JP2015178361A - 食缶 - Google Patents

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Abstract

【課題】食缶の運搬時の安全性の向上を図る。
【解決手段】食缶2の本体3には、本体側鍔部6が、開口端3Gから外側に形成される。食缶2の蓋5には、外周縁に蓋側鍔部10が本体側鍔部6に対応して、内周側に円筒状摺接部11が開口端内周部3Fに対応してそれぞれ形成される。本体側鍔部6には、周方向等間隔に貫通孔8が穿設される。蓋側鍔部10の下面には、鉤部12が前記貫通孔8に出入り自在に対応して設けられる。鉤部12は断面L字状に形成され、下部の折曲端部13は周方向同一方向に向けて形成される。食缶2は、蓋5を一方向に回して鉤部12を貫通孔8に没入させて貫通孔8の開口縁8Aに係止させ、蓋5を本体3に係止させ、円筒状摺接部11を開口端内周部3Fに密着させるようにしている。蓋5を逆方向に回すと開口縁8Aとの係合を解き貫通孔8から離脱させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱強化合成樹脂製の食缶に関するものである。
従来、耐熱合成樹脂製の食缶は、多数の人に食事のサービスを提供する病院や学校、社食などで用いられる。食缶は、有底円筒状の本体とこの本体に被せられ食材がこぼれるのを阻止するとともに、異物の混入を防ぐ蓋を備えて構成される(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−52375号公報
特許文献1に記載の食缶では、内側を凹ませるように傾斜した蓋は外周縁が下方に折曲され、蓋が本体に被せられると、この折曲部が本体開口部に嵌り密閉するようになっている。蓋は本体に被せられると回動するようになっている。このように、従来の食缶では、蓋の着脱が容易な反面、学校給食などで、本体に暖かい汁等が入れられ蓋が被せられた食缶を生徒が取手を持って二人で運搬する際、食缶を傾けたり、倒したりした場合など、蓋が外れて中の汁等がこぼれてしまうという問題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、簡素な構成で、運搬時、たとえ、傾斜したり倒れたりした場合でも、中身がこぼれ出したりすることのない安全でしかも操作性のよい食缶を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る食缶は、耐熱強化合成樹脂を成型して形成した本体と蓋とを備え、本体開口部と蓋外周部とにはそれぞれ、異なる面で互いに全周が当接する密閉部を形成するとともに、蓋を回動変位させて係脱自在に係止され蓋の脱落を防止する係止部を設けたことを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る食缶では、耐熱強化合成樹脂を成型して形成した本体と蓋とを備え、本体開口部と蓋外周部とにはそれぞれ、異なる面で互いに全周が当接する密閉部を形成するとともに、蓋を回動変位させて係脱自在に係止され蓋の脱落を防止する係止部を設けたことにより、蓋を本体に係止させると、本体開口部と蓋外周部とが異なる面で互いに全周が当接して密閉されるので、食缶に食材を入れて運ぶ際、食缶が傾いたり、倒れたりしても中身がこぼれ出にくい。
