[第1実施形態]
第1実施形態に係る媒体積載装置、搬送装置、及び画像形成装置の一例について説明する。
<全体構成>
図1には、第1実施形態の一例としての画像形成装置10が示されている。なお、以下の説明では、図1に矢印Yで示す方向(Y方向)を高さ方向、Y方向に直交し矢印Xで示す方向(X方向)を幅方向とする。また、Y方向及びX方向のそれぞれに直交する方向(Z方向)を奥行き方向とする。さらに、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視(Z方向視)して、上側をY側、下側を−Y側、右側をX側、左側を−X側、奥側をZ側、手前側を−Z側と記載する。
画像形成装置10は、各構成部品が設けられる筐体11を有する。筐体11の内部には、媒体の一例である用紙Pを搬送する搬送装置60と、搬送装置60で搬送される用紙Pに画像を形成する画像形成部14と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20とが設けられている。また、筐体11のZ側には、搬送装置60により搬送される用紙Pの搬送路80が、Y方向に沿って設けられている。さらに、筐体11の上部(Y側)には、画像形成部14によって画像が形成された用紙Pが排出される排出部18が設けられている。
画像形成部14は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像を形成する画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kを有する。また、画像形成部14は、中間転写ベルト24と、一次転写ロール26と、二次転写ロール28と、定着装置30とを有する。
中間転写ベルト24には、画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kで形成されたトナー画像(図示省略)が転写される。一次転写ロール26は、画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kで形成されたトナー画像を中間転写ベルト24に転写する。二次転写ロール28は、一次転写ロール26によって中間転写ベルト24に転写されたトナー画像を中間転写ベルト24から用紙Pへ転写する。定着装置30は、二次転写ロール28によって中間転写ベルト24から用紙Pへ転写されたトナー画像を用紙Pに定着させる。
なお、画像形成部14は、上記の構成に限らず、他の構成であっても良く、用紙Pに画像を形成するものであればよい。
画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kは、Z方向に対して傾斜した状態で、筐体11の内部に並んで配置されている。また、画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kは、一方向(例えば、図1における時計回り方向)へ回転する感光体32をそれぞれ有する。なお、画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kは、トナーを除いて同様の構成とされているので、図1では、画像形成ユニット22M、22C、22Kの各部の符号を省略している。
各感光体32の周囲には、感光体32の回転方向上流側から順に、帯電ロール23と、現像装置38と、クリーニング装置40とが設けられている。帯電ロール23は、一例として、接地された感光体32との間に電源(図示省略)から電圧が印加されることで、感光体32を帯電させる。現像装置38は、帯電ロール23によって帯電された感光体32を後述する露光装置36が露光することで形成された静電潜像を、トナーにより現像(顕在化)してトナー画像を形成する。クリーニング装置40は、感光体32に残留した残留トナーを除去する。
画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kの斜め下方には、露光装置36が設けられている。露光装置36は、制御部20から送られた画像信号に基づき、帯電ロール23によって帯電された感光体32を露光して、感光体32に静電潜像を形成する。制御部20から送られる画像情報としては、例えば、外部装置(図示省略)で生成されその外部装置から制御部20が取得する画像情報や、画像形成装置10において原稿等の画像を読み取ることで生成される画像情報などがある。
中間転写ベルト24は、環状に形成されると共に、画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kの斜め上側に配置されている。中間転写ベルト24の内周側には、中間転写ベルト24が巻き掛けられる巻掛ロール42、43、44、45が設けられている。中間転写ベルト24は、例えば、巻掛ロール43が回転駆動されることによって、感光体32と接触しながら一方向(例えば、図1における反時計回り方向)へ循環移動するようになっている。なお、巻掛ロール42は、中間転写ベルト24を挟んで二次転写ロール28に対向している。
一次転写ロール26は、それぞれ、中間転写ベルト24を挟んで感光体32に対向している。また、一次転写ロール26は、転写電圧(転写バイアス)の印加により、感光体32に形成されたトナー画像を中間転写ベルト24に転写するようになっている。なお、一次転写ロール26と感光体32との間が、感光体32に形成されたトナー画像が中間転写ベルト24に転写される一次転写位置T1とされている。
二次転写ロール28は、既述のように、中間転写ベルト24を挟んで巻掛ロール42に対向している。また、二次転写ロール28は、転写電圧(転写バイアス)の印加により、中間転写ベルト24に転写されたトナー画像を用紙Pに転写するようになっている。なお、二次転写ロール28と巻掛ロール42との間が、中間転写ベルト24に転写されたトナー画像が用紙Pに転写される二次転写位置T2とされている。また、搬送路80において、用紙Pが搬送される方向の二次転写位置T2よりも手前側には、二次転写位置T2へ用紙Pを搬送するタイミングを合わせるための位置合せロール82が設けられている。
搬送装置60は、後述する収容部102に収容(配置)された用紙Pを位置合せロール82へ向けて搬送するようになっている。なお、搬送装置60の具体的な構成については後述する。
定着装置30は、搬送路80に対して用紙Pの画像面側に回転可能に設けられた定着ロール30Aと、搬送路80に対して用紙Pの画像面側とは反対側に回転可能に設けられた加圧ロール30Bとを有する。
定着ロール30Aは、一例として、円筒状の芯金(図示省略)の外周面にシリコンゴム層及びフッ素樹脂系の離型層(図示省略)が形成され、芯金内にヒータ30Cが設けられた構成となっている。加圧ロール30Bは、一例として、円筒状の芯金(図示省略)の外周面にシリコンゴム層及びフッ素樹脂系の離型層(図示省略)が形成された構成となっている。また、加圧ロール30Bの外周面は、バネ(図示省略)の付勢力により、定着ロール30Aの外周面に押し付けられている。
定着装置30では、二次転写位置T2から搬送路80に沿ってY側へ搬送された用紙Pに対し、二次転写位置T2で転写されたトナー画像を加熱及び加圧して定着させる。用紙Pが搬送される方向で定着装置30よりも下流側(図示の上側)には、トナー画像が定着された用紙Pを排出部18へ排出する排出ロール52が設けられている。
また、筐体11の内部で二次転写位置T2に対する中間転写ベルト24とは反対側(Z側)には、反転搬送路37が設けられている。反転搬送路37は、片面にトナー画像が定着された用紙Pを反転させて、再び二次転写位置T2へ送り戻す。ここで、用紙Pの両面にトナー画像を形成する際には、片面にトナー画像が定着された用紙Pが、排出ロール52によりスイッチバックされて反転搬送路37に導かれ、二次転写位置T2へ送り戻されるようになっている。
なお、本実施形態では、用紙Pのうち、はがきや厚紙のように普通紙に比して厚く、反転搬送路37で反転させられないものについて両面にトナー画像を形成する際には、当該用紙Pの一方の面にトナー画像が形成される。そして、この反転させられない用紙Pは、片面にトナー画像が定着され排出部18に排出された後、再度、収容部102内に収容され、他方の面にトナー画像が形成される。
(画像形成動作)
次に、第1実施形態に係る画像形成装置10における画像形成動作について説明する。
