JP6022838B2 - 酸化物半導体膜の評価方法 - Google Patents

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本発明は、半導体装置に関する。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜を用いてトランジスタ(薄膜トランジスタ(TFT)ともいう)を構成する技術が注目されている。該トランジスタは集積回路(IC)や画像表示装置(表示装置)のような電子デバイスに広く応用されている。トランジスタに適用可能な半導体薄膜としてシリコン系半導体材料が広く知られているが、その他の材料として酸化物半導体が注目されている。
例えば、トランジスタの活性層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、および亜鉛(Zn)を含む非晶質酸化物半導体を用いたトランジスタが開示されている(特許文献1参照)。
特開2006−165528号公報
上述したトランジスタ(電界効果型トランジスタ)は、チャネルが形成される半導体領域、ソース領域またはドレイン領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極など、様々な構成要素を有する。各構成要素はトランジスタの電気特性に密接に関連し、中でもチャネルが形成される半導体領域は、トランジスタの電気特性および信頼性に対して強く影響を与える要素の一つである。
トランジスタのチャネル領域に用いることのできる半導体材料は多種多様である。特に上述した酸化物半導体は複数の元素を有する多成分系であり、非常に多くの組み合わせが可能である。そのため、トランジスタに良好な信頼性を与える酸化物半導体材料の探索には、トランジスタの作製と信頼性試験を数多く実施する必要があった。
したがって、本発明の一態様では、トランジスタに良好な信頼性を与える酸化物半導体材料の探索を容易とする方法、およびトランジスタに良好な信頼性を与える酸化物半導体材料を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、光伝導度を用いてトランジスタに良好な信頼性を与える酸化物半導体材料を探索する方法、および特定の光伝導度を有する酸化物半導体材料に関する。
本明細書に開示する本発明の一態様は、エネルギー4eVの光の照射時において、光学測定法で得られる屈折率nおよび消衰係数k、複素誘電率ε(式(1))の虚数項εを表す式(2)および光のエネルギーEを表す式(3)から得られる式(4)を用い、
ε=ε−ε・・・(1)
ε=2nk=σ/ωε・・・(2)
E=hν=hω/2π・・・(3)
σ=2nk・ωε=4π・nk・E・ε/h・・・(4)
ここで、
ω:電磁波の角振動数
ε:真空の誘電率
h:プランク定数
ν:光の振動数
π:円周率
であり、
算出される光伝導度σが、410Ω−1cm−1以下である酸化物半導体膜を有することを特徴とする半導体装置である。
上記酸化物半導体膜は、インジウム、ガリウム、亜鉛を含む材料で形成されていることが好ましい。
また、上記酸化物半導体膜は、シリコンよりもバンドギャップが広く、且つc軸が被形成面の法線ベクトル又は表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、且つab面に垂直な方向から見て三角形状又は六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状又は金属原子と酸素原子とが層状に配列する相を含むことが好ましい。
本発明の一態様を用いることにより、トランジスタに良好な信頼性を与える酸化物半導体材料の探索を容易とする方法を提供することができる。また、トランジスタに良好な信頼性を与える酸化物半導体材料を提供することができる。
酸化物半導体膜の光伝導度σを示す図。 光負ゲートバイアスストレス試験前後のトランジスタのI−V特性を示す図。 酸化物半導体膜の光伝導度σを示す図。 酸化物半導体膜の光伝導度σとトランジスタのしきい値電圧変動量との関係を示す図。 酸化物半導体膜の光伝導度σとトランジスタのしきい値電圧変動量との関係を示す図。 トランジスタの構造を示す図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である、トランジスタに良好な信頼性を与える酸化物半導体材料を探索する方法、およびトランジスタに良好な信頼性を与える酸化物半導体材料について説明する。
酸化物半導体を用いたnチャネル型トランジスタでは、チャネル形成領域に光照射をしながらゲート電極に負電圧を印加する加速試験(本明細書では、「光負ゲートバイアスストレス試験」という)において、そのしきい値電圧(Vth)がマイナス方向に変動することが知られている。
このような加速試験の結果から、トランジスタの長時間動作における電気特性の変動の可能性が示唆される。初期がノーマリーオフのnチャネル型トランジスタにおいて、しきい値電圧がマイナスの値になるまで変動した場合には、ゲート電圧が0Vでもソース電極とドレイン電極の間に電流が流れる、所謂ノーマリーオンの状態となる場合がある。
