JP2015178700A - 障子及び建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】見込み方向に沿った寸法を大きく増大させることなく、より断熱性の向上を図ること。【解決手段】周縁部にスペーサ部材214を介在させることにより相互間に断熱空間215を確保した状態で接合した第1固定ガラス板211及び第2固定ガラス板212と、第1固定ガラス板211よりも外形寸法の小さい矩形状を成し、戸尻側の端面が同一の平面上に位置した状態で周縁部にスペーサ部材216を介在させることにより、第1固定ガラス板211との間に断熱空間217を確保した状態で接合した第3固定ガラス板213とを備え、第3固定ガラス板213の端面に対して第1固定ガラス板211の端面が突出する周縁部では第1固定ガラス板211の表面に框部材22,23,24を接合する一方、第1固定ガラス板211の端面が一致する周縁部では第3固定ガラス板213の表面に框部材25を接合した。【選択図】図7

Description

本発明は、障子及び建具に関するものであり、特に3枚以上の面材を備えた障子及び建具に関するものである。
従来より、室内と室外とを仕切る位置に設けられた建具では、室内と室外との間の断熱性を向上させるため、複数の面材から成る複層面材を適用したものが提供されている。この種の建具では、ガラス板の相互間に断熱空間が構成されるため、面材部分を介した熱の出入りを抑制することができるようになる。昨今においては、断熱性をより向上させるため、障子の面材として3枚以上のガラス板を用いた建具も提供されている。こうした建具によれば、複数層の断熱空間が室内と室外との間に介在することになるため、面材部分を通じた熱の出入りを抑制する効果が一層顕著となる(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
独国特許出願公開第102009012202号明細書 特開2002−61459号公報
ところで、障子の面材には、開口枠に支持させるために四周に框部材を設ける必要がある。框部材は、アルミニウム等の金属や樹脂によって成形されたものであるが、室内及び室外の両方に臨んで配置される部分である。このため、面材に複層ガラスを用いた建具にあっても、框部材がヒートブリッジとなって断熱性に影響を与えるおそれがある。上述した特許文献1及び特許文献2においては、室外側に位置するガラス板によって框部材の室外側に臨む見付け面を覆うようにしたものも記載されている。しかしながら、こうした建具においても、ガラス板と框部材との間で熱の授受があるため、結局、ガラス板及び框部材がヒートブリッジとなり、断熱性を改善するには至らない。
上述の問題を解決するには、面材の室内側に位置する表面に框部材を設けることが考えられる。しかしながら、複層ガラスである面材の表面に框部材を設けた場合には、障子の見込み方向に沿った寸法が大幅に増大することになる。特に、戸先に位置する框部材には、把手や錠装置等の部品が設けられる場合が多い。このため、戸先に位置する框部材については、見込み方向に沿った寸法も大きく設定されている場合が多く、障子の見込み方向に沿った寸法を増大させる要因となる。
本発明は、上記実情に鑑みて、見込み方向に沿った寸法を大きく増大させることなく、より断熱性の向上を図ることのできる障子及び建具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る障子は、互いに同一の外形寸法を有した矩形状を成し、周縁部にスペーサ部材を介在させることにより相互間に断熱空間を確保した状態で接合した第1の面材及び第2の面材と、前記第1の面材よりも外形寸法の小さい矩形状を成し、少なくとも一辺の端面が同一の平面上に位置した状態で周縁部にスペーサ部材を介在させることにより、前記第1の面材との間に断熱空間を確保した状態で前記第1の面材に接合した第3の面材とを備え、前記第3の面材の端面に対して前記第1の面材の端面が突出する周縁部については前記第1の面材の表面に框部材を接合する一方、前記第3の面材の端面に対して前記第1の面材の端面が一致する周縁部については前記第3の面材の表面に框部材を接合したことを特徴とする。
この発明によれば、框部材の表面に断熱空間を設けているため、框部材を通じた熱の出入りを抑制することができ、断熱性を向上させることができる。しかも、第3の面材の端面に対して第1の面材の端面が突出する周縁部については第1の面材の表面に框部材を設けているため、第1の面材と第3の面材との間に確保した断熱空間の分だけ見込み方向に沿った寸法を削減することができ、障子の見込み方向に沿った寸法の増大を抑えることが可能となる。
また本発明は、上述した障子において、前記第1の面材は、少なくとも戸先に位置する端面が前記第3の面材よりも突出するように接合したことを特徴とする。
この発明によれば、少なくとも障子の戸先においては第1の面材と第3の面材との間に確保した断熱空間の分だけ見込み方向に沿った寸法を削減することができる。
また本発明は、上述した障子において、前記第1の面材は、前記第3の面材よりも縦横の寸法がそれぞれ大きい矩形状を成し、戸先に位置する端面及び戸先に隣接する2つの端面がいずれも前記第3の面材よりも突出するように接合したことを特徴とする。
この発明によれば、戸尻を除く3方の周縁部において框部材が第1の面材の表面に接合されることになり、それぞれにおいて第1の面材と第3の面材との間に確保した断熱空間の分だけ見込み方向に沿った寸法を削減することができる。
また本発明に係る建具は、上述したいずれかに記載の障子を用いて構成したことを特徴とする。
この発明においても、框部材の表面に断熱空間を設けているため、框部材を通じた熱の出入りを抑制することができ、断熱性を向上させることができる。しかも、少なくとも障子の戸先については、第1の面材の表面に框部材を設けているため、第1の面材と第3の面材との間に確保した断熱空間の分だけ見込み方向に沿った寸法を削減することができ、障子の見込み方向に沿った寸法の増大を抑えることが可能となる。
本発明によれば、框部材の表面に断熱空間を設けているため、框部材を通じた熱の出入りを抑制することができ、断熱性を向上させることができる。しかも、少なくとも障子の戸先については、第1の面材の表面に框部材を設けているため、第1の面材と第3の面材との間に確保した断熱空間の分だけ見込み方向に沿った寸法を削減することができ、障子の見込み方向に沿った寸法の増大を抑えることが可能となる。さらに、第1の面材、第2の面材及び第3の面材は、戸尻の端面が同一平面上に位置するため、製造工程においては、この端面を基準として容易に組み立てることが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態である建具を室内側から見た斜視図である。 図2は、図1に示した建具において障子を閉じた際の横断面図である。 図3は、図1に示した建具において障子を少し開いた際の横断面図である。 図4は、図1に示した建具において障子を閉じた状態で室外側に移動させた状態の横断面図である。 図5は、図1に示した建具においてスライドする障子の部分の縦断面図である。 図6は、図1に示した建具においてスライドする障子を室外側に移動させた状態の縦断面図である。 図7は、図1に示した建具においてスライドしない障子の部分の縦断面図である。 図8は、図1に示した建具の障子に適用する操作ハンドルの拡大断面図である。 図9は、図1に示した建具の障子に適用するガイド部材の拡大平面図である。 