画像形成装置10では、後述する収容部102に収容された用紙Pが、搬送装置60及び位置合せロール82によって、二次転写位置T2へ搬送される。
一方、画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kでは、帯電ロール23によって帯電された感光体32が露光装置36によって露光され、感光体32に静電潜像が形成される。この静電潜像が現像装置38によって現像され、感光体32にトナー画像が形成される。そして、画像形成ユニット22Y、22M、22C、22Kで形成された各色のトナー画像は、各一次転写位置T1にて中間転写ベルト24に重ねられ、カラー画像が形成される。中間転写ベルト24に形成されたカラー画像は、二次転写位置T2において用紙Pへ転写される。
二次転写位置T2においてトナー画像が転写された用紙Pは、定着装置30に搬送され、トナー画像が定着される。用紙Pの片面へのみ画像を形成する場合は、トナー画像が定着された後、用紙Pが排出ロール52により排出部18へ排出される。一方、用紙P(はがき及び厚紙を除く)の両面へ画像を形成する場合は、既述のように、用紙Pの片面に画像が形成された後、用紙Pが、排出ロール52でスイッチバック搬送され、反転して反転搬送路37へ送り込まれる。続いて、用紙Pが、反転搬送路37から再び二次転写位置T2へ送り込まれ、画像が形成されていない反対面に、上記と同様にトナー画像が形成される。このようにして、用紙Pの両面に画像が形成され、排出ロール52により排出部18へ排出される。
<用紙の積載>
図2(A)には、本実施形態に対する比較例として、搬送装置300が示されている。搬送装置300は、用紙Pを収容する収容部302と、収容部302内に設けられ用紙Pが積載される底板304と、底板304上に積載されたうち一番上の用紙Pを搬送路80へ送り出す送出ロール306とを有している。なお、図2(A)、(B)では、各部材の断面を示すハッチングを省略している。
収容部302は、上方が開放された箱状に形成されている。即ち、収容部302は、X−Z面に沿って広がる底壁302Aと、底壁302Aの周縁でY方向に沿って直立する側壁302Bと、を有している。
底板304は、−Z側の端部にX方向を軸方向とする回転軸304Aが形成されている。回転軸304Aは、底壁302Aに回転可能に連結されている。そして、底板304のZ側は、バネ(図示省略)によって付勢され、Y側へ移動可能となっている。
送出ロール306は、X方向に見て、底板304のZ側の端部に対してY側(上側)に配置されている。また、送出ロール306により用紙Pの先端が送り出される場所には、搬送路80が設けられている。
比較例の搬送装置300では、用紙Pのうち普通紙(第1の媒体の一例)よりも厚い厚紙PA(第2の媒体の一例)を普通紙と同じ枚数で底板304上に積載した場合、普通紙よりも積載高さPHが高くなる。言い換えると、底板304のZ側端部の高さが、普通紙を積載した場合に比して低くなり、底壁302Aに対する底板304の傾き(傾斜角度)が小さくなる。
ここで、底板304上に積載された厚紙PA(カールはしていないものとする)の傾きは、底板304の傾きに倣う。このため、比較例の搬送装置300では、送出ロール306で送り出される一番上の厚紙PAの送出方向(矢印Bで示す)が、搬送路80の傾き方向(矢印Aで示す)に対してずれることになる。即ち、送り出される厚紙PAと搬送路80との接触角度が普通紙に比して急に(差が大きく)なる。さらに、厚紙PAは、普通紙に比して搬送抵抗が大きい。これらの理由により、厚紙PAは、枚数が多い場合に搬送できなくなる。
このような複数枚の厚紙PAを搬送可能とするためには、厚紙PAの傾きを搬送路80の傾きに近づければよい。しかし、比較例の搬送装置300において、厚紙PAの傾きを搬送路80の傾きに近づけるということは、図2(B)に破線で示すように、底板304のZ側端部の高さを高くすることを意味する。即ち、底板304上に搬送可能な状態で積載される厚紙PAの枚数は、P1に制限されることになる。そこで、本実施形態では、搬送可能な状態で積載される用紙Pの枚数を比較例の搬送装置300よりも増やすことを目的とする。
[要部構成]
次に、搬送装置60について説明する。
図1に示すように、搬送装置60は、媒体積載装置の一例としての用紙積載部100と、用紙Pを搬送する搬送部110とを有している。
<搬送部>
搬送部110は、一例として、用紙Pを搬送路80へ送り出す送出ロール112と、用紙Pの搬送方向で送出ロール112よりも下流側に配置され、用紙Pを搬送する一対の搬送ロール114、116とを有する。なお、搬送路80は、用紙Pの搬送の経路であり、複数の湾曲したガイド部材81(図2(A)参照)により構成されている。
送出ロール112は、後述する底部材104のZ側端部の上方(Y側)に位置しており、X方向を軸方向として回転可能に設けられている。搬送ロール114、116は、X方向を軸方向として回転可能とされており、後述する側壁102Dに対する底部材104側とは反対側で、搬送路80を挟んで対向配置されている。なお、本実施形態では、用紙Pが搬送される搬送方向と交差する交差方向となる鉛直方向が、Y方向となっている。
ここで、搬送部110では、後述する接触位置Sに複数枚の用紙Pの先端側が配置されたとき、送出ロール112がY側の用紙Pへ搬送力を付与する一方、後述する底部材104が−Y側の用紙Pに搬送抵抗を付与する。これにより、用紙Pが、1枚ずつ分離され、搬送ロール114と搬送ロール116との間に搬送されるようになっている。
<用紙積載部>
図3に示すように、用紙積載部100は、用紙P(図1参照)を収容する収容部102と、用紙Pが積載される積載部の一例としての底部材104と、底部材104を移動させる移動部の一例としてのコイルバネ106(図1参照)とを有する。さらに、用紙積載部100は、用紙PのX方向の側端部(両端部)と接触して位置決めし且つ用紙PをZ方向に案内するサイドガイド108A、108Bと、用紙Pの後端(−Z側)を位置決めするエンドガイド109とを有する。
(収容部)
収容部102は、筐体11(図1参照)に対して、−Z側に取外し可能(又は引き出し可能)に、且つ、Z方向に沿ってZ側に装着可能に設けられている。そして、収容部102には、搬送部110に送り込まれる用紙Pが収容される。
また、収容部102は、上方(Y側)が開放された箱状に形成されている。即ち、収容部102は、X−Z面に沿って配置される底壁102Aと、底壁102AのX側、−X側、Z側及び−Z側に配置された4つの側壁102B、102C、102D、102Eと、を有している。側壁102B及び側壁102CのZ側の部位には、Y方向に長さを有する長孔102Fが形成されている。長孔102Fには、底部材104の後述する軸部104Dが、Y方向に沿って移動可能に差し込まれている。
さらに、収容部102は、側壁102Dの外側(Z側)に設けられた外壁103を有する。外壁103と側壁102Dとの間には、既述の搬送ロール116が設けられている。なお、図4(A)、(B)、及び図5では、外壁103の図示及び各部材の断面を示すハッチングを省略している。
底壁102Aには、−Z側のX方向中央部で−Y側に窪んだ溝部102Gが形成されている。溝部102Gの側壁には、X方向に開口され、Z方向に長さを有する長孔102H(図4(B)参照)が形成されている。長孔102Hには、底部材104の後述する軸部104E(図4(B)参照)が、長孔102Hの長さ方向(Z方向)に沿って移動可能に差し込まれている。なお、底壁102AのY側の面である底面102Kは、一例として、X−Z面に沿った水平面となっている。
サイドガイド108A、108Bは、板状の部材であり、底壁102A上に直立している。また、サイドガイド108A、108Bは、ピニオン及びラック(図示省略)により、X方向及び−X方向に移動可能に設けられている。エンドガイド109は、底部材104の−Z側にZ方向に移動可能に設けられており、用紙Pの後端(搬送方向における上流側の端部)の位置決めを行う。
(底部材)
図3に示すように、底部材104は、支持部及び下流側変更部材の一例としての第1底部104Aと、第1底部104AのX方向中央部から−Z側へ延びる第2底部104Bと、第2底部104BからL字状に張り出した第3底部104Cとを有する。
