JP2015187319A - 自己係合性を有する組紐 - Google Patents

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敏範 小川
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あゆ子 田口
貢 山崎
Mitsugi Yamazaki
貢 山崎
利剛 山川
Toshitake Yamakawa
利剛 山川
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【課題】縛り紐として使用した場合に、極めて柔軟であり、かつ伸縮性と自己係合性を有し、また組み立て玩具として使用した場合には、面ファスナーを表面に貼り付けたりする必要がなく、また取り付ける対象物がパイル布帛に限定されずに立体的な形状のものも組み立てることができ、さらに手触り感の柔らかい自己係合性の組紐を提供すること。
【解決手段】面ファスナーが編まれた組紐であって、かつ組紐表面にはフック状係合素子とループ状係合素子の両方が存在していることを特徴とする、組紐。
【選択図】図1

Description

本発明は、自己係合性を有する面ファスナーが編まれた組紐、特に、縛り紐や玩具等として有用な組紐に関する。
従来から、面ファスナーを用いた縛り紐は公知であり、例えば縛り紐の一方の端部にフック面ファスナーを取り付け、もう一方の端部にはループ面ファスナーを取り付けたもので、対象物に巻きつけ、両端部の面ファスナーを係合させて、対象物を縛るようにした縛り紐が一般に用いられている。しかしながら、両端部に面ファスナーを取り付けた面ファスナーは対象物のサイズにより両端部が合わず、係合できない場合がある。
このような不具合を防ぐために、縛り紐のほぼ全長にわたり一方の面ファスナーを取り付け、もう一方の面ファスナーを一方の端部に取り付けた縛り紐も公知である。しかしながら、面ファスナーは、一般に地経糸、地緯糸および係合素子用糸から織られた基布の表面に該係合素子用糸からなる係合素子を存在させ、かつ基布裏面には、係合素子が係合・剥離の際に基布から引き抜かれるのを防止するための接着剤を塗布して乾燥させた接着剤層、いわゆるバックコート層を存在させたものが一般的である。そして、このような一般的な面ファスナーの場合には、面ファスナー全体がバックコート層により固定されていることから面ファスナー自体が極めて硬く、さらに長さ方向にほとんど伸長しないものであることから、縛る対象物を傷付けたりすることがある。
さらに、面ファスナーがフック面ファスナーである場合には、表面が剛直なフック状係合素子により覆われているため、手触り感が極めて剛直であり、日常生活に使用するには適したものではないという問題点も有している。さらに、縛り紐に面ファスナーを接着剤等により取り付ける必要があることから、さらに剛直となり、しかも製造コストが高くつくという問題点も有している。
面ファスナーそのものを縛り紐として使用することも可能であるが、この方法では上記した面ファスナーの剛直性の問題は何ら解決されない。
一方、面ファスナーを装飾用玩具等として用いることも公知であり、例えば特許文献1には、下面に接着剤等によりフック面ファスナーを一定間隔で多数取り付けた組紐をパイル布帛の上に模様状に置き、係合固定した装飾用紐が記載されている。
この公知の装飾用組紐の場合には、組紐の下面に等間隔で面ファスナーを接着する必要があったり、また組紐を取り付ける対象物がパイル布帛に限定されていたり、さらには組紐自体に自己係合性を有していないことから組紐を縛り紐や結束紐として使用できないという問題点を有している。
また、特許文献2には、スポンジや詰綿を棒状にし、その表面をループ状係合素子を有する面ファスナーで覆い、その先端部にフック・ループ混在型の面ファスナーを取り付けた組立玩具が記載されている。
