その下面がワークWの上面に当接する。当接部44は、負圧吸引される内部空間421を形成する吸引空間形成部としても機能する。当接部44の上壁及び底壁には、切削工具Tが通過可能な開口部44a、44bが形成されている。
ダクト部423の上端部には、ポンプ等の吸引装置がホースを介して接続される(不図示)。吸引装置の駆動により吸引空間形成部421の内部空間を負圧吸引する。これにより切削工具Tによる加工作業の際に生じる加工屑を外部に排出することができ、作業部位を清潔に維持できる。
多機能ユニット5は、検出ユニットとしての構成として、当接部44と、センサ45とを備える。センサ45は、切削工具Tの先端を検出するセンサであり、本実施形態では、発光素子45aと受光素子45bとを備える光センサである。発光素子45aと受光素子45bは、開口部44aを挟むようにして当接部44の上壁に設けられている。
図6(A)を参照してセンサ45による切削工具Tの先端の検出例について説明する。加工の際、状態S1に示すように、切削工具T及び当接部44が共にワークWの上方に離間した状態から、移動ユニット3によって支持ユニット5が降下される。これにより、加工ユニット2及び多機能ユニット5は降下し、まずは状態S2に示すように、当接部44がワークWの上面に当接(着地)する。当接部44の寸法は既知であるので、ワークWの上面からセンサ45の検出位置Sまでの高さHも既知の高さである。支持ユニット5が更に降下されると、加工ユニット2は更に降下するものの、多機能ユニット5は既にワークWに当接しているため、これ以上、降下しない。すると、状態S3に示すように切削工具Tの先端(ここではドリルT1の先端)が検知位置Sを通過する。切削工具Tの先端がセンサ45で検知されてからの、支持ユニット5の降下量によって、切削工具TとワークWとの距離を演算することができ、加工する穴の深さ等を制御することができる。
<制御ユニット>
図6(B)は加工装置1の制御ユニット6のブロック図である。本実施形態の場合、制御ユニット6は加工システム100全体の制御を行う。
制御ユニット6は、CPU等の処理部61と、RAM、ROM等の記憶部62と、外部デバイスを構成する入力デバイス65および出力デバイス64と処理部61とをインターフェースするインターフェース部63と、を含む。インターフェース部63には、ホストコンピュータとの通信を行う通信インターフェースも含まれる。ホストコンピュータは、例えば、加工システム100が配置された製造設備全体を制御するコンピュータである。
処理部61は記憶部62に記憶されたプログラムを実行し、入力デバイス65から入力される情報(例えばセンサの検知結果)や、ホストコンピュータの指示に基づいて、出力デバイス64を制御する。入力デバイス65には、例えば、センサ45等が含まれる。出力デバイス64には、例えば、駆動機構21の駆動源、移動部242、移動ユニット3等の各駆動源等が含まれる。そして、処理部61は、それぞれの駆動源となるモータの回転速度や回転力による推進力を制御する。
<制御例>
制御ユニット6の処理部61が実行する加工装置1の制御例について説明する。図7〜図9は、ワークWに対して切削工具Tにより段付き穴を形成して穴付きの部品を製造する場合を例示している。概説すると、まず、ドリルT1で小径の穴を形成し、続いてドリルT2で小径の穴の周りに同心で大径の穴を形成する。その間、ドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。以下、詳細を説明する。
まず、小径の穴の深さに応じた突出量Lとなるように、相対移動機構24によってドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。移動ユニット3により支持ユニット5を降下し、加工ユニット2と多機能ユニット4とを降下させる。図6(A)で説明したように、ドリルT1の先端T1aが検出されると、駆動機構21を駆動して切削工具Tを回転し、更に加工ユニット2を降下させる。これにより図7(A)に示すようにワークWおよびドリルT1のサイズに応じた最適な速度および推進力でドリルT1によってワークWに穴を形成する。ドリルT1の先端T1aが所定の深さに達すると、支持ユニット5を上昇し、図7(B)に示すように切削工具TをワークWから一旦退避させる。ワークWには穴h1が形成されている。同図の例では、穴h1は、ワークW1を貫通してワークW2の上部に到達した穴である。
