JP2015185471A - 正極活物質の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン電池のアルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔上に付着した正極活物質を、アルミニウム箔から効果的に分離させることにより、正極活物質に含まれ得るアルミニウムの品位を低くすることのできる正極活物質の回収方法を提供する。【解決手段】この発明の正極活物質の回収方法は、リチウムイオン電池正極材で正極活物質がアルミニウム箔上に付着してなるアルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から、正極活物質を分離させて回収する方法であって、前記アルミニウム箔付き正極材を、大気雰囲気の下、加熱温度450℃〜600℃で1時間〜10時間にわたって加熱し、加熱時間が5時間以上である場合は、加熱温度を450℃〜500℃とする加熱工程と、該加熱工程の後、アルミニウム箔付き正極材を水に接触させて、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から正極活物質を分離させる分離工程とを含むものである。【選択図】なし

Description

この発明は、リチウムイオン電池のアルミニウム箔付き正極材で、アルミニウム箔上に付着した正極活物質をアルミニウム箔から分離させて、アルミニウム箔付き正極材から正極活物質を回収する方法に関するものであり、特には、正極活物質に含まれる有価金属の効率的な回収に寄与することのできる技術を提案するものである。
近年、各種の電子機器等に使用されるリチウムイオン電池は通常、正極板としてのアルミニウム箔上に、粉末状の正極活物質、バインダー等を付着させることにより形成されたアルミニウム箔付き正極材が用いられる。
このアルミニウム箔付き正極材の正極活物質は、リチウム金属塩からなるものであり、これには、リチウム、マンガン、コバルト、ニッケル等の有価金属が含まれていることから、たとえば使用後に廃棄されたリチウムイオン電池の正極活物質から、それらの金属を回収して再利用することが望ましい。
二次電池からこのような有価金属を回収するには、たとえば特許文献1に記載されているように、二次電池廃棄物を焙焼したものを破砕し、この破砕物を篩別した後に酸で浸出してから不純物を取り除き、その後、コバルト、ニッケル等をそれぞれ電解採取することにより行っている。
特開2005−149889号公報
ところで、リチウムイオン電池正極材から上述したようにして有価金属を回収する場合、アルミニウム箔付き正極材を、アルミニウム箔ごと焙焼及び破砕することから、その後の篩別によりある程度のアルミニウムは除去できるものの、破砕物を酸浸出して得た浸出液に多くのアルミニウムが溶解して混入することになる。
それにより、この方法では、破砕・篩別後に正極活物質中に含まれるアルミニウムの品位が高くなるという問題があった。この場合、その浸出液からアルミニウムを分離除去する工程が別途必要となるだけでなく、例えばアルミニウムをアルカリによる中和によって水酸化物として沈殿除去する場合は、アルミニウムとニッケルやコバルトとの共沈によってそれらの有価金属の回収効率の低下を招く。
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、リチウムイオン電池の正極活物質に含まれる所定の金属を回収する際等に、アルミニウム箔上に付着した正極活物質を、アルミニウム箔から効果的に分離させることにより、正極活物質に含まれ得るアルミニウムの品位を低くすることのできる正極活物質の回収方法を提供することにある。
発明者は、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から正極活物質を分離させる方法について鋭意検討したところ、アルミニウム箔付き正極材を、所定の条件の下で加熱した後に、たとえば工業用水、水道水その他の水に浸けることにより、アルミニウム箔から正極活物質が効果的に剥落することを見出した。また、この場合の加熱における最適な温度と時間の関係を見出して、以下の発明をなすに至った。
