JP2015175569A - 熱輸送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】流路内を流れる流体に積極的に脈動を発生させる技術において、流路の一部が熱交換器内を流通している場合に、熱交換器の熱交換性能の悪化を抑える。【解決手段】熱交換器13と、流体を流通させると共に熱交換器と接続する外部配管21、22と、流体を駆動すると共に流体に脈動を発生させる駆動部11と、を備え、熱交換器13内には、外部配管21、22と連通する熱交換流路131、151が形成されており、熱交換流路131、151は、流体が駆動部11によって脈動して当該熱交換流路131、151を流れるときに平均レイノルズ数が2000以下となるよう形成されている。【選択図】図8

Description

本発明は、熱輸送システムに関するものである。
流路内を流れる流体に脈動を発生させることで、流路内の乱流を層流化させ、それにより、流路の内壁と流体との摩擦抵抗を低減させ、流体の圧力損失を低減する技術が、特許文献1に開示されている。
国際公開第2009/0044764号
しかし、流路の一部が熱交換器内を流通している場合、流路のうち熱交換器内の部分において乱流が層流化されると、流体と流路の間の熱伝達率が低下して熱交換器の熱交換性能が悪化するおそれがある。
本発明は上記点に鑑み、流路内を流れる流体に脈動を発生させる技術において、流路の一部が熱交換器内を流通している場合に、熱交換器の熱交換性能の悪化を抑えることを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、熱交換器(13、15)と、流体を流通させると共に前記熱交換器の外にある外部配管(21〜23)と、前記流体を駆動すると共に前記流体に脈動を発生させる駆動部(11)と、を備え、前記熱交換器内には、前記外部配管と連通する熱交換流路(131、151)が形成されており、前記熱交換流路は、前記流体が前記駆動部によって脈動して当該熱交換流路を流れるときに平均レイノルズ数が2000以下となるよう形成されていることを特徴とする熱輸送システムである。
一般に、層流と乱流の遷移領域は、レイノルズ数が2000から3000の範囲であることが知られており、レイノルズ数が2000以下では流体は層流となり、3000以上では流体は乱流となる。したがって、熱交換流路で平均レイノルズ数が2000以下であるということは、熱交換流路で流体が層流状態にあるということである。このような状況で、流体に脈動が発生して流体のレイノルズ数が変動すると、流体の最大レイノルズ数は、2000に近づくか2000を超えるので、熱交換流路で流体の流れの乱れが促進される可能性が高い。熱交換流路で流れの乱れが促進されると、熱交換流路と流体の間で熱伝達率が高くなるので、熱交換器の熱交換性能の悪化を抑えることができる。
また、請求項2に記載の発明は、熱交換器(17)と、流体を流通させると共に前記熱交換器と接続する外部配管(31〜33、41〜43)と、前記流体を駆動すると共に前記流体に脈動を発生させる駆動部(11)と、を備え、前記熱交換器内には、前記外部配管と連通する熱交換流路(171)が形成されており、前記熱交換流路は、前記流体が前記駆動部によって脈動して当該熱交換流路を流れるときに最小レイノルズ数が3000以上となるよう形成されていることを特徴とする熱輸送システムである。
上述の通り、レイノルズ数が3000以上では流体は乱流となる。したがって、仮に脈動が発生しても熱交換流路で最小レイノルズ数が3000以上であれば、熱交換流路で流体が再層流化せず、流れの乱れが促進される可能性が高い。熱交換流路で流れの乱れが促進されると、熱交換流路と流体の間で熱伝達率が高くなるので、熱交換器の熱交換性能の悪化を抑えることができる。
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