本発明の請求項2に係る食缶は、本体を有底円筒状に形成し、密閉部は、蓋の外周側を外側に突出させて形成され本体開口端に載置可能な蓋側鍔部と、この蓋の下面に下方に突出して形成され外周面が本体開口内周面に摺接可能に嵌め入れられる円筒状摺接部とを備えて構成し、係止部は、本体開口端から所定の寸法下方で外側に突出して形成され前記蓋側鍔部に空隙を隔てて臨むとともに周方向等間隔に貫通孔が穿設された本体側鍔部と、蓋側鍔部の下面に、前記貫通孔に出入り自在に対応させて設けられ下部の折曲端が周方向同一方向に向けて形成された鉤部とを備えて構成し、蓋の回動により鉤部を貫通孔に没入させて貫通孔の開口縁に係止させ、逆方向に回動させて開口縁との係合を解き鉤部を貫通孔から離脱させるよう構成したことを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る食缶では、本体を有底円筒状に形成し、密閉部は、蓋の外周側を外側に突出させて形成され本体開口端に載置可能な蓋側鍔部と、この蓋の下面に下方に突出して形成され外周面が本体開口内周面に摺接可能に嵌め入れられる円筒状摺接部とを備えて構成し、係止部は、本体開口端から所定の寸法下方で外側に突出して形成され前記蓋側鍔部に空隙を隔てて臨むとともに周方向等間隔に貫通孔が穿設された本体側鍔部と、蓋側鍔部の下面に、前記貫通孔に出入り自在に対応させて設けられ下部の折曲端が周方向同一方向に向けて形成された鉤部とを備えて構成し、蓋の回動により鉤部を貫通孔に没入させて貫通孔の開口縁に係止させ、逆方向に回動させて開口縁との係合を解き鉤部を貫通孔から離脱させるよう構成したことにより、蓋を本体に被せて回動させるだけで、蓋を本体に係止したり係合を解除したりすることができる。また、蓋の係止時、本体開口端と蓋側鍔部および本体開口内周面と円筒状摺接部外周面とがそれぞれ当接して密閉されているので、食缶に食材を入れて運ぶ際、食缶が傾いたり、倒れたりしても中身がこぼれ出にくい。
本発明の請求項3に係る食缶は、鉤部は、断面L字状に形成されるとともに折曲端部の上面は傾斜して形成され、係止時、貫通孔の開口縁に食い込み可能に基部側が厚肉に先端側が次第に薄肉に形成されることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る食缶では、鉤部は、断面L字状に形成されるとともに折曲端部の上面は傾斜して形成され、係止時、貫通孔の開口縁に食い込み可能に基部側が厚肉に先端側が次第に薄肉に形成されることにより、蓋を本体に載せて回し、折曲端部を貫通孔の開口縁に食い込ませると、鉤部は本体側鍔部に確実に係合される。
本発明の請求項4に係る食缶は、蓋側鍔部下面には、円筒状摺接部と鉤部との間に環状溝が形成され、この環状溝に蓋と本体との液密を保持するシール部材が嵌入されることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る食缶では、蓋側鍔部下面には、円筒状摺接部と鉤部との間に環状溝が形成され、この環状溝に蓋と本体との液密を保持するシール部材が嵌入されることにより、鉤部が本体側鍔部に係合されると、本体開口端と蓋側鍔部および本体開口内周面と円筒状摺接部外周面との密閉に加え、シール部材によっても液密が保たれるので、食缶がたとえ傾いたり倒れたりしても内部の汁等の食材が外部に漏出するのを確実に阻止することができる。
本発明の請求項5に係る食缶は、蓋側鍔部の外周縁には、外側に突出した摘み部が形成されることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る食缶では、蓋側鍔部の外周縁には、外側に突出した摘み部が形成されることにより、蓋を本体に載せて回す際、摘み部を持って回すことができるので、操作性が向上する。
本発明の請求項6に係る食缶は、蓋の上面には、円筒状摺接部に対応して上方に突出し、蓋同士の積み重ね時、上側の蓋の横ずれを防止する蓋横ずれ防止部が形成されることを特徴とするものである。
本発明の請求項6に係る食缶では、蓋の上面には、円筒状摺接部に対応して上方に突出し、蓋同士の積み重ね時、上側の蓋の横ずれを防止する蓋横ずれ防止部が形成されることにより、蓋同士を積み重ねた際、上側の蓋の横ずれを防ぐことができるので、蓋同士を多数積み重ねて収納することができる。
本発明の請求項7に係る食缶は、本体底部の下面には、周方向に高台が形成されるとともに、蓋の上面には、高台に対応して上方に突出し、本体を蓋に積み重ねた際、本体の横ずれを阻止する高台横ずれ防止部が形成されることを特徴とするものである。
