JP2015179998A - ディジタルフィルタ,タイミング信号生成回路および半導体集積回路 - Google Patents

ディジタルフィルタ,タイミング信号生成回路および半導体集積回路 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の周波数帯の電圧変動に基づくクロック周波数制御のデメリットを回避することができるディジタルフィルタ,タイミング信号生成回路および半導体集積回路の提供を図る。
【解決手段】入力された測定値Vfoの最小値を保持して保持値Vhdとして出力する最小値保持器51と、前記保持値Vhdを受け取って、前記保持値Vhdが所定のサイクルだけ最小を維持したときに制限値Vlmとして出力する制限値回路52,53と、上限を規定する上限値Vmx,前記測定値Vfoに基づく比較値(Vfo)および前記制限値Vlmを受け取って、前記比較値Vfoが前記制限値Vlmよりも小さいときは前記比較値Vfoを出力値Vhcとして出力し、前記比較値Vfoが前記制限値Vlmと等しいか大きいときは前記上限値Vmxを前記出力値Vhcとして出力する出力制御器54と、を有する。
【選択図】図9

Description

本明細書で言及する実施例は、ディジタルフィルタ,タイミング信号生成回路および半導体集積回路に関する。
近年、電子機器を始めとして様々な装置において、半導体集積回路が幅広く利用されているが、例えば、プロセッサなどの半導体集積回路が演算処理を実行するとき、半導体集積回路は電力を消費する。
この半導体集積回路が消費する電力は、一定ではなく、例えば、その時の演算内容に応じて変化する。また、例えば、低消費電力化のためのクロックゲーティング技術も、クロック遮断時とそうでない時とで消費電力を大きく変化させている。
ここで、半導体集積回路の消費電流は、消費電力と同じように変化し、これにより、di/dtノイズが発生して、半導体集積回路内の電源配線とグランド配線の電圧が変動する。ここで、半導体集積回路の半導体素子は、動作電圧が高いと速く動作し、低いと遅くなり、消費電流の変動に起因した電圧変動が生じると、半導体素子の速度も変動することになる。
例えば、プロセッサのような半導体集積回路は、クロック周波数で規定されるタイミング制約下で動作するため、電圧降下が生じると、タイミング制約違反を生じてエラーとなる虞がある。
そこで、クロック周波数を電圧変動に追随して変調をかけるクロック周波数制御が知られており、例えば、電圧変動に起因した遅延低下に追随して、クロック周波数を下げ、これにより、タイミング制約違反を回避するものが提案されている。
従来、例えば、電源電圧の変動を検知して、半導体素子の遅延変動を補償するようにした技術の提案がなされている。
特開2008−099163号公報 特開2005−102197号公報 米国特許第8222936号明細書
Charles R. Lefurgy et al., "Active Management of Timing Guardband to Save Energy in POWER7(登録商標)," MICRO 44, pp.1-11, December 3-7, 2011.
従来、クロック周波数制御の一例として、例えば、リングオシレータの発振周波数の変化を遅延変動に変換し、その修正量を元にPLL(Phase Locked Loop)のクロック周波数を変調する方式が提案されている。
しかしながら、この方式は、フィードフォワード制御となるが、リングオシレータの発振周波数の計測に時間がかかるため、応答できるのは、低周波の電圧変動に起因した遅延変動に限られてしまう。
また、クロック周波数制御の他の例として、例えば、クリティカルパスモニタによりセットアップスラック(セットアップ制約の余裕)を測定し、セットアップスラックが一定量となるようにPLLのクロック周波数を変調する方式も提案されている。
しかしながら、この方式は、フィードバックド制御となるため系の安定のためにフィルタを入れて制御のゲインを下げてトータルの応答を遅くしている。その結果、外乱要因に対する反応が遅く、そのため、応答できるのは、低周波の電圧変動に起因した遅延変動になってしまう。
ここで、半導体集積回路(半導体チップを覆うパッケージ)の共振周波数は、例えば、数十MHz〜数百MHzであるため、消費電流急増時の電圧変動は、帯域として数十MHz〜数百MHzの電圧変動となる。
そのため、上述したクロック周波数制御方式の例では、例えば、半導体集積回路のパッケージの共振周波数帯域の遅延変動に間に合わず、遅延変動を十分に補償することが難しい。
さらに、例えば、数十MHz〜数百MHzの帯域の電圧変動に対しては、クロック周波数制御を行っても、周波数変調が電圧変動に追随できず、無駄な周波数低下を起こすだけである。すなわち、特定の周波数帯の電圧変動に対しては、クロック周波数制御によるデメリットを回避するのが難しい。
一実施形態によれば、入力された測定値の最小値を保持して保持値として出力する最小値保持器と、制限値回路と、出力制御器と、を有するディジタルフィルタが提供される。前記制限値回路は、前記保持値を受け取って、前記保持値が所定のサイクルだけ最小を維持したときに制限値として出力する。
前記出力制御器は、上限を規定する上限値,前記測定値に基づく比較値および前記制限値を受け取る。そして、前記比較値が前記制限値よりも小さいときは前記比較値を出力値として出力し、前記比較値が前記制限値と等しいか大きいときは前記上限値を前記出力値として出力する。
開示のディジタルフィルタ,タイミング信号生成回路および半導体集積回路は、特定の周波数帯の電圧変動に基づくクロック周波数制御のデメリットを回避することができるという効果を奏する。
図1は、プロセッサの電源網のインピーダンス特性を示す図である。 図2は、図1に示すインピーダンス特性における第1ドゥループノイズを説明するための図である。 図3は、第1ドゥループノイズに対するクロック周波数制御を説明するための図(その1)である。 図4は、第1ドゥループノイズに対するクロック周波数制御を説明するための図(その2)である。 図5は、第1ドゥループノイズに対するクロック周波数制御を説明するための図(その3)である。 図6は、同時スイッチングノイズが重畳した場合のクロック周波数制御を説明するための図(その1)である。 図7は、同時スイッチングノイズが重畳した場合のクロック周波数制御を説明するための図(その2)である。 図8は、同時スイッチングノイズが重畳した場合のクロック周波数制御を説明するための図(その3)である。 図9は、ディジタルフィルタの第1実施例を示すブロック図である。 図10は、図9に示すディジタルフィルタにおける最小値保持器の一例を示すブロック図である。 図11は、図9に示すディジタルフィルタの動作の一例を説明するためのタイムチャートである。 図12は、図9に示すディジタルフィルタの動作の他の例を説明するためのタイムチャートである。 図13は、図9に示すディジタルフィルタの動作のさらなる他の例を説明するためのタイムチャートである。 図14は、図9に示すディジタルフィルタの動作のまたさらなる他の例を説明するためのタイムチャートである。 図15は、図9に示すディジタルフィルタの動作におけるシミュレーション結果を示す図である。 