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Abstract
【課題】発光素子が間隙を置いて配列された表示装置において発光素子間の間隙領域に配置するブラックマトリクスでの外光反射を低減する。【解決手段】OLED6は画素ごとに設けられ、相互間に間隙を有して表示領域に配列される。ブラックマトリクス44は画素の境界に沿って配置され、表示領域にてOLED6に対応する領域内に第1開口部46を形成する。ブラックマトリクス44はさらに、表示領域にてOLED6間の間隙に対応する領域内に第2開口部48を形成されている。【選択図】図3
Description
本発明は表示装置に関し、特に外光反射を低減してコントラスト比の向上を図る技術に関する。
有機EL表示装置等の表示装置の表示面での外光反射は画像のコントラスト比を低下させる。この問題への対策として、表示面にブラックマトリクスが配設される。また表示面に円偏光板を配置する構造も当該問題への対策となり得る。
ブラックマトリクスは画素間の境界での外光反射を低減するものの、ブラックマトリクスでの反射を完全に抑制することは難しいという問題があった。一方、円偏向板を設けると表示パネルの厚みが増すと共にコストが増加するという問題を生じる。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、表示面のうち画素間の境界部分からの外光反射が低減された表示装置を提供する。
(1)本発明に係る表示装置は、画素ごとに設けられ、相互間に間隙を有して表示領域に配列された発光素子と、前記画素の境界に沿って配置され、前記表示領域にて前記発光素子に対応する領域内に第1開口部を形成する遮光部材と、を有し、前記遮光部材はさらに、前記表示領域にて前記発光素子間の間隙に対応する領域内に第2開口部を形成されている。
(2)上記(1)に記載する表示装置において、前記画素の表示色に対応したカラーフィルタを有し、前記第2開口部は隣接する前記画素の前記カラーフィルタを配置されてもよい。
(3)上記(1)に記載する表示装置において、前記第2開口部の幅は前記間隙の幅より小さくすることができる。
(4)上記(1)に記載する表示装置において、表示色が互いに異なる複数種類の前記画素が前記表示領域にストライプ配列され、前記第2開口部は、前記画素の境界のうち前記表示色が同じである前記画素に挟まれた部分に選択的に形成された構成とすることができる。
(5)上記(1)に記載する表示装置において、表示面側から前記第2開口部に入射した光を吸収する光吸収部材を設けてもよい。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
[第1の実施形態]
有機EL表示装置はアクティブマトリックス型表示装置であり、テレビ、パソコン、携帯端末、携帯電話等に表示パネルとして搭載される。図1は、第1の実施形態に係る有機EL表示装置2の概略の構成を示す模式図である。有機EL表示装置2は、画像を表示する画素アレイ部4と、当該画素アレイ部を駆動する駆動部とを備える。有機EL表示装置2ではTFTを形成する基材としてガラス基板ではなく樹脂フィルムを用いる。
有機EL表示装置はアクティブマトリックス型表示装置であり、テレビ、パソコン、携帯端末、携帯電話等に表示パネルとして搭載される。図1は、第1の実施形態に係る有機EL表示装置2の概略の構成を示す模式図である。有機EL表示装置2は、画像を表示する画素アレイ部4と、当該画素アレイ部を駆動する駆動部とを備える。有機EL表示装置2ではTFTを形成する基材としてガラス基板ではなく樹脂フィルムを用いる。
画素アレイ部4には画素に対応してOLED6及び画素回路8がマトリクス状に配置される。画素回路8は複数のTFT10,12やキャパシタ14で構成される。
一方、駆動部は走査線駆動回路20、映像線駆動回路22、駆動電源回路24及び制御装置26を含み、画素回路8を駆動しOLED6の発光を制御する。
走査線駆動回路20は画素の水平方向の並び(画素行)ごとに設けられた走査信号線28に接続されている。走査線駆動回路20は制御装置26から入力されるタイミング信号に応じて走査信号線28を順番に選択し、選択した走査信号線28に、点灯TFT10をオンする電圧を印加する。
映像線駆動回路22は画素の垂直方向の並び(画素列)ごとに設けられた映像信号線30に接続されている。映像線駆動回路22は制御装置26から映像信号を入力され、走査線駆動回路20による走査信号線28の選択に合わせて、選択された画素行の映像信号に応じた電圧を各映像信号線30に出力する。当該電圧は、選択された画素行にて点灯TFT10を介してキャパシタ14に書き込まれる。駆動TFT12は書き込まれた電圧に応じた電流をOLED6に供給し、これにより、選択された走査信号線28に対応する画素のOLED6が発光する。
