JP2015183238A - 皮膜形成装置、皮膜形成方法、及び皮膜付筒部材 - Google Patents

皮膜形成装置、皮膜形成方法、及び皮膜付筒部材 Download PDF

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Abstract

【課題】処理空間内で、プラズマを用いて一方向に延在した処理対象部材の表面に皮膜を形成するとき、ドロップレットが少ない皮膜を形成する。【解決手段】皮膜を形成するとき、形成しようとする皮膜の皮膜成分を含んだ固体の原料ターゲット材にレーザ光を照射することにより、処理空間に皮膜成分の粒子を放出させる。さらに、前記処理空間内でプラズマ生成素子を用いてプラズマを生成することにより、前記処理空間内の前記皮膜成分の粒子の一部をイオン化する。この後、前記処理対象部材にパルス電圧を印加させることにより、前記処理対象部材にイオン化した前記粒子を引き付けさせて前記処理対象部材に皮膜を形成する。さらに、前記原料ターゲット材を前記処理対象部材の延在方向に移動して、前記延在方向の異なる位置で、前記原料ターゲット材へのレーザ光の照射、前記プラズマを生成、及びイオン化した前記粒子の注入を繰り返す。【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマを用いて一方向に延在する処理対象部材に皮膜を形成する皮膜形成装置、皮膜形成方法、及び皮膜付筒部材に関する。
3次元の立体形状の部材に皮膜を形成するために、レーザアブレーション法を用いる技術が知られている。レーザアブレーション法は、照射強度の高いレーザ光をターゲット材料に照射した場合、この表面から、中性原子、分子、正負のイオン、ラジカル、クラスター等の粒子からなるプラズマプルームを空間中に発生させ、このプラズマプルームを基板に堆積させる方法である。この方法により、低真空の雰囲気下での高速な成膜が可能である。
例えば、筒形状の部材の内壁面に皮膜を形成するための方法として、レーザアブレーション法とレーザ蒸着法とを組み合わせた技術が知られている(非特許文献1)。この技術によれば、レーザアブレーションによるレーザ光と、レーザ蒸着法によるパルスレーザ光を組み合わせることで、皮膜のミクロ構造を自在に調整することができ、皮膜形成速度を向上させることができるとされている。
P.Gawlitza et al.,"Tailered internal coating of components by PLD and pulsed laser evaporation", Appl.Phys.A79,1043-1046(2004)
しかし、上記技術ではレーザアブレーション法を用いて皮膜を形成するので、形成された皮膜には、数ミクロンのサイズのドロップレットと呼ばれる粒子状の塊が皮膜中に取り込まれ、皮膜の緻密さを低下させていた。このドロップレットは、ターゲット材料の表面がレーザ光の照射により溶融し、この溶融した表面の突沸ならびにレーザ光の光圧により、溶融状態の表面が粒状に噴出したものが基板上で粒子として固まったものをいう。
そこで、本発明は、処理対象部材に皮膜を形成するとき、ドロップレットが少ない皮膜を形成することができる皮膜形成装置及び皮膜形成方法を提供するとともに、ドロップレットが少なく、筒形状の部材の内壁面に筒形状の延在方向の位置によって異なる特性を持たせることができる皮膜付筒部材を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、処理空間内で、プラズマを用いて一方向に延在した処理対象部材の表面に皮膜を形成する皮膜形成方法である。当該皮膜形成方法は、
(a)形成しようとする皮膜の皮膜成分を含んだ固体の原料ターゲット材にレーザ光を照射することにより、処理空間に前記皮膜成分の粒子を放出させるステップと、
(b)前記処理空間内でプラズマ生成素子を用いてプラズマを生成することにより、前記処理空間内の前記皮膜成分の粒子の一部をイオン化するステップと、
(c)前記処理対象部材にパルス電圧を印加させることにより、前記処理対象部材にイオン化した前記粒子を引き寄せて前記処理対象部材に皮膜を形成するステップと、
(d)前記原料ターゲット材を前記処理対象部材の延在方向に移動して、前記延在方向の異なる位置で、前記(a),(b)及び(c)のステップを繰り返すステップと、を有する。
このとき、前記処理対象部材は筒形状を成し、前記皮膜は、前記筒形状の内壁面に形成され、前記原料ターゲット材は、前記筒形状の内部に前記内壁面に沿うように環状に設けられる。前記原料ターゲット材にレーザ光を照射するとき、前記レーザ光の前記原料ターゲット材への照射位置は、前記原料ターゲット材の表面で前記内壁面に沿って環状に一周することが好ましい。
