JP2015179773A - 熱電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の実施形態によれば、外部から磁場を印加せずに発電するスピンゼーベック効果を用いた熱電変換素子を提供することができる。
【解決手段】熱電変換素子は、基板と、非磁性金属層と、前記基板と非磁性金属層との間に設けられ、磁化が面内の一方向に固定され、かつ硬磁性体からなる絶縁強磁性層と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】熱電変換素子は、基板と、非磁性金属層と、前記基板と非磁性金属層との間に設けられ、磁化が面内の一方向に固定され、かつ硬磁性体からなる絶縁強磁性層と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、熱電変換素子に関する。
熱電変換素子の一つとして、スピンゼーベック効果を用いたものが知られている。これまでの報告は、外部から磁場を印加した環境で起電力を得たものである。しかしながら、実用的には、外部から磁場を印加せずに発電することが要求される。
Nature 455, 778 (2008).
Appl. Phys. Lett. 97, 172505 (2010).
Nature Material 11 686 (2012)
第60回応用物理学会春季学術講演会27a−B9−2
Physical Review B 83 224401(2011)
そこで、本発明の実施形態は、外部から磁場を印加せずに発電するスピンゼーベック効果を用いた熱電変換素子を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る熱電変換素子は、基板と、非磁性金属層と、前記基板と非磁性金属層との間に設けられ、磁化が面内の一方向に固定され、かつ硬磁性体からなる絶縁強磁性層と、を備える。
以下図面を参照して、本発明の各実施形態を説明する。同じ符号が付されているものは同様のものを示す。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
(実施形態)
図1は、熱電変換素子100を示す図である。熱電変換素子100は、基板10上にフェライト磁石から成る絶縁強磁性層20、非磁性金属層40がこの順で設けられている。これらを積層体と定義しても良い。更に非磁性金属層40上には端子50、60が設けられている。
図1は、熱電変換素子100を示す図である。熱電変換素子100は、基板10上にフェライト磁石から成る絶縁強磁性層20、非磁性金属層40がこの順で設けられている。これらを積層体と定義しても良い。更に非磁性金属層40上には端子50、60が設けられている。
熱電変換素子100の動作原理について説明する。熱電変換素子100はスピンゼーベック効果を利用することで発電することができる。
基板10と非磁性金属層40との間で絶縁強磁性層20および金属強磁性層30に温度勾配ΔTを付与すると、絶縁強磁性層20のアップスピン電子の分布とダウンスピン電子の分布に差が生じる。この現象をスピンゼーベック効果といい、このとき生じるアップスピン電子の分布とダウンスピン電子の分布の差はスピン圧と呼ばれる。絶縁強磁性層20内で生じたスピン圧がスピン流として非磁性金属層40に伝搬する。スピン流(spin current)はアップスピン電子の分布とダウンスピン電子の分布との差によって生じる流れであり、電荷の流れではない。スピン流が非磁性金属層40内に伝搬すると、逆スピンホール効果によって、スピン流及び絶縁強磁性層20の磁化25と直交する方向に電荷の流れである電流が流れ起電力が生じる。これにより、熱電変換素子100は発電する。
基板10と絶縁強磁性層20、絶縁強磁性層20と非磁性金属層40は接していることが好ましい。このように、それぞれの層が接していることで、スピン流を漏れなく非磁性金属層40に伝搬させることができる。
基板10には、あらゆる発熱面を利用して比較的大きな面積で発電するためにフレキシブル基板を用いることが出来る。基板10はヤング率が10以下の柔軟性を有することが良い。基板10には、ポリイミド、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、パリレン、ゴム、2軸延伸ポリエチレン2,6−ナフタレート、又は変性ポリアミドを用いることができる。柔軟性が必要ない場合には、Si、ガラス、サファイアなどの基板を用いることも可能である。絶縁強磁性層20が少なくとも1μmの厚さを有する場合には、基板10を用いないで熱電発電素子100を用いることができる。