駆動電源回路24は画素列ごとに設けられた駆動電源線32に接続され、駆動電源線32及び選択された画素行の駆動TFT12を介してOLED6に電流を供給する。
ここで、OLED6の陽極(アノード)は画素ごとに分離して形成され、それぞれ駆動TFT12に接続される。一方、各OLED6の陰極(カソード)は基本的に接地電位に接続され、全画素のOLED6の陰極は共通の電極で構成される。
図2は画素アレイ部4の模式的な部分平面図である。本実施形態の有機EL表示装置2はカラー画像を表示する。カラー画像における画素は例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色(W)に対応する光を出射する画素(サブピクセル)で構成される。各サブピクセルに対応してOLED6が設けられる。図2においてOLED6の位置はOLED6の陽極である画素電極42で表されている。本実施形態では各画素はベイヤー配列されたRGBWの4つのサブピクセルからなる。具体的には、水平方向、垂直方向にそれぞれ2つ並んだ4つのサブピクセル40がカラー画像における1画素に対応する。2行2列に並ぶ4つのサブピクセルからなる1画素に対応する矩形領域の1つの対角線上にRサブピクセル40rとBサブピクセル40bとが配置され、もう1つの対角線上にGサブピクセル40gとWサブピクセル40wとが配置される。以下の説明では、記載を簡潔にするためにRGBWサブピクセルをRGBW画素と表す。
RGBW画素の境界に沿って遮光部材からなるブラックマトリクス44が配置される。ブラックマトリクス44はRGBW画素に対応する領域に第1開口部46を有する。ブラックマトリクス44はさらに、画素電極42間の間隙に対応する領域内に第2開口部48を形成されている。このブラックマトリクス44の構成についてはさらに後述する。
図3は図2に示すIII−III線に沿った位置での画素アレイ部4の模式的な垂直断面図である。有機EL表示装置2はOLED基板60と対向基板62とを、間に充填材64を挟んで貼り合わせた構造を有する。本実施形態において画素アレイ部はトップエミッション型であり、OLED基板60上に発光素子であるOLED6が形成され、OLED6で生じた光を対向基板62から出射する。すなわち、図3においてOLEDの光は上向きに出射する。また、図3に示す有機EL表示装置2におけるカラー化方式はカラーフィルタ方式であり、OLEDにて白色光を生成し、RGB画素では当該白色光をカラーフィルタを通すことでRGB各色を得る。一方、W画素ではカラーフィルタを設けないことでW色を得る。
OLED基板60は例えば、ガラスや樹脂フィルムからなる下基板70に回路部72、絶縁膜74、OLED部76、封止層78などが積層された構造を有する。
回路部72は上述した画素回路8、走査信号線28、映像信号線30、駆動電源線32などからなり、下基板70の表面に形成される。また、駆動回路20,22、駆動電源回路24、制御装置26の少なくとも一部分は回路部72としてOLED基板60上に画素アレイ部と一体に構成することができる。
絶縁膜74は回路部72を覆って下基板70表面に積層され、画素ごとに設けられる画素回路8の相互間や、画素電極42と回路部72との間などを電気的に絶縁する。絶縁膜74は例えば酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiN)等で形成される。
OLED部76は下部電極(画素電極42)、有機材料積層部90、上部電極92及びバンク94を含んで構成される。
画素電極42及び上部電極92とこれらの間に挟持される有機材料積層部90とはOLED6を構成する。上部電極92は基本的に表示領域の全画素の有機材料積層部90に共通に接触する共通電極である。一方、画素電極42は画素ごとに分離して形成され、コンタクトホール96を介して回路部72と電気的に接続される。本実施形態では上部電極92がOLED6の陰極をなし、画素電極42が陽極をなす。上部電極92及び画素電極42は例えば、IZO(Indium Zinc Oxide)やITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材を用いて形成される。有機材料積層部90は後述する発光層を備え、発光層は両電極に印加される電圧に応じて正孔及び電子を注入され、それらの再結合により発光する。