図16は、第1実施例のディジタルフィルタにより同時スイッチングノイズを除去した場合のクロック周波数制御を説明するための図(その1)である。 図17は、第1実施例のディジタルフィルタにより同時スイッチングノイズを除去した場合のクロック周波数制御を説明するための図(その2)である。 図18は、第1実施例のディジタルフィルタにより同時スイッチングノイズを除去した場合のクロック周波数制御を説明するための図(その3)である。 図19は、ディジタルフィルタの第2実施例を示すブロック図である。 図20は、図19に示すディジタルフィルタの動作の一例を説明するためのタイムチャートである。 図21は、図19に示すディジタルフィルタの動作におけるシミュレーション結果を示す図である。 図22は、ディジタルフィルタの第3実施例を示すブロック図である。 図23は、図22に示すディジタルフィルタの動作の一例を説明するためのタイムチャートである。 図24は、図22に示すディジタルフィルタの動作におけるシミュレーション結果を示す図である。 図25は、ディジタルフィルタの第4実施例を示すブロック図である。 図26は、ディジタルフィルタの第5実施例を示すブロック図である。 図27は、ディジタルフィルタの第6実施例を示すブロック図である。 図28は、ディジタルフィルタの第7実施例を示すブロック図である。 図29は、ディジタルフィルタの第8実施例を示すブロック図である。 図30は、第8実施例のディジタルフィルタにより同時スイッチングノイズを除去した場合のクロック周波数制御を説明するための図(その1)である。 図31は、第8実施例のディジタルフィルタにより同時スイッチングノイズを除去した場合のクロック周波数制御を説明するための図(その2)である。 図32は、第8実施例のディジタルフィルタにより同時スイッチングノイズを除去した場合のクロック周波数制御を説明するための図(その3)である。
まず、本実施例のディジタルフィルタ,タイミング信号生成回路および半導体集積回路を詳述する前に、図1〜図8を参照して、タイミング信号生成回路および半導体集積回路の例およびその問題点を説明する。
図1は、プロセッサの電源網のインピーダンス特性を示す図であり、図2は、図1に示すインピーダンス特性における第1ドゥループノイズを説明するための図である。図1において、横軸は周波数を示し、縦軸は相対的なインピーダンスの大きさを示す。
前述したように、半導体集積回路のパッケージ(例えば、プロセッサ等の半導体チップを覆うパッケージ)の共振周波数は、数十MHz〜数百MHzであり、そのため、図1に示されるように、消費電流急増時の電圧変動の帯域も、数十MHz〜数百MHzとなる。
すなわち、図1に示されるように、プロセッサの電源網のインピーダンス特性において、例えば、150MHz辺りに、相対的なインピーダンスが大きくなる第1ドゥループ領域(第1ドゥループノイズ)が存在するのが分かる。
ここで、第1ドゥループ領域は、例えば、シリコンチップにおける電源の配線パターン、或いは、シリコンチップの端子とパッケージの外部端子を接続する配線等に起因するもので、これがパッケージの共振周波数を規定する。
なお、プロセッサの電源網のインピーダンス特性では、例えば、半導体集積回路を基板に搭載することに起因した1MHz〜十数MHz程度の周波数帯(第2ドゥループ領域)のノイズ(第2ドゥループノイズ)等も存在する。
図2に示されるように、プロセッサの演算処理に基づいて、例えば、負荷電流が50nsec〜200nsecの期間で増大すると、その負荷電流が変化する50nsecと200nsecの位置(タイミング)で、上述した第1ドゥループ領域の周波数帯による振動が観測される。
すなわち、プロセッサの負荷電流(消費電流)は、消費電力と同じように変化し、これにより、例えば、50nsecと200nsecのタイミングでdi/dtノイズが発生して、半導体集積回路内の電源配線とグランド配線の電圧が変動する。
具体的に、負荷電流が増加する50nsecのタイミングでは、電源電圧の降下およびグランド電圧バウンス(グランド電圧の上昇)が生じ、また、消費電流が減少する200nsecのタイミングでは、電源電圧バウンスおよびグランド電圧降下が生じるのが分かる。なお、これらの電圧および電流の変動は、時間の経過に従って、電源電圧の電位(例えば、0.95V)およびグランド電圧の電位(例えば、0V)に収束することになる。
ところで、半導体集積回路の半導体素子は、電源とグランドの電位差を動作電圧として動作する。半導体素子は、動作電圧が高いと速く動作し、低いと遅くなる。従って、消費電流の変動に起因した電圧変動が生じると、半導体素子の速度も変動することになる(以下、この半導体素子の速度変動を遅延変動とも称する)。
例えば、プロセッサのような半導体集積回路は、クロック周波数で規定されるタイミング制約下で動作するため電圧降下が生じ、タイミング制約違反(Setup Violation)が生じてエラーとなる虞がある。
この問題を解決するものとしては、例えば、クロック周波数を電圧変動に追随して変調をかけるクロック周波数制御(Adaptive Frequency/Supply Tracking:クロック周波数適応制御)が知られている。このクロック周波数制御は、例えば、電圧変動に起因した遅延低下に追随して、クロック周波数を下げ、これにより、タイミング制約違反を回避するものである。
なお、クロック周波数制御の一例として、例えば、リングオシレータの発振周波数の変化を遅延変動に変換し、その修正量を元にPLLのクロック周波数を変調する方式が提案されている。
図3〜図5は、第1ドゥループノイズに対するクロック周波数制御を説明するための図であり、図2を参照して説明した電源ノイズ(第1ドゥループノイズ)に対して、クロック周波数制御を適用したときのタイミングへの効果を示すものである。
ここで、制御遅延をTd、電圧変動(電源ノイズ:第1ドゥループノイズ)の周波数をFns、そして、電源ノイズの周期をTnsとすると、Td≦Tns/8とならないと周波数変調が間に合わない。従って、図2の電源ノイズの周波数Fnsは、Fns=1/Tns≦1/(8Td)となっており、このとき、クロック周波数制御の効果が発揮される。
図3は、半導体集積回路の一例を示すものであり、半導体集積回路は、タイミング信号生成回路1,クロックツリー3およびデータパス4を含む半導体チップ100を有する。タイミング信号生成回路1は、タイミング信号(クロックCLK)を生成するもので、電圧変動観測器11およびPLL(Phase Locked Loop)2を含む。
PLL2は、ループフィルタ21,ゲイン正規化部22,ディジタル制御発振器(DCO:Digital Controlled Oscillator)23,分周器24,減算器25,および,加算器26を含む。
減算器25は、外部からの基準信号REFの位相から分周器24の出力の位相を減算してループフィルタ21へ出力する。ループフィルタ21は、短周期の信号変動が増幅されることで生じる発振を避けるために、入力された減算器25の出力から不要な短周期の変動を遮断してゲイン正規化部22へ出力する。
ゲイン正規化部22は、ループフィルタ21の出力を受け取って正規化(Fref/Kdco)して加算器26へ出力し、加算器26は、ゲイン正規化部22の出力と電圧変動観測器11の出力を加算してDCO23へ出力する。ここで、Frefは、基準信号REFの周波数を示し、Kdcoは、DCO23のゲインを示す。