このような知見に基き、この発明の正極活物質の回収方法は、リチウムイオン電池正極材で正極活物質がアルミニウム箔上に付着してなるアルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から、正極活物質を分離させて回収する方法であって、前記アルミニウム箔付き正極材を、大気雰囲気の下、加熱温度450℃〜600℃で1時間〜10時間にわたって加熱し、加熱時間が5時間以上の場合は、加熱温度を450℃〜500℃とする加熱工程と、該加熱工程の後、アルミニウム箔付き正極材を水に接触させて、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から正極活物質を分離させる分離工程とを含むものである。なお好ましくは、加熱工程での加熱温度を450℃〜550℃とする。
ここで、この発明では、上記の分離工程で、アルミニウム箔付き正極材を水に浸漬させ、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から分離した正極活物質を含むスラリーを得るものとし、この分離工程の後、正極活物質を含む前記スラリーを固液分離する固液分離工程をさらに含むことが好ましい。
またここで、加熱工程におけるアルミニウム箔付き正極材の加熱手段として、ロータリーキルンを用いることが好ましい。
そしてまた、分離工程では、アルミニウム箔付き正極材に接触させる水の温度を、10℃〜70℃とすることが好ましい。
ここにおいて、加熱工程では、加熱対象を、正極活物質の付着したアルミニウム箔表面の面積が10mm2以上であるアルミニウム箔付き正極材とし、そして、分離工程では、面積が10mm2以上である前記アルミニウム箔表面から正極活物質を分離させることが好ましい。
この発明によれば、上述した加熱工程及び分離工程により、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から正極活物質を効果的に分離して、分離した正極活物質中に含まれ得るアルミニウムの品位を小さく抑えることができるので、たとえば、当該正極活物質からの所定の金属の回収を効率的に行うことができる。
以下に、この発明の実施の形態について詳細に例示説明する。
この発明の一の実施形態に係る正極活物質の回収方法は、リチウムイオン電池の正極材であって正極活物質がアルミニウム箔上に付着してなるアルミニウム箔付き正極材から、正極活物質を回収する方法であって、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から正極活物質を分離させるに当り、前記アルミニウム箔付き正極材を、大気雰囲気の下、加熱温度450〜600℃で1時間〜10時間にわたって加熱する加熱工程と、該加熱工程の後、アルミニウム箔付き正極材を水に接触させて、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から正極活物質を分離させる分離工程とを含むものである。
この発明では、たとえば、製造不良もしくはその他の理由によって廃棄されたリチウムイオン電池廃棄物、又は使用済のリチウムイオン電池等を、正極活物質の回収対象とすることができる。
かかるリチウムイオン電池では一般に、正極材は、アルミニウム箔の表面に、主として、マンガン、コバルト及びニッケルを含有するリチウム金属塩からなる正極活物質を、たとえばバインダーを介して塗布等により付着させて形成されている。これをアルミニウム箔付き正極材という。
アルミニウム箔付き正極材は、集電体として箔状のアルミニウムを、また正極活物質としてリチウム並びに、ニッケル、コバルト及びマンガンを含有するものであり、これらに加えて、鉄、リン酸、ナトリウム等も含有することがある。ここでは、希少元素であるコバルトやニッケル等が含まれているので、リチウムイオン電池廃棄物等の正極材から、これらの元素を回収することが望ましい。
なおここで、アルミニウム箔付き正極材に含まれ得るバインダーは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる場合がある。
ここで従来は、アルミニウム箔付き正極材を焙焼した後にアルミニウム箔付きのまま破砕し、それにより得られた破砕物を篩別し、その後、篩別された破砕物を酸浸出し、そこから各元素の電解採取を行って、希少元素等を回収することが一般的であった。
しかるに、この場合は、篩別によってある程度アルミニウム箔が除去されるものの、破砕物には、細かく砕かれたアルミニウム箔が多量に残存することになる。それにより、当該アルミニウム箔が正極活物質とともに酸浸出されることになり、酸浸出によって得られる水溶液で希少元素を電解採取等により回収するためには、アルミニウムを除去する工程を設ける必要がある他、例えばアルミニウムをアルカリによる中和によって水酸化物として沈殿除去する場合は、アルミニウムがニッケルやコバルトと共沈して、それらの回収効率が低下するという問題がある。
