JP2015180487A - 乾式クリーニング筐体及び乾式クリーニング装置 - Google Patents

乾式クリーニング筐体及び乾式クリーニング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】洗浄対象物から筐体を離して開口部を開放するリリース時等における洗浄媒体の漏出を高精度に防止できる乾式クリーニング筐体を提供する。【解決手段】筐体本体42内には薄片状の洗浄媒体が多数入れられており、これらの洗浄媒体は筐体内で生じる旋回気流で循環飛翔しながら開口部18にて洗浄対象物20に衝突することを繰り返す。被洗浄面から開口部18を離す前に、図4(b)に示すように、気流誘導手段50を突出位置に設定する。気流誘導手段50が突出位置に設定されると、気流誘導手段50の気流誘導により、洗浄媒体5は開口部18から遠ざかる状態で開口部18の領域を通過する。【選択図】図4

Description

本発明は、飛翔する洗浄媒体を洗浄対象物に接触ないし衝突させて洗浄する乾式クリーニング装置に関し、詳しくは、洗浄対象物の任意の部位に当てて洗浄することが可能で特にハンディタイプとして好適な乾式クリーニング装置及び該乾式クリーニング装置に用いられる乾式クリーニング筐体に関する。
近年、プリント基板製造におけるフローはんだ槽によるはんだ付け工程において、はんだ付け処理する領域以外をマスクする治具が多く用いられている。
このようなマスク治具(ディップパレット、キャリアパレットと呼ばれる)は、繰り返し使用されるうちに、表面にフラックスが堆積して固着しマスクの精度を下げるために、定期的に洗浄する必要があった。
一般的には、このような洗浄はマスク治具を溶剤に浸漬して行うため、大量の溶剤を消費しており、コストアップを避けられず、作業者や環境への負荷も大きい。
浸漬せずに装置内で溶剤を洗浄対象物に噴射する方式も知られているが、溶剤を大量に使用するという点に変わりはない。
この問題を解消する技術として、乾式クリーニング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この装置は、開口部を有する筐体に吸気手段を接続し、開口部が洗浄対象物で塞がれた状態で開口部とは別に設けられた通気路(インレット)を介して筐体外部から空気を内部へ高速で流入させ、筐体内部に旋回気流を生じさせる構成を有している。
旋回気流によって薄片状の洗浄媒体を循環飛翔させ、開口部に露出する洗浄対象物に洗浄媒体が衝突する動作が繰り返えされることにより洗浄対象物の汚れが除去される。
洗浄対象物から筐体を離すと、すなわち開口部を開放すると、インレットが大気圧と同レベルとなって旋回気流が消失するとともに、吸気による負圧で開口部から外気が筐体内に多く流入する。
このため、筐体内の洗浄媒体は筐体内に留まり、開口部からは漏れにくい。
しかしながら、実際の洗浄工程においては、洗浄対象物から筐体を離して開口部を開放するリリース時や非洗浄時に洗浄媒体が開口部やインレットから漏れ出す場合がある。
これはリリース時や非洗浄時に、開口部から外気が筐体内に多く流入しても、筐体内に旋回気流が発生してしまい、洗浄媒体が筐体内に保持される力よりも飛翔する力が上回るためである。
この問題を解消すべく、図16に示すように、開口部18の開口面積を変化させるシャッター部材64を設ける構成が提案されている(特許文献1参照)。
図16(a)は洗浄状態を示し、図16(b)は開口部18が被洗浄面から離れた状態を示している。
洗浄媒体5は旋回気流30に乗って筐体内を旋回するため、遠心力の作用により外側へ集まりやすく、開口部18においては、その中心から離れたインレット24側に集中しやすい特徴がある。
このため、インレット24側の下端部にシャッター部材64を設けて開口部18を塞ぐ構成とすると、洗浄媒体5が集中しやすい場所を遮蔽しやすくなり、洗浄媒体の漏出を低減できる。
図16(b)に示すように、リリース時には開口部18の面積を狭くして開口部から流入する空気量とインレットから流入する空気量とを同等にし、旋回気流のエネルギーを低減ないし消失させるようになっている。
開口部が洗浄対象物20に対して非接触又は一定距離離間した状態を検知する光学センサ等によるリリース検知手段を設け、リリース状態(非接触状態)が検知された場合には、自動的に駆動手段を介してシャッター部材64を動作させる構成も提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような従来の構成では、旋回気流の方向が開口部において洗浄媒体を洗浄対象物に衝突させる方向、すなわち、開口部から外部に流出する方向であるため、洗浄対象物から筐体が離れた場合、開口部から洗浄媒体が漏出してしまう問題があった。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、洗浄対象物から筐体を離して開口部を開放するリリース時等における洗浄媒体の漏出を高精度に防止できる乾式クリーニング筐体の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の乾式クリーニング筐体は、洗浄媒体が収容される内部空間と、前記内部空間に連通し、洗浄対象物の被洗浄面に当接される開口部と、前記開口部とは別に設けられ、外部の空気を前記内部空間へ導入するための通気路と、前記内部空間に連通し、吸気手段に接続される吸気口と、を備え、前記内部空間は、前記開口部が前記被洗浄面に当接された状態で前記吸気手段により吸気したとき、前記通気路から流入した空気が旋回気流となる形状を有し、前記開口部は、前記旋回気流により飛翔する洗浄媒体が前記被洗浄面に繰り返し衝突するように配置され、前記旋回気流の旋回方向における前記開口部の上流側には、前記内部空間へ任意に突出可能で、突出した状態において前記旋回気流をその旋回中心側へ寄るように誘導する気流誘導手段が配置されている。