DCO23は、加算器26の出力に基づいた周波数を有する発振信号を、タイミング信号生成回路1の出力(クロック)CLKとしてクロックツリー3へ出力すると共に、分周器24へフィードバックする。
クロックツリー3は、ツリー状に配置された複数のバッファを介して、半導体集積回路の各回路へクロックCLKを供給し、例えば、データパス4におけるフリップフロップのクロック端子に対するクロックとして供給する。なお、図3に示すPLL2,クロックツリー3およびデータパス4は、単なる例であり、様々に変形および変更することができるのはいうまでもない。
図4(a)は、電圧変動観測器11の入力電圧(Vns)を示し、図4(b)は、電圧変動観測器11の出力コード(測定値Vfo)を示す。なお、図4(a)において、横軸は時間[nsec]を示し、縦軸は電圧[V]を示す。また、図4(b)において、横軸は時間[nsec]を示し、縦軸は出力コードを示す。
図5(a)および図5(b)は、第1ドゥループノイズに対するクロック周波数制御を説明するためのものであり、図5(a)は、クロック周波数制御を行わない場合を示し、図5(b)は、クロック周波数制御を行った場合を示す。なお、図5(a)および図5(b)において、横軸は時間[nsec]を示し、縦軸はセットアップスラック(セットアップ制約の余裕:Setup slack)[psec]を示す。
図3に示すタイミング信号生成回路1において、図2の電源ノイズに対するクロック周波数制御を行うには、例えば、電圧変動観測器11の入力端にローパスフィルタを設けるか、或いは、出力端に移動平均フィルタやFIRフィルタなどを設ける。これにより、高周波成分を除去することはできる。
すなわち、図5(a)に示されるように、第1ドゥループノイズに対して、クロック周波数制御を行わない場合、電圧降下が生じ、タイミング制約違反が生じてエラーとなる虞がある。
これに対して、図5(b)に示されるように、第1ドゥループノイズに対して、クロック周波数制御を行った場合、セットアップスラックを改善してタイミング制約違反の発生を回避することができる。
しかしながら、電圧変動観測器11の入力端や出力端にフィルタを設けると、電圧変動の観測に大きな遅延が付いて制御遅延が大きくなる。また、例えば、ディジタルフィルタは同期回路により処理するため、クロックレイテンシーが付加され、これもまた、制御遅延を大きくする。
前述したように、制御遅延(Td)が大きくなると、追随できる電圧変動の周波数が低い側に下がり、半導体集積回路に固有の電圧変動(パッケージの共振周波数に起因した数十MHz〜数百MHz:例えば、150MHz)に対して、周波数制御が追随不能となる。
図6〜図8は、同時スイッチングノイズが重畳した場合のクロック周波数制御を説明するための図であり、後述する本実施例のディジタルフィルタを使わないときのクロック周波数制御の効果を示すものである。
ここで、図6は、前述した図3と同様の構成を有する半導体集積回路(半導体チップ100)を示す。また、図7(a)および図7(b)は、前述した図4(a)および図4(b)に対応し、図8(a)および図8(b)は、前述した図5(a)および図5(b)に対応する。
図7(a)および図7(b)と、図4(a)および図4(b)の比較、並びに、図8(a)および図8(b)と、図5(a)および図5(b)の比較から明らかなように、同時スイッチングノイズが重畳した場合も、クロック周波数制御による効果が発揮されることが分かる。
すなわち、図8(a)と図5(a)の比較から明らかなように、同時スイッチングノイズが重畳した場合、第1ドゥループノイズに対してクロック周波数制御を行わないと、電圧降下が生じタイミング制約違反が生じてエラーとなる虞がある。
これに対して、図8(b)と図5(b)の比較から明らかなように、同時スイッチングノイズが重畳した場合、第1ドゥループノイズに対してクロック周波数制御を行うことで、セットアップスラックを改善してタイミング制約違反の発生を回避することができる。
しかしながら、上述したクロック周波数制御方式は、フィードフォワード制御となるが、リングオシレータの発振周波数の計測に時間がかかるため、応答できるのは、低周波の電圧変動に起因した遅延変動に限られてしまう。
また、クロック周波数制御の他の例として、例えば、クリティカルパスモニタによりセットアップスラック(セットアップ制約の余裕:Setup slack)を測定し、セットアップスラックが一定量となるようにPLLのクロック周波数を変調する方式も提案されている。
しかしながら、この方式は、フィードバックド制御となるため、外乱要因に対する反応が遅く、そのため、応答できるのは、低周波の電圧変動に起因した遅延変動になってしまう。
前述したように、半導体集積回路のパッケージの共振周波数は、例えば、数十MHz〜数百MHzであるため、消費電流急増時の電圧変動は、帯域として数十MHz〜数百MHzの電圧変動となる。
そのため、上述したクロック周波数制御方式の例では、半導体集積回路のパッケージの共振周波数帯域の遅延変動に間に合わず、遅延変動を十分に補償することが難しくなっている。
さらに、たとえ遅延変動の外乱要因である電圧変動を検知してPLLに発振周波数変調をかけるまでのフィードフォワード制御を高速で実施できる回路を用意したとしても、制御遅延がゼロになることは無い。
前述したように、制御遅延をTd、電圧変動(第1ドゥループノイズ)の周波数をFns、そして、電圧変動の周期をTnsとすると、Td≦Tns/8とならなければ、周波数変調が間に合わない。すなわち、Fns=1/Tns≦1/(8Td)となる帯域の電圧変動に対しては、クロック周波数制御の効果が出る。
しかしながら、1/(8Td)以上の帯域の電圧変動に対しては、クロック周波数制御をかけても、周波数変調が電圧変動に追随できず、無駄な周波数低下を起こすだけである。従って、このような帯域の電圧変動(Fns≧1/(8Td))に対しては、クロック周波数制御をかけない方が好ましい。
以下、ディジタルフィルタ,タイミング信号生成回路および半導体集積回路の各実施例を詳述するが、その前に、本実施例に至る新たな知見について説明する。
まず、半導体集積回路の電源配線およびグランド配線で起こる電圧変動としては、例えば、クロック同期で半導体集積回路が動作したときに、各クロックエッジで電圧変動が起こる(同時スイッチングノイズ)が考えられる。なお、同時スイッチングノイズによる電圧変動の周波数は、クロック周波数と同じである。
さらに、半導体集積回路の電源配線およびグランド配線で起こる電圧変動としては、例えば、半導体集積回路の消費電流量が急激に増加したときに起こる電圧の急降下(第1ドゥループノイズ)が考えられる。この第1ドゥループノイズによる電圧変動は、例えば、パッケージの共振周波数で振動しながら定常状態に落ち着く(固定電位に収束する)。
ここで、両者の電圧変動の振幅を比較すると、後者の第1ドゥループノイズによる電圧変動の振幅は、前者の同時スイッチングノイズによる電圧変動の振幅に比べて4倍以上ある。
