JP2015183015A - 両面粘着シートおよび粘着剤組成物 - Google Patents

両面粘着シートおよび粘着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ハードディスク等のデバイスを用いて組立時に用いられる両面粘着シートであって、被着面が高屈曲面を有する場合でも剥離が生じにくく、アウトガスの発生量の増加が抑制された両面粘着シートを提供する。【解決手段】粘着剤層を少なくとも1層備える両面粘着シートであって、粘着剤層は粘着付与樹脂を含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、アウトガス発生量がn−デカン換算量で1.0μg/cm2以下であることを特徴とする両面粘着シートであり、粘着剤層組成物は架橋剤と架橋性重合体とを含み、架橋剤はイソシアネート系架橋剤を含有する両面粘着シート。【選択図】図1

Description

本発明は両面粘着シート、さらに詳しくは、ハードディスクなどのデバイスに組み込まれた部品の動作に悪影響を及ぼしうる気体成分の放出量を低減させ、かつ優れた粘着性を有する両面粘着シートおよび当該両面粘着シートが備える粘着剤層を形成するための粘着剤組成物に関する。
なお、本明細書において、「シート」にはテープの概念およびフィルムの概念が含まれるものとする。「デバイスに組み込まれた部品」とは、表示ラベルのようなデバイスの動作に直接関連しないものも含む。デバイスに組み込まれた部品に貼付された両面粘着シートから、製造過程、保管中および/または使用中に放出された気体成分を「アウトガス」ともいう。
ハードディスクドライブ(本明細書において「HDD」ともいう。)、リレー、各種スイッチ、コネクタ、モータ等のデバイスは、様々な製品に広く用いられている。このようなデバイスには、組立時の仮止め、部品の固定や部品の内容表示等の目的で、両方の主面が粘着剤層の面から構成された両面粘着シートが用いられている。
このような両面粘着シートが備える粘着剤層を構成する物質の中には、優れた粘着性を有する粘着シートを得るという目的を達成する関係上、デバイスの使用環境(例えば、HDDは、使用中の内部の温度が70℃程度となる場合もある。)において揮発しうる程度に分子量が小さい物質(本明細書において「低分子量成分」ともいう。)が含まれる場合もある。また、粘着剤の経時的な組成変化の過程で粘着層内に低分子量成分が生成する場合もある。このような低分子量成分がアウトガスとなってデバイス内に拡散すると、デバイスに組み込まれた部品の表面に低分子量成分が付着する場合もある。
一方、デバイスには、その表面に異物が堆積すると部品の動作不良が発生する可能性が高まる部品が組み込まれている場合がある。そのような部品として、HDDのハードディスク、リレーの接点部などが例示される。
このような部品の表面に上記の低分子量成分が付着することは、部品の動作不良、ひいてはデバイスの動作不良をもたらすことから、デバイスに用いられる両面粘着シートには、粘着剤層からアウトガスが発生しにくいことが求められている。
このような粘着剤層を有する両面粘着シートに関し、特許文献1には、厚さ20μm以下のプラスチックフィルム基材の両面側に粘着剤層が設けられた粘着体部分、および、粘着体部分の両側の表面に設けられた非シリコーン系の剥離ライナーから構成された両面粘着シートであって、粘着体部分の厚さが60μm以下、120℃にて10分間加熱した際のアウトガス量が1μg/cm以下である、HDDの部品を固定するための両面粘着シートが開示されている。
特開2009−74060号公報
しかしながら、本発明者らが確認したところ、上記の特許文献1に規定される条件を満たす両面粘着シートを用いても、HDDの筺体における両面粘着シートが貼付された面(本明細書において両面粘着シートが貼付される前の状態も含めて「筺体被着面」ともいう。)に対して、その貼付された両面粘着シートを介してフレキシブル印刷回路基板(本明細書において「FPC」ともいう。)をHDDの筺体に付着させたときに、HDDの筺体の段差部分において、FPCが両面粘着シートごとその筺体被着面から剥がれる「浮き」が発生する場合があることが明らかになった。
この「浮き」現象について図を用いて説明する。図1は、「浮き」現象を説明するための図であって、両面接着シートを介してFPCが貼付されたHDDの筺体を概念的に示す部分断面図である。図1(a)に示されるように、HDDの筺体1における段差部分を含むように、FPC2と両面粘着シート3との積層体4が貼付された場合に、「浮き」現象が生じると、この段差部分において、図1(b)に示されるように、両面粘着シート3とHDDの筺体1との界面で剥離が生じ、積層体4がこの部分で筺体から浮き上がった状態となる。このような、段差部分を有する被着体に貼付された両面粘着シートがその段差部分を含むように部分的に被着体から剥離する現象を、本明細書において「浮き」(部分剥離)という。この「浮き」現象の発生を回避する手段の一つとして、両面粘着シート3のHDDの筺体1に対する粘着性を高めることが考えられる。しかしながら、両面粘着シート3の粘着性を高めることは、両面粘着シート3を構成する粘着剤層からのアウトガスの発生量の増加を伴う場合が多く、好ましい解決手段とはいえなかった。
かかる現状を背景として、本発明は、HDDの筺体の段差部分のような「浮き」現象が発生しやすい部分の面を被着面として有する場合でも剥離が生じにくく、かつアウトガスの発生量の増加が抑制された両面粘着シート、および両面粘着シートが備える粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明者らが検討した結果、従来はアウトガスの発生量を増加させる可能性があるとして使用が避けられていた粘着付与樹脂を含有させることにより、アウトガスの発生量の増加を抑制しつつ、上記の「浮き」現象の発生をより安定的に抑制しうるとの新た知見を得た。