図10は、図9に示したガイド部材の断面図である。 図11は、図9に示したガイド部材が突出姿勢となった際の斜視図である。 図12は、図9に示したガイド部材が退避姿勢となった際の斜視図である。 図13は、図9に示したガイド部材が退避姿勢となった際の平面図である。 図14は、図9に示したガイド部材が退避姿勢となった際の要部縦断面図である。 図15は、図9に示したガイド部材が突出姿勢の状態で障子に対して室外側に移動された状態の平面図である。 図16は、図9に示したガイド部材が突出姿勢の状態で障子に対して室内側に移動された状態の平面図である。 図17は、図1に示した建具の障子を下方から見た透視斜視図である。 図18は、図1に示した建具に適用する引き寄せ機構を下方から見た斜視図である。 図19は、図18に示した引き寄せ機構が動作した状態を下方から見た斜視図である。 図20は、図18に示した引き寄せ機構の動作を順に示すための平面図である。 図21は、図1に示した建具に適用する戸尻側の直交引き寄せ機構の要部拡大断面図である。 図22は、図21に示した直交引き寄せ機構が動作した状態の要部拡大断面図である。 図23は、図1に示した建具に適用する戸先側の直交引き寄せ機構の要部拡大図である。 図24は、図23に示した直交引き寄せ機構が動作した状態の要部拡大図である。 図25は、図1に示した建具の変形例を示す横断面図である。 図26は、図25に示した建具の縦断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る障子及び建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である障子を適用した建具を示したものである。ここで例示する建具は、図1〜図7に示すように、開口枠10に固定した固定障子20と、開口枠10に対して左右にスライドするように配設した可動障子30とを備えた片引き窓と称されるものである。開口枠10は、上枠部材11、下枠部材12及び一対の縦枠部材13,14を四周枠組みすることによって構成したものである。本実施の形態では、特に、四周の枠部材11,12,13,14をそれぞれ木材によって構成した開口枠10を適用している。固定障子20は、外形が矩形状を成す固定複層面材21のそれぞれの周縁部に固定上框(框部材)22、固定下框(框部材)23、固定戸先框(框部材)24、固定戸尻框(框部材)25を接合することによって構成したものである。可動障子30は、外形が矩形状を成す可動複層面材31のそれぞれの周縁部に可動上框(框部材)32、可動下框(框部材)33、可動戸先框(框部材)34、可動戸尻框(框部材)35を接合することによって構成したものである。図1からも明らかなように、固定障子20は、可動障子30よりも左右の幅が大きく構成してあり、室内側から見た場合に開口枠10の左側となる部位に配設してある。可動障子30は、開口枠10と固定障子20とによって構成される開口枠10の内部開口15を開閉するように固定障子20よりも室内側となる部位に配設してある。尚、以下において開口枠10の縦枠部材を区別する場合には、図1において左側に位置する縦枠部材を「固定縦枠13」と称し、右側に位置する縦枠部材を「戸先縦枠14」と称することとする。
(固定障子20の構成)
図2及び図7に示すように、固定障子20の固定複層面材21は、3枚の固定ガラス板211,212,213を接合することによって構成したものである。3枚の固定ガラス板211,212,213は、それぞれ矩形状を成すもので、2枚が同じ外形寸法を有し、残りの1枚が他の2枚に対して縦横の寸法がそれぞれ小さくなるように構成してある。以下においては便宜上、外形寸法の大きい固定ガラス板を「第1固定ガラス板(第1の面材)211」及び「第2固定ガラス板(第2の面材)212」と称し、外形寸法の小さい固定ガラス板を「第3固定ガラス板(第3の面材)213」と称することとする。
第1固定ガラス板211及び第2固定ガラス板212は、それぞれの周縁部にスペーサ部材214を介在させた状態で相互に接合してあり、互いの間に断熱空間215を構成している。第3固定ガラス板213は、それぞれの周縁部にスペーサ部材216を介在させた状態で第1固定ガラス板211の表面に接合してあり、第1固定ガラス板211との間に断熱空間217を構成している。図からも明らかなように、第1固定ガラス板211は、第3固定ガラス板213に対して戸尻となる端面(図2において右側の端面)が互いに同一の平面上に位置し、かつ戸先(図2において左側)、上縁及び下縁となる他の端面については第3固定ガラス板213の端面からそれぞれ突出した状態にある。
固定複層面材21の戸先、上縁及び下縁となる周縁部には、カバー部材218及びエンドカバー219が設けてある。カバー部材218は、第1固定ガラス板211の表面から第1固定ガラス板211の端面及び第2固定ガラス板212の端面にわたる部分を覆うものである。本実施の形態では、アルミニウム合金等の金属によって成形したカバー部材218を適用し、第1固定ガラス板211の表面に接着することで、第1固定ガラス板211の端面及び第2固定ガラス板212の端面を覆うようにしている。カバー部材218と第1固定ガラス板211の端面及び第2固定ガラス板212の端面との間には、それぞれシール材220が充填してある。エンドカバー219は、第2固定ガラス板212の表面からカバー部材218を介して第1固定ガラス板211の端面及び第2固定ガラス板212の端面にわたる部分を覆うものである。エンドカバー219についてもアルミニウム合金等の金属によって成形したものを適用し、カバー部材218に接着することで、固定複層面材21の端部に配設してある。
上述した固定複層面材21に対して、固定上框22、固定下框23及び固定戸先框24は、それぞれ第3固定ガラス板213の周縁部表面及び第3固定ガラス板213から突出する第1固定ガラス板211の表面を覆うように設けてあり、固定戸尻框25は、第3固定ガラス板213の表面を覆うように設けてある。これらの固定框22,23,24,25は、木材もしくは樹脂材によって成形したものである。
固定上框22、固定下框23及び固定戸先框24については、互いに見込み方向に沿った寸法がほぼ同じとなるように構成してあり、上述したカバー部材218の一部を覆う状態で第1固定ガラス板211の表面に接合してある。固定上框22、固定下框23及び固定戸先框24のそれぞれは、外周側の端面が第1固定ガラス板211の端面よりも退行する位置に接合してある。換言すれば、第1固定ガラス板211は、固定上框22、固定下框23及び固定戸先框24のそれぞれの端面よりも突出しており、固定上框22、固定下框23及び固定戸先框24の一方の見付け面22a,23a,24aを完全に覆った状態にある。
一方、固定戸尻框25は、見込み方向に沿った寸法が内周側よりも外周側が大きくなるように段状に構成してあり、互いの間に固定側対向面25aを構成している。固定戸尻框25の内周側となる部分の見込み方向に沿った寸法は、第3固定ガラス板213からの突出量が他の固定框22,23,24とほぼ同じとなるように構成してある。固定戸尻框25の外周側端部には、召合わせカバー部材221が設けてある。召合わせカバー部材221は、固定戸尻框25の端面及び3枚の固定ガラス板211,212,213の端面を覆うもので、アルミニウム合金等の金属によって成形してある。