それ故に、アルミニウム箔付き正極材からアルミニウム箔を予め効果的に除去することができれば、電解採取を行う水溶液中のアルミニウム量が減るか、又は該水溶液中にアルミニウムが存在しなくなるので、上記の問題を解決することができる。
このような見識の下、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から正極活物質を分離させて、正極活物質を回収するため、この発明の一の実施形態に係る正極活物質の回収方法は、以下に詳細に述べる工程を含むものである。
(加熱工程)
リチウムイオン電池から取り出したアルミニウム箔付き正極材を、大気雰囲気中で、加熱温度450℃〜600℃で1時間〜10時間にわたって加熱する。
ここで、加熱温度が低すぎると、アルミニウム箔と正極材を密着させているバインダー成分の分解が不十分となり、後述する分離工程でアルミニウム箔から正極活物質を十分に分離させることができない。一方、加熱温度が高すぎると、アルミニウムの酸化が進み、アルミニウム箔がもろくなって、正極活物質の粉体に混入するおそれがあり、この場合は回収する正極材のアルミニウム品位が高くなる問題が起こる。そのため、加熱温度は450〜600℃とし、なかでも450℃〜550℃とすることが好ましい。
さらにここでは、加熱時間が5時間以上と長時間にわたって加熱する場合、加熱温度を450℃〜500℃と低くする。長時間にわたって高い加熱温度で加熱した場合は、アルミニウムの酸化による脆化が進み、次の正極材分離工程で、正極材に混入するアルミニウムが増加するとともに、燃料コストが増大するという不都合がある。なお加熱時間が1時間未満と短すぎる場合は、アルミニウム箔と正極材を密着させているバインダー成分の分解が不十分となり、後述する分離工程でアルミニウム箔から正極活物質を十分に分離させることができないという不都合がある。従って、加熱温度は、加熱時間との関係で決定されるものである。なお、ここでいう加熱時間は、たとえば、試料としてのアルミニウム箔付き正極材を投入した加熱手段内で、上述した所定の加熱温度が維持されている間の長さをいう。
このような加熱は、一般に知られている様々な加熱手段を用いて行うことができるが、特に、たとえば、所定の角度で傾斜する向きに配置されて、所定の速度で軸線周りに回転することのできる筒体等からなるロータリーキルンを用いることが好適である。それにより、ロータリーキルン内に投入したアルミニウム箔付き正極材の全体を均一に加熱することができ、分離工程でアルミニウム箔の全面から正極活物質をむらなく分離することが可能になるからである。また、ロータリーキルンを用いる場合は、より短い加熱時間で所望の回収率を得ることができるので、加熱時間を短縮化することができる。
なおこの加熱工程では、アルミニウム箔付き正極材の加熱を、特定の雰囲気下で行うことを要せず、大気雰囲気下でよい。従って、簡易な設備で実施することができる。
(分離工程)
上述した加熱工程を経たアルミニウム箔付き正極材を、所要に応じて室温付近まで自然空冷等により放熱させた後、この分離工程では、アルミニウム箔付き正極材を水に接触させる。
なおここでは、たとえば霧吹きを用いて、アルミニウム箔付き正極材に水を吹きかけること等によって、アルミニウム箔付き正極材を水に接触させることも可能であるが、アルミニウム箔付き正極材の全体をより均等に水に接触させるため、アルミニウム箔付き正極材を一定量の水に浸して浸漬させることが好ましい。
これによれば、加熱工程を経たアルミニウム箔付き正極材が水に接触することにより、正極活物質中のLiの一部が溶解し液がアルカリ性となることで、アルミニウム箔表面のアルミニウムも僅かに溶解し、正極活物質の分離が促進されると考えられ、それにより、この分離工程で、加熱後のアルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から正極活物質が剥落することになる。但し、この発明は、このような理論によって限定されるものではない。
ここで、アルミニウム箔付き正極材に接触させる水としては、超純水、純水、脱イオン水、軟水、硬水、蒸留水、水道水、工業用水等を挙げることができる。但し、アルミニウム箔から正極活物質をより簡易に分離させるとの観点からは、容易に入手できて特定の処理を施さない水道水、工業用水等の水をそのまま用いることが好ましい。