本願の発明者が行った実験に用いた実験装置の構成図である。 実験においてポンプ52に印加される電圧を示す図である。 実験における第1流体のレイノルズ数変化の例を示す図である。 熱伝達率比についての実験結果を示す等高線図である。 圧損比についての実験結果を示す等高線図である。 第1実施形態の熱交換流路におけるレイノルズ数の目標値を示す図である。 第1実施形態の外部配管におけるレイノルズ数の目標値を示す図である。 第1実施形態に係る熱輸送システム1の構成図である。 各部のレイノルズ数等を示す表である。 第2実施形態の熱交換流路におけるレイノルズ数の目標値を示す図である。 第2実施形態に係る熱輸送システム2の構成図である。 各部のレイノルズ数等を示す表である。 第2実施形態における熱伝達率比を示す図である。 第2実施形態における圧損比を示す図である。 第3実施形態に係る熱輸送システム3の構成図である。 各部のレイノルズ数等を示す表である。 第3実施形態における熱伝達率比を示す図である。 第3実施形態における圧損比を示す図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。まず、本願の発明者が行った実験について説明する。図1に示す実験装置において、内部を第1流体(具体的には水)が循環する主管50の一部に、第1流体の温度を調整する恒温水槽51が取り付けられている。また、恒温水槽51の下流には、第1流体を駆動するポンプ(より具体的にはDCポンプ)が配置され、制御装置53によってこのポンプ52の作動が制御される。なお、制御装置53は、例えば、DC電源およびファンクションジェネレータによって構成される。
また、ポンプ52の下流には、第1流体の流量を計測する流量計54が配置されている。また、流量計54の下流には、第1流体の温度を検出する第1温度センサ55が配置され、更にその下流には、第1流体の圧力を検出する第1圧力センサ56が配置されている。また、第1圧力センサ56の下流には、第1流体の圧力を検出する第2圧力センサ57が配置されている。
主管50内で第1圧力センサ56が配置される位置から第2圧力センサ57が配置される位置までが、圧損測定部61となる。差圧計58によって、この圧損測定部61における圧力損失、すなわち、第1圧力センサ56が検出する圧力と第2圧力センサ57が検出する圧力との差が、検出される。
なお、圧損測定部61における主管50は、直線円管流路を形成し、主管50の内径は9mmであり、長手方向(流体の流れる方向)の長さは2000mmである。また、第2圧力センサ57の下流には、更に第1流体の温度を検出する第2温度センサ59が配置されている。
また、実験装置には、内部を第2流体が循環する副管70が設けられ、副管70の一部に、第2流体の温度を調整する恒温槽71が配置され、恒温槽71の下流には、第2流体を駆動するポンプ72が配置されている。また、ポンプ72の下流には、第2流体の流量を計測する流量計73が配置されている。また、流量計73の下流には、第2流体の温度を検出する第3温度センサ74が配置されている。
また、副管70は、第3温度センサ74の下流において、外管70aを含んでいる。この外管70aは、圧損測定部61中の主管50の一部に接触して主管50を取り囲んで配置されている。これにより、主管50の当該一部と外管70aとが、対向流型二重管式熱交換器を構成する。なお、外管70aの内径は14mmであり、対向流型二重管式熱交換器の長手方向の長さは500mmである。この対流型二重管式熱交換器は、第1流体の熱伝達率を計測するために用いられる熱伝達率測定部76に該当する。
発明者は、このような実験装置を用いて、次のような実験を行った。まず、制御装置53によってポンプ52の作動を制御することで、主管50内の第1流体に脈動流を発生させる。脈動流は、周期的に流量が変化する流れであり、バルクとして一方向に流れる流れである。
より具体的には、制御装置53からポンプ52に、図2に示すような電圧を印加する。具体的には、各周期Tにおいて、まず加速期間aにおいて、印加電圧を最小値Vminから最大値Vmaxまで直線的に上昇させる。そして続く維持期間cにおいて、印加電圧を最大値Vmaxに維持し、続く減速期間bにおいて、印加電圧を最大値Vmaxから最小値Vminまで直線的に下降させる。そしてその後、今回の周期Tが終了するまで印加電圧を最小値Vminに維持する。
実験では、加速期間a、維持期間c、減速期間bの長さは同じである。また、1周期Tの長さに対する加速期間aと維持期間cを合わせた期間の長さ(すなわち、デューティ)は、0.3である。また、1周期Tの長さは1.82秒、周波数は0.55Hzである。また、第1温度センサ55で検出される第1流体の温度が一定の12℃となるよう、恒温水槽51の温度が調整される。また、第3温度センサ74で検出される第2流体の温度が一定の40℃となるよう、恒温槽71の温度が調整される。
発明者は、上述の最小値Vminと最大値Vmaxについて多数の組み合わせで実験を行い、各実験において、図3に例示するような第1流体のレイノルズ数変化、圧損比、および熱伝達率比を、計測した。第1流体のレイノルズ数については、予め知られている第1流体の特性と、予め知られている主管50の内径と、流量計54で計測される流量とに基づいて算出される。