上記のように構成した固定障子20は、第2固定ガラス板212が室外側に配置される状態で固定戸先框24、固定上框22及び固定下框23を介して開口枠10に取り付けてある。より具体的には、戸先縦枠14を除くそれぞれの枠部材11,12,13において固定障子20を取り付ける部分の見込み面にアルミニウム合金等の金属によって成形した支持枠部材16が設けてあり、個々の支持枠部材16に対して対応する枠部材11,12,13を固定することで固定障子20が開口枠10に取り付けてある。支持枠部材16と固定障子20との間には、それぞれの支持枠部材16に設けた固定タイト材17が固定障子20のカバー部材218に圧接することで所望の気密性及び水密性が確保してある。
(可動障子30の構成)
図2及び図5に示すように、可動障子30の可動複層面材31は、固定障子20の固定複層面材21と同様、3枚の可動ガラス板311,312,313を接合することによって構成したものである。3枚の可動ガラス板311,312,313は、それぞれ矩形状を成すもので、2枚が同じ外形寸法を有し、残りの1枚が他の2枚に対して縦横の寸法がそれぞれ小さくなるように構成してある。以下においては便宜上、外形寸法の大きい可動ガラス板を「第1可動ガラス板(第1の面材)311」及び「第2可動ガラス板(第2の面材)312」と称し、外形寸法の小さい可動ガラス板を「第3可動ガラス板(第3の面材)313」と称することとする。
可動複層面材31は、固定障子20の固定複層面材21とは左右の幅が異なるものの、第1可動ガラス板311と第2可動ガラス板312とが同じ外形寸法を有し、スペーサ部材314を介して互いに接合することにより相互間に断熱空間315を構成している点、第3可動ガラス板313が第1可動ガラス板311よりも縦横の寸法が小さく、スペーサ部材316を介して互いに接合することにより相互間に断熱空間317を構成している点、第1可動ガラス板311は第3可動ガラス板313に対して戸尻となる端面(図2において右側の端面)が互いに同一の平面上に位置し、かつ戸先(図2において左側)、上縁及び下縁となる他の端面については第3可動ガラス板313の端面からそれぞれ突出した状態にある点はいずれも固定障子20の固定複層面材21と共通である。
可動複層面材31の戸先、上縁及び下縁となる周縁部には、カバー部材318が設けてある。カバー部材318は、アルミニウム合金等の金属によって成形したもので、第1可動ガラス板311の表面から第1可動ガラス板311の端面及び第2可動ガラス板312の端面にわたる部分を覆うように、第1可動ガラス板311の表面に接着してある。カバー部材318と第1可動ガラス板311の端面及び第2可動ガラス板312の端面との間には、それぞれシール材320が充填してある。
上述した可動複層面材31に対して、可動上框32、可動下框33及び可動戸先框34は、それぞれ第3可動ガラス板313の周縁部表面及び第3可動ガラス板313から突出する第1可動ガラス板311の表面を覆うように設けてあり、可動戸尻框35は、第3可動ガラス板313の周縁部表面及び3枚の可動ガラス板311,312,313の端面を覆うように設けてある。これらの可動框32,33,34,35は、固定框22,23,24,25と同様、木材もしくは樹脂材によって成形したものである。
可動上框32、可動下框33及び可動戸先框34については、見込み方向に沿った寸法がほぼ同じとなるように構成してあり、上述したカバー部材318の一部を覆う状態で第1可動ガラス板311の表面に接合してある。可動上框32、可動下框33及び可動戸先框34のそれぞれは、外周側の端面が第1可動ガラス板311の端面よりも退行する位置に接合してある。換言すれば、第1可動ガラス板311は、可動上框32、可動下框33及び可動戸先框34のそれぞれの端面よりも突出しており、可動上框32、可動下框33及び可動戸先框34の一方の見付け面32a,33a,34aを完全に覆った状態にある。
一方、可動戸尻框35において第3可動ガラス板313の周縁部表面を覆う部分は、第3可動ガラス板313からの突出量が他の可動框32,33,34とほぼ同じとなるように構成してある。可動戸尻框35において3枚の可動ガラス板311,312,313の端面を覆う部分は、第2可動ガラス板312側の見付け面が段状となるように構成してある。すなわち、可動戸尻框35において第2可動ガラス板312側に位置する見付け面は、内周側部分が第2可動ガラス板312の表面とほぼ同じ平面上に位置し、かつ外周側部分が第2可動ガラス板312の表面よりも突出するように構成してあり、互いの間に可動側対向面35aを構成している。
図5及び図17に示すように、この可動障子30には、可動下框33に複数の戸車36が設けてある。戸車36は、それぞれの下部周面が可動下框33の下面から下方に突出するように配設したもので、水平方向に沿ったガイド面に載置させた場合に適宜転動することにより可動障子30を可動下框33の長手方向に沿ってスライドさせることが可能である。図からも明らかなように、本実施の形態では、戸車36の下部周面が第1可動ガラス板311の端面及び第2可動ガラス板312の端面よりも上方に位置するように構成してある。
(可動障子30に設けたスライド部材40及び操作ハンドル50の構成)
図2、図5及び図8に示すように、可動障子30には、可動上框32、可動下框33、可動戸先框34及び可動戸尻框35のそれぞれにスライド溝32b,33b,34b,35bが形成してあるとともに、可動戸尻框35に操作ハンドル50が設けてある。
スライド溝32b,33b,34b,35bは、各可動框32,33,34,35の長手方向に沿って形成した空所である。可動上框32、可動下框33及び可動戸先框34には、それぞれの見込み面に開口し、かつ見込み方向に沿った位置が互いに共通となるようにスライド溝32b,33b,34bが形成してある。本実施の形態では、それぞれの一側面に第1可動ガラス板311に設けたカバー部材318が露出するようにスライド溝32b,33b,34bが形成してある。これに対して可動戸尻框35には、3枚の可動ガラス板311,312,313の端面よりも外周側で、かつ可動側対向面35aよりも内周側となる部位に、上下両端面に開口するようにスライド溝35bが形成してある。このスライド溝35bの見込み方向に沿った位置は、他の可動框32,33,34に形成したスライド溝32b,33b,34bと共通である。
それぞれのスライド溝32b,33b,34b,35bには、スライド部材40が配設してある。スライド部材40は、各可動框32,33,34,35の長手方向に沿ってのみスライド可能となるようにスライド溝32b,33b,34b,35bに収容した長尺部材である。可動上框32、可動戸先框34及び可動戸尻框35に配設したスライド部材40は、幅の狭い平板状を成す基部41と、基部41の両側縁部から直角となる方向に突出した一対のリブ部42とを一体に成形したもので、基部41が各可動框32,33,34の見込み面に対してほぼ平行となる状態でスライド溝32b,33b,34bに収容してある。これに対して可動下框33に適用するスライド部材40は、平板状を成すもので、可動下框33の下面に対してほぼ直交する状態でスライド溝35bに収容してある。可動上框32、可動下框33及び可動戸先框34については、それぞれのスライド溝32b,33b,34bに露出するカバー部材318がスライド部材40に当接しており、第1可動ガラス板311に近接する方向へのスライド部材40の移動が規制された状態にある。図には明示していないが、それぞれの可動框32,33,34,35に配設したスライド部材40は、互いに連動してスライドするように、それぞれの端部の間が可撓性を有した動力伝達部材によって連結してある。尚、以下においてスライド部材40を区別する場合には、可動上框32のスライド部材を「上方スライド部材40A」、可動下框33のスライド部材を「下方スライド部材40B」、可動戸先框34のスライド部材を「戸先スライド部材40C」、可動戸尻框35のスライド部材を「戸尻スライド部材40D」と称することとする。