このような、しきい値電圧の変動は、半導体装置の動作不良や消費電力の増加などを伴う。したがって、トランジスタのしきい値電圧は長時間の動作ストレスにおいても、変動を極力少なくすることが望ましい。
しかしながら、トランジスタに良好な信頼性を与える材料の探索には、トランジスタの作製と信頼性試験を数多く実施する必要があった。特に上述した酸化物半導体は複数の元素を組み合わせた多成分系であるため非常に多くの種類があり、信頼性を有する材料を間接的に見いだす簡易な探索法が求められている。また、量産にあたっては、酸化物半導体膜を安定に作製するための何らか管理基準が求められている。
上述した光負ゲートバイアスストレス試験によるトランジスタのしきい値電圧のマイナス方向への変動は、光照射によって生成されたキャリア(以降、光キャリア)が原因の一つとなっている。光キャリアは、酸化物半導体膜中の欠陥または酸化物半導体膜表面(界面)の欠陥、またはゲート絶縁膜中に捕獲されることにより、電荷として振る舞う。そのためゲート電界が遮断、または高められ、しきい値電圧が変動してしまう。したがって、しきい値電圧の変動を抑えるためには、欠陥の密度を減らす、または光キャリアの数を減らすことが有効である。
光キャリア数の大小の判断には、光キャリア数に比例する光伝導度σの評価が有効である。光キャリアの数が少なければ、酸化物半導体膜中または半導体膜表面(界面)の欠陥にトラップされるキャリアの数も少ない。そのため、光伝導度σの小さい酸化物半導体膜を用いれば、しきい値電圧の変動の少ないトランジスタを作製することができるといえる。
一般に、光伝導度σは、半導体膜上に二つの電極を成膜して電極間に流れる電流を検出することで求めることができる。しかしながら、この方法では、半導体膜と電極との界面に生じるコンタクト抵抗の影響を受けため、算出される光伝導度σには若干の誤差が生じてしまう。
そこで、本発明の一態様では、光学測定法を用いて光伝導度σを算出する方法を用いる。光学測定から得られる光伝導度σは、電極のない単膜で測定した値であるため、コンタクト抵抗の影響を含まない。したがって、半導体膜の光伝導度σを正確に算出することができる。
光学測定法を用いた光伝導度σの算出方法は次の通りである。
まず、光学測定器を用いて、酸化物半導体膜の屈折率nおよび消衰係数kを測定する。ここで、光学測定器には、エリプソメータなどを用いることができる。
物質の複素誘電率は、式(1)に示す実数項εと虚数項εで表すことができる。
ε=ε−iε ・・・(1)
そして、複素誘電率の虚数項εは、式(2)に示すように、物質の屈折率nと消衰係数kの積で表すことができるとともに、光伝導度σ、光の角振動数ω、および真空の比誘電率εを用いて表すこともできる。
ε=2nk=σ/ωε ・・・(2)
また、光のエネルギーEは、式(3)に示すように、プランク定数hと光の振動数νの積で表すことができるとともに、プランク定数h、光の角振動数ω、および円周率πを用いて表すこともできる。
E=hν=hω/2π ・・・(3)
上記、式(2)および式(3)から式(4)を得ることができ、光学測定器で測定した屈折率nおよび消衰係数kを用いれば、光伝導度σを算出することができる。
σ=2nk・ωε=4π・nk・E・ε/h ・・・(4)
次に、酸化物半導体膜の光伝導度σ、および当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタの光負ゲートバイアスストレス試験の具体例を説明する。
図1は、In、Ga、Znを含む酸化物半導体(IGZOともいう)について、組成の異なる3つのサンプル(In:Ga:Zn=1:1:1、2:1:3、3:1:2、数値は原子数比)を作製し、上述した方法にて光伝導度σを算出した結果である。なお、サンプルは原子数比の異なる母材料(ターゲット)とし、基板温度400℃、酸素ガスでスパッタすることにより作製している。
算出される光伝導度σはサンプルによって異なり、同じエネルギーの光の照射時における光伝導度σは、In:Ga:Zn=1:1:1のサンプルが最も小さいことがわかる。
図2は、光負ゲートバイアスストレス試験の結果を示すトランジスタのI−V特性である。光負ゲートバイアスストレス試験は、トップゲート構造、L/W=3/10μmのトランジスタに対し、室温で光源に白色LEDを用いて36000lxの光を照射しながら、ゲートに−6Vの電圧を1時間印加する方法を用いている。また、図は、光負ゲートバイアスストレス試験前後におけるドレイン電圧0.1V、1.0Vの電流を重ね書きしたものである。
図2(A)は、図1に示したIn:Ga:Zn=1:1:1のサンプルと同じ条件で作製した酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタの光負ゲートバイアスストレス試験前後のI−V特性である。このトランジスタでは、矢印で示すように、しきい値電圧が約0.16Vほどマイナス側に変動している。
