JP2015183802A - 制震装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建物のフレーム内でフレーム面と平行となる鋼板11,12と、各鋼板11,12間に接着される粘弾性体13と、を備え、各鋼板11,12を、フレームを形成する一方の横架材1A側と他方の横架材1B側とに交互に連結してなる制震装置10において、中鋼板11と横架材1A側との連結部分に、最外に位置する外鋼板12,12の外側に位置して当該鋼板12,12の外側への移動を規制する外側変形防止板18と、鋼板11,12の間に位置して外鋼板12の内側への移動を規制する内側変形防止部17とをそれぞれ設けた。
【選択図】図2
Description
特許文献2の制震装置においては、座屈防止板の採用によって長孔を設ける必要がなくなるが、専ら外側(フレームの厚み方向中心から離れる側)への変形を防止できるにとどまり、内側(フレームの厚み方向中心に近づく側)への変形防止には至らない。
なお、本発明でいう「外側」とは、フレーム面との直交方向でフレーム中心から離れる側を指し、「内側」とは、フレーム面との直交方向でフレーム中心に近づく側を指す。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、連結部分に、横架材側と鋼板とを連結する連結部材を設けて、連結部材に外側変形防止板と内側変形防止板とをそれぞれ設けたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2の構成において、連結部材は、横架材側と一体に設けられることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3の構成において、連結部材は、内側変形防止板と兼用されることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、外側変形防止板は、水平方向へ断続的に複数設けられることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、連結部材に内側変形防止板と外側変形防止板とをそれぞれ設けたことで、連結部材の取付と同時に内側変形防止板と外側変形防止板とによる移動規制がなされ、施工が容易となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加えて、連結部材を横架材側と一体に設けたことで、連結部材自体の取付作業が不要となり、施工手順が削減できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3の効果に加えて、連結部材を内側変形防止板と兼用したことで、部品点数が少なくなってコスト削減に繋がり、重量アップも抑えられる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、外側変形防止板を水平方向へ断続的に複数設けたことで、最小限の構成で外側変形防止が可能となり、ここでも重量アップを抑えることができる。
[形態1]
図1は、制震装置の一例を示す説明図、図2はその拡大図で、制震装置10は、鉄骨構造の左右の柱(図示略)の間に架設される梁等の上下の横架材1A,1Bの間、すなわちフレーム内に配置される。ここでは上側の横架材1Aの下面に、正面視縦長長方形の上取付板2が固定され、上取付板2の下端に、水平方向の横板部3aとその中央に位置する鉛直方向の縦板部3bとからなるT字状の上受け板3が固定されている。一方、下側の横架材1Bの上面には、正面視縦長長方形の下取付板4が固定され、下取付板4の上端に、水平方向の横板部5aとその中央に位置する鉛直方向の縦板部5bとからなる逆T字状の下受け板5が固定されている。この上下受け板3,5の間に制震装置10が設けられている。
また、各連結部材14の下端は、外鋼板12の上端を超えて下方へ突出し、取付状態で中鋼板11と外鋼板12との間に差し込まれる内側変形防止部17となっている。すなわち、連結部材14が内側変形防止板を兼用するものである。
一方、下側の連結部分において、外鋼板12,12の下部は、下受け板5の縦板部5bを挟んで、左右方向に並べた4つのボルト19及びナット20によって固定されている。この縦板部5bは、中鋼板11と2層の粘弾性体13,13とを合わせた厚みとなっている。この固定状態で、中鋼板11の下端は縦板部5bには接触しない。
また、連結部材14は、内側変形防止部17を備えて内側変形防止板と兼用されているので、部品点数が少なくなってコスト削減に繋がり、重量アップも抑えられる。
さらに、外側変形防止板18は、水平方向へ断続的に複数設けられることで、最小限の構成で移動規制が可能となり、ここでも重量アップを抑えることができる。
また、外側変形防止板は、数の増減は勿論、水平方向に繋がる一枚板で形成することもできる。
さらに、連結部材の下端を断続的に切り起こし形成して、内側を内側変形防止部、外側を外側変形防止部として使用することも可能である。