また、本発明の乾式クリーニング筐体は、洗浄媒体が収容される内部空間と、前記内部空間に連通し、洗浄対象物の被洗浄面に当接される開口部と、前記開口部とは別に設けられ、外部の空気を前記内部空間へ導入するための通気路と、前記内部空間に連通し、吸気手段に接続される吸気口と、を備え、前記内部空間は、前記開口部が前記被洗浄面に当接された状態で前記吸気手段により吸気したとき、前記通気路から流入した空気が旋回気流となる形状を有し、前記開口部は、前記旋回気流により飛翔する洗浄媒体が前記被洗浄面に繰り返し衝突するように配置され、前記旋回気流の旋回方向における前記開口部の上流側には、前記内部空間と前記通気路との連通部を遮蔽しながら移動し、前記開口部の上流側における前記旋回気流の乱れを是正する遮蔽部材が設けられている。
本発明によれば、洗浄対象物から筐体を離して開口部を開放するリリース時等における洗浄媒体の漏出を高精度に防止できる。
本発明の乾式クリーニング装置の基本となる構成を示す概要断面図である。 同乾式クリーニング装置の洗浄動作を示す図である。 同乾式クリーニング装置の使用状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る乾式クリーニング筐体の概要縦断面図で、(a)は洗浄時の状態を示す図、(b)は開口部をリリースする前に気流誘導手段を突出位置に設定した状態を示す図である。 気流誘導手段を突出位置に設定した後、開口部をリリースした状態を示す概要縦断面図である。 気流誘導手段の斜視図である。 気流誘導手段の動作を示す要部断面図で、(a)は退避位置に設定されている状態を示す図、(b)は突出位置に設定されている状態を示す図である。 第2の実施形態に係る乾式クリーニング筐体の概要縦断面図で、(a)は洗浄時の状態を示す図、(b)は開口部をリリースする前に気流誘導手段を突出位置に設定し、その後遮蔽板を駆動した状態を示す図である。 第3の実施形態に係る乾式クリーニング筐体の概要縦断面図である。 気流誘導手段の動作を示す図で、(a)は気流誘導手段が遮蔽板の動作に伴って突出位置に設定された状態を示す図、(b)は遮蔽板の収納動作に伴って気流誘導手段が退避位置に収納された状態を示す図である。 第4の実施形態に係る乾式クリーニング筐体の概要縦断面図である。 乾式クリーニング筐体の動作を示す概要縦断面図で、(a)は洗浄中を示す図、(b)はリリース時に遮蔽板を一旦停止させた状態を示す図、(c)はリリース中で遮蔽板を完全に閉じた状態を示す図である。 第2の通気路における逆流防止部材を示す要部断面図で、(a)は洗浄動作時の状態を示す図、(b)は第2の通気路が開放された状態を示す図である。 逆流防止部材を示す図で、(a)は側面図、(b)は斜視図、(c)は各逆流防止部材を筐体の内側から見た閉塞状態の斜視図、(d)は各逆流防止部材を筐体の内側から見た開放状態の斜視図である。 逆流防止部材の他例を示す斜視図である。 従来におけるシャッター部材による洗浄媒体の漏出防止構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
図1乃至図7に第1の実施形態を示す。
まず、図1乃至図3に基づいて、本発明の基本的構成について説明する。ハンディタイプの乾式クリーニング装置への適用例である。
図1に基づいて、ハンディタイプの乾式クリーニング装置2の構成の概要を説明する。図1(a)はA−A線での横断面図、(b)はB−B線での縦断面図である。
乾式クリーニング装置2は、内部に洗浄媒体5の飛翔空間(内部空間)を有する乾式クリーニング筐体(以下、単に「筐体」ともいう)4と、筐体4内を負圧化する吸気手段6とを備えている。
筐体4は、筐体本体部としての円筒形状の上部筐体4Aと、逆円錐形状の下部筐体4Bとから一体として構成されている。ここでの上部、下部は図面上の便宜的呼称であって、実機上の上下とは必ずしも関係はない。
下部筐体4Bは、その円錐形状の頂部に吸気口8を一体に備えており、吸引ダクトとして機能する。
吸気手段6は、吸気口8に一端を接続されたフレキシブルな吸引ホース10と、該吸引ホース10の他端に接続された吸引装置12とを有している。
吸引装置12としては、家庭用掃除機、真空モータや真空ポンプ、あるいは流体の圧送により間接的に低圧化ないし負圧化を生じさせる装置などを適宜用いることができる。
なお、部材の上面、底面等の上下の位置関係は図面上の基準にすぎない。
上部筐体4Aの底面部は、下部筐体4Bの上端部を結合する嵌合凹部4A−1となっており、上部筐体4Aと下部筐体4Bは分離可能となっている。上部筐体4Aの上面4A−2は密閉されている。
上部筐体4Aの底面部における下部筐体4Bとの境界部分には、多孔手段としての多孔性の分離板14が設けられている。
分離板14は、パンチングメタルのような穴が空いた板状の部材である。
分離板14は、吸引されたときの洗浄媒体5の下部筐体4B側(吸気口側)への移動を阻止するものである。
図1(a)では分離板14の表示を一部省略している。なお、洗浄媒体5は分かり易くするためにその大きさを誇張表示している。
多孔手段としては、洗浄媒体5を通さずに空気及び粉塵(洗浄対象物から除去された除去物)を通過させる大きさの細孔を多く備える多孔形状であればよい。
多孔手段としては、スリット板や網などを用いてもよく、材質も滑らかな面を備えていれば、樹脂や金属などを自由に選択して良い。
多孔手段は旋回気流の旋回軸と直交する面として配置されている。これにより、多孔手段に沿う方向に気流が流れることにより、洗浄媒体5の滞留を防ぐ効果がある。