バンク94はRGBW各画素の境界に絶縁層で形成され、画素電極42間を電気的に分離する。
封止層78はOLED部76の上に積層される。OLEDの特性が水分によって劣化することに対応して、封止層78は充填材64に含まれる水分からOLEDを保護する防湿機能を有する。例えば、封止層78はSiNからなる。
対向基板62は、例えばガラスなどの透明材料からなる上基板100上にブラックマトリクス44、カラーフィルタ102、オーバーコート層104を含む積層構造を形成される。
ブラックマトリクス44は既に述べたようにRGBW画素の境界領域に配置される。ブラックマトリクス44は上基板100の表面に積層された例えば、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等の金属からなる遮光膜をパターニングして形成される。またブラックマトリクス44は、チタンブラックやカーボンブラックなどの黒色顔料を含む感光性樹脂などからなる光吸収膜を用いて形成することもできる。
カラーフィルタ102は図3に示す構成では、ブラックマトリクス44を形成された上基板100の表面に積層される。カラーフィルタ102は光透過性の樹脂材料等で形成され、顔料等により複数の色に着色される。例えば、カラーフィルタ102は色レジストで形成される。本実施形態ではR画素40r、G画素40g、B画素40bに対応してカラーフィルタ102として赤色(R)フィルタ102r、緑色(G)フィルタ102g及び青色(B)フィルタ102bが設けられる。なお、図3に示す断面はR画素40r及びG画素40gを通る断面であるので、Rフィルタ102rとGフィルタ102gのみが示されている。
オーバーコート層104は、上述したブラックマトリクス44及びカラーフィルタ102が積層された上基板100の表面を覆う。オーバーコート層104は例えばアクリル樹脂等の透明な樹脂材料で作られる。
OLED基板60と対向基板62とは間隙を設けて対向配置され、表示領域を囲んで当該間隙にはダム材(シール材)(不図示)が配され、表示領域の間隙を密閉する。充填材64(フィル材)はダム材の内側の間隙に充填される。ダム材及び充填材64は硬化して両基板を接着する。
図2及び図3を参照してブラックマトリクス44の構成についてさらに説明する。ブラックマトリクス44はRGBW画素の境界に沿って配置される。ブラックマトリクス44に設けられた第1開口部46はOLED6からの表示光を透過するためのものであり、画素アレイ部4(表示領域)にて発光素子に対応する領域内に形成される。具体的には、発光素子に対応する領域はOLED6の画素電極42が配置された領域に当たり、第1開口部46の縁は平面図上、画素電極42の縁と同じ位置、又は画素電極42の配置領域内の位置に設定される。
ブラックマトリクス44にはさらに第2開口部48が設けられる。第2開口部48は画素アレイ部4にて発光素子間の間隙に対応する領域内に形成される。具体的には、第2開口部48は画素電極42間の領域内に位置し、画素電極42に対向する部分が生じないように形成される。つまり、第2開口部48の幅WAは画素電極42間の間隙の幅Sと同じか、それより小さく設定される。
表示面に入射する外光のうち第2開口部48への入射光は対向基板62を通過してOLED基板60側へ進む。第2開口部48は画素電極42とは重なりを有さない、つまり第2開口部48の下には画素電極42が存在しないので、第2開口部48から表示パネル内に進入した外光は画素電極42で反射されず、画素電極42よりも下層に到達し乱反射を繰り返して吸収される。すなわち、第2開口部48に入射した外光は再び外部へ出射しない。よって、第2開口部48を備えたブラックマトリクス44は第2開口部48を備えない従来のブラックマトリクスに比べて外光反射を抑制できる。
第2開口部48は水平方向に並ぶ2つの画素間に垂直に伸びる間隙領域(領域110v)、垂直方向に並ぶ2つの画素間に水平に伸びる間隙領域(領域110h)、及びそれら領域110v,110hが交差する部分(領域110c)のいずれにも設けることができる。第2開口部48の長さ(画素の境界に沿った方向に対する寸法)は基本的に任意であり、また第2開口部48の形状は矩形以外であってもよい。例えば、2つの画素間に複数の第2開口部48を設けることもできるし、或る画素対の間隙領域と他の画素対の間隙領域とに跨がって連続する第2開口部48を設けることもできる。