非磁性金属層40には、スピンホール角の大きな材料が適しており、Pt、Ta、Wを用いる。Taについては、結晶構造を立方晶とするのが好ましい。これは立方晶のα―Taの電気抵抗率がアモルファスよりも低いからである。また、Taは正方晶とするのが更に好ましい。これはスピンホール角が大きいからである。正方晶のTaはβ−Taと呼ばれる。非磁性金属層40にWを用いる場合も同様で、正方晶のβ−Wが望ましい。Taを含む非磁性金属層40に対して、Hf、W、Ir、Pt、Au、Pb、及びBiから選択される少なくとも1つの元素を添加すると起電力が更に向上する。同様に、Wを含む非磁性金属層40に、Hf、Ta、Ir、Pt、Au、Pb、及びBiから選択される少なくとも1つの元素を添加すると起電力が更に向上する。これらの元素は3at%以上30at%以下非磁性金属層40に添加される。これらの元素は、非磁性金属層40中のスピン軌道相互作用を増大させ、スピンホール角θSHを増加する働きを有する。このため、熱電変換素子100の発電効率が向上する。
また、Pt、Ta又はWを含む非磁性金属層40に対して、Fe、Co、Ni、Mn、及びCrから選択される少なくとも1つの元素を添加しても良い。これらの元素は1at%以下非磁性金属層40に添加される。上記で説明したHf、W、Ta、Ir、Pt、Au、Pb、及びBiの元素と一緒に添加しても良い。これらの元素は、微量であるため、非磁性金属層40は全体としては非磁性のままである。これらの元素は、非磁性金属層40中で局在するため、スピン軌道相互作用を増大させ、スピンホール角θSHを増加する働きを有する。このため、熱電変換素子100の発電効率が向上する。非磁性金属層40はスピン流を検知するのでスピン流検知層とも呼ぶ。
図2に示されるように、非磁性金属層40の上に、酸化防止のための保護層70を設けることができる。保護層70の材料は、酸化しない金属であるPt、Au、Ruを用いることができる。これらの材料を積層あるいは合金したものを用いることができる。
起電力の方向について説明する。起電力(electromotive force)は、絶縁強磁性層20の磁化25と、温度差方向、すなわちスピン流の方向との外積方向に生じる。したがって、起電力を端子50、60で取り出すためには、絶縁強磁性層20の磁化25は、温度差方向と直交するように固定されている。たとえば図1に示すように、座標軸(coordinate)を決める。熱電変換素子100においてz方向(積層方向)に温度差がある場合、+y方向に磁化25が向いていると−x方向に起電力が生じる。温度差は基板10と非磁性金属層40とを結ぶ方向に生じる。
図3Aと図3Bに、絶縁強磁性層20の磁化の状態を図1のz方向から見た模式図を示す。図3Aは、絶縁強磁性層20の中にそれぞれ異なる方向の磁化をもつ磁区が構成された図である。この場合、磁区(A)(B)(C)は概ね+y方向を向いている。このため−x方向に起電力を発生させることができる。しかしながら、磁区(D)(I)(J)は磁化が概ね−y方向を向いている。このため、起電力は+x方向となり、磁区(A)(B)(C)からの起電力と相殺される。図3Bのように絶縁強磁性層20の磁化が一方向の単磁区となっている場合は、全ての磁化が+y方向を向いている。このため、起電力も全体にわたって−x方向に生じ、端子50、60から最も大きな起電力を取りだすことが出来る。磁区の形状は材料・形状に依存する。このため、図3Aは一例である。
以上のように、温度差に対して起電力を効率良く取りだすためには、絶縁強磁性層20の磁化25が、端子50から端子60を結ぶ方向と直交する方向を向いている単磁区が良い。