前記プラズマ生成素子は、前記処理対象部材の延在方向に移動可能に設けられ、前記処理対象部材の前記延在方向の一部の周りの領域にプラズマを形成し、
前記プラズマ生成素子は、前記原料ターゲット材の前記延在方向への移動に合わせて移動して、前記プラズマの形成する領域を前記延在方向の異なる位置に変える、事が好ましい。
また、前記処理対象部材は筒形状を成し、前記プラズマ生成素子は、モノポールアンテナ素子であり、前記モノポールアンテナ素子は、前記筒形状の中心軸上に設けられる、ことが好ましい。
前記処理空間を囲む処置容器には、前記モノポールアンテナ素子の周囲を覆う誘電体管が前記処理空間の内部と外部を分けるように固定されており、前記処理空間の外部で前記モノポールアンテナ素子は移動する、ことが好ましい。
本発明の他の一態様は、プラズマを用いて一方向に延在した処理対象部材の表面に皮膜を形成する皮膜形成装置である。当該皮膜形成装置は、
処理対象部材を配置した処理空間を囲む処理容器と、
前記処理容器内にレーザ光を照射するレーザ光源部と、
前記処理容器内に設けられ、前記レーザ光の照射を受けることにより処理空間に皮膜成分の粒子を放出する固体の原料ターゲット材と、
前記処理容器の外面上に設けられ、電力の供給を受けることにより、前記皮膜成分の粒子の一部をイオン化するプラズマを前記処理空間内に生成するプラズマ生成素子と、
前記処理対象部材の表面にイオン化した前記粒子を引き寄せて皮膜を形成するために、前記処理対象部材にパルス電圧を印加するパルス電圧供給部と、
前記原料ターゲット材を前記処理対象部材の延在方向に移動する移動機構と、を有する。
このとき、前記処理対象部材は筒形状を成し、前記皮膜は、前記筒形状の内壁面に形成され、前記原料ターゲット材は、前記筒形状の内部に前記内壁面に沿うように環状に設けられる。前記原料ターゲット材にレーザ光を照射するとき、前記レーザ光の前記原料ターゲット材上の照射位置を、前記原料ターゲット材の表面で前記内壁面に沿って環状に一周させるレーザ光軸調整機構をさらに有する、ことが好ましい。
前記皮膜形成装置は、さらに、
前記プラズマ生成素子を前記延在方向に移動させる移動機構と、
前記レーサ光の前記原料ターゲット材への照射のタイミングと、前記プラズマ生成素子への電力の供給のタイミングと、前記パルス電源による前記パルス電圧の付与のタイミングと、前記移動機構による前記原料ターゲット材の移動と、を制御する制御部と、を有する、ことが好ましい。
また、前記プラズマ生成素子は、前記処理空間の外部に設けられる、ことが好ましい。
前記処理対象部材は筒形状の部材であり、前記プラズマ生成素子は、モノポールアンテナ素子であり、前記モノポールアンテナ素子は、前記筒形状の中心軸上に設けられる、ことが好ましい。
前記モノポールアンテナ素子の周囲を覆う誘電体管が前記処理空間の内部と外部を分けるように前記処理容器に固定されている、ことが好ましい。
本発明のさらに他の一態様は、一方向に延在した筒形状の内壁面に皮膜が形成された皮膜付筒部材である。当該皮膜付筒部材において、前記筒形状の延在方向の同じ位置において、前記内壁面の周上の前記皮膜の組成は一定であり、前記皮膜の組成は、前記延在方向の位置に応じて変化している。
上述の皮膜形成装置及び皮膜形成方法によれば、ドロップレットが少ない皮膜を形成することができる。また、皮膜形成方法によってつくられる皮膜付筒部材は、ドロップレットが少なく、筒形状の延在方向の位置によって異なる特性を持たせることができる。
本実施形態の皮膜形成装置の概略の装置構成を説明する図である。 本実施形態の皮膜形成装置におけるプラズマの局部的形成を説明する図である。 本実施形態の皮膜形成装置におけるレーザ光の照射位置の動きを説明する図である。
以下、本発明の皮膜形成装置、皮膜形成方法、及び皮膜付筒部材について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である皮膜形成装置10の概略の装置構成を説明する図である。図2は、本実施形態の皮膜形成装置におけるプラズマの局部的形成を説明する図である。
図1に示す皮膜形成装置10は、プラズマを用いて処理対象部材11に皮膜を形成する装置である。
皮膜形成装置10は、処理容器12と、モノポールアンテナ素子であるプラズマ生成素子14と、高周波電源16と、パルス電源18と、制御部20と、クロック信号発生器22と、レーザ光源40と、を主に備える。
