JP2015176965A - 酸化物系材料の製造方法 - Google Patents

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悦治 竹田
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正仁 金沢
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進 森田
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Abstract

【課題】半導体特性または導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系材料を低コストで効率よく製造する。
【解決手段】基板上に、好適にはそれぞれ単体の粉末としたIn、Ga、Zn材料を配置し、酸素存在下で、前記In、Ga、Zn材料にレーザーの照射を行って、前記In、Ga、Zn材料を基板上で同時期に溶融させて分子結合させ、半導体特性または導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系材料を作製することにより、製造コストを抑えたままで、In、Ga、Zn材料によって半導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系半導体材料を効率よく製造することを可能にする。
【選択図】図1

Description

この発明は、In、Ga、ZnおよびOを構成成分とし、半導体特性または導体特性を有する酸化物系材料の製造方法に関するものである。
In、Ga、ZnおよびOを構成成分とする酸化物系半導体材料(以下、In−Ga−Zn−O系半導体材料という)は、半導体素子のチャンネル層として用いる研究がなされており、一部の半導体素子は実用化されている(例えば特許文献1〜4)。
In−Ga−Zn−O系半導体材料は、スパッタ法や蒸着などの基板上への成膜や、基板上でのエピタキシャル成長により作製される。In−Ga−Zn−O系半導体材料は、通常はn型特性を有し、その特性を利用して半導体素子として利用されている。また、一部にはp型特性を有するものも知られている(例えば特許文献1〜4)。
従来、In−Ga−Zn−O系半導体材料は、上記したように、気相成長法であるスパッタ法で成膜したものをアニール処理して形成される。スパッタ法は、Arイオンでターゲットを分子レベルに分解し、それらがウエハ表面で結合(薄膜形成)する、2段階プロセスからなっている。この段階で膜特性はほぼ決定しているが、分子間の結合欠損を無くす等、安定した半導体特性を得る為に、熱処理炉(300℃前後)やプラズマ照射、レーザーアニールといった工程も必要とされている。これらの処理は、In−Ga−Zn−O系半導体材料の形成に必要な技術ではあるが、主役であるスパッタの補助的な役割である。
特開2004−119525号公報 特開2010−205798号公報 特開2010−219538号公報 特開2011−216574号公報
しかし、従来のIn−Ga−Zn−O系半導体材料の製造では、真空装置であるスパッタ法を採用することで製造コストが高くなるという問題があり、より安価な成膜手法の開発が求められている。その一つとして、塗布法やゾル・ゲル法といった、液相成長法による成膜法が考えられる。これは、In粉末、Ga粉末、Zn粉末を分散させた原料溶液を、Siやガラス基板上に、スピンコーター、インクジェットといった手法で塗布し、乾燥させて薄膜を形成するものである。粉末が塗布された段階では、In、Ga、Znの粉末が単独で存在しているため、キャリアは移動できない(電気は流れない)。これを活性化するには高温加熱が必要となる。
すなわち、上記手法では、以下のような問題点がある。
(1)真空装置であるスパッタの使用では、装置の価格及び製造コストが高い。
(2)塗布法やゾル・ゲル法といった、液相成長法による成膜法では分子の結合を行うために、熱処理炉などで高温加熱を行う必要があり、プラスチックなどの低耐熱性の基板への成膜が困難になる。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、製造コストを増大させることなく、工程を簡略化して半導体特性や導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系材料を効率的に製造することができる酸化物系材料の製造方法を提供することを目的の一つとしている。
基板に配置したIn、Ga、Znの各元素を、どの様な手法で導通性や半導体特性を有する状態にするかが、技術的な課題となる。基本的な考え方としては、各粉末を分子レベルで分解し、それらを再結合させるとともに、大気中などの酸素により酸化物とすることである。実験レベルでは、高温雰囲気でのアニール処理が行われているが、基板ならびにTFT回路全体が加熱されるため、樹脂フイルムなどの低耐熱性の基板を使用できない、また微細な金属配線の熱マイグレーションによる断線といった点でも、実用化に適していない。本願発明は、その問題点を、薄膜のみを加熱処理できることから、基板などへの熟ダメージを最小限にできる有効な技術と考えたレーザーアブレーションで解決することが可能となった。
