JP2018182265A - 積層構造体及びスピン変調素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】電界により強磁性体のスピン分極率を変調し、データを安定的に保持できる積層構造体及びスピン変調素子を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様にかかる積層構造体は、強磁性層と、マルチフェロイック層と、前記強磁性層と前記マルチフェロイック層との間に挟まれ、前記強磁性層よりも飽和磁化が大きい強磁性体を含む、磁化ピン止め補強層と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、積層構造体及びスピン変調素子に関する。
磁性体が有するスピンを利用した素子は、様々な用途で用いられている。例えば、強磁性層と非磁性層の多層膜からなる巨大磁気抵抗(GMR)素子、非磁性層に絶縁層(トンネルバリア層、バリア層)を用いたトンネル磁気抵抗(TMR)素子等の磁気抵抗効果素子が知られている。磁気抵抗効果素子は、磁気センサ、高周波部品、磁気ヘッド、磁気記録媒体及び不揮発性ランダムアクセスメモリ(MRAM)等に利用されている。
磁気抵抗効果素子は、二つの強磁性層の磁化の向きの違いに伴う抵抗値変化を出力する。二つの強磁性層の磁化の向きが平行の状態を“0”とし、二つの強磁性層の磁化の向きが反平行の状態を“1”とすることで、磁気抵抗効果素子は2値のデータを出力できる。
一方で、近年のデータの高容量化に伴い、データをより高密度に集積することが求められている。その一つの手段として、データを2値以上の多値で記録できる素子の開発が進められている。例えば、特許文献1及び2には、電界を利用して強磁性層のスピン分極率を変調することで、データを多値で記録できる素子が記載されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の素子は、スピン分極率が変化する強磁性層の磁化の異方性(磁化のピン止め)が充分ではなく、熱等の外因によりデータを安定的に保持できない場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電界により強磁性体のスピン分極率を変調し、データを安定的に保持できる積層構造体及びスピン変調素子を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかる積層構造体は、強磁性層と、マルチフェロイック層と、前記強磁性層と前記マルチフェロイック層との間に挟まれ、前記強磁性層よりも飽和磁化が大きい強磁性体を含む磁化ピン止め補強層と、を備える。
(2)上記態様にかかる積層構造体において、前記磁化ピン止め補強層の厚みが、0.5nm以上10nm以下であってもよい。
(3)上記態様にかかる積層構造体において、前記強磁性層はハーフメタルを含み、前記磁化ピン止め補強層は、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属及びこれらの金属を1種以上含み強磁性を示す化合物を含んでもよい。
(4)上記態様にかかる積層構造体において、前記ハーフメタルがCo2XSi(XはFe又はMn)で表記される化合物であってもよい。
(5)上記態様にかかる積層構造体において、前記マルチフェロイック層は、BiFeO3、BiMnO3、GaFeO3、YMnO3、CuFeO2、Cr2O3、Ni3Bi7O13I、LiMnPO4、Y3Fe5O12、GaAlFeO3、TbPO4、LiCoPO4からなる群から選択されるいずれかを含んでもよい。
(6)第2の態様にかかるスピン変調素子は、上記態様にかかる積層構造体と、前記積層構造体の前記強磁性層に順に積層された非磁性層及び第2強磁性層と、を備える。
上記態様にかかる積層構造体及びスピン変調素子は、電界により強磁性体のスピン分極率を変調でき、スピン変調により得られるデータを安定的に保持できる。
以下、本実施形態について、図面を用いてその構成を説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではない。
(スピン変調素子)
図1は、本実施形態にかかるスピン変調素子を模式的に示した図である。図1に示すスピン変調素子100は、積層構造体10と非磁性層20と第2強磁性層30とを備える。
図1は、本実施形態にかかるスピン変調素子を模式的に示した図である。図1に示すスピン変調素子100は、積層構造体10と非磁性層20と第2強磁性層30とを備える。
「積層構造体」
積層構造体10は、強磁性層1とマルチフェロイック層2と磁化ピン止め補強層3とを備える。図1では、積層構造体10をスピン変調素子100の構成の一部として図示しているが、積層構造体10のみでもAMR(磁気異方性)センサ等として用いることができる。
積層構造体10は、強磁性層1とマルチフェロイック層2と磁化ピン止め補強層3とを備える。図1では、積層構造体10をスピン変調素子100の構成の一部として図示しているが、積層構造体10のみでもAMR(磁気異方性)センサ等として用いることができる。
