JP2015181178A - 半導体装置 - Google Patents

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JP2015181178A
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憲一 松下
Kenichi Matsushita
憲一 松下
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Toshiba Corp
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

【課題】耐圧が高くダイオードの応答性が向上した半導体装置を提供する。【解決手段】p+形コンタクト層18およびn+形エミッタ層17は、エミッタ電極81に電気的に接続されている。さらに、トレンチ20内の導電体層22およびトレンチ23内の導電体層25は、エミッタ電極81に電気的に接続されている。これによりトレンチゲート電極である導電体層28の電位は、導伝体層28の両側に設けられた導電体層22および導電体層25によってシールドされる。すなわち、導電体層22および導電体層25は、導電体層28の電気的な遮蔽層として機能する。p形拡散層15、p形ベース層16、n+形エミッタ層17およびトレンチ20、23、26の表面には、絶縁層70が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に関する。
電力用の半導体装置のひとつの例として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transis
tor)がある。IGBTにおいては、コレクタ電極上に、p形コレクタ層及びn形ベース
層がこの順に積層され、その上に複数本のストライプ状のトレンチゲート電極が設けられ
ている。そして、トレンチゲート電極間の領域にはp形ベース層が設けられており、この
p形ベース層の上層部分の一部に、エミッタ電極に接続されたn形エミッタ層が設けられ
ている。
IGBTにおいては、トレンチゲート電極に正電位が印加されることにより、p形ベー
ス層にMOSチャネルが形成し、n形エミッタ層から電子が導入されると共にp形コレク
タ層から正孔が導入されて、コレクタ電極とエミッタ電極との間に電流が流れる。
最近では、オン状態でのコレクタ電極とエミッタ電極との間の飽和電圧(Vce(sa
t))を下げるために、素子表面近傍の蓄積キャリア(例えば、正孔)の排出を抑制する
方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この先行例では、n形バリア層をp
形ベース層の直下に設け、素子表面近傍の蓄積キャリアの排出を抑制している。
しかしながら、n形バリア層の濃度については、n形バリア層とp形ベース層との間で
の降伏を抑制する都合上、その濃度を高くすることができない。これにより、飽和電圧(
Vce(sat))には限界が生じ、半導体装置の特性が向上しないという問題があった
特開2008−227251号公報
本発明が解決しようとする課題は、良好な特性を有する半導体装置を提供することであ
る。
本発明の一態様によれば、第1導電型の第1半導体領域と、前記第1半導体領域上に設
けられ、前記第1半導体領域よりも高い不純物濃度を有する第1導電型の第2半導体領域
と、前記第2半導体領域に隣接して設けられた第2導電型の第3半導体領域と、前記第2
半導体領域上に設けられ、底部全面が前記第2半導体領域に接する第2導電型の第4半導
体領域と、前記第2半導体領域、前記第3半導体領域、及び前記第4半導体領域に絶縁膜
を介して接し、底部が前記第2半導体領域及び前記第3半導体領域に位置し、且つ前記第
2半導体領域と前記第3半導体領域とが、前記底部と前記第1半導体領域との間において
接するように設けられた導電体層と、前記第1半導体領域に電気的に接続された第1の電
極と、前記第4半導体領域に電気的に接続された第2の電極と、を有する半導体装置が提
供される。
第1の実施の形態に係る半導体装置の要部断面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の要部平面模式図である。 半導体装置1の作用効果を説明する図である。 比較例に係る半導体装置100の作用効果を説明する図である。 n形バリア層の濃度とブレークダウン電圧(Vces)との関係図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の要部断面模式図である。 第3の実施の形態に係る半導体装置の要部断面模式図である。 第3の実施の形態に係る半導体装置の要部平面模式図である。 半導体装置3の作用効果を説明する図である。 第4の実施の形態に係る半導体装置の要部断面模式図である。 第5の実施の形態に係る半導体装置の要部断面模式図である。 インバータ回路を含む交流・直流変換回路の要部図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る半導体装置の要部断面模式図である。
図2は、第1の実施の形態に係る半導体装置の要部平面模式図である。
図1には、図2のX−X’断面が示されている。図2には、図1に例示するエミッタ電
極81、絶縁層70が表示されていない。
図1、2に示す半導体装置1は、電力用の半導体装置(例えば、IEGT(Injection
Enhanced Gate Transistor))であり、第1の主電極であるコレクタ電極80と、p形コ
レクタ層11と、n形ベース層13と、n形バリア層14と、p形拡散層15と、p形