旋回気流の減衰を抑えるために、筐体内面は段差、凹凸がなく平滑であることが望ましい。
多孔手段は、旋回気流に沿った面に配置されることにより、表面に吸着した洗浄媒体を再飛翔させることができる。
筐体4の材質は特に限定されないが、異物の付着や洗浄媒体との摩擦による消耗を防ぐために、例えばアルミ二ウムやステンレスなどの金属製が好適であるが、樹脂製のものを用いることもできる。
上部筐体4Aの内部中心には、上部筐体4Aの円筒軸を共通の軸とするように、円筒状の流路制限部材16が筐体の一部として設けられ、流路制限部材16の下端は分離板14に固定されている。
流路制限部材16は旋回気流の流路断面積を絞って流速を向上させる目的で設けられている。
流路制限部材16により上部筐体4A内には滑らかな壁面を有するリング状の旋回気流移動空間(洗浄媒体の飛翔空間としての内部空間)が形成されている。
上部筐体4Aの形状によっては、流路制限部材16の中心軸と上部筐体4Aの中心軸を必ずしも共通にする必要はなく、リング状の空間が確保できていれば偏芯していても良い。
上部筐体4Aの側面の一部には、旋回気流で飛翔する洗浄媒体5を洗浄対象物に接触ないし衝突させるための開口部18が形成されている。
上部筐体4Aは直径に対して高さが極めて小さい円筒形状であり、その高さを形成する側面の一部に開口部18が設けられている。
筐体4全体としては、図1(b)に示すように、開口部18以外の外周部分が洗浄対象物20から大きく逃げる(離れる)レイアウトとなり、洗浄対象物20に対する局所的当接、換言すればピンポイントクリーニングの自由度が高められている。
開口部18は、上部筐体4Aの側面を円筒軸に平行な平断面により切断した形状であり、円筒軸と直交する方向から見て矩形形状をなしている。
上部筐体4Aの側面には空気流入口22が形成されており、空気流入口22には、通気路としてのインレット24が上部筐体4Aの外方から接続されて上部筐体4Aに一体に固定されている。
インレット24は分離板14に略平行に設定されており、その通気方向は、上部筐体4Aの半径方向に対して傾き、その通気路中心の延長線が開口部18に達するように位置している。
インレット24は、上部筐体4Aの高さ方向に延びる幅を有している。
インレット24は上部筐体4Aの高さよりも径又は幅が小さいものを1つ配置してもよく、単体のインレットを高さ方向に複数配置する構成としてもよい。
図1に示すように、開口部18が洗浄対象物20の被洗浄面に当接して塞がれると、筐体4内が閉空間としてなり、インレット24を介して内部空間26に導入された空気が吸気口8側に吸引される。
このため、インレット24から外気が高速で流入し、この高速気流は洗浄媒体5を開口部18へ向けて加速させるとともに旋回気流30を生成する。
閉空間が形成された時に生じる旋回気流は、吸気による負圧で分離板14上に吸着保持された洗浄媒体を吹き払い、再飛翔させる効果を有する。
開口部18は、洗浄対象物20から離されて開放されたときに、空気流入口22における内圧を、大気圧もしくはその近傍にするために十分な大きさの面積を備える。
また、空気流入口22も、開口部18の開放時に大気圧もしくはその近傍になりやすい位置に配置される。
このような構成を備えることにより、乾式クリーニング装置2を洗浄対象物に当てていない間は、空気流入口22が大気圧に近づくことによって、外部との差圧が低下し、その結果流入する気流が劇的に低減する。
一方、開口部18から流入する気流は多くなるため、洗浄媒体5が筐体4内から漏れ出ることを防ぐことができる。
また、開口部18が開放されている状態では、閉塞されている場合に比べて流入する気流の総量が2〜3倍になるため、とくに薄片状の洗浄媒体では多孔手段上に吸着されるため、再飛翔せず筐体の外に漏れることがない。
これを開口部開放時における洗浄媒体吸着効果という。
洗浄媒体5は、薄片状の洗浄片の集合であるが、ここでは薄片状の洗浄片単体としての意味でも用いている。
薄片状の洗浄媒体とは、面積が1mm以上200mm以下の薄片である。
また、洗浄媒体の材質はポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタラート、アクリル、セルロース樹脂などの耐久性のある素材からなるフィルムであり、厚みは0.02mm以上1.0mm以下である。
但し、洗浄対象物によっては洗浄媒体の厚みやサイズや材質を変えることが効果的な場合もあり、これらの洗浄媒体を使用する場合も本発明の範囲に含まれるため、前記洗浄媒体条件にはとらわれないものとする。
洗浄媒体の材質に関しては、樹脂だけにとどまらず、紙、布などの薄片や、あるいは、雲母などの鉱物、セラミックやガラス、金属箔であっても、薄く軽量で飛翔しやすい形状にすることで使用することができる。
上部筐体4Aのリング状の内部空間26は、洗浄媒体5が収容される空間であるとともに、旋回気流によって洗浄媒体5が飛翔し開口部18に露出する洗浄対象物20に衝突するための空間である。
流路制限部材16の内部空間34は、旋回気流が作用しない空間である。
以上のように構成される乾式クリーニング装置2による洗浄動作(クリーニング動作)を、図2を参照して説明する。
なお、図2では、部材の厚み等を省略し、分かり易くするために静空間としての内部空間34をハッチングで表示している。
図2(b)は、開口部18を洗浄対象物20から離して開口部18を開放し吸気を行っている状態を、図2(a)は、開口部18を洗浄対象物20に当てて閉塞した状態を示している。
クリーニング動作に先立って、洗浄媒体5を筐体4内に供給する。