上記の知見に基づき完成された本発明は次のとおりである。
(1)粘着剤層を少なくとも1層備える両面粘着シートであって、前記粘着剤層は粘着付与樹脂を含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、アウトガスの発生量がn−デカン換算量で1.0μg/cm以下であることを特徴とする両面粘着シート。
(2)前記粘着剤層組成物は架橋剤と架橋性重合体とを含み、前記架橋剤はイソシアネート系架橋剤を含有する上記(1)に記載の両面粘着シート。
(3)前記粘着付与樹脂の軟化点が95℃以上である上記(1)または(2)に記載の両面粘着シート。
(4)前記粘着剤組成物における前記粘着付与樹脂の含有量は、前記架橋性重合体の固形分100質量部に対して1質量部以上である上記(2)または(3)に記載の両面粘着シート。
(5)前記粘着剤層のゲル分率が10%以上70%以下である上記(1)から(4)のいずれかに記載の両面粘着シート。
(6)前記架橋性重合体はアクリル系重合体を含有する上記(2)から(5)のいずれかに記載の両面粘着シート。
(7)前記アクリル系重合体は、エチレン性不飽和基を有するモルフォリン系化合物に基づく構成単位を含む上記(6)に記載の両面粘着シート。
(8)ハードディスクドライブ内の部品付着用である上記(1)から(7)のいずれかに記載の両面粘着シート。
(9)上記(1)から(8)のいずれかに記載される両面粘着シートが備える粘着剤層を形成するための粘着剤組成物であって、粘着付与樹脂を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
本発明に係る両面粘着シートによれば、被着面が高屈曲面を有する場合でも、アウトガスの発生量の増加を抑制しつつ、「浮き」現象が発生する可能性を低減させることができる。また、本発明によれば、上記の両面粘着シートが備える粘着剤層を形成するための粘着剤組成物が提供される。
従来技術に係る両面粘着シートにおいて生じていた「浮き」現象を説明するための図であって、両面接着シートを介してFPCが貼付されたHDDの筺体を概念的に示す部分断面図であり、(a)は「浮き」現象発生前の状態を示し、(b)は「浮き」現象が発生した状態を示している。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.両面粘着シート
本発明の一実施形態に係る両面粘着シートは、その双方の主面が特定の粘着剤層の面により構成されていれば、他の構成は特に限定されない。単一の粘着剤層の双方の主面が両面粘着シートの双方の主面を構成していてもよいし、両面粘着シートが複数の粘着剤層の積層体からなり、両面粘着シートの2つの主面が同一種類または異なる種類の粘着剤層の面から構成されていてもよい。あるいは、両面粘着シートは粘着剤層以外の部材(具体例として後述する芯材が挙げられる。)を備え、複数の粘着剤層がその芯材などの部材を挟持する構成であってもよい。この場合には、両面粘着シートの2つの主面は、同一種類の粘着剤層の面から構成されていてもよいし、異なる種類の粘着剤層の面から構成されていてもよい。
(1)粘着剤層
(1−1)組成
本実施形態に係る両面粘着シートが備える粘着剤層は、粘着付与樹脂を含有する粘着剤組成物から形成されたものである。粘着剤組成物は、架橋剤と、架橋剤と反応しうる官能基である反応性官能基を有する重合体(本明細書において「架橋性重合体」ともいう。)とを含有することが好ましい。粘着剤組成物が架橋剤および架橋性重合体を含有する場合には、粘着剤組成物から形成された粘着剤層は、架橋剤および架橋性重合体が反応してなる架橋構造を含む。
(i)架橋性重合体
本実施形態の粘着剤層組成物が架橋性重合体を含有する場合において、架橋性重合体の種類は限定されない。架橋性重合体の好ましい一例として、アクリル系重合体が挙げられる。かかるアクリル系重合体の構成単位は、特に限定されない。(メタ)アクリロイル基を有する化合物およびその誘導体(エステル、アクリロニトリルなど)の一種または二種以上の化合物であるアクリル系化合物に基づく構成単位のみから構成されていてもよいし、アクリル系化合物に基づく構成単位およびアクリル系化合物以外の化合物に基づく構成単位を含んでいてもよい。なお、本明細書における「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタロイル基の両方を意味する。他の類似用語についても同様である。また、上記のアクリル系化合物以外の化合物は、一種類の化合物から構成されていてもよいし、複数種類の化合物から構成されていてもよい。
上記のアクリル系化合物の好ましい一例として(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルについて具体例を示せば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の鎖状骨格を有する(メタ)アクリレート;シクロへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イミドアクリレート等の環状骨格を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、架橋性重合体としてのアクリル系重合体は、アルキル基の炭素数が4以下のアルキル(メタ)アクリレート(以下、「低級アルキル化合物」ともいう。)に基づく構成単位を含むことが好ましい。かかる低級アルキル化合物としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、粘着剤層の粘着特性を高めることとアウトガスの発生量の増加を抑制することとのバランスを適切にすることを容易とする観点から、n−ブチル(メタ)アクリレートやメチル(メタ)アクリレートが好ましい。低級アルキル化合物は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系化合物以外の化合物に基づく構成単位を与えるモノマー(以下、「その他の重合性化合物」ともいう。)として、エチレン、ノルボルネン等のオレフィン、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、スチレンなどエチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物が例示される。