図3に示すように本実施形態では、第2開口部48の幅WAは画素電極42間の間隙の幅Sより小さく設定している。これにより、OLED基板60と対向基板62とを貼り合わせる際にアライメントずれが生じても第2開口部48と画素電極42とがオーバーラップしにくくなる。例えば、領域110c以外の間隙領域(領域110v,110h)に設ける第2開口部48については、第2開口部48の中心を間隙の幅の中心に一致させるように設計した場合、アライメントの許容誤差の絶対値をεとすると、WAは(S−2ε)以下とすればよい。なお、領域110cに設ける第2開口部48cが画素電極42とオーバーラップしにくくするには、第2開口部48cとその周囲の画素電極42との最短距離がε以上となるような寸法・形状とすればよい。
上述のように画素電極42が存在しない位置に第2開口部48を設けることで、第2開口部48に入射した外光が画素電極42で反射することを避けることができる。ここで、画素間の間隙領域に金属配線など、画素電極42以外の高反射率の部材が存在すると、第2開口部48から入射した外光が当該部材で反射して再び外部へ出射し得る。そこで、第2開口部48は、画素間の間隙領域のうち金属配線等が配置される部分を避けて設けることが好適である。また、画素間の間隙領域には金属配線等を可能な限り配置せず、第2開口部48の面積を大きくすることが好ましい。例えば、回路部72に設けられる画素回路8などを画素電極42の背後に隠れるように配置し、画素間の間隙領域に現れる反射体の面積を少なくする。
カラーフィルタ102は第2開口部48にも形成することができる。例えば、Rフィルタ102r、Gフィルタ102g及びBフィルタ102bを第1開口部46内だけでなく、第2開口部48まで覆うように形成する。第2開口部48にカラーフィルタ102を設けることで、第2開口部48に入射する外光や、表示パネル内から第2開口部48を通過して外部へ出射する光についてカラーフィルタ102の通過帯域以外の成分を吸収し弱めることができる。仮に第2開口部48からの入射外光の一部が表示パネル内にて反射され第2開口部48に戻る現象が起こるとしても、第2開口部48への入射時と第2開口部48からの出射時におけるカラーフィルタ102による減衰が当該現象により第2開口部48から出射する光の強度を弱める。また、第2開口部48に設けたカラーフィルタ102は、OLED6から隣接画素方向へ斜めに出射した白色光が第2開口部48から直接出射することを防止する。
本実施形態では図3に示すように隣接する画素の互いに色が異なる2つのカラーフィルタ102が第2開口部48内で接続されている。なお、図2では第2開口部48内のカラーフィルタ102は図示を省略している。当該2つのカラーフィルタ102の接続境界線は例えば、第2開口部48の幅方向の中心を通り画素境界に沿って伸びる。また、隣接する画素の互いに異なる色のカラーフィルタ102は第2開口部48にてオーバーラップしてもよい。
本実施形態ではブラックマトリクス44の第1開口部46の縁は平面図上、画素電極42の配置領域内の位置に設定する。つまり、第2開口部48を含んだブラックマトリクス44の全幅WBは画素電極42間の間隙の幅Sより大きく設定され、ブラックマトリクス44は画素電極42の端部とオーバーラップしている。この構成では、OLED6から隣接画素方向への斜めの出射光は第1開口部46側に張り出したブラックマトリクス44に到達して遮光されるので画素の色分離性が向上する。
従来は、第2開口部48に相当する箇所にもブラックマトリクス44を構成する遮光膜が存在していたため上基板100とブラックマトリクス44との界面で外光が反射して再び外部に出射していたのに対し、上述した有機EL表示装置2では、第2開口部48の占有面積の分だけ反射光を低減できる。つまり、表示面に入射した外光による不要な反射光がOLED6からの表示光に重畳することを抑制できるので、コントラスト比の低下や階調潰れといった表示特性への影響を低減する効果が得られる。
なお、上述の実施形態では対向基板62にオーバーコート層104を設けたが、オーバーコート層104が存在しなくても本発明の当該効果は変わらない。また、上述の実施形態ではOLED基板60に封止層78を設けたが、封止層78が存在しなくても本発明の当該効果は変わらない。また、上述の有機EL表示装置2はOLED基板60と対向基板62とを充填材64で貼り合わせる構造としたが、有機EL表示装置2が充填材64が存在しない中空貼り合わせの構造であっても本発明の効果は変わらない。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る有機EL表示装置2aは上述した第1の実施形態の有機EL表示装置2と概ね共通の構造であり、有機EL表示装置2aの概略の構造についての図1、及び画素アレイ部4の模式的な部分平面図を示す図2を援用することができる。以下、第2の実施形態に係る有機EL表示装置2aについて、その構成要素のうち第1の実施形態の有機EL表示装置2と同様の構成要素に関しては同一の符号を付して基本的に説明を省略し、有機EL表示装置2との相違点を主に説明する。
