JP2015184790A - 車両運行管理システム - Google Patents
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ところが、このような方式の場合、車両の接近とは無関係なタイマによる管理であるため、交通量が少ない地域や路線に適用した場合に、例えば片側通行区間の一方の出入口に1台の車両が接近して来たタイミングで信号機が青色から赤色に切り換わったとすると、反対側からの車両の通行がないにもかかわらず進入を待たされるような事態が発生し、不要な待ち時間が長くなるおそれがある。
また、本発明者らが検討した時刻表(運行ダイヤ)に従って、単線区間を含む路線に沿って車両を運行させるシステムにおいて、特許文献1に開示されているような車両運行制御方式を適用すると、時刻表上は同一時刻の車両として扱われる複数車両の続行運転を行なう場合に、後続車両に著しい遅延を発生させてしまうおそれがあるという課題があることが明らかとなった。
片側通行区間の一方の出入口近傍に設置された第1の信号機と、前記片側通行区間の他方の出入口近傍に設置された第2の信号機と、前記片側通行区間の一方の出入口近傍に設置された第1の進入車両感知器と、前記片側通行区間の他方の出入口近傍に設置された第2の進入車両感知器と、前記片側通行区間の一方の出入口近傍に設置された第1の退出車両感知器と、前記片側通行区間の他方の出入口近傍に設置された第2の退出車両感知器と、前記第1および第2の進入車両感知器と前記第1および第2の退出車両感知器からの感知信号に基づいて前記第1および第2の信号機を制御する片側通行制御装置とを備えた車両運行管理システムであって、
前記片側通行制御装置は、
前記第1の進入車両感知器からの感知信号に基づいて第1の信号機を進入許可状態に制御した後、所定の優先時間内に前記第2の進入車両感知器からの感知信号があっても、第2の信号機を進入禁止状態に維持したまま第1の信号機を進入許可状態に制御し、前記片側通行区間を走行する車両台数がゼロになったのを確認して第2の信号機を進入許可状態に制御し、
前記第2の進入車両感知器からの感知信号に基づいて第2の信号機を進入許可状態に制御した後、所定の優先時間内に前記第1の進入車両感知器からの感知信号があっても、第1の信号機を進入禁止状態に維持したまま第2の信号機を進入許可状態に制御し、前記片側通行区間を走行する車両台数がゼロになったのを確認して第1の信号機を進入許可状態に制御するように構成した。
かかる構成によれば、片側通行区間ごとに最適な優先時間を設定することができる。
かかる構成によれば、信号機と退出車両感知器を1本の支柱に取り付けることができるようになるため、支柱の数を減らして、コストダウンを図ることができる。また、片側通行区間から退出した車両が道路の中央寄りを走行したとしても確実に車両を感知することができる。
このような構成とすることにより、片側通行区間の入り口に接近した車両の運転手は、信号機が速やかに赤色から青色に切り換わらなかったとしても、システムが正常であることを認識することができる。
図1は、本発明の車両運行管理システムを適用して好適な片側通行区間の一形態および車両運行管理システムの一実施形態の概略構成を示すものである。なお、本実施形態では、片側通行区間として単線トンネルを例にとって説明するが、本発明の車両運行管理システムを適用可能な片側通行区間は、トンネルに限定されず1車線のバス専用路線における見通しの悪いカーブ区間等であっても良い。
車両感知器22A,22B,23A,23Bは、例えば超音波式の感知器で構成されるとともに、走行方向を判別可能にするためそれぞれ一対の感知器を備え、認知すべき方向と逆方向に走行して来た車両を感知しても片側通行制御機30に対して車両感知信号を送信しないように構成されている。車両感知器22A,22B,23A,23Bからの信号に基づいて、片側通行制御機30が車両の接近と走行方向を判定するように構成しても良い。
具体的には、例えば出入口Aにおいては、車両待避領域11Aの進入路線側に停止線15Aが設定され、該停止線15Aの進行方向手前位置に進入車両感知器22Aが設置され、停止線15Aの進行方向前方位置にトンネル進入制御用の信号機22Aが設置されているとともに、進入路線の反対車線側に退出車両感知器23Aが設置されている。反対側の出入口Bにおいても同様な配置にて、信号機21B、進入車両感知器22B、退出車両感知器23Bが設置されている。
車両感知表示灯24A,24Bがあることによって、トンネル入り口に接近した車両の運転手は、信号機21A,21Bが速やかに赤色から青色に切り換わらなかったとしても、システムが正常であることを認識することができる。
また、片側通行制御機30の設置場所はどこでもよいが、本実施形態の車両運行管理システムにおいては、出入口Aの停止線15Aの近傍に設置されている。片側通行制御機30と車両感知器、信号機、表示灯との間の信号の送受信は、本実施形態ではケーブルによる有線通信方式であるが、無線通信方式であっても良い。
