JP2015183985A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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幸雄 富藤
崇 柿村
Takashi Kakimura
崇 柿村
卓哉 厨子
Takuya Zushi
卓哉 厨子
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Abstract

【課題】処理チャンバ内の減圧を良好に行う技術を提供すること。【解決手段】基板処理装置1は、処理チャンバ20から排気ポンプ30まで接続する2つの第一流路部(共有配管部41および第一配管部42)と、第二流路(共有配管部41および第二配管部43)を備えている。第一配管部42および第二配管部43には、それぞれ、流量を制御する第一調整弁44および第二調整弁45が設けられている。制御部50は、真空計46によって測定される処理チャンバ20内の圧力に基づいて、第一調整弁44および第二調整弁45を制御する。第二配管部43の配管径は、第一配管部42よりも大きい。第二調整弁45の弁サイズは、第一調整弁44の弁サイズよりも大きい。このため、第二流路部における最大流量は、第一流路部における最大流量よりも大きくなっている。【選択図】図2

Description

この発明は、処理液が付着した基板を減圧乾燥する技術に関し、特に、処理チャンバ内の減圧を良好に行う技術に関する。
処理液が付着した基板をチャンバ内にて支持し、チャンバ内を減圧することによって、基板を乾燥する技術が知られている。例えば、LCD用カラーフィルタにおいて、フォトリソグラフィによってガラス基板に所望のパターンの形成を行う際、レジスト液などの塗布液が塗布されたガラス基板を減圧乾燥している(例えば、特許文献1)。
特開2009−275924号公報
特許文献1に記載の減圧乾燥を行う真空乾燥装置は、基板が収容される真空チャンバと、真空ポンプと、真空チャンバおよび真空ポンプの間を接続する配管(吸引管)に設けられたコンダクタンスバルブと、当該配管に設けられた真空計と、コンダクタンスバルブを制御する制御部とで構成されている。制御部は真空計によって計測された真空チャンバの真空度に基づき、コンダクタンスバルブの開度を制御し、真空チャンバ内の雰囲気の排気速度を調整する。これによって、真空チャンバ内の圧力が、理想的に変化するように制御される。
また、実際の減圧乾燥処理においては、塗布液に含まれる溶媒の突沸を防ぐために、まず溶媒が突沸しない程度の圧力まで比較的ゆっくりと排気を行う低速排気を行った後、溶媒の蒸発を促すために、高速に排気を行う高速排気が行われる場合がある。これによって、乾燥処理を早めるのと同時に、塗布液乾燥後の基板表面の平滑性が高められる。
ところで、特許文献1の真空乾燥装置では、単一の配管および当該配管に単一のコンダクタンスバルブを制御することによって、排気速度が制御されている。このため、バルブサイズもしくは配管径が、低速排気および高速排気で共通しているため、低速排気および高速排気の双方を良好に実行することが困難であった。具体的には、図8および図9を参照しつつ説明する。
図8および図9は、従来の減圧乾燥処理における処理チャンバ内の圧力変化を示す図である。図8および図9において、横軸は時間を示し、縦軸は圧力を示している。また、図8および図9に示される期間Te1(時間t0−t1)は大気圧P0から第一目標圧P1まで低速排気を行う期間であり、期間Te2(時間t1−t2)は第一目標圧P1からより低圧の第二目標圧P2まで高速排気を行う期間である。また、期間Te3(時間t2−t3)は第二目標圧P2を維持する期間であり、期間Te4(時間t3以降)は大気開放を行う期間となっている。
図8は、バルブサイズもしくは配管径を低速排気に適するように大きさとした場合の圧力変化グラフ961を示す図である。一般的に、バルブサイズもしくは配管径サイズを比較的小さくすれば、排気量を厳密に制御し易くなる。このため、流量制御の精度が高まり、高精度な圧力制御が行い易くなる。しかしながら、最大流量が制限されることによって、高速排気を良好に行うことが困難となる。すると、図8に示されるように、圧力変化グラフ961は、高速排気の期間Te2において、所定の時間内に第二目標圧P2まで圧力が低下せずに、目標の圧力変化グラフ960から大きく外れてしまう。このような場合、溶媒を十分に蒸発させることが困難となる。