第1底部104Aは、用紙P(図示省略)の搬送方向で底部材104における下流側に設けられている。また、第1底部104Aは、Y方向視で、Z側がX方向に長く−Z側がZ方向に長いT字形状となっている。さらに、第1底部104Aの上面105(Y側の面)は、Z側から−Z側に向けて、−Y側に下がるように傾斜されている。具体的には、第1底部104Aは、X方向に見て、直角三角形状となっている。第1底部104Aの一部には、上面105よりも傾斜角度が大きい傾斜面104Fが形成されている。このように、底部材104は、用紙Pの搬送方向の下流側に向かって、Y方向の厚み(高さ)が増加する形状となっている。
図4(A)に示すように、第1底部104Aの上面105の長さはL1となっている。長さL1は、厚紙PA(図5参照)の搬送方向の長さL2(図5参照)よりも長くなっている。即ち、第1底部104Aの上面には、厚紙PAの搬送方向の全体が積載され、厚紙PAを支持するようになっている。なお、本実施形態における厚紙PAとは、一例として、普通紙よりも厚く、普通紙よりも搬送方向の長さが短い用紙である。そして、普通紙は、厚紙以外の媒体の一例である。
図4(B)に示すように、底部材104における搬送方向の下流側の部分に積載された厚紙PAが底面102Kに対し成す角度をθ1とする。また、第2底部104Bに厚紙PA以外の媒体の一例である普通紙PEが積載される場合の第2底部104Bの上面107が底面102Kに対し成す角度をθ2とする。ここで、θ1>θ2となっている。即ち、第1底部104Aは、積載される媒体が厚紙PAの場合に、角度θ1が角度θ2に対して大きくなるように厚紙PAの傾きを変更し、厚紙PAを送出ロール112で送り出し(搬送)可能としている。
言い換えると、第1底部104Aは、底部材104における搬送方向の上流側である第2底部104Bが底面102Kに対し成す角度θ2よりも、積載される厚紙PAが底面102Kに対し成す角度θ1が大となるように、厚紙PAを支持するようになっている。
図3に示すように、第1底部104AにおけるZ側で且つX方向及び−X方向の端面には、それぞれ、X側、−X側に突出する軸部104Dが設けられている。軸部104Dは、一例として、X方向を軸方向とする円柱状に形成されており、それぞれ、長孔102FにY方向に沿って移動可能に差し込まれている。さらに、軸部104Dは、X方向に見て、時計回り方向及び反時計回り方向に回転可能となっている。
第2底部104Bは、底部材104をX−Z面上に配置した状態で、第1底部104Aに連続して、−Z側へ向けてZ方向に沿って延びている。また、第2底部104Bの−Z側の端部には、X側及び−X側に突出する回転軸の一例としての軸部104E(図4(A)参照)が設けられている。
第3底部104Cは、第2底部104BのX側と−X側の2箇所に設けられている。また、第3底部104Cは、第2底部104BからX方向に張り出された部位と、該張り出された部位から−Z側へ延びる部位とで、L字状に形成されている。なお、図示を省略するが、第3底部104Cについても軸部104Eが設けられている。
図4(A)に示すように、軸部104Eは、一例として、X方向を軸方向とする円柱状に形成されており、送出ロール112に対して厚紙PA(図示省略)の搬送方向の上流側(−Z側)に設けられている。また、軸部104Eは、長孔102HにZ方向に沿って移動可能に差し込まれている。さらに、軸部104Eは、X方向に見て、時計回り方向及び反時計回り方向に回転可能となっており、該回転によって、搬送方向における底部材104の下流側の端部を送出ロール112に接近させ、送出ロール112から離すようになっている。
(コイルバネ)
図4(B)に示すように、コイルバネ106は、第1底部104Aと底壁102Aとの間に設けられ、第1底部104AをY側へ押し付けている。これにより、図5に示すように、底部材104のZ側がY側へ移動し(送出ロール112に対して上方向に接近し)、用紙Pの搬送方向における下流側の端部が、送出ロール112の−Y側の外周面に接触するようになっている。即ち、コイルバネ106は、用紙Pの先端部(搬送方向の下流側の端部)が送出ロール112に接触する接触位置Sと、用紙Pの先端部が送出ロール112に接触しない非接触位置N(4(A)参照)との間で、底部材104を移動させるようになっている。非接触位置Nは、底部材104が送出ロール112に対して下方向に離れた位置である。
ここで、底部材104では、コイルバネ106の押付力(付勢力)により、第1底部104A側が非接触位置N(図4(A)参照)から上昇すると、軸部104Dが上方(Y側)へ移動する。この第1底部104Aの移動に伴って、軸部104Eが回転すると共に、第2底部104B、第3底部104C(図3参照)、及び軸部104EがZ側へ移動するようになっている。
また、底部材104では、ユーザ(図示省略)が押すなどして第1底部104Aが接触位置S(図5参照)から下降すると、軸部104Dが下方へ移動する。そして、第1底部104Aの下降に伴って、第2底部104B、第3底部104C(図3参照)、及び軸部104Eが−Z側へ移動するようになっている。
なお、底部材104には、収容部102が筐体11(図1参照)に対して取り外される(又は引き出される)動作に伴って、底部材104を下降させると共に当該下降状態で保持する保持機構(図示省略)が設けられている。また、底部材104には、収容部102が筐体11に対して装着される動作に伴って、当該保持機構の保持を解除する解除機構(図示省略)が設けられている。
<作用>
次に、第1実施形態の作用について説明する。
(厚紙の搬送動作)
図4(A)に示す収容部102内において、底部材104のZ側が下がった状態で、複数枚の厚紙PAが第1底部104A上に積載される。そして、厚紙PAの先端(搬送方向の下流側の端部)が非接触位置Nに配置される。
続いて、収容部102が筐体11(図1参照)に装着されると、解除機構(図示省略)により、底部材104の保持が解除される。これにより、図5に示すように、底部材104のZ側が、コイルバネ106によってY側へ押されて上昇する。そして、厚紙PAの先端が接触位置Sに配置される。ここで、厚紙PAの傾きは、第1底部104Aによって、搬送可能な傾きに変更されている。
続いて、送出ロール112が回転する。このとき、厚紙PAは、傾きが搬送可能となる設定範囲内となっているため、送出ロール112により送り出され(搬送され)、搬送ロール114及び搬送ロール116(図1参照)の間を通過して、搬送路80(図1参照)に搬送される。
(底部材への厚紙の積載)
次に、底部材104への厚紙PAの積載について説明する。なお、図2(B)では、搬送ロール114、116(図1参照、長孔102F(図3参照)、外壁103(図3参照)、軸部104D(図3参照)、及びコイルバネ106(図4(A)参照)の図示を省略している。
図2(B)に示すように、第1実施形態の用紙積載部100において、厚紙PA(カールはしていないものとする)を底部材104上に複数枚積載したとき、底部材104上に積載された厚紙PAの傾きは、第1底部104Aの傾きに倣う。これにより、厚紙PAは、底部材104上で搬送方向における下流側の端部の高さが上流側の高さに対して高くなる傾きとなる。
ここで、底部材104上の複数の厚紙PAは、第1底部104Aによって傾きが変更され、全て搬送可能な傾きとなる。つまり、用紙積載部100では、複数の厚紙PAが搬送可能な傾きで底部材104に積載されるため、底部材104のZ側が−Y側の最も低い位置に位置していても、厚紙PAが搬送される。これにより、用紙積載部100では、比較例の搬送装置300(図2(A)参照)における積載の枚数P1に比して多い枚数P2の厚紙PAが、底部材104に積載される。
即ち、用紙積載部100では、搬送可能な状態で底部材104へ積載される用紙Pの枚数が、比較例の搬送装置300に比して増える。図2(B)の斜線部が、比較例に比して増加した厚紙PA(用紙P)の枚数を表している。
なお、図5に示すように、用紙積載部100では、底部材104上の厚紙PAの枚数が少なくなった場合についても、コイルバネ106が、底部材104の搬送方向の下流側を上方に移動させることで、厚紙PAの下流側が送出ロール112に接触する。このため、第1底部104A上の厚紙PAは、送出ロール112により搬送される。
このように、用紙積載部100では、第1底部104Aを持たない構成に比して、搬送可能な状態で底部材104へ積載される用紙Pの枚数が増える。