次に、ドリルT2で穴を形成するために、ドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。図7(A)に示した小径の穴の加工時における突出量をLaとすると、相対位置調整後の突出量LbはLaと異なる突出量とする。例えば、0≦Lb<Laの範囲内で選択される突出量Lbとし、小径の穴の加工時の相対位置と比較して、突出量Lbが小さくなる相対位置とすることができる。
ドリルT1とドリルT2の相対位置の調整は、相対移動機構24によって行う。図8(A)の例では、移動部242、242を駆動して支持部241を降下し、Lb<Laとなるように相対位置を調整している。こうして、ドリルT1とドリルT2との相対位置を、小径穴の加工時の相対位置とは異なる相対位置に調整する。調整可能な相対位置は、小径穴の加工時の相対位置と、ドリルT1の先端T1aがドリルT2に収容される相対位置との間の相対位置で、突出量Lが小さくなる相対位置とすることができる。
移動ユニット3により支持ユニット5を降下させ、図8(B)に示すように、加工ユニット2を再び降下させる。これによりワークWおよびドリルT2のサイズに応じた最適な速度および推進力でドリルT2によってワークWに穴を形成する。ドリルT2の先端T2aが所定の深さに達すると、支持ユニット5を上昇させ、図9に示すように切削工具TをワークWから退避させる。ワークWには穴h1と穴h2とからなる段付き穴hが形成される。
このように、本実施形態では、ドリルT1とドリルT2との相対位置を変更できるため、径の異なる穴を備える穴付き部品を製造するに際して、ドリルを交換する必要がない。また、ドリルT1とドリルT2との相対位置を変更できるので、異なる深さの穴を備える穴付き部品を製造するに際しても、ドリルの交換が不要である。また、ドリルT1およびドリルT2のサイズに応じた最適な回転速度および推進力により穴加工を行うことができる。
以下、他の加工例について説明する。図10は、ポンチ穴として事前に窪みを形成して段付き穴を形成する例を示している。
まず、図10(A)に示すように、窪みの形成に適した相対位置にドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。ここでは突出量LをL1にしており、ドリルT1の先端T1aがドリルT2の先端T2aから僅かに突出した状態としている。ドリルT1の突出量Lを小さくすることで、大きくした場合よりもドリルT1の先端の振れ幅をドリルT2により抑制し、ワークWの目的位置に精度よくドリルT1の先端を位置付けすることができる。
次に、移動ユニット3により支持ユニット5を降下させ、図10(B)に示すように、ドリルT1の先端T1aをワークWの表面に当接させる。このとき、切削工具Tは回転させることが好ましい。
支持ユニット5を上昇させ、切削工具TをワークWから一旦退避させる。図10(C)に示すようにワークWの上面には窪みh0が形成される。次に、ドリルT1で小径の穴を形成するために、図10(C)に示すように、ドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。突出量L2は、小径の穴の深さに応じた突出量であり、L2>L1の関係にある。
駆動機構21を駆動して切削工具Tを回転させ移動ユニット3により支持ユニット5を降下させる。これにより図10(D)に示すようにワークWおよびドリルT1のサイズに応じた最適な速度および推進力でドリルT1によってワークWに穴が形成される。ドリルT1の先端T1aが所定の深さに達すると、支持ユニット5を上昇させ、図10(E)に示すように切削工具TをワークWから退避させる。ワークWには穴h1が形成される。
続いてドリルT2で穴を形成するために、図10(E)に示すようにドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。同図の例では突出量LをL3としている。L1、L2、L3の関係は、例えば、L1<L2<L3である。
