JP2015182393A - ポリイミド積層構造体及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミド積層構造体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反りが抑制されると共に、樹脂基材の分離を容易かつ簡便に行うことができるポリイミド積層構造体、及びその製造方法を提供する。【解決手段】熱膨張係数が1〜10ppm/Kの支持体と、支持体の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有する第1のポリイミド層と、支持体の熱膨張係数以上の熱膨張係数を有する第2のポリイミド層とを備えて、支持体上に第1のポリイミド層と第2のポリイミド層とが順次積層されており、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面で分離可能にしたことを特徴とするポリイミド積層構造体であり、また、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布・乾燥し、加熱処理して、上記の各ポリイミド層を形成するポリイミド積層構造体の製造方法である。【選択図】なし

Description

この発明は、支持体上に第1のポリイミド層と第2のポリイミド層とが積層されたポリイミド積層構造体及びその製造方法に関し、詳しくは、第2のポリイミド層からなり可撓性を有した樹脂基材上に表示部を備えた表示装置等を得るのに好適なポリイミド積層構造体及びその製造方法に関する。
液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置は、テレビのような大型ディスプレイから、携帯電話、パソコン、スマートフォンなどの小型ディスプレイに至るまで、幅広く使用されている。例えば、有機EL表示装置では、ガラス基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、電極、発光層、電極等を順次形成し、最後に別途ガラス基板や多層薄膜等で気密封止して作られる。
ここで、ガラス基板を樹脂基材に置き換えることで、薄型化、軽量化、フレキシブル化が実現でき、表示装置の用途を更に広げることが可能になる。ところが、樹脂はガラスと比較して寸法安定性、透明性、耐熱性、耐湿性、ガスバリア性等に劣るといった問題がある。
例えば、特許文献1は、フレキシブルディスプレー用プラスチック基板として有用なポリイミド、及びその前駆体に係る発明に関し、シクロへキシルフェニルテトラカルボン酸等のような脂環式構造を含んだテトラカルボン酸類を用いて、各種ジアミンと反応させたポリイミドが、透明性に優れることを開示している。この他にも、ガラス基板の替わりにフレキシブルな樹脂基材を用いて軽量化を図る試みがなされており、例えば、非特許文献1及び2では、透明性の高いポリイミドを利用した有機EL表示装置が提案されている。
このように、ポリイミド等の樹脂フィルムがフレキシブルディスプレー用の支持基材に有用であることは知られているが、表示装置の製造工程は、既にガラス基板を用いて行なわれており、その生産設備の大半はガラス基板を使用することを前提に設計されている。したがって、既存の生産設備を有効活用しながら、表示装置を生産できることが望ましい。
その検討例の一つとして、ガラス基板上に樹脂を積層した状態で所定の表示装置の製造工程を完了させ、その後にガラス基板を取り除くことで、樹脂の基材の上に表示部を備えた表示装置を製造する方法がある(特許文献2〜3、非特許文献3〜4参照)。このような方法の場合、樹脂基材上に形成された表示部に損傷を与えずに樹脂基材とガラスとを分離することが重要となる。
すなわち、特許文献3や非特許文献3では、ガラス基板上に塗布して固着した樹脂基材に対して所定の表示部を形成した後、EPLaR(Electronics on Plastic by Laser Release)プロセスと呼ばれる方法によりガラス側からレーザーを照射して、表示部を備えた樹脂基材をガラス基板から強制分離している。また、特許文献2や非特許文献4では、ガラス基板に剥離層を形成した上で、剥離層よりもひとまわり大きくポリイミド樹脂を塗布してポリイミド層を形成し、剥離層に達する切断線を入れて、剥離層からひとまわり小さいポリイミドフィルムを剥離するようにしている。
一方で、ガラス基板上に樹脂を積層させた場合には、反りが大きな問題になる。すなわち、ガラス基板の熱膨張係数は数ppm/Kであるのに対し、一般に樹脂は数十ppm/K以上の熱膨張係数を有することから、例えば、ガラス基板上に樹脂溶液を塗布し、加熱処理等により硬化させて樹脂層を形成して、室温まで放冷すると、反りが発生してしまう。このような反りを抑制できなければ、その後の表示部の形成等に悪影響を与えてしまう。
