JP2015186862A - 気体透過性フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気体透過性フィルム1は、ポリオレフィン樹脂からなる多孔層2と、多孔層2の表面に設けられ、ポリメチルペンテン系樹脂からなり、30nm以上、6μm未満の厚みを有する無孔層3とを備える。
【選択図】図1
Description
図1に示すように、気体透過性フィルム1は、多孔層2と、多孔層2の表面(厚み方向一方面)に設けられる無孔層3とを備える。以下、多孔層2および無孔層3のそれぞれを順次説明する。
多孔層2は、気体透過性フィルム1において基材または支持層の役割を有する。多孔層2には、図示しないが、厚み方向に連通する微細な孔が多数形成されている。そのような多数の孔(多孔)は、互いに独立して厚み方向に連続している。多孔層2の、厚み方向にみたときの(平面視)形状は特に限定されない。多孔層2としては、例えば、多孔フィルム、中空糸膜、不織布などが挙げられ、好ましくは、多孔フィルムが挙げられる。
無孔層3は、気体透過性フィルム1に良好な耐水性、気体透過性、気体分離性などを付与する耐水層の役割を有する。無孔層3は、図1に示すように、多孔層2の表面(上面)全面に設けられている。無孔層3は、中実な緻密層として形成されている。また、無孔層3における「無孔」は、意図的に開口されていない状態を意味し、すなわち、無孔層3および気体透過性フィルム1を製造する過程において意図せぬ要因によって無孔層3に微細な孔(連通の有無を問わない)が生じた状態も、「無孔」であると解する。なお、無孔層3は、後述する塗布乾燥法により形成される場合には、図2に示すように、無孔層3の裏面から多孔層2の内部に向かって滲入する滲入部分4を有していてもよい。
4.気体透過性フィルムの物性
気体透過性フィルム1の厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、100μm以下である。気体透過性フィルム1の厚みは、後述する実施例に記載の方法で測定される。
なお、上記した実施形態では、気体透過性フィルム1は、単数の多孔層2と、単数の無孔層3とを備えている。しかし、上記の実施形態に限定されず、本発明の効果が阻害されない実施形態であればよい。例えば、図示しないが、気体透過性フィルム1は、単数の多孔層2と、複数(例えば、2つ)の無孔層3とを備えることができる。具体的には、気体透過性フィルム1は、多孔層2と、その表面および裏面のそれぞれに設けられる無孔層3とを備えることができる。あるいは、気体透過性フィルム1は、複数(例えば、2つ)の多孔層2と、それらに厚み方向で挟まれる単数の無孔層3とを備えることもできる。さらには、気体透過性フィルム1は、複数の多孔層2および複数の無孔層3を厚み方向に交互に設けて(積層して)、多層フィルムとして構成することもできる。なお、気体透過性フィルム1が無孔層3を複数備える場合には、複数の無孔層3の総厚みが、上記した特定範囲内にある。
製造例1
ポリプロピレン系樹脂(プロピレン単独重合体、日本ポリプロ社製「ノバテックPP FY6HA」、密度:0.90g/cm3、MFR:2.4g/10分)と、β晶核剤として、3,9−ビス[4−(N−シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(テトラオキサスピロ化合物)とのそれぞれを準備した。このポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、β晶核剤を0.2質量部の割合でブレンドし、東芝機械社製の同方向二軸押出機(口径:40mmφ、L/D:32)に投入し、設定温度300℃で溶融混合した後、水槽でストランドを冷却固化し、ペレタイザーでストランドをカットし、ポリプロピレン系樹脂のペレットを作製した。
実施例1
シクロヘキサン(ナカライテスク社製)95質量部にポリメチルペンテン系樹脂(4−メチルペンテン−1/1−ヘキセン=77.9モル%/22.1モル%、重量平均分子量4.9×105)5質量部を加え、スターラーで3時間程度撹拌することにより、均一な溶液を塗液として得た。
製造例1で得られた多孔層の表面に、乾燥後の厚みが2μm程度になるようにバーコーターを用いて、塗液を塗布した以外は、実施例1と同様にして気体透過性フィルムを得た。得られた気体透過性フィルムの物性を下記の通りに評価して、それらの結果を表1に示す。
製造例1で得られた多孔層の表面に、乾燥後の厚みが5μm程度になるようにバーコーターを用いて、塗液を塗布した以外は、実施例1と同様にして気体透過性フィルムを得た。得られた気体透過性フィルムの物性を下記の通りに評価して、それらの結果を表1に示す。