強磁性層1は、一方向に磁化が配向した磁性体を含む。強磁性層1を構成する磁性体は、磁気異方性の強い物質を用いることが好ましい。例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属及びこれらの金属を1種以上含み強磁性を示す合金を用いることができる。またこれらの金属と、B、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とを含む合金を用いることもできる。具体的には、FeやCo−Fe等が挙げられる。
また強磁性層1は、ハーフメタルであることが好ましい。ハーフメタルは、片方の電子スピンが金属的なバンド構造を示し、もう片方の電子スピンが絶縁体的なバンド構造を示す物質である。ハーフメタルは、フェルミ面では理想的には1に近い大きなスピン分極率を示す。
またハーフメタルとして、ホイスラー合金、マグネタイト(Fe3O4)、ペロブスカイト型Mn酸化物等が知られているが、ホイスラー合金が特に好ましい。ホイスラー合金は、III−V族半導体との高い格子整合性、室温以上のキュリー温度、フェルミ面近傍での大きなバンドギャップ等の特徴を有し、室温においても高いスピン分極率を示すことができる。
ホイスラー合金は、X2YZの化学組成をもつ金属間化合物を含み、Xは、周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、Yは、Mn、V、CrあるいはTi族の遷移金属でありXの元素種をとることもでき、Zは、III族からV族の典型元素である。例えば、Co2FeSi、Co2MnSi及びCo2Mn1−aFeaAlbSi1−bなどが挙げられる。
マルチフェロイック層2は、強磁性層1の一面側に形成されている。マルチフェロイック層2は、磁気秩序と強誘電秩序の性質を併せ持つマルチフェロイック材料を有する。マルチフェロイック材料としては、BiFeO3、BiMnO3、GaFeO3、YMnO3、CuFeO2、Cr2O3、Ni3Bi7O13I、LiMnPO4、Y3Fe5O12、GaAlFeO3、TbPO4、LiCoPO4からなる群から選択されるいずれかを用いることができる。これらの材料の中でもBiFeO3は、キュリー温度及びネール温度が何れも高く、広い温度域で強誘電特性及び強磁性特性を示すため、特に好ましい。
マルチフェロイック層2は、強磁性層1に少なくとも二つの影響を与える。第1の影響はマルチフェロイック層2の有する強磁性特性に由来するものであり、第2の影響はマルチフェロイック層2の有する強誘電特性に由来するものである。
マルチフェロイック層2が強磁性特性を示すと、マルチフェロイック層2の磁化の影響を受けて、強磁性層1の磁化の向きが一方向に強く配向する(第1の影響)。すなわち、マルチフェロイック層2は、その強磁性特性により強磁性層1の磁化をピン止めする効果を有する。強磁性層1の磁化が一方向に強く固定(ピン止め)されると、強磁性層1の磁化の向きが熱等の外因により乱されることが無くなり、磁気抵抗効果に伴う抵抗値変化率(MR比)が大きくなる。
一方で、マルチフェロイック層2が強誘電特性を示すと、マルチフェロイック層2は誘電分極する。誘電分極によって生じる電荷は、強磁性層1内のマルチフェロイック層2側の界面に電荷を誘起し、その界面電荷による電界は強磁性層1のバンド構造を変え、強磁性層1のスピン分極率を変調する(第2の影響)。スピン分極率が変調すると、スピン変調素子100の多値化が実現できる。例えば、強磁性層1のスピン分極率が1.0で第2強磁性層30と平行な場合と、強磁性層1のスピン分極率が0.5で第2強磁性層30と平行な場合とでは、強磁性層1と第2強磁性層30の間の抵抗値が異なるためである。
マルチフェロイック層2が強磁性層1に与える影響としては、第1の影響及び第2の影響のいずれも重要である。しかしながら、マルチフェロイック層2を構成するマルチフェロイック材料は材料が限定されるため、十分な強磁性特性を示せない場合がある。例えば、マルチフェロイック材料として知られているBiFeO3は、結晶構造が菱面体晶の場合は良好なマルチフェロイック特性を示すが、結晶構造が正方晶の場合は十分な強磁性特性を示すことができない。
本実施形態にかかる積層構造体は、強磁性層1とマルチフェロイック層2との間に、磁化ピン止め補強層3を有する。磁化ピン止め補強層3は、強磁性層1よりも飽和磁化が大きい強磁性体を含む。
磁化ピン止め補強層3の磁化は、マルチフェロイック層2及び強磁性層1の磁化と交換結合する。磁化ピン止め補強層3の飽和磁化は、強磁性層1の飽和磁化より大きいため、強磁性層1の磁化の配向方向を強くピン止めする。つまり、磁化ピン止め補強層3はマルチフェロイック層2の強磁性特性に伴う第1の影響をアシストする。その結果、強磁性層1は磁化ピン止め補強層3によって強くピン止めされ、磁化の向きが熱等の外因により乱されることが無くなり、磁気抵抗効果に伴う抵抗値変化率(MR比)が大きくなる。