この点について、特許文献3では、ガラス基板と樹脂層(a)との間に、熱膨張係数がガラス基板と樹脂層(a)との間にあるような樹脂層(b)を設けることを開示しているが、反りの抑制効果は十分ではない。特に、ガラス基板のサイズが大きくなると反りの問題はより深刻になる。
特開2008-231327号公報 特開2010-67957号公報 特開2009-21322号公報
S. An et.al.,"2.8-inch WQVGA Flexible AMOLED Using High Performance Low Temperature Polysilicon TFT on Plastic Substrates", SID2010 DIGEST, p706(2010) Oishi et.al.,"Transparent PI for flexible display",IDW'11 FLX2/FMC4-1 E.I. Haskal et. al. "Flexible OLED Displays Made with the EPLaR Process",Proc.Eurodisplay '07,pp.36-39 (2007) Cheng-Chung Lee et. al. "A Novel Approach to Make Flexible Active Matrix Displays",SID10 Digest,pp.810-813(2010)
上述したように、ガラス基板上に樹脂基材を積層した状態で所定の表示部を設けて、その後にガラス基板を取り除いて表示装置を得ることができれば、従来のガラス基板を用いたものから、薄型化、軽量化、フレキシブル化の観点等で表示装置の用途を更に拡大することができる。そのためには、ガラス基板と樹脂基材との分離を容易に行うことができるようにすると共に、ガラス基板と樹脂基材とが積層された状態での反りの問題を解消することが重要になってくる。
そこで、本発明者らは、これらの課題を解決するために鋭意検討した結果、驚くべきことには、ガラス基板等の支持体に対して、それよりも熱膨張係数が小さい第1のポリイミド層を設け、その上に、熱膨張係数が支持体よりも大きい第2のポリイミド層を設けることで、反りの発生を抑制した積層構造体にすることができると共に、樹脂基材の分離も容易に行うことができるようになることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、反りが抑制されると共に、樹脂基材の分離を容易かつ簡便に行うことができるポリイミド積層構造体を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、反りの発生が抑制されて、樹脂基材の分離が容易かつ簡便に行えるポリイミド積層構造体の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、熱膨張係数が1〜10ppm/Kの支持体と、支持体の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有する第1のポリイミド層と、支持体の熱膨張係数以上の熱膨張係数を有する第2のポリイミド層とを備えて、支持体上に第1のポリイミド層と第2のポリイミド層とが順次積層されており、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面で分離可能にしたことを特徴とするポリイミド積層構造体である。
また、本発明は、熱膨張係数が1〜10ppm/Kの支持体上に、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布・乾燥し、加熱処理して熱膨張係数が−15〜4ppm/Kの第1のポリイミド層を形成した後、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布・乾燥し、加熱処理して熱膨張係数が10〜80ppm/Kの第2のポリイミド層を形成することを特徴とするポリイミド積層構造体の製造方法である。
先ず、本発明におけるポリイミド積層構造体は、熱膨張係数が1〜10ppm/K、好ましくは1〜6ppm/Kの支持体を備える。このような支持体は無機系材料からなるものであり、例えば、一般的に熱膨張係数が1〜10ppm/Kのガラス基板、同じく熱膨張係数が1〜6ppm/Kのシリコンウエハ、同じく熱膨張係数が1〜10ppm/Kのステンレス、同じく熱膨張係数が1〜10ppm/Kの炭化ケイ素等を挙げることができ、なかでも好適には、ガラス基板又はシリコンウエハである。
また、支持体上には、支持体の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有する第1のポリイミド層が積層される。このような第1のポリイミド層を支持体と第2のポリイミド層との間に介在させることで、反りの発生を確実に抑制させることができる。特に、いわゆるガラス基板の第四世代(680×880mm〜730×920mm)以降に相当する比較的大きな積層構造体にした場合でも、反りの抑制効果を十分に得ることができる。加えて、この第1のポリイミド層の存在により、後述するような第2のポリイミド層の設計自由度を高めることができる。