操作ハンドル50は、図8に示すように、可動戸尻框35の戸尻面に設けた収容凹部35cに支持軸51を介して回転可能に配設してあり、図8中の実線で示すように、可動戸尻框35の収容凹部35cに収容された状態から、図1や図8中の二点鎖線で示すように、可動戸尻框35の収容凹部35cから突出した状態まで移動することが可能である。この操作ハンドル50は、可動戸尻框35に設けた戸尻スライド部材40Dに連係してあり、支持軸51の軸心回りに回転するように操作することで、戸尻スライド部材40Dを介してすべてのスライド部材40をスライドさせることが可能である。本実施の形態では、操作ハンドル50を収容凹部35cに収容させる方向に操作した場合、戸尻スライド部材40Dが上方に向かってスライドし、これに伴って上方スライド部材40Aが戸先に向かってスライドし、戸先スライド部材40Cが下方に向かってスライドし、下方スライド部材40Bが戸尻に向かってスライドするように構成してある。逆に、操作ハンドル50を収容凹部35cから突出する方向に操作した場合には、戸尻スライド部材40Dが下方に向かってスライドし、これに伴って上方スライド部材40Aが戸尻に向かってスライドし、戸先スライド部材40Cが上方に向かってスライドし、下方スライド部材40Bが戸先に向かってスライドすることになる。
図には明示していないが、操作ハンドル50と可動戸尻框35との間には、操作ハンドル50を収容凹部35cから突出した状態に付勢する付勢手段が介在させてある。付勢手段(図示せず)の付勢力に抗して操作ハンドル50を収容凹部35cに収容させた場合には、収容凹部35cに設けたラッチ52に係合させることにより、操作ハンドル50を収容凹部35cに収容した状態に配置することが可能である。ラッチ52を解除した場合には、付勢手段(図示せず)の付勢力により、操作ハンドル50が収容凹部35cから突出して操作可能状態となる。
(可動障子30に設けたガイド部材60及びシフト機構の構成)
図5、図9、図10に示すように、可動障子30には、可動上框32において長手方向のほぼ中間となる部位にガイド部材60が設けてある。ガイド部材60は、ガイドアーム61と、ガイドアーム61の両端部に配設したガイドローラ62とを備えて構成したものである。ガイドアーム61は、両端部が可動障子30の見付け面からそれぞれ突出することのできる長さを有した幅の狭い板状部材である。このガイドアーム61は、長手方向のほぼ中間となる位置に支持ピン63を有しており、支持ピン63を介して支持アーム64の先端部に旋回可能に支持させてある。支持アーム64は、可動上框32に形成したスライド溝32bにおいて上方スライド部材40Aの基部41と一対のリブ部42とによって囲まれる空間に配設した長尺の薄板部材であり、基端部を介して取付ネジ65により可動上框32の上面に支持させてある。この支持アーム64は、一対のリブ部42の相互間隔よりも小さい幅に形成してあり、取付ネジ65を軸心として先端部が一対のリブ部42の間で移動可能である。
上述したガイドアーム61は、上方スライド部材40Aの基部41に形成した上部カム孔43に支持ピン63を挿通させることにより、上方スライド部材40Aの外部に露出した状態で支持アーム64の先端部に支持させてある。上部カム孔43は、上方スライド部材40Aの長手方向に沿った2つの位置決め孔部43a,43bと、これら位置決め孔部43a,43bの間を連絡させる連係孔部43cとを有したものである。上部カム孔43の2つの位置決め孔部43a,43b及び連係孔部43cは、支持ピン63の外径にほぼ等しい幅に形成してある。図9に示すように、2つの位置決め孔部43a,43bは、互いに可動障子30の見込み方向にずれた位置に形成したものであり、連係孔部43cは、これらの端部間を連絡するように上方スライド部材40Aの長手方向に対して傾斜するように形成してある。支持ピン63を介して支持アーム64の先端部に支持させたガイドアーム61は、上方スライド部材40Aが可動上框32の長手方向に沿ってスライドした場合、相対的に上部カム孔43に対する支持ピン63の位置が2つの位置決め孔部43a,43bで変更されるため、可動複層面材31の第2可動ガラス板312に寄った位置と、第3可動ガラス板313に寄った位置とに移動されることになる。本実施の形態では、図9に示すように、上方スライド部材40Aの戸先側に位置する位置決め孔部43aが戸尻側に位置する位置決め孔部43bよりも可動複層面材31の第2可動ガラス板312に寄って位置しており、上方スライド部材40Aが戸先に向かって移動した場合にガイドアーム61が可動障子30に対して可動複層面材31の第3可動ガラス板313に寄って移動されるように上部カム孔43が形成してある。
ガイドローラ62は、周面がガイドアーム61から突出する状態でローラ軸62aを介してガイドアーム61の両端部に配設したものである。それぞれのガイドローラ62は、支持ピン63と平行となるローラ軸62aを中心として回転することが可能である。
(ガイド部材60を突出姿勢と退避姿勢とに変更するための構成)
ガイドアーム61の一方の端部には、規制アーム66の一端部が連係してある。規制アーム66は、図11及び図12に示すように、基端部を介して操作アーム67の先端部に回転可能に支持させたものである。操作アーム67は、可動上框32の上面に配設した長尺部材であり、可動上框32の長手方向に沿ってのみスライドできるように2つのスライドガイド68を介して可動上框32の上面に支持させてある。この操作アーム67は、戸先側にスライドさせた場合に基端部が可動戸先框34の戸先面から突出することのできる長さに形成してある。
上述の規制アーム66は、図9及び図11に示すように、操作アーム67を戸尻に向けてスライドさせた場合、ガイドアーム61が上方スライド部材40Aに対してほぼ直交し、ガイドアーム61の両端部がそれぞれ可動障子30の見付け面から突出した姿勢(突出姿勢)となるようにガイドアーム61を旋回させるように機能する。この状態においては、操作アーム67の基端面が可動戸先框34の戸先面とほぼ一致した状態となり、操作アーム67の基端部を可動戸先框34の上端部に設けた係止部材69に係止させれば、ガイドアーム61の両端部が可動障子30の見付け面から突出した状態に維持することが可能となる。
一方、操作アーム67の基端部と係止部材69との係止状態を解除し、図12及び図13に示すように、操作アーム67を戸先に向けてスライドさせた場合には、ガイドアーム61と規制アーム66との連結部が操作アーム67に引き寄せられるようにガイドアーム61が旋回することになる。図12に示すように、基端部が可動戸先框34の戸先面から突出させるまで操作アーム67をスライドさせた場合には、図13及び図14に示すように、ガイドアーム61及び一対のガイドローラ62がいずれも可動障子30の見込み方向に沿った幅内に配置された姿勢(退避姿勢)となる。
(引き寄せ機構70の構成)