[形態2]
図4に示す制震装置10Aにおいては、上受け板3の縦板部が省略されて、図5に示すように、横板部3aの下面に連結部材14,14が、中鋼板11の厚みと同じ間隔をおいて直接連結されている。従って、ここでの連結部材14は形態1のものよりも上端が長くなっている。他は形態1と同じである。
さらに、連結部材14は、内側変形防止部17を備えて内側変形防止板と兼用されているので、部品点数が少なくなってコスト削減に繋がり、重量アップも抑えられる。
そして、外側変形防止板18は、水平方向へ断続的に複数設けられることで、最小限の構成で移動規制が可能となり、ここでも重量アップを抑えることができる。
また、外側変形防止板は、数の増減は勿論、水平方向に繋がる一枚板で形成することもできる。
さらに、連結部材の下端を断続的に切り起こし形成して、内側を内側変形防止部、外側を外側変形防止部として使用することも可能である。
図6に示す制震装置10Bにおいては、図7(A)にも示すように上受け板3の横板部3aに連結部材14,14が直接連結されるのは形態2と同じであるが、ここでは外側変形防止板21,21が連結部材14,14と別体となって、図7(B)にも示すように、連結部材14の外側に重なる重合部21aと、重合部21aの下端から外側へ膨出してから下降する垂下部21bとを折曲形成した横長長方形の一枚板となっている。21c,21c・・は重合部21aに設けたボルト15の貫通孔で、各重合部21aが上側のボルト15及びナット16によって各連結部材14と連結されることで、各垂下部21bの下端が外鋼板12,12の外側に近接するものである。
また、連結部材14は、内側変形防止部17を備えて内側変形防止板と兼用されているので、部品点数が少なくなってコスト削減に繋がり、重量アップも抑えられる。
また、ここでも内側変形防止部は櫛歯状として水平方向へ断続的に形成することもできる。
さらに、外側変形防止板は、一枚板とせず、形態1,2のように複数の小幅の外側変形防止板を水平方向へ断続的に連結部材へ連結することもできる。
図8に示す制震装置10Cにおいては、外鋼板12,12の外側にさらに最外鋼板22,22が配置されて5枚の鋼板11,12,22間に4層の粘弾性体13,13・・が積層される構造となっている。最外鋼板22,22は、上端を外鋼板12,12よりも上方へ突出させて、外鋼板12,12よりも上方位置でボルト15及びナット16によって中鋼板11及び連結部材14,14と連結されているが、連結部材14と最外鋼板22との間には、各ボルト15が貫通するリング状のスペーサ23が介在されて、連結部材14と最外鋼板22との間隔が保持されている。このボルト15、ナット16及びスペーサ23を用いた連結によって最外鋼板22の内外への移動は規制される。中鋼板11と外鋼板12との間に連結部材14の内側変形防止部17が差し込まれるのは他の形態と同じである。
一方、制震装置10Cの下側において、外鋼板12と最外鋼板22との間には、内側変形防止板24が位置しているため、最外鋼板22の内側への移動は規制される。また、最外鋼板22の外側には、外側変形防止板25が位置しているため、最外鋼板22の外側への移動は規制されることになる。
また、鋼板の数は上記形態に限らず、3枚以上であれば偶数枚であっても本発明は適用可能である。よって、内側変形防止板を複数設けて、最外の鋼板の移動規制に加えてその内側の鋼板の移動規制も行うようにしてもよい。
その他、フレームの構造も、上下受け板をなくして上下取付板に制震装置を直接又は連結部材を介して間接的に設置する構造とする等、適宜設計変更可能である。
Claims (5)
- 建物のフレーム内でフレーム面と平行となる3枚以上の鋼板と、各前記鋼板間に接着される粘弾性体と、を備え、各前記鋼板を、前記フレームを形成する一方の横架材側と他方の横架材側とに交互に連結してなる制震装置であって、
前記鋼板と前記横架材側との上下の連結部分の少なくとも一方に、最外に位置する前記鋼板の外側に位置して当該鋼板の外側への移動を規制する外側変形防止板と、前記鋼板の間に位置してその外側の前記鋼板の内側への移動を規制する内側変形防止板とをそれぞれ設けたことを特徴とする制震装置。 - 前記連結部分に、前記横架材側と前記鋼板とを連結する連結部材を設けて、前記連結部材に前記外側変形防止板と前記内側変形防止板とをそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1に記載の制震装置。
- 前記連結部材は、前記横架材側と一体に設けられることを特徴とする請求項2に記載の制震装置。
- 前記連結部材は、前記内側変形防止板と兼用されることを特徴とする請求項2又は3に記載の制震装置。
- 前記外側変形防止板は、水平方向へ断続的に複数設けられることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の制震装置。
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