図9は、バルブサイズもしくは配管径が高速排気に適した大きさである場合の圧力変化グラフ962を示す図である。一般的に、バルブサイズもしくは配管径サイズを比較的大きくすれば、高速排気が行い易くなる。しかしながら、この場合は、排気量の高精度な制御が、バルブサイズもしくは配管径サイズが小さい場合よりも難しくなる。このため、圧力の制御を良好に行うことが困難となる。したがって、図9に示されるように、圧力変化グラフ962は、低速排気の期間Te1において、目標の圧力変化グラフ960と比較すると、大きく乱れている。上述したように、低速排気時は、溶媒の突沸を抑えるため、高速排気時に比べて厳密な圧力制御が求められる。このため、このような期間Te1における圧力の乱れは、基板表面の平滑性を損なわせる虞がある。
そこで、本発明は、処理チャンバ内の減圧を良好に行う技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、処理液が付着した基板を減圧乾燥する基板処理装置であって、基板を収容する処理チャンバと、前記処理チャンバ内の雰囲気を排気する排気部と、前記処理チャンバから前記排気部までの前記雰囲気の第一流路を形成する第一流路部と、前記処理チャンバから前記排気部までの前記雰囲気の第二流路を形成しており、少なくとも前記第二流路の一部は前記第一流路とは異なっている第二流路部と、前記処理チャンバ内の圧力を検出する圧力検出部と、前記圧力検出部が検出した前記処理チャンバ内の圧力に基づいて、前記第一流路内および前記第二流路内の前記雰囲気の流量を調整する流量調整部とを備え、前記第二流路における前記雰囲気の最大流量は、前記第一流路における前記雰囲気の最大流量よりも大きい。
また、第2の態様は、第1の態様に係る基板処理装置において、前記流量調整部が、前記第一流路部の開度を調整する第一調整弁と、前記第二流路部の開度を調整する第二調整弁と、前記第一調整弁及び前記第二調整弁を制御する制御部とを備える。
また、第3の態様は、第2の態様に係る基板処理装置であって、前記第一調整弁の開度調整幅が、前記第二調整弁の開度調整幅よりも小さい。
また、第4の態様は、第1から第3の態様のいずれか1態様に係る基板処理装置であって、前記第二流路部の配管径が、前記第一流路部の配管径よりも大きい。
また、第5の態様は、第1から第4の態様のいずれか1態様に係る基板処理装置であって、前記排気部は、前記第一流路部を通じて前記雰囲気を排気する第一排気部と、前記第二流路部を通じて前記雰囲気を排気する第二排気部とを含み、前記第二排気部の単位時間あたりの排気量が、前記第一排気部の単位時間あたりの排気量よりも大きい。
また、第6の態様は、第2または第3の態様に係る基板処理装置であって、前記制御部は、前記第一調整弁を制御することによって、前記処理チャンバ内の圧力を第一目標圧に向けて低下させた後、前記第二調整弁を制御することによって、前記処理チャンバ内の圧力を前記第一目標圧よりも低い第二目標圧に向けて低下させる。
また、第7の態様は、処理液が付着した基板を減圧乾燥する基板処理方法であって、(a)処理チャンバ内に基板を支持する支持工程と、(b)前記処理チャンバ内の雰囲気を、前記処理チャンバおよび排気部を繋ぐ第一流路を通じて排気する第一排気工程と、(c)前記処理チャンバ内の雰囲気を、前記処理チャンバおよび排気部を繋ぐ流路であって、少なくともその一部の流路が、前記第一流路とは異なっている第二流路を通じて排気する第二排気工程とを含み、前記第一排気工程は、(b−1)前記処理チャンバ内の圧力に基づいて、前記第一流路内における前記雰囲気の流量を調整する第一調整工程を含み、前記第二排気工程は、(c−1)前記処理チャンバ内の圧力に基づいて、前記第二流路内における前記雰囲気の流量を調整する第二調整工程を含み、前記第二流路における前記雰囲気の最大流量が、前記第一流路における前記雰囲気の最大流量よりも大きい。
第1の態様に係る基板処理装置によると、第一流路は、第二流路よりも最大流量が小さいため、流量制御が行いやすい。このため、処理チャンバ内の圧力制御を良好に行うことができる。また、第二流路は第一流路よりも最大流量が大きいため、処理チャンバ内の雰囲気を高速で排気するのに好適である。
また、第2の態様に係る基板処理装置によると、第一調整弁および第二調整弁を制御することによって、流量制御を適切に行うことができる。