また、例えば、近年のプロセッサは1GHz以上のクロック周波数で動作しており、パッケージの共振周波数は数十MHz〜数百MHz(例えば、50MHz〜150MHz)である。さらに、クロック周波数制御の制御遅延は、現実的には、1000[psec]程度であることを考えると、クロック周波数制御が追随できるのは、百数十MHz(例えば、125MHz)程度までとなる。
そこで、例えば、電圧変動振幅が小さくてクロック周波数制御の追随が難しい同時スイッチングノイズではなく、電圧変動振幅が大きい第1ドゥループノイズに対してのみクロック周波数制御をかけてやれば、十分な効果を見込むことができる。
また、電圧変動起因のタイミング制約違反は、例えば、電圧が降下して半導体素子の動作速度が低下する場合に問題となるため、例えば、電圧降下する場合に絞ったクロック周波数制御を行うことでも十分な効果を見込むことができる。
以上を整理すると、次の(A)〜(C)の前提を利用した高周波成分除去フィルタを電圧変動観測回路の出力端に設けてやればよいことになる。
(A)除去する同時スイッチングノイズは、除去しない第1ドゥループノイズよりも振幅が1/4以下である。
(B)除去する同時スイッチングノイズは、除去しない第1ドゥループノイズよりも周波数が10倍以上ある。
(C)電圧バウンスより電圧降下を捉えることを優先する。
ここで、フィルタは、一般的なz関数のディジタルフィルタとするとクロックレイテンシーが付くので、上記(A)〜(C)の前提を利用したルールベースのフィルタを組み合わせたディジタルフィルタを適用するのが好ましい。
すなわち、後に、詳述するように、電圧降下を捉えるのにクロックレイテンシーが入らないように、ルールベース判定を行う。そして、制限値Vlmと上限値Vmxを設定し、測定値Vfoが制限値Vlmより小さければ、測定値Vfoを出力し、等しいか大きければ上限値Vmxを出力する(if Vfo<Vlm thenVfo,else Vmx)。
制限値Vlmは、同時スイッチングノイズのノイズ振幅を設定する。上限値Vmxは、出力値Vhcの上限を決めるもので、上限値Vmxを超える値は出力しない。同時スイッチングノイズのノイズ振幅が制限値Vlm以内に収まっているときは、これで所望の動作となる。
ただし、同時スイッチングノイズのノイズ振幅がどの程度になるのかは、各々の半導体集積回路に依存するため、動作ベースで制限値Vlmを自動設定するのが好ましい。
次に、本実施例のディジタルフィルタ,タイミング信号生成回路および半導体集積回路を、添付図面を参照して詳述する。
図9は、ディジタルフィルタの第1実施例を示すブロック図であり、図10は、図9に示すディジタルフィルタにおける最小値保持器の一例を示すブロック図である。図9に示されるように、第1実施例のディジタルフィルタ5は、最小値保持器51、降下検出器52、レジスタ53、および、出力制御器54を含む。
最小値保持器51は、電圧変動観測器11の出力コード(測定値)Vfoを受け取って、Mサイクル(例えば、16サイクル(16サンプリングポイント))間の測定値Vfoの最小値を保持し、保持値Vhdとして出力する。なお、電圧変動観測器11は、入力電圧Vnsを受け取って電圧変動を測定し、測定値Vfoを最小値保持器51および出力制御器54に出力する。
図10に示されるように、最小値保持器51は、M−1個の遅延素子511および最小値保持器512を含み、電圧変動観測器11からの測定値Vfoおよび各遅延素子511でサンプリングの1周期だけ遅延した、M個のデータを最小値保持器512に出力する。最小値保持器512は、M個(例えば、16個)のサンプリングデータを受け取り、その最小値を保持値(Vhd)として出力する。
ここで、最小値保持器51において、測定値VfoからM個のサンプリングデータを取り込むためのクロックの周波数(サンプリング周波数)Fckは、例えば、5GHzに設定される。そして、電圧変動の周波数Fnsがサンプリング周波数FckのM分の1よりも高ければ(Fns≧Fck/M)、Mサイクル間の最小値は全区間で一定であり、それが保持値Vhdとなる。
降下検出器52は、最小値保持器51で保持された最小値(保持値Vhd)を受け取って、所定のNサイクル(例えば、24サイクル)だけ、保持値Vhdが最小を維持したときにレジスタ53に対してイネーブル信号ENを出力する。
レジスタ53は、最小値保持器51からの保持値Vhdを受け取って格納し、降下検出器52からのイネーブル信号ENに基づいて、Nサイクルだけ、最小を維持した保持値Vhdを制限値Vlmとして出力制御器54に出力する。ここで、降下検出器52およびレジスタ53は、保持値Vhdを受け取って、Nサイクルだけ最小を維持したときに制限値Vlmとして出力する制限値回路を形成する。
すなわち、第1実施例のディジタルフィルタにより除去される周波数成分は、Fck/M以上の周波数域となり、Fck/M以下の周波数成分は除去されないことになる。すなわち、Fns≧Fck/Mのとき、Mサイクル間の最小値は全区間で一定であるため、保持値Vhd(最小値)がそのまま制限値Vlmとなる。そして、この周波数成分(Fns≧Fck/M)の電圧変動振幅が制限値Vlmとして自動設定され、出力制御器54に入力される。
出力制御器54は、上限を規定する上限値Vmx,並びに,測定値Vfoおよび制限値Vlmを受け取って、測定値Vfoが制限値Vlmよりも小さいとき、すなわち、Vfo<Vlmのとき、測定値Vfoを出力値VhcとしてDCO23に出力する。また、測定値Vfoが制限値Vlmと等しいか大きいとき、すなわち、Vfo≧Vlmのとき、上限値Vmxを出力値VhcとしてDCO23に出力する。
なお、Fns<Fck/Mとなる場合、Fck/M以下の周波数成分に対して、制限値Vlmは『0』に設定される。そして、測定値Vfoの最小値(保持値Vhd)を見て、値が減少していることを検出すれば、制限値Vlmは現在の値を保持する。また、保持値VhdがNサイクルの間一定または増加している場合には、制限値Vlmを現在の保持値Vhdで更新することになる。
図11は、図9に示すディジタルフィルタの動作の一例を説明するためのタイムチャートである。図11に示されるように、電圧変動の周波数Fnsが、Fns≧Fck/Mのとき、測定値Vfoが周期Tnsで繰り返される周期性の場合、サンプリングクロックの周期をTckとすると、M・Tck>Tnsなら全区間で保持値Vhdは一定値(測定値Vfoの最小値)となる。
ここで、Mは、最小値保持器51によるサンプリング数であり、例えば、16に設定される。また、Fckは、サンプリングクロックの周波数であり、例えば、5GHzに設定される。なお、これらの値は、単なる例であり、様々な値に設定することができるのは言うまでもない。
そして、降下検出器52からのイネーブル信号ENにより制御されるレジスタ53は、保持値Vhd(測定値Vfoの最小値)を制限値Vlmとして出力制御器54に出力する。出力制御器54は、全区間で測定値Vfo≧制限値Vlmとなるので、上限値Vmxを出力値VhcとしてDCO23に出力する。これにより、Fck/M以上の周波数帯の電源変動(電圧変動:ノイズ:Fns≧Fck/M)はカットされ、クロック周波数制御は行われないことになる。
図12は、図9に示すディジタルフィルタの動作の他の例を説明するためのタイムチャートである。図12に示されるように、電圧変動の周波数Fnsが、Fck/N≦Fns<Fck/Mのとき、保持値Vhdは、Nサイクル(N・Tck)の間、常に値が減少する期間を持つので、制限値Vlmは更新されない。すなわち、全区間で測定値Vfoに降下が発生していると判定され、制限値Vlmは『0』のままとなる。