架橋性重合体が有する反応性官能基は、後述するように架橋剤がイソシアネート系化合物を含むことから、イソシアネート基と反応しうる官能基であることが好ましい。そのような官能基として、水酸基、アミノ基およびアミド基が例示される。
架橋性重合体において反応性官能基を有する構成単位を与える化合物の種類は特に限定されない。一例として、前述の水酸基を有する(メタ)アクリレートやアミノ基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。このような反応性官能基を有するエチレン性不飽和化合物(本明細書において「反応性化合物」ともいう。)として、アミド基を含有するエチレン性不飽和化合物およびビニル基を有するアルコールも例示される。かかる反応性化合物の具体例として、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、5−ヘキセン−1−オール、5−ヘキセン−3−オール、4−ペンテン−1−オールなどが挙げられる。
反応性化合物が有する反応性官能基としては、熱などによる変色が発生しにくい水酸基が好ましい。したがって、反応性化合物は水酸基を有する(メタ)アクリレートおよび/またはビニル基を有するアルコールであることが好ましい。
架橋性重合体が低級アルキル化合物に基づく構成単位および反応性化合物に基づく構成単位を含む場合には、それらの構成単位の架橋性重合体内のモノマー質量換算含有比率(低級アルキル化合物:反応性化合物)は、90:10〜99.9:0.1であることが好ましく、95:5〜99.5:0.5であることがより好ましい。上記の比率をこの範囲とすることで、両面粘着シートが折り曲げられるなどして粘着剤層に外力が加えられても、粘着剤層内に応力が残留しにくくなり、「浮き」現象が生じる可能性を低減させることができる。
架橋性重合体は、エチレン性不飽和基含有モルフォリン系化合物(以下、「モルフォリン系化合物」ともいう。)に基づく構成単位をさらに含んでもよい。モルフォリン基は後述する架橋剤の反応を促進させる機能を有するため、モルフォリン系化合物に基づく構成単位を含むことによって、架橋性重合体は、架橋促進機能のある官能基を有する重合体となる。この場合には、後述する低分子量の架橋促進剤を含有させる場合に比べて、アウトガスの発生量の増加を抑制しつつ、粘着剤層の架橋密度を高めることができ、好ましい。モルフォリン系化合物の具体例として、N−ビニルモルフォリン、N−アリルモルフォリン、N−(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。モルフォリン系化合物の中では、他の構成単位に係る化合物との共重合性が良好である観点から、アクリル系化合物でもあるN−(メタ)アクリロイルモルフォリンが好適である。モルフォリン系化合物は、一種類を用いてもよいし、複数種類を用いてもよい。
架橋性重合体におけるモルフォリン系化合物に基づく構成単位の含有率は、アウトガスの発生量の増加を抑制することと、適切な粘着性を有する粘着剤層を得ることとを容易とする観点から、低級アルキル化合物に基づく構成単位の低級アルキル化合物質量換算含有量および反応性化合物に基づく構成単位の反応性化合物質量換算含有量の総和100質量部に対して、2質量部以上30質量部以下であることが好ましく、4質量部以上25質量部以下であることがより好ましい。
架橋性重合体は、上記の低級アルキル化合物に基づく構成単位、反応性化合物に基づく構成単位およびモルフォリン系化合物に基づく構成単位以外のエチレン性不飽和結合を有する化合物に基づく構成単位を含んでもよい。そのような構成単位を与えるモノマーの具体例として、前述のその他の重合性化合物の場合と同様に、オレフィン、カルボン酸ビニルエステル、エチレン性不飽和結合を有する芳香族が例示される。あるいは、例えばエチレン性不飽和基含有イミダゾール系化合物のように、モルフォリン系化合物と同様に架橋促進機能を備えた官能基を有する化合物も例示される。そのような化合物に基づく構成単位の含有率は特に限定されない。上記の含有率は、低級アルキル化合物に基づく構成単位の低級アルキル化合物質量換算含有量および反応性化合物に基づく構成単位の反応性化合物質量換算含有量の総和100質量部に対して、10質量部を上限とすることが好ましく、5質量部を上限とすることがより好ましい。
両面粘着シートからのアウトガスの発生量の増加をより安定的に抑制する観点から、架橋性重合体は、カルボキシル基量を低減したアクリル系重合体であることが好ましい。具体的には、架橋性重合体内のカルボキシル基の含有率は、架橋性重合体を形成するためのモノマーの総和100質量部に対して、カルボキシル基を有する構成単位が1.0質量部以下である事が好ましく、0.5質量部以下である事がさらに好ましい。さらには、架橋性重合体はカルボキシル基を有さないアクリル系重合体であることが好ましい。本実施形態の両面粘着シートを構成する粘着剤層も同様に、カルボキシル基の含有量が少ない、もしくは実質的に含有しないことが好ましい。カルボキシル基を有する構成単位を与える単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などが挙げられる。