この組立玩具の場合には、棒状体の端部にしかフック状係合素子が存在していないことから組み立てる形状が限定され、さらに端部に取り付けた面ファスナーが剛直であることから手触り感が悪いという問題点を有している。もちろん、棒状体の全長にわたりフック状面ファスナーを接着剤等により取り付けて、任意の形状に組み立てることができるようにすることは可能であるが、面ファスナーを接着剤等により固定した場合には、棒状体全体が硬くなり、柔軟に曲げることが困難となり、任意の形状に曲げることができないこととなり、さらに手触り感にも劣ることとなる。
実開昭64−7286号公報(実用新案請求の範囲の記載) 特開2013−103115号公報(特許請求の範囲の記載)
本発明は、上記課題に鑑みて、極めて柔軟であり、かつ伸縮性と自己結合性を有する面ファスナーを編み込んだ紐を提供することを目的とする。また、組み立て玩具等として使用した場合には、面ファスナーを表面に貼り付けたりする必要がなく、また取り付ける対象物がパイル布帛に限定されずに立体的な形状のものも組み立てることができ、さらに手触り感の柔らかい紐を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を有する組紐によって、前記課題が解決することを見出し、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることによって本発明を完成した。
すなわち、本発明の一局面は、面ファスナーが編まれた組紐であって、かつ組紐表面にフック状係合素子とループ状係合素子の両方が存在していることを特徴とする組紐である。
このような構成により、自己係合性を有する組紐が得られ、縛り紐や玩具など様々な用途に使用することができる。また、本発明の自己結合性組紐は、面ファスナー自体を組紐として編むことにより構成されており、面ファスナーが組紐の長さ方向に対して斜行していることから、組紐長さ方向に伸長性を有しており、その点で柔軟性に優れ、縛り紐として使用しても縛る対象物を傷付けることがない。
さらには、上記組紐において、面ファスナーが、地経糸、地緯糸および係合素子用糸から織られた基布の表面から該係合素子用糸が突出して係合素子を形成しており、かつ突出する係合素子用糸の根元が地緯糸の融着により基布に固定されており、さらに基布裏面には接着剤層が存在していないことが好ましい。
このように、係合素子が基布から引き抜かれるのを防止するために、地緯糸を溶融させて基布に係合素子用糸を固定する手段が用いられていることから、従来の基布裏面にバックコート層を存在させた一般的な剛直な面ファスナーと相違して面ファスナーそのものが極めて柔軟性に優れており、この点でも縛る対象物を傷付けることがなく、玩具として使用した場合にも自由に滑らかに曲げることができる。
また、好ましくは、フック状係合素子の高さよりもループ状係合素子の高さの方が高い上記の組紐である。
そうすることにより、組紐に触れた場合に柔軟性に優れるループ状係合素子の方に触れやすくなるため、手触り感に優れ、この点でも縛る対象物を傷付けることがない。
さらに、前記面ファスナーが、片面にのみ係合素子を有していることが好ましい。
このような構成によって、係合素子を有する面が表面側となるように編まれて組紐となっている(すなわち、裏側には係合素子が存在しない)ことから、組紐を構成する面ファスナーの交差部では実質的に係合が生じない。したがって交差部で両方の面ファスナーは固定されておらず、所望に応じて自由に交差角度や位置のずれを発生させることができる。このことから組紐に伸縮性と柔軟性、さらには曲げた場合に丸い曲面をもたらすこととなる。
また、前記組紐が3〜16本の面ファスナーで編まれた組紐であることが好ましく、さらには丸打紐であることがより好ましい。
それにより、上述した効果をより発揮することができ、縛り紐や玩具として好適に用いることができる。
また、前記組紐が、下記(1)または(2)の面ファスナーを、係合素子が存在している面を外側にして4本で編まれていることが好ましい。
(1)片面にフック状係合素子を有するが反対側の面には係合素子を有していない幅3〜10mmのフック面ファスナー2本と、片面にループ状係合素子を有するが反対側の面には係合素子を有していない幅3〜10mmのループ面ファスナー2本
(2)片面にフック状係合素子とループ状係合素子が混存しているが、反対側の面には係合素子が存在していない幅3〜10mmのフック・ループ混存面ファスナー4本