なお、Nは、降下検出器52により行われる、最小値保持器51からの保持値Vhdが最小を維持したかどうかを判定する所定のサイクル数であり、例えば、24に設定される。なお、このNの値も、前述したMの値と同様に、様々な値に設定することができる。ただし、各実施例では、M<Nとして説明している。
ここで、出力制御器54が出力する出力値Vhcには、クロックレイテンシーが付くことはない。これにより、Fck/N以上でFck/Mより低い周波数帯の電源変動(Fck/N≦Fns<Fck/M)に対しては、測定値Vfoがそのまま出力値VhcとしてDCO23に入力され、適切なクロック周波数制御が行われることになる。すなわち、特定の周波数帯の電圧変動に基づくクロック周波数制御のデメリットを回避することが可能になる。
図13は、図9に示すディジタルフィルタの動作のさらなる他の例を説明するためのタイムチャートである。図13に示されるように、電圧変動の周波数Fnsが、Fck/4N<Fns<Fck/Nのとき、保持値Vhdは、Nサイクル(N・Tck)の間、値が減少しない期間を持つので、制限値Vlmは更新される。
しかしながら、測定値Vfoが『0』を下回る期間(例えば、図13のVfoにおけるM・Tckで示す期間)において、測定値Vfo≧制限値Vlmとはならない。従って、電圧変動の周波数Fnsは、図13に示すFck/4N<Fns<Fck/Nとなる周波数帯の場合と、図12を参照して説明したFck/N≦Fns<Fck/Mの周波数帯の場合とで、出力値Vhcは同じとなる。
ここで、出力制御器54が出力する出力値Vhcには、クロックレイテンシーが付くことはない。これにより、Fck/4Nより高くFck/Nより低い周波数帯の電源変動(Fck/4N<Fns<Fck/N)に対しては、測定値Vfoがそのまま出力値VhcとしてDCO23に入力され、適切なクロック周波数制御が行われることになる。
図14は、図9に示すディジタルフィルタの動作のまたさらなる他の例を説明するためのタイムチャートである。図14に示されるように、電圧変動の周波数Fnsが、Fns≦Fck/4Nのとき、測定値Vfoが『0』を下回る期間において、測定値Vfo≧制限値Vlmとなり、出力値Vhcには上限値Vmxが出力される。
すなわち、Fck/4N以下の周波数帯の電源変動(Fns≦Fck/4N)に対しては、所望の出力が得られないことになる。なお、Fck/4N以下の周波数帯の電源変動(電圧変動)に対しては、後述する第2〜第8実施例のディジタルフィルタにより対応することができる。
このように、第1実施例のディジタルフィルタによれば、Fck/M以上の周波数成分は除去されるが、Fck/4N以下の周波数成分は所望の出力が得られないので、使用する周波数帯は、例えば、Fck/4N<Fns<Fck/Mとなる(ただし、N>M)。
図15は、図9に示すディジタルフィルタの動作におけるシミュレーション結果を示す図であり、Fns≧Fck/Mの周波数成分の小さい振幅の電圧変動と、Fck/4N<Fns<Fck/Mの周波数成分の大きい振幅の第1ドゥループノイズを電源に与えた場合を示す。
図15に示されるように、第1実施例のディジタルフィルタによれば、Fns≧Fck/Mの周波数成分の小さい振幅の電圧変動を除去し、Fck/4N<Fns<Fck/Mの周波数成分の大きい振幅の電圧変動だけを出力することができる。
これにより、パッケージの共振周波数が、例えば、数十MHz〜数百MHzである半導体集積回路に対しても、クロック周波数制御を有効に行うことができる。すなわち、第1実施例のディジタルフィルタによれば、適切なクロック周波数制御を行うことが可能となる。換言すると、例えば、数十MHz〜数百MHzのパッケージの共振周波数を有する半導体集積回路に対しても、クロック周波数制御のデメリットを回避することができる。なお、この効果は、以下に説明する各実施例でも同様に発揮される。
図16〜図18は、第1実施例のディジタルフィルタにより同時スイッチングノイズを除去した場合のクロック周波数制御を説明するための図であり、上述した図11〜図15による効果を概略的に説明するためのものである。すなわち、図16〜図18は、図6〜図8を参照して説明したクロック周波数制御から高周波成分を除去したものに相当する。
図17(a)は、電圧変動観測器11の入力電圧Vnsを示し、図17(b)は、電圧変動観測器11の出力コード(測定値Vfo)およびディジタルフィルタ5の出力(出力値)Vhcを示す。
ここで、図17(a)において、横軸は時間[nsec]を示し、縦軸は電圧[V]を示す。また、図17(b)において、横軸は時間[nsec]を示し、縦軸は出力コードを示す。なお、図17(a)は、前述した図7(a)と同様のものであり、また、図17(b)の測定値Vfoは、図7(b)と同様のものである。
図18(a)は、ディジタルフィルタ5を設けないときのクロック周波数制御を行った場合を示し、前述した図7(b)と同様のものであり、また、図18(b)は、ディジタルフィルタ5を設けたときのクロック周波数制御を行った場合を示す。
図16と前述した図6の比較から明らかなように、本実施例のタイミング信号生成回路1、或いは、タイミング信号生成回路1を含む半導体集積回路(半導体チップ100)において、電圧変動観測器11と加算器26の間にディジタルフィルタ5が設けられている。
なお、図16におけるディジタルフィルタ5としては、図9〜図15を参照して説明した第1実施例のディジタルフィルタを適用することができるが、後述する第2〜第8実施例のディジタルフィルタもそのまま適用することが可能である。
図17(b)に示されるように、図17(a)に示す入力電圧Vnsに対して、電圧変動観測器11の後段にディジタルフィルタ5を設けることにより、測定値Vfoは、出力値Vhcに変換されて加算器26に入力される。
すなわち、図18(a)と図18(b)の左側部分の比較から明らかなように、第1ドゥループノイズに対しては、クロック周波数制御を行うことによりセットアップスラックを改善してタイミング制約違反の発生を回避することができる。
さらに、図18(a)と図18(b)の右側部分の比較(図18(b)における矢印個所)から明らかなように、所定の周波数(例えば、Fck/M以上の周波数)以上の帯域の電圧変動に対しては、不要なクロック周波数制御を行わないようになっている。すなわち、図18(b)における矢印個所は、前述した図8(a)のクロック周波数制御を行わないときと同様の特性となっている。
図19は、ディジタルフィルタの第2実施例を示すブロック図である。図19と、前述した図9の比較から明らかなように、第2実施例のディジタルフィルタ5は、図9に示す第1実施例のディジタルフィルタに対して、移動平均フィルタ55を追加したものに相当する。
すなわち、第2実施例のディジタルフィルタ5は、移動平均フィルタ55により上限値Vmxを生成することにより、Fns≦Fck/4Nとなる周波数帯に対しても、所望の出力が得られるように改良したものである。