(ii)架橋剤
本実施形態の粘着剤層組成物が架橋性重合体を含有する場合には、架橋剤は、多官能イソシアネートおよびその誘導体からなる群から選ばれる一種または二種以上の化合物(本明細書において「イソシアネート系架橋剤」ともいう。)を含有することが好ましい。イソシアネート系架橋剤は、トリレンジイソシアナート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HMDI)、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、キシリレンジイソシアナート(XDI)およびこれらをトリメチロールプロパン等と付加反応させたポリイソシアネート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等を付加反応させたウレタンプレポリマー型のポリイソシアネートなどが挙げられる。これらの中では、トリレンジイソシアナート系架橋剤(TDI系架橋剤)が、「浮き」現象の発生を防ぐ点で優れているため好ましく用いられる。
本実施形態に係る粘着剤層は、そのゲル分率が10%以上70%以下であることが好ましく、20%以上60%以下であることがさらに好ましい。粘着剤層のゲル分率がこの範囲となるように、上記の架橋剤の使用量を調整することで、両面粘着シートが折り曲げられるなどして粘着剤層に外力が加えられても、内部応力が残留しにくい粘着剤層を得ることが容易となる。具体的には、粘着剤組成物における架橋剤の含有量を、前述の架橋性重合体100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下の範囲で調整することにより、粘着剤粗組成物から形成される粘着剤層のゲル分率を上記の範囲とすることが容易となる。
(iii)粘着付与樹脂
本実施形態に係る粘着剤組成物は、粘着付与樹脂を含有する。粘着付与樹脂の具体的な種類は限定されない。粘着付与樹脂として、ロジンおよびその誘導体(具体例として重合化ロジン、エステル化ロジン、重合ロジンエステル、不均化ロジン、およびこれらの水素添加樹脂が挙げられる。)等のロジン系粘着付与樹脂;αピネン樹脂、βピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペンとスチレンとの共重合体、かかる樹脂や共重合体の水素添加物である水添テルペン樹脂等のテルペン系粘着付与樹脂;C系石油樹脂、C系石油樹脂、C/C系石油樹脂およびこれらの水素添加樹脂等の石油系樹脂;クマロン樹脂;アルキルフェノール樹脂;スチレン樹脂;キシレン樹脂などが例示される。重量平均分子量が通常数百から数千のオリゴマーからなる粘着付与樹脂を含有することにより、本実施形態に係る両面粘着シートが備える粘着剤層の粘着性が増加し、「浮き」現象が生じる可能性をより安定的に低減させることができる。上記の粘着付与樹脂の中でも、ロジン系粘着付与樹脂およびテルペン系粘着付与樹脂から選ばれる1種単独または両者の混合物が粘着付与樹脂を構成する材料として好ましい。
粘着付与樹脂の軟化点は、95℃以上であることが好ましく、120℃以上160℃以下であることが特に好ましい。95℃以上の軟化点の粘着付与樹脂を使用することにより、アウトガスの発生量の増加を抑制しつつ、「浮き」現象の発生を防ぐことができる。
粘着剤組成物における粘着付与樹脂の含有量は、粘着付与樹脂から形成された粘着剤層の粘着性およびアウトガスの発生量の増加が適切に抑制されるように設定すればよい。粘着剤層が「浮き」現象の発生を適切に抑制できる程度の粘着性をより安定的に備える観点から、粘着剤組成物における粘着付与樹脂の含有量は、粘着剤組成物が架橋性重合体を含有する場合において、架橋性重合体の固形分100質量部に対して、1質量部以上とすることが好ましく、2質量部以上とすることがより好ましく、5質量部以上とすることが特に好ましい。粘着剤層のアウトガスの発生量がn−デカン換算量で1.0μg/cm以下であれば、粘着剤組成物における粘着付与樹脂の含有量の上限は限定されない。架橋性重合体の固形分100質量部に対して、30質量部以下とすることが好ましく、20質量部以下とすることがより好ましく、10質量部以下とすることが特に好ましい。
(iv)その他の成分
粘着剤層は、アウトガスの発生量が少なく、かつ適切な粘着性を有する限り、各種の成分を含有することができる。例えば、架橋促進剤;染料、顔料等の着色材料;アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤;タルク、二酸化チタン、シリカ、でんぷんなどのフィラー成分;可塑剤;酸化防止剤;光安定剤;分散剤;レベリング剤が例示される。
(1−2)厚さ
本実施形態に係る両面粘着シートが備える粘着剤層の厚さは特に限定されない。過度に薄い場合には所望の粘着性を得ることができないことが懸念され、過度に厚い場合には加工性の観点から不利となることが懸念される。したがって、粘着剤層の厚さは、粘着層全体として、通常、4〜30μmの範囲、好ましくは6〜25μmの範囲で選定される。
(2)アウトガスの発生量
本実施形態に係る両面粘着シートは、アウトガスの発生量がn−デカン換算量で1.0μg/cm以下である。アウトガスの発生量が1.0μg/cm以下であることにより、HDD、リレーなどのデバイスに組み込まれた部品を他の部品に貼着(仮着であってもよい。)するために使用されたときに、デバイス内の部品上に異物が付着する問題を生じにくくさせることが可能となる。上記の問題が生じる可能性をより安定的に低減させる観点から、本実施形態に係る両面粘着シートからのアウトガスの発生量は、n−デカン換算量で、0.5μg/cm以下であることが好ましく、0.2μg/cm以下であることがより好ましく、0.1μg/cm以下であることが特に好ましい。