移動ユニット3により支持ユニット5を降下させ、図10(F)に示すように、加工ユニット2を再び降下させる。これによりワークWおよびドリルT2のサイズに応じた最適な速度および推進力でドリルT2によってワークWに穴が形成される。ドリルT2の先端T2aが所定の深さに達すると、支持ユニット5を上昇させ、図9に示した段付き穴hと同様の穴が形成される。
次に、ドリルT1による穴加工後、ドリルT1を上昇(ワークWから離脱)させずにドリルT2による穴加工(連続穴加工)を行うことも可能である。図11は、その説明図である。
以下、他の加工例について説明する。図11は、図10と同様にポンチ穴として事前に窪みを形成して段付き穴を形成した後、ドリルT1による穴加工後、連続してドリルT2による穴加工を行って段付き穴を形成する例を示している。
まず、図11(A)に示すように、窪みの形成に適した相対位置にドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。ここでは突出量LをL1にしており、ドリルT1の先端T1aがドリルT2の先端T2aから僅かに突出した状態としている。ドリルT1の突出量Lを小さくすることで、大きくした場合よりもドリルT1の先端の振れ幅をドリルT2により抑制し、ワークWの目的位置に精度よくドリルT1の先端を位置付けすることができる。
次に、移動ユニット3により支持ユニット5を降下させ、図11(B)に示すように、ドリルT1の先端T1aをワークWの表面に当接させる。このとき、切削工具Tは回転させることが好ましい。
次に、切削工具TをワークWから一旦退避させる。図11(C)に示すようにワークWの上面には窪みh0が形成される。次に、ドリルT1で小径の穴を形成するために、図11(C)に示すように、ドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。突出量L2は、小径の穴の深さに応じた突出量であり、L2>L1の関係にある。
駆動機構21を駆動して切削工具Tを回転させ移動ユニット3により支持ユニット5を降下させる。これにより図11(D)に示すようにワークWおよびドリルT1のサイズに応じた最適な速度および推進力でドリルT1によってワークWに穴が形成される。ドリルT1の先端T1aが所定の深さに達すると、図11(E)に示すように連続してドリルT2で穴を形成するために、切削工具Tを回転させたままドリルT1の位置は移動させずに(支持ユニット5を上昇させずに)、ドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。つまり、移動部242を移動させてドリルT2を降下させる。同図の例では突出量LをL3’としている。L1、L2、L3’の関係は、例えば、L1<L2<L3’である。
このように相対位置を調整することでドリルT1による穴加工を行うと共に、ドリルT1による穴加工完了後、切削工具Tを回転させたままドリルT1の位置を移動させずにドリルT2の移動を行う際のガイドを兼ねてドリルT2による穴加工を行うことでドリルT1による穴の芯とドリルT2による穴の芯を精度高く一致させることができる。
図11(F)に示すように、移動部242、242により支持部241を降下させながらドリルT2による穴加工を行う。これによりワークWおよびドリルT2のサイズに応じた最適な速度および推進力でドリルT2によってワークWに穴が形成される。ドリルT2の先端T2aが所定の深さに達すると、支持ユニット5を上昇させ、図9に示した段付き穴hと同様の穴が形成される。
なお、図11の実施形態においては、窪み加工から段付き穴加工に関する工程を連続して説明したが、窪み加工を行わずに、いきなり穴加工を行ってもよい。
次に、ドリルT2で穴を加工する場合に、ドリルT1を、ガイドとして利用する場合について図12を参照して説明する。図12(A)はドリルT1により小径の穴h1の加工が終了し、ドリルT1とドリルT2との相対位置を調整している段階を示している。ここでは、突出量LをL4としている。突出量L4は例えば穴h1の深さより小さくなる範囲で、なるべく大きな値とする。
続いて、図12(B)に示すように、移動ユニット3により支持ユニット5を降下させ、