具体的には、第1のポリイミド層の熱膨張係数は−15〜4ppm/Kであるのがよく、好ましくは−12〜0ppm/Kであるのがよい。熱膨張係数が−15ppm/Kより小さいと第1樹脂層自体が脆くなる恐れがある。反対に4ppm/Kより大きくなると反り抑制効果が弱くなる。また、第1のポリイミド層の弾性率は3〜11GPaであるのがよく、好ましくは5〜10GPaであり、このような第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との組み合わせにより、積層構造体とした際の反りを効果的に抑制することができる。
この第1のポリイミド層を得る手段については特に制限されないが、そのひとつとして、下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリイミドにより形成することが挙げられる。好ましくは、下記一般式(1)で表される構造単位を50モル%以上含有するポリイミドであるのがよい。
ここで、上記一般式(1)におけるXは芳香族を1個以上有する4価の有機基であり、Rは炭素数1〜6の置換基である。このうち、基Xを形成するための原料となる好適な具体例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物(NTCDA)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)等が挙げられる。また、Rの好適な具体例としては、例えば、-CH3、-CF3、-CH2CH3、-OCH3、-OCH2CH3、-CH2CH2CH3、-OCH2CH2CH3等が挙げられる。
なかでも、Rが-CF3又は-CH2CH3を用いることで、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面での剥離性を高めることができて、これらの分離を容易にすることができる。
なお、上記一般式(1)で表される構造単位以外に含めることができるもの、好適には最大で50モル%未満含むことができるものについては、一般的な酸無水物とジアミンとを用いた構造単位が挙げられる。なかでも好適に用いられる酸無水物としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物(NTCDA)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、シクロテトラカルボン酸二無水物、フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、4,4'-オキシジフタル酸ニ無水物、ベンゾフェノン‐3,4,3',4'‐テトラカルボン酸ニ無水物、ジフェニルスルホン‐3,4,3',4'-テトラカルボン酸ニ無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルドン酸二無水物、4,4'-(2,2'-ヘキサフルオロイソプロポリデン)ジフタル酸ニ無水物等である。一方、ジアミンとしては、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノベンジルオキシフェニル)プロパン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4'-ジアミノベンズアニリド、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン等である。
また、本発明において、第1のポリイミド層の上には、支持体の熱膨張係数以上の熱膨張係数を有する第2のポリイミド層が積層される。具体的には、第2のポリイミド層の熱膨張係数は10〜80ppm/Kであるのがよく、好ましくは10〜60ppm/Kであるのがよい。熱膨張係数が10ppm/K未満であると、第2のポリイミド層単独で固すぎて、切れやすくなり、作業性が悪くなる恐れがあり、反対に80ppm/Kより大きくなると反り抑える効果が小さくなり、反りが発生しまう恐れがある。また、積層構造体とした際の反りをより効果的に抑制する観点から、第2のポリイミド層の弾性率は3〜5GPaであるのがよい。
一般に、ポリイミドの熱膨張係数が小さくなると透明性が低下すると共に、厚み方向のリタデーション(複屈折の差による位相差)が高くなってしまう。そのため、第1のポリイミド層から分離した第2のポリイミド層を、例えば、表示装置の樹脂基材として利用したり、ガスバリアフィルム、タッチパネル基板に用いることなどを考えた場合には不向きになる。それに対して本発明では、上記のとおり、比較的大きな熱膨張係数を有した第2のポリイミド層の使用が許容される。それは、先に説明した第1のポリイミド層の存在により、積層構造体としての反りが抑制されるためである。
