JP2015178700A - 障子及び建具 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明の実施の形態である障子を適用した建具を示したものである。ここで例示する建具は、図1〜図7に示すように、開口枠10に固定した固定障子20と、開口枠10に対して左右にスライドするように配設した可動障子30とを備えた片引き窓と称されるものである。開口枠10は、上枠部材11、下枠部材12及び一対の縦枠部材13,14を四周枠組みすることによって構成したものである。本実施の形態では、特に、四周の枠部材11,12,13,14をそれぞれ木材によって構成した開口枠10を適用している。固定障子20は、外形が矩形状を成す固定複層面材21のそれぞれの周縁部に固定上框(框部材)22、固定下框(框部材)23、固定戸先框(框部材)24、固定戸尻框(框部材)25を接合することによって構成したものである。可動障子30は、外形が矩形状を成す可動複層面材31のそれぞれの周縁部に可動上框(框部材)32、可動下框(框部材)33、可動戸先框(框部材)34、可動戸尻框(框部材)35を接合することによって構成したものである。図1からも明らかなように、固定障子20は、可動障子30よりも左右の幅が大きく構成してあり、室内側から見た場合に開口枠10の左側となる部位に配設してある。可動障子30は、開口枠10と固定障子20とによって構成される開口枠10の内部開口15を開閉するように固定障子20よりも室内側となる部位に配設してある。尚、以下において開口枠10の縦枠部材を区別する場合には、図1において左側に位置する縦枠部材を「固定縦枠13」と称し、右側に位置する縦枠部材を「戸先縦枠14」と称することとする。
図2及び図7に示すように、固定障子20の固定複層面材21は、3枚の固定ガラス板211,212,213を接合することによって構成したものである。3枚の固定ガラス板211,212,213は、それぞれ矩形状を成すもので、2枚が同じ外形寸法を有し、残りの1枚が他の2枚に対して縦横の寸法がそれぞれ小さくなるように構成してある。以下においては便宜上、外形寸法の大きい固定ガラス板を「第1固定ガラス板(第1の面材)211」及び「第2固定ガラス板(第2の面材)212」と称し、外形寸法の小さい固定ガラス板を「第3固定ガラス板(第3の面材)213」と称することとする。
図2及び図5に示すように、可動障子30の可動複層面材31は、固定障子20の固定複層面材21と同様、3枚の可動ガラス板311,312,313を接合することによって構成したものである。3枚の可動ガラス板311,312,313は、それぞれ矩形状を成すもので、2枚が同じ外形寸法を有し、残りの1枚が他の2枚に対して縦横の寸法がそれぞれ小さくなるように構成してある。以下においては便宜上、外形寸法の大きい可動ガラス板を「第1可動ガラス板(第1の面材)311」及び「第2可動ガラス板(第2の面材)312」と称し、外形寸法の小さい可動ガラス板を「第3可動ガラス板(第3の面材)313」と称することとする。
図2、図5及び図8に示すように、可動障子30には、可動上框32、可動下框33、可動戸先框34及び可動戸尻框35のそれぞれにスライド溝32b,33b,34b,35bが形成してあるとともに、可動戸尻框35に操作ハンドル50が設けてある。
図5、図9、図10に示すように、可動障子30には、可動上框32において長手方向のほぼ中間となる部位にガイド部材60が設けてある。ガイド部材60は、ガイドアーム61と、ガイドアーム61の両端部に配設したガイドローラ62とを備えて構成したものである。ガイドアーム61は、両端部が可動障子30の見付け面からそれぞれ突出することのできる長さを有した幅の狭い板状部材である。このガイドアーム61は、長手方向のほぼ中間となる位置に支持ピン63を有しており、支持ピン63を介して支持アーム64の先端部に旋回可能に支持させてある。支持アーム64は、可動上框32に形成したスライド溝32bにおいて上方スライド部材40Aの基部41と一対のリブ部42とによって囲まれる空間に配設した長尺の薄板部材であり、基端部を介して取付ネジ65により可動上框32の上面に支持させてある。この支持アーム64は、一対のリブ部42の相互間隔よりも小さい幅に形成してあり、取付ネジ65を軸心として先端部が一対のリブ部42の間で移動可能である。