ベース層16と、n形エミッタ層17と、トレンチ20、23、26と、第2の主電極
であるエミッタ電極81と、を備える。ここで、「コレクタ」については、「ドレイン」
と称してもよく、「エミッタ」については、「ソース」と称してもよい。また、不純物の
導電型については、n形を第1導電型とし、p形を第2導電型とする。
図1に示すように、半導体装置1においては、コレクタ電極80(第1の主電極)の上
に、p形コレクタ層11が設けられている。p形コレクタ層11の上には、n形バッファ
層12が設けられている。n形バッファ層12の上には、n形ベース層13が設けられ
ている。n形ベース層13の不純物濃度は、n形バッファ層12の不純物濃度よりも低
い。n形ベース層13は、ドリフト層として機能する。
形ベース層13の上には、n形バリア層14と、p形拡散層15とが設けられてい
る。n形バリア層14と、p形拡散層15とは、n形ベース層13の上で、交互に配列
されいている。n形バリア層14の不純物濃度は、n形ベース層13の不純物濃度より
も高い。n形バリア層14の上面は、p形拡散層15の上面よりも低い。換言すれば、n
形バリア層14は、n形ベース層13の主面からp形拡散層15側に向かい凸状に形成
されている。n形バリア層14の上には、p形ベース層16が設けられている。p形ベー
ス層16の表面には、選択的にn形エミッタ層17と、p形コンタクト層18が設け
られている。p形ベース層16およびp形拡散層15の表面からコレクタ電極80側に向
かい、複数の溝状のトレンチが形成されている。トレンチは、p形ベース層16およびn
形バリア層14と、p形拡散層15との間に設けられている。
例えば、n形バリア層14は、p形拡散層15により挟まれている。これにより、n形
バリア層14の両側には、2つのpn接合界面が存在する。2つのpn接合界面の中の一
つを図中では、矢印Aで表示し、矢印Aとは反対側のpn接合界面を矢印Bで表示してい
る。
矢印Aで示すn形バリア層14とp形拡散層15との接合界面においては、p形ベース
層16およびn形エミッタ層17の表面からコレクタ電極80側に向かい、溝状のトレ
ンチ20が形成されている。トレンチ20内には、酸化膜等の絶縁膜21を介して、例え
ば、ポリシリコンからなる導電体層22が設けられている。p形拡散層15およびn形バ
リア層14の底面(下面)は、トレンチ20の下端よりコレクタ電極80側に位置してい
る。n形バリア層14とp形拡散層15とは、トレンチ20の先端近傍(下端近傍)でス
ーパージャンクション(超接合)を形成している。
また、矢印Bで示すn形バリア層14とp形拡散層15との接合界面においては、p形
ベース層16およびn形エミッタ層17の表面からコレクタ電極80側に向かい、溝状
のトレンチ23が形成されている。トレンチ23内には、酸化膜等の絶縁膜24を介して
、例えば、ポリシリコンからなる導電体層25が設けられている。p形拡散層15および
n形バリア層14の底面は、トレンチ23の下端よりコレクタ電極80側に位置している
。n形バリア層14とp形拡散層15とは、トレンチ23の先端近傍でスーパージャンク
ションを形成している。
また、半導体装置1においては、トレンチ20とトレンチ23との間に、溝状のトレン
チ26が設けられている。トレンチ26は、n形エミッタ層17、p形ベース層16を
貫通し、n形バリア層14にまで到達している。トレンチ26内には、酸化膜等の絶縁膜
27を介して、例えば、ポリシリコンからなる導電体層28が設けられている。トレンチ
20、トレンチ23およびトレンチ26は、略同じ深さである。
このように、半導体装置1においては、p形拡散層15およびn形バリア層14の底面
は、トレンチ20、23、26の下端よりコレクタ電極80側に位置している。なお、導
電体層28は、半導体装置1のトレンチゲート電極(制御電極)であり、ゲート配線(図
示しない)に電気的に接続されている。導電体層28は、n形エミッタ層17とn形バ
リア層14との間の通電を制御する制御電極である。
形コンタクト層18およびn形エミッタ層17は、エミッタ電極81(第2の主
電極)に電気的に接続されている。さらに、トレンチ20内の導電体層22およびトレン
チ23内の導電体層25は、エミッタ電極81に電気的に接続されている。これにより、
トレンチゲート電極である導電体層28の電位は、導電体層28の両側に設けられた導電
体層22および導電体層25によってシールドされる。すなわち、導電体層22および導
電体層25は、導電体層28の電気的な遮蔽層として機能する。p形拡散層15、p形ベ
ース層16、n形エミッタ層17およびトレンチ20、23、26の表面には、絶縁層
70が設けられている。
また、図2に示すように、半導体装置1においては、それぞれのトレンチ20、23、
26が略平行にストライプ状に延在している。延在する方向は、例えば、n形ベース層
13の主面と略平行な方向である。また、n形エミッタ層17に隣接するように、p
形コンタクト層18が設けられている。
図1および図2を参照すると、n形エミッタ層17は、トレンチ26の両側に位置し
、トレンチ26の側面に接している。p形ベース層16は、トレンチ20の側面またはト
レンチ23の側面に接している。p形ベース層16は、n形エミッタ層17およびp
形コンタクト層18の下側に設けられている。p形ベース層16は、n形エミッタ層1
7またはp形コンタクト層18を介して、エミッタ電極81に電気的に接続されている
また、半導体装置1においては、各部材の「幅」をトレンチ20、23、26がストラ
イプ状に延在する方向に対し略垂直、且つn形ベース層13の主面と略平行な方向の幅
で定義した場合、p形拡散層15で挟まれたn形バリア層14の幅は、p形拡散層15の