処理容器12は、アルミニウム等の材質で形成され、処理対象部材11を配置した処理空間を囲む。処理容器12の一方の側壁には、プラズマの生成用ガスとなる皮膜形成用の原料ガスやプラズマ生成用のアルゴンガス等のガスを導入する導入口23が設けられ、さらに、処理容器12の他方の側壁(前記一方の側壁に対向する側壁)には排気口25が設けられている。導入口23は、図示されないガス源と接続され、排気口25は図示されない排気装置と接続されている。処理空間は、概略10−4Paの減圧状態に維持できるように処理容器12は構成されている。処理容器12が囲む処理空間には、処理対象部材11が配置されている。処理対象部材11は、一方向に延在した筒形状の部材である。本実施形態では、この筒形状の部材の内壁面に皮膜を形成する。
本実施形態は、処理対象部材11の内壁面に例えばダイヤモンドライクカーボンの皮膜や窒化チタン,窒化クロムの皮膜を形成する。ダイヤモンドライクカーボンの皮膜を形成する場合、原料ガスは、炭素成分を含んだガス、例えばアセチレンガス、メタンガスを含む。また、原料ガスは必要に応じて水素を含む。窒化チタンの皮膜を形成する場合、原料ガスは、窒素ガスを含み、また、アンモニアガスや水素ガスを必要に応じて含む。
処理容器12の側壁には、処理容器12の処理空間の真ん中に向かって延びる誘電体管26が設けられており、誘電体管26内にプラズマ生成素子14が配されている。すなわち、誘電体管26は、プラズマ生成素子14の周囲を覆い、処理空間の内部と外部を分けるように処理容器12に固定されている。誘電体管26の管内は、処理空間の外部である。これにより、プラズマ生成素子14は、処理空間の外部に設けられる。誘電体管26は、石英あるいは酸化アルミニウムからなる管である。形成する皮膜に酸素が含まれないことが望ましい場合には、後述するプラズマPによる誘電体管26のスパッタリングによって酸素が皮膜に含まれることを抑制する点から、誘電体管26として酸化アルミニウムからなる管もしくは表面に酸化アルミニウムを溶射した石英管が好適に用いられる。
プラズマ生成素子14は、具体的には、処理容器12内の処理対象部材11の延在方向に移動可能に設けられ、処理対象部材11に薄膜を形成するために、処理空間内の、処理対象部材11の延在方向の一部分の周りの局部領域に、電力の供給を受けてプラズマを形成する。プラズマ生成素子14は、処理対象部材11の筒形状の中心軸上に設けられることが、皮膜を筒形状の内壁面の周上に一様に形成することができる点で好ましい。
プラズマ生成素子14は、処理容器12の外側に設けられたインピーダンス整合器28と接続されている。インピーダンス整合器28は、キャパシタやインダクタ等のインピーダンス調整用素子を含み、プラズマ生成素子14のインピーダンスとマッチングするようにキャパシタンスやインダクタンスを自動調整する。
プラズマ生成素子14は、インピーダンス整合器28を介して高周波電源16から給電を受ける。高周波電源16は、高周波発振器32とアンプ34とを含む。高周波発振器32は、後述する制御部20からの制御によって所定の周波数の高周波(例えば1〜100MHz)電力を発振する。アンプ34は、高周波を例えば100〜3000Wの電力となるように増幅する。
制御部20は、レーザ光源40による原料ターゲット材へのレーザ光の照射のタイミングと、高周波電源16によるプラズマ生成素子14への電力の供給のタイミングと、パルス電源18による処理対象部材11へのパルス電圧の付与のタイミングと、後述する移動台(移動機構)30による原料ターゲット材50及びプラズマ生成素子14の移動と、を制御する。制御部20は、クロック信号発生器22から供給されるクロック信号に基づいて、上記レーサ光の照射のタイミングと、上記電力の供給のタイミングと、パルス電圧の付与のタイミングと、原料ターゲット材50及びプラズマ生成素子14の移動と、を制御する。クロック信号は例えば0.01〜1kHzの周波数であり、この周波数の周期ごとに、パルス電圧が処理対象部材11に印加される。
パルス電源18は、制御部20の制御に応じて、すなわち、クロック信号に同期して0.5〜4kVのパルスを処理対象部材11に付与する。これにより、処理対象部材11の筒形状の内壁面に形成された薄膜に、処理空間内にプラズマ生成素子14によって作られたプラズマ中のイオン(イオン化した粒子)を引き寄せて注入させることができる。
処理対象部材11は、載置台36から突設した突起38上に支持される一方、パルス電源18から延びる電線と接続されている。処理対象部材11の筒形状の中心軸上にプラズマ生成素子14が位置するように構成されている。
ここで、プラズマ生成素子14は、インピーダンス整合器28に固定されている。インピーダンス整合器28は、移動台(移動機構)30に固定されている。移動台30は、図示されないレール等に載せられて、処理容器12に対して近づく方向、遠ざかる方向に自在に移動することができる。したがって、移動台30の移動によって、インピーダンス整合器28及びこれに接続したプラズマ生成素子14は、移動可能になっている。特に、プラズマ生成素子14は、この移動により、誘電体管26内の管内部に挿入される長さを自在に変え、誘電体管26内を移動する。これにより、プラズマ生成素子14の先端は、処理対象部材11の一方の端から他方の端まで移動することができる。移動台30の移動は、制御部20からの制御信号によって制御される。