(3)芯材
本実施形態に係る両面粘着シートは芯材を備えてもよい。一具体例において、本実施形態に係る両面粘着シートは、それぞれの主面に粘着剤層が積層された芯材を備える。
本実施形態に係る芯材を構成する材料は、粘着剤層を構成する材料よりも引張強度が高いといった、芯材として有するべき基本機能を有している限り、特に限定されない。有機ガスを発生しにくいものであることが好ましい。芯材を構成する材料の具体例として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリイミド;ポリアミド等の樹脂製のシートが挙げられる。これらの樹脂製のシートにアルミニウムなどの金属蒸着を施したものを用いてもよい。あるいは、合成紙、含浸紙などからなる紙類、アルミニウム箔や銅箔などの金属箔なども、芯材を構成する材料の具体例として挙げることができる。
芯材として樹脂製シートを用いる場合には、その上に設けられる粘着剤層との接着性を向上させるために、粘着剤層に対向するべき側の面に、酸化法や凹凸化法などの表面処理を行うことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は芯材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から好ましく用いられる。またプライマー層を設けるプライマー処理(具体例としてシランカップリング処理が挙げられる。)を施すこともできる。
本実施形態に係る芯材の厚さは特に制限されない。過度に薄い場合には芯材の取り扱いが困難となったり、芯材を設けたことの利益(両面粘着シートが破断しにくくなることなどが例示される。)を享受することが困難となったりすることが懸念される。一方、芯材が過度に厚い場合には、両面粘着シート全体が厚くなってしまうことが懸念される。したがって、芯材の厚さは、通常2〜50μm程度の範囲とすることが好ましく、3〜20μm程度の範囲とすることが好ましい。
なお、両面粘着シート全体の厚さは、100μm程度以下とすることが好ましく、65μm以下とすることがより好ましい。一方、取り扱い性を確保する観点から、両面粘着シート全体の厚さは10μm以上とすることが好ましく、20μm以上とすることがより好ましい。
(4)剥離材
本実施形態に係る両面粘着シートの両端面をなす粘着剤層の面は露出させていてもよいが、通常は、使用するまで粘着剤層を保護するために剥離材を仮貼着しておく。
剥離材はシート状の支持基材を備え少なくとも片面が剥離性を有する剥離面からなる。この剥離面は、剥離性を有さない支持基材の表面上に設けられた剥離剤層の支持基材に対向する側と反対側の面であってもよいし、剥離性を有する支持基材の一方の面であってもよい。
剥離材の支持基材としては、例えば紙、合成紙、樹脂系フィルムなどが挙げられる。紙としては、例えばグラシン紙、ポリエチレンラミネート紙などが挙げられ、樹脂系フィルムとしては、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂などのフィルムなどが挙げられる。剥離剤層を構成する剥離処理剤として、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂などを含有するものが例示される。支持基材上に形成される剥離剤層の厚さは、特に限定されないが、剥離剤を溶液状態で塗工する場合は0.05〜2.0μmであるのが好ましく、より好ましくは、0.1〜1.5μmである。剥離剤層として、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて形成させる場合は、剥離剤層の厚さは、3〜50μmであるのが好ましく、5〜40μmであるのがより好ましい。
その表面が剥離性を有する支持基材としては、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルムなどのポリオレフィン樹脂フィルム、これらのポリオレフィン樹脂フィルムを紙や他のフィルムにラミネートしたフィルムが例示される。
剥離材の支持基材の厚さは特に制限されないが、通常は15μm以上300μm以下程度であればよい。
なお、本実施形態に係る両面粘着シートは気化したシリコーン化合物がHDDの動作に悪影響を与えることから、シリコーン系の材料を含有しないことが好ましく、使用時には剥離される剥離材もシリコーン系の材料を含有しないことが好ましい。
また、両面粘着シートの双方の面に剥離材の剥離面を貼付する場合には、その一方の面に貼付される剥離材の両面粘着シートからの剥離しやすさと、両面粘着シートの他方の面に貼付される剥離材の両面粘着シートからの剥離しやすさとが相違するようにすること、すなわち、剥離材として軽剥離材と重剥離材とを用いることが、両面粘着シートを被着面に貼付する際の作業性が向上するため、好ましい。
2.粘着剤組成物
本実施形態に係る両面粘着シートが備える粘着剤層は粘着剤組成物から形成されたものである。本明細書において「粘着剤組成物」とは、粘着付与樹脂を含む、粘着剤層を形成するための成分を含有し、粘着剤層を形成するための塗布工程に使用される材料であって、23℃、相対湿度50%の環境下に置かれたときに流動性を有するものを意味し、塗布する際に低粘度の液体である場合だけでなく、ある程度の粘度を有する粘性体である場合も含むものとする。粘着剤組成物は、粘着剤層を形成するための成分を溶質として含有する場合もあれば、分散質として含有する場合もある。粘着剤組成物が溶媒および/または分散媒を含有する場合には、その量を、粘着剤組成物から形成される粘着剤層の厚さを調整することを目的として設定すればよい。