また、用紙積載部100では、第2底部104Bの傾きよりも、用紙Pの搬送方向の下流側の端部が上流側に対して高くなるように傾斜されるので、搬送路80がY方向に沿っていても、用紙Pの送り出し方向がY方向に近づく。これにより、用紙積載部100では、用紙Pの搬送方向の下流側の端部がY方向で第2底部104Bと同じ高さとなる構成に比して、搬送可能な状態で底部材104へ積載される用紙Pの枚数が増える。
さらに、用紙積載部100では、底部材104に傾斜した第1底部104Aが設けられているので、第1底部104Aの厚みが用紙Pの搬送方向の下流に向かって変化しない構成に比して、搬送可能な状態となる用紙Pの枚数が増える。即ち、搬送可能な状態で底部材104上へ積載される用紙Pの枚数が増える。
加えて、用紙積載部100では、底部材104が、搬送方向の下流に向かって厚みが増加するように傾斜している。このため、搬送方向で厚みが変わらない底板を用いる場合に比して、用紙Pの傾きが搬送可能な傾きに近づくので、用紙Pの傾きを搬送可能な設定範囲内に調整し易くなる。
搬送装置60では、用紙積載部100において搬送可能な状態で積載される(収容される)用紙Pの枚数が増えるので、搬送可能な最大枚数を収容部102内に収容することで、用紙Pを補給する頻度が低下する。
画像形成装置10では、搬送可能な状態で用紙積載部100において積載される(収容される)用紙Pの枚数が増えるので、1回の用紙Pの補給において搬送可能な最大枚数を補給することで、より多くの用紙Pに連続して画像形成が行われる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る媒体積載装置、搬送装置、及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図6(A)には、第2実施形態の積載部の一例としての底部材120が示されている。底部材120は、第1実施形態の用紙積載部100(図1参照)において、底部材104に換えて設けられている。なお、底部材120を除く他の構成については、第1実施形態と同様である。
底部材120は、積載部の一例としての底板122と、底板122に対して取り付け及び取り外し可能とされた下流側変更部材の一例としての取付部材124とを有している。なお、底部材120は、底板122に取付部材124を取り付けた状態では、底部材104(図4(B)参照)と同じ形状、同じ大きさとなっている。このため、底部材120は、既述の角度θ1と角度θ2(図4(B)参照)が、第1実施形態と同様となっている。
底板122は、X−Z面(水平面)に沿って配置した状態でY方向を厚み方向とする板材であり、Z側、−Z側それぞれのX側及び−X側にX方向に沿った軸部104D、104Eが形成されている。また、底板122の中央部よりもZ側(搬送方向の下流側)には、Z方向に間隔をあけてY側に開口した凹部122A、122Bが形成されている。
取付部材124は、X方向に見て直角三角形である三角柱状の部材であり、Y方向に見て底板122に重なる大きさとなっている。また、取付部材124は、Z側に向って厚みが増加している。即ち、取付部材124は、Z側に向けて位置が高くなる傾斜面124Aを有しており、傾斜面124A上に用紙P(一例として、既述の厚紙PA(図5参照))が積載されるようになっている。さらに、取付部材124の底面には、−Y側へ突出した凸部124B、124Cが形成されている。凸部124Bは、凹部122Aに嵌まる大きさであり、凸部124Cは、凹部122Bに嵌まる大きさとなっている。
<作用>
次に、第2実施形態の作用について説明する。
図6(B)に示すように、凸部124Bを凹部122Aに嵌め、凸部124Cを凹部122Bに嵌めることで、底板122と取付部材124とが一体となり、底部材120が形成される。ここで、厚紙PA(図5参照)を積載する場合、底部材104(図1参照)と同様に取付部材124によって厚紙PAの傾きが変更され、底部材120上の全ての厚紙PAが搬送可能な状態で積載される。これにより、搬送可能な状態で底部材120へ積載される厚紙PA(用紙P)の枚数が、比較例の搬送装置300(図2(A)参照)に比して増える。
さらに、第2実施形態の搬送装置60では、厚紙PAよりも薄い用紙Pを搬送する場合、取付部材124を底板122から取り外すことで、底板122上に薄い用紙Pが積載される。これにより、底板122と取付部材124とが一体のものに比して、薄い用紙Pの積載量が増加する。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る媒体積載装置、搬送装置、及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
<カールした用紙の積載>
図7には、本実施形態に対する比較例として、搬送装置320が示されている。搬送装置320は、用紙Pを収容する収容部322と、収容部322内に設けられ用紙Pが積載される底板324と、底板324上に積載されたうち一番上の用紙Pを搬送路80へ送り出す送出ロール326とを有している。
収容部322は、上方が開放された箱状に形成されている。即ち、収容部322は、X−Z面に沿って広がる底壁322Aと、底壁322Aの周縁でY方向に沿って直立する側壁322Bと、を有している。
底板324は、−Z側の端部にX方向を軸方向とする回転軸324Aが形成されている。回転軸324Aは、底壁322Aに回転可能に連結されている。そして、底板324のZ側は、バネ(図示省略)によって付勢され、Y側へ移動可能となっている。
送出ロール326は、X方向に見て、底板324のZ側の端部に対してY側(上側)に配置されている。また、送出ロール326により用紙Pの先端が送り出される場所には、搬送路80が設けられている。
比較例の搬送装置320では、カールした厚紙PBを底板224上に積載した場合、カールしていない厚紙PAを積載した場合に比して、厚紙PBの先端(搬送方向の下流側端部)の送出方向と搬送路80の傾き方向とのずれが大きくなる。なお、図7において、カールしていない複数の厚紙PAが破線で示されており、複数の厚紙PAが搬送可能な状態で積載された底板324が二点鎖線で示されている。また、複数の厚紙PAを搬送可能な状態で底板324上に積載したときのZ方向に対する底板324の傾斜角度をθ11とする。
ここで、比較例の搬送装置320において、カールした厚紙PBを搬送可能な状態とするには、底板324の傾斜角度をθ11よりも大きいθ12として、厚紙PBの先端の傾きを搬送路80の傾きに近づければよい。しかし、比較例の搬送装置320において、厚紙PBの傾きを搬送路80の傾きに近づけるということは、底板324のZ側端部の高さを高くすることを意味する。即ち、底板324上に積載され搬送可能となるカールした厚紙PBの枚数が、カールしていない厚紙PAを搬送する場合に比して少なくなる。そこで、本実施形態では、搬送可能な状態で積載されるカールした用紙Pの枚数を増やすことを目的とする。
[要部構成]
次に、第3実施形態の用紙積載部130について説明する。
<用紙積載部>
図9(A)に示す用紙積載部130は、第1実施形態の搬送装置60(図1参照)において、用紙積載部100(図1参照)に換えて設けられている。また、用紙積載部130は、用紙Pを収容する収容部132と、用紙Pが積載される積載部の一例としての底部材134と、底部材134を移動させるコイルバネ106と、用紙PのX方向の両端部を位置決めしZ方向に案内するガイド部材(図示省略)とを有する。コイルバネ106は、第1実施形態の底部材104(図3参照)と同様に底部材134を移動させる。
(用紙)
図8に示すように、用紙積載部130に配置されるはがきPCは、Y方向に見て、Z方向を長手方向とする矩形状に形成されており、X方向の幅がW1となっている。用紙積載部130に配置される厚紙PDは、Y方向に見て、Z方向を長手方向とする矩形状に形成されており、X方向の幅がW2(>W1)となっている。また、厚紙PDは、はがきPCに比してZ方向の長さが長くなっている。
なお、図8に二点鎖線で示すはがきPC及び厚紙PDは、定着装置30(図1参照)により片面にトナー画像が定着されることで画像形成されて排出され、画像面側にカール(湾曲)した状態のものを収容部132に配置した状態で、Y方向に見たものである。