このように、表面にフック状係合素子を有するフック面ファスナーと表面にループ状係合素子を有するループ面ファスナーを併用、または同一表面にフック状係合素子とループ状係合素子が存在する、いわゆるフック・ループ混在型面ファスナーを使用する結果、組紐の表面にはフック状係合素子とループ状係合素子の両方が存在していることから、前記した公知技術のように、組紐に面ファスナーを接着剤で貼り付けたりすることが不要となる。また組紐を取り付ける対象物がパイル布帛に限定されず、さらに自己係合性を有していることから縛る対象物のサイズに限定されず、縛り紐や結束紐等として、さらには立体的な組立ができる組立玩具として極めて有用である。
また、本発明の他の局面は、上記組紐からなる縛り紐および玩具である。
上述した組紐は、自己係合性を利用して例えば棒状体等(樹木等)の任意の場所に巻き付け、組紐の交差する箇所または接する箇所を軽く合わせるだけで強固に固定することができるため、縛り紐として有用である。また、軽く、伸縮性および柔軟性があり、手触りも良好であるため、例えば、立体的な組み立てができる組立玩具としても好適に使用できる。
本発明により、極めて柔軟であり、かつ伸縮性と自己結合性を有する、面ファスナーを編み込んだ紐を提供することができる。本発明の自己結合性組紐は、縛り紐や玩具などとして非常に有用である。
図1は、本発明の組紐の一実施形態(面ファスナーからなる丸打紐)の正面図である。 図2は、本実施形態の組紐を製造する際に使用する、組紐機の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施形態の組紐は、図1に示すように、組紐を構成する糸として面ファスナー(テープ状)2を使用した組紐1であり、組紐の表面にフック状係合素子とループ状係合素子の両方が存在していることを特徴とする。このような構成によって、自己係合性を有する、伸縮性・柔軟性に優れた組紐が得られる。
面ファスナーとしては、大きく分けて、基体が樹脂層からなり、その表面に基体から突出する樹脂製の係合素子を存在させた、いわゆる成形面ファスナーと、基体が織物からなり、その表面に基体から突出した繊維製の係合素子を存在させた、いわゆる織面ファスナーの2種類が存在する。本実施形態では、織面ファスナーが、係合・剥離を繰り返しても係合力が大きく低下することがないこと、手触感に優れること、さらに強度に優れ、柔軟性も優れること等から好適に用いられる。
特に、本実施形態の面ファスナーとしては、好ましくは、地経糸、地緯糸および係合素子用糸から織られた基布表面から該係合素子用糸が突出して係合素子を形成しており、かつ突出する係合素子用糸の根元が地緯糸の融着により基布に固定されており、さらに基布裏面にはバックコート層が存在していない面ファスナーを使用することが好ましい。
それにより、従来の基布裏面にバックコート層を存在させた一般的な剛直な面ファスナーと相違して面ファスナーそのものが極めて柔軟性に優れており、この点でも縛る対象物を傷付けることがなく、玩具として使用した場合にも自由に滑らかに曲げることができる。
そして、本実施形態の面ファスナー基布の裏面には、係合素子が存在していないことが好ましい。このような構成によって、係合素子を有する面が表面側となるように編まれて組紐となっている(すなわち、裏側には係合素子が存在しない)ことから、組紐を構成する面ファスナーの交差部では実質的に係合が生じない。したがって交差部で両方の面ファスナーは固定されておらず、所望に応じて自由に交差角度や位置のずれを発生させることができる。このことから組紐に伸縮性と柔軟性、さらには曲げた場合に丸い曲面をもたらすこととなる。さらに、組紐を製造する際にも、面ファスナーが絡まりにくく編みやすいという利点がある。
本実施形態の面ファスナーにおいて、フック面ファスナーは、主として、フック状係合素子用モノフィラメント糸、地経糸および地緯糸から形成される。一方、フック面ファスナーの係合相手となるループ面ファスナーは、主として、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸、地経糸および地緯糸から形成される。また、フック状係合素子とループ状係合素子が同一面に混在している、いわゆるフック・ループ混在型面ファスナーは、主として、フック状係合素子用モノフィラメント糸、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸、地経糸および地緯糸から形成される。ただし、これら面ファスナーには、必要により、これら以外の糸が織り込まれていてもよい。