そのため、第2のポリイミド層を形成するポリイミドは、ポリイミド積層構造体の用途に応じて適宜選択することができる。なかでも、液晶表示装置、有機EL表示装置、電子ペーパー、カラーフィルター、タッチパネル等の表示装置における可撓性を有した樹脂基材として利用する場合には、下記一般式(2)で表される構造単位を有するポリイミドが挙げられ、好ましくは、この一般式(2)で表される構造単位を50モル%以上含有するポリイミドである。なお、この一般式(2)で表される構造単位以外に含めることができるもの(好適には最大で50モル%未満含有するもの)については、透明性を有するものであるのがよく、一般式(1)で説明したものと同様のものが挙げられる。好適に用いられる酸無水物としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物(NTCDA)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、シクロテトラカルボン酸二無水物、フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、4,4'-オキシジフタル酸ニ無水物、ベンゾフェノン‐3,4,3',4'‐テトラカルボン酸ニ無水物、ジフェニルスルホン‐3,4,3',4'-テトラカルボン酸ニ無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルドン酸二無水物、4,4'-(2,2'-ヘキサフルオロイソプロポリデン)ジフタル酸ニ無水物等である。一方、ジアミンとしては、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノベンジルオキシフェニル)プロパン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4'-ジアミノベンズアニリド、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン等である。

(式中、Xは芳香族を1個以上有する4価の有機基である。)
ここで、上記一般式(2)におけるXは、下記式(3)で示したいずれかであるのが好ましい。
なかでも、波長500nmにおける透過率が80%以上であり、かつ、厚さ方向のリタデーションが200nm以下の第2のポリイミド層を得る観点から、好ましくは、

のいずれかであるのがよい。最も好適には、下記式(4)で表されるポリイミドにより第2のポリイミド層が形成されるのがよい。
上記で説明したような各種ポリイミドは、ポリイミド前駆体(以下「ポリアミド酸」ともいう)をイミド化して得られるが、ポリアミド酸の樹脂溶液は、原料であるジアミンと酸二無水物とを実質的に等モル使用し、有機溶媒中で反応させることによって得ることができる。詳しくは、例えば、窒素気流下にN,N−ジメチルアセトアミド等の有機極性溶媒にジアミンを溶解させた後、テトラカルボン酸二無水物を加えて、室温で5時間程度反応させることにより得ることができる。ここで、塗工時の膜厚均一化や、得られるポリイミドの機械強度の観点から、ポリアミド酸の重量平均分子量(Mw)は1万から30万程度が好ましい。第1及び第2のポリイミド層の好適な分子量範囲もポリアミド酸と同じ分子量範囲である。
そして、本発明における第1及び第2のポリイミド層は、好ましくは、それぞれポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布・乾燥し、加熱処理する、いわゆるキャスト法により得られたものであるのがよい。すなわち、本発明のポリイミド積層構造体を得るにあたって、好適には、熱膨張係数が1〜10ppm/Kの支持体上に、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布・乾燥し、加熱処理して熱膨張係数が−15〜4ppm/Kの第1のポリイミド層を形成した後、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布・乾燥し、加熱処理して熱膨張係数が10〜80ppm/Kの第2のポリイミド層を形成する。その際、支持体上に第1のポリイミド層となる樹脂溶液を塗布し、加熱処理するに際して、十分な加熱処理でイミド化しておくことが、第2のポリイミド層の分離を容易にする上で望ましい。