図4Aは、熱電変換素子の関連技術を示す図である。絶縁強磁性層20において単磁区を実現するために、熱電変換素子全体に外部から磁場(Magnetic field)をy方向に印加する。熱電変換素子の積層方向(z方向)に温度差があり、端子50、60がx方向に設けられている場合に、磁場をy方向に掃引すると、図4Bに示すように起電力|V|を得られる。このようすることで、「状態1(Status1)」や「状態3(Status3)」を実現してスピンゼーベック効果による起電力を得る。ここで、外部磁場の無い「状態2(Status2)」でも起電力が生じているが、2つの問題がある。1点目は、図3を用いて説明したように、磁区が形成されて起電力の値が「状態1」や「状態3」に比べると小さくなってしまうことである。
2点目は、図4Bに示されるように100Oe程度の外部磁場で磁化が反転するので、外部から磁気ノイズが入った場合に磁化が回転あるいは反転しやすく、起電力が得られなくなってしまうことである。この問題を回避するため、絶縁強磁性層20を単磁区化することが必要である。
しかしながら、発電素子として熱電変換素子を利用する場合、外部から磁場を印加し続けることは難しい。外部磁場を印加することが出来たとしても、発電素子の形態が制限され、色々な用途に応用することが難しくなる。
これを解決するには、絶縁強磁性層20を硬磁性体とすることが有効である。
図5Aは、絶縁強磁性層20に軟磁性材料(100Oe以上の保磁力を有する)を用いて外部磁場を絶縁強磁性層20に印加した場合に発生する熱電変換素子100の起電力を示す模式図である。図5Bは、絶縁強磁性層20に硬磁性材料(300Oe以上の保磁力を有する)を用いて外部磁場を絶縁強磁性層20に印加した場合に発生する熱電変換素子100の起電力を示す模式図である。図5Aでは、外部磁場を印加して絶縁強磁性層20の磁化を一方向に揃えたところが、起電力が発生する動作点(Operating point)となる。一方で、図5Bでは外部磁場が印加されていない状態を動作点とすることができる。図5Bに示されるように、保磁力(Hc)が300Oe以上であれば、磁化が反転しにくくなるので磁気ノイズへの耐性も高くなる。実際、フェライトの保磁力は約4000Oeまでは存在するので、これが上限となる。もちろんそれ以上の保磁力を実現する手段があれば本実施形態でも用いることができる。理想的なフェライト磁石では、300Oe以上の保磁力を実現することができるので、十分大きな保磁力を実現することができる。これらのことから、本実施形態では絶縁強磁性層20にフェライト磁石と呼ばれる硬磁性を用いることができる。
硬磁性体には、Sr、La、Co、Zn、Baから選ばれる少なくとも1つの元素を含み、Feと酸素を主たる成分とする酸化物を用いることができる。主たる成分とは、Feが25%at以上、酸素が55%at以上であることを示す。 絶縁強磁性層20には、SrFe12O19、LaFe12O19、LaCo(x)Fe(12−x)O19(ここで0<x<2)、Sr(y)La(1−y)Co(x)Fe(12−x)O19(ここで0<x<2, 0<y<1)、Sr(y)La(1−y)Zn(x)Fe(12−x)O19 (ここで0<x<2, 0<y<1)、CoFe2O4、又はNi(x)Zn(1−x)Fe2O4(ここで0<x<1)を用いることができる。
表1に、熱酸化Si基板上に成膜したいくつかの磁性材料の保磁力を示す。表1に示されている構成(Composition)は、絶縁磁性層/非磁性金属の構成である。実施例1〜3(Working example)と比較例1〜5(Comparative example)を示す。また、表1には、軟磁性(Soft magnetism)、硬磁性(Hard magnetism)を記載されている。何れも熱酸化Si基板上に絶縁性磁性層、非磁性層をスパッタ法で成膜した。表1からわかるように、実施例1〜3では、300Oe以上の保磁力(Coercivity)が得られた。これらは、硬磁性材料としての条件を満たす。High power sputteringではイオンビームスパッタの加速電圧を1000Vに設定した。Low power sputteringではイオンビームスパッタの加速電圧を500Vに設定した。
比較例1、実施例1〜3の磁性体を絶縁強磁性層用いて熱電変換素子を作製した。表2に、これらの熱電変換素子に対して磁場を印加しないでスピンゼーベック効果を測定した結果を示す。図6は、これらの熱電変換素子の起電力を測定した結果を示す。横軸は、熱電変換素子の上面と下面の温度差ΔK(K)を示す。縦軸は、熱電変換素子の非磁性金属層上に設けられた2つの端子間で得られた起電力(mV)を示す。図6のグラフの傾きからスピンゼーベック係数Sを算出することができる。