一方、図2(B)は、図1に示したIn:Ga:Zn=3:1:2のサンプルと同じ条件で作製した酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタの光負ゲートバイアスストレス試験前後のI−V特性である。このトランジスタでは、矢印で示すように、しきい値電圧が約0.32Vほどマイナス側に変動している。
これらの結果から、光伝導度σの値が小さい酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、光負ゲートバイアスストレス試験におけるしきい値電圧の変動が小さいことがわかる。つまり、光伝導度σが極力小さくなるように酸化物半導体膜の作製条件を最適化すれば、信頼性の高いトランジスタを得ることができる。
また、図3は、In:Ga:Zn=1:1:1のサンプルを酸素雰囲気中において、300℃、350℃、400℃、450℃のそれぞれの温度で、1時間熱処理したサンプル、および熱処理無しのサンプルの光伝導度σを算出した結果である。
酸化物半導体では、熱処理をすることで結晶構造が変化し、それに伴う価電子帯の状態密度低下やバンドギャップの増大などにより、光伝導度σが低下する。図3の結果から、光伝導度σをより低下させるには、熱処理温度が高いほど好ましく、具体的には400℃以上が好ましいといえる。
また、図4(A)、(B)、図5(A)、(B)は、図3のサンプル(熱処理無しを除く)と同条件で作製した酸化物半導体膜を用いてトランジスタを作製し、光負ゲートバイアスストレス試験を行った結果を代表的な波長における酸化物半導体膜の光伝導度σと、トランジスタのしきい値電圧の変動量(ΔVth)の関係で示したものである。
作製したトランジスタは、ボトムゲート構造、L/W=6/50μm、光負ゲートバイアスストレス試験は、80℃で光源に白色LEDを用いて3000lxの光を照射しながら、ゲートに−30V、ドレインに0.1Vの電圧を2000秒間印加する方法を用いている。
図4(A)は、XeClエキシマレーザの発振波長308nm(約4.0eV)の光を照射したときの各酸化物半導体膜のサンプルの光伝導度σと、当該サンプルと同じ条件で作製した酸化物半導体膜を用いて作製したトランジスタの光負ゲートバイアスストレス試験後のしきい値電圧変動量(ΔVth)との関係を示した図である。光伝導度σの減少とともにΔVthの絶対値は小さくなる傾向を示している。この結果から、波長308nm(約4.0eV)の光を照射したときの酸化物半導体膜の光伝導度σは、約410Ωー1cm−1以下であることが好ましいといえる。
図4(B)は、He−Cdレーザの発振波長325nm(約3.8eV)の光を照射したときの各酸化物半導体膜のサンプルの光伝導度σと、当該サンプルと同じ条件で作製した酸化物半導体膜を用いて作製したトランジスタの光負ゲートバイアスストレス試験後のしきい値電圧変動量(ΔVth)との関係を示した図である。光伝導度σの減少とともにΔVthの絶対値は小さくなる傾向を示している。この結果から、波長325nm(約3.8eV)の光を照射したときの酸化物半導体膜の光伝導度σは、約255Ωー1cm−1以下であることが好ましいといえる。
図5(A)は、Krレーザの発振波長350nm(約3.5eV)の光を照射したときの各酸化物半導体膜のサンプルの光伝導度σと、当該サンプルと同じ条件で作製した酸化物半導体膜を用いて作製したトランジスタの光負ゲートバイアスストレス試験後のしきい値電圧変動量(ΔVth)との関係を示した図である。光伝導度σの減少とともにΔVthの絶対値は小さくなる傾向を示している。この結果から、波長350nm(約3.5eV)の光を照射したときの酸化物半導体膜の光伝導度σは、約90Ωー1cm−1以下であることが好ましいといえる。
図5(B)は、Arレーザの発振波長364nm(約3.4eV)の光を照射したときの各酸化物半導体膜のサンプルの光伝導度σと、当該サンプルと同じ条件で作製した酸化物半導体膜を用いて作製したトランジスタの光負ゲートバイアスストレス試験後のしきい値電圧変動量(ΔVth)との関係を示した図である。光伝導度σの減少とともにΔVthの絶対値は小さくなる傾向を示している。この結果から、波長364nm(約3.4eV)の光を照射したときの酸化物半導体膜の光伝導度σは、約36Ωー1cm−1以下であることが好ましいといえる。
以上のように、酸化物半導体膜の光伝導度σとトランジスタの信頼性には相関があり、光伝導度σを測定することで間接的にトランジスタの信頼性を予測することができる。したがって、本方法を用いることで、トランジスタの開発期間、コストを低減することができる。また、信頼性を満足するトランジスタを形成することのできる酸化物半導体膜の光伝導度σの値を管理基準とすることで、トランジスタを安定して量産することもできる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した酸化物半導体膜を用いるトランジスタ、および該トランジスタを構成する材料について説明する。