幅よりも狭く構成されている。
例えば、コレクタ電極80上でn形バリア層14およびp形ベース層16が占める領域
をメインセル90とし、コレクタ電極80上でp形拡散層15が占める領域をサブセル9
1とした場合、メインセル90の幅は、サブセル91の幅よりも狭く構成されている。例
えば、サブセル91の幅は、メインセル90の幅の2〜5倍程度に調整されている。
メインセル90およびサブセル91は、トレンチ20、23、26が延在する方向に延
在し、交互に配置されている。メインセル90は、ゲート電極である導電体層28、p形
ベース層16、n形エミッタ層17、n形バリア層14を備えることからMOSFET
(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)として機能する。このため、
メインセル90におけるp形ベース層16およびn形エミッタ層17の不純物濃度およ
び面積は、MOSFETに要求される性能に応じて決定される。一方、n形バリア層14
の不純物濃度は、n形ベース層13の不純物濃度より高い濃度とされる。但し、n形バ
リア層14とp形拡散層15とのpn接合界面から空乏層が充分に広がる程度に、不純物
濃度が調整されている。
なお、p形コレクタ層11、n形バッファ層12、n形ベース層13、n形バリア層
14、p形拡散層15、p形ベース層16、n形エミッタ層17、p形コンタクト層
18の材質は、例えば、シリコン(Si)を主成分としている。コレクタ電極80、エミ
ッタ電極81の材質は、金属である。絶縁膜21、24、27の材質は、例えば、酸化シ
リコン(SiO)である。
次に、半導体装置1の作用効果について説明する。
図3は、半導体装置1の作用効果を説明する図である。
図3に示す半導体装置1のエミッタ電極81の電位を、例えば、接地電位とし、コレク
タ電極80に接地電位よりも高い電位を印加した状態で、導電体層28に閾値以上の電位
を印加する。すると、p形ベース層16における絶縁膜27に接する領域にチャネルが形
成される。これにより、メインセル90に形成されたMOSFETがオン状態となり、n
形エミッタ層17からチャネルを介してn形バリア層14に電子が流れる(図中の矢印
e(電子)参照)。この際、p形コレクタ層11からn形バッファ層12を介してn
ベース層13に正孔が流れる(矢印h(正孔)参照)。この結果、コレクタ電極80とエ
ミッタ電極81との間で、電流が流れる。
このとき、エミッタ電極81は、メインセル90のみに接続されており、サブセル91
には接続されていない。n形ベース層13内の正孔は、上述したp形コンタクト層1
8を通じて、メインセル90を介してのみ半導体装置1の外部に排出される。半導体装置
1においては、メインセル90のほか、導電に寄与しないサブセル91が設けられている
ため、正孔に対する障壁が形成される。さらに、半導体装置1には、p形ベース層16の
下側に、n形バリア層14が配置されている。これにより、正孔のp形ベース層16への
流れ込み量が少なくなる。この効果は、メインセル90の幅がより狭くなるほど、あるい
は、n形バリア層14の濃度を高くするほど顕著になる。その結果、相対的にn形エミ
ッタ層17を介した電子の注入量が多くなり、p形ベース層16の下側のn形バリア層1
4、n形ベース層13のキャリア濃度が高くなる。
また、半導体装置1においては、メインセル90に、n形ベース層13よりも不純物
濃度が高いn形バリア層14が凸状に設けられているため、n形半導体層を流れる電子の
パスが増加する。
このため、半導体装置1においては、オン抵抗が低くなる。
また、半導体装置1においては、トレンチゲート電極である導電体層28の両側に設け
られた導電体層22、25がエミッタ電極81に接続されている。このため、スイッチン
グ時において、導電体層28の電位は、導電体層28の両側に設けられた導電体層22お
よび導電体層25によってシールドされる。すなわち、半導体装置1の導電体層28は、
サブセル91のp形拡散層15の電位変動の影響を受け難く、半導体装置1のゲートミラ
ー容量が大きく減少する。例えば、導電体層28を0〜15Vの範囲で駆動する場合、導
電体層28の電位が0Vより低くなるアンダーシューティングが抑制される。これにより
、半導体装置1においては、より高速のスイッチング動作が可能になる。
一方、半導体装置1の導電体層28に閾値より低い電位が印加されると、p形ベース層
16からチャネルが消失して、メインセル90に形成されたMOSFETがオフ状態とな
る。これにより、コレクタ電極80とエミッタ電極81との間の電圧が上昇し、n形バリ
ア層14には、コレクタ電極80からp形コレクタ層11、n形バッファ層12およびn
形ベース層13を通じて正電位が伝導する。一方、p形拡散層15は、絶縁膜21、2
4を介して導電体層22、25とカップリングしているため、相対的にコレクタ電極80
の電圧よりも低い電位になる。この結果、n形ベース層13およびn形バリア層14に
は、正の電位が印加され、p形拡散層15には、負の電位が印加される。
半導体装置1においては、トレンチ20、23の先端近傍で、n形バリア層14とp形
拡散層15とによるスーパージャンクションが形成されている。従って、トレンチ20、
23の先端近傍のpn接合界面からメインセル90内に空乏層が拡がる。その結果、p形
ベース層16とn形バリア層14との接合界面におけるアバランシェ降伏が抑制される。
また、空乏層が拡がることにより、トレンチ20、23、26の先端近傍の電界強度も緩
和され、トレンチ先端近傍で生じ得るアバランシェ降伏も抑制される。また、スーパージ
ャンクションを形成することで、n形バリア層14の不純物濃度を高くすることができ、