具体的に、電圧変動の周波数Fnsが、Fck/4Nとなる周波数帯としては、例えば、前述した図1における第2ドゥループノイズ(例えば、1MHz〜十数MHz程度の周波数)があるが、このような周波数帯の電圧変動に対しても対応するようにしたものである。
すなわち、第1実施例では、上限値Vmxを固定値『0』として、出力制御器54に入力していたのに対して、第2実施例では、移動平均フィルタ55により、例えば、測定値VfoのLサイクルの移動平均を上限値Vmxとして、出力制御器54に入力する。
ここで、移動平均フィルタ55は、ローパスフィルタとして機能するため、Fck/L以上の周波数成分は減衰し、Fck/L以下の周波数成分は通過するため、Fns≦Fck/4Nとなる周波数帯も出力値Vhcとして出力されることになる。
図20は、図19に示すディジタルフィルタの動作の一例を説明するためのタイムチャートである。図20と、前述した図14の比較から明らかなように、第2実施例によれば、Fns≦Fck/4Nで上限値Vmxが出力される範囲において、上限値Vmxとして『0』ではなく、測定値VfoのLサイクルの移動平均値が使用されるため、出力値Vhcは測定値Vfoとなる。
図21は、図19に示すディジタルフィルタの動作におけるシミュレーション結果を示す図である。具体的に、Fns≦Fck/4Nの周波数成分の小さい振幅の電圧変動(例えば、第2ドゥループノイズ)と、Fck/4N<Fns<Fck/Mの周波数成分の大きい振幅の第1ドゥループノイズを電源に与えている。
図21に示されるように、第2実施例のディジタルフィルタによれば、Fns≧Fck/Mの周波数成分の小さい振幅の電圧変動を除去し、Fck/4N<Fns<Fck/MおよびFns≦Fck/4Nの周波数成分の大きい振幅の電圧変動を出力することができる。これにより、適切なクロック周波数制御を、Fns≦Fck/4Nとなる周波数帯の電圧変動に対しても行うことが可能となる。
図22は、ディジタルフィルタの第3実施例を示すブロック図である。図22と、前述した図9の比較から明らかなように、第3実施例のディジタルフィルタ5は、図9に示す第1実施例のディジタルフィルタに対して、さらに、最小測定値保持器56を追加したものに相当する。
すなわち、第3実施例では、Mサイクル(例えば、16サイクル)間の測定値Vfoの最小値を保持して保持値Vhdとして出力する最小値保持器51に加えて、最小測定値保持器56が設けられている。
最小測定値保持器56は、実質的に、最小値保持器51と同様のものであるが、最小値保持器51のMサンプリングポイントに対して、Kサンプリングポイント(Kサイクル)間の測定値Vfoの最小値を保持し、最小測定値Vhd'として出力する。
ここで、最小測定値保持器56のKサンプリングポイントのKの値は、例えば、M≦K≦4Mに設定される。例えば、Mが16に設定される場合、Kは、16≦K≦64に設定するのが好ましい。
すなわち、出力制御器54'は、上述した出力制御器54とは異なり、測定値Vfoではなく最小測定値Vhd'と制限値Vlmの比較を行う。このVhd'とVlmの比較を行う出力制御器54'は、後述する図25の第4実施例,図28の第7実施例および図29の第8実施例にも適用される。
ただし、出力制御器54および54'は、測定値Vfoおよび最小測定値Vhd'を、両方とも測定値Vfoに基づく比較値(Vfo,Vhd')と考えれば、同様の処理を行うものとみなすこともできる。
そして、出力制御器54'は、最小測定値Vhd'が制限値Vlmよりも小さいとき、すなわち、Vhd'<Vlmのとき、測定値Vfoを出力値VhcとしてDCO23に出力する。また、最小測定値Vhd'が制限値Vlmと等しいか大きいとき、すなわち、Vhd'≧Vlmのとき、上限値Vmxを出力値VhcとしてDCO23に出力する。
図23は、図22に示すディジタルフィルタの動作の一例を説明するためのタイムチャートである。図23と、前述した図12の比較から明らかなように、第3実施例によれば、Fck/N≦Fns<Fck/Mにおいて、出力値Vhcは、最小値測定値Vhd'で包絡線を描いたような出力となる。すなわち、出力値Vhcは、測定値Vfoに対し、最小値測定値Vhd'をk・Tck引き延ばした包絡線を描くような波形とすることができる。
ここで、第3実施例のディジタルフィルタ5は、単純にフィルタとしてみた場合、出力値Vhcを、包絡線を描いた形状に加工するメリットは無い。しかしながら、この出力値Vhcはクロック周波数制御に使われるため、例えば、Fck/Mと1/(8Td)が近づいてきたとき、クロック周波数制御を行う場合には、包絡線を取った方が、周波数制御の効果が良くなる。
図24は、図22に示すディジタルフィルタの動作におけるシミュレーション結果を示す図である。なお、電圧変動は、前述した図15と同様に、Fns≧Fck/Mの周波数成分の小さい振幅の電圧変動と、Fck/4N<Fns<Fck/Mの周波数成分の大きい振幅の第1ドゥループノイズを電源に与えている。
図24に示されるように、第3実施例のディジタルフィルタによれば、測定値Vfoの最小値の包絡線を描くような出力値Vhcを生成することにより、Fck/Mと1/(8Td)が近づいてきたときのクロック周波数制御を好適に行うことが可能になる。なお、図24のシミュレーション結果において、出力コードの値『8』が、前述した図11〜図14,図20および図23における出力コードの値の値『0』に相当する。
図25は、ディジタルフィルタの第4実施例を示すブロック図である。この第4実施例のディジタルフィルタ5は、上述した第2実施例と第3実施例を組み合わせたものに相当する。
すなわち、第4実施例のディジタルフィルタ5は、図9に示す第1実施例のディジタルフィルタに対して、移動平均フィルタ55および最小測定値保持器56が追加されている。
なお、出力制御器54'は、第2実施例と同様に、最小値測定値Vhd'と制限値Vlmの比較を行い、Vhd'<Vlmのとき、測定値Vfoを出力値VhcとしてDCO23に出力し、Vhd'≧Vlmのとき、上限値Vmxを出力値VhcとしてDCO23に出力する。ここで、第4実施例のディジタルフィルタによれば、前述した第2実施例および第3実施例の効果が両方とも発揮されることになる。
図26は、ディジタルフィルタの第5実施例を示すブロック図である。図26と、前述した図9の比較から明らかなように、第5実施例のディジタルフィルタ5は、第1実施例のディジタルフィルタに対して、J個の遅延素子57-1〜57-J,および,『1』だけ加算する加算器(『1』加算器)58を追加したものに相当する。
この第5実施例のディジタルフィルタ5は、上限値Vmxが、Jサイクル前の出力値Vhcに『1』を加算した値となるようにしたものである。すなわち、測定値Vfoと制限値Vlmの関係が、Vfo<Vlmとなっていた状態から、Vfo≧Vlmへと変わるとき、出力値Vhcは、測定値Vfoから上限値Vmxに1サイクルで切り替わってしまう。
これは、出力値Vfoと上限値Vmxの差が大きい場合でも、1サイクルで一気に値が大きく変化する。そこで、出力値Vhcの変化を緩やかにするために、遅延素子57-1〜57-JによるJサイクル前の出力値に対して、『1』加算器58による『1』だけ大きい値しか変化しないように、出力値Vhcの増分を制限している。この第5実施例の構成自体は、ディジタルフィルタの特性に寄与しないが、クロック周波数制御を行う場合、その効果を大きくすることが可能になる。