ガイドアーム61の一方の端部には、規制アーム66の一端部が連係してある。規制アーム66は、図11及び図12に示すように、基端部を介して操作アーム67の先端部に回転可能に支持させたものである。操作アーム67は、可動上框32の上面に配設した長尺部材であり、可動上框32の長手方向に沿ってのみスライドできるように2つのスライドガイド68を介して可動上框32の上面に支持させてある。この操作アーム67は、戸先側にスライドさせた場合に基端部が可動戸先框34の戸先面から突出することのできる長さに形成してある。
図17〜図19に示すように、可動障子30の可動下框33には、引き寄せ機構70が設けてある。引き寄せ機構70は、ベースブロック71と引き寄せ部材72とを備えて構成したものである。ベースブロック71は、可動下框33の下面に形成した収容切欠33cの内部に配設してある。収容切欠33cは、可動下框33に形成したスライド溝33bに連通するように形成したものである。このベースブロック71は、下方スライド部材40Bに連結してあるとともに、両端部に形成した長孔71aを介して可動下框33にそれぞれスライドネジ73を螺合させることにより、可動下框33の長手方向に沿ってスライド可能に支持させてある。引き寄せ部材72は、ベースブロック71の下面に配設した平板状部材であり、可動下框33の戸尻側に螺合させた一方のスライドネジ73により、基端部を介してベースブロック71と共締めしてある。この引き寄せ部材72には、下部カム孔74及び当接片75が設けてある。下部カム孔74は、図20に示すように、基端側から先端側に向けてほぼ直線状に延在した後、漸次下方スライド部材40Bから離隔する方向に傾斜し、さらに先端側に向けてほぼ直線状に延在している。この下部カム孔74には、カムピン76が貫通している。カムピン76は、ベースブロック71に設けた円柱状部材であり、下部カム孔74にスライド可能に嵌合するとのできる外径に形成してある。当接片75は、図5及び図6に示すように、引き寄せ部材72の先端部において第1可動ガラス板311に近接する縁部から下方に向けて突出した平板部分である。同図からも明らかなように、この当接片75は、突出した下端面の位置が戸車36の下部周面よりもわずかに下方に突出するように形成してある。
上述した可動障子30をスライド可能に支持する開口枠10には、図2及び図5に示すように、下枠部材12にガイドレール100及びスライド収容溝110が設けてある一方、上枠部材11にガイド溝120及び収容部130が設けてある。
上記のように構成した開口枠10に対して可動障子30を支持させるには、まず、操作アーム67を戸先に向けてスライドさせるとともに、操作ハンドル50を収容凹部35cから突出させた状態に維持する。この状態においては、ガイド部材60が退避姿勢に維持されるため、可動上框32を上枠部材11のガイド溝120に収容させることができるとともに、ガイド部材60を収容部130に収容することが可能となる。また、引き寄せ部材72の当接片75が第1可動ガラス板311のカバー部材318に当接した状態となるため、可動障子30の第1可動ガラス板311及び第2可動ガラス板312を下枠部材12のスライド収容溝110に容易に収容することが可能となる。
図2、図3、図21、図22に示すように、固定戸尻框25と可動戸尻框35との間に設けた戸尻直交引き寄せ機構80は、固定戸尻框25に戸尻係合ピン81を備える一方、可動戸尻框35に引き寄せプレート82を備えている。戸尻係合ピン81は、図3に示すように、円柱状を成す軸部81aの先端部に外径の大きな頭部81bを有したもので、軸部81aを介して固定戸尻框25の固定側対向面25aから突設してある。戸尻係合ピン81の軸部81aには、外周を覆うようにカラー部材83が配設してある。図2及び図3に示すように、戸尻係合ピン81の頭部81bは、軸部81aに対して室内側にオフセットして設けてあり、カラー部材83の周面に対して室内側に位置する部分のみが径方向に突出している。図には明示していないが、戸尻係合ピン81は、固定戸尻框25の上方部及び下方部の2箇所に配設してある。図2に示すように、戸尻係合ピン81の軸部81aは、可動障子30を閉じた場合に固定側対向面25aに対向する可動戸尻框35の可動側対向面35aとの間に確保される隙間よりも大きな長さを有するように形成してある。