本実施形態に係る粘着剤組成物は、粘着付与樹脂を含有する。その含有量は限定されず、好ましい範囲は前述のとおりである。具体的な一例において、粘着剤組成物は、当該粘着剤組成物により形成される粘着剤層が含む架橋構造を与えるための成分として、アクリル系重合体を含む架橋性重合体およびイソシアネート系架橋剤を含有する。粘着剤組成物中の架橋性重合体およびイソシアネート系架橋剤の含有量の関係は、架橋性重合体100質量部に対してイソシアネート系架橋剤を0.1質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。上記関係がこの範囲となるように粘着剤組成物を調製することにより、粘着剤組成物から形成される粘着剤層のゲル分率を前述の範囲に調整することが容易となる。なお、粘着剤組成物は、得られた粘着剤層のゲル分率が前述の範囲である限り、イソシアネート系架橋剤以外の架橋剤を含有してもよい。
粘着剤組成物は、粘着剤層が含有するべき成分に応じて、着色材料、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分を含有してもよい。
粘着剤組成物の調製方法は限定されず、粘着剤層を形成するための成分を混合するのみでよい場合もあれば、その成分と溶媒(同時に分散媒である場合もある。)とを混合して調製される場合もある。粘着剤層を形成するための成分が溶媒中に溶解すべきものを含む場合には、その成分が適切に溶解するように溶媒を加温してもよい。
3.両面粘着シートの製造方法
本実施形態に係る両面粘着シートの製造方法は特に限定されない。両面粘着シートの製造方法の具体的な一例を挙げれば次のとおりである。
まず、いずれも剥離材と粘着剤層との積層体である第一の積層体および第二の積層体を準備する。
第一の積層体を準備するために、前述の粘着剤組成物を第一の剥離材の剥離面側の面上に塗布して、粘着剤組成物の塗膜を剥離材上に形成する。この塗布方法は特に制限はなく、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法などを用いることができる。次に、剥離材上の粘着剤組成物の塗膜を乾燥して、粘着剤層が第一の剥離材上に積層された第一の積層体を得る。この乾燥条件は任意であるが、100℃程度に上記の塗膜を加熱することが、アウトガスの発生量を少なくできる点で好ましい。乾燥時間は塗膜の厚さや乾燥温度などに応じて適宜設定すればよい。例えば、上記の塗膜を100℃に加熱する場合には、加熱時間を数分程度以下とすることができる。この第一の積層体の粘着剤面に芯材を貼り合わせて片面粘着シートを得る。
続いて、第二の剥離材とその剥離面上に積層された粘着剤層とからなる第二の積層体を形成する。その形成方法は第一の積層体の場合と同様であるから、説明を省略する。
こうして得られた片面粘着シートの芯材側の面と第二の積層体の粘着剤層側の面とを貼合して、粘着剤層、芯材、粘着剤層の順で積層されてなる、両面粘着シートが、第一の剥離材および第二の剥離材が粘着剤層にそれぞれ貼付された状態で得られる。
ここで、第一の剥離材と第二の剥離材とは同一の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。前述のように、一方を軽剥離材、他方を重剥離材とすれば作業性に優れた両面粘着シートとすることができる。
また、両面粘着シートが備える粘着剤層を形成するための粘着剤組成物のいずれかまたは双方が架橋剤および架橋性重合体を含有する場合には、第一の積層体および第二の積層体における粘着剤層を形成するための乾燥工程の乾燥条件を適切に設定すること(具体的には、塗膜を100℃以上程度まで加熱することが例示される。)によって、塗膜内の架橋剤と架橋性重合体との反応を進行させることができる。このように積層体の粘着剤層を形成するための乾燥工程中に架橋反応を進行させることに代えて、またはそのような乾燥工程に加えて、架橋反応を十分に進行させるために、例えば23℃、相対湿度50%の環境下に数日間静置するなどの養生工程を、積層体の粘着剤層を形成するための乾燥工程の後に設けてもよい。養生工程を行う場合にその実施時期は任意であって、積層体の粘着剤層を形成するための乾燥工程の直後でもよいし、第一の積層体および第二の積層体を直接または芯材を介して積層させる工程を実施して両面粘着シートを形成した後でもよい。
4.両面粘着シートの使用方法
本実施形態に係る両面粘着シートは、HDD(ハードディスクドライブ)、リレーなどのデバイスに組み込まれた部品を他の部品に貼着(仮着であってもよい。)するために使用されうる。
ここで、デバイスは、HDDにおけるハードディスクや磁気ヘッド、リレーにおける電気接点部品など、その表面の少なくとも一部に異物が付着することを嫌う部品を含むことが好ましい。デバイスがそのような部品を含む場合には、通常の両面粘着シートを用いて部品同士を貼着させると、その両面粘着シートの粘着剤層などから上記の異物をなす物質および/またはその前駆体(それらの具体例として、カルボン酸等の有機系物質、シリコーン系化合物等の無機系物質などが挙げられる。)がアウトガスとして放出され、上記の異物付着を嫌う部品の表面に付着してしまう可能性が高い。しかしながら、本実施形態に係る両面粘着シートは、これらの異物の前駆体となるアウトガスの発生量の増加が抑制されているため、上記の異物付着を嫌う部品が組み込まれたデバイスにおいても好適に使用することができる。
以下、デバイスがHDDであって、HDDの筺体(以下、「筺体」と略称する。)にFPCを付着させる場合を例として、本実施形態に係る両面粘着シートの使用方法を具体的に説明する。この場合における両面粘着シートの粘着剤層の被着面は、HDDの筺体の表面(筺体被着面)およびFPCの表面となる。