洗浄媒体の供給方法としては、吸引装置12が作動している状態で、開口部18から所定量の洗浄媒体を吸い込んでもよく、開口部18が塞がれた状態でインレット24から投入してもよい。
筐体4内に供給された洗浄媒体5は、図2(b)下図に示すように、分離板14に吸い付けられて筐体4内に保持される。
筐体4内は吸気により負圧状態となっているので、筐体外部の空気がインレット24を通して筐体4内に流入するが、このときのインレット24内の流れは流速・流量ともに小さいので、筐体4内に発生する旋回気流30は洗浄媒体5を飛翔させる強さには至らない。
筐体4内に洗浄媒体5が供給・保持されたら、図2(a)に示すように、開口部18を洗浄対象物20の表面のクリーニングすべき部位に当てて閉塞状態にする。
開口部18が塞がれると、開口部18からの吸気が止まるので、筐体4内の負圧は一気に増大し、インレット24を通じて吸い込まれる空気量・流速ともに増大する。
インレット24から吸い込まれる空気はインレット24内で整流され、インレット出口(空気流入口22)から筐体4内に高速空気流となって吹き出す。
吹き出した空気流は、分離板14上に保持されている洗浄媒体5を剥がして開口部18に露出する洗浄対象物20の表面に向けて飛翔させる。
上記空気流は、旋回気流30となって、筐体4の内壁に沿って円環状に流れつつ、一部は分離板14の穴を通って吸気手段6により吸気される。
筐体4内を円環状に流れた旋回気流30がインレット24の出口部に戻ると、インレット24から入り込む空気流が旋回気流30に合流しつつ加速する。
このようにして筐体4内に安定した旋回気流30が形成される。
洗浄媒体5は、旋回気流により筐体4内で旋回(循環飛翔)し、洗浄対象物20の表面に繰り返し衝突する。
この衝突による衝撃で、洗浄対象物20の表面から汚れが微小粒状あるいは粉状となって分離する。
分離した汚れは、分離板14の穴を通って吸気手段6により筐体4の外部へ排出される。
筐体4内に形成される旋回気流30は、その旋回軸が分離板14の表面に直交しており、分離板14の表面に平行な気流となる。
このため、旋回気流30は分離板表面に吸い着けられた洗浄媒体5に、横方向から吹き付けて洗浄媒体5と分離板14の間に入り込み、分離板14に吸い付けられている洗浄媒体5を分離板14から引き剥がして再度飛翔させる効果が生じる。
また、開口部18が塞がれて上部筐体4A内の負圧が増大して、下部筐体4B内の負圧に近くなるため、洗浄媒体5を分離板14の表面に吸い付ける力も低下して、洗浄媒体5の飛翔がより容易になる効果が生じる。
旋回気流30は、一定の方向に気流が加速されるため高速の気流が生成しやすく、洗浄媒体5の高速飛翔運動も容易となる。
高速で旋回移動する洗浄媒体5は、分離板14に吸い付けられにくく、洗浄媒体5に付着した汚れが、遠心力により洗浄媒体5から分離され易い。
図3に上述した乾式クリーニング装置2によるクリーニングの実際的な例を示す。
洗浄対象物は前述したフローはんだ槽工程で用いられるディップパレットであり、符号100で示す。
ディップパレット100には、マスク開口部101、102、103が開口しており、これらマスク開口部の穴周辺にフラックスFLが堆積・固化している。この堆積・固化したフラックスFLが除去すべき汚れである。
下部筐体4Bの根元部(吸気口8の部位)を手HDで握り、吸気状態で、筐体4の開口部18を被クリーニング部位に押し当てる。
開口部18が被クリーニング部位に押し当てられる以前は、筐体4内は吸気され、洗浄媒体5は分離板14に吸い付けられているので(洗浄媒体吸着効果)、開口部18は下方を向いているものの、筐体4内から洗浄媒体5が外部へ漏れることは無い。
勿論、開口部18が被クリーニング部位に押し当てられた以後は、筐体内が気密状態となり、洗浄媒体の漏れ出しはない。
開口部18を被クリーニング部位に押し当てると、インレット24による流入気流が急増し、筐体4内に強い旋回気流30を発生させ、分離板14に吸い付けられた洗浄媒体5を飛翔させる。
洗浄媒体5は、ディップパレット100の被クリーニング部位に付着固化したフラックスFLに衝突し、これによりフラックスFLが除去される。
作業者は、上述の如く下部筐体4Bの根元を手HDに持ち、ディップパレット100に対して移動させて、被クリーニング部位を順次移動させ、付着・固化したフラックスFLを全て除去することができる。
図3の状態では、ディップパレット100のマスク開口部101の周辺部がクリーニングされ、マスク開口部102、103の周辺部がクリーニング途上である。
被クリーニング部位に対して開口部を移動させる時に被クリーニング部位から開口部18が離されても、前述の洗浄媒体吸着効果により、洗浄媒体5が筐体内から漏れ出さない。
このため、筐体内の洗浄媒体数が維持され、洗浄媒体量の減少によるクリーニング性能の低下は生じない。
洗浄媒体5は、繰り返し使用される間にクリーニング部位に対する衝突による衝撃により次第に破壊され、被クリーニング部位のディップパレット100から除去したフラックス(汚れ)と共に、吸引装置12に吸引回収される。
このため、乾式クリーニング装置を長時間使用していると、筐体内に保持された洗浄媒体の量が減少する。このような場合は、新しい洗浄媒体群を筐体4内に補給する。
上記のように、開口部18が開放されている状態では、洗浄媒体吸着効果により理論的には洗浄媒体5が筐体内から漏れ出さない。
しかしながら、既述の通り、実際の洗浄工程においては、洗浄対象物から筐体を離して開口部を開放するリリース時や非洗浄時に洗浄媒体が開口部やインレットから漏れ出す場合がある。
これはリリース時や非洗浄時に、開口部から外気が筐体内に多く流入しても、筐体内に旋回気流が発生してしまい、洗浄媒体が筐体内に保持される力、すなわち分離版に吸着される力よりも飛翔する力が上回るためである。