コレクタ電極80とエミッタ電極81との間の飽和電圧Vce(sat)を低減すること
ができる。
また、サブセル91におけるトレンチ20、23のピッチは、メインセル90における
トレンチ20、23、26のピッチよりも大きいが、p形拡散層15がトレンチ20、2
3、26よりも深く形成されているために、トレンチ先端の電界集中は緩和される。これ
により、トレンチ先端近傍の耐圧低下が抑制される。
これに対し、図4は、比較例に係る半導体装置100の作用効果を説明する図である。
比較例に係る半導体装置100においては、メインセル90に、n形ベース層130よ
りも不純物濃度が高いn形バリア層140が設けられている。しかし、n形バリア層14
0およびp形拡散層150の底面は、トレンチ20、23、26の下端よりも高い位置に
ある。このため、半導体装置100においては、トレンチ20、23の先端近傍にスーパ
ージャンクションが存在しない構成になる。
半導体装置100の構成では、トレンチ20、23、26の先端は、n形ベース層1
30中に形成されているために、n形バリア層140がない場合と同等の高い耐圧が得ら
れる。しかしながら、特性を改善するために(例えば、n形バリア層140のバリア性を
向上させるために)、さらにn形バリア層140のインプラドーズ量を高くしていくと、
n形不純物が拡散し、あるところでn形バリア層140の底面はトレンチ20、23、2
6の下端よりコレクタ電極80側に位置するようになる。そのとき、半導体装置100に
おいては、トレンチ20、23、26の先端近傍の不純物濃度が高くなるために、トレン
チ先端近傍でのアバランシェ降伏が半導体装置1に比べ起き易くなる。特に、半導体装置
100のn形バリア層140とp形拡散層150とは、スーパージャンクションを形成し
ていないので、n形バリア層140の不純物濃度については、n形バリア層14の不純物
濃度よりも高くすることができない。このように、半導体装置100においては、n形バ
リア層140とp形ベース層16とのpn接合界面におけるアバランシェ降伏を抑制する
ために、n形バリア層140の不純物濃度に上限が生じてしまう。これにより、半導体装
置100の飽和電圧Vce(sat)は、半導体装置1の飽和電圧Vce(sat)より
も高くなってしまう。
図5は、n形バリア層の濃度とブレークダウン電圧(Vces)との関係図である。図
5の横軸には、n形バリア層14、140の不純物濃度(Qnb×1013cm−2)が
示され、縦軸には、ブレークダウン電圧Vces(V)が示されている。
例えば、目標とするブレークダウン電圧Vces(V)を1050Vとした場合、半導
体装置100では、n形バリア層140の不純物濃度が1.0×1013cm−2以上で
目的値(1050V)よりも下がるのに対し、半導体装置1では、n形バリア層14の不
純物濃度が2.0×1013cm−2〜4.0×1013cm−2で目的値(1050V
)よりも高くなっている。このように、半導体装置1の耐圧は、半導体装置100の耐圧
よりも高くなる。
次に、他の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部材には同一の符号
を付し、一度説明した部材については、適宜説明を省略する。
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態に係る半導体装置の要部断面模式図である。
図6に示す半導体装置2は、逆導通型の電力用半導体装置(例えば、RC(Reverse Co
nducting)−IEGT)である。半導体装置2では、コレクタ電極80の上に、p形コレ
クタ層11が選択的に設けられている。例えば、メインセル90においては、コレクタ電
極80の上に、p形コレクタ層11が設けられておらず、n形バッファ層12がコレクタ
電極80に直接的に接続されている。すなわち、p形コレクタ層11の一部が取り除かれ
、第1の主電極であるコレクタ電極80がp形コレクタ層11を介さず、n形ベース層
13に電気的に接続された部分がある。
半導体装置2のメインセル90におけるMOSFETについては、半導体装置1と同様
の効果を有する。ただし、半導体装置2においては、n形バッファ層12の一部がコレク
タ電極80に接続されているために、コレクタ電極80の電位を、例えば、接地電位とし
、エミッタ電極81に接地電位よりも高い電位を印加した場合(順バイアス)でも、エミ
ッタ電極81から、p形ベース層16、n形バリア層14、n形ベース層13、n形バ
ッファ層12、コレクタ電極80を通じて電流を流すことができる。
すなわち、半導体装置2のメインセル90においては、MOSFETのほか、ダイオー
ドが内蔵されている。例えば、メインセル90には、コレクタ電極80の上に、n形バッ
ファ層12、n形ベース層13が設けられ、n形ベース層13の上にn形バリア層1
4が設けられ、n形バリア層14の上にp形ベース層16が設けられている。p形ベース
層16には、p形コンタクト層18またはn形エミッタ層17を介してエミッタ電極
81が接続されている。すなわち、エミッタ電極81をアノード、コレクタ電極80をカ
ソードとした場合、アノード・カソード間にpnダイオードが形成されている。
また、半導体装置2においては、p形拡散層15およびn形バリア層14の底面がトレ
ンチ20、23、26の下端よりコレクタ電極80側に位置している。n形バリア層14
とp形拡散層15とは、トレンチ20、23の先端近傍でスーパージャンクションを形成
している。
内蔵ダイオードにおいては、メインセル90の幅をサブセル91の幅より小さくするこ
とにより、その面積をより小さくすることができる。また、n形バリア層14の不純物濃