筺体は、アルミニウム合金などの金属系材料をダイキャストしたりプレスしたりすることで形成された部材に対して、耐食性や外観を向上させるための表面処理を施すことによって得られる。表面処理の具体例として、陽極酸化、エポキシ系樹脂を含有する塗料を用いた電着塗装などが挙げられる。したがって、筺体被着面は、この表面処理によって形成された層の面からなる。また、筺体の被着面は平面ではなく、筺体の剛性向上の目的などにより凹凸のある面を有する場合が多い。すなわち、筺体被着面は段差部分の面のような高屈曲面を有する場合がある。
一方、FPCは、一般的にはポリイミドフィルムのような樹脂系フィルムと銅などの金属箔との積層体(接着剤層を有する場合もある。)からなり、その主面は樹脂系フィルムの面からなる場合が多い。通常、FPCの厚さは10μm程度から数百μm程度の厚さであり、ある程度の柔軟性を有している。それゆえ、筺体被着面が高屈曲面であっても、FPCはその形状に概ね沿うように変形しうる。しかしながら、FPCは金属箔を導電部材として有するため、筺体被着面の高屈曲面の形状に沿うようにFPCを屈曲させたときにFPCの屈曲部分での最小曲げ半径が過度に小さくなると、その部分でその金属箔が破断して断線してしまう。このため、FPCは、この最小曲げ半径が過小となることを防ぐべくある程度以上の曲げ弾性率を有している。
それゆえ、両面粘着シートとFPCとの積層体を筺体被着面の高屈曲面の形状に沿うように変形させながら、その積層体の粘着剤層側の面を筺体被着面に貼付すると、この曲げ弾性に基づく復元力がFPC内に発生し、その力は、両面粘着シートとFPCとの積層体の屈曲部やその近傍の部分において、筺体被着面からその積層体を離間させるような力として作用する。その力が大きい場合には、両面粘着シートの粘着剤層と筺体との間で剥離が生じることがある。
上記問題の発生を回避するための対応の一つは、筺体被着面と粘着剤層の筺体被着面に対向する側の面との密着性を高めることであり、具体的には、両面粘着シートの主面をなす粘着剤層の粘着性を高めればよい。しかしながら、粘着剤層の粘着性を高めるべく、筺体の被着面に対する濡れ性が高まるように粘着剤層の組成を変更すると、粘着剤層からのアウトガスの発生量が増加することが懸念される。
これに対し、本実施形態に係る両面粘着シートは、粘着剤組成物が粘着付与樹脂を含有することにより、高屈曲面またはその近傍において「浮き」現象が発生する可能性を低減することと、粘着剤層からアウトガスの発生量の増加を抑制することとを両立している。以上説明したように、本実施形態に係る両面粘着シートは、ハードディスクドライブ(HDD)内の部品付着用(特に、筐体にFPCを付着させる用途)として好ましく使用されうる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
ブチルアクリレート(BA)、メチルアクリレート(MA)、アクリロイルモルフォリン(ACMO)および2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)をモノマー成分とする架橋性重合体[BA/MA/ACMO/HEA=83.5/2/14/0.5、重量平均分子量60万、固形分35質量%]100質量部に、TDI系架橋剤[日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートL」、固形分75質量%]0.225質量部、および粘着付与樹脂として軟化点120〜130℃の重合ロジンエステル[荒川化学工業社製、商品名「ペンセルD−125」、固形分100%]3.5質量部を混合し、粘着剤組成物を調製した。
第一の剥離材(軽剥離材)[リンテック社製、商品名「SP−PET381031」]の剥離処理面に、ナイフコーターを用いて粘着剤組成物を乾燥後の塗布量が25g/mとなるように塗布し、得られた塗膜を100℃で約2分間加熱乾燥して、第一の剥離材上に粘着剤層が形成されてなる第一の積層体を得た。その後、第一の積層体における粘着剤層側の面に、芯材として厚さ12μmのPETフィルム[東レ社製、商品名「ルミラーS10」]をラミネートし、片面粘着シートを得た。
次いで第二の剥離材(重剥離材)[リンテック社製、商品名「SP−PET3811」]の剥離処理面に、ナイフコーターを用いて粘着剤組成物を、乾燥後の塗布量が25g/mとなるように塗布し、得られた塗膜を100℃で約2分間加熱乾燥して、第二の剥離材上に粘着剤層が形成されてなる第二の積層体を得た。前記の片面粘着シートの芯材側の面に第二の積層体を貼合して、両面粘着テープを作製した。
〔実施例2〕
粘着剤組成物における粘着付与樹脂の配合量を1.75質量部に変更したこと以外は実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
〔実施例3〕
粘着剤組成物における粘着付与樹脂の種類を軟化点130±5℃の水添テルペン樹脂[ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターTH130」、固形分100%]に変更したこと以外は実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
〔実施例4〕
粘着剤組成物における粘着付与樹脂の種類を軟化点115±5℃の水添テルペン樹脂[ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターUH115」、固形分100%]に変更したこと以外は実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
〔実施例5〕