本発明の請求項7に係る食缶では、本体底部の下面には、周方向に高台が形成されるとともに、蓋の上面には、高台に対応して上方に突出し、本体を蓋に積み重ねた際、本体の横ずれを阻止する高台横ずれ防止部が形成されるれることにより、本体を蓋に載せた際、本体の横ずれを防ぐことができるので、蓋の上に本体を積み重ねて収納することができる。
本発明の請求項8に係る食缶は、本体の円筒状壁部を、底面から開口部に向かって拡径した拡径壁部と、この拡径壁部に傾斜角度を異ならせて拡径壁部を上下に隔て外周面に突部が形成された折り曲り部と、上側壁部の開口端内周部に形成され、本体の積み重ね時、折り曲り部の外側突部が載置される段部とを備えて構成し、積み重ね時、開口端内周面と突部との間に細隙を形成すべく構成したことを特徴とするものである。
本発明の請求項8に係る食缶では、本体の円筒状壁部を、底面から開口部に向かって拡径した拡径壁部と、この拡径壁部に傾斜角度を異ならせて拡径壁部を上下に隔て外周面に突部が形成された折り曲り部と、上側壁部の開口端内周部に形成され、本体の積み重ね時、折り曲り部の外側突部が載置される段部とを備えて構成し、積み重ね時、開口端内周面と突部との間に細隙を形成すべく構成したことにより、本体同士を積み重ねた際、上下の本体の間には空隙が確保されるので、洗浄後の乾燥時間を短縮化することができる。
本発明に係る食缶は、耐熱強化合成樹脂を成型して形成した本体と蓋とを備え、本体開口部と蓋外周部とにはそれぞれ、異なる面で互いに全周が当接する密閉部を形成するとともに、蓋を回動変位させて係脱自在に係止され蓋の脱落を防止する係止部を設けたことにより、安全性と操作性を向上させる効果がある。
図1は本発明の一実施例に係る食缶を示す一部省略断面図である。(実施例1) 図2は図1の食缶の本体を示す平面図である。 図3は図2の本体のIII−III線に沿った縦断面図であって積み重ねた状態を示す図である。 図4は積み重ねられた状態の食缶本体の要部を拡大して示す要部拡大断面図である。 図5は図1の食缶の蓋の断面図である。 図6は図5の蓋の底面図である。 図7は積み重ねられた状態の蓋を示す説明図である。 図8は蓋が本体に係止された際の係止部の状態を示す要部拡大断面図である。 図9の(A)、(B)はそれぞれ、蓋の蓋側鍔部と円筒状摺接部と鉤部との配置を示す要部拡大断面図および鉤部を外側から見た説明図である。
食缶運搬時の安全性を向上させるという目的を、耐熱強化合成樹脂を成型して形成した本体と蓋とを備え、本体開口部と蓋外周部とにはそれぞれ、異なる面で互いに全周が当接する密閉部を形成するとともに、蓋を回動変位させて係脱自在に係止され蓋の脱落を防止する係止部を設けるとともに、本体を有底円筒状に形成し、密閉部を、蓋の外周側を外側に水平に突出させて形成され本体開口端に載置可能な蓋側鍔部と、この蓋の下面に下方に突出して形成され外周面が本体開口内周面に摺接可能に嵌め入れられる円筒状摺接部とを備えて構成し、係止部を、本体開口端から所定の寸法下方で外側に水平に突出して形成され前記蓋側鍔部に空隙を隔てて臨むとともに周方向等間隔に貫通孔が穿設された本体側鍔部と、蓋側鍔部の下面に、前記貫通孔に出入り自在に対応させて設けられ下部の折曲端を周方向同一方向に向けて形成された鉤部とを備えて構成し、蓋の回動により鉤部を貫通孔に没入させて貫通孔の開口縁に係止させ、逆方向に回動させて開口縁との係合を解き鉤部を貫通孔から離脱させるよう構成し、しかも、蓋側鍔部下面には、円筒状摺接部と鉤部との間に環状溝を形成され、この環状溝に蓋と本体との液密を保持するシール部材を嵌入させたことにより実現した。
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。本発明の一実施例に係る食缶2は、図1に示すように、本体3とこの本体3の開口部4に被せられる蓋5とを備えて構成される。これら本体3と蓋5はいずれも、耐熱強化合成樹脂を成型して形成される。