この水としては、たとえば、pHが6.5〜8.0、純度が電気抵抗率で評価して0.02〜0.08MΩ・cmであるものを用いることができる。水に含まれる不純物は、正極材の付着液として混入した量が、正極材の不純物濃度に影響を与えず、コバルト、ニッケル等の分離・精製に影響しない程度であれば問題なく、本発明を限定するものではない。但し、水のpHについては、強酸性では正極材中のコバルト、ニッケルが溶解ロスし、しかもアルミニウムも溶解してしまうので好ましくない。強アルカリ性では、アルミニウムの溶解量が増加し、付着液として正極材に混入するアルミニウム量が増えるので好ましくない。従って、pHは前述のとおり中性付近であることが好ましい。
また、アルミニウム箔付き正極材に接触させる水の温度は10〜70℃とすることが好ましい。この水の温度が高すぎると、反応上特に問題となることはないが、加熱コストが高くなり、また取扱いがしにくくなるとなるおそれがあり、この一方で低すぎると、前述の反応が緩慢になり正極材層の剥離性が悪化するおそれがあるとともに、冷却コストが必要となる可能性がある。このような観点から、水の好ましい温度は、10〜70℃である。
この分離工程では、必要であれば、アルミニウム箔付き正極材を浸漬させた水を攪拌したり、水に接触させたアルミニウム箔付き正極材の正極活物質表面を、ブラシや刷毛その他の適当な道具で擦ったりすること等により、アルミニウム箔に残留した正極活物質に外力を作用させることが可能である。また必要に応じて、水接触後のアルミニウム箔付き正極材の、正極活物質が残留したアルミニウム箔に、超音波振動を作用させることもできる。それにより、アルミニウム箔上の正極活物質をより効果的に分離させることができる。
上述したようにして、アルミニウム箔付き正極材を一定量の水に浸漬させた場合は、アルミニウム箔から剥落した正極活物質が水中に含まれてなるスラリーが生成される。このスラリーから正極活物質を回収するため、以下の固液分離工程を実施することができる。
(固液分離工程)
上記の分離工程でアルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から分離した正極活物質を含むスラリーを固液分離して、そこに含まれる正極活物質を回収することができる。ここでは、濾過、圧搾、デカント、遠心分離などの公知の方法を用いて、スラリーから正極活物質を取り出すことができる。
以上に述べたような正極活物質の回収方法では、上記の加熱工程前に、アルミニウム箔付き正極材を破砕し、さらには篩別する工程を実施することも可能であるが、このような破砕・篩別工程を簡略化または省略し、十分に破砕されていない比較的大きな状態のアルミニウム箔付き正極材に対して、加熱工程及びその後の分離工程を実施することが好適である。それにより、分離工程で、比較的大きなアルミニウム箔から正極活物質を分離できるので、その後に正極活物質からコバルト、ニッケル等を回収する際の、微細なアルミニウム箔の混入を有効に防止することができる。また、破砕・篩別工程を簡略化または省略する場合は、コストや工数を有効に削減することもできる。
従って、加熱工程で加熱する対象とするアルミニウム箔付き正極材は、正極活物質が付着したアルミニウム箔表面の面積が、10mm2以上であることが好ましく、特に、100mm2以上であることがより好ましい。それにより、ある程度大きな状態にあるアルミニウム箔から、正極活物質を分離・回収できるので、分離させた正極活物質に混入し得るアルミニウムの品位を、0.1〜1%程度と十分に低くすることができる。
一方、従来の方法のように、アルミニウム箔付き正極材を、アルミニウム箔ごと破砕し、篩別する場合は、篩別に使う篩の目開きにもよるが、一般に、粒径が0.05〜1mm程度の大きさのアルミニウム片が混入することになる。この従来の方法では、正極活物質に混入するアルミニウムの品位が通常、3〜5%程度となるので、その後のニッケル、コバルト精製におけるアルミニウム分離工程の負荷が上がる。
次に、この発明の正極活物質の回収方法を試験的に行ったので以下に具体的に説明する。但し、この発明はこれに限定されるものではない。
(試験例1)
アルミニウム箔付き正極材(面積約50mm角)の試料に対し、表1に示す各条件の下、加熱工程及び分離工程を行い、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔からの正極活物質の分離を試みた。その結果も同表に示す。
表1に示すところでは、加熱工程での加熱時間をいずれも1時間とし、加熱温度を同表に示すように異なるものとした。
Figure 2015185471