また、第3の態様に係る基板処理装置によると、第一調整弁の開度調整幅が第二調整弁の開度調整幅よりも小さいため、第一流路における雰囲気の流量制御を、第二流路における雰囲気の流量制御よりも高精度に行うことができる。
また、第4の態様に係る基板処理装置によると、第二流路部の配管径が第一流路部の配管径よりも大きいため、第二流路の最大流量を第一流路の最大流量よりも大きくすることができる。
また、第5の態様に係る基板処理装置によると、第二排気部の単位時間あたりの排気量が第一排気部の単位時間あたりの排気量よりも大きいため、第二流路の最大流量を第一流路の最大流量よりも大きくすることができる。
また、第6の態様に係る基板処理装置によると、第一調整弁を制御することで、高精度な圧力制御を行いつつ、第一目標圧まで処理チャンバ内を減圧できる。また、その後に、第二調整弁を制御することで、より低圧の第二目標圧まで高速に減圧することができる。
第1実施形態に係る基板処理装置を備えた基板処理システムを示す概略平面図である。 基板処理装置を示す概略構成図である。 減圧乾燥処理における処理チャンバ内の圧力変化を示す図である。 第2実施形態に係る基板処理装置を示す概略構成図である。 第3実施形態に係る基板処理装置を示す概略構成図である。 第4実施形態に係る基板処理装置を示す概略構成図である。 第5実施形態に係る基板処理装置を示す概略構成図である。 従来の減圧乾燥処理における処理チャンバ内の圧力変化を示す図である。 従来の減圧乾燥処理における処理チャンバ内の圧力変化を示す図である。
<1. 第1実施形態>
<基板処理装置1の構成および機能>
図1は、第1実施形態に係る基板処理装置1を備えた基板処理システム100を示す概略平面図である。基板処理システム100は、液晶表示装置の画面パネルを製造するための角形ガラス基板90(以下、単に基板90と称する。)を処理する。
基板処理システム100は、搬入部10、洗浄部11、デハイドベーク部12、塗布部13、減圧乾燥部としての基板処理装置1およびプリベーク部14を備えている。搬入部10は、基板処理システム100において処理される基板90を受け入れる部分である。洗浄部11は、搬入部10に搬入された基板90を洗浄して清浄化する。デハイドベーク部12は、洗浄部11にて洗浄液が付着した基板90を乾燥する。
塗布部13は、デハイドベーク部12で乾燥された基板90の表面に処理液(ここでは、レジスト液)を塗布する。減圧乾燥部としての基板処理装置1は、塗布部13で塗布された処理液を減圧乾燥させる。プリベーク部14は、基板90を加熱することによって処理液を固化させ、基板90に処理液の薄膜を形成する。
図1に示されるように、搬入部10、洗浄部11、デハイドベーク部12、塗布部13、減圧乾燥部としての基板処理装置1およびプリベーク部14は、この順に、一方向(第一方向D1)に沿って直線状に隣接するように配置されている。
また、基板処理システム100は、処理液の薄膜が形成された基板90の表面に対して、所要の回路パターン状に露光する露光部15を備えている。露光部15は上記第1方向に直交する方向(第二方向D2)に延びている。露光部15の入り口側の部分は、プリベーク部14に隣接しており、露光部15の出口側の部分は、現像部16に隣接している。
基板処理システム100は、さらに、現像部16、リンス部17、ポストベーク部18および搬出部19を備えている。現像部16は、露光部15において露光された基板90を現像液に浸して、現像処理する。リンス部17は、現像部16にて現像処理した基板90をリンス液ですすぐことによって、現像処理の進行を停止させる。
ポストベーク部18は、基板90を加熱することによって、基板90に付着したリンス液を除去する。搬出部19は、基板処理システム100において処理が完了した基板90を外部に搬出する部分である。現像部16、リンス部17、ポストベーク部18および搬出部19は、第一方向D1とは反対側の方向(第三方向D3)に沿って直線状に隣接するように配置されている。基板処理システム100においては、基板90が露光部15においてUターンするように、その進行方向が第一方向D1から第三方向D3に変更される。
図2は、基板処理装置1を示す概略構成図である。基板処理装置1は、レジスト液が塗布された基板90を減圧乾燥する減圧乾燥装置として構成されている。基板処理装置1は、処理チャンバ20、排気ポンプ30、配管部40および制御部50を備えている。