スピンゼーベック効果では、非磁性金属層に形成された2つの端子間の距離と起電力が比例するので、2つの端子間の距離(28mm)で起電力を除して、単位長さあたり、かつ単位温度あたりの起電力をスピンゼーベック係数として表記している。
図7は、表2の結果をまとめたものを示す。保磁力Hcが大きいとスピンゼーベック係数Sが増加することが分かる。
以上より、絶縁強磁性層20には、保持力が300 Oe以上である硬磁性体を用いることが、大きな起電力を安定に得るために有効であることが分かった。
実施例4〜9として熱電変換素子を作製した。実施例4と5は熱電変換素子100の構成用いた。
(実施例4)
絶縁強磁性層20に用いられるフェライトの組成を変更した。熱酸化Si基板上に、膜厚200nmのSr−Fe−O、La−Fe−O、La−Co−Fe−O、Sr−La−Co−Fe−O 、Sr−La−Zn−Fe−O など、マグネトプランバイト型の六方晶型結晶構造を取る絶縁強磁性層20を成膜した。また、スピネル型結晶構造を取るCoFe2O4から成る絶縁強磁性層20を熱酸化Si基板上に成膜した。これらはフェライト磁石の組成であるため、2500 Oe から4000 Oeの高い保磁力を示した。このため、磁気ノイズに対して耐性が高く、安定した起電力を発生させることができた。
絶縁強磁性層20に用いられるフェライトの組成を変更した。熱酸化Si基板上に、膜厚200nmのSr−Fe−O、La−Fe−O、La−Co−Fe−O、Sr−La−Co−Fe−O 、Sr−La−Zn−Fe−O など、マグネトプランバイト型の六方晶型結晶構造を取る絶縁強磁性層20を成膜した。また、スピネル型結晶構造を取るCoFe2O4から成る絶縁強磁性層20を熱酸化Si基板上に成膜した。これらはフェライト磁石の組成であるため、2500 Oe から4000 Oeの高い保磁力を示した。このため、磁気ノイズに対して耐性が高く、安定した起電力を発生させることができた。
(実施例5)
絶縁強磁性層20の膜厚を変更した。
絶縁強磁性層20の膜厚を変更した。
絶縁強磁性層20に用いられるNi−Zn−Fe−Oの膜厚を10nm、20nm で作製した。
10nmの保磁力は300 Oe、20nmの保磁力は320 Oeであった。
次に、膜厚を20nmに揃えて、絶縁強磁性層20の組成を変更した。それぞれの保磁力は、Sr−Fe−Oで1100 Oe、La−Fe−Oで1150 Oe、La−Co−Fe−Oで1500 Oe、Sr−La−Co−Fe−Oで1460 Oe 、Sr−La−Zn−Fe−Oで1130 Oe 、CoFe2O4で1340 Oeとなった 。本実施例でも、充分に安定して起電力を発生させることができた。
(実施例6)
絶縁強磁性層20の構成を変更した。図8に示すように、絶縁強磁性層20と非磁性強磁性層40の間に、金属強磁性層30を挿入した。金属強磁性層30はFe、Co、Ni、Cr、Mnのいずれか一つを含む金属磁性体である。膜厚は1Åから2nmである。金属強磁性層30の膜厚を厚くすると、起電力がリークしてしまう。このため、比抵抗に応じて膜厚調整が必要となる。膜厚が0.15nmのFeCr合金を金属磁性層30として用いると、金属磁性層30を用いない場合と比較して起電力が実施例1乃至5に記載した構成に対して1.5倍増加した。金属強磁性層30の磁化は、絶縁強磁性層20の磁化と同一の方向を向いている。金属強磁性層30は絶縁強磁性層20及び非磁性金属層40と接しても良い。このように、それぞれの層が接していることで、スピン流を漏れなく非磁性金属層40に伝搬させることができる。
絶縁強磁性層20の構成を変更した。図8に示すように、絶縁強磁性層20と非磁性強磁性層40の間に、金属強磁性層30を挿入した。金属強磁性層30はFe、Co、Ni、Cr、Mnのいずれか一つを含む金属磁性体である。膜厚は1Åから2nmである。金属強磁性層30の膜厚を厚くすると、起電力がリークしてしまう。このため、比抵抗に応じて膜厚調整が必要となる。膜厚が0.15nmのFeCr合金を金属磁性層30として用いると、金属磁性層30を用いない場合と比較して起電力が実施例1乃至5に記載した構成に対して1.5倍増加した。金属強磁性層30の磁化は、絶縁強磁性層20の磁化と同一の方向を向いている。金属強磁性層30は絶縁強磁性層20及び非磁性金属層40と接しても良い。このように、それぞれの層が接していることで、スピン流を漏れなく非磁性金属層40に伝搬させることができる。