図2、図3、図23、図24に示すように、戸先縦枠14と可動戸先框34との間に設けた戸先直交引き寄せ機構90は、戸先縦枠14の戸先収容溝140において戸先スライド部材40Cに対向する部位に戸先係合ピン91を備える一方、可動戸先框34の戸先スライド部材40Cに戸先カム孔92を有している。戸先係合ピン91は、戸尻係合ピン81と同様、円柱状を成す軸部91aの外周部にカラー部材93を備えるとともに、軸部91aの先端部において室内側にオフセットした位置に外径の大きな頭部91bを有したもので、軸部91aを介して戸先収容溝140の上方部及び下方部からそれぞれ突設してある。図2に示すように、戸先係合ピン91の軸部91aは、可動障子30を閉じた場合に戸先収容溝140の見込み面と可動戸先框34の戸先面との間に確保される隙間よりも大きな長さを有するように形成してある。
上述したように、操作ハンドル50が収容凹部35cから突出された状態にある場合には、図2及び図5に示すように、上枠部材11、下枠部材12及び戸先縦枠14に設けた可動タイト材150と、固定障子20の固定戸尻框25に設けた可動タイト材150とが、いずれも可動障子30の第2可動ガラス板312から離隔した状態にある。従って、この建具によれば、開口枠10の内部開口15を開閉すべく可動障子30をスライドさせる際の操作力を低減することが可能となる。
上述した実施の形態では、建具として片引き窓を例示しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、図25及び図26に示す変形例に示すように、開き窓として構成することも可能である。すなわち、この変形例では、実施の形態で適用した固定障子20と同様の障子420を適用し、戸尻框425を開口枠410の縦枠部材414にヒンジ450によって支持させる一方、戸先框424において室内側に臨む見付け面に開閉用の把手451を設けることによって開き窓を構成している。複層面材421は、第1ガラス板4211、第2ガラス板4212及び第3ガラス板4213を備えている。第3ガラス板4213は、第1ガラス板4211及び第2ガラス板4212よりも縦横の寸法が小さく構成してある。
Claims (4)
- 互いに同一の外形寸法を有した矩形状を成し、周縁部にスペーサ部材を介在させることにより相互間に断熱空間を確保した状態で接合した第1の面材及び第2の面材と、
前記第1の面材よりも外形寸法の小さい矩形状を成し、少なくとも一辺の端面が同一の平面上に位置した状態で周縁部にスペーサ部材を介在させることにより、前記第1の面材との間に断熱空間を確保した状態で前記第1の面材に接合した第3の面材と
を備え、前記第3の面材の端面に対して前記第1の面材の端面が突出する周縁部については前記第1の面材の表面に框部材を接合する一方、前記第3の面材の端面に対して前記第1の面材の端面が一致する周縁部については前記第3の面材の表面に框部材を接合したことを特徴とする障子。 - 前記第1の面材は、少なくとも戸先に位置する端面が前記第3の面材よりも突出するように接合したことを特徴とする請求項1に記載の障子。
- 前記第1の面材は、前記第3の面材よりも縦横の寸法がそれぞれ大きい矩形状を成し、戸先に位置する端面及び戸先に隣接する2つの端面がいずれも前記第3の面材よりも突出するように接合したことを特徴とする請求項1に記載の障子。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の障子を用いて構成したことを特徴とする建具。
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