(収容部)
収容部132は、筐体11(図1参照)に対して、−Z側に取り外し可能(又は引き出し可能)に、且つ、Z方向に沿ってZ側に装着可能に設けられている。また、収容部132は、上方(Y側)が開放された箱状に形成されている。即ち、収容部132は、X−Z面に沿って配置される底壁132Aと、底壁132AのX側、−X側、Z側及び−Z側に配置された4つの側壁132B、132C、132D、132Eと、を有している。側壁132B及び側壁132CのZ側の部位には、底部材134のX方向両端部に形成された軸部(図示省略)をY方向に案内する長孔(図示省略)が形成されている。
図9(A)に示すように、収容部132の底壁132Aには、底部材134における後述する第1凹部142の周辺部位が収容される第1穴部136と、後述する第2凹部144の周辺部位が収容される第2穴部138とが形成されている。第1穴部136及び第2穴部138は、Y側に開口されている。なお、各凹部の周辺部位とは、−Y側に突出した部位である。また、底壁132AのY側の面である底面133は、一例として、X−Z面に沿った水平面となっている。
(底部材)
図8に示すように、底部材134は、一例として、X方向を短手方向、Z方向を長手方向とする矩形状の板材である。底部材134のX方向の幅は、底部材134に載せられる用紙PのX方向の最大幅よりも広くなっている。また、底部材134には、用紙Pの搬送方向において、当該用紙Pの上流側を下流側の端部に対して低くし且つ支持する支持部及び上流側変更部材の一例としての第1凹部142及び第2凹部144が形成されている。
さらに、底部材134のX方向の両端部には、側壁132B及び側壁132Cの長孔(図示省略)に案内される軸部(図示省略)と、底壁132Aの長孔(図示省略)に案内される軸部134A(図9(A)参照)とが、X方向を軸方向として形成されている。
図9(A)に示す軸部134Aは、回転軸の一例である。また、軸部134Aは、X方向に見て、時計回り方向及び反時計回り方向に回転可能となっており、該回転によって、搬送方向における底部材134の下流側の端部を送出ロール112に接近させ、送出ロール112から離すようになっている。
図8に示す底部材134には、収容部132が筐体11(図1参照)に対して取り外される(又は引き出される)動作に伴って、底部材134を降下させると共に当該降下状態で保持する保持機構(図示省略)が設けられている。また、底部材134には、収容部132が筐体11に対して装着される動作に伴って、当該保持機構の保持を解除する解除機構(図示省略)が設けられている。
(第1凹部)
第1凹部142は、一例として、−Y側へ一定の深さd1(図9(A)参照)で窪んでいる。また、第1凹部142は、一例として、Y方向に見て、X方向を長手方向、Z方向を短手方向とする矩形状に形成されている。さらに、第1凹部142は、X方向の幅がW3(W1<W3<W2)、Z方向の長さがL3となっている。
加えて、第1凹部142は、接触位置Sから第1凹部142のZ側の縁までの長さがL4(L3<L4)となっている。ここで、収容部132では、カールした状態のはがきPCの先端(Z側)が接触位置Sに配置されるとき、はがきPCの後端(−Z側)が第1凹部142内に配置されるように、長さL3、L4、及び深さd1(図9(A)参照)が設定されている。
(第2凹部)
第2凹部144は、一例として、−Y側へ一定の深さd1(図9(A)参照)で窪んでいる。また、第2凹部144は、一例として、Y方向に見て、X方向を長手方向、Z方向を短手方向とする矩形状に形成されている。さらに、第2凹部144は、X方向の幅がW4(W1<W3<W2<W4)、Z方向の長さがL5となっている。
加えて、第2凹部144は、接触位置Sから第2凹部144のZ側の縁までの長さがL6((L3+L4)<L6)となっている。収容部132では、カールした状態の厚紙PDの先端(Z側)が接触位置Sに配置されるとき、厚紙PDの後端(−Z側)が第2凹部144内に配置されるように、長さL5、L6、及び深さd1(図9(A)参照)が設定されている。
ここで、図9(B)に示すように、底部材134に積載されたカールしたはがきPCが底面133に対し成す角度をθ3とする。また、底部材134に積載されたカールした厚紙PDが底面133に対し成す角度をθ4とする。なお、はがきPC及び厚紙PDはカールしているため、これらの傾き(角度)については、搬送方向の一端と他端を結んだ線分の角度で表す。
さらに、底部材134の上面134Bが底面133に対し成す角度をθ5とする。ここで、一例として、θ3>θ4>θ5となっている。即ち、底部材134は、積載される媒体がはがきPC、厚紙PDの場合に、角度θ3、角度θ4が角度θ5に対して大きくなるようにはがきPC、厚紙PDの傾きを変更し、はがきPC、厚紙PDを送出ロール112で送り出し(搬送)可能としている。
(作用)
次に、第3実施形態の作用について説明する。
図1に示す画像形成装置10において、はがきPC(図8参照)の片面に画像形成が行われる。これにより、はがきPCは、トナー画像が定着された側が凹形状にカール(湾曲)する。
図9(A)に示すように、収容部132が筐体11(図1参照)から取り外された(又は引き出された)状態において、底部材134は、保持機構(図示省略)により、−Y側へ下降した状態で保持されている。この状態で、底部材134にカールしたはがきPC(図8参照)が載せられる。また、カールしたはがきPCの後端は、第1凹部142内に挿入される。
続いて、収容部132が筐体11に装着されると、解除機構(図示省略)により、底部材134の保持が解除される。これにより、図9(B)に示すように、底部材134が、コイルバネ106によってY側へ押されて上昇する。そして、カールしたはがきPCの先端が、接触位置Sに配置される。
ここで、カールしたはがきPCは、後端が第1凹部142内に挿入されていることで、搬送方向の下流側の端部の傾きが搬送可能な傾きに変更されるので、送出ロール112の回転により搬送路80へ搬送される。また、底部材134では、カールしたはがきPCの後端が第1凹部142内に挿入されていることにより、第1凹部142が形成されていないものと比して底部材134の傾きが小さくても、はがきPCが搬送可能な状態となる。これにより、用紙積載部130では、比較例の搬送装置300よりも搬送可能な状態で底部材134に積載されるカールしたはがきPCの枚数が増える。
一方、片面に画像形成されカールした厚紙PD(図9(B)参照)を搬送する場合、底部材134が−Y側へ下降した状態で、底部材134にカールした厚紙PDが載せられる。このとき、図9(B)に示すように、カールした厚紙PD(二点鎖線で示す)の後端(搬送方向の上流側)は、第2凹部144内に挿入される。
続いて、収容部132が筐体11に装着されると、解除機構(図示省略)により、底部材134の保持が解除される。これにより、底部材134が、コイルバネ106によってY側へ押されて上昇する。そして、カールした厚紙PDの先端が、接触位置Sに配置される。
ここで、カールした厚紙PDは、後端が第2凹部144内に挿入されていることで、搬送方向の下流側の端部の傾きが搬送可能な傾きに変更されるので、送出ロール112の回転により搬送路80へ搬送される。また、底部材134では、カールした厚紙PDの後端が第2凹部144内に挿入されていることにより、第2凹部144が形成されていないものと比して底部材134の傾きが小さくても、カールした厚紙PDが搬送可能な状態となる。これにより、用紙積載部130では、比較例の搬送装置300よりも搬送可能な状態で底部材134に積載されるカールした厚紙PDの枚数が増える。
さらに、画像形成装置10では、用紙積載部130において搬送可能な状態で積載される(収容される)用紙Pの枚数が増えるので、1回の用紙Pの補給において搬送可能な最大枚数の用紙Pを補給することで、より多くの用紙Pに連続して画像形成が行われる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る媒体積載装置、搬送装置、及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図10には、第4実施形態の媒体積載装置の一例としての用紙積載部150が示されている。用紙積載部150は、第1実施形態の搬送装置60(図1参照)において、用紙積載部100(図1参照)に換えて設けられている。また、用紙積載部150は、用紙Pを収容する収容部152と、用紙Pが積載される積載部の一例としての底部材154と、底部材154を移動させるコイルバネ106と、用紙PのX方向の両端部を位置決めしZ方向に案内するガイド部材(図示省略)とを有する。コイルバネ106は、第1実施形態の底部材104(図3参照)と同様に底部材154を移動させる。