このようにして得られたポリイミド積層構造体は、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面で分離可能になるが、これらの界面での分離を容易にするには、好ましくは、第1又は第2のポリイミド層の少なくともいずれか一方が、ポリイミド構造中にフッ素原子を有した含フッ素ポリイミドから形成されるようにするのがよい。このような含フッ素ポリイミドを用いることで、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との剥離強度を好適には1〜200N/m、よい好適には1〜100N/mにすることができるため、例えば人の手で容易に剥離できる程度の分離性を備える。また、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面における第2のポリイミド層の分離面は、キャスト法によって得られる表面粗さ(一般に表面粗さRa=1〜80nm程度)がそのまま維持されるため、表示装置の視認性等に悪影響を及ぼすようなこともない。
また、本発明のポリイミド積層構造体において、支持体の厚みは0.05〜1.0mm、好ましくは0.05〜0.7mmであるのがよく、第1のポリイミド層の厚みは1〜50μm、好ましくは5〜30μmであるのがよく、第2のポリイミド層の厚みは1〜30μm、好ましくは3〜20μmであるのがよい。これら各層の厚みは、積層構造体で発生する反りにも影響を及ぼすことから、上記範囲内になるようにするのがよい。ここで、本発明においては、異なる材料が積層された積層板について、以下のような考えのもと、反り変形(反り量)を計算により求めて、ポリイミド積層構造体の最適化を図ることができる。
[中立面位置の計算]
先ず、図1には積層板における中立面位置の計算方法を説明するための断面図が示されている。この図1には、便宜上、積層板が2層からなるモデルを示しているが、以下の説明は、積層板が2層以上である場合の全般に当てはまる。ここで、積層板の層の数をn(nは2以上の整数)とする。また、この積層板を構成する各層のうち、紙面下方から数えてi番目(i=1,2,・・・,n)の層を第i番目と呼ぶ。図1において、符号Bは、積層板の幅を表す。なお、ここでいう幅とは、第1層の下面に平行で、積層板の長手方向の寸法である。
ここで、第1層の下面を基準面SPとする。以下、基準面SPが図1おける下側に凸形状になるように積層板がカールする場合について考える。図1において、符号NPは積層板の中立面を表している。ここで、中立面NPと基準面SPとの距離を中立面位置[NP]とする。中立面位置[NP]は、次の式(i)によって算出される。
ここで、Eは、第i層を構成する材料の弾性率である。この弾性率Eは、本実施の形態における「各層における応力とひずみの関係」を表す線図中の初期線形部分の傾きに対応する。Bは、第i層の幅であり、図1に示した幅Bに相当する。hは、第i層の中央面と基準面SPとの距離である。なお、第i層の中央面とは、第i層の厚み方向の中央に位置する仮想の面である。tは、第i層の厚みである。また、記号“Σi=1 ”は、iが1からnまでの総和を表す。
[等価曲げ剛性の計算]
積層板全体の曲げ剛性である等価曲げ剛性[BR]は、次の式(ii)によって算出される。

ここで、図1に示したように、aiは第i層の上面と中立面NPとの距離、bは第i層の下面と中立面NPとの距離である。また、式(ii)においてΣi=1 (ai −bi )/3は、B(ai −bi )/3の値の、iが1からnまでの総和である。なお、式(ii)に関連するが、第i層に関して、B(a −b )/3は、一般に断面二次モーメントと呼ばれる断面の幾何学的な特性を表すパラメータである。この第i層の断面二次モーメントに第i層の弾性率Eiを掛けた値が第i層の曲げ剛性である。
[曲げモーメントの計算]
次に、積層板の曲げ誘起モーメントMを計算する。反り変形モーメントの誘起因子としては、残留ひずみ変形、熱変形、湿度変形が考えられ、これらの変形により誘起される誘起モーメントMは、次の式(iii)によって算出される。
ここで、式(iii)において、Σi=1 ri+αiΔTi+βiΔHi)(ai −bi )/2はEri+αiΔTi+βiΔHi)(ai −bi )/2の値の、iが1からnまでの総和である。また、εriは第i層の残留ひずみであり、αiは第i層の熱による線膨張係数、ΔTiは第i層の温度変化量、βiは第i層の湿膨張係数、ΔHiは第i層の湿度変化量である。
[曲率半径の計算]
次に、積層板の反り変形の際の曲率半径Rを計算する。曲げの基礎式より、曲率半径Rは次の式(iv)によって算出される。
ここで、誘起モーメントが負値の場合には逆側から曲率半径をとることとし、この状態を−Rと表す。誘起モーメントおよび曲率半径の正負の符号と反り変形の向きの関係は図2に示す通りである。
[反り量の計算]
次に、積層板の反り変形の際の反り量dを計算する。曲げ変形状態の幾何学的考察より、反り量dは次の式(v)によって算出される。ここで、式(v)におけるLは、反りを計測する有効長さである。