本体3は、図3に示すように、底部3Aから上端開口部4に向かって拡径する有底円筒状に成型される。本体3の円筒状壁部3B〜3Fは、底部3Aから開口部4に向かって拡径した拡径壁部3B、3Dと、この拡径壁部3B、3Dに傾斜角度を異ならせて拡径壁部3B、3Dを上下に隔て外面面に環状の突部3Hが形成された折り曲り部3Cと、上側拡径壁部3Dの開口端3Gの内周部3Fに形成され、本体3の積み重ね時、折り曲り部3Cの外側突部3Hが載置される段部3Eとを備えて構成される。折り曲り部3Cは拡径壁部3B、3Dより傾斜角度が大きく上側が外に傾いて形成される。環状突部3Hの外側面3Iの径方向長さは開口端内周部3Fの内径より短く設定され、本体3同士が積み重ねられた際、開口端内周部3Fと突部3Hとの間に細隙S1を形成するようになっている。このため、本体3同士を積み重ねた際、上下の本体3、3の間には空隙が確保されるので、洗浄後の乾燥時間を短縮化することができるようになっている。
また、本体3には、本体側鍔部6が本体開口端3Gから所定の寸法下方で外側に水平に突出して形成される。本体側鍔部6の上面6Aは後述する蓋5の蓋側鍔部10に空隙S2を隔てて臨むとともに、本体側鍔部6には、周方向等間隔に弧状の貫通孔8が穿設される(本実施例では、6箇所、図2参照)。本体3の開口端3Gの外周部には、一対の取手7が本体側鍔部6と連続し外側に突出して向かい合って形成される。本体3の底部3A下面には、弧状の高台9が下方に突出して周方向等間隔に複数形成される(本実施例では、6箇所)。
蓋5の外周には、図5および図6に示すように、蓋側鍔部10が本体開口端3Gより外側に水平に突出して形成される。すなわち、蓋側鍔部10の外周は本体開口端3Gの径より大径に形成され、蓋側鍔部10は本体開口端3Gに載置されるようになっている。蓋側鍔部10の内周側には、円筒状摺接部11が下方に突出して形成される。この円筒状摺接部11は、外周面11Aが本体開口端内周部3Fに摺動可能に嵌め入れられるようになっている。こうして、蓋5を本体3に被せると、本体開口端3Gが蓋側鍔部10の下面10Aに、本体開口端内周部3Fが円筒状摺接部11の外周面11Aにそれぞれ当接するようになっている。これら本体開口部4と蓋側鍔部10とにより、異なる面で互いに全周が当接する密閉部を構成している。
蓋側鍔部10の下面10Aには、図9の(A)、(B)に示すように、断面L字状の鉤部12が本体側鍔部6の貫通孔8に出入り自在に対応して形成される。すなわち、鉤部12は、周方向等間隔に6箇所設けられる。鉤部12は円筒状摺接部11とほぼ同じ寸法下方に突出している。鉤部12は下部の折曲端部13が周方向の同一方向に向けて形成されるようになっている。折曲端部13の上面13Aは傾斜して形成され、基部が厚肉に、基部から先端に向かって次第に薄肉に形成される。こうして、蓋5を本体3に被せ、蓋5を本体側鍔部6の外周縁に沿って鉤部12の折曲端部13の延長方向に回すと、折曲端部13が貫通孔8に没入し、さらに、蓋5が回されると、折曲端部13の傾斜上面13Aが貫通孔8の開口縁8Aに当たり、傾斜上面13Aの厚肉部が貫通孔8の開口縁8Aに圧接されて本体側鍔部6の下面6Bに食い込むと、それ以上の回動が規制され、鉤部12は本体側鍔部6に確実に係合するようになっている。このとき、本体開口端3Gが蓋側鍔部10の下面10Aに、本体開口端内周部3Fが円筒状摺接部11の外周面11Aにそれぞれ確実に密着し、シール性能を確保するようになっている。それに加え、鉤部12が本体側鍔部6に食い込んでいるので、耐熱強化合成樹脂からなる両鍔部6、10の間の空隙S2が狭められ、両者6、10が接近して強い力で係合されるようになっている。