プラズマ生成素子14は、基本的には、処理空間内でプラズマを生成するとき、プラズマ生成素子14の長さ及び誘電体管26の比誘電率に応じて定まる周波数でプラズマ生成素子14を共振させてプラズマ生成素子14の先端に大きな電圧を発生させる。この電圧によって処理空間内でプラズマを形成することができる。したがって、図2に示すように、プラズマ生成素子14の先端近傍付近の処理空間内に密度の高いプラズマPが形成される。図2は、プラズマPの局部的形成を説明する図である。このように、プラズマ生成素子14を用いたときに形成される密度の高いプラズマPは、局部領域に形成される。このため、本実施形態では、局部領域に形成される密度の高いプラズマPを処理対象部材11の延在方向の各位置で発生するように、プラズマ生成素子14を処理対象部材11の延在方向に沿って移動する。そして、プラズマPを用いて形成された薄膜に、プラズマPによって形成されたイオンを注入することによりダイヤモンドライクカーボンの皮膜を形成する。
プラズマ生成素子14は、誘電体管26内に配されているので、プラズマPによって損傷を受けることはない。また、プラズマ生成素子14を被覆するように誘電体管26を設けることにより、放射する電波エネルギーを効率よく周囲に放出することが可能となる。
処理容器12の、誘電体管26の突出先端側の壁(図1中の左側の壁)には、透明部材からなる窓48が設けられている。この窓48を通して、レーザ光源40から出射したレーザ光Lが処理空間内に導入される。処理空間内の、筒形状の処理対象部材11の内部には、原料ターゲット材50が処理対象部材11の内壁面に沿うように環状に設けられている。この原料ターゲット材50の表面に、処理空間内に導入されたレーザ光Lがレンズ46を通して集束する。
レーザ光源40は、図示されないレーザ光源本体と図示されない光源制御部とを有する。レーザ光源部40から出射したレーザ光Lは、ミラー42,44で反射して処理容器12に設けられた窓48を介して処理空間内に導入される。レーザ光源部40が出射するレーザ光Lのエネルギーは例えば0.1〜1Jである。出射時間は、例えば0.1p秒〜1μ秒である。レーザ光として、XeCl,KrF,ArF,F2等のエキシマレーザ、COレーザ、YAGレーザさらにはフェムト秒レーザや半導体レーザなどを用いることができ、レーザ光の種類には特に制限されない。このようなレーザ光Lは、処理空間に設けられた原料ターゲット材50に照射される。この照射により、原料ターゲット材50の表面から表面の一部が中性原子、分子、正負のイオン、ラジカル、クラスター等の皮膜成分の粒子となって処理空間内に放出される。
原料ターゲット材50は、処理容器12内に設けられた固体材料であり、処理対象部材11に形成する皮膜の成分を含む。原料ターゲット材50は、レーザ光Lの照射を受けることにより処理空間に皮膜成分の粒子を放出する。皮膜の種類によって異なるが、原料ターゲット材50には、ダイヤモンドライクカーボンや窒化チタンの皮膜を形成する場合、グラファイト(黒鉛)やチタン等の板が用いられる。
原料ターゲット材50のレーザ光Lの照射を受ける面と反対側には、誘電体管26の延在方向に沿って移動するように連結棒52が連結されている。連結棒52は、処理容器12の外側に延びて、インピーダンス整合器28の筐体に固定されている。インピーダンス整合器28は、上述したように移動台30に固定されているので、原料ターゲット材50は、プラズマ生成素子14とともに処理対象部材11の延在方向に移動する。すなわち、皮膜形成装置10は、原料ターゲット材50を処理対象部材11の延在方向に移動する移動機構を備える。原料ターゲット材50は、プラズマ生成素子14の先端より基部の側に離間した位置に設けられており、原料ターゲット材50が移動しても、プラズマ生成素子14の先端と原料ターゲット部材50の間の距離は一定である。したがって、レーザ光Lの照射により原料ターゲット材50から放出される中性原子、分子、正負のイオン、ラジカル、クラスター等の粒子はプラズマ生成素子14の先端の周りに漂う。プラズマ生成素子14の先端では上述したようにプラズマPを発生させる大きな電圧を発生させる。このため、プラズマ生成素子14の先端の周りに漂う中性原子、分子、正負のイオン、ラジカル、クラスター等の粒子は、導入口23から処理容器12内に導入された原料ガスとともにプラズマPを形成する。プラズマPの形成位置は、プラズマ生成素子14と原料ターゲット材50の移動に応じて変化する。