すなわち、本発明の酸化物系材料の製造方法のうち、第1の本発明は、基板上にIn、Ga、Zn材料を配置し、酸素存在下で、前記In、Ga、Zn材料にレーザーの照射を行って、前記In、Ga、Zn材料を基板上で分子結合させて、半導体特性または導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系材料を作製することを特徴とする。
第2の本発明の酸化物系材料の製造方法は、前記第1の本発明において、前記In、Ga、Zn材料が前記レーザーの照射によって同時期に溶融することを特徴とする。
第3の本発明の酸化物系材料の製造方法は、前記第1または第2の本発明において、前記In、Ga、Zn材料がそれぞれ単体の粒子からなることを特徴とする。
第4の本発明の酸化物系材料の製造方法は、前記第3の本発明において、前記粒子が、円相当径で、0.1〜10μmの大きさを有することを特徴とする。
第5の本発明の酸化物系材料の製造方法は、前記第1〜第4の本発明のいずれかにおいて、前記レーザーの波長が、450nm〜1100nmであることを特徴とする。
第6の本発明の酸化物系材料の製造方法は、前記第1〜第5の本発明のいずれかにおいて、前記レーザの周波数を1kHz〜50kHzとすることを特徴とする。
第7の本発明の酸化物系材料の製造方法は、前記第1〜第6の本発明のいずれかにおいて、前記レーザーの半値幅が200〜1200nmであることを特徴とする。
第8の本発明の酸化物系材料の製造方法は、前記第1〜第7の本発明のいずれかにおいて、前記基板上における前記レーザーのエネルギー密度が0.1J/cm〜10J/cmであることを特徴とする。
第9の本発明の酸化物系材料の製造方法は、前記第1〜第8の本発明のいずれかにおいて、前記基板上に作製された前記In−Ga−Zn−O系材料が、p型特性とn型特性とを併せ持つ半導体特性を有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、製造コストを抑えたままで、In、Ga、Zn材料によって半導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系半導体材料を効率よく製造することができる。
本発明の一実施形態のIn−Ga−Zn−O系半導体材料の製造工程を示すフロー図である。 同じく、In−Ga−Zn−O系半導体材料の結晶構造とキャリアの流れを示す仮想的な図である。 同じく、半導体材料での電圧−電流特性を示す図である。 同じく、In−Ga−Zn−O系半導体材料による半導体素子の等価回路図および電圧−電流特性を示す図である。 本発明の実施例におけるIn−Ga−Zn−O系半導体材料の電圧−電流特性を示す図である。 同じく、他の実施例におけるIn−Ga−Zn−O系半導体材料の電圧−電流特性を示す図である。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
半導体特性または導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系材料は、基板上にIn、Ga、Zn材料を付着させ、大気圧中などの酸素存在下で、In、Ga、Zn材料にレーザー照射することで、基板上で分子結合させて作製することができる。
In、Ga、Znの量比は本発明としては特に限定されるものではなく、従来、In−Ga−Zn−O系半導体材料で使用されている成分を含めた、多様な量比の成分を対象とすることができる。
例えば、特許文献1、3では、InGaO(ZnO)としたIn−Ga−Zn−O系半導体材料(mは1以上50未満の整数)が提案され、特許文献2では、InGaZnOやIn−Ga−ZnOなどが提案され、特許文献4では、(InGa(ZnO)mとした半導体材料(0<x<1、mは1以上50未満の整数)が提案されている。本願発明は、これら量比のIn−Ga−Zn−O系半導体材料や他の成分のIn−Ga−Zn−O系半導体材料に適用される。
In−Ga−Zn−O系材料の成分および構造は、基板上に付着させるIn、Ga、Znの成分量や与えるエネルギーによって決定することができる。In、Ga、Znは、それぞれ単体を基板上に付着させるようにしてもよく、また、酸化物や他の成分との化合物の状態で基板上に付着させるようにしてもよいが、安定した構造物を得るために、In、Ga、Znは、それぞれ単体で基板上に配置するのが望ましい。
基板上へのIn、GaおよびZn材料の付着は、これら材料の粉末を溶媒やバインダに加えた上で、スピンコートなどの方法で基板上に付着させることができる。溶媒としては、有機系溶液や純水などを用いることができる。