図3に示すように、ポンプ52への印加電圧が図2のように周期的に変動して第1流体に脈動流が発生すると、第1流体のレイノルズ数も印加電圧と同じ周期Tで変動する。ここで、各周期Tにおける流体のレイノルズ数変化において、最大レイノルズ数Rmaxと最小レイノルズ数Rminとの差をレイノルズ数振幅dRとし、このレイノルズ数振幅dRを平均レイノルズ数Raveで除算した結果を、振幅比と呼ぶ。
ここで、各実験において計測される圧損比および熱伝達率比について説明する。各実験では、第1流体のレイノルズ数変化、圧力損失、および熱伝達率が計測される。圧力損失は、ポンプ差圧計58の計測値である。熱伝達率は、第3温度センサ74で計測される第2流体の温度と、第2温度センサ59で計測される第1流体の温度とに基づいて特定される。また、第1流体のレイノルズ数変化からは、1周期T当たりの最小レイノルズ数Rmin、最大レイノルズ数Rmax、平均レイノルズ数Rave、および振幅比が特定される。
各実験における圧損比は、当該実験において計測された第1流体の圧力損失と、当該実験において計測された平均レイノルズ数と同じレイノルズ数を有する第1流体の定常流の圧力損失とに基づいて算出される。具体的には、前者の圧力損失を後者の圧力損失で除算した値が、当該実験における圧損比となる。
また同様に、各実験における熱伝達率比は、当該実験において計測された第1流体の熱伝達率を、当該実験において計測された平均レイノルズ数と同じレイノルズ数を有する第1流体の定常流の熱伝達率で除算した値である。
ここで、第1流体の定常流の圧力損失および熱伝達率は、図1における実験装置においてポンプ52に一定の電圧を印加して第1流体を一定速度で駆動した状態で、上記実験と同様に計測される。ポンプ52の出力を調整することで、第1流体による所望のレイノルズ数の定常流を実現することができる。
このようにして計測された結果を、図4、図5に示す。図4では、圧損比が1である等高線を太線で表し、図5では、熱伝達率比が1である等高線を太線で表している。
本実施形態では、この実験結果に基づいて、機器間を繋ぐ外部配管内では圧力損失が低く、かつ、熱交換器内の流路(以下、熱交換流路という)では熱伝達率が高くなるよう、作動流体の流路形状を設定している。具体的には、熱交換器内では、図6に示すように平均レイノルズ数を2000以下にするよう、熱交換器を形成する。更に、熱交換器の外部にある外部配管内では、図7に示すように平均レイノルズ数が2500以上かつ最小レイノルズ数が2000以下となるよう、外部配管内の流路を形成する。
一般に、管内流における層流と乱流の遷移領域は、レイノルズ数が2000から3000の範囲であることが知られており、レイノルズ数が2000以下では流体は層流となり、3000以上では流体は乱流となる。したがって、熱交換流路で平均レイノルズ数が2000以下であるということは、熱交換流路で流体が層流状態にあるということである。このような状況で、流体に脈動が発生して流体のレイノルズ数が変動すると、流体の最大レイノルズ数は、2000に近づくか2000を超えるので、熱交換流路で流体の流れの乱れが促進される可能性が高い。熱交換流路で流れの乱れが促進されると、熱交換流路と流体の間で熱伝達率が高くなるので、熱交換器の熱交換性能の悪化を抑え、熱交換性能を向上することができる。
また、例えば、図7の平均レイノルズ数81aかつ脈動範囲81bの脈動、平均レイノルズ数82aかつ脈動範囲82bの脈動、平均レイノルズ数83aかつ脈動範囲83bの脈動は、平均レイノルズ数が2500以上かつ最小レイノルズ数が2000以下となる。このようにすれば、外部配管内では、レイノルズ数が平均的には2500以上の遷移領域または乱流領域にあり、かつ、レイノルズ数が一旦2000以下の層流領域に落ちる。したがって、作動流体の再層流化が実現され、外部配管の内壁と流体との摩擦抵抗が低減され、外部配管内の流体の圧力損失が低減される。つまり、同じ流体が流れる外部配管と熱交換流路において、流体に同じ脈動が発生しても、前者では圧力損失が低減され、後者では熱伝達率が上昇する。
なお、目標の平均レイノルズ数および最小レイノルズ数を決め、作動流体の脈動の振る舞いを決めたたときに、作動流体が流れる外部配管および熱交換流路をどのような形状および大きさにするかは、当業者であれば容易に設計可能である。決められた作動流体の脈動の振る舞い(脈動範囲)に対して外部配管および熱交換流路の形状(内径、本数等)を調整することで、平均レイノルズ数および最小レイノルズ数の任意の組を実現することができる。または同様に、平均レイノルズ数および振幅比の任意の組を実現することができる。