レーザ光Lを処理空間内に導入するとき、レーザ光Lの光軸の向きを調整するためにレーザ光軸調整機構としてミラー42,44が用いられる。ミラー42は、原料ターゲット材50の表面におけるレーザ光Lの照射位置が一方向に移動するように傾斜角度が変動する。ミラー44は、原料ターゲット材50の表面におけるレーザ光Lの照射位置が上記一方向と直交する方向に移動するように傾斜角度が変動する。したがって、ミラー42とミラー44とが適切なタイミングで傾斜角度を変えるように制御することにより、図3に示すように、環状に設けられた原料ターゲット材50の表面におけるレーザ光Lの照射位置60は、原料ターゲット材50の表面で処理対象部材11の内壁面に沿って環状に一周する。図3は、レーザ光Lの照射位置60の動きを説明する図である。これにより、処理対象部材11の内壁面に沿って、原料ターゲット材50から放出される中性原子、分子、正負のイオン、ラジカル、クラスター等の粒子は内壁面に沿った空間に略均一に漂う。この状態でプラズマPの形成が行われ、処理対象部材11へのパルス電圧の付与が行われる。このように、レーザ光Lの原料ターゲット材50への照射位置は、処理対象部材11の内壁面に沿って原料ターゲット材50の表面で環状に一周することが、後述するようにプラズマPを形成するための粒子を内壁面の周囲に略均一に漂わせる点で好ましい。
プラズマ生成素子14が誘電体管26内を移動すると、この移動に伴って、プラズマ生成素子14の誘電体管26によって覆われる部分の長さが変化し、この長さの変化によってプラズマ生成素子14のインピーダンスは変化する。したがって、インピーダンス整合器28は、プラズマ生成素子14の移動に応じてインピーダンス整合を行うことが、給電した電力が効率よくプラズマの形成に用いられるようにする点で好ましい。
このようにプラズマ生成素子14が形成したプラズマPは、原料ターゲット材50にレーザ光Lを照射することで放出された粒子を解離するので、原料ターゲット材50の溶融した表面から径が数μmのドロップレットが噴出しても、ドロップレットはプラズマPによって解離して、分子、正負のイオン、ラジカルになるので、形成される皮膜中のドロップレットは抑制される。また、処理空間中でドロップレットが冷えて固まってもプラズマPによって解離して分子、正負のイオン、ラジカルになるので、形成される皮膜中のドロップレットは抑制される。また、原料ターゲット材50から放出されたクラスタリングも電子温度の高いプラズマPを通過するため解離して、クラスタリングの粒子が皮膜に含まれることは抑制される。
皮膜形成装置10では、まず、処理容器12内の処理空間が略10−4Paに減圧された状態で、原料ガス、例えばアセチレンガスやメタンガス、場合によってはさらに水素ガスが導入口23から導入される。原料ガスの導入とともに、原料ガスの排気を行なう。これにより処理空間内に一定の圧力(0.1〜5Pa)で原料ガスが存在し、処理空間内の処理対象部材11の内壁面に沿って原料ガスの流れが生じるようにする。この状態で、制御部20は、クロック信号の立ち上がりと同時に一定期間、レーザ光源40からレーザ光Lを出射するようにレーザ光源40に制御信号を送る、これにより、レーザ光源40はレーザ光Lを出射する。ミラー42,44は傾斜角度の変動が調整されており、図3に示すように、環状の原料ターゲット材50の表面で照射位置60が環状に一周する。これにより、原料ターゲット材50から放出された分子、正負のイオン、ラジカル、クラスター等の粒子が処理対象部材11の内壁面に沿って漂う。レーザ光Lの照射終了後、制御部20の制御信号に従って、高周波発振器32は一定の高周波を発振し、この高周波の電流信号をアンプ34は増幅してプラズマ生成素子14に供給する。本実施形態では、原料ターゲット材50の表面で照射位置60が環状に一周するが、必ずしも照射位置60は移動しなくてもよい。
プラズマ生成素子14に高周波電力を供給するとき、プラズマ生成素子14の先端は、誘電体管26の最も奥に位置し、筒形状の処理対象基板11の端に対応する中心軸上の位置にある。この状態で、インピーダンス整合器28によるインピーダンス整合が行われる。これにより、電力は反射されることなくプラズマ生成素子14に給電される。すなわち、処理空間内の、処理対象部材11の延在方向の一部分の周りの領域に、プラズマ生成素子14を用いてプラズマPを形成させる。具体的には、プラズマ生成用のガスや原料ガスからプラズマ生成素子14の先端において密度の高いプラズマPが形成されるので、このプラズマPによって処理対象基板11の端を含む端近傍の内壁面に薄膜が形成される。このとき、原料ターゲット材50から放出された粒子のうちイオンは、プラズマPとして取り込まれる他、粒子のうちラジカル、分子、中性原子、あるいはクラスター等は解離してイオン等となって、プラズマPとなる。この薄膜形成は、CVD(Chemical Vapor Deposition)による薄膜形成と同じである。プラズマPの形成時間、すなわち、プラズマ生成素子14への給電時間は、例えば10〜500μ秒であり、供給される電力は例えば100〜3000Wである。