処理チャンバ20は、基板90が収容される密閉空間を形成する筐体構造を有している。処理チャンバ20は、上部に取り外し可能な蓋部21を備えている。蓋部21は、処理チャンバ20の内部に基板90を搬入または搬出する際に開閉するように構成されている。なお、処理チャンバ20の側面部に開閉構造を設けることによって、基板90が搬入または搬出されるようにしてもよい。
処理チャンバ20の内部には、基台22、支持ステージ23および複数の支持ピン24が設けられている。基台22は、支持ステージ23を下方から支持する。支持ステージ23は、複数の支持ピンを保持している。複数の支持ピン24は、水平方向に分散して配置されている。これら複数の支持ピン24の上端に、レジスト液が塗布された基板90が設置される。
また、処理チャンバ20の底部には、第一排気口26および第二排気口27が設けられている。なお、第一排気口26および第二排気口27は、処理チャンバ20における底部以外の位置に設けられていてもよい。第一排気口26および第二排気口27は、配管部40を介して排気ポンプ30に接続されている。処理チャンバ20内の雰囲気は、排気ポンプ30が駆動されることによって、第一排気口26および第二排気口27を介して排出される。
配管部40は、共有配管部41、第一配管部42および第二配管部43を備えている。共有配管部41の一端は、排気ポンプ30に接続されており、その他端は第一配管部42の一端および第二配管部43の一端に接続されている。第一配管部42の他端は、処理チャンバ20の第一排気口26に接続されている。第二配管部43の他端は、第二排気口27に接続されている。共有配管部41および第一配管部42は、処理チャンバ20から排気ポンプ30までを繋ぐ第一流路を形成する第一流路部の一例である。また、共有配管部41および第二配管部43は、処理チャンバ20から排気ポンプ30までを繋ぐ第二流路を形成する第二流路部の一例である。第一流路部および第二流路部は、共有配管部41を共有している。また、第一流路部および第二流路部は、それぞれ、互いに相違する流路を形成する第一配管部42および第二配管部43を備えている。
第一配管部42の途中には、第一調整弁44が設けられている。また、第二配管部43の途中には第二調整弁45が設けられている。第一調整弁44および第二調整弁45は、例えば、開度が調整可能なバタフライ弁として構成されている。第一調整弁44および第二調整弁45の開度調整は、制御部50の制御に基づいて行われる。
真空計46は、第一配管部42における第一排気口26の接続部分と、第一調整弁44の接続部分との間の位置に設けられている。真空計46は、それぞれ、第一配管部42および第二配管部43内の真空度を測定することによって、処理チャンバ20内の圧力を検出する圧力検出手段である。
制御部50は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM、及び、制御用アプリケーションまたはデータ等を記憶する記憶部を備えている。制御部50は、真空計46によって測定した処理チャンバ20内の圧力に基づき、第一調整弁44及び第二調整弁45を制御する。これによって、第一調整弁44または第二調整弁45の各々における雰囲気の排気速度(雰囲気の流速)を制御する。第一調整弁44、第二調整弁45および制御部50は、流量調整部を構成する。
第二配管部43の配管径(断面の開口面積)は、第一配管部42の配管径よりも大きくなっている。このため、第二流路部(共有配管部41および第一配管部42)の方が、第一流路部(共有配管部41および第一配管部42)よりも、単位時間あたりに雰囲気が流れることのできる量(最大流量)が大きくなっている。このため、第二流路部は、高速排気を行うのに適した構成となっている。なお、第二配管部43の配管径を、その全長にわたって第一配管部42の配管径よりも大きくする必要はない。すなわち、第二配管部43のうち一部の配管径を第一配管部42のうちの一部の配管径よりも大きくすることによって、第二流路部の最大流量が第一流路部の最大流量よりも大きくなるようにしてもよい。