(収容部)
収容部152は、筐体11(図1参照)に対して、−Z側に取り外し可能(又は引き出し可能)に、且つ、Z方向に沿ってZ側に装着可能に設けられている。また、図11に示すように、収容部152は、上方(Y側)が開放された箱状に形成されている。即ち、収容部152は、X−Z面に沿って配置される底壁152Aと、底壁152AのX側、−X側、Z側及び−Z側に配置された4つの側壁152B、152C、152D、152Eと、を有している。側壁152B及び側壁152CのZ側の部位には、底部材154のX方向両端部に形成された軸部(図示省略)をY方向に案内する長孔(図示省略)が形成されている。
図10に示すように、収容部152の底壁152Aには、底部材154における後述する凹部156の周辺部位(−Y側に突出した部位)が収容される穴部158が形成されている。穴部158は、Y側に開口されている。また、底壁152AのY側の面である底面153は、一例として、X−Z面に沿った水平面となっている。
(底部材)
図11に示すように、底部材154は、一例として、X方向を短手方向、Z方向を長手方向とする矩形状の板材である。底部材154のX方向の幅は、底部材154に載せられる用紙PのX方向の最大幅よりも広くなっている。また、底部材154には、Y側に開口した凹部156が形成されている。さらに、底部材154のX方向の両端部には、側壁152B及び側壁152Cの長孔(図示省略)に案内される軸部(図示省略)と、底壁152Aの長孔(図示省略)に案内される軸部154A(図10参照)とが、X方向を軸方向として形成されている。
図10に示す軸部154Aは、回転軸の一例である。また、軸部154Aは、X方向に見て、時計回り方向及び反時計回り方向に回転可能となっており、該回転によって、搬送方向における底部材154の下流側の端部を送出ロール112に接近させ、送出ロール112から離すようになっている。
加えて、底部材154には、収容部152が筐体11(図1参照)に対して取り外される(又は引き出される)動作に伴って、底部材154を降下させると共に当該降下状態で保持する保持機構(図示省略)が設けられている。また、底部材154には、収容部152が筐体11に対して装着される動作に伴って、当該保持機構の保持を解除する解除機構(図示省略)が設けられている。
(凹部)
凹部156は、一例として、底部材154のZ方向の中央部において、第3実施形態の第1凹部142(図8参照)と同じ位置に形成されている。また、凹部156は、第1凹部142と同じ大きさ(深さ)となっている。さらに、凹部156内には、用紙Pの後端(上流端)の高さ位置を変更する支持部及び上流側変更部材の一例としての可動板162が設けられている。
可動板162は、Y方向に見て、X方向を長手方向とする矩形状に形成されている。また、可動板162のZ側で且つX方向両端部には、X側、−X側へ向けて、X方向を軸方向とする軸部164が設けられている。
軸部164は、凹部156のX方向で対向する側面におけるZ側に形成された支持部(図示省略)に回転可能に支持されることで、可動板162のX方向端部を凹部156内に回転可能に連結している。これにより、凹部156内に可動板162が入り込むと共に、可動板162のZ方向における軸部164側とは反対側が軸部164を中心として回転可能となっている。また、軸部164には、トーションバネ166の一端が取り付けられている。トーションバネ166の他端は、底壁152Aに取り付けられている。これにより、可動板162には、初期位置に向けて付勢力が作用するようになっている。
なお、可動板162の初期位置とは、可動板162が底部材154に設けられたストッパ(図示省略)と接触して移動が規制され、可動板162のY側の面(上面)が、底部材154のY側の面(上面)と揃う位置である。
収容部152では、図10に示すように、カールした厚紙PBの先端側が接触位置Sに配置されるとき、厚紙PBの後端が可動板162と接触すると共に凹部156内に配置されるようになっている。即ち、収容部152では、カールした複数の厚紙PBが搬送可能な状態となるように、凹部156の位置、凹部156の大きさ(深さ)、可動板162の可動範囲、及びトーションバネ166(図11参照)のバネ力が設定されている。
ここで、底部材154に積載されたカールした厚紙PBが底面153に対し成す角度をθ6とする。なお、厚紙PBはカールしているため、厚紙PBの傾き(角度)については、搬送方向の一端と他端を結んだ線分の角度で表す。さらに、底部材154の上面154Bが底面153に対し成す角度をθ7とする。本実施形態では、一例として、θ6>θ7となっている。即ち、底部材154は、積載される媒体が厚紙PBの場合に、角度θ6が角度θ7に対して大きくなるように厚紙PBの傾きを変更し、厚紙PBを送出ロール112で送り出し(搬送)可能としている。
(作用)
次に、第4実施形態の作用について説明する。
図10に示す用紙積載部150において、カールした複数の厚紙PBを搬送する場合、底部材154が−Y側へ下降した状態で、底部材154にカールした複数の厚紙PBが載せられる。このとき、カールした複数の厚紙PBの後端(搬送方向の上流側)は、凹部156内で且つ可動板162上に配置される。
続いて、収容部152が筐体11(図1参照)に装着されると、解除機構(図示省略)により、底部材154の保持が解除される。これにより、底部材154が、コイルバネ106によってY側へ押されて上昇する。そして、カールした複数の厚紙PBの先端部が、接触位置Sに配置される。
可動板162には、カールした複数の厚紙PBの質量が作用しているため、可動板162の−Z側が軸部164(図11参照)を中心として−Y側(下側)へ回転移動し、複数の厚紙PBの後端が凹部156内に挿入される。そして、カールした複数の厚紙PBは、後端が凹部156内に挿入されることで、後端(上流側の端部)の高さが先端(下流側の端部)の高さに対して低くなり、傾きが変更される。
このように、カールした複数の厚紙PBは、後端が可動板162と接触して凹部156内に挿入されることで、先端側の傾きが搬送可能となる傾きに変更されるので、送出ロール112の回転により搬送路80へ搬送される。また、底部材154では、カールした複数の厚紙PBの後端が凹部156内に挿入されていることにより、凹部156が形成されていないものと比して底部材154の傾きが小さくても、カールした複数の厚紙PBが搬送可能な状態となる。これにより、用紙積載部150では、搬送可能な状態で底部材154に積載されるカールした複数の厚紙PBの枚数が増える。
さらに、画像形成装置10では、用紙積載部150において積載される(収容される)カールした複数の厚紙PB(用紙P)の枚数が増えるので、1回の用紙Pの補給において、より多くの用紙Pに連続して画像形成が行われる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る媒体積載装置、搬送装置、及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1、第4実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1、第4実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図12には、第5実施形態の媒体積載装置の一例としての用紙積載部170が示されている。用紙積載部170は、第1実施形態の搬送装置60(図1参照)において、用紙積載部100(図1参照)に換えて設けられている。また、用紙積載部170は、用紙Pが収容される収容部152と、底部材154と、コイルバネ106と、用紙PをZ方向に案内するガイド部材(図示省略)とを有する。コイルバネ106は、第4実施形態と同様に底部材154を移動させる。