一例として、図8に、上記目標値を実現する熱輸送システム1の構成を示す。この熱輸送システム1は、ポンプ11、制御装置12、冷却器13、発熱体14、放熱器15、ファン16、外部配管21〜23等を有している。冷却器13および放熱器15の各々が、熱交換器の一例に相当する。
外部配管23は外部配管21と連通し、外部配管21は、冷却器13内に形成された熱交換流路131と連通し、熱交換流路131は外部配管22と連通する。また、外部配管22は放熱器15内に形成された熱交換流路151と連通し、熱交換流路151は外部配管23と連通する。したがって、作動流体は、外部配管21、熱交換流路131、外部配管22、熱交換流路151、外部配管23内を流通する。
この熱輸送システム1で作動流体として用いられるのは、動粘度が1.35×10−6/sの流体である。このような動粘度は、60℃のエチレングリコール50%水溶液で実現可能である。
外部配管23と外部配管21の間に配置されたポンプ11は、制御装置12の制御に従って作動するポンプである。このポンプ11は、例えば、インバータ駆動によって制御されるDCブラシレスモータポンプ等のDCポンプであってもよいし、制御可能なポンプであればDCポンプに限られない。このポンプ11は、図2を用いて説明したのと同じ内容(同じ周期T、加速期間a、維持期間c、減速期間b、デューティ)で周期的に作動する。したがって、ポンプ11は、図2を用いて説明したのと同じ内容で作動流体を駆動すると共に脈動を発生させる。これにより、作動流体は、ポンプ11によって駆動されると共に脈動流を発生しながら、外部配管21、熱交換流路131、外部配管22、熱交換流路151、外部配管23内を、この順に循環する。
そして、外部配管22内から熱交換流路131に流入した作動流体は、熱交換流路131内において発熱体14によって加熱されて外部配管22内に流入する。そして作動流体は、外部配管22内から熱交換流路151内に入り、熱交換流路151内において、ファン16によって供給される熱輸送システム1外部からの風によって冷却され、外部配管23内に流入する。
ここで、放熱器15、加熱器17の外にある外部配管21、22、23は、それぞれ、内径が15mmの1本の円管から構成される。また、熱交換流路131は、水力直径が1.5mmの管路が22本並列に配置された形状となっている。また、熱交換流路151は、水力直径が2.5mmの管路が10本並列に配置された形状となっている。
また、図9に示すように、ポンプ11によって駆動される作動流体の脈動については、最小流量が1.9リットル/分、平均流量が5リットル/分、最大流量が8.1リットル/分となるよう、ポンプ11への印加電圧の最小値Vminおよび最大値Vmaxが調整される。
この場合、図9に示すように、外部配管21〜23における作動流体の最小レイノルズ数、平均レイノルズ数、および振幅比はそれぞれ1360、3640および1.25になる。つまり、平均レイノルズ数が2500以上かつ最小レイノルズ数が2000以下となるので、上述の通り外部配管21〜23内における目標値が達成され、作動流体の圧力損失が低減される。
この平均レイノルズ数と振幅比の組は、図6、図7の点Aに該当するが、図7に示すように、圧損比は0.800から0.850の範囲内の値となる。このことからも、外部配管21〜23内における作動流体の圧力損失が定常流に比べて低減されることが明らかである。なお、図6に示すように、点Aの熱伝達率比は0.600から0.650の範囲内の値になるので、外部配管21〜23内における作動流体の熱伝導率は定常流に比べて低減される。
このように、外部配管21〜23は、定常流であってもレイノルズ数が高い乱流になりがちな形状になっており、そのような形状の外部配管21〜23内を、最低レイノルズ数が2000以下の脈動が発生すると、乱流が再層流化され、定常流の場合よりも圧力損失が低減される。
また、図9に示すように、冷却器13の熱交換流路131における作動流体の平均レイノルズ数および振幅比はそれぞれ260および1.25になる。つまり、平均レイノルズ数が2000以下となるので、上述の通り熱交換流路131内における目標値が達成され、作動流体の熱伝達率の悪化を抑え、熱交換性能を向上することができる。

この平均レイノルズ数と振幅比の組は、図6、図7の点Bに該当するが、図6に示すように、熱伝達率比は1.150から1.200の範囲内の値となる。このことからも、熱交換流路131内における作動流体の熱伝達率が定常流に比べて向上することが明らかである。なお、図7に示すように、点Bの圧損比は1.450から1.500の範囲内の値になるので、熱交換流路131内における作動流体の圧損比は定常流に比べて大きくなる。