製造例1で得られた多孔層の表面に、乾燥後の厚みが6μm程度になるようにバーコーターを用いて、塗液を塗布した以外は、実施例1と同様にして気体透過性フィルムを得た。得られた気体透過性フィルムの物性を下記の通りに評価して、それらの結果を表1に示す。
N−メチル−2−ピロリドン(ナカライテスク社製)90質量部にポリフッ化ビニリデン(アルケマ社製「KYNAR761」、フッ素系樹脂)10質量部を加え、スターラーで3時間程度撹拌することにより、均一な溶液を塗液として得た。
(1)気体透過性フィルムの総厚み
各実施例および各比較例の気体透過性フィルムの総厚みを、1/1000mmのダイアルゲージで、気体透過性フィルムの面内を不特定に5箇所測定し、その平均値として算出した。
各実施例および各比較例の無孔層の厚みを、作製した気体透過性フィルムの断面を走査型電子顕微鏡で観察した画像から、不特定に10箇所測定し、その平均値として算出とした。
各実施例および各比較例において、多孔層の表面に塗液を塗布した際の塗工性を、以下の基準に基づいて評価した。
○:塗工時に塗工ムラがなく、かつ、塗工されていない領域も目視で認められなかった。
×:塗工時に塗工ムラがあり、塗工されていない領域が目視で認められた。
各実施例および各比較例の気体透過性フィルムの無孔層の表面にセロハンテープを貼り、幅18mm×長さ40mmの短冊状に切り出し、引っ張り試験機を使用して、温度23℃の空気雰囲気下、引張速度200mm/分で、180度剥離試験を3回実施したときの剥離力の平均値を界面剥離強度(N/18mm)とした。
各実施例および各比較例の気体透過性フィルムの耐水圧を、JIS L1092 B法(高水圧法)(2009年)に準拠して測定した。
各実施例および各比較例の気体透過性フィルムの酸素透過度および窒素透過度を、JIS K7126−2(等圧法)(2006年)に準拠して測定した。
各実施例および各比較例の気体透過性フィルムの透気度を、王研式透気度計を用いてJIS P8117(2009年)に準拠して測定した。なお、透気度が99999秒/100mLであるという結果は、王研式透気度計の測定上限に達しており、実際の透気度はそれ以上であることを示す。
各実施例および各比較例の気体透過性フィルムの酸素/窒素分離係数を、上記(5)より求めた酸素透過度と窒素透過度の比(=酸素透過度/窒素透過度)として算出した。
表1から分かるように、実施例1〜3の気体透過性気体透過性フィルムは、酸素透過度が高いとともに、界面剥離強度が高い。そのため、実施例1〜3の気体透過性フィルムは、気体透過性および耐久性に優れる。
2 多孔層
3 無孔層
Claims (8)
- ポリオレフィン樹脂からなる多孔層と、
前記多孔層の厚み方向一方面に設けられ、ポリメチルペンテン系樹脂からなり、30nm以上、6μm未満の厚みを有する無孔層と
を備えることを特徴とする、気体透過性フィルム。 - 前記多孔層と前記無孔層との界面剥離強度が、2N/18mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の気体透過性フィルム。
- 前記多孔層が、多孔フィルムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の気体透過性フィルム。
- 前記ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の気体透過性フィルム。
- 耐水圧が、1kgf/cm2以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の気体透過性フィルム。
- 酸素透過度が、6×105cm3/m2・24hr・atm以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の気体透過性フィルム。
- 酸素/窒素分離係数が、3以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の気体透過性フィルム。
- 前記無孔層は、ポリメチルペンテン系樹脂を溶媒に溶解させた溶液を、前記多孔層の厚み方向一方面に塗布し、乾燥することによって、設けられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の気体透過性フィルム。
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