底部材154の凹部156内には、用紙Pの後端(上流側の端部)の高さを先端(下流側の端部)の高さに対して低くする支持部及び上流側変更部材の一例としての可動板172が設けられている。可動板172は、Y方向に見て、X方向を長手方向とする矩形状に形成され、凹部156内に収容されている。また、凹部156内には、弾性力を有し可動板172を支持する支持部材の一例としてのコイルバネ174が設けられている。
コイルバネ174は、Y方向下端が凹部156の底面に取り付けられ、Y方向上端が可動板172の下面に取り付けられている。これにより、可動板172には、初期位置に向けて付勢力が作用するようになっている。なお、可動板172の初期位置とは、可動板172が底部材154に設けられたストッパ(図示省略)と接触して移動が規制され、可動板172のY側の面(上面)が、底部材154のY側の面(上面)と揃う位置である。
収容部152では、カールした複数の厚紙PBの先端部が接触位置Sに配置されるとき、後端が可動板172と接触すると共に凹部156内に配置されるようになっている。即ち、収容部152では、カールした複数の厚紙PBが搬送可能な状態となるように、凹部156の位置及び大きさ、可動板172の可動範囲、及びコイルバネ174のバネ力が設定されている。
(作用)
次に、第5実施形態の作用について説明する。
図12に示す用紙積載部170において、カールした複数の厚紙PBを搬送する場合、底部材154が−Y側へ下降した状態で、底部材154にカールした複数の厚紙PBが載せられる。このとき、カールした複数の厚紙PBの後端(搬送方向の上流側)は、凹部156内で且つ可動板172上に配置される。
続いて、収容部152が筐体11(図1参照)に装着されると、解除機構(図示省略)により、底部材154の保持が解除される。これにより、底部材154が、コイルバネ106によってY側へ押されて上昇する。そして、カールした複数の厚紙PBの先端部が、接触位置Sに配置される。ここで、可動板172には、カールした複数の厚紙PBの質量が作用しているため、可動板172が−Y側(下側)へ移動し、カールした複数の厚紙PBの後端が凹部156内に挿入される。そして、カールした複数の厚紙PBは、後端が凹部156内に挿入されることで、後端(上流側の端部)の高さが先端(下流側の端部)の高さに対して低くなり、傾きが変更される。
このように、カールした複数の厚紙PBは、後端が可動板172と接触して凹部156内に挿入されることで、先端側の傾きが搬送可能となる傾きに変更されるので、送出ロール112の回転により搬送路80へ搬送される。また、底部材154では、カールした複数の厚紙PBの後端が凹部156内に挿入されていることにより、凹部156が形成されていないものと比して底部材154の傾きが小さくても、カールした複数の厚紙PBが搬送可能な状態となる。これにより、用紙積載部170では、搬送可能な状態で底部材154に積載されるカールした複数の厚紙PBの枚数が増える。
さらに、用紙積載部170では、カールした複数の厚紙PBの質量に応じて可動板172が−Y側(下側)へ移動するので、厚紙PBの後端が可動板172に載るように底部材154上に厚紙PBを載せれば、可動板172の高さが自動で変わる。即ち、カールした複数の厚紙PBを傾斜させるためのユーザによる動作が不要である。
加えて、画像形成装置10では、用紙積載部170において積載される(収容される)カールした複数の厚紙PB(用紙P)の枚数が増えるので、1回の用紙Pの補給において、より多くの用紙Pに連続して画像形成が行われる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係る媒体積載装置、搬送装置、及び画像形成装置の一例について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部材及び部位には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
図13(A)には、第6実施形態の媒体積載装置の一例としての用紙積載部180が示されている。用紙積載部180は、第1実施形態の搬送装置60(図1参照)において、用紙積載部100(図1参照)に換えて設けられている。また、用紙積載部180は、用紙Pが収容される収容部182と、積載部の一例としての底部材184と、コイルバネ106と、用紙PをZ方向に案内するガイド部材(図示省略)とを有する。コイルバネ106は、第1実施形態の底部材104(図3参照)と同様に底部材184を移動させる。
(収容部)
収容部182は、筐体11(図1参照)に対して、−Z側に取外し可能(又は引き出し可能)に、且つ、Z方向に沿ってZ側に装着可能に設けられている。
また、図13(B)に示すように、収容部182は、上方(Y側)が開放された箱状に形成されている。即ち、収容部182は、X−Z面に沿って配置される底壁182Aと、底壁182AのX側、−X側、Z側及び−Z側に配置された4つの側壁182B、182C、182D、182Eと、を有している。側壁182B及び側壁182CのZ側の部位には、底部材184のX方向両端部に形成された軸部(図示省略)をY方向に案内する長孔(図示省略)が形成されている。
図13(A)に示すように、底壁182Aの中央部には、Y側に開口した穴部186が形成されている。穴部186は、底部材184が収容部182の−Y側に位置した状態で、後述する凹部188の周辺部位(−Y側に突出した部位)が内側に収容される大きさ及び深さとなっている。また、底壁182AのY側の面である底面183は、一例として、X−Z面に沿った水平面となっている。
(底部材)
図13(B)に示すように、底部材184の中央部には、Y側に開口した凹部188が形成されている。凹部188は、Y方向に見て、X方向を長手方向とする矩形状となっている。また、凹部188のX方向の幅は、厚紙PB(図14(A)参照)のX方向の幅よりも広くなっている。さらに、底部材184のX方向の両端部には、側壁182B及び側壁182Cの長孔(図示省略)に案内される軸部(図示省略)と、底壁182Aの長孔(図示省略)に案内される軸部184A(図13(A)参照)とが、X方向を軸方向として形成されている。
図13(A)に示す軸部184Aは、回転軸の一例である。また、軸部184Aは、X方向に見て、時計回り方向及び反時計回り方向に回転可能となっており、該回転によって、搬送方向における底部材184の下流側の端部を送出ロール112に接近させ、送出ロール112から離すようになっている。
底部材184をY方向に見て、底部材184の上面には、凹部188を挟むようにX方向に間隔をあけて、ガイドレール192A、192Bが設けられている。ガイドレール192A、192Bは、Z方向に沿って配置されており、後述するスライド板194をZ方向に案内する。なお、ガイドレール192A、192Bは、Z方向の両端部がX方向に沿うように屈曲されており、スライド板194がZ方向に抜けないようになっている。また、底部材184における凹部188のY側(上方)には、板材の一例としてのスライド板194が配置されている。
(スライド板)
スライド板194は、Y方向に見て、X方向を長手方向とする矩形状に形成されている。また、スライド板194のX方向及びZ方向の中央部には、X方向を長手方向とし、スライド板194をY方向に貫通する孔部の一例としてのスリット194Aが形成されている。さらに、スライド板194は、ガイドレール192A、192Bに案内されることにより、凹部188の上方でZ方向に移動可能となっている。なお、Z方向は、スライド板194が搬送部110(図13(A)参照)に対して接近する又は離れる方向の一例である。
スリット194AのX方向の幅は、厚紙PB(図14(A)参照)のX方向の幅よりも広くなっている。また、スリット194AのZ方向の長さは、凹部188の長さよりも短く、且つ厚紙PBの後端(上流側の端部)を挿入可能な長さとなっている。
ガイドレール192A、192Bには、一例として、X方向にバネで付勢された凸部材(図示省略)が設けられている。この凸部材は、スライド板194にZ方向の力が作用していないときにスライド板194のZ方向の移動を規制し、スライド板194にZ方向の力が作用したときに規制状態が解除され、スライド板194をZ方向に移動可能とする。
図14(A)に示すように、収容部182では、カールした複数の厚紙PBの先端部が接触位置Sに配置されるとき、後端が凹部188内に配置されるようになっている。即ち、収容部182では、カールした複数の厚紙PBが搬送可能な状態となるように、凹部188の位置、凹部188の大きさ、スライド板194の位置、及びスリット194Aの大きさが設定されている。