また、図9に示すように、放熱器15の熱交換流路151における作動流体の平均レイノルズ数および振幅比はそれぞれ690および1.25になる。つまり、平均レイノルズ数が2000以下となるので、上述の通り熱交換流路131内における目標値が達成され、作動流体の熱伝達率の悪化を抑え、熱交換性能を向上することができる。
この平均レイノルズ数と振幅比の組は、図6、図7の点Cに該当するが、図6に示すように、熱伝達率比は1.150から1.200の範囲内の値となる。このことからも、熱交換流路151内における作動流体の熱伝達率が定常流に比べて向上することが明らかである。なお、図7に示すように、点Cの圧損比は1.400から1.450の範囲内の値になるので、熱交換流路151内における作動流体の圧損比は定常流に比べて大きくなる。
このように、熱交換流路131、熱交換流路151は、定常流であってもレイノルズ数が低い層流になりがちな形状になっており、そのような形状の熱交換流路131、熱交換流路151内を流れる作動流体に脈動が発生すると、流れの乱れが促進され、定常流の場合よりも熱伝達率が向上する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においても、第1実施形態で説明した図4、図5の実験結果に基づいて流路形状を設定している。具体的には、熱交換流路で熱伝達率が高くなるよう、作動流体の流路形状を設定している。より具体的には、熱交換器内では、図10に示すように最小レイノルズ数が3000以上となるよう、熱交換器内の流路を形成する。
第1実施形態で説明した通り、レイノルズ数が3000以上では流体は乱流となる。したがって、仮に脈動が発生しても熱交換流路で最小レイノルズ数が3000以上であれば、熱交換流路で流体が再層流化せず、流れの乱れが促進される可能性が高い。熱交換流路で流れの乱れが促進されると、熱交換流路と流体の間で熱伝達率が高くなるので、熱交換器の熱交換性能の悪化を抑え、熱交換性能を向上することができる。例えば、図10の平均レイノルズ数84aかつ脈動範囲84bの脈動、平均レイノルズ数85aかつ脈動範囲85bの脈動、平均レイノルズ数86aかつ脈動範囲86bの脈動は、最小レイノルズ数が3000以上となる。
一例として、図11に、上記目標値(レイノルズ数が3000以上)を実現する熱輸送システム2(給湯器用水熱交換器)の構成を示す。この熱輸送システム1は、ポンプ11、制御装置12、加熱器17、貯湯タンク18、外部配管31〜33等を有している。加熱器17が、熱交換器の一例に相当する。
外部配管31は外部配管32と連通し、外部配管32は、加熱器17内に形成された熱交換流路171と連通し、熱交換流路171は外部配管33と連通し、外部配管33は貯湯タンク18に連通する。したがって、作動流体は、外部配管31、外部配管32、熱交換流路171、外部配管33内を流通して貯湯タンク18内に貯留される。
この熱輸送システム1で作動流体として用いられるのは、動粘度が1.00×10−6/sの流体である。このような動粘度は、20℃の水で実現可能である。
外部配管31と外部配管32の間に配置されたポンプ11および制御装置12は、構成も作動も第1実施形態のポンプ11および制御装置12と同じである。これにより、作動流体は、ポンプ11によって駆動されると共に脈動流を発生しながら、外部配管31、外部配管32、熱交換流路171、外部配管33内をこの順に流れ、最終的に貯湯タンク18内に貯留される。
そして、外部配管32内から熱交換流路171に流入した作動流体は、熱交換流路171において加熱器17によって加熱されて外部配管33内に流入する。なお、加熱器17は、例えばCO冷媒と熱交換流路171中の水を二重管式熱交換器にする構成であってもよいし、その他の構成であってもよい。
ここで、加熱器17の外にある外部配管31、32、33は、それぞれ、内径が18mmの1本の円管から構成される。また、熱交換流路171も同じく、内径が18mmの1本の円管から構成されている。
また、図12に示すように、ポンプ11によって駆動される作動流体の脈動については、最小流量が3.1リットル/分、平均流量が5リットル/分、最大流量が6.9リットル/分となるよう、ポンプ11への印加電圧の最小値Vminおよび最大値Vmaxが調整される。