図17〜図19に示すように、可動障子30の可動下框33には、引き寄せ機構70が設けてある。引き寄せ機構70は、ベースブロック71と引き寄せ部材72とを備えて構成したものである。ベースブロック71は、可動下框33の下面に形成した収容切欠33cの内部に配設してある。収容切欠33cは、可動下框33に形成したスライド溝33bに連通するように形成したものである。このベースブロック71は、下方スライド部材40Bに連結してあるとともに、両端部に形成した長孔71aを介して可動下框33にそれぞれスライドネジ73を螺合させることにより、可動下框33の長手方向に沿ってスライド可能に支持させてある。引き寄せ部材72は、ベースブロック71の下面に配設した平板状部材であり、可動下框33の戸尻側に螺合させた一方のスライドネジ73により、基端部を介してベースブロック71と共締めしてある。この引き寄せ部材72には、下部カム孔74及び当接片75が設けてある。下部カム孔74は、図20に示すように、基端側から先端側に向けてほぼ直線状に延在した後、漸次下方スライド部材40Bから離隔する方向に傾斜し、さらに先端側に向けてほぼ直線状に延在している。この下部カム孔74には、カムピン76が貫通している。カムピン76は、ベースブロック71に設けた円柱状部材であり、下部カム孔74にスライド可能に嵌合するとのできる外径に形成してある。当接片75は、図5及び図6に示すように、引き寄せ部材72の先端部において第1可動ガラス板311に近接する縁部から下方に向けて突出した平板部分である。同図からも明らかなように、この当接片75は、突出した下端面の位置が戸車36の下部周面よりもわずかに下方に突出するように形成してある。
図18及び図20の(a)に示すように、引き寄せ部材72は、ベースブロック71が最も戸先側に位置している場合、下部カム孔74の先端側にカムピン76が位置し、当接片75が第1可動ガラス板311のカバー部材318に当接した状態に配置される。この状態からベースブロック71が戸尻に向けてスライドすると、図19及び図20の(b)〜図20の(d)に示すように、下部カム孔74に対してカムピン76が漸次基端部側に移動するため、引き寄せ部材72がスライドネジ73を軸心として回転し、引き寄せ部材72の先端部が可動下框33の見込み方向に沿って第1可動ガラス板311のカバー部材318から離隔する方向に移動することになる。
(可動障子30をスライド可能に支持するための開口枠10の構成)
上述した可動障子30をスライド可能に支持する開口枠10には、図2及び図5に示すように、下枠部材12にガイドレール100及びスライド収容溝110が設けてある一方、上枠部材11にガイド溝120及び収容部130が設けてある。
ガイドレール100は、下枠部材12の上面に下枠部材12の長手方向に沿って配設した長尺部材であり、その上面に下方ガイド面101を有している。下方ガイド面101は、下枠部材12の上面に沿った平面であり、戸車36を載置することのできる幅に形成してある。下方ガイド面101の両側部分には、漸次上方に向けて緩やかに傾斜する傾斜面102が設けてある。これらの傾斜面102は、可動障子30の戸車36が下方ガイド面101と当接するように機能するものである。ガイドレール100において室外側に位置する部分には、上述した引き寄せ部材72の当接片75が当接するための引き寄せ当接面103が構成してある。
スライド収容溝110は、下枠部材12の上面においてガイドレール100よりも室外側となる部位に形成した凹部であり、下枠部材12の長手方向に沿って形成してある。このスライド収容溝110は、ガイドレール100の下方ガイド面101に可動障子30の戸車36を載置させた場合に可動下框33よりも下方に突出する第1可動ガラス板311の端部及び第2可動ガラス板312の端部と下枠部材12との干渉を回避するためのもので、これら第1可動ガラス板311及び第2可動ガラス板312の見込み方向に沿った寸法よりも大きな幅を有するように構成してある。
ガイド溝120は、上枠部材11の下面に上枠部材11の長手方向に沿って形成した凹部であり、見付け方向に沿った一対の上方ガイド面121を有している。上方ガイド面121は、上述したガイド部材60のガイドアーム61が突出姿勢となった場合にそれぞれの端部に配設したガイドローラ62の周面が当接することのできる間隔を有するように構成してある。
収容部130は、ガイド溝120の天面に形成した凹部である。この収容部130は、ガイド部材60のガイドアーム61及びガイドローラ62が退避姿勢となった場合にのみ、これらガイドアーム61及びガイドローラ62とともに、2つのスライドガイド68及び規制アーム66、操作アーム67を収容することのできる大きさに形成したものである。
また、開口枠10の戸先縦枠14には、見込み面に戸先収容溝140が形成してある。戸先収容溝140は、戸先縦枠14の長手方向に沿って形成した凹部であり、可動障子30の戸先を収容することのできる幅に形成してある。戸先収容溝140において室外側に位置する側面は、固定障子20の固定戸尻框25において室内側に臨む見付け面と同一の平面上に位置している。
(可動障子30を開口枠10に建て込む際の操作)
上記のように構成した開口枠10に対して可動障子30を支持させるには、まず、操作アーム67を戸先に向けてスライドさせるとともに、操作ハンドル50を収容凹部35cから突出させた状態に維持する。この状態においては、ガイド部材60が退避姿勢に維持されるため、可動上框32を上枠部材11のガイド溝120に収容させることができるとともに、ガイド部材60を収容部130に収容することが可能となる。また、引き寄せ部材72の当接片75が第1可動ガラス板311のカバー部材318に当接した状態となるため、可動障子30の第1可動ガラス板311及び第2可動ガラス板312を下枠部材12のスライド収容溝110に容易に収容することが可能となる。
この状態から先に可動障子30の可動上框32を上枠部材11のガイド溝120の内部に配置し、退避姿勢のガイド部材60を収容部130に収容させる状態で可動障子30を上方に移動させる。次いで、可動下框33が下枠部材12に近接するように可動障子30を移動させ、第1可動ガラス板311の端部及び第2可動ガラス板312の端部をスライド収容溝110に対向させるとともに、可動下框33に設けた戸車36をガイドレール100の下方ガイド面101に対向させ、可動障子30を下方に移動させて戸車36を下方ガイド面101に載置させる。最後に、戸先から突出した操作アーム67を戸尻に向けてスライドさせ、操作アーム67の基端部を可動戸先框34の係止部材69に係止させれば良い。
この状態においては、可動上框32に設けたガイド部材60のガイドアーム61が突出姿勢となるため、ガイドローラ62がそれぞれ上枠部材11に設けたガイド溝120のガイド面に当接することにより、上枠部材11に対して可動上框32が長手方向に沿ってスライド可能に支持される。また、可動下框33に設けた戸車36が下枠部材12に設けたガイドレール100の下方ガイド面101に当接することにより、下枠部材12に対して可動下框33が長手方向に沿ってスライド可能に支持される。従って、開口枠10に対して可動障子30をスライドさせることで、図2及び図3に示すように、開口枠10の内部開口15を開閉することが可能となる。
開口枠10に対して可動障子30を閉じた場合には、図2に示すように、固定障子20の固定戸尻框25と可動障子30の可動戸尻框35とが見込み方向に沿って並設されることになる。このとき、この建具では、固定戸尻框25に設けた固定側対向面25aと、可動戸尻框35に設けた可動側対向面35aとが互いの間に隙間を確保した状態で互いに近接して対向配置されることになる。
