JP2015183307A - ポリビニルアルコール系繊維 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)前記筋状の凹部の平均深さが0.05〜2μmであること
(2)前記筋状の凹部の開口部の平均幅が0.1〜4μmであること
(3)前記筋状の凹部の存在比が5%以上存在であること
(4)破断強度が8cN/dtex以上であること
凹部の平均深さは後述の方法で求めることができる。
凹部の開口部の平均幅は後述の方法で求めることができる。
凹部の存在比は後述の方法で求めることができる。
結晶化度、配向度は後述の方法で求めることができる。
断面充実度(%)=(S1/S2)×100
平均断面充実度は、より具体的には、後述の方法で求めることができる。
本願発明において、繊維表面に繊維の長さ方向に平行な筋状の凹部を有するPVA系繊維を得るためには、繊維の固化の制御が重要である。表面に筋状の凹部を形成する方法としては、まず固化初期に繊維表面に薄いスキン層を形成し、次いでゆっくり体積収縮を起こさせ、表面の薄いスキン層の周長が体積収縮後の周長よりも実質的に長い状態が作られれば、表面スキン層が折りたたまれ、結果として繊維表面に凹部が形成されることとなる。例えば、紡糸原液濃度を薄くすることによって繊維の外周部と内部で固化に要する時間の差を大きくするような紡糸条件を設定する等の方法が可能であるが、紡糸原液を固化させるための固化浴の濃度を調整する方法がより好ましく選択される。
ゆっくり固化させる方法としては、紡糸筒内に固化性を下げる溶媒を流入させる方法や、固化性の高い固化浴中でスキン層を形成後に離浴し、次に固化性の低い固化浴中でゆっくりと固化させる方法などが挙げられる。紡糸原液の濃度は低い方が好ましく、更には、離浴速度も遅い方が好ましい。
紡糸原液が水溶液の場合には、芒硝水溶液からなる固化浴を用いる。また硼酸を添加した原液については、苛性ソーダと芒硝の混合水溶液を用いる。この場合、固化は脱水によるものなので、芒硝濃度が高いほど、固化性は高くなる。固化性の高い固化浴の芒硝濃度としては200〜400g/Lであることが好ましく、210〜390g/Lであることがより好ましく、220g/L〜380g/Lであることが更に好ましい。
有機溶媒を用いた原液の場合は、固化溶媒と原液溶媒からなる混合液が好ましく、そしてその固化溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などのPVAに対して固化能を有する有機溶媒が好ましい。この場合、固化浴中の固化溶媒の比率が高いほど、固化性は高くなる。固化性の高い固化浴の固化溶媒の比率としては50%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、60%以上であることが更に好ましい。
また用途に応じて、例えばパルプなどの天然繊維、他のPVA系繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、炭素繊維、PPS繊維、PBO繊維などの合成繊維などの他の繊維と併用することもできる。
JIS L1013に準拠して測定した。
繊維の結晶化度の測定は、Perkin Elmer社製Pyris−1型示差走査型熱量計を用いて、試料の融解エンタルピーを測定した。測定条件は、昇温速度80℃/分で行い、以下の式より重量結晶化度を算出した。なお、標準物質として、インジウムおよび鉛を用いて、融点、融解熱の補正を行った。
Xc(%)=ΔHobs/ΔHcal×100
ΔHobs:実測融解熱(J/g)
ΔHcal:完全結晶の融解熱(174.5J/g)
株式会社オリエンテック製パルス式直読粘弾性測定器DDV―5―B型を用い、繊維サンプルの繊維軸に沿った10KHzの音波の速度Cを測定し、ポリビニルアルコールのキャストフィルムから得られた無配向試料の音速Cu(2.20km/sec)と比較してMoselayの式(配向度=1―Cu2/C2)により配向度を算出した。
繊維断面画像を走査型電子顕微鏡にて撮影し、画像解析ソフトでこの断面の外周に見られる凹部に対して外接するように接線を引き、その接線の長さを見かけ凹部幅W1とした。また、凹部の最底部から前記接線へ垂線を引き、この垂線長をその凹部の見かけ深さL1とした。この操作を各凹部ごとに行った後、幅・深さ各々について全凹部を加算し(ΣW、ΣL)、抽出した凹部の個数nで除することで全凹部の平均幅W、平均深さLを算出した。また、ΣWを、接線と実繊維周で囲まれた略多角形の周長Cで除して繊維表面における凹部の存在比率を算出した。
平均幅W[μm]=ΣW[μm]/n[個]
平均深さL[μm]=ΣL[μm]/n[個]
存在比率[%]=ΣW[μm]/C[μm]×100
走査型電子顕微鏡にて繊維の断面形状を測定し、繊維の断面積をS1、図3に示すとおり、その繊維を取り囲む最小の真円の面積をS2とし、任意の断面10箇所について、以下の式により断面充実度を算出し、その平均値を求めた。
断面充実度(%)=(S1/S2)×100
(1)配合
繊維:2wt%
パルプ(セロファイバー、パルテック株):3wt%
セメント(普通ポルトランドセメント):95wt%
(2)作成