また、第一配管部42は、第二配管部43よりも配管径が小さいため、雰囲気の流量が比較的抑えられる。このため、第一配管部42は、流量制御を高精度に行い易い構成となっている。なお、流量は流速に比例するため、流量制御は流速制御と言い換えることもできる。また、第一調整弁44は第二調整弁45よりも弁サイズが小さいため、調整可能な開度の大きさ(開度調整幅)も小さくなっている。開度調整幅が小さい程、一般的に、開度調整の分解能は向上する。例えば、一般的なバタフライ弁の場合、弁サイズが小さい程、ハンドルの単位あたりの回転角度に対応する開度の変更量が小さくなる。すなわち、開度調整の分解能が向上する。このため、開度の調整精度についても、第二調整弁45よりも第一調整弁44の方が優れている。したがって、調整弁の面においても、第一流路部の方が、第二流路部よりも高精度な流量制御が可能となっている。
図3は、減圧乾燥処理における処理チャンバ20内の圧力変化を示す図である。図3において、横軸は時間を示し、縦軸は圧力を示している。また、圧力変化グラフ60は、制御部50が流量制御を行う際の目標とする圧力を示したものである。すなわち、制御部50は、真空計46を監視することによって、処理チャンバ20の圧力が、圧力変化グラフ60に沿って変化するように、第一調整弁44および第二調整弁45を制御する。
なお、図3に示される減圧乾燥処理が開始される前に、処理液であるレジスト液が塗布された(付着した)基板90は、処理チャンバ20に収容され、複数の支持ピン24に支持されているものとする(支持工程)。
図3に示されるように、本実施形態では、まず、低速排気を行う第一排気工程が行われる(期間Te1(時間t0−t1))。この工程では、処理チャンバ20内の圧力を、大気圧P0から第一目標圧P1に向けて低下させる。より具体的には、第二調整弁45が閉じられ、第一調整弁44が開放される。そして、共有配管部41および第一配管部42によって形成される第一流路を通じて、処理チャンバ20内の雰囲気を比較的低速で排気する。第一目標圧P1は、基板90に塗布されたレジスト液の溶媒が突沸するよりも若干高い圧力とされる。第一排気工程では、基板に塗布された処理液の溶媒が突沸しないように、比較的穏やかな減圧が行われる。これによって、基板90に形成する薄膜の均一化を図ることができる。
時間t1まで経過すると、高速排気する第二排気工程が行われる(期間Te2(時間t1−t2))。この第二排気工程では、処理チャンバ20内の圧力を、第一目標圧P1から当該第一目標圧よりも低い第二目標圧P2に向けて低下させる。より具体的には、第一調整弁44が閉じられ、第二調整弁45が開放される。そして、共有配管部41および第二配管部43によって形成される第二流路を通じて、処理チャンバ20内の雰囲気を比較的高速で排気する。なお、この高速排気工程では、第一調整弁44が開放されたままとしてよい。
時間t2まで経過すると、処理チャンバ20内の圧力を、第二目標圧P2に維持する圧力維持工程が行われる(期間Te3(時間t2−t3))。より具体的には、第一調整弁44および第二調整弁45が閉じられることによって、処理チャンバ20の気密性が高められる。なお、第一調整弁44または第二調整弁45を完全に閉じずに、処理チャンバ20の排気を継続して行うことによって、処理チャンバ20内の圧力が第二目標圧P2に維持されるようにしてもよい。
第二排気工程および圧力維持工程によって、処理チャンバ20内の真空度が極めて高くなる。これによって、基板90に塗布された処理液の溶媒を急速に乾燥させることができる。
時間t3まで経過すると、処理チャンバ20内を大気開放する大気開放工程が行われる(期間Te4(時間t3以降))。例えば、共有配管部41などに設けられた大気開放弁が開放されることによって、処理チャンバ20内に大気などが送られる。大気開放工程が完了すると、基板90は処理チャンバ20から搬出され、次の処理部(プリベーク部14、露光部15)に搬送される。
第一排気工程においては、配管径が比較的小さい第一配管部42を含む第一流路部、および、弁サイズが比較的小さい第一調整弁44を介して行われる。上述したように、これらの構成は、流量制御を高精度に行うことが可能となっている。このため、高精度な圧力制御を良好に行うことが可能となっている。したがって、圧力変化グラフ61で示されるように、期間Te1における圧力変化を、目標とする圧力変化グラフ60に近づけることができる。
また、第二排気工程においては、配管径が比較的大きい第二配管部43を含む第二流路部、および、弁サイズが比較的大きい第二調整弁45を介して行われる。上述したように、これらの構成は、高速排気に適した構成である。このため、圧力変化グラフ61で示されるように、期間Te2における圧力変化を、目標とする圧力変化グラフ60に近づけることができる。