図2及び図5からも明らかなように、上枠部材11、下枠部材12及び戸先縦枠14において可動障子30を閉じた際に第2可動ガラス板312の周縁部に対向する部分に可動タイト材150が設けてあるとともに、固定障子20の固定戸尻框25において可動障子30を閉じた際に第2可動ガラス板312の周縁部に対向する部分に可動タイト材150が設けてある。これらの可動タイト材150は、上述したように操作ハンドル50が収容凹部35cから突出した状態にある場合、それぞれ第2可動ガラス板312の表面から離隔した状態に配置されている。
(固定戸尻框25と可動戸尻框35との間に設けた戸尻直交引き寄せ機構80の構成)
図2、図3、図21、図22に示すように、固定戸尻框25と可動戸尻框35との間に設けた戸尻直交引き寄せ機構80は、固定戸尻框25に戸尻係合ピン81を備える一方、可動戸尻框35に引き寄せプレート82を備えている。戸尻係合ピン81は、図3に示すように、円柱状を成す軸部81aの先端部に外径の大きな頭部81bを有したもので、軸部81aを介して固定戸尻框25の固定側対向面25aから突設してある。戸尻係合ピン81の軸部81aには、外周を覆うようにカラー部材83が配設してある。図2及び図3に示すように、戸尻係合ピン81の頭部81bは、軸部81aに対して室内側にオフセットして設けてあり、カラー部材83の周面に対して室内側に位置する部分のみが径方向に突出している。図には明示していないが、戸尻係合ピン81は、固定戸尻框25の上方部及び下方部の2箇所に配設してある。図2に示すように、戸尻係合ピン81の軸部81aは、可動障子30を閉じた場合に固定側対向面25aに対向する可動戸尻框35の可動側対向面35aとの間に確保される隙間よりも大きな長さを有するように形成してある。
引き寄せプレート82は、図2、図3、図21、図22に示すように、可動戸尻框35のプレート収容溝35dから突出し、可動戸尻框35の可動側対向面35aを覆うように配設した薄板状部材である。図には明示していないが、引き寄せプレート82は、固定戸尻框25の戸尻係合ピン81に対応した上方部及び下方部の2箇所に配設してある。プレート収容溝35dは、それぞれ可動戸尻框35において固定戸尻框25に対向する見付け面からスライド溝35bに連通するように形成した開口である。それぞれの引き寄せプレート82は、個々の基端部が戸尻スライド部材40Dに連結してあり、戸尻スライド部材40Dのスライドに連動することにより可動戸尻框35に対して上下に移動する。
引き寄せプレート82には、それぞれ一対のスライドローラ84及び戸尻カム孔85が設けてある。スライドローラ84は、引き寄せプレート82においてプレート収容溝35dの内部に位置する部位の上下に配設したもので、可動側対向面35aに直交する軸心回りに回転することが可能である。これらのスライドローラ84は、それぞれの周面がプレート収容溝35dを覆うように設けたスライドプレート86に当接することにより、引き寄せプレート82及び戸尻スライド部材40Dが可動戸尻框35に対して室外側に移動するのを規制している。
戸尻カム孔85は、図21及び図22に示すように、引き寄せプレート82においてプレート収容溝35dから突出した部分に形成した異形孔であり、上方に戸尻ピン挿通孔部85aを有し、かつ下方に戸尻ピン係合孔部85bを有している。戸尻ピン挿通孔部85aは、固定戸尻框25に設けた戸尻係合ピン81の頭部81bを挿通可能とする幅に形成した開口である。この戸尻ピン挿通孔部85aは、操作ハンドル50が収容凹部35cから突出することによって戸尻スライド部材40Dが下方に移動した状態にある場合に固定戸尻框25の戸尻係合ピン81に対向する位置に形成してある。戸尻ピン係合孔部85bは、戸尻係合ピン81のカラー部材83を挿通可能、かつ頭部81bを挿通不可とする幅に形成した開口である。戸尻カム孔85の室外側に位置する内壁面において戸尻ピン挿通孔部85a及び戸尻ピン係合孔部85bの間に位置する部分には、戸尻傾斜ガイド面85cが設けてある。戸尻傾斜ガイド面85cは、戸尻ピン係合孔部85bから戸尻ピン挿通孔部85aに向かうに従って漸次室外側となるように傾斜したものである。尚、可動戸尻框35の可動対向面において戸尻係合ピン81に対向する部位には、可動障子30が閉じた場合に戸尻係合ピン81の頭部81bを収容するための戸尻凹部35eが設けてある。
(戸先縦枠14と可動戸先框34との間に設けた戸先直交引き寄せ機構90の構成)
図2、図3、図23、図24に示すように、戸先縦枠14と可動戸先框34との間に設けた戸先直交引き寄せ機構90は、戸先縦枠14の戸先収容溝140において戸先スライド部材40Cに対向する部位に戸先係合ピン91を備える一方、可動戸先框34の戸先スライド部材40Cに戸先カム孔92を有している。戸先係合ピン91は、戸尻係合ピン81と同様、円柱状を成す軸部91aの外周部にカラー部材93を備えるとともに、軸部91aの先端部において室内側にオフセットした位置に外径の大きな頭部91bを有したもので、軸部91aを介して戸先収容溝140の上方部及び下方部からそれぞれ突設してある。図2に示すように、戸先係合ピン91の軸部91aは、可動障子30を閉じた場合に戸先収容溝140の見込み面と可動戸先框34の戸先面との間に確保される隙間よりも大きな長さを有するように形成してある。
戸先カム孔92は、図23及び図24に示すように、戸先スライド部材40Cに形成した異形孔であり、下方に戸先ピン挿通孔部92aを有し、かつ上方に戸先ピン係合孔部92bを有している。戸先ピン挿通孔部92aは、戸先縦枠14に設けた戸先係合ピン91の頭部91bを挿通可能とする幅に形成した開口である。この戸先ピン挿通孔部92aは、操作ハンドル50が収容凹部35cから突出することによって戸先スライド部材40Cが上方に移動した状態にある場合に戸先縦枠14の戸先係合ピン91に対向する位置に形成してある。戸先ピン係合孔部92bは、戸先係合ピン91のカラー部材93を挿通可能、かつ頭部91bを挿通不可とする幅に形成した開口である。戸先カム孔92の室外側に位置する内壁面において戸先ピン挿通孔部92a及び戸先ピン係合孔部92bの間に位置する部分には、戸先傾斜ガイド面92cが設けてある。戸先傾斜ガイド面92cは、戸先ピン係合孔部92bから戸先ピン挿通孔部92aに向かうに従って漸次室外側となるように傾斜したものである。尚、可動戸尻框35の戸先面において戸先係合ピン91に対向する部位には、可動障子30が閉じた場合に戸先係合ピン91の頭部91bを収容するための戸先凹部34eが設けてある。また、戸先スライド部材40Cにおいて戸先カム孔92の上下となる部分には、それぞれ戸先スライド部材40Cの長手方向に沿って長孔45が形成してあるとともに、それぞれの長孔45にガイドネジ44が螺合してある。これらガイドネジ44は、戸先スライド部材40Cが可動戸先框34の見込み方向に移動するのを防止するためのものである。
(操作ハンドル50を操作した場合の動作について)
上述したように、操作ハンドル50が収容凹部35cから突出された状態にある場合には、図2及び図5に示すように、上枠部材11、下枠部材12及び戸先縦枠14に設けた可動タイト材150と、固定障子20の固定戸尻框25に設けた可動タイト材150とが、いずれも可動障子30の第2可動ガラス板312から離隔した状態にある。従って、この建具によれば、開口枠10の内部開口15を開閉すべく可動障子30をスライドさせる際の操作力を低減することが可能となる。