図27は、ディジタルフィルタの第6実施例を示すブロック図であり、図19を参照して説明した第2実施例、並びに、図26を参照して説明した第5実施例を組み合わせたものに相当する。
すなわち、図27に示されるように、第6実施例のディジタルフィルタにおいて、図19の移動平均フィルタ(第1上限値生成器)55の出力を第1上限値Vmx1とし、図26の『1』加算器58の出力を第2上限値Vmx2として最小値選択保持器59に入力する。ここで、遅延素子57-1〜57-Jおよび『1』加算器58は、第2上限値生成器を形成することになる。
そして、第1上限値Vmx1および第2上限値Vmx2のうち、最小値選択保持器59により小さい方を上限値Vmxとして選択し、出力制御器54に出力する。なお、第6実施例のディジタルフィルタにより、前述した第2実施例の効果に加えて、第5実施例と同様に、クロック周波数制御による効果を大きくすることが可能になる。
図28は、ディジタルフィルタの第7実施例を示すブロック図であり、図22を参照して説明した第3実施例、並びに、図26を参照して説明した第5実施例を組み合わせたものに相当する。
この第7実施例のディジタルフィルタによれば、前述した第3実施例の効果に加えて、第5実施例と同様に、クロック周波数制御による効果を大きくすることが可能になる。
図29は、ディジタルフィルタの第8実施例を示すブロック図であり、図27を参照して説明した第6実施例と、図22を参照して説明した第3実施例を組み合わせたもの、すなわち、第2実施例,第3実施例および第5実施例を組み合わせたものに相当する。
この第8実施例のディジタルフィルタによれば、前述した第2実施例および第3実施例の効果に加えて、第5実施例と同様に、クロック周波数制御による効果を大きくすることが可能になる。
なお、上述した第1実施例〜第8実施例のディジタルフィルタは、単なる例を示すものであり、様々な変形および変更が可能なのは言うまでもない。
図30〜図32は、第8実施例のディジタルフィルタにより同時スイッチングノイズを除去した場合のクロック周波数制御を説明するための図である。ここで、図30は、前述した図16に対応し、図31(a)は、前述した図17(a)に対応し、そして、図32(a)は、前述した図18(a)に対応する。
すなわち、第8実施例のディジタルフィルタ5は、電圧変動観測器11と加算器26の間に設けられ、電圧変動観測器11からの測定値Vfoを処理して、出力値Vhcを加算器26に出力するようになっている。これは、他の実施例のディジタルフィルタでも同様である。
図31(b)と、前述した図17(b)の比較から明らかなように、第8実施例のディジタルフィルタによれば、第1実施例のものよりも一層、高周波成分を取り除くと共に、急激な変化を低減した出力値Vhcを得ることができる。
すなわち、第8実施例によれば、第1実施例よりも、測定値Vfoに対して、クロック周波数制御による電圧変動の補償をより行い易くなる出力値Vhcを出力できることが分かる。
さらに、図32(b)と、前述した図18(b)の比較から明らかなように、第8実施例のディジタルフィルタによれば、第1実施例の効果に加えて、クロック周波数制御による効果がより一層大きくなる。すなわち、図32(b)における矢印個所のセットアップスラックの最悪値の個所を改善することができるのが分かる。
上述した各実施例において、例えば、最小値保持器51のMサイクル、降下検出器52のNサイクル、最小測定値保持器56のKサイクル、移動平均フィルタ55のLサイクル、および、遅延素子57-1〜57-JのJサイクル等は、様々な値に設定され得る。
さらに、適切なクロック周波数制御を行うために、各実施例のディジタルフィルタにより低減される電圧変動の周波数帯は、半導体集積回路のパッケージの共振周波数に基づく第1ドゥループノイズに限定されるものではない。
また、クロック周波数制御のデメリットを回避することができる電圧変動の周波数帯も、第1ドゥループノイズによる数十MHz〜数百MHzに限定されないのはいうまでもない。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではない。また、明細書のそのような記載は、発明の利点および欠点を示すものでもない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
入力された測定値の最小値を保持して保持値として出力する最小値保持器と、
前記保持値を受け取って、前記保持値が所定のサイクルだけ最小を維持したときに制限値として出力する制限値回路と、
上限を規定する上限値,前記測定値に基づく比較値および前記制限値を受け取って、前記比較値が前記制限値よりも小さいときは前記比較値を出力値として出力し、前記比較値が前記制限値と等しいか大きいときは前記上限値を前記出力値として出力する出力制御器と、を有する、
ことを特徴とするディジタルフィルタ。
(付記2)
前記比較値は、前記測定値であり、
前記出力制御器は、前記測定値が前記制限値よりも小さいときは前記測定値を出力し、前記測定値が前記制限値と等しいか大きいときは前記上限値を出力する、
ことを特徴とする付記1に記載のディジタルフィルタ。
(付記3)
さらに、
前記測定値を受け取って、前記測定値の最小値を保持して前記比較値として最小測定値を出力する最小測定値保持器を有し、
前記出力制御器は、前記最小測定値が前記制限値よりも小さいときは前記最小測定値を出力し、前記最小測定値が前記制限値と等しいか大きいときは前記上限値を出力する、
ことを特徴とする付記1に記載のディジタルフィルタ。
(付記4)
前記最小値保持器は、前記測定値を受け取って、Mサイクル間の最小値を保持し、前記保持値として出力し、
前記最小測定値保持器は、前記測定値を受け取って、Kサイクル間の最小値を保持し、前記最小測定値として出力し、
前記MおよびKは、M≦K≦4Mの関係を有する、
ことを特徴とする付記3に記載のディジタルフィルタ。
(付記5)
さらに、
前記測定値を受け取って、Lサイクルだけ前記測定値の移動平均をとって前記上限値を生成する移動平均フィルタを含む第1上限値生成器を有する、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載のディジタルフィルタ。
(付記6)
さらに、
前記出力値を受け取って、Jサイクル遅延した出力値に『1』を加算して前記上限値を生成する第2上限値生成器を有する、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載のディジタルフィルタ。
(付記7)
さらに、
前記測定値を受け取って、Lサイクルだけ前記測定値の移動平均をとって第1上限値を生成する移動平均フィルタを含む第1上限値生成器と、
前記出力値を受け取って、Jサイクル遅延した出力値に『1』を加算して第2上限値を生成する第2上限値生成器と、
前記第1上限値および前記第2上限値のうち、小さい方を前記上限値として出力する最小値選択保持器と、を有する、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載のディジタルフィルタ。
(付記8)
前記制限値回路は、
前記保持値を受け取って、Nサイクルだけ前記保持値が最小を維持したときにイネーブル信号を出力する降下検出器と、