この問題を解消するために、本実施形態では、図4に示すように、内部空間へ任意に突出可能な気流誘導手段50を設け、旋回気流30の向きを開口部18の手前で旋回中心側に寄るように誘導する構成としている。
図4(a)に示すように、洗浄時には気流誘導手段50は旋回気流30を妨げないように筐体の外部に設定されている。
開口部18を被洗浄面から離すときは、気流誘導手段50は筐体の内方へ突出するように設定される。
このようにすれば、図4(b)に示すように、洗浄媒体5は誘導された気流で開口部18を避けるように飛翔し、旋回気流30の旋回方向における開口部18の下流側に移動する。
換言すれば、気流誘導手段50の気流誘導により、洗浄媒体5は開口部18から遠ざかる状態で開口部18の領域を通過する。
この状態で、図5に示すように、開口部18を洗浄対象物20の被洗浄面から離せば、筐体内に旋回気流が生じていても洗浄媒体が開口部18から外部に漏れることが抑制される。
本実施形態に係る乾式クリーニング筐体4は、図1で示した基本構成を若干変更しているが、機能は同等である。
開口部18、インレット24、吸気口8は何れも内部空間26に連通している。
図6に示すように、本実施形態における気流誘導手段50は三角柱状の外形を有しており、気流を誘導する誘導面50aと、洗浄媒体5の回り込みを阻止する閉塞面50b等を備えている。
気流誘導手段50の上部には、軸挿通孔50cが形成されている。
図7に示すように、インレット24の一部を形成する側板4aの下端部、換言すれば、旋回気流30の旋回方向における開口部18の上流側近傍には、開口部52が形成されている。
開口部52には、気流誘導手段50が上端部を軸54で回動自在に支持されている。
気流誘導手段50は、図7(b)に示すように、側板4aの外面に設けられたトーションバネ等の付勢部材56により常時筐体内方(内部空間)へ突出するように付勢されている。
洗浄時には、図7(a)に示すように、気流誘導手段50は側板4aの外面に設けられた図示しないロック部材により、誘導面50aが筐体の内周面の一部を形成するように退避位置に設定される。
図示しないレバー操作等によりロック部材のロック状態が作業者により解除されると、図7(b)に示すように、気流誘導手段50は付勢部材56の付勢力で自動的に内部空間へ突出する突出位置に設定される。
本実施形態では気流誘導手段50を常時筐体内方へ突出するように付勢する構成としたが、常時誘導面50aが図7(a)の退避位置となるように付勢し、必要な場合のみ作業者が外側から気流誘導手段50を押し込んで突出位置に設定するようにしてもよい。
気流誘導手段50を開口部52に回動自在に支持するだけでもよい。この場合、気流誘導手段50は洗浄時は旋回気流30の風圧によって筐体外方へ押圧され、その誘導面50aは自動的に筐体内周面に沿う。
気流誘導手段50を突出位置に設定する場合には、筐体外部から押圧すればよい。
本実施形態では、気流誘導手段50を手動で操作する構成としたが、ソレノイドやエアシリンダ、モータ等の電動の駆動手段で突出位置と退避位置とに任意に設定可能な構成としてもよい。
この場合、開口部18が被洗浄面から離れた非接触状態を検知するリリース検知手段を設け、その検知信号に基づいて上記駆動手段を動作させる構成としてもよい。
リリース検知手段としては、接触式のスイッチ、あるいは光学センサや超音波センサなどの非接触式のセンサを用いることができる(以下の他の実施形態において同じ)。
吸気口8に接続される吸引装置12の吸引能力や、交換可能な着脱タイプのインレット24の断面形状の変化等によって、旋回気流30の流速は変化する。
旋回気流30の流速を変更した場合、旋回気流の流速に合った最適な気流誘導が行えるように、気流誘導手段50の突出量を流速に応じて変更するようにしてもよい。
例えば、駆動手段による駆動量を変化させることにより突出量を変更する。
図8に基づいて第2の実施形態を説明する。上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
本実施形態では、気流誘導手段50に加えて、開口部18の開口面積を変更可能なシャッター部材としてのプレート64を有している。
上記のように、気流誘導手段50を突出位置に設定することにより、開口部18からの洗浄媒体の漏れを抑制できる。
本実施形態では、リリース時等にプレート64で開口部18の開口面積を適正にすることにより洗浄媒体の漏出防止を確実ならしめることを目的としている。
プレート64は、側板4aの下端に設けられたガイド部材58にスライド自在に、且つ、開口部18を開閉可能に保持されている。図8(a)は洗浄時の状態を示している。
洗浄対象物20の被洗浄面から開口部18を離す場合には、図8(b)に示すように、リリースに先立って気流誘導手段50が突出位置に設定される。
この状態で被洗浄面から開口部18をリリースするとともに、プレート64をスライドさせて開口部18の開口面積を狭め、あるいは開口部18を完全に閉じる。
プレート64をスライドさせる前に気流誘導手段50により洗浄媒体の飛翔気流が誘導されているため、プレート64の動作遅れ(応答遅れ)による洗浄媒体の漏出の心配はなく、かかる状態でプレート64を所定位置に設定することができる。
所定位置とは、開口部18の開口面積がインレット24の断面積と同等となる位置である。
この位置までプレート64を閉じると、インレット24からの外気流入量と開口部18からの外気流入量とが等しくなるため、双方が打ち消しあって旋回気流は停止ないし消失する。
分離板14側からの吸引があるために、開口部やインレットから分離板方向への吸引圧力が発生し、洗浄媒体は開口部やインレットから外部へ飛散しない。