プラズマ生成素子14への電力の供給は一定期間行われた後、パルス電源18はパルス電圧を処理対象部材11に付与する。すなわち、プラズマPの形成開始後に、処理対象部材11にパルス電圧を印加することにより、プラズマPによって処理空間内のガスからつくられたイオンを処理対象部材11に引き寄せて、処理対象部材11の内壁面に形成された薄膜に、イオンを注入させ、これにより処理対象部材11の内壁面にダイヤモンドライクカーボンの皮膜を形成する。パルス幅は例えば0.1〜500μ秒であり、例えば0.5〜4kVのパルス電圧が処理対象部材11に印加される。
本実施形態では、プラズマPの形成中にパルス電圧を処理対象部材11に付与してもよいし、プラズマPの形成終了後、すなわちプラズマPの消滅後に、パルス電圧を処理対象部材11に付与してもよい。パルス電圧の処理対象部材11への付与は、少なくともプラズマPの形成開始後であればよい。パルス電圧の付与をプラズマPの消滅後に行う場合、プラズマPが消滅してもイオンは突然消失するわけではなく、処理空間中にイオンは残る。しかし、イオンのイオンエネルギは低くなるが、イオンは均一に拡散しようとする。したがって、イオンエネルギは低くなるが、より均一に拡散したイオンを薄膜に注入することができる。イオンエネルギはプラズマPの消滅後の時間の経過とともに低下するので、注入するイオンのイオンエネルギを変えるために、プラズマPの消滅時点からパルス電圧を付与するまでの時間を変えることにより、形成する皮膜の特性や組成を変えることができる。また、処理対象部材11に付与するパルス電圧の大きさを変えることにより注入するイオンのイオンエネルギを変えることもでき、形成する皮膜の特性や組成も変えることができる。処理対象部材11の筒形状の延在方向において、皮膜の組成を変化させる場合、プラズマPの消滅時点からパルス電圧を付与するまでの時間、あるいは、パルス電圧の大きさを変化させるとよい。
この後、制御部20の指示に従って、移動台30を移動させることにより、プラズマ生成素子14と原料ターゲット材50を筒形状の処理対象部材11の延在方向に移動する。すなわち、プラズマ生成素子14の先端の位置及び原料ターゲット材50の位置を、筒形状の処理対象部材11の端から少し内側に入った位置に移動する。この後、上述したように、レーザ光源40は、レーザ光Lを出射して原料ターゲット材50の表面に照射し、さらに、高周波電源16はプラズマ生成素子11に給電してプラズマPを形成させる。すなわち、プラズマPの形成する領域を延在方向の異なる位置に変える。この後、さらに、パルス電源18はパルス電圧を処理対象部材11に付与する。これにより、イオンの注入が行われる。こうして、原料ターゲット材50及びプラズマ生成素子14を延在方向へ移動して、レーザ光Lによる原料ターゲット材の照射、プラズマPの形成、及びイオンの注入を繰り返す。これにより、処理対象部材11の一方の端から他方の端までの内壁面に、均一な厚さの皮膜を形成することができる。なお、プラズマPの形成と、イオンの注入を複数回延在方向の同じ位置で行った後、原料ターゲット材50及びプラズマ生成素子14を移動してもよい。本実施形態では、原料ターゲット材50及びプラズマ生成素子14は、プラズマ生成素子14の先端の側から後端(基部)の側へ移動するが、プラズマ生成素子14の後端(基部)の側から先端の側へ移動することもできる。
薄膜の形成中、処理空間に原料ガスを導入しつつ、原料ガスを処理空間から排気するように、処理対象部材11の周りには原料ガスの流れが形成されるが、このとき、プラズマ生成素子14の先端がプラズマ生成素子14の後端(基部)に比べて上記流れの上流側に位置するようにプラズマ生成素子14は設けられることが好ましい。これにより、プラズマPを形成するための原料ガスの枯渇が防止される。
また、プラズマ生成素子14の移動によって誘電体管26に覆われるプラズマ生成素子14の部分の長さが変化する度に、この部分の長さによって変化するインピーダンスに適合するように、インピーダンス整合器28はインピーダンス整合を行うことが好ましい。これにより、一定の電力をプラズマ生成素子14に供給することができ、位置に拠らず一定のプラズマ密度を持ったプラズマPを形成することができ、処理対象部材11の延在方向に沿ってより均一な厚さの皮膜を形成することができる。