磁化ピン止め補強層3は、強磁性層1よりも飽和磁化が大きければ特に問わない。例えば、強磁性層1がハーフメタルの場合、磁化ピン止め補強層3にはCr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属及びこれらの金属を1種以上含み強磁性を示す化合物を用いることができる。例えば、Co−Fe、Co−Fe−B、これらの積層体等を用いることができる。
磁化ピン止め補強層3の厚みは、0.5nm以上10nm以下であることが好ましく、0.5nm以上5nm以下であることがより好ましく、0.5nm以上3nm以下であることがさらに好ましい。
磁化ピン止め補強層3の厚みが薄すぎると、磁化ピン止め補強層3の磁化の配向性が悪くなり、十分な磁気的特性を示すことができなくなる。一方で、磁化ピン止め補強層3が厚くなりすぎると、マルチフェロイック層2と強磁性層1との距離が離れ、マルチフェロイック層2が強磁性層1に与える第2の影響が小さくなる。
「非磁性層」
非磁性層20は絶縁体でも、金属でもよい。非磁性層20が絶縁体からなる場合、強磁性層1、非磁性層20及び第2強磁性層30からなる積層体は、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistance)素子となり、非磁性層20が金属からなる場合、強磁性層1、非磁性層20及び第2強磁性層30からなる積層体は、巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magnetoresistance)素子となる。
非磁性層20は絶縁体でも、金属でもよい。非磁性層20が絶縁体からなる場合、強磁性層1、非磁性層20及び第2強磁性層30からなる積層体は、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunneling Magnetoresistance)素子となり、非磁性層20が金属からなる場合、強磁性層1、非磁性層20及び第2強磁性層30からなる積層体は、巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magnetoresistance)素子となる。
非磁性層20には、公知の材料を用いることができる。
例えば、非磁性層20が絶縁体からなる場合(トンネルバリア層である場合)、その材料としては、Al2O3、SiO2、MgO、及び、MgAl2O4O等を用いることができる。またこれらの他にも、Al、Si、Mgの一部が、Zn、Be等に置換された材料等も用いることができる。これらの中でも、MgOやMgAl2O4はコヒーレントトンネルが実現できる材料であるため、スピンを効率よく注入できる。
例えば、非磁性層20が絶縁体からなる場合(トンネルバリア層である場合)、その材料としては、Al2O3、SiO2、MgO、及び、MgAl2O4O等を用いることができる。またこれらの他にも、Al、Si、Mgの一部が、Zn、Be等に置換された材料等も用いることができる。これらの中でも、MgOやMgAl2O4はコヒーレントトンネルが実現できる材料であるため、スピンを効率よく注入できる。
また、非磁性層20が金属からなる場合、その材料としては、Cu、Au、Ag等を用いることができる。
「第2強磁性層」
第2強磁性層30は、強磁性層1と非磁性層20と磁気抵抗効果素子を形成する。強磁性層1が固定層の場合、第2強磁性層30は自由層となり、強磁性層1が自由層の場合、第2強磁性層30は固定層となる。
第2強磁性層30は、強磁性層1と非磁性層20と磁気抵抗効果素子を形成する。強磁性層1が固定層の場合、第2強磁性層30は自由層となり、強磁性層1が自由層の場合、第2強磁性層30は固定層となる。
第2強磁性層30の材料には、公知のものを用いることができる。例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属及びこれらの金属を1種以上含み強磁性を示す合金を用いることができる。またこれらの金属と、B、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とを含む合金を用いることもできる。具体的には、Co−FeやCo−Fe−Bが挙げられる。またより高い出力を得るために、第2強磁性層30にホイスラー合金を用いてもよい。
上述のように、本実施形態にかかるスピン変調素子は、磁化ピン止め補強層3を有するため、強磁性層1の磁化を強く固定(ピン止め)することができる。その結果、強磁性層1の磁化の熱等の外因に対する耐性が高まり、より安定的にデータを保持することができる。
(スピン変調素子の製造方法)
スピン変調素子100の製造方法について説明する。まず、基材を準備する。基材は、積層構造体10の積層方向に電圧を印加するために、導電性を有する材料を用いることが好ましい。基材が導電性を有することで、電極を兼ねることができる。
スピン変調素子100の製造方法について説明する。まず、基材を準備する。基材は、積層構造体10の積層方向に電圧を印加するために、導電性を有する材料を用いることが好ましい。基材が導電性を有することで、電極を兼ねることができる。