開口部18をプレート64で完全に閉じても良いが、完全に閉じてしまうと、洗浄時と同じ状態となってしまい、遮蔽板へ洗浄媒体が衝突を繰り返し、洗浄媒体の消耗を促進してしまう。
また、プレート64へ洗浄媒体が衝突した後に、インレット側へ跳ね返る洗浄媒体も出てきてしまい、インレットから洗浄媒体が漏れる懸念がある。
このため、上記のように、プレート64を旋回気流が消失する所定位置まで移動させて開口部18の開口面積を狭めるようにしている。
洗浄終了後、気流誘導手段50を突出させ、その後洗浄対象物20から開口部18を離しながら図示しないレバーでプレート64を所定位置までスライドさせる。
プレート64のスライド操作において、旋回気流が完全に停止ないし消失する所定位置でプレート64を止めるための図示しないストッパを設ければ、作業者の勘に頼ることなく画一的にプレート64を所定位置に設定できる。
プレート64の開閉は、ソレノイドやエアシリンダ、モータ等の駆動手段で駆動する電動構成としてもよい。
この場合、開口部18が被洗浄面から離れたことを検知するリリース検知手段を設け、リリース検知手段の検知情報に基づいて駆動手段を動作させるようにしてもよい。
図9及び図10に基づいて第3の実施形態を説明する。
本実施形態では、図9に示すように、気流誘導手段60がプレート64に一体に設けられている。なお、図9、図10ではガイド部材58は省略している。
図10(a)に示すように、気流誘導手段60は、開口部18を狭める方向におけるプレート64の先端側に上下方向に回動自在に支持された誘導板60aを有している。
気流誘導手段60は、さらに、導板60aを気流を誘導可能に突出させる付勢部材としてのバネ60bと、導板60aの下流側を塞ぐ軟質の弾性部材からなる閉塞部材60cとを有している。
洗浄中は、図10(b)に示すように、プレート64が収納位置に設定される動作に伴って誘導板60a及び閉塞部材60cが畳まれ、プレート64と一体に収納される。
リリース時等にプレート64が開口部18を狭めるべくスライドされると、図9、図10(a)に示すように、プレート64のスライド初期において、プレート64の動作に連動して自動的に誘導板60aが起き上がり、気流誘導作用が生じる。
プレート64が所定位置、あるいは開口部18を閉じる位置に達する前に気流誘導作用が生じるため、プレート64の閉塞動作の遅れによる開口部18からの洗浄媒体の漏出を抑制することができる。
誘導板60aの起き上がりに伴って閉塞部材60cも伸びて誘導板60aの下流側を塞ぐため、洗浄媒体5が誘導板60aの下流側から回り込んで堆積し、誘導板60aの起伏構成に支障を与えることはない。
本実施形態では、閉塞部材60cを軟質の弾性部材で構成したが、予め折り畳み方向を付与された板状としてもよい。
また、付勢部材もバネに限定されず、スポンジやゴム等の他の弾性部材を用いてもよい。
図11乃至図15に基づいて第4の実施形態を説明する。
本実施形態では、内部空間26とインレット24との連通部を遮蔽しながら旋回気流の乱れを是正することを特徴とする。
図11に示すように、筐体4の上部筐体4Aは、外壁4A−1と内壁4A−2とからなる2重壁構造を有し、その内部には、遮蔽部材としての遮蔽板70が周方向にスライド自在に収納されている。
遮蔽板70は、内部空間26の外周面26bに沿う円弧状に形成されており、上部筐体4A内で出し入れすることにより省スペース化を図っている。内部空間26の外周面26bは上部筐体4Aの内周面でもある。
遮蔽板70は、内部空間26に対する第1の通気路としてのインレット24と開口部18との連通部26aを遮蔽可能な長さを有している。
連通部26aが完全に開放されている開放位置では、遮蔽板70はその先端部70aがインレット24内に突出しない状態に収納されている。
すなわち、遮蔽板70は洗浄動作時にインレット24から流入する気流を阻害せず、旋回気流に影響を及ぼさないように上部筐体4A内に収納されている。
上部筐体4Aにおけるインレット24の旋回気流30の旋回方向上流側には、第2の通気路72が形成されている。
遮蔽板70が開放位置にあるとき、第2の通気路72は遮蔽板70により気密状態に閉じられている。
すなわち、遮蔽板70が開放位置にあるとき、第2の通気路72から内部空間26に筐体外部から空気が流入することはなく、閉じた状態の第2の通気路72は、洗浄動作時、インレット24から流入する気流を阻害せず、旋回気流に影響を及ぼさない。
遮蔽板70が連通部26aを完全に遮蔽する位置を遮蔽位置という。
連通部26aを開閉する遮蔽板70のスライド動作(移動)は図示しない遮蔽板駆動機構によってなされる。
遮蔽板駆動機構は、例えば、ステッピングモータを駆動源とするラック・ギヤ構成を有する。
図12に基づいて、本実施形態に係る乾式クリーニング筐体の動作を説明する。
図12(a)は洗浄動作中を示している。この状態では、遮蔽板70は開放位置に設定されており、第2の通気路72は閉じられている。
図12(b)はリリース開始時の状態を示している。
不図示の上記リリース検知手段によりリリース状態が検知されると、遮蔽板70は上記遮蔽板駆動機構により、筐体内に完全に収納されていた位置(開放位置)から閉じ動作を開始する。
すなわち、遮蔽板70は時計回り方向へのスライド動作を開始する。図示しないが、遮蔽板70は連通部26aの全範囲に亘って筐体のガイド用溝で案内されるようになっている。
旋回気流30とインレット24からの気流とが合流する部位である連通部26aの上流側では、旋回気流30はインレット24からの高速気流により影響を受ける。
このため、この部位の洗浄媒体は開口部18に直線的に向かうような方向性を付与される。