図6(A)は、トランジスタの上面図であり、図6(B)は、図6(A)に示す線分A1−A2における断面図である。なお、図6(A)では明瞭化のため、一部の構成要素を省いて図示してある。
図6(A)、(B)に示すトランジスタ2191は、基板2100上に形成された下地絶縁膜2110と、該下地絶縁膜上に形成された半導体層2120と、該半導体層上に形成されたソース電極2150aおよびドレイン電極2150bと、半導体層2120、ソース電極2150a、ドレイン電極2150b上に形成されたゲート絶縁膜2130と、半導体層2120、ソース電極2150a、ドレイン電極2150bと重畳するようにゲート絶縁膜2130上に形成されたゲート電極2140と、ゲート絶縁膜2130およびゲート電極2140上に形成された保護膜2160と、該保護膜上に形成された平坦化膜2170を有する。なお、保護膜2160および平坦化膜2170は必要に応じて設ければよい。
なお、図6では一例としてノンセルフアラインのトップゲート型のトランジスタを示したが、セルフアラインのトップゲート型やボトムゲート型であってもよい。
図6(A)、(B)に示す半導体層2120に酸化物半導体などのバンドギャップの広い半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を著しく小さくすることができる。
バンドギャップが広い半導体材料の一例としては、酸化物半導体の他に、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などの化合物半導体などがあるが、酸化物半導体は、炭化珪素や窒化ガリウムと異なり、スパッタ法や湿式法により作製可能であり、量産性に優れるといった利点がある。また、酸化物半導体は室温でも成膜が可能なため、ガラス基板上への成膜、或いはシリコンを用いた集積回路上への成膜が可能である。また、基板の大型化にも対応が可能である。よって、上述したワイドギャップ半導体の中でも、特に酸化物半導体は量産性が高いというメリットを有する。また、トランジスタの性能(例えば電界効果移動度)を向上させるために結晶性の酸化物半導体を得ようとする場合でも、250℃から800℃の熱処理によって容易に結晶性の酸化物半導体を得ることができる。
なお、酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にInとZnを含むことが好ましい。また、該酸化物を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。また、上記酸化物半導体は、珪素を含んでいてもよい。
なお、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素を含んでいてもよい。In−Ga−Zn系酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高いため、半導体装置に用いる半導体材料としては好適である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)あるいはIn:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子数比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
しかし、これらに限られず、必要とする電気的特性(移動度、しきい値電圧、ばらつき等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする半導体特性を得るために、キャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
なお、例えば、酸化物半導体膜は、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、及びZn(亜鉛)を含むターゲットを用いたスパッタ法により形成することができる。In−Ga−Zn系酸化物半導体膜をスパッタ法で成膜する場合、好ましくは、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1、4:2:3、3:1:2、1:1:2、2:1:3、または3:1:4で示されるIn−Ga−Zn系酸化物のターゲットを用いる。前述の原子数比を有するIn−Ga−Zn系酸化物のターゲットを用いて酸化物半導体膜を成膜することで、結晶が形成されやすくなる。また、In、Ga、及びZnを含むターゲットの充填率は90%以上、好ましくは95%以上である。充填率の高いターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜となる。
なお、酸化物半導体としてIn−Zn系酸化物の材料を用いる場合、用いるターゲットの組成は、原子数比で、In:Zn=50:1〜1:2(モル数比に換算するとIn:ZnO=25:1〜1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1〜1:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=10:1〜1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=1.5:1〜15:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=3:4〜15:2)とする。例えば、In−Zn系酸化物である酸化物半導体膜の形成に用いるターゲットは、原子数比がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。Znの比率を上記範囲に収めることで、移動度の向上を実現することができる。
また、酸化物半導体膜としてIn−Sn−Zn系酸化物半導体膜をスパッタ法で成膜する場合、好ましくは、原子数比がIn:Sn:Zn=1:1:1、2:1:3、1:2:2、または20:45:35で示されるIn−Sn−Zn−Oターゲットを用いる。
また、酸化物半導体膜として、単結晶、多結晶(ポリクリスタルともいう。)または非晶質などの状態を有する膜を用いることができる。好ましくは、酸化物半導体膜は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜とする。
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非晶質相に結晶部および非晶質部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
CAAC−OS膜で構成された酸化物半導体膜は、スパッタ法で作製することができる。スパッタ法によってCAAC−OS膜を得るには酸化物半導体膜の堆積初期段階において六方晶の結晶が形成されるようにすることと、当該結晶を種として結晶が成長されるようにすることが肝要である。そのためには、ターゲットと基板の距離を広くとり(例えば、150mm〜200mm程度)、基板加熱温度を100℃〜500℃、好適には200℃〜400℃、さらに好適には250℃〜300℃にすると好ましい。また、これに加えて、成膜時の基板加熱温度よりも高い温度で、堆積された酸化物半導体膜を熱処理することで膜中に含まれるミクロな欠陥や、積層界面の欠陥を修復することができる。
また、酸化物半導体膜は、熱処理をすることで結晶構造が変化し、それに伴う価電子帯の状態密度低下やバンドギャップの増大などが起こり、光伝導度σが低下する。この熱処理によって、固定電荷として振る舞う光キャリアの生成が抑えられ、トランジスタのしきい値電圧の変動を抑えることができる。
上記熱処理は、400℃以上で行うことが特に好ましく、実施の形態1で説明したように酸化物半導体膜の光伝導度σを算出することで、高い信頼性を有するトランジスタを形成できるか否かを判断することができる。また、光伝導度σの値を管理基準として、トランジスタを安定して作製することができる。例えば、波長308nm(約4.0eV)の光を照射したときの酸化物半導体膜の光伝導度σが約410Ωー1cm−1以下となるように酸化物半導体膜の作製条件を調整すればよい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
2100 基板
2110 下地絶縁膜
2120 半導体層
2130 ゲート絶縁膜
2140 ゲート電極
2150a ソース電極
2150b ドレイン電極
2160 保護膜
2170 平坦化膜
2191 トランジスタ

Claims (3)

  1. 酸化物半導体膜にエネルギー4eVの光の照射
    光学測定法で得られる屈折率nおよび消衰係数k、複素誘電率ε(式(1))の虚数項εを表す式(2)および光のエネルギーEを表す式(3)から得られる式(4)を用い、
    ε=ε−iε ・・・(1)
    ε=2nk=σ/ωε・・・(2)
    E=hν=hω/2π ・・・(3)
    σ=2nk・ωε=4π・nk・E・ε/h ・・・(4)
    ここで、
    ω:光の角振動数
    ε:真空の誘電率
    h:プランク定数
    ν:光の振動数
    π:円周率
    であり、
    算出される光伝導度σが、410Ω−1cm−1以下であることを特徴とする酸化物半導体膜の評価方法
  2. 請求項1において、
    前記酸化物半導体膜は、インジウム、ガリウム、亜鉛を含む材料で形成されていることを特徴とする酸化物半導体膜の評価方法
  3. 請求項1または2において、
    前記酸化物半導体膜は、シリコンよりもバンドギャップが広く、且つc軸が被形成面の法線ベクトル又は表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、且つab面に垂直な方向から見て三角形状又は六角形状の原子配列を有し、前記c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状又は金属原子と酸素原子とが層状に配列する相を含むことを特徴とする酸化物半導体膜の評価方法
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