蓋5の取り外し時は、蓋5を係止方向と逆に回すと、折曲端部13は本体側鍔部6の下面6Bから貫通孔8に導かれ、鉤部12が貫通孔8の向かい合う他方の開口縁に当たって係合が解かれ、貫通孔8から離脱するようになっている。このように、本実施例では、蓋5を回動変位させて係脱自在に係止され蓋5の脱落を防止する係止部は、本体開口端3Gから所定の寸法下方で外側に水平に突出して形成され周方向等間隔に貫通孔8が穿設された本体側鍔部6と、本体側鍔部6に空隙S2を隔てて臨むとともに、下面10Aに前記貫通孔8に出入り自在に対応して形成され下部の折曲端部13を周方向同一方向に向けて形成される断面L字状の鉤部12が形成された蓋側鍔部10とを備えて構成される。そして、この係止部は、蓋5の回動により鉤部12を貫通孔8に没入させて貫通孔8の開口縁8Aに係止させ、逆方向に回動させて開口縁8Aとの係合を解き鉤部12を貫通孔8から離脱させるよう構成される。
また、蓋5の上面には、高台横ずれ防止部14が高台9に対応して上方に突出して形成され、本体3を蓋5の上に積み重ねた際、本体3の横ずれを阻止するようになっている。さらに、蓋5の上面には、蓋横ずれ防止部15が高台横ずれ防止部14の外側に円筒状摺接部11に対応して上方に突出して形成され、蓋5同士の積み重ね時、上側の蓋5の横ずれを防止するようになっている。
蓋側鍔部10の外周縁には、一対の摘み部16が互いに向かい合って外側に突出して形成される。また、蓋側鍔部10の下面10Aには、円筒状摺接部11と鉤部12との間に断面コ字状の環状溝17が形成され、この環状溝17には、環状のパッキン(シール部材)18が嵌入されるようになっている。パッキン18は、合成樹脂製の弾性体から構成され、鉤部12が貫通孔8を介して本体側鍔部6に係合し、両鍔部6、10が締め付けられて、蓋側鍔部10の下面10Aが本体側鍔部6の上面6A側に押されると、弾性変形して液密を保持するようになっている。このため、鉤部12が本体側鍔部6に係合すると、本体開口端3Gが蓋側鍔部10の下面10Aに、本体開口端内周部3Fが円筒状摺接部11の外周面11Aにそれぞれ密着してシール性能を確保するだけでなく、それに加えてパッキン18が上下から押圧されて確実にシールされるようになっている。
次に、上記実施例に係る食缶2の作用について説明する。上記実施例に係る食缶2は、本体3と蓋5とが、耐熱強化合成樹脂を成型して形成されているので、外部から金属探知機により食缶2内の異物の有無を検査することができる。食缶2は、本体3に食材を入れて蓋5を被せ、摘み部16を持って蓋5を本体開口部4に沿って折曲端部13の延長方向に回すと、折曲端部13が貫通孔8に没入する。折曲端部13が貫通孔8に没入すると、蓋5は鉤部12の高さ分降下し、蓋5の円筒状摺接部11は本体3の開口端内周部3Fに、蓋側鍔部10の下面10Aは本体開口端3Gにそれぞれ当接される。さらに、蓋5が同じ方向に回されると、鉤部12が貫通孔8の開口縁8Aに食い込んでそれ以上の回動が規制され、鉤部12は本体側鍔部6に係止される。このとき、両鍔部6、10の間の空隙S2が狭められ両者6、10が接近して強い力で係合される。このため、係合による弾性力により蓋5の円筒状摺接部11は本体3の開口端内周部3Fに、蓋側鍔部10の下面10Aは本体開口端3Gにそれぞれ密着される。さらに、パッキン18が本体側鍔部6の上面6Aに圧接されて、本体側鍔部6と蓋側鍔部10との間で確実に液密が保持される。このため、この状態で食缶2を運搬し、傾いたり倒れたりしても、内部の食材がこぼれ出ることがない。従って、運搬時の安全性を向上させることができる。また、蓋5を逆に回すと、容易に本体5から取り外すことができる。このように、蓋5を正逆に回すだけで、蓋5を本体3にロックさせたり、ロックを解除させたりすることができるので、操作性が向上する。また、本体5は洗浄後、積み重ねても、上下の本体5間には、突部3Hにより空隙が確保されるので積み重ねた状態で乾燥させることができ、作業性が向上する。また、本体3と蓋5、また、蓋5同士を積み重ねてもずれ落ちることがないので、収納空間を有効に利用することができる。