ただし、本発明としては、付着方法が特に限定されるものではない。また、付着量は、本発明としては特に限定されるものではないが、所望の深さやエネルギーの付与によって加熱される深さなどに応じてIn、Ga、Zn材料の付着量を決定することができる。上記材料を粉末にする際の大きさが特に限定されるものではないが、例えば、円相当径で、0.1〜10μmの大きさを例示することができる。このときの粒径は、上記のスピンコーターやシュプレイ法の塗布方法やレーザーやプラズマといった活性化(成膜)方法により適正粒径は異なるが、上限を定める理由は、粉末が加えるエネルギーにより分解できない場合があるためである。下限を定める理由は、物理的に粉末にすることが難しいためである。
図1に、In−Ga−Zn−O系材料の製造工程を示す。図1Aに示すように、基板1上にIn、GaおよびZn材料の単体粉末(I、Z、Gで図示)を、有機系溶液や純水などの溶媒とともに基板1上に付着させる。各粉末の大きさは、例えば円相当径で0.1〜10μmとする。次いで、スピンコート法によって基板1を高速回転させてIn、GaおよびZn材料2および溶媒を基板1上に均一に塗布する。
なお、従来のIn−Ga−Zn−O系半導体材料では、前述したようにスパッタや蒸着による成膜や、エピタキシャル成長によって作製される。成膜層は、必要に応じてアニール処理が行われる。スパッタ法は、ターゲットをArイオンなどで分子レベルに分解し、それらを基板上に堆積させる。また、蒸着では、金属や酸化物などを蒸発させて、基板の表面に付着させるものであり、物理蒸着(PVD)や化学蒸着(CVD)により行われる。
スパッタ法や蒸着法では、成膜された段階で膜の構造などの特性はほぼ決定しているが、分子間の結合欠損をなくし、安定した特性が得られるように、熱処理炉(300℃前後)やプラズマ照射、レーザアニールなどのアニール処理が行われている。また、エピタキシャル成長では、成長の基となる基板の構造によって半導体材料の膜特性が決定される。
本実施形態では、基板上のIn、GaおよびZn材料にレーザー照射することで各材料を同時期に溶融、分解、分子間結合させて、半導体特性または導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系材料が作製される。溶融時の加熱温度は1200℃以上であるのが望ましい。本実施形態では、短時間で高温に加熱することで、熱容量の異なる分子を溶融、分解して再結合することができる。
具体的には、レーザー照射によって各材料(異元素結合していないものが望ましい)が分子レベルで結合されるとともに、雰囲気中の酸素が取り込まれて多元系の酸化物が得られる。
レーザー照射の工程を図1Bに示す。レーザーはライン状やスポット状などの適宜のビーム形状にして、適宜のエネルギー密度に調整されてIn、GaおよびZn材料に照射される。レーザー照射は、基板やTFT回路全体を加熱することなくIn、GaおよびZn材料に高エネルギーを付与することができ、基板の材質にも樹脂フィルムなどの低耐熱性の材料を使用でき、また、微細な金属配線に対しても熱マイグレーションによって断線するのを回避できるという利点がある。
本発明としてはレーザ光の種別が特に限定されるものではないが、好適にはグリーン波長(450〜570nm;最適には515nm)から赤外線(〜1100nm)に至るレーザ光を用いることができる。固体レーザを好適に用いることができる。グリーン波長のレーザ光は、反射率と透過率のバランスがよく、n型特性とp型特性を併せ持つIn−Ga−Zn−O系半導体材料を良好に作成することができる。上記波長範囲は、In、Ga、Zn材料を透過することなくこれら材料を効果的に加熱することができる。特にグリーン波長のレーザ光は、反射率と透過率のバランスがよく、n型特性とp型特性を併せ持つIn−Ga−Zn−O系半導体材料を良好に作成することができる。
レーザ光は、連続波、パルス波のいずれであってもよいが、短時間で高いエネルギーを与えることができるためパルス波を用いるのが望ましい。パルス波の繰り返し周波数や、パルス幅(半値幅)は本発明としては特に限定されるものではないが、例えば,繰り返し周波数1kHz〜50kHz、パルス幅(半値幅)200〜1200nmを好適例として示すことができる。
繰り返し周波数は、基板により異なるが熱伝導の理由で1kHz〜50kHzが望ましい。
パルス幅(半値幅)は、基板により異なるが熱伝導の理由で200〜1200nmが望ましい。
また、レーザ光を照射する際に、エネルギー密度を適正に定める必要がある。エネルギー密度が低いと、半導体特性または導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系材料を得ることができない。一方、エネルギー密度が高すぎると、熱によりIn、Ga、Znが飛散して半導体特性または導体特性が低下する。
適正なエネルギー密度は、基板の厚さや基板上へのIn、GaおよびZn材料の厚さなどによって異なるが、例えば、0.1J/cm〜10J/cmの値を示すことができる。