本実施形態において、フック面ファスナーとループ面ファスナーを併用する場合よりも、フック・ループ混在型面ファスナーを用いる場合の方が、より自己係合性を確実にする上で好ましい。
これらの主要糸は、形態安定性の点で、いずれも、実質的にポリエステル系ポリマーから構成されていることが好ましい。
本実施形態において、ポリエステル系ポリマーとは、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルまたはブチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルであり、主としてテレフタル酸とエチレングリコールからの縮合反応またはテレフタル酸とブタンジオールからの縮合反応により得られるポリエステルである。
また、形態安定性や係合力にはやや劣るが、例えば、本実施形態の組紐を断熱被覆材等として使用する場合には、耐熱性が高いという観点から、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド系繊維やポリフェニレンサルファイド(PPS)からなる糸を面ファスナー材料として使用することもできる。
地緯糸には熱融着性繊維が含まれているのが好ましい。熱融着性繊維の代表例として、鞘成分を熱融着成分とする芯鞘型の熱融着性繊維が挙げられる。地緯糸が熱融着性繊維を含んでいることにより、係合素子用糸を基布に強固に固定することが可能となり、従来の面ファスナーのように係合素子用糸が基布から引き抜かれることを防ぐためにポリウレタン系やアクリル系のバックコート樹脂を面ファスナー基布裏面に塗布する必要がなくなるという利点がある。
地経糸、地緯糸、フック状係合素子用モノフィラメント糸、ループ状係合素子用マルチフィラメント糸から、面ファスナー用織物が形成される。織物の織組織としては、フック状係合素子用モノフィラメント糸およびループ状係合素子用マルチフィラメント糸を地経糸の一部とした平織が好ましい。
なお、本実施形態の面ファスナーにおいて、フック状係合素子の高さよりもループ状係合素子の高さの方が高いことが、面ファスナーの手触り感が柔軟となり、縛る対象物を傷つけ難いこと、さらに手を傷付け難いことから好ましい。具体的には、フック状係合素子の高さよりループ状係合素子の方が0.1〜0.5mm程度高いことが好ましい。そして、フック状係合素子の高さとしては基布面から1〜3mmが、またループ状係合素子の高さとしては基布面から1.5〜3.5mmが、係合力の点で、さらに係合素子の倒れにくさの点で好ましい。
フック面ファスナーにおけるフック状係合素子の密度、ループ面ファスナーにおけるループ状係合素子の密度、フック・ループ混在型面ファスナーにおけるフック状係合素子とループ状係合素子の合計素子密度としては、係合素子が存在している基布部分基準でかつ熱処理後の広さ基準で、それぞれ20〜120個/cm、30〜120個/cm、20〜120個/cmであることが好ましい。また、フック・ループ混在型面ファスナーにおいて、フック状係合素子の個数とループ状係合素子の個数の比率としては、40:60〜60:40の範囲が好ましい。
本実施形態では、例えば、上述したような面ファスナーを適当な幅のテープ状とし、このテープ状物を編んで組紐とすることができる。
本実施形態では、編む糸として、面ファスナーをテープ状にスリットしたものを用いることが好ましい。もちろん、面ファスナーが幅の狭いものであるならばスリットする必要はない。テープ幅としては3〜10mmが好ましく、より好ましくは、4〜8mmである。テープ状物は、面ファスナーを形成する地経糸に平行にスリットされているのが好ましい。また、組紐は、係合素子面が組紐の表面側となるように編まれているのが係合性の点で好ましく、そして、係合素子面が常に表面側となるようにすることが好ましい。