次いで、準備した基材上に、マルチフェロイック層2、磁化ピン止め補強層3、強磁性層1、非磁性層20、第2強磁性層30を順に積層する。これらの層は、GMR素子やTMR素子等の磁気抵抗効果素子の強磁性層及び非磁性層と同様の方法で積層することができる。例えば、スパッタリング法、蒸着法、レーザアブレーション法、CVD(化学気相成長)法、分子線エピタキシャル(MBE)法等を用いることができる。
また第2強磁性層30の非磁性層20と反対側の面には、電極を積層することが好ましい。電極を設けることで、強磁性層1全面に均一に電流を流すことができる。
(スピン変調素子の動作)
次いで、スピン変調素子の動作を説明すると共に、どのように多値化が実現されるかについて説明する。
次いで、スピン変調素子の動作を説明すると共に、どのように多値化が実現されるかについて説明する。
図2は、スピン変調素子100の動作を説明するための模式図である。スピン変調素子100は、第2強磁性層30と強磁性層1に流れる電流を制御するスイッチSW1と、マルチフェロイック層2に電場を印加するスイッチSW2とが接続されている。
まず図2(a)及び(b)に示すように、スイッチSW2が開いている場合、マルチフェロイック層2には電場が印加されない。そのため、スピン変調素子100は、第2強磁性層30と強磁性層1の磁化の向きが反平行の第1状態(図2(a))と、第2強磁性層30と強磁性層1の磁化の向きが平行の第2状態(図2(b))と、の2状態をとる。強磁性層1の磁化の向きは、スイッチSW1を閉じることで、積層体の積層方向にスピン偏極電流を流し、スピントランスファートルク(STT)により反転させる。
次いで、図2(c)及び(d)に示すように、スイッチSW2を閉じ、マルチフェロイック層2に電界を加える。マルチフェロイック層2に電界が印加されると、マルチフェロイック層2は誘電分極の方向を反転する。誘電分極によって生じる電界は、強磁性層1のバンド構造を変え、強磁性層1のスピン分極率を変調する。
例えば、マルチフェロイック層2に正電圧を印加する(図2(c)電圧VB方向)と、電界によって強磁性層1のダウンスピンのバンド構造にバンドベンディングが誘起される。そのため、強磁性層1のマルチフェロイック層2側の界面に少数スピンキャリアが誘起され、強磁性層1のスピン分極率は減少する。図2(c)及び(d)では、スピン分極率の減少を矢印の大きさで模式的に図示している。
図2(c)及び(d)に示すように、強磁性層1のスピン分極率が減少した状態でも、第2強磁性層30と強磁性層1の磁化の向きが反平行の第3状態(図2(c))と、第2強磁性層30と強磁性層1の磁化の向きが平行の第4状態(図2(d))と、の2状態をとる。
すなわちスピン変調素子100は、スイッチSW1とスイッチSW2を制御することで、4つの状態が生み出される。4つの状態は、第1状態、第3状態、第4状態、第2状態の順で抵抗値が大きい。
またスピン変調素子100は、強磁性層1とマルチフェロイック層2の間に、磁化ピン止め補強層3を有するため、強磁性層1の磁化は強く固定される。そのため、4つの状態のいずれの状態においても、強磁性層1の磁化の安定性を高めることができる。その結果、熱等の外因で4つの状態が不安定化することが抑制され、4つの状態のそれぞれの抵抗値をデータとして安定的に保持、出力できる。すなわち、データが外因により書き換わることを防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
1…強磁性層、2…マルチフェロイック層、3…磁化ピン止め補強層、10…積層構造体、20…非磁性層、30…第2強磁性層、100…スピン変調素子、SW1,SW2…スイッチ
Claims (6)
- 強磁性層と、
マルチフェロイック層と、
前記強磁性層と前記マルチフェロイック層との間に挟まれ、前記強磁性層よりも飽和磁化が大きい強磁性体を含む磁化ピン止め補強層と、を備える、積層構造体。 - 前記磁化ピン止め補強層の厚みが、0.5nm以上10nm以下である、請求項1に記載の積層構造体。
- 前記強磁性層はハーフメタルを含み、
前記磁化ピン止め補強層は、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属及びこれらの金属を1種以上含み強磁性を示す化合物を含む、請求項1又は2のいずれかに記載の積層構造体。 - 前記ハーフメタルがCo2XSi(XはFe又はMn)で表記される化合物である、請求項3に記載の積層構造体。
- 前記マルチフェロイック層は、BiFeO3、BiMnO3、GaFeO3、YMnO3、CuFeO2、Cr2O3、Ni3Bi7O13I、LiMnPO4、Y3Fe5O12、GaAlFeO3、TbPO4、LiCoPO4からなる群から選択されるいずれかを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層構造体。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層構造体と、
前記積層構造体の前記強磁性層に順に積層された非磁性層及び第2強磁性層と、を備える、スピン変調素子。
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