しかしながら、円弧状の遮蔽板70により連通部26aの上流側が遮蔽されることにより、循環飛翔している洗浄媒体は旋回気流30に沿うように飛翔の方向性を是正される。
これにより、開口部18からの洗浄媒体の漏出が抑制される。
遮蔽板70は連通部26aを完全に遮蔽する遮蔽位置に達する前に、一旦停止させられる。
完全に閉じる前に一時停止することにより、筐体の内部に向かう気流74が発生する。
また、筐体が持ち上げられることにより被洗浄面と筐体間に隙間ができ、筐体外部から内部へ向かう気流76が発生する。
開口部18の近傍ではインレット24から流入する気流が高速で突き当たるため、乱流が生じて洗浄媒体の飛翔が不安定となり、旋回気流30に乗りにくくなって開口部18の近傍に滞留しやすい。
しかしながら、遮蔽板70が一時停止することにより、気流74と気流76とにより、インレット24と開口部18に残っている洗浄媒体を筐体内部に吸引することができ、開口部18から漏れやすい状態にある洗浄媒体を無くすことができる。
遮蔽板70は、一時停止状態では第2の通気路72を開放しない位置となるように設定されている。
これにより、筐体内部へ向かう気流74の流速が減衰することなく保たれる。
遮蔽板70の一時停止の位置は、洗浄媒体の種類や、旋回気流の流速等の条件に応じて適宜に設定される。
一時停止の位置を固定し、停止時間を調整するようにしても良い。
図12(c)は、リリース中の状態を示している。
遮蔽板70は前記一時停止の後、スライド動作を続けて遮蔽位置に達する。
遮蔽位置では、遮蔽板70は連通部26aを完全に遮蔽し、旋回気流が発生している内部空間26はインレット24と開口部18とから遮蔽される。
これにより、内部空間26の洗浄媒体が筐体外部に飛散するのが防止される。
遮蔽板70が遮蔽位置に達すると第2の通気路72が開放され、矢印78で示すように、第2の通気路72から外部空気が筐体内に流入する。
第2の通気路72は、外部から流入する空気が旋回気流30に沿って流れるように形成されている。
これにより、内部空間26には洗浄動作時と同様に旋回気流30が生じる。
旋回気流30が維持されることにより、旋回気流が消失して洗浄媒体が分離板14に吸着される場合に比べて、内部空間26における洗浄媒体の偏りを低減でき、洗浄動作を再開する時の洗浄ムラを抑制することができる。
第2の通気路72を設けない構成では、遮蔽板70により連通部26aを完全に遮蔽した場合、吸引装置12に負荷が掛かるが、本実施形態では吸引装置12への負荷を低減できる。
吸引装置12が停止し、第2の通気路72からの空気流入が無くなった状態で、例えば筐体を逆さまにした場合、第2の通気路72から洗浄媒体が漏れる可能性がある。
この懸念を解消するために、本実施形態では、図13に示すように、第2の通気路72の内部空間26側に複数の逆流防止部材80を設けている。
図13(a)は、遮蔽板70が筐体内に収納されており、第2の通気路72が塞がれている洗浄動作時の状態を示している。
このとき逆流防止部材80は内部空間26の外周面に沿うように倒れて第2の通気路72を閉塞しており、旋回気流30へ影響がない状態となっている。
吸引装置12による吸引が停止している状態でも同様に、逆流防止部材80は第2の通気路72を閉塞した状態となる。
図13(b)は、遮蔽板70が連通部26aを完全に遮蔽し、第2の通気路72が開放されている状態を示している。
第2の通気路72が開放されている状態では、逆流防止部材80は筐体外部からの空気の流入圧によって自動的に開き、内部空間への気流の流入が可能となる。
逆流防止部材80は、図14(a)、(b)に示すように、上部筐体4Aの内壁4A−2に回転自在に支持された軸部80aと、軸部80aに一端を固定された閉塞板80bとを有している。
さらに、逆流防止部材80は、閉塞板80bが第2の通気路72を閉塞する方向に軸部80aを回転させる付勢部材としての図示しないトーションバネを有している。
軸部80aを弾性材料で形成して軸部80a自体がトーションバネの機能を兼ねる構成としてもよい。
また、閉塞板80bの一端を内壁4A−2に固定して閉塞板80bの弾性変形のみで開閉するようにしてもよい。
第2の通気路72が開放されている状態で、吸引装置12が停止した場合には、図14(c)に示すように、各逆流防止部材80は弾性付勢力で第2の通気路72を閉塞する。
このため、第2の通気路72が開放された状態で筐体が逆さまにされても、筐体内の洗浄媒体5が第2の通気路72から筐体外へ出ることはない。
第2の通気路72が開放されている状態で、吸引装置12による吸引がなされると、図14(d)に示すように、各逆流防止部材80は第2の通気路72からの空気の流入圧で開放され、筐体内には旋回気流が生じる。
逆流防止部材としては上記のものに限定されない。例えば、図15に示すように、洗浄媒体5の通過を阻止する網目を有するメッシュ部材82で第2の通気路72を塞ぐようにしてもよい。
上記の逆流防止部材80を備えた構成とすることにより、遮蔽板70の出し入れのみでリリース時等における洗浄媒体の漏出防止、吸引停止後の筐体からの洗浄媒体の抜け落ち、第2の通気路72の開閉を行うことができる。
上記実施形態では、遮蔽板70を電動の遮蔽板駆動機構でスライドさせる構成としたが、手動でスライドさせる構成としてもよい。
この場合、レバー等の操作部材を移動させる部位に、遮蔽板70を一旦停止させる位置が分かる目印を設ければ操作が容易となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
2 乾式クリーニング装置
4 乾式クリーニング筐体
4A−1 外壁
4A−2 内壁
5 洗浄媒体
6 吸気手段
8 吸気口
18 開口部
20 洗浄対象物
24 通気路としてのインレット