また、本発明のポリイミド積層構造体は、上述したように、第2のポリイミド層からなる樹脂基材上に表示部を備えた表示装置を得るのに好適に用いることができる。すなわち、ポリイミド積層構造体における第2のポリイミド層上に所定の表示部を形成した後、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面で分離すればよい。ここで、支持体は、第2のポリイミド層側に表示部を形成する際の台座の役割をするものであり、表示部の製造過程で樹脂基材(第2のポリイミド層)の取り扱い性や寸法安定性等を担保することはあっても、最終的には除去されて表示装置を構成するものではない。また、第1のポリイミド層についても同様に最終的に表示装置を構成するものではなく、仮に透明性に劣るものであっても何ら構わない。このようなポリイミド積層構造体を利用することにより、所定の表示部を第2のポリイミド層上に精度良くかつ確実に形成することができると共に、薄型・軽量・フレキシブル化を実現した表示装置を得ることができる。
表示装置を構成する表示部については特に制限されない。例えば、有機EL表示装置の場合には、代表的には、TFT、電極、発光層を含む有機EL素子等が表示部に相当する。また、液晶表示装置の場合には、TFT、駆動回路、必要に応じてカラーフィルター等である。これらのほか、電子ペーパーやMEMSディスプレイ等のような各種表示装置を含めて、従来、ガラス基板上に形成している種々の機能層であって、所定の映像(動画又は画像)を映し出すのに必要な部品が表示部に相当する。このうち、例えば、TFTの形成には、一般に400℃程度のアニール工程が必要になるが、本発明におけるポリイミド積層構造体は、このようなアニール工程にも耐え得る耐熱性を有する。
本発明によれば、反りの発生が抑制されると共に、支持体上に積層された第1及び第2のポリイミド層から第2のポリイミド層を分離可能にしたポリイミド積層構造体を得ることができる。そのため、例えば、第2のポリイミド層からなる樹脂基材上に表示部を備えた表示装置を得る上で、所定の表示部を第2のポリイミド層上に精度良くかつ確実に形成することができると共に、表示装置の薄型・軽量・フレキシブル化を実現することができる。
図1は、ポリイミド積層構造体における反り変形(反り量)を計算により求める際の中立面位置の計算方法について、モデル積層板を用いて説明した模式図(断面図)である。 図2は、モデル積層板における誘起モーメント及び曲率半径の正負の符号と反り変形の向きの関係について説明した模式図である。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
先ず、下記で使用する略号の意味と実施例等における物性等の評価方法を示す。
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
・BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・6FDA:2,2'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物
・m-EB:2,2'-ジエチル-4,4'-ジアミノビフェニル
・m-TB:2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル
・BAPP:2,2'-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン
・DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
・TFMB:2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル
〔光透過率(%)〕
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)をU4000形分光光度計にて、波長500nmにおける光透過率の平均値を求めた。
〔熱膨張係数(CTE)〕
3mm×15mmのサイズのポリイミドフィルムを、熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(20℃/min)で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行い、温度に対するポリイミドフィルムの伸び量から熱膨張係数(ppm/K)を測定した。
〔弾性率〕
テンションテスターを用い、幅12.4mm、長さ160mmのポリイミドフィルムを10kgの荷重を加えながら50mm/minで引っ張り試験を行い、25℃における引張り弾性率(E’)を求めた。
〔カール(反り)の測定〕 ガラス基板に第1のポリイミド層、第2のポリイミド層を形成した後、100cm四方の積層体を作製した。そして、第2のポリイミド層面を上にして、23℃、50%RHで、24時間静置した。静置後、積層体の四隅の高さを測定し、その最大値を反りとした。5mm未満の場合を○とし、5mm以上の場合を×とした。
〔カール(反り)の計算〕