第2の実施形態に係る有機EL表示装置2aは上述した第1の実施形態の有機EL表示装置2と概ね共通の構造であり、有機EL表示装置2aの概略の構造についての図1、及び画素アレイ部4の模式的な部分平面図を示す図2を援用することができる。以下、第2の実施形態に係る有機EL表示装置2aについて、その構成要素のうち第1の実施形態の有機EL表示装置2と同様の構成要素に関しては同一の符号を付して基本的に説明を省略し、有機EL表示装置2との相違点を主に説明する。
図4は図2に示すIII−III線に沿った位置での有機EL表示装置2aの画素アレイ部4の模式的な垂直断面図である。有機EL表示装置2aは画素アレイ部4の背面、つまり表示面とは反対側の面に光吸収体120を有する。光吸収体120は下基板70に密着して配置される。例えば、光吸収体120はチタンブラックやカーボンブラックなどの黒色顔料を含む樹脂からなる光吸収性の遮光層や、黒色プラスチックフィルムからなる。有機EL表示装置2aのブラックマトリクス44は第1の実施形態と同様、第2開口部48を有することで外光反射を低減できる。さらに本実施形態では、第2開口部48から表示パネル内部に進入した外光が光吸収体120によって吸収されるので、入射した外光が反射して再び外部に出射することがさらに好適に抑制される。
なお、下基板70の背面に光吸収体120を別途配置する上述の構成に代えて、下基板70自体を光吸収性の材料で形成してもよい。例えば、下基板70を構成する光吸収性材料として、チタンブラックやカーボンブラックなどの黒色顔料を分散含有させたガラス基板を用いることができる。この構成でも下基板70の背面に光吸収体120を配置する上述の構成と同様の外光反射の抑制効果が得られる。さらに下基板70自体を光吸収体とする当該構成は、下基板70とは別に光吸収体120を設ける構成に比べて表示パネルの厚みを薄くしやすい。
[第3の実施形態]
次に第3の実施形態に係る有機EL表示装置2bについて説明する。以下、本実施形態に係る有機EL表示装置2bについて、その構成要素のうち第1の実施形態の有機EL表示装置2と同様の構成要素に関しては同一の符号を付して基本的に説明を省略し、有機EL表示装置2との相違点を主に説明する。
次に第3の実施形態に係る有機EL表示装置2bについて説明する。以下、本実施形態に係る有機EL表示装置2bについて、その構成要素のうち第1の実施形態の有機EL表示装置2と同様の構成要素に関しては同一の符号を付して基本的に説明を省略し、有機EL表示装置2との相違点を主に説明する。
第3の実施形態に係る有機EL表示装置2bの概略の構造を示す模式図、及び画素アレイ部4の模式的な部分平面図として図1及び図2を援用することができる。
図5は図2に示すIII−III線に沿った位置での有機EL表示装置2bの画素アレイ部4の模式的な垂直断面図である。
第1の実施形態の有機EL表示装置2は、OLED基板60に、ブラックマトリクス44及びカラーフィルタ102を形成した対向基板62を充填材64で接合する構造であった。これに対し、第3の実施形態の有機EL表示装置2bではOLED基板60にカラーフィルタ102及びブラックマトリクス44を形成する。具体的には、OLED基板60に設けた封止層78の表面にカラーフィルタ102が形成され、ブラックマトリクス44はカラーフィルタ102の表面に形成される。有機EL表示装置2bの表示面側には、カラーフィルタ102及びブラックマトリクス44を覆う保護層130が形成される。保護層130は透明材料からなり、例えば、透明樹脂をコーティングして形成することができる。
有機EL表示装置2bのブラックマトリクス44は第1の実施形態と同様、第2開口部48を有することで外光反射を低減できる。本実施形態の構成では、上基板100や充填材64が省略されるので、第1の実施形態の有機EL表示装置2よりも表示パネルの厚みを薄くすることができる。
なお、図5に示すように、カラーフィルタ102は第1の実施形態と同様、第1開口部46だけでなく第2開口部48にも形成することができ、これにより第1の実施形態で述べた効果が得られる。
[第4の実施形態]
次に第4の実施形態に係る有機EL表示装置2cについて説明する。以下、本実施形態に係る有機EL表示装置2cについて、その構成要素のうち上記各実施形態の有機EL表示装置2と同様の構成要素に関しては同一の符号を付して基本的に説明を省略し、各実施形態の有機EL表示装置との相違点を主に説明する。