レーザ光3が照射されたIn、GaおよびZn材料2は、In、Ga、Znの熱容量が異なる物質であるにも拘わらず、同時期に溶融、分解し、再結合される。In、Ga、Znは結合によって多元系の酸化物となり、半導体特性または導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系材料2Aが生成される。In−Ga−Zn−O系材料は、p型、n型の半導体特性を併せ持っているものを形成することもできる。
次に、本実施形態で得られたIn−Ga−Zn−O系材料の機能を以下に説明する。
図2は、In−Ga−Zn−O系材料2の結晶構造200を概略的に示したものである。結晶構造200では、In、Ga、Zn、Oが共有結合し、結晶格子のかご内に分子が位置している。
従来の半導体材料では、n型特性を有するものは、SiにAs(ヒ素)やP(リン)などの不純物を添加してn型半導体を形成し、その結果、図3Aに示すような電流、電圧特性を有している。この場合、マイナス方向に電圧(Vd)をかけても電流(Id)は流れない。
また、従来の半導体材料では、p型特性を有するものは、SiにB(ボロン)などの不純物を添加してp型半導体を形成し、その結果、図3Bに示すような電流、電圧特性を有している。この場合、プラス方向に電圧(Vd)をかけても電流(Id)は流れない。
一方、本実施形態で得られた一部のIn−Ga−Zn−O系材料では、p型、n型の両特性を併せ持っている。すなわち、In−Ga−Zn−O系材料に、マイナスの電圧(−V)をかけると、図3Aに示すように、マイナス方向に半導体特性を示し(p型特性)、プラス方向に電圧(+V)をかけると、図3Bに示すように、プラス方向に半導体特性(n型特性)を示す。
上記例ではP−ch、N−chのトランジスタ的動作をゲートの電圧をプラス(+)方向またはマイナス(−)方向に印加することにより、図3Cに示すように複合動作(例えば同物質でのCMOS動作)をさせることができる。この際に、電圧切り替え時に漏れ電流を生じさせることなく動作させることが可能になる。
上記作用について考察すると、共有結合している部分(カゴ部分201)をキャリアとしてHoleが流れ210などによって移動し、p型特性を示す。また、カゴ内の拘束されている分子202を還してキャリアとして電子が流れ220などとして移動する。
上記の点は推測の域を出ないが現在の電気特性などから、各キャリアの移動原理の考察を行うことができる。
本実施形態で得られたIn−Ga−Zn−O系材料をチャンネル層にしてトランジスタを構成した場合、ゲートにかける電圧をプラス(+)方向に印加すると、電流(I)はプラス(+)方向に増大する(N−ch特性を示す)。ゲートにかける電圧をマイナス(−)方向に印加すると電流(I)はマイナス(−)方向に増大する(P−ch特性を示す)。
上記トランジスタを等価回路で示すと、図4Aに示すことができる。電界方向の変更によって、図4Bに示すように、電流方向を変えることができる。
なお、本実施形態で得られるIn−Ga−Zn−O系材料としては、p型特性、n型特性を併せ持った半導体として得られるものの他、p型特性またはn型特性の一方のみの特性を有するものを作製することができ、また、導体としての特性を有する材料を得ることもできる。
これらの特性は、エネルギー密度の大きさやIn−Ga−Zn−O系材料の量比の相違によって、異なるものになる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
供試材は、試験用に市販されているIn、Ga、Zn原料溶液を用いた。これら原料溶液では、各成分の粉末大きさは円相当径で、0.1〜10μmであった。
原料溶液は、アルコールなどの有機系溶液や純水を溶剤として用い、スピンコーターでP型シリコン基板上に塗り(拡げ)、大気中でホットプレートにより分散媒を揮発、乾燥させた。この際のIn、Ga、Znの塗布量は、モル量で、1:1:1であった。
この段階でのテスターによる抵抗値測定では、レンジオーバー(絶縁体)となった。このことから、分子レベルでの結合が生じていないことを確認した。
次いで、この乾燥後の基板に、固体レーザによるグリーンレーザ(波長532nm)を照射し、アブレーションを行った。レーザの発振周波数は10kHz、パルス幅(半値幅)は600nm、エネルギー密度は1.0J/cm〜5.0J/cmとした。
抵抗値を測定した結果、590kΩと導通していることで導体特性を確認した。さらに、このサンプルが半導体であるか、In−Ga−Zn−O系薄膜とP型Si基板それぞれに、プローブを+−(順方向)、−+(逆方向)と当てて評価した。抵抗値を測定した結果、順方向820kΩ、逆方向7,000kΩと1桁の相違が生じていた。活性化されたIn−Ga−Zn−O系半導体材料薄膜は、n型半導体特性を示すので、半導体となっていればp型シリコン基板との間でP−Nジャンクション(ダイオード)を形成する。サンプルであるIn−Ga−Zn−O系半導体材料薄膜+シリコン基板が単なる抵抗体であれば、順方向、逆方向のどちらでも同一抵抗値を示す。しかし、この供試材の抵抗値は、順、逆両方向で差異を生じたことから、半導体(ダイオード)特性を有していることが確認された。