ここで、底部材184に積載されたカールした厚紙PBが底面183に対し成す角度をθ8とする。さらに、底部材184の上面184Bが底面183に対し成す角度をθ9とする。ここで、一例として、θ8>θ9となっている。即ち、底部材184は、積載される媒体が厚紙PBの場合に、角度θ8が角度θ9に対して大きくなるように厚紙PBの傾きを変更し、厚紙PBを送出ロール112で送り出し(搬送)可能としている。
図14(B)に示すように、底部材184に積載されたカールした厚紙PDが底面183に対し成す角度をθ10とする。ここで、一例として、θ10>θ9となっている。即ち、底部材184は、積載される媒体が厚紙PDの場合に、角度θ10が角度θ9に対して大きくなるように厚紙PDの傾きを変更し、厚紙PDを送出ロール112で送り出し(搬送)可能としている。
(作用)
次に、第6実施形態の作用について説明する。
図14(A)に示す収容部182において、カールした複数の厚紙PBを底部材184に積載するとき、一例として、スライド板194がZ側へスライドされて保持され、スリット194Aが凹部188上のZ側に配置される。そして、底部材184が下がった状態で、カールした複数の厚紙PBの先端が底部材184上に配置され、後端がスリット194Aを通して凹部188内に挿入される。
続いて、収容部182が筐体11(図1参照)に装着されると、解除機構(図示省略)により、底部材184の保持が解除される。これにより、底部材184が、コイルバネ106によってY側へ押されて上昇する。そして、カールした複数の厚紙PBの先端が、接触位置Sに配置される。ここで、カールした複数の厚紙PBは、後端が凹部188内に挿入されることで、後端(上流側の端部)の高さが先端(下流側の端部)の高さに対して低くなり、傾きが変更される。
このように、カールした複数の厚紙PBは、後端が凹部188内に挿入されることで、先端側の傾きが搬送可能となる傾きに変更されるので、送出ロール112の回転により搬送路80へ搬送される。また、底部材184では、カールした複数の厚紙PBの後端が凹部188内に挿入されていることにより、凹部188が形成されていないものと比して底部材184の傾きが小さくても、カールした複数の厚紙PBが搬送可能な状態となる。これにより、用紙積載部180では、搬送可能な状態で底部材184に積載されるカールした複数の厚紙PBの枚数が増える。
次に、図14(B)に示すように、収容部182において、厚紙PB(図14(A)参照)よりもZ方向の長さが長く且つカールした厚紙PDを配置する場合について説明する。なお、厚紙PDは、厚紙PBと材質が同じであるが、厚紙PBとはカール量が異なっている。
収容部182において、カールした複数の厚紙PDを底部材184に積載するとき、一例として、スライド板194が、厚紙PBのときの位置よりも−Z側へスライドされて保持され、スリット194Aが凹部188上に配置される。そして、底部材184が下がった状態で、カールした複数の厚紙PDの先端が底部材184上に配置され、後端がスリット194Aを通して凹部188内に挿入される。
続いて、収容部182が筐体11(図1参照)に装着されると、解除機構(図示省略)により、底部材184の保持が解除される。これにより、底部材184が、コイルバネ106によってY側へ押されて上昇する。そして、カールした複数の厚紙PDの先端が、接触位置Sに配置される。ここで、カールした複数の厚紙PDは、後端が凹部188内に挿入されることで、後端(上流側の端部)の高さが先端(下流側の端部)の高さに対して低くなり、傾きが変更される。
このように、カールした複数の厚紙PDは、後端が凹部188内に挿入されることで、先端側の傾きが搬送可能となる傾きに変更されるので、送出ロール112の回転により搬送路80へ搬送される。また、底部材184では、カールした複数の厚紙PDの後端が凹部188内に挿入されていることにより、凹部188が形成されていないものと比して底部材184の傾きが小さくても、カールした複数の厚紙PDが搬送可能な状態となる。これにより、用紙積載部180では、搬送可能な状態で底部材184に積載されるカールした複数の厚紙PDの枚数が増える。
さらに、用紙積載部180では、スライド板194を底部材184上でZ方向にスライドさせることで、スリット194AのZ方向の位置が変わる。これにより、搬送方向で長さが異なる複数の厚紙PB(用紙P)があっても、これらの用紙Pに合わせてスライド板194を配置すればよいので、他の部材を用いなくてもこれらの用紙Pの傾きが変更される。
加えて、画像形成装置10では、用紙積載部180において積載される(収容される)カールした複数の厚紙PB、PD(用紙P)の枚数が増えるので、1回の用紙Pの補給において、より多くの用紙Pに連続して画像形成が行われる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
(第1変形例)
積載部の第1変形例として、第1実施形態の底部材104に換えて、図15(A)に示す底部材200を用いてもよい。底部材200は、底板202と、板材の一例としての可動板204とを有している。
底板202は、Y方向を厚さ方向とする板であり、底板202のZ側端部には、Z側へ向けて開口するU字状の切欠部202Aが形成されている。底板202の−Z側には、回転軸の一例としての軸部202Bが形成されている。軸部202Bは、X方向を軸方向として底壁102Aに回転可能に設けられる。
可動板204は、Y方向を厚さ方向とし、切欠部202A内に収容される大きさの板である。また、可動板204は、用紙P(図示省略)の搬送方向で上流側(−Z側)の端部が、底板202の切欠部202Aの側壁にX方向を軸方向として回転可能に連結されている。さらに、底部材200には、底板202に対して可動板204を傾いた状態で保持する保持機構(図示省略)が設けられている。
このように、底板202に回転可能に設けられた可動板204を底板202に対して傾けることで、底部材200に積載される用紙P(図示省略)の底面102Kに対する傾きが、搬送可能となる傾きに変更される。また、可動板204は、底板202に設けられているので、用紙Pの傾きの変更を変更する場合に底部材200とは別体の部材を必要としない。
(第2変形例)
積載部の第2変形例として、第3実施形態の底部材134に換えて、図15(B)に示す底部材210を用いてもよい。底部材210は、底板212と、板材の一例としての可動板214とを有している。
底板212は、Y方向を厚さ方向としており、底板212のZ側端部には、−Y側へ窪んだ穴部212Aが形成されている。穴部212Aの底部は、−Z側がZ側よりも低くなるように傾いている。底板212の−Z側には、回転軸の一例としての軸部212Bが形成されている。軸部212Bは、X方向を軸方向として底壁102Aに回転可能に設けられる。
可動板214は、Y方向を厚さ方向とし、穴部212A内に収容される大きさの板である。また、可動板214は、用紙P(図示省略)の搬送方向で下流側(Z側)の端部が、底板212のZ側の端部にX方向を軸方向として回転可能に連結されている。さらに、可動板214は、穴部212A内に設けられたコイルバネ(図示省略)により支持されている。
このように、底板212に回転可能に設けられた可動板214を底板212に対して傾けることで、底部材210に積載される用紙P(図示省略)の底面102Kに対する傾きが、搬送可能となる傾きに変更される。また、可動板214は、底板212に設けられているので、用紙Pの傾きを変更する場合に底部材210とは別体の部材を必要としない。
(他の変形例)
積載部は、収容部102、132、152、182のように、筐体11内に配置されるものに限らず、ユーザが用紙Pを手差しで積載する手差し部であってもよい。また、収容部132において、第1凹部142及び第2凹部144の一方を無くして1種類の用紙Pのみに対応させてもよい。
用紙Pは、厚紙PA、PB、PD、及びはがきPCに限らず、普通紙やコート紙であってもよい。
各底部材の高さを変更する支持部は、コイルバネ106に限らず、各底部材をY側に吊り上げる引張部材(引張バネ)であってもよい。
支持部は、各可動板のように可動する板に限らず、ブロック状の弾性体を用いてもよい。