なお、原料ターゲット材50及びプラズマ生成素子14の延在方向への移動は、レーザ光Lの原料ターゲット材50の表面への照射と、プラズマPの形成と、イオンの注入を行った後に行う場合の他に、レーザ光Lの照射、プラズマPの形成、及びイオンの注入の実行中に原料ターゲット材50とプラズマ生成素子14を移動することによって、プラズマPの形成される位置を変えてもよい。この場合、プラズマPによって形成された薄膜に、このプラズマPによって作られたイオンの注入が行われるように、原料ターゲット材50及びプラズマ生成素子14の移動速度は低速に調整される。
本実施形態では、処理対象部材11は筒形状の部材であるが、必ずしも筒形状である必要はなく、一方向に長く延在した部材であればよい。この場合においても局部領域にプラズマPを発生させ、プラズマPの発生位置を延在方向に移動することにより、均一な厚さの皮膜を形成することができる。しかし、筒形状の内壁面に皮膜を形成する場合、本実施形態は均一な厚さの皮膜を極めて効率よく形成することができる。
本実施形態のプラズマ生成素子11は、モノポールアンテナ素子であるが、モノポールアンテナ素子に限定されない。モノポールアンテナ素子のようにプラズマを先端のような局部領域に形成するプラズマ形成素子の他に、延在方向に均一にプラズマを形成するプラズマ生成素子であってもよい。例えば、延在方向に長い電極板を用いて磁界を発生させ、この磁界によってプラズマを処理空間の局部領域に発生させるプラズマ生成素子を用いることもできる。
本実施形態ではプラズマ生成素子14は、処理対象部材11の筒形状の中心軸上に設けられるが、中心軸上に設けられなくてもよい。しかし、筒形状の内壁面の周上に沿って均一な厚さの皮膜を形成する点で、筒形状の中心軸上にプラズマ生成素子14を設けることが好ましい。本実施形態では、筒形状の内壁面に皮膜を形成するが、内壁面に限定されず、外壁面であってもよい。
処理容器12には、プラズマ生成素子14の設けられる周囲を覆う誘電体管26が処理空間の内部と外部を分けるように固定されており、処理空間の外部でプラズマ生成素子14は移動することが好ましい。プラズマ生成素子14を処理空間の外部、すなわち大気圧空間上に設けることで、プラズマ生成素子14及びインピーダンス整合器28等の装置構成を簡略化することができる。
本実施形態では、プラズマ生成素子14の位置に応じて、プラズマPの消滅時点からパルス電圧を付与するまでの時間を変えることにより、あるいは、パルス電圧の大きさを変化させることにより、あるいは、導入口25から導入される原料ガスの種類や2種類以上の原料ガスの比率を変えることにより、処理対象部材11の筒形状の延在方向において、皮膜の組成を変化させることができる。このため、一方向に延在した筒形状の内壁面に皮膜が形成された皮膜付筒部材であって、筒形状の延在方向の同じ位置の内壁面の周上では、組成は一定であるが、延在方向の位置に応じて組成が変化している皮膜が形成された皮膜付筒部材を作製することができる。この場合、筒形状の延在方向の同じ位置においても、さらに延在方向のいずれの位置においても、皮膜の厚さを一定にすることができる。
例えば、処理対象部材11の筒形状の内壁面のうち、筒形状の延在方向の同じ位置において周上における皮膜の組成を一定にしつつ、延在方向に沿って組成を変化させる、あるいは組成を徐々に変化させることができる。より具体的には、筒形状の処理対象部材11の内壁面の延在方向の同じ位置では、カーボンと水素の組成比が略同一である一方、延在方向において徐々に水素含有量の比率が小さくなるダイヤモンドライクカーボン皮膜を、筒形状の内壁面に形成することができる。皮膜の組成に応じて皮膜の特性(膜硬度、密着性、耐摩耗性)は変化するので、筒形状の延在方向の位置によって異なる特性を皮膜に持たせることができる。勿論、延在方向において均一の組成を持つ皮膜を形成することもできる。
以上、本発明の皮膜形成装置、皮膜形成方法、及び皮膜付筒部材について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態および例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 皮膜形成装置
11 処理対象部材
12 処理容器
14 プラズマ生成素子
16 高周波電源
18 パルス電源
20 制御部
22 クロック信号発生器
23 導入口
25 排気口
26 誘電体管
28 インピーダンス整合器
30 移動台
32 高周波発振器
34 アンプ
36 載置台
38 突起
40 レーザ光源
42,44 ミラー
46 レンズ
48 窓
50 原料ターゲット材
52 連結棒
60 照射位置

Claims (12)

  1. 処理空間内で、プラズマを用いて一方向に延在した処理対象部材の表面に皮膜を形成する皮膜形成方法であって、
    (a)形成しようとする皮膜の皮膜成分を含んだ固体の原料ターゲット材にレーザ光を照射することにより、処理空間に前記皮膜成分の粒子を放出させるステップと、