一方、可動障子30が閉じた状態で操作ハンドル50を収容凹部35cに収容させると、これに伴って戸尻スライド部材40D、上方スライド部材40A、戸先スライド部材40C及び下方スライド部材40Bがそれぞれスライドし、可動障子30の第2可動ガラス板312の四周にそれぞれ可動タイト材150が圧接されることになる。
すなわち、操作ハンドル50が収容凹部35cに収容される方向に操作されると、戸尻スライド部材40Dが上方に向かってスライドするため、戸尻直交引き寄せ機構80においては、図21に示す状態から図22に示す状態に移行し、戸尻傾斜ガイド面85cに戸尻係合ピン81のカラー部材83が当接することにより、開口枠10に対して可動戸尻框35が室外側に移動することになる。この結果、図4に示すように、固定戸尻框25に設けた可動タイト材150が第2可動ガラス板312の戸尻側に位置する周縁部に圧接された状態となる。
同様に、戸先直交引き寄せ機構90においては、操作ハンドル50が収容凹部35cに収容される方向に操作されると、戸先スライド部材40Cが下方に向かってスライドするため、図23に示す状態から図24に示す状態に移行し、戸先傾斜ガイド面92cに戸先係合ピン91のカラー部材93が当接することにより、開口枠10に対して可動戸先框34が室外側に移動することになる。この結果、図4に示すように、戸先縦枠14に設けた可動タイト材150が第2可動ガラス板312の戸先側に位置する周縁部に圧接された状態となる。
しかも、操作ハンドル50が収容凹部35cに収容された場合、戸尻直交引き寄せ機構80においては、戸尻係合ピン81の頭部81bが戸尻ピン係合孔部85bに位置し、かつ戸先直交引き寄せ機構90においては、戸先係合ピン91の頭部91bが戸先ピン係合孔部92bに位置することになる。従って、開口枠10に対して可動障子30を開き方向へスライドさせようとした場合にも、戸尻係合ピン81の頭部81bが引き寄せプレート82に係合するとともに、戸先係合ピン91の頭部91bが戸先スライド部材40Cの係合するため、可動障子30のスライドを規制した施錠状態とすることができる。
一方、可動上框32と上枠部材11との間においては、操作ハンドル50が収容凹部35cに収容される方向に操作されると、上方スライド部材40Aが戸先に向かってスライドするため、図15に示す状態から図16に示す状態に移行し、可動上框32に対してガイド部材60が室内側に向けて移動する。
ここで、可動上框32のガイド部材60は、ガイドアーム61の両端部がそれぞれガイドローラ62を介してガイド溝120の上方ガイド面121に当接した状態にあり、上枠部材11に対して見込み方向に移動できる構成にない。従って、可動上框32に対してガイド部材60が室内側に向けて移動すると、相対的に可動上框32が上枠部材11に対して室外側に移動することになる。この結果、図6に示すように、上枠部材11に設けた可動タイト材150が第2可動ガラス板312の上方に位置する周縁部に圧接された状態となる。
さらに、可動下框33と下枠部材12との間においては、操作ハンドル50が収容凹部35cに収容される方向に操作されると、下方スライド部材40Bが戸尻に向かってスライドするため、図20の(a)に示す状態から図20の(d)に示す状態に移行し、引き寄せ部材72の先端部が第1可動ガラス板311のカバー部材318から漸次離隔することになる。
ここで、引き寄せ部材72の先端部に設けた当接片75がガイドレール100の引き寄せ当接面103に当接するまでの間においては、図20の(a)から図20の(b)に示すように、スライドネジ73を軸心として引き寄せ部材72の先端部が室内側に移動することになる。この間、可動障子30に外力が作用しないため、開口枠10に対して可動障子30が移動することはない。しかしながら、当接片75がガイドレール100の引き寄せ当接面103に当接した後においては、引き寄せ部材72の室内側への回転が阻止されるため、さらに引き寄せ部材72がスライドネジ73を軸心として回転した場合には、引き寄せ当接面103と引き寄せ部材72の当接片75との接触点を軸心として可動下框33が相対的に室外側に移動することになる。この結果、図6に示すように、下枠部材12に設けた可動タイト材150が第2可動ガラス板312の下方に位置する周縁部に圧接された状態となる。
これらの結果、操作ハンドル50を収容凹部35cに収容する方向に操作すれば、可動障子30の四周がいずれも開口枠10及び固定障子20に設けた可動タイト材150に圧接された状態となり、水密性や断熱性、遮音性を向上させることが可能となる。上述したように、可動タイト材150に対して可動障子30が圧接された状態となるのは、操作ハンドル50を収容凹部35cに収容させる方向に操作した場合であり、可動障子30のスライドを何ら伴うものではない。従って、可動タイト材150に摩耗が生じるおそれがない。
再び可動障子30をスライドさせる場合には、操作ハンドル50を収容凹部35cから突出する方向に移動させれば、可動障子30の可動框32,33,34,35がそれぞれ室内側に移動し、可動タイト材150が第2可動ガラス板312から離隔した状態となるとともに、戸尻係合ピン81が引き寄せプレート82に形成した戸尻カム孔85の戸尻ピン挿通孔部85aに位置し、かつ戸先係合ピン91が戸先スライド部材40Cに形成した戸先カム孔92の戸先ピン挿通孔部92aに位置するため、大きな操作力を加えることなく可動障子30をスライドさせることができるようになる。
上述した操作の間、開口枠10に対して可動障子30を室外側に移動させる場合には、その反力がそれぞれのスライド部材40やガイド部材60、戸車36に加えられることになる。しかしながら、上述の建具によれば、上方スライド部材40A、下方スライド部材40B及び戸先スライド部材40Cの室外側に位置する部位にカバー部材318を設けるようにしている。このため、上方スライド部材40A、下方スライド部材40B及び戸先スライド部材40Cについては、カバー部材318によって室外側への移動が阻止されることになる。また、戸尻スライド部材40Dには、戸尻スライド部材40Dに連結した引き寄せプレート82にスライドローラ84を設けるとともに、これらのスライドローラ84を可動戸尻框35に設けたスライドプレート86に当接させるようにしている、従って、戸尻スライド部材40Dについては、これら引き寄せプレート82、スライドローラ84及びスライドプレート86の協働によって室外側への移動が阻止される。これらの結果、可動障子30を室外側へ移動させる際にも、スライド部材40がスライド溝32b,33b,34b,35bに圧接される等の事態を招来することはなく、大きな操作力を要することなく操作ハンドル50を操作することが可能となる。
また、ガイド部材60については、ガイドアーム61の両端部にそれぞれガイドローラ62を備え、かつこれら2つのガイドローラ62を上枠部材11に設けたガイド溝120の上方ガイド面121にそれぞれ当接させるように構成している。従って、可動障子30のスライドに支障を来すことなく上述の反力に対して抗することが可能である。さらに、戸車36については、可動下框33に直接支持させてあるとともに、ガイドレール100として傾斜面102を有したものを適用しているため、戸車36及び可動障子30が傾斜面102に沿ってわずかに上方に移動しながら室外側に移動することで上述の反力に抗する必要がない。従って、戸車36の車軸に大きな反力が加えられる事態を招来することがなく、可動障子30の円滑なスライドを可能とする。