<2. 第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、以降の説明において、既に説明した要素と同様の機能を有する要素については、同じ符号またはアルファベットを追加した符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。
図4は、第2実施形態に係る基板処理装置1Aを示す概略構成図である。基板処理装置1Aにおける配管部40Aは、第一調整弁44の代わりに、第一調整弁44Aを備えている点で、基板処理装置1における配管部40とは相違している。
第一調整弁44Aの弁サイズは、第二調整弁45の弁サイズと同一とされている。すなわち、第一調整弁44Aの開度調整幅は、第二調整弁45の開度調整幅と同一となっている。このため、弁サイズが比較的小さい第一調整弁44に比べると、第一調整弁44Aは、流量制御の精度面で劣っている。しかしながら、第一配管部42の配管径は比較的細いため、流量制御の精度はある程度保たれている。したがって、基板処理装置1Aによっても、低速排気の第一排気工程を良好に実施することが可能である。
<3. 第3実施形態>
図5は、第3実施形態に係る基板処理装置1Bを示す概略構成図である。基板処理装置1Bにおける配管部40Bは、第一配管部42の代わりに、第一配管部42Aを備えている点で、基板処理装置1における配管部40とは相違している。
第一配管部42Aの配管径は、第二配管部43と同一とされている。このため、配管径が比較的小さい第一配管部42に比べると、第一配管部42Aは、流量制御の精度面で劣っている。しかしながら、第一配管部42Aに設けられた第一調整弁44は、弁サイズが比較的小さいため、流量制御の精度はある程度保たれている。したがって、基板処理装置1Bによっても、低速排気の第一排気工程を良好に実施することが可能である。
<4. 第4実施形態>
図6は、第4実施形態に係る基板処理装置1Cを示す概略構成図である。基板処理装置1Cは、排気ポンプ30の代わりに、第一排気ポンプ31および第二排気ポンプ32を備えている。また、基板処理装置1Cは、配管部40の代わりに配管部40Cを備えている。
配管部40Cは、共有配管部41A、第一配管部42Bおよび第二配管部43Aを備えている。共有配管部41Aの一端は、処理チャンバ20の底部に形成された共有排気口28に接続されている。また、共有配管部41Aの他端は、第一配管部42Bの一端および第二配管部43Aの一端に接続されている。第一配管部42Bの他端は、第一排気ポンプ31に接続されている。第二配管部43Aの他端は、第二排気ポンプ32に接続されている。第一配管部42Bと第二配管部43Aの配管径は、略同一とされている。
また、共有配管部41Aには、真空計46が設けられている。制御部50は、この真空計46の測定結果に基づいて、第一調整弁44Aおよび第二調整弁45を制御する。
第二排気ポンプ32は、第一排気ポンプ31よりも、排気能力が高い。したがって、処理チャンバ20および第二排気ポンプ32の間を接続する第二流路部(共有配管部41Aおよび第二配管部43A)は、処理チャンバ20および第一排気ポンプ31の間を接続する第一流路部(共有配管部41Aおよび第一配管部42B)も、最大流量が大きくなっている。
このように、基板処理装置1Cにおいては、第一流路部の最大流量が、第二流路部の最大流量よりも小さい。このため、第一流路部に設けられた第一調整弁44Aによって、流量制御を精度よく行うことが可能となっている。一方、第二流路部は、最大流量が大きいために、高速排気を良好に行うことが可能となっている。
基板処理装置1Cにおいては、低速排気である第一排気工程では、第一流路部に設けられた第一調整弁44Aを制御して流量制御を行い、高速排気である第二排気工程では、第二流路部に設けられた45を制御して流量制御を行う。これによって、第一排気工程および第二排気工程における圧力変化を、目標とする圧力変化(圧力変化グラフ61)に近づけることができる。
<5. 第5実施形態>
図7は、第5実施形態に係る基板処理装置1Dを示す概略構成図である。基板処理装置1Dは、配管部40の代わりに配管部40Dを備えている点で、基板処理装置1と相違する。