なお、上記実施例では、パッキン18を蓋側鍔部10と本体側鍔部6との間に設けるようにしているがこれに限られるものではなく、円筒状摺接部11と開口端内周部3Fとの間に設けるようにしてもよい。また、鉤部12を蓋側鍔部10の下面10Aに、貫通孔8を本体側鍔部6に形成するようにしているがこれに限られるものではなく、蓋側鍔部の外縁を下方に折曲して構成するとともに、本体側鍔部の外縁を蓋側鍔部の外縁折曲部に対応させて下方に折曲して構成し、これら両鉤部のうち一方に鉤部または突部を他方にこの鉤部または突部に係脱自在に係止される貫通孔または凹部を形成するようにしてもよい。このように構成することにより、全周が当接する異なる面を増加させ、よりこぼれにくくすることができる。
2 食缶
3 本体
3F 開口端内周部(密閉部)
4 本体開口部
5 蓋
6 本体側鍔部(係止部)
8 貫通孔(係止部)
10 蓋側鍔部(蓋外周部、密閉部)
11 円筒状摺接部(密閉部)
12 鉤部(係止部)

Claims (8)

  1. 耐熱強化合成樹脂を成型して形成した本体と蓋とを備え、
    本体開口部と蓋外周部とにはそれぞれ、異なる面で互いに全周が当接する密閉部を形成するとともに、蓋を回動変位させて係脱自在に係止され蓋の脱落を防止する係止部を設けたことを特徴とする食缶。
  2. 本体を有底円筒状に形成し、
    密閉部は、蓋の外周側を外側に突出させて形成され本体開口端に載置可能な蓋側鍔部と、この蓋の下面に下方に突出して形成され外周面が本体開口内周面に摺接可能に嵌め入れられる円筒状摺接部とを備えて構成し、
    係止部は、本体開口端から所定の寸法下方で外側に突出して形成され前記蓋側鍔部に空隙を隔てて臨むとともに周方向等間隔に貫通孔が穿設された本体側鍔部と、蓋側鍔部の下面に、前記貫通孔に出入り自在に対応させて設けられ下部の折曲端が周方向同一方向に向けて形成された鉤部とを備えて構成し、蓋の回動により鉤部を貫通孔に没入させて貫通孔の開口縁に係止させ、逆方向に回動させて開口縁との係合を解き鉤部を貫通孔から離脱させるよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の食缶。
  3. 鉤部は、断面L字状に形成されるとともに折曲端部の上面は傾斜して形成され、係止時、貫通孔の開口縁に食い込み可能に基部側が厚肉に先端側が次第に薄肉に形成されることを特徴とする請求項2に記載の食缶。
  4. 蓋側鍔部下面には、円筒状摺接部と鉤部との間に環状溝が形成され、この環状溝に蓋と本体との液密を保持するシール部材が嵌入されることを特徴とする請求項2または3に記載の食缶。
  5. 蓋側鍔部の外周縁には、外側に突出した摘み部が形成されることを特徴とする請求項2ないし4のうちいずれか1に記載の食缶。
  6. 蓋の上面には、円筒状摺接部に対応して上方に突出し、蓋同士の積み重ね時、上側の蓋の横ずれを防止する蓋横ずれ防止部が形成されることを特徴とする請求項2ないし5のうちいずれか1に記載の食缶。
  7. 本体底部の下面には、周方向に高台が形成されるとともに、
    蓋の上面には、高台に対応して上方に突出し、本体を蓋に積み重ねた際、本体の横ずれを阻止する高台横ずれ防止部が形成されることを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1に記載の食缶。
  8. 本体の円筒状壁部を、底面から開口部に向かって拡径した拡径壁部と、この拡径壁部に傾斜角度を異ならせて拡径壁部を上下に隔て外周面に突部が形成された折り曲り部と、上側壁部の開口端内周部に形成され、本体の積み重ね時、折り曲り部の外側突部が載置される段部とを備えて構成し、
    積み重ね時、開口端内周面と突部との間に細隙を形成すべく構成したことを特徴とする請求項1ないし7のうちいずれか1に記載の食缶。
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