前述の式(i)〜(v)を用いて反り量dを算出した。その際の計算条件は以下のとおりとした。すなわち、すべての層について、ΔT=340K、β=0、ΔH=0、B=100mm、L=100mmとし、また、ガラス基板の弾性率は、E=80GPaとした。
〔厚み方向リタデーション〕
ジェーエ・ウーラム・ジャパン製装置M−2000Vを用いて、第2のポリイミド層の厚さ方向のリタデーション(厚さ方向位相差:Rth)を求めた。
下記の合成例1〜8に従い、実施例等のポリイミド積層構造体に係る第1及び第2のポリイミド層を形成するための樹脂溶液(ポリアミド酸溶液)を調製した。なお、各ポリアミド酸溶液におけるモノマーの質量組成を表1にまとめて示す。
[合成例1]
窒素気流下で、300mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら、m−EB:12.5178gを溶剤176gのDMAcに溶解させた。次いで、この溶液にPMDA:11.4822gを加えた。酸無水物とジアミンのモル比を1.0105とした。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。そして、粘稠な無色のポリアミド酸溶液が得られて、高重合度のポリアミド酸Aが生成されていることが確認された。
[合成例2〜8]
酸無水物及びジアミンを表1に示す質量組成に変更した以外は合成例1と同様にしてポリアミド酸溶液を調製し、ポリアミド酸(樹脂)B〜Hを得た。
[実施例1]
上記合成例1で得られたポリアミド酸溶液Aに、DMAc(溶剤)を加えて、粘度が3000cPになるように希釈した上で、サイズが100mm×100mm、厚みが50μm、CTEが3ppm/Kのガラス基板上に、スピンコーターを用いて熱処理後の膜厚が約15μmとなるように塗布した。そして、30分をかけて90℃から360℃まで昇温させ、ガラス基板上に100mm×100mmの第1のポリイミド層(ポリイミドA)を形成した。
次に、第1のポリイミド層の上に、合成例2で得られたポリアミド酸溶液Bを粘度が3000cPになるようにDMAc(溶剤)で希釈後、熱処理後の膜厚が約5μmとなるように塗布し、30分をかけて90℃から360℃まで昇温させ、100mm×100mmの第2のポリイミド層(ポリイミドB)を形成して、実施例1に係るポリイミド積層構造体を得た。
得られたポリイミド積層構造体について、物性等の各種評価を行った。結果を表2に示す。ここで、このポリイミド積層構造体における第1のポリイミド層(ポリイミドA)と第2のポリイミド層(ポリイミドB)について、それぞれの熱膨張係数(CTE)、光透過率、弾性率、及びリタデーションを測定するために、別途、上記と同じガラス基板に対して、合成例1及び2で得られたポリアミド酸溶液を熱処理後の膜厚が約15μmとなるようにそれぞれ個別に塗布し、30分をかけて90℃から360℃まで昇温させて、その後、ガラス基板から剥離して得られたポリイミドフィルムの状態にして測定した。
[実施例2]
上記実施例1で得たポリイミド積層構造体について、前述の式(i)〜(v)を用いて反り量dを算出した。すなわち、表2に示すように、合成例1で得られた樹脂を第1のポリイミド層とし、合成例2で得られた樹脂を第2のポリイミド層とするポリイミド積層構造体について、シミュレーションを行って反り量(カール)を計算により求めた。結果は表2に示したとおりであり、本シミュレーションにより、実測値と良く一致する反り量を算出することができた。
[実施例3]
上記合成例6で得られた樹脂Fを第1層ポリイミド層とし、合成例2で得られた樹脂Bを第2層ポリイミド層とする以外は実施例1と同様にしてポリイミド積層構造体を形成する場合を想定して、シミュレーションにより反り量dを算出した。結果を表2に示す。
[比較例1]
上記合成例3で得られたポリアミド酸溶液Cに、DMAcを加えて、粘度が3000cPになるように希釈した上で、実施例1と同じガラス基板上にスピンコーターを用いて熱処理後の膜厚が約15μmとなるように塗布した。そして、30分をかけて90℃から360℃まで昇温させ、ガラス基板上に100mm×100mmのポリイミド層を形成して、比較例1に係るポリイミド積層構造体を得た。
比較例1で得られたポリイミド積層構造体について、実施例1と同様に物性等の各種評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
上記合成例4で得られたポリアミド酸溶液Dに、DMAcを加えて、粘度が3000cPになるように希釈した上で、実施例1と同じガラス基板上にスピンコーターを用いて熱処理後の膜厚が約15μmとなるように塗布した。そして、30分をかけて90℃から360℃まで昇温させ、ガラス基板上に100mm×100mmのポリイミド層を形成して、比較例2に係るポリイミド積層構造体を得た。
比較例2で得られたポリイミド積層構造体について、実施例1と同様に物性等の各種評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例3]