度を半導体装置1と同様に高くすることができる。このため、アノード側から注入される
正孔に対するバリア性が向上する。従って、半導体装置2の内蔵ダイオードにおいては、
アノード側からの正孔注入をより抑制することができる。
アノード側からの正孔注入をより抑制する方法として、HeやHをp形ベース層16
下のn形ベース層13に注入する方法がある。HeやHがn形ベース層13に注入
されると、n形ベース層13において正孔の寿命が短命になり、内蔵ダイオードへの正
孔注入が抑制される。しかし、このような方法では高温になると、逆バイアス印加時の漏
れ電流が大きくなることや、コストが高くなるという問題がある。
半導体装置2においては、HeやHの注入工程を略すことができ、耐性が高く、低コ
ストの内蔵ダイオードが形成される。また、内蔵ダイオードにおいては、アノード側から
の正孔注入がn形バリア層14によって抑制されるので、順バイアスから逆バイアスに切
り換えても、逆回復電流が減少し、ダイオードの応答性(レスポンス)が向上する。
(第3の実施の形態)
図7は、第3の実施の形態に係る半導体装置の要部断面模式図である。
図8は、第3の実施の形態に係る半導体装置の要部平面模式図である。
図7には、図8のX−X’断面が示されている。図8には、図7に例示するエミッタ電
極81、絶縁層70が表示されていない。
図7に示す半導体装置3は、電力用の半導体装置(例えば、IGBT(Insulated Gate
Bipolar Transistor))であり、第1の主電極であるコレクタ電極80と、p形コレク
タ層11と、n形ベース層13と、n形バリア層14と、p形拡散層15と、p形ベー
ス層16と、n形エミッタ層17と、トレンチ20、23、26と、第2の主電極であ
るエミッタ電極81と、を備える。ここで、「コレクタ」については、「ドレイン」と称
してもよく、「エミッタ」については、「ソース」と称してもよい。また、不純物の導電
型については、n形を第1導電型とし、p形を第2導電型とする。
図7に示すように、半導体装置3においては、コレクタ電極80(第1の主電極)の上
に、p形コレクタ層11が設けられている。p形コレクタ層11の上には、n形バッファ
層12が設けられている。n形バッファ層12の上には、n形ベース層13が設けられ
ている。n形ベース層13の不純物濃度は、n形バッファ層12の不純物濃度よりも低
い。n形ベース層13は、ドリフト層として機能する。
形ベース層13の上には、n形バリア層14と、p形拡散層15とが設けられてい
る。n形バリア層14と、p形拡散層15とは、n形ベース層13の上で、交互に配列
されいている。n形バリア層14の不純物濃度は、n形ベース層13の不純物濃度より
も高い。n形バリア層14の上面は、p形拡散層15の上面よりも低い。換言すれば、n
形バリア層14は、n形ベース層13の主面からp形拡散層15側に向かい凸状に形成
されている。n形バリア層14の上には、p形ベース層16が設けられている。p形ベー
ス層16の表面には、選択的にn形エミッタ層17およびpコンタクト層が設けられ
ている。p形ベース層16およびp形拡散層15の表面からコレクタ電極80側に向かい
、複数の溝状のトレンチが形成されている。トレンチは、p形ベース層16およびn形バ
リア層14と、p形拡散層15との間に設けられている。
例えば、n形バリア層14は、p形拡散層15により挟まれている。これにより、n形
バリア層14の両側には、2つのpn接合界面が存在する。2つのpn接合界面の中の一
つを図中では、矢印Aで表示し、矢印Aとは反対側のpn接合界面を矢印Bで表示してい
る。
矢印Aで示すn形バリア層14とp形拡散層15との接合界面においては、p形ベース
層16およびn形エミッタ層17の表面からコレクタ電極80側に向かい、溝状のトレ
ンチ30が形成されている。トレンチ30内には、酸化膜等の絶縁膜31を介して、例え
ば、ポリシリコンからなる導電体層32が設けられている。p形拡散層15およびn形バ
リア層14の底面(下面)は、トレンチ30の下端よりコレクタ電極80側に位置してい
る。n形バリア層14とp形拡散層15とは、トレンチ30の先端近傍(下端近傍)でス
ーパージャンクション(超接合)を形成している。
また、矢印Bで示すn形バリア層14とp形拡散層15との接合界面においては、p形
ベース層16およびn形エミッタ層17の表面からコレクタ電極80側に向かい、溝状
のトレンチ33が形成されている。トレンチ33内には、酸化膜等の絶縁膜34を介して
、例えば、ポリシリコンからなる導電体層35が設けられている。p形拡散層15および
n形バリア層14の底面は、トレンチ23の下端よりコレクタ電極80側に位置している
。n形バリア層14とp形拡散層15とは、トレンチ33の先端近傍でスーパージャンク
ションを形成している。トレンチ30およびトレンチ33は、略同じ深さである。
このように、半導体装置3においては、p形拡散層15およびn形バリア層14の底面
は、トレンチ30、33の下端よりコレクタ電極80側に位置している。なお、導電体層
32、35は、半導体装置3のトレンチゲート電極であり、ゲート配線(図示しない)に
電気的に接続されている。導電体層32、35は、n形エミッタ層17とn形バリア層
14との間の通電を制御する制御電極である。
形コンタクト層18およびn形エミッタ層17は、エミッタ電極81(第2の主
電極)に電気的に接続されている。p形拡散層15、p形ベース層16、n形エミッタ
層17およびトレンチ30、33の表面には、絶縁層70が設けられている。
また、図8に示すように、半導体装置3においては、それぞれのトレンチ30、33が
略平行にストライプ状に延在している。延在する方向は、例えば、n形ベース層13の