先ず、ドリルT1を穴挿入ガイドとして使用し、ドリルT1を穴h1に挿入する。これによって、当然、ドリルT1の中心と穴h1の中心が完全に一致する。このとき、ドリルT1とドリルT2とは同心に設けられていることから、結果として、ドリルT2の中心と穴h1の中心が完全に一致する。また、ワークWに対する穴h1の傾きと、ワークWに対するドリルT1の傾きとが完全に一致する。
次に、ドリルT1をドリルT2のスライドガイドとして使用し、突出量L4を徐々に小さくしてゆく。このとき、ドリルT1とドリルT2は同心に保たれたまま、ドリルT2がドリルT1に沿ってスライド前進されるため、ドリルT2の中心と穴h1の中心がずれることはない。また、ワークWおよびドリルT2のサイズに応じた最適な速度および推進力で穴加工作業が行われる。その結果、図12(C)に示すように、ドリルT2の中心と穴h1の中心の一致を精度良く保ったまま、最適な速度および推進力でドリルT2の先端を穴h1の上部開口にあてがうことができる。
その後、図12(D)に示すように、ドリルT2の切削深さに応じて、突出量L4を当初設定した突出量L4から更に小さくしていく。これにより、ドリルT2により穴h1の上部開口から穴奥に向かって徐々に穴h2が形成され、段付き穴(穴H1及び穴h2)が形成される。図12(D)の段階では突出量L=0となっている。これにより、ドリルT1が穴h1を余計に深く加工してしまうことを防止しながら、切削工具Tの振れを防止でき、ドリルT2による穴の加工精度を向上できる。すなわち、本実施形態によれば、2つのドリルT1、T2を用いてワークWに穴加工を行った際に、穴h1の中心と穴h2の中心が完全に一致し、かつ、ワークWに対する穴h1の傾きとワークWに対する穴h2の傾きが完全に一致した段付き穴を形成することができる。
次に、上述した例はいずれも段付き穴を加工する加工例であるが、位置が離れた二種類の穴を形成することも可能である。図13はその説明図である。なお、上述した段付き穴の加工例における制御は、位置が離れた二種類の穴の加工にも適宜適用可能である。
する。
ここでは、ドリルT1で小径の穴を形成し、別の位置にドリルT2で大径の穴を形成する場合を説明する。まず、図13(A)に示すように、ドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。突出量L5は、小径の穴の深さに応じた突出量である。
駆動機構21を駆動して切削工具Tを回転して移動ユニット3により支持ユニット5を降下させる。これにより図13(B)に示すようにワークWおよびドリルT1のサイズに応じた最適な速度および推進力でドリルT1によってワークWに穴を形成する。ドリルT1の先端T1aが所定の深さに達すると、支持ユニット5を上昇させ、図13(C)に示すように切削工具TをワークWから退避させる。ワークWには穴h11が形成される。
また、移動装置101により大径の穴の形成位置に加工装置1を移動させる。更に、ドリルT2で穴を形成するために、ドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。図13(C)の例では突出量L=0としている。
移動ユニット3により支持ユニット5を降下し、図13(D)に示すように、加工ユニット2を再び降下させる。これによりワークWおよびドリルT2のサイズに応じた最適な速度および推進力でドリルT2によってワークWに穴を形成する。ドリルT2の先端T2aが所定の深さに達すると、支持ユニット5を上昇する。穴11と異なる位置に、径の異なる穴h12が形成される。
図13(C)、(D)の例では突出量L=0としたが、この場合、ドリルT2の先端T2aにおいて、ワークWの切削力が不十分となる場合がある。そこで、突出量L>0とすることもできる。図13(E)、(F)はその一例を示す。
穴h11の加工後、図13(E)に示すように、移動装置101により大径の穴の形成位置に加工装置1を移動させ、更に、ドリルT1とドリルT2の相対位置を調整する。図12(E)の例では突出量L=L6としている。突出量L6は、例えば、L6<L5とし、特に、ドリルT1の先端T1aが露出する程度とすることができる。
移動ユニット3により支持ユニット5を降下させ、図12(F)に示すように、加工ユニット2を再び降下させる。これによりワークWおよびドリルT2のサイズに応じた最適な速度および推進力でドリルT2によってワークWに穴が形成される。ドリルT1の先端T1aがドリルT2の先端T2aから突出しているので、より安定した加工を行える。ドリルT2の先端T2aが所定の深さに達すると、支持ユニット5を上昇させる。穴11と異なる位置に、径の異なる穴h12が形成される。