上記合成例4で得られたポリアミド酸溶液Eを用いたこと以外は比較例2と同様にして、比較例3に係るポリイミド積層構造体を得て、各種評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例4]
上記合成例6で得られたポリアミド酸溶液Fを用いたこと以外は比較例2と同様にして、比較例4に係るポリイミド積層構造体を得て、各種評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例5]
上記合成例2で得られたポリアミド酸溶液Bを用いること以外は比較例1と同様にしてポリイミド積層構造体を形成する場合を想定して、シミュレーションにより反り量dを算出した。その結果を表2に示す。
[比較例6]
上記合成例7で得られた樹脂Gを第1のポリイミド層とし、合成例2で得られた樹脂Bを第2のポリイミド層とする以外は実施例1と同様にしてポリイミド積層構造体を形成する場合を想定して、シミュレーションにより反り量dを算出した。その結果を表2に示す。
[比較例7]
合成例8で得られた樹脂Hを第1のポリイミド層とし、合成例2で得られた樹脂Bを第2のポリイミド層とする以外は実施例1と同様にしてポリイミド積層構造体を形成する場合を想定して、シミュレーションにより反り量dを算出した。その結果を表2に示す。

Claims (11)

  1. 熱膨張係数が1〜10ppm/Kの支持体と、支持体の熱膨張係数以下の熱膨張係数を有する第1のポリイミド層と、支持体の熱膨張係数以上の熱膨張係数を有する第2のポリイミド層とを備えて、支持体上に第1のポリイミド層と第2のポリイミド層とが順次積層されており、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面で分離可能にしたことを特徴とするポリイミド積層構造体。
  2. 支持体の厚みが0.05〜1.0mmであり、第1のポリイミド層の厚みが1〜50μmであり、第2のポリイミド層の厚みが1〜30μmである請求項1に記載のポリイミド積層構造体。
  3. 第1のポリイミド層の弾性率が3〜11GPaであり、第2のポリイミド層の弾性率が3〜5GPaである請求項1又は2に記載のポリイミド積層構造体。
  4. 第1のポリイミド層の熱膨張係数が−15〜4ppm/Kであり、第2のポリイミド層の熱膨張係数が10〜80ppm/Kである請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミド積層構造体。
  5. 第1及び第2のポリイミド層が、それぞれポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布・乾燥し、加熱処理して得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載のポリイミド積層構造体。
  6. 第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との剥離強度が、1〜200N/mである請求項1〜5のいずれかに記載のポリイミド積層構造体。
  7. 第1のポリイミド層が、下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリイミドからなる請求項1〜6のいずれかに記載のポリイミド積層構造体。

    (式中、Xは芳香族を1個以上有する4価の有機基であり、Rは炭素数1〜6の置換基である。)
  8. 第2のポリイミド層が、下記一般式(2)で表される構造単位を有するポリイミドからなる請求項1〜6のいずれかに記載のポリイミド積層構造体。

    (式中、Xは芳香族を1個以上有する4価の有機基である。)
  9. 第2のポリイミド層が、波長500nmにおける透過率が80%以上であり、かつ、厚さ方向のリタデーションが200nm以下である請求項1〜6のいずれかに記載のポリイミド積層構造体。
  10. 第2のポリイミド層上に所定の表示部を形成した後、第1のポリイミド層と第2のポリイミド層との界面で分離して、第2のポリイミド層からなる樹脂基材上に表示部を備えた表示装置を得るのに用いられる請求項1〜9のいずれかに記載のポリイミド積層構造体。
  11. 熱膨張係数が1〜10ppm/Kの支持体上に、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布・乾燥し、加熱処理して熱膨張係数が−15〜4ppm/Kの第1のポリイミド層を形成した後、ポリイミド又はポリイミド前駆体の樹脂溶液を塗布・乾燥し、加熱処理して熱膨張係数が10〜80ppm/Kの第2のポリイミド層を形成することを特徴とするポリイミド積層構造体の製造方法。
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