主面と略平行な方向である。また、n形エミッタ層17に隣接するように、p形コン
タクト層18が設けられている。n形エミッタ層17は、トレンチ30の側面またはト
レンチ33の側面に接している。
図7および図8を参照すると、p形ベース層16は、n形エミッタ層17下のトレン
チ30の側面またはトレンチ33の側面に接している。p形ベース層16は、n形エミ
ッタ層17およびp形コンタクト層18の下側に設けられている。p形ベース層16は
、n形エミッタ層17またはp形コンタクト層18を介して、エミッタ電極81に電
気的に接続されている。
コレクタ電極80上でn形バリア層14およびp形ベース層16が占める領域をメイン
セル90とし、コレクタ電極80上でp形拡散層15が占める領域をサブセル91とした
場合、メインセル90およびサブセル91は、トレンチ30、33が延在する方向に延在
し、交互に配置されている。メインセル90は、ゲート電極である導電体層32、35、
p形ベース層16、n形エミッタ層17、n形バリア層14を備えることからMOSF
ET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)として機能する。このた
め、メインセル90におけるp形ベース層16およびn形エミッタ層17の不純物濃度
および面積は、MOSFETに要求される性能に応じて決定される。一方、n形バリア層
14の不純物濃度は、n形ベース層13の不純物濃度より高い濃度とされる。但し、n
形バリア層14とp形拡散層15とのpn接合界面から空乏層が充分に広がる程度に、不
純物濃度が調整されている。
なお、p形コレクタ層11、n形バッファ層12、n形ベース層13、n形バリア層
14、p形拡散層15、p形ベース層16、n形エミッタ層17、p形コンタクト層
18の材質は、例えば、シリコン(Si)を主成分としている。コレクタ電極80、エミ
ッタ電極81の材質は、金属である。絶縁膜31、34の材質は、例えば、酸化シリコン
(SiO)である。
次に、半導体装置3の作用効果について説明する。
図9は、半導体装置3の作用効果を説明する図である。
図9に示す半導体装置3のエミッタ電極81の電位を、例えば、接地電位とし、コレク
タ電極80に接地電位よりも高い電位を印加した状態で、導電体層32、35に閾値以上
の電位を印加する。すると、p形ベース層16における絶縁膜31、34に接する領域に
チャネルが形成される。これにより、メインセル90に形成されたMOSFETがオン状
態となり、n形エミッタ層17からチャネルを介してn形バリア層14に電子が流れる
(図中の矢印e(電子)参照)。この際、p形コレクタ層11からn形バッファ層12を
介してn形ベース層13に正孔が流れる(矢印h(正孔)参照)。この結果、コレクタ
電極80とエミッタ電極81との間で、電流が流れる。
また、半導体装置3においては、メインセル90に、n形ベース層13よりも不純物
濃度が高いn形バリア層14が凸状に設けられているため、n形半導体層を流れる電子の
パスが増加する。このため、半導体装置3においては、オン抵抗が低くなる。
一方、半導体装置3の導電体層32、35に閾値より低い電位が印加されると、p形ベ
ース層16からチャネルが消失して、メインセル90に形成されたMOSFETがオフ状
態となる。これにより、コレクタ電極80とエミッタ電極81との間の電圧が上昇し、n
形バリア層14には、コレクタ電極80からp形コレクタ層11、n形バッファ層12お
よびn形ベース層13を通じて正電位が伝導する。一方、p形拡散層15は、絶縁膜3
1、34を介して導電体層32、35とカップリングしているため、相対的にコレクタ電
極80の電圧よりも低い電位になる。この結果、n形ベース層13およびn形バリア層
14には、正の電位が印加され、p形拡散層15には、負の電位が印加される。
半導体装置3においては、トレンチ30、33の先端近傍で、n形バリア層14とp形
拡散層15とによるスーパージャンクションが形成されている。従って、トレンチ20、
23の先端近傍のpn接合界面からメインセル90内に空乏層が拡がる。その結果、p形
ベース層16とn形バリア層14との接合界面におけるアバランシェ降伏が抑制される。
また、空乏層が拡がることにより、トレンチ30、33の先端近傍の電界強度も緩和され
、トレンチ先端近傍で生じ得るアバランシェ降伏も抑制される。また、スーパージャンク
ションを形成することで、n形バリア層14の不純物濃度を高くすることができ、コレク
タ電極80とエミッタ電極81との間の飽和電圧Vce(sat)を低減することができ
る。
(第4の実施の形態)
図10は、第4の実施の形態に係る半導体装置の要部断面模式図である。
図10に示す半導体装置4は、逆導通型の電力用半導体装置(例えば、RC(Reverse
Conducting)−IGBT)である。半導体装置4では、コレクタ電極80の上に、p形コ
レクタ層11が選択的に設けられている。例えば、メインセル90においては、コレクタ
電極80の上に、p形コレクタ層11が設けられておらず、n形バッファ層12がコレク
タ電極80に直接的に接続されている。すなわち、p形コレクタ層11の一部が取り除か
れ、第1の主電極であるコレクタ電極80がp形コレクタ層11を介さず、n形ベース
層13に電気的に接続された部分がある。
半導体装置4のメインセル90におけるMOSFETについては、半導体装置3と同様
の効果を有する。ただし、半導体装置4においては、n形バッファ層12の一部がコレク
タ電極80に接続されているために、コレクタ電極80の電位を、例えば、接地電位とし
、エミッタ電極81に接地電位よりも高い電位を印加した場合(順バイアス)でも、エミ