26 内部空間
26a 連通部
26b 周面としての外周面
50、60 気流誘導手段
60a 誘導板
60b 付勢部材としてのバネ
60c 閉塞部材
64 シャッター部材としての遮蔽板
70 遮蔽部材としての遮蔽板
72 第2の通気路
特開2013−121576号公報

Claims (14)

  1. 洗浄媒体が収容される内部空間と、
    前記内部空間に連通し、洗浄対象物の被洗浄面に当接される開口部と、
    前記開口部とは別に設けられ、外部の空気を前記内部空間へ導入するための通気路と、
    前記内部空間に連通し、吸気手段に接続される吸気口と、
    を備え、
    前記内部空間は、前記開口部が前記被洗浄面に当接された状態で前記吸気手段により吸気したとき、前記通気路から流入した空気が旋回気流となる形状を有し、
    前記開口部は、前記旋回気流により飛翔する洗浄媒体が前記被洗浄面に繰り返し衝突するように配置され、
    前記旋回気流の旋回方向における前記開口部の上流側には、前記内部空間へ任意に突出可能で、突出した状態において前記旋回気流をその旋回中心側へ寄るように誘導する気流誘導手段が配置されている乾式クリーニング筐体。
  2. 請求項1に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記気流誘導手段は、筐体の内周面の一部を形成するように保持され、筐体の外側から押し込むことにより前記内部空間へ突出する乾式クリーニング筐体。
  3. 請求項1に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記気流誘導手段を、前記内部空間へ突出させる突出位置と、筐体の内周面の一部を形成する退避位置とに任意に設定可能な電動の駆動手段を有している乾式クリーニング筐体。
  4. 請求項3に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記駆動手段は、前記旋回気流の流速に応じて前記突出位置を変化させる乾式クリーニング筐体。
  5. 請求項1に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記開口部の開口面積を変更可能なシャッター部材を有し、前記気流誘導手段が前記シャッター部材に設けられ、前記シャッター部材の動作に連動して前記気流誘導手段が動作する乾式クリーニング筐体。
  6. 請求項5に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記気流誘導手段が、誘導板と、前記誘導板を前記旋回気流を誘導可能に突出させる付勢部材と、前記旋回気流の旋回方向における前記誘導板の下流側を塞ぐ閉塞部材と、を有している乾式クリーニング筐体。
  7. 洗浄媒体が収容される内部空間と、
    前記内部空間に連通し、洗浄対象物の被洗浄面に当接される開口部と、
    前記開口部とは別に設けられ、外部の空気を前記内部空間へ導入するための通気路と、
    前記内部空間に連通し、吸気手段に接続される吸気口と、
    を備え、
    前記内部空間は、前記開口部が前記被洗浄面に当接された状態で前記吸気手段により吸気したとき、前記通気路から流入した空気が旋回気流となる形状を有し、
    前記開口部は、前記旋回気流により飛翔する洗浄媒体が前記被洗浄面に繰り返し衝突するように配置され、
    前記旋回気流の旋回方向における前記開口部の上流側には、前記内部空間と前記通気路との連通部を遮蔽しながら移動し、前記開口部の上流側における前記旋回気流の乱れを是正する遮蔽部材が設けられている乾式クリーニング筐体。
  8. 請求項7に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記遮蔽部材が前記内部空間の周面に沿う形状を有している乾式クリーニング筐体。
  9. 請求項7又は8に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記遮蔽部材は、前記内部空間に対する前記通気路と前記開口部との連通部を遮蔽可能であり、
    前記連通部が開放されているときは前記遮蔽部材により閉じられ、前記連通部が前記遮蔽部材により遮蔽されたときに開放され、外部の空気を前記内部空間へ導入するための第2の通気路を備えている乾式クリーニング筐体。
  10. 請求項9に記載の乾式クリーニング筐体において、
    第2の通気路は、前記連通部が前記遮蔽部材により遮蔽されて開放されたとき、前記通気路と同様に前記内部空間に旋回気流を生じさせる乾式クリーニング筐体。
  11. 請求項7〜10のいずれか1つに記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記遮蔽部材は、筐体の外壁と内壁の間に収納されている乾式クリーニング筐体。
  12. 請求項7〜11のいずれか1つに記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記遮蔽部材は、前記連通部を完全に遮蔽する位置に達する前に一旦停止する乾式クリーニング筐体。
  13. 請求項12に記載の乾式クリーニング筐体において、
    前記遮蔽部材が一旦停止する位置では第2の通気路は開放されない乾式クリーニング筐体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つに記載の乾式クリーニング筐体と、前記吸気手段と、前記洗浄媒体と、を有する乾式クリーニング装置。
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