図3に示すように、本実施形態における制御システムは、トンネルの一方の出入口A側の進入車両感知器22Aおよび退出車両感知器23Aと、他方の出入口B側の進入車両感知器22Bおよび退出車両感知器23Bと、これらの車両感知器22A,22B,23A,23Bからの信号を受ける片側通行制御機30と、片側通行制御機30によって制御される出入口A側の信号機21Aおよび車両感知表示灯24Aと、出入口B側の信号機21Bおよび車両感知表示灯24Bとにより構成される。
なお、片側通行制御機30は、営業所に設置されている路線管理装置へシステムの情報を送信可能な通信手段を備えていても良い。
トンネル10の両方の出入口A,Bにバスが来ていない状態では信号機21A,21Bは共に赤色が点灯されている。この状態で、図2(A)に示すように、上り側のトンネル10の出入口Aにバス40aが接近し待避所(11A)で停止すると、片側通行制御機30は上り側の信号機21Aを赤色点灯から青色点灯に切り換える。すると、上りバス40aはトンネル内への進入が許可される。なお、上りバスがトンネル内へ進入すると、信号機21Aを青色点灯から赤色点灯に切り換える。
上記のような制御を実行するため、本実施形態の片側通行制御機30は、トンネル内へ進入しているバスの台数を計数する機能を有しており、トンネル10の反対側の出入口にバスが接近しても進入台数が「0」になるまで、トンネル内への進入を許可しないようにすることで、トンネル内での対向車両の遭遇を回避するようにプログラムが構成されている。
具体的には、例えばトンネル通過所要時間がT0である場合に、上り先行バスがトンネルの中間点にさしかかった時点で先ず下りバスがトンネルの出入口Bに到着し、続いて上りの後続バスがトンネルの出入口Aに到着した場合を考える。このとき、上りと下り交互に進入を許可したとすると、下りバスは0.5T0だけ待たされ上り後続のバスは1.5T待たされるので、トータルの待ち時間は2T0となる。一方、上記のように後続バスに優先的な進入権を付与したとすると、下りバスは1.5T0待たされるが、上りの後続バスは待たされることなく進入できるので、トータルの待ち時間は1.5T0となり、単線トンネル(片側通行区間)における車両の円滑な運行が可能となる。
本実施例では、後続バスを優先的に通行させる優先時間は、トンネルの長さおよび他の条件に基づいて決定する。他の条件としては、例えばトンネル内での定速走行速度(規定速度)、バスの性能(加速度)、バスの重量がある。バスの重量により、加速時間も変わるが運行中のバスの重量(乗客を含む)をその都度測定するのはシステムのコストアップを招く一方、続行運転が行なわれるのはバスの定員がオーバーする際であることが多く、その場合、バスは満員(定員乗客数)となることが予想されるので、定員の客が乗車したときの想定重量をバス重量として計算するのが良い。
図4において、T1はトンネルに進入するバスが定速(例えば60km/時)に達するのに要する加速時間、L1はその間の走行距離である。また、T2は定速運転で走行してトンネルを抜けるまでの時間である。なお、図4において、破線Dはトンネル入り口で一旦停止せずに、定速運転で走行すると仮定したときのものである。
なお、トンネルの入口の待避所にバスの重量を測定可能な測定装置を設けて、バス重量を反映した優先時間を決定するようにしても良い。
図5の片側通行制御処理が開始されると、先ずトンネル10の両方の出入口A,Bの信号機21A,21Bを共に赤色点灯させる(ステップS1)。続いて、いずれかの入口感知器が進入方向のバスを感知(オン)しているか否か判定する(ステップS2)。ここで、いずれの入口感知器もバスを感知(オン)していない(No)と判定すると、ステップS25へ移行して出口感知器処理を実行する。
この出口感知器処理では、先ずいずれかの出口感知器が退出方向のバスを感知(オン)しているか否か判定する(ステップS25)。ここで、いずれの出口感知器もバスを感知(オン)していない(No)と判定すると、ステップS2へ戻る。
一方、上記ステップS13で、下り側の待機バスがある(Yes)と判定すると、ステップS14へ進み、下り側待機フラグを“1”にセットしてから、図6の下り側処理のステップS18へ移行する。
すなわち、ステップS4で、感知(オン)した入口感知器が下り側であると判定すると、ステップS15へ移行して、上り側からの進入バスがあるか否か判定する。そして、上り側からの進入バスがある(Yes)と判定すると、ステップS16へ進み、下り側待機フラグを“1”にセットしてからステップS25へ移行して出口感知器処理を実行する。
一方、ステップS23で、上り側の待機バスがある(Yes)と判定すると、ステップS24へ進み、下り側待機フラグを“1”にセットしてから、図4のステップS8へ移行して、前述したような上り側処理(ステップS8〜S10)を行う。