配管部40Dは、共有配管部41B,41C、第一配管部42Cおよび第二配管部43Bで構成されている。共有配管部41Bの一端は、処理チャンバ20の底部に設けられた共有排気口28に接続されている。また、共有配管部41Bの他端は、第一配管部42Cの一端および第二配管部43Bの一端に接続されている。また、第一配管部42Cの他端および第二配管部43Bの他端は、共有配管部41Cの一端に接続されている。さらに共有配管部41Cの他端は、排気ポンプ30に接続されている。
また、第二配管部43Bの配管径は、第一配管部42Cの配管径よりも大きい。このため、処理チャンバ20および排気ポンプ30の間を接続する第二流路部(共有配管部41B、第二配管部43Bおよび共有配管部41C)は、処理チャンバ20および排気ポンプ30の間を接続する第一流路部(共有配管部41B、第一配管部42Cおよび共有配管部41C)よりも、最大流量が大きくなっている。
共有配管部41Bの途中には、真空計46が設けられている。制御部50は、真空計46の測定結果に基づいて、第一配管部42Cに設けられた第一調整弁44および43Bに設けられた第二調整弁45を制御する。
このように、基板処理装置1Dにおいても、基板処理装置1と同様に、第一流路部の最大流量が、第二流路部の最大流量よりも小さい。このため、第一流路部に設けられた第一調整弁44によって、流量制御を精度よく行うことが可能となっている。一方、第二流路部は、最大流量が大きいために、高速排気を良好に行うことが可能となっている。したがって、第一低速排気である第一排気工程では、第一調整弁44を制御して流量制御を行い、高速排気である第二排気工程では、第二調整弁45を制御して流量制御を行う。これによって、第一排気工程および第二排気工程における処理チャンバ20の圧力変化を、目標とする圧力変化(圧力変化グラフ60)に近づけることができる。
<6. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、第1実施形態に係る基板処理装置1において、第一配管部42が処理チャンバ20に設けられた1つの第一排気口26に接続されていてもよい。ただし、処理チャンバ20に複数の第一排気口26が設けられ、これらに第一配管部42が分岐して接続されていてもよい。他の排気口(第二排気口27および共有排気口28)についても、同様である。
また、第1実施形態に係る基板処理装置1において、排気ポンプ30による排気量を制御することによって、低速排気である第一排気工程または高速排気である第二排気工程がおこなわれてもよい。この場合、例えば、排気ポンプ30が制御部50によってインバータ制御することが考えられる。真空計46の測定結果に基づいて、制御部50が、排気ポンプ30を制御することによって、処理チャンバ20における圧力変化を、目標の圧力変化に近づくよう、排気ポンプ30の排気量を変更させる。なお、低速排気の場合には、第二調整弁45を閉じて、第一調整弁44のみを開放することによって、第一流路部が使われるようにすればよい。また、高速排気の場合には、第二調整弁45を閉じて、第一調整弁44を開放する、もしくは、第二調整弁45および第一調整弁44を開放して、少なくとも第二流路部が使用されるようにすればよい。排気ポンプ30の排気量を制御する場合、第一調整弁44および第二調整弁45を制御しなくても構わない。
また、図3に示される減圧乾燥処理においては、圧力維持工程の後に大気開放工程が実行されているが、圧力維持工程の後に、再度、第二排気工程が実行されてもよい。また、第一排気工程と第二排気工程とが交互に1回ずつ行われているが、これらの工程が、複数回交互に実行されてもよい。さらに、第一排気工程の後に第二排気工程が行われているが、第二排気工程が行われた後に第一排気工程が行われてもよい。また、圧力維持工程は必ずしも必須ではなく、適宜省略可能である。
上記実施形態では、基板処理装置の処理対象が液晶表示装置用のガラス基板である場合を説明した。しかしながら、処理対象となる基板は、半導体ウェハ、プラズマディスプレイ用ガラス基板、磁気・光ディスク用のガラスまたはセラミック基板、有機EL用ガラス基板、太陽電池用ガラス基板またはシリコン基板、その他フレキシブル基板およびプリント基板などの電子機器向けの各種被処理基板であってもよい。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
100 基板処理システム
1,1A,1B,1C,1D 基板処理装置