次に絶縁強磁性層20の作製方法について説明する。成膜中の基板温度を200℃〜500℃に設定して、スパッタ法を用いるとマグネトプランバイト型の六方晶型結晶構造又はスピネル構造から成る結晶構造を得ることができる。このとき、絶縁強磁性層20は、300Oe以上の保磁力を有する。
この他、真空蒸着法、無電解メッキ法、焼結体をボールミリングで粉砕し、それを溶媒に混ぜて塗布する方法を用いることができる。
絶縁強磁性層20を形成した後に、700℃以上1200℃以下の熱処理を絶縁強磁性層20に行うと、マグネトプランバイト型の六方晶型結晶構造から成る結晶構造を得ることが出来る。あるいは100℃以上350℃以下の熱処理を絶縁強磁性層20に行うと、スピネル構造から成る結晶構造を得ることが出来る。このとき、絶縁強磁性層20は、300Oe以上の保磁力を有する。
絶縁強磁性層20を単磁区化するため、保持力よりも大きな磁界を印加し、磁化を一方向に向ける。絶縁強磁性層20の保磁力が300 Oeであれば、外部磁界は1000Oe以上であれば絶縁強磁性層20を単磁区化することができる。外部磁界が5000Oe以上であれば、確実に絶縁強磁性層20を単磁区化することができる。また、外部磁界は、短時間で印加するパルス磁場を用いることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…基板、20…絶縁強磁性層、30…金属強磁性層、40…非磁性金属層、50、60・・・端子、70…保護層、100…熱電変換素子
Claims (10)
- 基板と、
非磁性金属層と、
前記基板と非磁性金属層との間に設けられ、磁化が面内の一方向に固定され、かつ硬磁性体からなる絶縁強磁性層と、
を備える熱電変換素子。 - 前記非磁性金属層上であって、前記絶縁強磁性層の磁化と交わる方向に離間して設けられた2つの端子を更に備える請求項1に記載の熱電変換素子。
- 温度差が前記基板と前記非磁性金属層とを結ぶ方向に存在する請求項1又は請求項2に記載の熱電変換素子。
- 前記絶縁強磁性層と前記非磁性金属層との間に設けられた金属強磁性層を更に備える請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の熱電変化素子。
- 前記金属強磁性層の磁化は前記絶縁強磁性層の前記磁化と同一の方向を向いている請求項4に記載の熱電変換素子。
- 前記硬磁性体は、保磁力が300 Oe以上である請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の熱電変換素子。
- 前記硬磁性体は、Sr、La、Co、Zn、Baから選ばれる少なくとも1つの元素を含み、Feを25at%以上、酸素を55at%以上含む酸化物である請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の熱電変換素子。
- 前記硬磁性体は、Sr−Fe−O、La−Fe−O、La−Co−Fe−O、Sr−La−Co−Fe−O、Sr−La−Zn−Fe−O、Co−Fe−O、又はNi−Zn−Fe−Oである請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の熱電変換素子。
- 前記硬磁性体は、SrFe12O19、LaFe12O19、LaCo(x)Fe(12−x)O19(ここで0<x<2)、Sr(y)La(1−y)Co(x)Fe(12−x)O19(ここで0<x<2, 0<y<1)、Sr(y)La(1−y)Zn(x)Fe(12−x)O19 (ここで0<x<2, 0<y<1)、CoFe2O4、又はNi(x)Zn(1−x)Fe2O4(ここで0<x<1)である請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の熱電変換素子。
- 前記硬磁性体は、マグネトプランバイト型の六方晶型結晶構造又はスピネル型結晶構造である請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の熱電変換素子。
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