W ワーク、T 切削工具、T1 ドリル、T2 ドリル、1 加工装置、2 加工ユニット、24 相対移動機構

Claims (14)

  1. ワークに対して切削工具により二種類の穴を形成することで、穴付きの部品を製造する製造方法であって、
    前記切削工具が、
    第一の穴を形成する第一のドリルと、
    前記第一の穴よりも大径の第二の穴を形成する第二のドリルと、を備え、
    前記第二のドリルは、前記第一のドリルの周りに同軸上に設けられ、かつ、前記第一のドリルと前記第二のドリルとは、これらの相対位置が変化するように、軸方向にスライド自在であり、
    前記製造方法は、
    前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置が、第一のドリルの先端が第二のドリルの先端から突出した第一の相対位置に調整された状態で、前記第一のドリルにより、前記ワークに前記第一の穴を形成する第一の加工工程と、
    前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置を、前記第一のドリルの先端が前記第二のドリルに収容されているか、又は、前記第一の相対位置と比較して、前記第二のドリルの先端からの前記第一のドリルの先端の突出量が小さい第二の相対位置に調整する調整工程と、
    前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置が前記第二の相対位置に調整された状態で、前記第二のドリルにより、前記ワークに前記第二の穴を形成する第二の加工工程と、を備える、
    ことを特徴とする製造方法。
  2. ワークに対して切削工具により段付き穴を形成することで、穴付きの部品を製造する製造方法であって、
    前記切削工具が、
    第一の穴を形成する第一のドリルと、
    前記第一の穴よりも大径の第二の穴を形成する第二のドリルと、を備え、
    前記第二のドリルは、前記第一のドリルの周りに同軸上に設けられ、かつ、前記第一のドリルと前記第二のドリルとは、これらの相対位置が変化するように、軸方向にスライド自在であり、
    前記製造方法は、
    前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置が、第一のドリルの先端が第二のドリルの先端から突出した第一の相対位置に調整された状態で、前記第一のドリルにより、前記ワークに前記第一の穴を形成する第一の加工工程と、
    前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置を、前記第一の相対位置と比較して、前記第二のドリルの先端からの前記第一のドリルの先端の突出量が小さい第二の相対位置に調整する調整工程と、
    前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置が前記第二の相対位置に調整された状態で、前記第二のドリルにより前記第一の穴と同心の前記第二の穴を形成し、前記段付き穴を形成する第二の加工工程と、を備える、
    ことを特徴とする製造方法。
  3. 請求項2に記載の製造方法であって、
    前記第二の加工工程では、前記第二のドリルの先端からの前記第一のドリルの先端の突出量を小さくしながら前記第二の穴を形成する、
    ことを特徴とする製造方法。
  4. 請求項2に記載の製造方法であって、
    前記第一の加工工程の前に、前記段付き穴を形成する位置に窪みを加工する窪み加工工程を更に備え、
    前記窪み加工工程では、
    前記第一のドリルと前記第二のドリルとの相対位置が、前記第一のドリルの先端が前記第二のドリルの先端よりも突出し、かつ、前記第一の相対位置と比較して、前記第二のドリルの先端からの前記第一のドリルの先端の突出量が小さくなるように調整された状態で、前記第一のドリルにより前記窪みを加工する、
    ことを特徴とする製造方法。
  5. 切削工具を回転駆動する加工ユニットと、