本実施形態の組紐には、通常、3〜16本の糸(テープ状面ファスナー)を編むことにより形成されるが、特に限定はされず、用途に応じて適宜糸の本数を決めることができる。好ましくは、縛り紐や玩具などに使用する場合、4〜8本程度の糸を編んで組紐とする。
なお、組紐を構成する糸全てが面ファスナーである必要はなく、用途などに応じて、適宜、その他の糸を組み込むことも可能である。
特に好ましい実施態様の一例としては、4本のテープ状面ファスナーからなる丸打の組紐が挙げられる。
4本丸打組紐を構成する4本のテープ状面ファスナーは、下記(1)または(2)の面ファスナーであることが好ましい。
(1)片面にフック状係合素子を有するが反対側の面には係合素子を有していない幅3〜10mmのフック面ファスナー2本と、片面にループ状係合素子を有するが反対側の面には係合素子を有していない幅3〜10mmのループ面ファスナー2本
(2)片面にフック状係合素子とループ状係合素子が共存しているが反対面には係合素子が存在していない幅3〜10mmのフック・ループ混存型面ファスナー4本
図1に示す組紐が、好ましい実施態様である丸打組紐の場合であり、図1に示すように、複数本の面ファスナーテープ状物2が係合素子面を外側にして編まれて組紐1となっている。この組紐1では、構成するテープ状物が組紐の長さ方向に対して角度をもって、すなわち長さ方向に対して斜め方向を向いており、かつ、隣り合うテープ状物との間に隙間が形成されている。このような組紐を伸長すると、テープ状物の傾きが組紐長さ方向に近づき、かつ隣り合うテープ状物との間隔が狭まり、組紐自体が長さ方向に伸長されることとなる。したがって、構成する面ファスナー自体は伸長するものでなくても、このような面ファスナーからなる組紐は伸縮性を有するものとなり、縛る対象物を傷つけることがない。
しかも、組紐を構成する面ファスナーは外側面(表面側)には係合素子を有しているが、内側面(裏面側)には係合素子が存在していないのが好ましく、これにより組紐を構成するテープ状面ファスナーの重なった箇所(すなわちテープ状面ファスナーが交差して重なっている箇所)では、実質的にテープ間で係合を生じないことから、交差している箇所でテープ状面ファスナーが固定されることがなく、自由にずれたり角度を変えることができ、伸長され易く、柔軟なものとなる。
もちろん、本実施形態の組紐は丸打以外の、平打や角打であってもよいが、組紐の伸縮性の点で、丸打が好ましい。丸打の場合の組紐の直径としては5〜12mm、特に6〜9mmが好ましい。
本実施形態の組紐は、表面にフック状係合素子とループ状係合素子の両方が共存していることから、組紐同士を接するだけで係止でき、したがって自己係合性を有する。よって、本発明の組紐を対象物に巻きつけ、組紐同士を重ね合わせるだけで巻きつけ状態を固定することができる。
しかも、組紐を構成している各面ファスナーは、組紐長さ方向に対して斜め方向を向いて交差しており、したがって組紐は伸縮性を有する。さらに本発明において、組紐を構成している面ファスナーは、好ましくは、従来一般的な面ファスナーとは相違してバックコート層を有しておらず、したがって面ファスナー自体が極めて柔軟性に富んでいる。さらに本発明の組紐では、手触り感を損なうフック状係合素子の高さが手触り感に優れたループ状係合素子より低いのが好ましく、このような場合には、組紐自体も手触り感がやさしく、かつ縛る対象物を傷付けることがない。
本本実施形態の組紐は、縛り紐として使用でき、例えば電気コードや棒状体の結束に用いることができる。また、植木や花類や観葉植物の固定に用いることができる。このような園芸に用いる場合には、面ファスナーの存在が目立たないように、面ファスナーは迷彩色に染色されていてもよい。
また本本実施形態の組紐は、内部が空洞であることが好ましく(4本丸打ち組紐の場合には、通常、紐の内部が空洞となる)、必要により空洞部に円筒状のゴムや詰め綿を充填した筒状体等を挿入したもので、適当な長さに切断したものにより、組み立て玩具として使用できる。