以上のような手順に従った制御を行うことによって、図2を用いて説明したような単線トンネル(片側通行区間)の円滑な運行制御が実行されることとなる。
図7の変形例は、前記実施例(図1)では進入路線の反対車線側に設けられている退出車両感知器23A,23Bの設置位置を、トンネルの出入口の近傍に設定するとともに、信号機21A,21Bの設置位置もトンネルの出入口の近傍に設定して、1本の支柱に退出車両感知器23A,23Bと信号機21A,21Bをそれぞれ取り付けるように構成したものである。具体的には、トンネル10の出入口Aの近傍に立設した支柱16Aに進入制御用の信号機21Aと退出車両感知器23Aとを取り付け、出入口Bの近傍に立設した支柱16Bに進入制御用の信号機21Bと退出車両感知器23Bとを取り付けてある。また、支柱16Aと16Bに、車両感知表示灯24Aと24Bもそれぞれ取り付けるようにしても良い。退出車両感知器23A,23Bは走行車線の中心付近を通過する車両を感知できるように設定される。
なお、図1の実施例でも、待避所の道路中央に車線分離標としてのラバーポールを設置することによって、トンネルから退出したバスが道路の中央寄りを走行しないように誘導して退出車両感知器23A,23Bで確実に感知させることができる。また、ラバーポールを設置することによって、対向車両同士の接触事故を効果的に回避することもできるようになる。
また、前記実施形態においては、車両感知器として超音波方式の感知器を使用したものを説明したが、路面に設置するループコイル式の車両感知器を使用するように構成してもよい。
また、前記実施形態においては、トンネルや見通しの悪い区間が存在する1車線のバス専用路線における片側通行区間の運行制御を行うようにした運行管理システムについて説明したが、本発明は単線路線におけるトンネル区間の片側通行制御を行う列車の運行管理システムにも適用することができる。
11A,11B 車両待避領域
15A,15B 停止線
16A,16B 支柱
21A,21B 信号機
22A,22B 進入車両感知器
23A,23B 退出車両感知器
24A,24B 車両感知表示灯
30 片側通行制御機
40 バス
Claims (4)
- 片側通行区間の一方の出入口近傍に設置された第1の信号機と、前記片側通行区間の他方の出入口近傍に設置された第2の信号機と、前記片側通行区間の一方の出入口近傍に設置された第1の進入車両感知器と、前記片側通行区間の他方の出入口近傍に設置された第2の進入車両感知器と、前記片側通行区間の一方の出入口近傍に設置された第1の退出車両感知器と、前記片側通行区間の他方の出入口近傍に設置された第2の退出車両感知器と、前記第1および第2の進入車両感知器と前記第1および第2の退出車両感知器からの感知信号に基づいて前記第1および第2の信号機を制御する片側通行制御装置とを備えた車両運行管理システムであって、
前記片側通行制御装置は、
前記第1の進入車両感知器からの感知信号に基づいて第1の信号機を進入許可状態に制御した後、所定の優先時間内に前記第2の進入車両感知器からの感知信号があっても、第2の信号機を進入禁止状態に維持したまま第1の信号機を進入許可状態に制御し、前記片側通行区間を走行する車両台数がゼロになったのを確認して第2の信号機を進入許可状態に制御し、
前記第2の進入車両感知器からの感知信号に基づいて第2の信号機を進入許可状態に制御した後、所定の優先時間内に前記第1の進入車両感知器からの感知信号があっても、第1の信号機を進入禁止状態に維持したまま第2の信号機を進入許可状態に制御し、前記片側通行区間を走行する車両台数がゼロになったのを確認して第1の信号機を進入許可状態に制御するように構成されていることを特徴とする車両運行管理システム。 - 前記優先時間は、所定の車両が前記片側通行区間に進入してから退出するまでに要する時間に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両運行管理システム。
- 前記片側通行区間の一方と他方の出入口近傍には、走行車線の横に1台の車両の幅以上の幅を有する待避領域がそれぞれ設けられ、該待避領域に対応してそれぞれ前記第1および第2の進入車両感知器が設置されているとともに、前記片側通行区間の出入口と前記待避領域との間の走行車線に対応してそれぞれ前記第1および第2の退出車両感知器が設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両運行管理システム。
- 前記片側通行区間の一方と他方の出入口近傍には、前記第1または第2の進入車両感知器が進入車両を感知していることを報知する表示灯がそれぞれ設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両運行管理システム。
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