20 処理チャンバ
24 支持ピン
30 排気ポンプ(排気部)
31 第一排気ポンプ(排気部)
32 第二排気ポンプ(排気部)
40,40A,40B,40C,40D 配管部
41、41A,41B,41C 共有配管部
42、42A,42B,42C 第一配管部(第一流路部)
43,43A,43B 第二配管部(第二流路部)
44,44A 第一調整弁(流量調整部)
45 第二調整弁(流量調整部)
46 真空計(圧力検出部)
50 制御部(流量調整部)
60,960 目標の圧力変化グラフ
61,961,962 圧力変化グラフ
90 基板
P1 第一目標圧
P2 第二目標圧
Te1 低速排気の期間
Te2 高速排気の期間

Claims (7)

  1. 処理液が付着した基板を減圧乾燥する基板処理装置であって、
    基板を収容する処理チャンバと、
    前記処理チャンバ内の雰囲気を排気する排気部と、
    前記処理チャンバから前記排気部までの前記雰囲気の第一流路を形成する第一流路部と、
    前記処理チャンバから前記排気部までの前記雰囲気の第二流路を形成しており、少なくとも前記第二流路の一部は前記第一流路とは異なっている第二流路部と、
    前記処理チャンバ内の圧力を検出する圧力検出部と、
    前記圧力検出部が検出した前記処理チャンバ内の圧力に基づいて、前記第一流路内および前記第二流路内の前記雰囲気の流量を調整する流量調整部と、
    を備え、
    前記第二流路における前記雰囲気の最大流量は、前記第一流路における前記雰囲気の最大流量よりも大きい、基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記流量調整部が、
    前記第一流路部の開度を調整する第一調整弁と、
    前記第二流路部の開度を調整する第二調整弁と、
    前記第一調整弁及び前記第二調整弁を制御する制御部と、
    を備える、基板処理装置。
  3. 請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記第一調整弁の開度調整幅が、前記第二調整弁の開度調整幅よりも小さい、基板処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の基板処理装置であって、
    前記第二流路部の配管径が、前記第一流路部の配管径よりも大きい、基板処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の基板処理装置であって、
    前記排気部は、
    前記第一流路部を通じて前記雰囲気を排気する第一排気部と、
    前記第二流路部を通じて前記雰囲気を排気する第二排気部と、
    を含み、
    前記第二排気部の単位時間あたりの排気量が、前記第一排気部の単位時間あたりの排気量よりも大きい、基板処理装置。
  6. 請求項2または3に記載の基板処理装置であって、
    前記制御部は、
    前記第一調整弁を制御することによって、前記処理チャンバ内の圧力を第一目標圧に向けて低下させた後、前記第二調整弁を制御することによって、前記処理チャンバ内の圧力を前記第一目標圧よりも低い第二目標圧に向けて低下させる、基板処理装置。
  7. 処理液が付着した基板を減圧乾燥する基板処理方法であって、
    (a)処理チャンバ内に基板を支持する支持工程と、
    (b)前記処理チャンバ内の雰囲気を、前記処理チャンバおよび排気部を繋ぐ第一流路を通じて排気する第一排気工程と、
    (c)前記処理チャンバ内の雰囲気を、前記処理チャンバおよび排気部を繋ぐ流路であって、少なくともその一部の流路が、前記第一流路とは異なっている第二流路を通じて排気する第二排気工程と、
    を含み、
    前記第一排気工程は、
    (b−1) 前記処理チャンバ内の圧力に基づいて、前記第一流路内における前記雰囲気の流量を調整する第一調整工程を含み、
    前記第二排気工程は、
    (c−1) 前記処理チャンバ内の圧力に基づいて、前記第二流路内における前記雰囲気の流量を調整する第二調整工程を含み、
    前記第二流路における前記雰囲気の最大流量が、前記第一流路における前記雰囲気の最大流量よりも大きい、基板処理方法。
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