さらに、本実施形態の組紐の内部にホース等を挿入することにより、散水用ホースを補強するとともに所定の位置に固定でき、さらに面ファスナーが迷彩色に着色されている場合には散水用ホースの存在をカムフラージュすることもできる。
また加熱された管を本実施形態の組紐の内部に挿入することにより、管に触れた場合の火傷を防止することもでき、また管の断熱被覆材としても使用できる。そして、本発明の組紐が伸縮性を有していることから、管を自由に曲げることができる。
さらに、本実施形態の組紐の中に電飾装置の電線を通すとともに、組紐の面ファスナーの隙間部からLED電球を露出させたものを室内や屋外に面ファスナーにより取り付けることにより、美しいイルミネーションを形成することができるとともに、電線の存在をカムフラージュすることができる。
本実施形態の組紐は、その他にも装飾用、目印、各種緩衝材等の用途においても有用である。
本実施形態の組紐を製造する方法は特に限定はされないが、例えば、図2に記載の組紐機11を用いて製造することができる。
図2に示す組紐機11は、4本丸打組紐を製造する際に用いることができる組紐機である。まず、管(ボビン)3a、3bには、上述したような面ファスナーテープ状物2が所定の長さ巻かれている。管3aは軌道4a、そして管3bは軌道4bと、それぞれの管が別々軌道を矢印方向に動くことにより管3aおよび3bから引き出された4本の面ファスナーテープ状物2は収束ガイド8に至るまでに編組され、引き取りローラ9によって一定速度で引き取ることにより組紐1を得ることができる。
なお、通常の組紐機で、自己係合性を有する面ファスナーを編む場合、糸同士が絡まったりして組紐をスムーズに編めない場合が多い。そして、たとえ、表面のみに係合素子を有し、裏面には係合素子を有さない面ファスナーを用いる場合であっても、面ファスナーの係合素子を有する表面がキャリア軌道で回転してしまい、裏返しになる現象が起こることがある。そうなると、面ファスナーを用いて綺麗に組紐が編めない場合がある。
そこで、本実施形態の組紐製造方法においては、まず、管3a、3bに面ファスナーテープ状物2を巻き取る際に、巻綾角度が5〜15°となるように、巻綾角度を調整しながら巻き取ることが好ましい。より好ましい巻綾角度は5〜10°である。あるいは、上記管3a、3bに面ファスナーのテープ状物2を巻き取る際に、1周巻くごとにセパレータを間に挟んで巻くことも好ましい(図示せず)。このように、ボビンへの巻綾角度を調整したり、セパレータを用いることによって、面ファスナーの絡まりや反転を抑制することができる。
さらに、管3a、3bに上述したように面ファスナーテープ状物2が捩れないようにして巻いた場合であっても、製紐工程において管3a、3bから引き出される際や、管3a、3bの動きにより捩れが入り、面ファスナーテープ状物2の係合素子が組紐1の内側に隠れてしまって係合機能が損なわれる懸念がある。
そのような事態となることを防ぐため、面ファスナーテープ状物2の幅Wと厚さTの関係をW/T>1.3倍とし、管3a、3bから引き出すガイド孔5の孔形状を矩形として、少なくとも前記矩形の短辺長を面ファスナーテープ状物2の厚さTに合わせることが好ましい。さらに管3a、3bから収束ガイド8までの間にリング状または円錐状のガイド6、7を設けて面ファスナーテープ状物2の扁平面(裏面または表面)を前記ガイド6、7に常時接触させながら通過させることで捩れが入るのをより防ぐことが出来る。
本実施形態の製造方法によって丸打組紐を製造する場合、得られる組紐の反転箇所は、2〜5個/30m程度、より好ましくは0〜2個/30m程度である。
得られた丸打組紐1はそのまま使用してもよく、あるいは、ローラ等でつぶして平紐や角紐にすることも、三角形状にして使用することも可能であり、用途に応じて適宜形状を選択することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
[フック面ファスナーの製造]