以上の結果から、レーザーアブレーションによるIn−Ga−Zn−O系半導体材料の製造が可能である。
(実施例2)
Si基板上に、実施例1と同様にして、市販の原料溶液を用いてスピンコート法により、In、GaおよびZn材料を塗布し、分散媒を揮発、乾燥させた。この際のIn、Ga、Znの塗布量は、モル量で、1:1:1であり、厚さ2nm〜200nmの量でSi基板上に塗布した。
上記In、GaおよびZn材料に対し、固体レーザによるグリーンレーザ(波長532nm、発振周波数10kHz、パルス幅(半値幅)600nm)を、1.0J/cm〜4.5J/cmの範囲でエネルギー密度を変更して照射し、供試材を得た。
各供試材の薄膜面内に−12V〜+12Vの電圧を印加し、その際に得られる電流を測定し、その値を図5に示した。図5に示すように、レーザ光のエネルギー密度が低い場合(2.5J/cm、3.0J/cm)、電流は殆ど変化しない。また、エネルギー密度が高すぎると、電気特性が悪くなっている(3.5J/cm→4.0J/cm→4.5J/cm)。この実施例では、この条件でのレーザ光の最適エネルギー密度は、3.5J/cmといえる。レーザ光を使用して活性化を行う場合、レーザ光による熱が最大の活性化要素となり、エネルギー密度が重要な要素となる。
ただし、これ以外にも、例えば、波長、パルス幅、スタビリティ、リピータビリティ、照射時間などが要素となる。これに加えて他の環境、例えば膜厚、基板の種類など一般に光学的、熱的に影響を与える全ての要素がその要因となる。
(実施例3)
Si基板上に、実施例1と同様にして、市販の原料溶液を用いてスピンコート法により、In、GaおよびZn材料を塗布し、分散媒を揮発、乾燥させた。この際のIn、Ga、Znの塗布量は、モル量で、1:1:1であり、厚さ2nm〜200nmの量でSi基板上に塗布した。
上記In、GaおよびZn材料に対し、固体レーザ(YAGレーザ)による赤外線レーザ(波長1064nm、発振周波数10kHz、パルス幅(半値幅)600nm)を、1.0J/cm〜4.5J/cmの範囲でエネルギー密度を変更して照射し、供試材を得た。
各供試材に対する電圧と、その際に得られる電流を測定し、その値を図6に示した。図6に示すように、レーザ光のエネルギー密度が低い場合(3.0J/cm以下)、電流は殆ど変化しない。また、エネルギー密度が高すぎると、電気特性が悪くなっている(3.5J/cm、4.0J/cm→4.5J/cm)。この実施例では、この条件のレーザ光の最適エネルギー密度は、4.0J/cmといえる。レーザ光を使用して活性化を行う場合、レーザ光による熱が最大の活性化要素となり、エネルギー密度が重要な要素となる。
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
1 基板
2 In、GaおよびZn材料
2A In−Ga−Zn−O系半導体材料
3 レーザ光

Claims (9)

  1. 基板上にIn、Ga、Zn材料を配置し、酸素存在下で、前記In、Ga、Zn材料にレーザーの照射を行って、前記In、Ga、Zn材料を基板上で分子結合させて、半導体特性または導体特性を有するIn−Ga−Zn−O系材料を作製することを特徴とする酸化物系材料の製造方法。
  2. 前記In、Ga、Zn材料が前記レーザーの照射によって同時期に溶融することを特徴とする請求項1記載の酸化物系材料の製造方法。
  3. 前記In、Ga、Zn材料がそれぞれ単体の粒子からなることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化物系材料の製造方法。
  4. 前記粒子が、円相当径で、0.1〜10μmの大きさを有することを特徴とする請求項3記載の酸化物系材料の製造方法。
  5. 前記レーザーの波長が、450nm〜1100nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸化物系材料の製造方法。
  6. 前記レーザの周波数を1kHz〜50kHzとすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸化物系材料の製造方法。
  7. 前記レーザーの半値幅が200〜1200nmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸化物系材料の製造方法。
  8. 前記基板上における前記レーザーのエネルギー密度が0.1J/cm〜10J/cmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸化物系材料の製造方法。
  9. 前記基板上に作製された前記In−Ga−Zn−O系材料が、p型特性とn型特性とを併せ持つ半導体特性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の酸化物系材料の製造方法。
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