粘着剤組成物における粘着付与樹脂の種類を軟化点100℃のスチレン系炭化水素[三井化学社製、商品名「FTR0100」、固形分100%]に変更したこと以外は実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
〔実施例6〕
粘着剤組成物における粘着付与樹脂の種類を軟化点100℃のスチレン系炭化水素[三井化学社製、商品名「FTR8100」、固形分100%]に変更したこと以外は実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
〔実施例7〕
粘着剤組成物における粘着付与樹脂の種類を軟化点95℃のスチレン系炭化水素[三井化学社製、商品名「FTR6100」、固形分100%]に変更したこと以外は実施例2と同様に両面粘着テープを作製した。
〔実施例8〕
粘着剤組成物におけるイソシアネート系架橋剤の種類をキシリレンジイソシアナート(XDI)系架橋剤[日本ポリウレタン工業社製、商品名「タケネートD110N」、固形分75質量%]に変更したこと以外は実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
〔比較例1〕
粘着剤組成物を調製する際に粘着付与樹脂を配合しなかったこと以外は実施例1と同様に両面粘着テープを作製した。
〔試験例1〕<密着性評価試験>
実施例および比較例の両面粘着シートのそれぞれについて、第一の剥離材を剥離して厚さ25μmのPETフィルム[東レ社製、商品名「ルミラー」]を貼付し、得られた積層体を切断して25mm×100mmの矩形の粘着シートを得た。続いて、得られた粘着シートの第二の剥離材を剥離して表出させた粘着剤層の面を、エポキシ電着塗装板(パルテック社製)からなる平面被着体上に、貼付面積が25mm×50mmになるように、23℃、相対湿度50%の環境下で貼付し、40℃環境下で、粘着シートにおける貼付されていない(粘着剤層が表出したままの)端部に、平面被着体との貼付面に対して90°方向平面被着面から離間する向きに1.96Nの荷重を加えた。この状態で30分間放置し、30分間経過後の平面被着体からの粘着シートの剥がれ量(ずれ量)を測定し、以下の基準にて評価した。
A:ずれ量:25mm以下
B:ずれ量:25超40mm未満
C:ずれ量:40超50mm未満
D:ずれ量:50mm以上
評価結果を表1に示す。測定された粘着シートの剥がれ量(ずれ量)を、評価結果の欄におけるカッコ内に示した。なお、比較例1の粘着シートは、荷重付与後30分間経過する前に平面被着体から剥離してしまったため、その旨表示した。
〔試験例2〕<アウトガスの発生量の測定>
アウトガスの発生量はパージ&トラップGCMass[日本電子工業社製、商品名「JHS−100A」]にて測定した。試料(20cm)をアンプル瓶に封入し、アンプル瓶をパージ&トラップGCMassにて、120℃で10分間加熱してガスを採取し、その後GCMass[PerkinElmer社製、商品名「TurboMass」]に導入して、n−デカンを用いて作成した検量線を用いて、採取したガスの量を、n−デカン換算量(単位:ng/cm)として求め、その結果をアウトガスの発生量とした。評価結果を表1に示す。
Figure 2015183015
表1に示されるように、本発明の条件を満たす実施例の両面粘着シートはアウトガスの発生量が少なく、しかも、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物が粘着付与樹脂を含有するため、両面粘着シートが被着面から剥離しにくい。
本発明の両面粘着シートは粘着性に優れ、かつアウトガスの発生量の増加が抑制されているため、HDDやリレーなどのデバイスにおける、その表面に異物付着を嫌う部品が組み込まれた部品を、高屈曲面を有する筺体などに貼着するための部材として好適に使用できる。
1…HDDの筺体
2…FPC
3…両面粘着シート
4…FPCと両面粘着シートとの積層体

Claims (9)

  1. 粘着剤層を少なくとも1層備える両面粘着シートであって、
    前記粘着剤層は粘着付与樹脂を含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、
    アウトガスの発生量がn−デカン換算量で1.0μg/cm以下であること
    を特徴とする両面粘着シート。
  2. 前記粘着剤層組成物は架橋剤と架橋性重合体とを含み、前記架橋剤はイソシアネート系架橋剤を含有する請求項1に記載の両面粘着シート。
  3. 前記粘着付与樹脂の軟化点が95℃以上である請求項1または2に記載の両面粘着シート。
  4. 前記粘着剤組成物における前記粘着付与樹脂の含有量は、前記架橋性重合体の固形分100質量部に対して1質量部以上である請求項2または3に記載の両面粘着シート。
  5. 前記粘着剤層のゲル分率が10%以上70%以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の両面粘着シート。
  6. 前記架橋性重合体はアクリル系重合体を含有する請求項2から5のいずれか一項に記載の両面粘着シート。
  7. 前記アクリル系重合体は、エチレン性不飽和基を有するモルフォリン系化合物に基づく構成単位を含む請求項6に記載の両面粘着シート。
  8. ハードディスクドライブ内の部品付着用である請求項1から7のいずれか一項に記載の両面粘着シート。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載される両面粘着シートが備える粘着剤層を形成するための粘着剤組成物であって、粘着付与樹脂を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
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