必要量の繊維、パルプ、セメント、水を加えてTAPPI離解機にて分散後、綿布上に流し込んで抄造。得られた抄造シートを型枠に10枚積層し、プレス機にて75kg/cm2の圧力で加圧脱水し、タテ20cmxヨコ25cm、厚さ0.4cmの成形板にする。これを50℃湿空下24hr養生後、20℃湿空下14日養生して得た。
JIS A1408に準拠し、幅2.5cm、長さ8cm、厚さ0.4cmに切り出した試験片をスパン5cmで曲げ試験を行い、MOR(Modulus of Rapture)における曲げ強度および曲げたわみで示した。尚、曲げ強度は応力ひずみ曲線の最大応力を示し、曲げたわみは最大応力時のひずみ量を示す。
曲げ強度は次の式から嵩密度1.7に規格化した補正強度を示した。
補正曲げ強度=測定曲げ強度×(1.7/嵩比重)2
原液濃度を18%、離浴速度を8m/分とする以外は実施例2と全く同様にして繊維およびセメント成形物を得た。得られた繊維の物性を表1に、成形物の物性を表2に示す。皺がないため、繊維強度は高いにも関わらず、成形物の曲げ強度は低いものであった。
実施例1において、全延伸倍率が6倍である以外は実施例2と全く同様にして繊維およびセメント成形物を得た。得られた繊維の物性を表1に、成形物の物性を表2に示す。所定の皺は得られているが、繊維強度が低いため、成形物の曲げ強度は低く、曲げたわみも低いものであった。
モンモリロナイトの添加量を0.3質量%とする以外は実施例5と全く同様にして繊維およびセメント成形物を得た。得られた繊維の物性を表1に、成形物の物性を表2に示す。
凹凸が僅かであるため、繊維強度は高いにも関わらず、成形物の曲げ強度は低いものであった。
2 繊維断面模式図(断面積:S1)
3 繊維断面を取り囲む最小の真円(面積:S2)
Claims (6)
- 繊維表面に繊維の長さ方向に沿って筋状の凹部を有し、下記(1)〜(4)をともに満足するポリビニルアルコール系繊維。
(1)前記筋状の凹部の平均深さが0.05〜2μmであること
(2)前記筋状の凹部の開口部の平均幅が0.1〜4μmであること
(3)前記筋状の凹部の存在比が5%以上であること
(4)破断強度が8cN/dtex以上であること - 結晶化度が40%以上、配向度が60%以上である請求項1に記載のポリビニルアルコール系繊維。
- ポリビニルアルコール系紡糸原液を固化性の高い固化浴で固化させる工程と、その後、固化性の低い固化浴で固化させる工程を含む湿式紡糸方法によって得られる請求項1または2に記載のポリビニルアルコール系繊維。
- アスペクト比が2以上の化合物を含有している請求項1〜3のいずれかに記載のポリビニルアルコール系繊維。
- ポリビニルアルコール系紡糸原液を、固化性の高い固化浴で固化させる工程と、その後、固化性の低い固化浴で固化させる工程を含む、繊維表面に繊維の長さ方向に沿って筋状の凹部を有し、下記(1)〜(4)をともに満足する、ポリビニルアルコール系繊維の製造方法。
(1)前記筋状の凹部の平均深さが0.05〜2μmであること
(2)前記筋状の凹部の開口部の平均幅が0.1〜4μmであること
(3)前記筋状の凹部の存在比が5%以上であること
(4)破断強度が8cN/dtex以上であること - アスペクト比が2以上の化合物を紡糸原液中に含む、請求項5に記載のポリビニルアルコール系繊維の製造方法。
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JP2014059654A JP6375125B2 (ja) | 2014-03-24 | 2014-03-24 | ポリビニルアルコール系繊維 |
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JP (1) | JP6375125B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113185222A (zh) * | 2021-04-23 | 2021-07-30 | 任义 | 一种建筑加固用混凝土及其制备方法与应用 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04136213A (ja) * | 1990-04-11 | 1992-05-11 | Kuraray Co Ltd | 微細な凹凸を有する高強力ポリビニルアルコール系合成繊維 |
JPH11100716A (ja) * | 1997-09-22 | 1999-04-13 | Kuraray Co Ltd | 高強力太径繊維とその製造方法 |
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2014
- 2014-03-24 JP JP2014059654A patent/JP6375125B2/ja active Active
Patent Citations (2)
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CN113185222A (zh) * | 2021-04-23 | 2021-07-30 | 任义 | 一种建筑加固用混凝土及其制备方法与应用 |
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