前記保持値を受け取って、前記イネーブル信号に基づいて前記保持値を取り込んで前記制限値として出力するレジスタと、を含む、
ことを特徴とする付記1乃至付記7のいずれか1項に記載のディジタルフィルタ。
(付記9)
前記測定値は、電圧変動を観測する電圧変動観測器の出力である、
ことを特徴とする付記1乃至付記8のいずれか1項に記載のディジタルフィルタ。
(付記10)
入力電圧を受け取って電圧変動を測定し、前記測定値を出力する電圧変動観測器と、
前記電圧変動観測器からの前記測定値を受け取る付記1乃至付記8のいずれか1項に記載のディジタルフィルタと、
前記ディジタルフィルタからの前記出力値により、出力するタイミング信号の周波数制御を行うPLLと、を有する、
ことを特徴とするタイミング信号生成回路。
(付記11)
前記PLLは、
ゲイン正規化部の出力に対して、前記ディジタルフィルタからの前記出力値を加算する加算器と、
前記加算器の出力に基づいた発振周波数の前記タイミング信号を生成するディジタル制御発振器と、を含み、
前記ディジタルフィルタからの前記出力値により、前記タイミング信号の周波数制御を行う、
ことを特徴とする付記10に記載のタイミング信号生成回路。
(付記12)
前記PLLは、さらに、
前記タイミング信号を分周する分周器と、
基準信号から前記分周器の出力を減算する減算器と、
前記減算器の出力から短周期の変動を遮断するループフィルタと、を含み、
前記ゲイン正規化部は、前記ループフィルタの出力を受け取って正規化を行う、
ことを特徴とする付記11に記載のタイミング信号生成回路。
(付記13)
付記10乃至付記12のいずれか1項に記載のタイミング信号生成回路が形成された半導体チップを、含む、
ことを特徴とする半導体集積回路。
(付記14)
前記半導体集積回路は、さらに、前記半導体チップを覆い、所定の周波数帯の共振周波数を有するパッケージを含み、
前記タイミング信号生成回路は、前記ディジタルフィルタにより前記パッケージの共振周波数に基づく電圧変動を低減して、前記タイミング信号の周波数制御を行う、
ことを特徴とする付記13に記載の半導体集積回路。
(付記15)
前記パッケージの共振周波数に基づく電源変動は、数十MHz〜数百MHzの第1ドゥループノイズである、
ことを特徴とする付記14に記載の半導体集積回路。
1 タイミング信号生成回路
2 PLL
3 クロックツリー
4 データパス
5 ディジタルフィルタ
11 電圧変動観測器
21 ループフィルタ
22 ゲイン正規化部
23 ディジタル制御発振器(DCO)
24 分周器
25 減算器
26 加算器
51 最小値保持器
52 降下検出器
53 レジスタ
54,54' 出力制御器
55 移動平均フィルタ
56 最小測定値保持器
57-1〜57-J 遅延素子
58 加算器(『1』加算器)
59 最小値選択保持器

Claims (10)

  1. 入力された測定値の最小値を保持して保持値として出力する最小値保持器と、
    前記保持値を受け取って、前記保持値が所定のサイクルだけ最小を維持したときに制限値として出力する制限値回路と、
    上限を規定する上限値,前記測定値に基づく比較値および前記制限値を受け取って、前記比較値が前記制限値よりも小さいときは前記比較値を出力値として出力し、前記比較値が前記制限値と等しいか大きいときは前記上限値を前記出力値として出力する出力制御器と、を有する、
    ことを特徴とするディジタルフィルタ。
  2. 前記比較値は、前記測定値であり、
    前記出力制御器は、前記測定値が前記制限値よりも小さいときは前記測定値を出力し、前記測定値が前記制限値と等しいか大きいときは前記上限値を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のディジタルフィルタ。
  3. さらに、
    前記測定値を受け取って、前記測定値の最小値を保持して前記比較値として最小測定値を出力する最小測定値保持器を有し、
    前記出力制御器は、前記最小測定値が前記制限値よりも小さいときは前記最小測定値を出力し、前記最小測定値が前記制限値と等しいか大きいときは前記上限値を出力する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のディジタルフィルタ。
  4. さらに、
    前記測定値を受け取って、Lサイクルだけ前記測定値の移動平均をとって前記上限値を生成する移動平均フィルタを含む第1上限値生成器を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のディジタルフィルタ。
  5. さらに、
    前記出力値を受け取って、Jサイクル遅延した出力値に『1』を加算して前記上限値を生成する第2上限値生成器を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のディジタルフィルタ。
  6. さらに、
    前記測定値を受け取って、Lサイクルだけ前記測定値の移動平均をとって第1上限値を生成する移動平均フィルタを含む第1上限値生成器と、
    前記出力値を受け取って、Jサイクル遅延した出力値に『1』を加算して第2上限値を生成する第2上限値生成器と、
    前記第1上限値および前記第2上限値のうち、小さい方を前記上限値として出力する最小値選択保持器と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のディジタルフィルタ。
  7. 入力電圧を受け取って電圧変動を測定し、前記測定値を出力する電圧変動観測器と、
    前記電圧変動観測器からの前記測定値を受け取る請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のディジタルフィルタと、
    前記ディジタルフィルタからの前記出力値により、出力するタイミング信号の周波数制御を行うPLLと、を有する、
    ことを特徴とするタイミング信号生成回路。
  8. 前記PLLは、
    ゲイン正規化部の出力に対して、前記ディジタルフィルタからの前記出力値を加算する加算器と、
    前記加算器の出力に基づいた発振周波数の前記タイミング信号を生成するディジタル制御発振器と、を含み、
    前記ディジタルフィルタからの前記出力値により、前記タイミング信号の周波数制御を行う、
    ことを特徴とする請求項7に記載のタイミング信号生成回路。
  9. 前記PLLは、さらに、
    前記タイミング信号を分周する分周器と、
    基準信号から前記分周器の出力を減算する減算器と、
    前記減算器の出力から短周期の変動を遮断するループフィルタと、を含み、
    前記ゲイン正規化部は、前記ループフィルタの出力を受け取って正規化を行う、
    ことを特徴とする請求項8に記載のタイミング信号生成回路。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載のタイミング信号生成回路が形成された半導体チップを、含む、
    ことを特徴とする半導体集積回路。
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