フック状係合素子用糸としてポリブチレンテレフタレートからなるモノフィラメント糸、地経糸としてポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸、地緯糸として、鞘成分がイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートからなる低融点ポリエステル、芯成分がポリエチレンテレフタレートからなる芯鞘型断面複合繊維からなるマルチフィラメント糸を用い、フック状係合素子用モノフィラメント糸を地経糸と平行に織り込み、所々ループ状に基布表面に突出させて、平織の織物とした。得られた織物を熱処理して地緯糸の鞘成分のみを溶融させて、係合素子用糸を基布に固定した。そして基布表面に形成させたループの片足の根元付近を切断してフック状係合素子とし、フック面ファスナーを得た。
フック状係合素子の高さは2mmであり、係合素子密度は40個/cmであった。基布裏面には、係合素子が存在しておらず、かつバックコート樹脂層も存在していない。得られたフック面ファスナーを迷彩色(緑色、茶色、黒色、白色の4色)に着色した。
[ループ面ファスナーの製造]
上記製造方法において、係合素子用糸として、ポリブチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸に変更する以外は同様にし、さらに係合素子の根元付近を切断する作業を行うことなく、ループ面ファスナーを製造した。ループ状係合素子の高さは2.5mmであり、上記フック状係合素子の高さより0.5mm高い。そして、係合素子密度は40個/cmであった。基布裏面には、係合素子が存在しておらず、かつバックコート樹脂層も存在していない。得られたループ面ファスナーをフック面ファスナーと同様に迷彩色に着色した。
[組紐の製造]
上記フック面ファスナーとループ面ファスナーからそれぞれ地経糸方向に平行にスリットして、それぞれ幅5mmのテープ状物を得た。
図2に示す組紐機11を用いて、フック面ファスナーのテープ状物2本とループ面ファスナーのテープ状物2本を、それぞれ巻綾角度10°にてボビンに巻き取り、各ボビンを交互に配し、係合素子面を外側にして、丸打組紐を製造し、直径約7mmの組紐とした。
得られた組紐は、手触りが柔らかであり、伸縮性を有し、曲げてもボキボキと折れ曲がることなく、滑らかな曲面を描いて曲がった。また、組紐をヘアピン状に曲げて重ね合わせると重なった箇所で係合が生じて、ヘアピン状態で固定することができた。
この組紐を植木の枝に巻きつかせてフェンスに固定したところ、組紐の存在が目立たず、かつ強固に固定することができ、かつ風により木が揺れても面ファスナーにより幹が傷つくことはなかった。
さらに、この組紐を電線12本の結束に用いたところ、強固に結束することができた。
また、この組紐を用いて、発泡スチロールからなる直径1.5mmの棒状体20本の結束紐として用いたところ、発泡スチロールの棒状体を結束箇所を傷付けることなく、十分に結束することができた。
さらに、この組紐を長さ方向に切断して、長さ2.5cm、5cm、10cm、20cm、40cmの各種長さを有する棒状体を得た。一部の棒状体の中空部に詰綿を詰めた棒状体を挿入し、これら棒状体を用いて、立体的に組み合わせ、高さ80cmのタワー状の組み立て建物を製造した。タワー状の組み立て形状は、多少の手荒い扱いにも壊れることなく、子供たちの興味を誘うものであった。
実施例2
[フック・ループ混在型面ファスナーの製造]
フック状係合素子用糸としてポリブチレンテレフタレートからなるモノフィラメント糸、ループ状係合素子用糸としてポリブチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント糸、地経糸としてポリエチレンテレフタレートのマルチフィラメント糸、地緯糸として、鞘成分がイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートからなる低融点ポリエステル、芯成分がポリエチレンテレフタレートからなる芯鞘型複合繊維からなるマルチフィラメント糸を用い、フック状係合素子用モノフィラメント糸およびループ状係合素子糸を地経糸と平行に織り込み、所々ループ状に基布表面に突出させて、平織の織物とした。得られた織物を熱処理して地緯糸の鞘成分のみを溶融させて、係合素子用糸を基布に固定した。そして基布表面に形成させたフック状係合素子用ループの片足の根元付近のみを切断してフック状係合素子とし、フック・ループ混在型面ファスナーを得た。