さらに、上述した建具においては、固定障子20に断熱空間215,217を2層有した固定複層面材21を適用しているとともに、可動障子30に断熱空間315,317を2層有した可動複層面材31を適用している。しかも、それぞれの障子20,30の戸先框24,34、上框22,32、下框23,33においては、図4及び図6に示すように、室外側に位置する見付け面が第1ガラス板211,311が覆った状態にあるため、第2ガラス板212,312との間の断熱空間215,315が位置することになる。従って、戸先框24,34、上框22,32、下框23,33については、室外と室内との間のヒートブリッジとなることがなく、断熱性の点できわめて有利となる。さらに、室内側に位置する第3ガラス板213,313については、縦横寸法が第1ガラス板211,311よりも小さくなるように構成しているため、室外側の見付け面を第1ガラス板211,311及び第2ガラス板212,312によって覆った場合にも、見込み方向の寸法が大きく増大する事態を防止することができる。尚、固定戸尻框25の外周側端部には、固定戸尻框25の端面及び3枚の固定ガラス板211,212,213の端面を覆うように召合わせカバー部材221を設けているが、室内側に可動障子30の可動戸尻框35が配設される構成であるため、召合わせカバー部材221がヒートブリッジとなって断熱性が損なわれるおそれはない。また、可動戸尻框35として3枚の可動ガラス板311,312,313の端面を覆う部分を有したものを適用しているが、室外側に固定障子20の固定戸尻框25が配設される構成であるため、可動戸尻框35がヒートブリッジとなって断熱性が損なわれるおそれはない。
(変形例)
上述した実施の形態では、建具として片引き窓を例示しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、図25及び図26に示す変形例に示すように、開き窓として構成することも可能である。すなわち、この変形例では、実施の形態で適用した固定障子20と同様の障子420を適用し、戸尻框425を開口枠410の縦枠部材414にヒンジ450によって支持させる一方、戸先框424において室内側に臨む見付け面に開閉用の把手451を設けることによって開き窓を構成している。複層面材421は、第1ガラス板4211、第2ガラス板4212及び第3ガラス板4213を備えている。第3ガラス板4213は、第1ガラス板4211及び第2ガラス板4212よりも縦横の寸法が小さく構成してある。
第1ガラス板4211及び第2ガラス板4212は、それぞれの周縁部にスペーサ部材4214を介在させた状態で相互に接合してあり、互いの間に断熱空間4215を構成している。第3ガラス板4213は、それぞれの周縁部にスペーサ部材4216を介在させた状態で第1ガラス板4211の表面に接合してあり、第1ガラス板4211との間に断熱空間4217を構成している。第1ガラス板4211は、第3ガラス板4213に対して戸尻となる端面(図25において右側の端面)が互いに同一の平面上に位置し、かつ戸先(図25において左側)、上縁及び下縁となる他の端面については第3ガラス板4213の端面からそれぞれ突出した状態にある。
複層面材421に対して、上框422、下框423及び戸先框424は、それぞれ第3ガラス板4213の周縁部表面及び第3ガラス板4213から突出する第1ガラス板4211の表面を覆うように設けてあり、戸尻框425は、第3ガラス板4213の表面を覆うように設けてある。これらの框部材422,423,424,425は、木材もしくは樹脂材によって成形したものである。戸尻框425の外周側端部には、召合わせカバー部材4221が設けてある。召合わせカバー部材4221は、戸尻框425の端面及び3枚のガラス板4211,4212,4213の端面を覆うもので、アルミニウム合金等の金属によって成形してある。
この建具によれば、障子420の戸先框424、上框422、下框423においてそれぞれの室外側に位置する見付け面が第1ガラス板4211によって覆われた状態にあるため、第2ガラス板4212との間の断熱空間4215が位置することになる。従って、戸先框424、上框422、下框423については、室外と室内との間のヒートブリッジとなることがなく、断熱性の点できわめて有利となる。さらに、室内側に位置する第3ガラス板4213については、縦横寸法が第1ガラス板4211よりも小さくなるように構成しているため、室外側の見付け面を第1ガラス板4211及び第2ガラス板4212によって覆った場合にも、見込み方向の寸法が大きく増大する事態を招来することなく、把手451を取り付けることが可能となる。尚、戸尻框425の外周側端部には、戸尻框425の端面及び3枚のガラス板の端面を覆うように召合わせカバー部材4221を設けているが、室内側に位置する部分が縦枠部材414の室外側に臨む見付け面に当接されるものであり、直接室内側に露出しないため、ヒートブリッジとなるおそれはない。
尚、複層面材の戸尻以外に位置する端面、つまり戸先に位置する端面及び戸先に隣接する2つの端面においては、いずれも第3ガラス板よりも第1ガラス板が突出するように相互間を接合しているが、本発明では唯一の端面においてのみ第3ガラス板よりも第1ガラス板が突出していれば良い。
20 固定障子、21 固定複層面材、22 固定上框、23 固定下框、24 固定戸先框、25 固定戸尻框、30 可動障子、31 可動複層面材、32 可動上框、33 可動下框、34 可動戸先框、35 可動戸尻框、211 第1固定ガラス板、212 第2固定ガラス板、213 第3固定ガラス板、214,216 スペーサ部材、215,217 断熱空間、311 第1可動ガラス板、312 第2可動ガラス板、313 第3可動ガラス板、314,316 スペーサ部材、315,317 断熱空間、420 障子、421 複層面材、4211 第1ガラス板、4212 第2ガラス板、4213 第3ガラス板、4214,4216 スペーサ部材、4215,4217 断熱空間、422 上框、423 下框、424 戸先框、425 戸尻框

Claims (4)

  1. 互いに同一の外形寸法を有した矩形状を成し、周縁部にスペーサ部材を介在させることにより相互間に断熱空間を確保した状態で接合した第1の面材及び第2の面材と、
    前記第1の面材よりも外形寸法の小さい矩形状を成し、少なくとも一辺の端面が同一の平面上に位置した状態で周縁部にスペーサ部材を介在させることにより、前記第1の面材との間に断熱空間を確保した状態で前記第1の面材に接合した第3の面材と
    を備え、前記第3の面材の端面に対して前記第1の面材の端面が突出する周縁部については前記第1の面材の表面に框部材を接合する一方、前記第3の面材の端面に対して前記第1の面材の端面が一致する周縁部については前記第3の面材の表面に框部材を接合したことを特徴とする障子。
  2. 前記第1の面材は、少なくとも戸先に位置する端面が前記第3の面材よりも突出するように接合したことを特徴とする請求項1に記載の障子。
  3. 前記第1の面材は、前記第3の面材よりも縦横の寸法がそれぞれ大きい矩形状を成し、戸先に位置する端面及び戸先に隣接する2つの端面がいずれも前記第3の面材よりも突出するように接合したことを特徴とする請求項1に記載の障子。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の障子を用いて構成したことを特徴とする建具。
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