ッタ電極81から、p形ベース層16、n形バリア層14、n形ベース層13、n形バ
ッファ層12、コレクタ電極80を通じて電流を流すことができる。
すなわち、半導体装置4のメインセル90においては、MOSFETのほか、ダイオー
ドが内蔵されている。例えば、メインセル90には、コレクタ電極80の上に、n形バッ
ファ層12、n形ベース層13が設けられ、n形ベース層13の上にn形バリア層1
4が設けられ、n形バリア層14の上にp形ベース層16が設けられている。p形ベース
層16には、p形コンタクト層18またはn形エミッタ層17を介して、エミッタ電
極81が接続されている。すなわち、エミッタ電極81をアノード、コレクタ電極80を
カソードとした場合、アノード・カソード間にpnダイオードが形成されている。
また、半導体装置4においては、p形拡散層15およびn形バリア層14の底面がトレ
ンチ30、33の下端よりコレクタ電極80側に位置している。n形バリア層14とp形
拡散層15とは、トレンチ30、33の先端近傍でスーパージャンクションを形成してい
る。
内蔵ダイオードにおいては、メインセル90の両側に、トレンチ30、33を設けるこ
とにより、その面積をより小さくすることができる。また、n形バリア層14の不純物濃
度を半導体装置3と同様に高くすることができる。このため、アノード側から注入される
正孔に対するバリア性が向上する。従って、半導体装置4の内蔵ダイオードにおいては、
アノード側からの正孔注入をより抑制することができる。
アノード側からの正孔注入をより抑制する方法として、HeやHをp形ベース層16
下のn形ベース層13に注入する方法がある。HeやHがn形ベース層13に注入
されると、n形ベース層13において正孔の寿命が短命になり、内蔵ダイオードへの正
孔注入が抑制される。しかし、このような方法では高温になると、逆バイアス印加時の漏
れ電流が大きくなることや、コストが高くなるという問題がある。
半導体装置4においては、HeやHの注入工程を略すことができ、耐性が高く、低コ
ストの内蔵ダイオードが形成される。また、内蔵ダイオードにおいては、アノード側から
の正孔注入がn形バリア層14によって抑制されるので、順バイアスから逆バイアスに切
り換えても、逆回復電流が減少し、ダイオードの応答性(レスポンス)が向上する。
(第5の実施の形態)
なお、図1および図7の構造において、トレンチが浅くなった場合の変形例について説
明する。
図11は、第5の実施の形態に係る半導体装置の要部断面模式図である。
図11に示す半導体装置5においては、トレンチ40、43、60、63が半導体装置
1のトレンチ20、23、26、半導体装置3のトレンチ30、33よりも浅く構成され
ている。トレンチ40内には、絶縁膜41を介して導電体層42が形成されている。トレ
ンチ43内には、絶縁膜44を介して導電体層45が形成されている。トレンチ60内に
は、絶縁膜61を介して導電体層62が形成されている。トレンチ63内には、絶縁膜6
4を介して導電体層65が形成されている。p形ベース層16は、トレンチ40、43の
間に位置し、n形エミッタ層17がトレンチ40、43のそれぞれに接している。導電
体層62、65は、エミッタ電極81に接続されている。
例えば、図1に示す半導体装置1のトレンチ20、23、26が浅くなると、p形拡散
層15とp形ベース層16の距離が見かけ上、短くなる。
すると、p形ベース層16、n形バリア層14、p形拡散層15、n形ベース層13
で構成される寄生pnpnサイリスタが動作しやすくなり、高電流密度の動作時における
ターンオフを制御できず、素子破壊が起きる場合がある。
しかし、半導体装置5では、この現象を回避するために、n形バリア層14とp形拡散
層15による超接合と、p形ベース層16との間の距離を、トレンチ40、43を介在さ
せることにより長くし、寄生pnpnサイリスタを動作させ難くしている。これにより半
導体装置5では、ターンオフ不良による素子破壊を回避することができる。
さらに、図7に示す半導体装置3に対して、ゲート電極である導電体層42、45の電
位は、エミッタシールド電極である導電体層62、65によってp形拡散層15からシー
ルドされている。従って、ゲート電極である導電体層42、45は、p形拡散層15の電
位変動の影響を受け難くなる。
ここで、トレンチ40とトレンチ60との間、およびトレンチ43とトレンチ63との
間のp形半導体層67、68は、フローティング電位にすることにより、エミッタ−コレ
クタ間抵抗を低くすることができる。ただし、スイッチング時には、フローティング電位
であるp形半導体層67、68の電位変動によりゲート容量(ゲート−ドレイン間容量)
が増加する虞がある。しかし、半導体装置5では、p形半導体層67,68の体積をp形
拡散層15に比べて小さくしている。従って、ゲート容量については、より小さくするこ
とができる。
また、p形半導体層67、68を抵抗素子を介してエミッタ電極81に接続すると、p
形半導体層67、68の電位変動が抑制され、さらに、ゲート容量が小さくなる。なお、
エミッタ−コレクタ間の抵抗については、p形半導体層67、68の体積を小さくするこ
とで、より小さくすることができる。
上記p形半導体層67、68をエミッタ電極81に接続する抵抗は、ポリシリコンで形
成してもよいし、p形半導体層67、68の一部分をエミッタ電極81に接続してもよい
(第6の実施の形態)
図12は、インバータ回路を含む交流・直流変換回路の要部図である。
例えば、図12に示すように、交流電源75から供給された交流電圧は、コンバータ7
6によって、直流電圧に変換される。また、コンバータ76の出力端子95からは正電圧
が出力され、出力端子96からは、負電圧が出力される。出力端子95、96は、インバ