次に第4の実施形態に係る有機EL表示装置2cについて説明する。以下、本実施形態に係る有機EL表示装置2cについて、その構成要素のうち上記各実施形態の有機EL表示装置2と同様の構成要素に関しては同一の符号を付して基本的に説明を省略し、各実施形態の有機EL表示装置との相違点を主に説明する。
第4の実施形態に係る有機EL表示装置2cの概略の構造を示す模式図、及び画素アレイ部4の模式的な部分平面図として図1及び図2を援用することができる。
図6は図2に示すIII−III線に沿った位置での有機EL表示装置2cの画素アレイ部4の模式的な垂直断面図である。
第4の実施形態の有機EL表示装置2cは第3の実施形態の有機EL表示装置2bと同様、OLED基板60にカラーフィルタ102及びブラックマトリクス44を形成する。具体的には、ブラックマトリクス44はOLED基板60に設けた封止層78の表面に形成され、次いで、ブラックマトリクス44及び封止層78を覆ってカラーフィルタ102が形成される。すなわち、第4の実施形態では、ブラックマトリクス44及びカラーフィルタ102が第3の実施形態とは逆の順序で形成される。
有機EL表示装置2cによっても上記各実施形態と同様、ブラックマトリクス44の第2開口部48を設けることによる外光反射の低減が図れる。さらに、有機EL表示装置2cではブラックマトリクス44がカラーフィルタ102で覆われているので、入射した外光はブラックマトリクス44に到達する前、及びブラックマトリクス44で反射した後、カラーフィルタ102を透過してその一部が吸収される。これにより、ブラックマトリクス44に入射した外光による不要な反射光の強度が弱まる。
保護層130はカラーフィルタ102の表面に積層される。ここで、ブラックマトリクス44がカラーフィルタ102で覆われていることにより、封止層78の表面とブラックマトリクス44の表面との間の段差がカラーフィルタ102の表面では平坦化されるので、保護層130を形成しやすくなる。
本実施形態でも第3の実施形態と同様、上基板100や充填材64が省略されることによる表示パネルの厚み低減が図られる。
なお、図6に示すように、カラーフィルタ102は第1の実施形態と同様、第1開口部46だけでなく第2開口部48にも形成することができ、これにより第1の実施形態で述べた効果が得られる。
[第1の変形例]
画素アレイ部4における異なる色の画素(サブピクセル)の配列は、図2に示すベイヤー配列以外であってもよい。例えば、上記各実施形態において、画素配列はストライプ配列とすることができる。当該配列では、列方向に同じ色の画素が並び、行方向に色が異なる複数種類の画素が周期的に配列される。図7はストライプ配列の場合における本発明の実施形態である画素アレイ部4の一例の模式的な平面図である。図7に示す例では表示画像の1画素がRGBサブピクセルからなる。
画素アレイ部4における異なる色の画素(サブピクセル)の配列は、図2に示すベイヤー配列以外であってもよい。例えば、上記各実施形態において、画素配列はストライプ配列とすることができる。当該配列では、列方向に同じ色の画素が並び、行方向に色が異なる複数種類の画素が周期的に配列される。図7はストライプ配列の場合における本発明の実施形態である画素アレイ部4の一例の模式的な平面図である。図7に示す例では表示画像の1画素がRGBサブピクセルからなる。
一般にストライプ配列では、水平方向に隣接して配置される互いに異なる色のサブピクセル間における画素電極42の間隙は微細であり、当該間隙(領域110v)に第2開口部48を設けることは加工技術の観点で難しい場合がある。一方、垂直方向に隣接して配置される同じ色のサブピクセル間における画素電極42の間隙(領域110h)の幅を大きくすることは領域110vに比べれば容易である。
そこで、ストライプ配列の場合には、ブラックマトリクス44の第2開口部48を、垂直方向に並ぶ2つの画素間に水平に伸びる間隙領域(領域110h)にのみ設け、これにより外光反射の低減を図ってもよい。
なお、上記各実施形態と同様、カラーフィルタ102は第2開口部48内にも配置することができるが、図7では図示を省略している。
[第2の変形例]
上記各実施形態では画素アレイ部4は白色発光のOLED6とカラーフィルタ102との組み合わせでカラー画像を生成するカラーフィルタ方式の構成を示した。しかし、画素アレイ部4のカラー化方式は他の方式であってもよい。例えば、各サブピクセルに対応する色で発光するOLED6を配列した構成であってもよいし、各サブピクセルに対応する色で発光するOLED6の上に各OLED6と同じ色のカラーフィルタ102を配置した構成であってもよい。