ここで表1の分離状況で、×は、正極活物質が全く分離しないか、又は表面のみ剥落したがアルミニウム箔上に正極活物質がかなり残留したことを示す。また△は、水に浸漬させることにより正極活物質がアルミニウム箔から剥落したが、アルミニウム箔上の正極活物質の残留が多かったことを示す。また○は、水に浸漬させると、大部分の正極活物質が剥落したことを示す。また◎は、水に浸漬させると、ほぼ全てが剥落し、アルミニウム箔上には正極活物質がほとんど残らなかったことを示す。なお、いずれの条件においても、アルミニウム箔の状態は、元の面積とほぼ変わらず、しっかりしていた。
表1に示す結果から解かるように、加熱温度400℃以下とした比較例1及び2では、水に2時間浸漬させても正極活物質を十分に分離させることができなかったのに対し、加熱温度450℃以上とした実施例1〜4では、かなり短い時間の浸漬で正極活物質を有効に分離させることができた。
また従来例として、アルミニウム箔付き正極材を焙焼後に、アルミニウム箔が付いたまま破砕・篩別する試験を行った。実施例1と同様に、アルミニウム箔付き正極材10gをるつぼ炉で400℃で1時間焙焼後に室温まで降温し、オリエントミル(衝撃せん断破砕機、スクリーン径5mm)で破砕し、破砕物を振とう篩器で30分間篩別し、<1mmの篩別物として正極材濃縮物を回収したが、アルミニウム品位は3.4%であった。これを表1の実施例1〜4の結果と比較すると、実施例1〜4では、従来例に比してアルミニウム品位がかなり低くなったことが解かる。
(試験例2)
加熱時の焼きむら及び、加熱時間と加熱温度の関係を検討するため、加熱時間を、上記試験よりも増やして3時間、5時間又は10時間とし、加熱手段としてるつぼ炉又はロータリーキルンを用いた場合の試験を行った。その試験条件及び結果を表2に示す。
Figure 2015185471
表2に示す結果から、実施例8の加熱工程で加熱手段としてロータリーキルンを用いることにより、アルミニウム箔付き正極材の全体が均等に加熱されて、同じ500℃で焙焼した実施例6に対してより短時間で同等の正極活物質回収率が得られていることが分かる。なお、るつぼ炉内において450℃で5時間焙焼した実施例5は、るつぼ炉内で試料同士の重なり(るつぼ炉内で複数枚のアルミニウム箔付き正極材が互いに重なり合って位置していたこと)が影響しバインダー成分の分解が不十分になったとみられ、正極活物質の回収率が77.6%とやや劣る結果となったが、実施例8のようにロータリーキルンを使用することにより、上記のような試料同士の重なりが生じる可能性を低くして回収率をより有効に向上させることができると考えられる。また、550℃という高い加熱温度で5時間にわたって長期加熱を行った比較例3は、アルミニウム品位が高いことが解かる。

Claims (5)

  1. リチウムイオン電池正極材で正極活物質がアルミニウム箔上に付着してなるアルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から、正極活物質を分離させて回収する方法であって、
    前記アルミニウム箔付き正極材を、大気雰囲気の下、加熱温度450℃〜600℃で1時間〜10時間にわたって加熱し、加熱時間が5時間以上である場合は、加熱温度を450℃〜500℃とする加熱工程と、該加熱工程の後、アルミニウム箔付き正極材を水に接触させて、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から正極活物質を分離させる分離工程とを含む、正極活物質の回収方法。
  2. 前記分離工程で、アルミニウム箔付き正極材を水に浸漬させ、アルミニウム箔付き正極材のアルミニウム箔から分離した正極活物質を含むスラリーを得るものとし、
    前記分離工程の後、正極活物質を含む前記スラリーを固液分離する固液分離工程をさらに含む、請求項1に記載の正極活物質の回収方法。
  3. 前記加熱工程で、アルミニウム箔付き正極材の加熱手段として、ロータリーキルンを用いる、請求項1又は2に記載の正極活物質の回収方法。
  4. 前記分離工程で、アルミニウム箔付き正極材に接触させる水の温度を、10℃〜70℃とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の正極活物質の回収方法。
  5. 前記加熱工程で、加熱対象を、正極活物質の付着したアルミニウム箔表面の面積が10mm2以上であるアルミニウム箔付き正極材とし、前記分離工程で、面積が10mm2以上である前記アルミニウム箔表面から正極活物質を分離させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の正極活物質の回収方法。
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