フック状係合素子の高さは2mm、ループ状係合素子の高さは2.5mmであり、係合素子密度はフック状係合素子が20個/cm、ループ状係合素子が20個/cmである。基布裏面には、係合素子が存在しておらず、かつバックコート樹脂層も存在していない。得られたフック・ループ混在型面ファスナーを迷彩色に着色した。
[組紐の製造]
上記フック・ループ混在型面ファスナーを地経糸方向に平行にスリットして幅5mmのテープ状物を得た。
このフック・ループ混在型面ファスナーのテープ状物4本を用いて、実施例1と同様の方法で、係合素子面を外側にして、丸打組紐を製造し、直径約7mmの組紐とした。
得られた組紐は、手触りが実施例1のものより一層柔らかであり、伸縮性を有し、曲げてもボキボキと折れ曲がることなく、滑らかな曲面を描いて曲がり、組紐をヘアピン状に曲げて重ね合わせると重なった箇所で係合して、ヘアピン状態で固定することができた。
この組紐で、鉢植えした蘭の葉が広がるのを防ぐために、葉を外側から輪状に覆ったところ、葉や花の軸等を何ら傷付けることなく、葉を保持することができた。しかも、組紐の存在が目立たなかった。
さらに、この組紐を電線15本の結束に用いたところ、強固に結束することができた。
さらに、この組紐を長さ方向に切断して、長さ2.5cm、5cm、10cm、20cm、40cmの各種長さを有する棒状体を得た。棒状体の中にゴムチューブを挿入し、これら棒状体を用いて立体的に組み合わせ、長さ40cm、高さ10cmの鉄橋状の組み立て建造物を製造し、上に模型のレールを置き、模型電車のレールの一部として模型電車を走らせた。その結果、模型電車を何回走らせても係合が外れることなく、子供たちの玩具として使用できるものであった。
1:組紐
2:組紐を構成する面ファスナーのテープ状物
11:組紐機
12:ガイド盤
3a、3b:管(ボビン)
4a、4b:軌道
5:ガイド孔
6:円錐状ガイド
7:円錐状ガイド
8:収束ガイド
9:引き取りローラ

Claims (9)

  1. 面ファスナーが編まれた組紐であって、かつ組紐表面にフック状係合素子とループ状係合素子の両方が存在していることを特徴とする、組紐。
  2. 前記面ファスナーが、
    地経糸、地緯糸および係合素子用糸から織られた基布の表面から該係合素子用糸が突出して係合素子を形成しており、
    突出する係合素子用糸の根元が地緯糸の融着により基布に固定されており、さらに
    基布裏面には接着剤層が存在していない、
    面ファスナーである、請求項1に記載の組紐。
  3. 前記フック状係合素子の高さよりも前記ループ状係合素子の高さの方が高い、請求項1または2に記載の組紐。
  4. 前記面ファスナーが片面にのみ係合素子を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の組紐。
  5. 3〜16本の面ファスナーで編まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の組紐。
  6. 丸打紐である、請求項1〜5のいずれかに記載の組紐。
  7. 下記(1)または(2)の面ファスナーを、係合素子が存在している面を外側にして4本で編まれている、請求項1〜6のいずれかに記載の組紐。
    (1)片面にフック状係合素子を有するが反対側の面には係合素子を有していない幅3〜10mmのフック面ファスナー2本と、片面にループ状係合素子を有するが反対側の面には係合素子を有していない幅3〜10mmのループ面ファスナー2本
    (2)片面にフック状係合素子とループ状係合素子が混存しているが、反対側の面には係合素子が存在していない幅3〜10mmのフック・ループ混存面ファスナー4本
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の組紐からなる縛り紐。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の組紐からなる玩具。
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