    前記加工ユニットを前記切削工具の軸方向に移動可能な移動ユニットと、を備え、
    前記切削工具は、
    第一の穴を形成する第一のドリルと、
    前記第一の穴よりも大径の第二の穴を形成する第二のドリルと、を備え、
    前記第二のドリルは、前記第一のドリルの周りに同軸上に設けられ、かつ、前記第一のドリルと前記第二のドリルとは、これらの相対位置が変化するように、軸方向にスライド自在であり、
    前記加工ユニットは、
    前記第一のドリルと前記第二のドリルとの前記軸方向の相対位置を変化させる相対移動機構を備える、
    ことを特徴とする加工装置。
  6. 請求項5に記載の加工装置であって、
    前記加工ユニットは、
    前記第一のドリルを支持する第一の回転部材と、
    前記第一の回転部材を回転させる駆動機構と、
    前記第二のドリルを支持する第二の回転部材と、を備え、
    前記第一の回転部材は、
    前記駆動機構の回転力が伝達される、前記軸方向で一方の端部と、
    前記第一のドリルが取付けられる、前記軸方向で他方の端部と、を備え、
    前記第二の回転部材は、
    前記第一の回転部材から回転力が伝達される、前記軸方向で一方の端部と、
    前記第二のドリルが取付けられる、前記軸方向で他方の端部と、を備える、
    ことを特徴とする加工装置。
  7. 請求項6に記載の加工装置であって、
    前記第二の回転部材の前記一方の端部には、前記第一の回転部材が係合する係合部が設けられ、
    前記係合部と前記第一の回転部材とは、前記第一の回転部材と前記第二の回転部材との前記軸方向の相対移動を許容し、かつ、前記第一の回転部材の回転を前記第二の回転部材に伝達する形状を有している、
    ことを特徴とする加工装置。
  8. 請求項7に記載の加工装置であって、
    前記相対移動機構は、
    前記第二の回転部材を、回転自在に支持する支持部と、
    前記支持部を前記軸方向に移動する移動部と、を備える、
    ことを特徴とする加工装置。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の加工装置であって、
    ワークに対する前記切削工具の先端位置を検出する検出ユニットと、
    前記検出ユニットの検出結果に基づいて、前記加工ユニット及び前記移動ユニットを制御する制御ユニットと、を更に備える、
    ことを特徴とする加工装置。
  10. 請求項9に記載の加工装置であって、
    前記検出ユニットは、
    ワークに当接する当接部と、
    前記当接部に設けられ、前記第一のドリルの先端を検出するセンサと、を備え、
    前記当接部は、前記移動ユニットに対して前記軸方向にスライド自在に支持される、
    ことを特徴とする加工装置。
  11. 請求項5〜10のいずれか1項に記載の加工装置であって、
    ワークにおける加工部位の周囲を囲包し、負圧吸引される内部空間を形成する吸引空間形成ユニットを更に備え、
    前記吸引空間形成ユニットは、前記第一のドリル及び前記第二のドリルが通過可能な開口部を備える、
    ことを特徴とする加工装置。
  12. 請求項5〜11のいずれか1項に記載の加工装置と、
    前記加工装置を移動する移動装置と、を備える、
    ことを特徴とする加工システム。
  13. 所定のドリルの内側に配設されるドリルであって、
    軸方向の一方端部側に形成され、加工装置に固定される装着部と、
    軸方向の他方端部側に形成され、ワークに穴を加工する刃部と、
    前記装着部と前記刃部との間に形成され、前記所定のドリルの軸方向の移動を案内する案内部と、を備える、
    ことを特徴とするドリル。
  14. 所定のドリルの外側に配設されるドリルであって、
    前記所定のドリルが挿通される軸方向に延びる貫通孔と、
    軸方向の一方端部側に形成され、加工装置に固定される装着部と、
    軸方向の他方端部側に形成され、ワークに穴を加工する刃部と、を備える、
    ことを特徴とするドリル。
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