    (b)前記処理空間内でプラズマ生成素子を用いてプラズマを生成することにより、前記処理空間内の前記皮膜成分の粒子の一部をイオン化するステップと、
    (c)前記処理対象部材にパルス電圧を印加させることにより、前記処理対象部材にイオン化した前記粒子を引き寄せて前記処理対象部材に皮膜を形成するステップと、
    (d)前記原料ターゲット材を前記処理対象部材の延在方向に移動して、前記延在方向の異なる位置で、前記(a),(b)及び(c)のステップを繰り返すステップと、を有することを特徴とする皮膜形成方法。
  2. 前記処理対象部材は筒形状を成し、前記皮膜は、前記筒形状の内壁面に形成され、
    前記原料ターゲット材は、前記筒形状の内部に前記内壁面に沿うように環状に設けられ、
    前記原料ターゲット材にレーザ光を照射するとき、前記レーザ光の前記原料ターゲット材への照射位置は、前記原料ターゲット材の表面で前記内壁面に沿って環状に一周する、請求項1に記載の皮膜形成方法。
  3. 前記プラズマ生成素子は、前記処理対象部材の延在方向に移動可能に設けられ、前記処理対象部材の前記延在方向の一部の周りの領域にプラズマを形成し、
    前記プラズマ生成素子は、前記原料ターゲット材の前記延在方向への移動に合わせて移動して、前記プラズマの形成する領域を前記延在方向の異なる位置に変える、請求項1または2に記載の皮膜形成方法。
  4. 前記処理対象部材は筒形状を成し、
    前記プラズマ生成素子は、モノポールアンテナ素子であり、
    前記モノポールアンテナ素子は、前記筒形状の中心軸上に設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膜形成方法。
  5. 前記処理空間を囲む処置容器には、前記モノポールアンテナ素子の周囲を覆う誘電体管が前記処理空間の内部と外部を分けるように固定されており、前記処理空間の外部で前記モノポールアンテナ素子は移動する、請求項4に記載の皮膜形成方法。
  6. プラズマを用いて一方向に延在した処理対象部材の表面に皮膜を形成する皮膜形成装置であって、
    処理対象部材を配置した処理空間を囲む処理容器と、
    前記処理容器内にレーザ光を照射するレーザ光源部と、
    前記処理容器内に設けられ、前記レーザ光の照射を受けることにより処理空間に皮膜成分の粒子を放出する固体の原料ターゲット材と、
    前記処理容器の外面上に設けられ、電力の供給を受けることにより、前記皮膜成分の粒子の一部をイオン化するプラズマを前記処理空間内に生成するプラズマ生成素子と、
    前記処理対象部材の表面にイオン化した前記粒子を引き寄せて皮膜を形成するために、前記処理対象部材にパルス電圧を印加するパルス電圧供給部と、
    前記原料ターゲット材を前記処理対象部材の延在方向に移動する移動機構と、を有することを特徴とする皮膜形成装置。
  7. 前記処理対象部材は筒形状を成し、前記皮膜は、前記筒形状の内壁面に形成され、
    前記原料ターゲット材は、前記筒形状の内部に前記内壁面に沿うように環状に設けられ、
    前記原料ターゲット材にレーザ光を照射するとき、前記レーザ光の前記原料ターゲット材上の照射位置を、前記原料ターゲット材の表面で前記内壁面に沿って環状に一周させるレーザ光軸調整機構をさらに有する、請求項6に記載の皮膜形成装置。
  8. 前記プラズマ生成素子を前記延在方向に移動させる移動機構と、
    前記レーサ光の前記原料ターゲット材への照射のタイミングと、前記プラズマ生成素子への電力の供給のタイミングと、前記パルス電源による前記パルス電圧の付与のタイミングと、前記移動機構による前記原料ターゲット材の移動と、を制御する制御部と、をさらに有する、請求項6または7に記載の皮膜形成装置。
  9. 前記プラズマ生成素子は、前記処理空間の外部に設けられる、請求項6〜8のいずれか1項に記載の皮膜形成装置。
  10. 前記処理対象部材は筒形状の部材であり、
    前記プラズマ生成素子は、モノポールアンテナ素子であり、
    前記モノポールアンテナ素子は、前記筒形状の中心軸上に設けられる、請求項6〜9のいずれか1項に記載の皮膜形成装置。
  11. 前記モノポールアンテナ素子の周囲を覆う誘電体管が前記処理空間の内部と外部を分けるように前記処理容器に固定されている、請求項10に記載の皮膜形成装置。
  12. 一方向に延在した筒形状の内壁面に皮膜が形成された皮膜付筒部材であって、
    前記筒形状の延在方向の同じ位置において、前記内壁面の周上の前記皮膜の組成は一定であり、
    前記比膜の組成は、前記延在方向の位置に応じて変化している、ことを特徴とする、皮膜付筒部材。







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