上記各実施形態では画素アレイ部4は白色発光のOLED6とカラーフィルタ102との組み合わせでカラー画像を生成するカラーフィルタ方式の構成を示した。しかし、画素アレイ部4のカラー化方式は他の方式であってもよい。例えば、各サブピクセルに対応する色で発光するOLED6を配列した構成であってもよいし、各サブピクセルに対応する色で発光するOLED6の上に各OLED6と同じ色のカラーフィルタ102を配置した構成であってもよい。
上記各実施形態においては、開示例として有機EL表示装置の場合を例示したが本発明は例えば、画素(又はサブピクセル)ごとに発光素子を設けるその他の自発光型表示装置に適用することもできる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能であることは言うまでもない。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものついては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
2 有機EL表示装置、4 画素アレイ部、6 OLED、8 画素回路、10 点灯TFT、12 駆動TFT、14 キャパシタ、20 走査線駆動回路、22 映像線駆動回路、24 駆動電源回路、26 制御装置、28 走査信号線、30 映像信号線、32 駆動電源線、40 サブピクセル、40r Rサブピクセル(R画素)、40g Gサブピクセル(G画素)、40b Bサブピクセル(B画素)、40w Wサブピクセル(W画素)、42 画素電極、44 ブラックマトリクス、46 第1開口部、48 第2開口部、60 OLED基板、62 対向基板、64 充填材、70 下基板、72 回路部、74 絶縁膜、76 OLED部、78 封止層、90 有機材料積層部、92 上部電極、94 バンク、96 コンタクトホール、100 上基板、102 カラーフィルタ、104 オーバーコート層、120 光吸収体、130 保護層。
Claims (5)
- 画素ごとに設けられ、相互間に間隙を有して表示領域に配列された発光素子と、
前記画素の境界に沿って配置され、前記表示領域にて前記発光素子に対応する領域内に第1開口部を形成する遮光部材と、を有し、
前記遮光部材はさらに、前記表示領域にて前記発光素子間の間隙に対応する領域内に第2開口部を形成されていること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
前記画素の表示色に対応したカラーフィルタを有し、
前記第2開口部は隣接する前記画素の前記カラーフィルタを配置されること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
前記第2開口部の幅は前記間隙の幅より小さいこと、を特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
表示色が互いに異なる複数種類の前記画素が前記表示領域にストライプ配列され、
前記第2開口部は、前記画素の境界のうち前記表示色が同じである前記画素に挟まれた部分に選択的に形成されること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
表示面側から前記第2開口部に入射した光を吸収する光吸収部材を有すること、を特徴とする表示装置。
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CN111108469A (zh) * | 2017-09-20 | 2020-05-05 | 图像影院国际有限公司 | 具有拼块和数据处理的发光显示器 |
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CN113193006A (zh) * | 2021-03-23 | 2021-07-30 | 合肥维信诺科技有限公司 | 显示面板和显示装置 |
-
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EP3678187A1 (en) * | 2018-12-28 | 2020-07-08 | Samsung Display Co., Ltd. | Display device |
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