ータ50に接続されている。
インバータ50は、いわゆる6in1構造(6個の素子51〜56が1つの回路内にあ
る構造)の3相インバータ回路であり、スイッチング素子51t〜56tのそれぞれと、
逆並列に接続されたダイオード51d〜55dを有する。スイッチング素子51t〜56
tは、例えば、IGBTであり、ダイオード51d〜55dは、例えば、FRD(First
Recovery Diode)である。
スイッチング素子51tと、スイッチング素子52tとは、直列に接続され、スイッチ
ング素子53tと、スイッチング素子54tとは、直列に接続され、スイッチング素子5
5tと、スイッチング素子56tとは、直列に接続されている。そして、スイッチング素
子51t、53t、55tは、出力端子95に接続され、スイッチング素子52t、54
t、56tは、出力端子96に接続されている。さらに、スイッチング素子51tと、ス
イッチング素子52tとの中間点は、出力端子97に接続され、スイッチング素子53t
と、スイッチング素子54tとの中間点は、出力端子98に接続され、スイッチング素子
55tと、スイッチング素子56tとの中間点は、出力端子99に接続されている。出力
端子97、98、99からは、3相の交流電圧が得られる。
上述した半導体装置2を用いれば、IGBTと、FRD(First Recovery Diode)とを
個別に引用していたインバータが1つの半導体装置2により集約することができる。これ
により、回路面積、コストが低減する。特に、半導体装置2を用いた場合は内蔵ダイオー
ドの応答性が向上している。従って、応答性の高いインバータ50が形成される。なお、
半導体装置2を半導体装置4で置き換えても同様の効果が得られる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこ
れらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計
変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例え
ば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは
、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、p形コレ
クタ層11を取り除いたMOSFETにも転用できる。
また、本実施の形態では、第1導電型をn形とし、第2導電型をp形とした場合につい
て説明したが、第1導電型をp形とし、第2導電型をn形とする構造についても実施の形
態に含まれ、同様の効果を得る。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明
の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施さ
れることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を
行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、
特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1、2、3、4、5、100 半導体装置
11 p形コレクタ層
12 n形バッファ層
13、130 n形ベース層
14、140 n形バリア層
15、150 p形拡散層
16 p形ベース層
17 n形エミッタ層
18 p形コンタクト層
20、23、26、30、33、40、43、60、63 トレンチ
21、24、27、31、34、41、44、61、64 絶縁膜
22、25、28、32、35、42、45、62、65 導電体層
50 インバータ
51d ダイオード
51t、52t、53t、54t、55t、56t スイッチング素子
67、68 p形半導体層
70 絶縁層
75 交流電源
76 コンバータ
80 コレクタ電極
81 エミッタ電極
90 メインセル
91 サブセル
95、96、97、98、99 出力端子

Claims (3)

  1. 第1導電型の第1半導体領域と、
    前記第1半導体領域上に設けられ、前記第1半導体領域よりも高い不純物濃度を有する
    第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域に隣接して設けられた第2導電型の第3半導体領域と、
    前記第2半導体領域上に設けられ、底部全面が前記第2半導体領域に接する第2導電型
    の第4半導体領域と、
    前記第2半導体領域、前記第3半導体領域、及び前記第4半導体領域に絶縁膜を介して
    接し、底部が前記第2半導体領域及び前記第3半導体領域に位置し、且つ前記第2半導体
    領域と前記第3半導体領域とが、前記底部と前記第1半導体領域との間において接するよ
    うに設けられた導電体層と、
    前記第1半導体領域に電気的に接続された第1の電極と、
    前記第4半導体領域に電気的に接続された第2の電極と、
    を有する半導体装置。
  2. 前記導電体層に前記絶縁膜を介して接し、前記第4半導体領域の表面に選択的に設けら
    れた第1導電型の第5半導体領域と、
    をさらに有する請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1の電極と前記第1半導体領域との間に、第2導電型の第6半導体領域を有する
    請求項1または2に記載の半導体装置。
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