この場合、図12に示すように、外部配管21〜23における作動流体の最小レイノルズ数、平均レイノルズ数、および振幅比はそれぞれ3670、5870および0.75になる。つまり、最小レイノルズ数が3000以上となるので、上述の通り熱交換流路171内における目標値が達成され、作動流体の熱伝達率の悪化を抑えて熱伝達率を向上することができる。
この平均レイノルズ数と振幅比の組は、図13、図14の点Dに該当するが、図13に示すように、熱伝達率比は1.050から1.100の範囲内の値となる。このことからも、熱交換流路171内における作動流体の熱伝達率が定常流に比べて向上することが明らかである。なお、図14に示すように、点Dの圧損比は1.050から1.100の範囲内の値になるので、熱交換流路171内における作動流体の圧力損失は定常流に比べて大きくなる。
なお、本実施形態では、熱交換流路171のみならず、外部配管31〜33においても、脈動によって熱伝達率が向上すると共に圧力損失が上昇してしまう。しかし、本実施形態のような、圧力損失が問題にならないような熱輸送システムにおいては、このような外部配管31〜33が用いられてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態に係る熱輸送システム3(給湯器用水熱交換器)は、第2実施形態の熱輸送システム2における外部配管31、32、33を、図15に示すように、それぞれ、外部配管41、42、43に置き換えたものである。他の構成は、第2実施形態と同じである。加熱器17の外にある外部配管41、42、43は、それぞれ、内径が熱交換流路171よりも太い25mmの1本の円管から構成される。
本実施形態の外部配管41〜43は、熱交換器内では、図7に示すように平均レイノルズ数が2500以上かつ最小レイノルズ数が2000以下となるよう、熱交換器内の流路を形成する。
本実施形態でこのようにするのは、第1実施形態で図7を参照して説明した通り、平均レイノルズ数が2500以上かつ最小レイノルズ数が2000以下となるよう、外部配管41から43外部配管内の流路を形成するためである。
本実施形態の場合、図16に示すように、外部配管41〜43における作動流体の最小レイノルズ数、平均レイノルズ数、および振幅比はそれぞれ3670、5870および0.75になる。つまり、平均レイノルズ数が2500以上かつ最小レイノルズ数が2000以下となるので、上述の通り外部配管41〜43内における目標値が達成され、作動流体の圧力損失が低減される。
この平均レイノルズ数と振幅比の組は、図17、図18の点Eに該当するが、図18に示すように、圧損比は0.900から0.950の範囲内の値となる。このことからも、外部配管41〜43内における作動流体の圧力損失が定常流に比べて低減されることが明らかである。なお、図17に示すように、点Eの熱伝達率比は1.000よりも大きく且つ1.050以下の範囲内の値になるので、外部配管41〜43内における作動流体の熱伝導率は定常流に比べて低減される。
このように、外部配管41〜43は、定常流であってもレイノルズ数が高い乱流になりがちな形状になっており、そのような形状の外部配管41〜43内を、最低レイノルズ数が2000以下の脈動が発生すると、乱流が再層流化され、定常流の場合よりも圧力損失が低減される。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。例えば、以下のような変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記第1実施形態では、熱交換流路131、151では平均レイノルズ数が2000以下であり、外部配管21〜23では平均レイノルズ数が2500以上かつ最小レイノルズ数が2000以下となっている。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。例えば熱交換流路131、151では平均レイノルズ数が2000以下であるが、外部配管21〜23では平均レイノルズ数が2500未満または最小レイノルズ数が2000より大きくなっていてもよい。
(変形例2)
上記各実施形態では、作動流体は液体であるが、作動流体は気体であってもよい。
(変形例3)
上記実施形態では、作動流体を駆動すると共に作動流体に脈動を発生させる駆動部として、ポンプを用いているが、ポンプ以外のものを用いてもよい。
1、2、3 熱輸送システム
11 ポンプ(駆動部)
13 冷却器(熱交換器)
15 放熱器(熱交換器)
17 加熱器(熱交換器)
21〜23、31〜33、41〜43 外部配管
131、151、171 熱交換流路

Claims (4)

  1. 熱交換器(13、15)と、
    流体を流通させると共に前記熱交換器の外にある外部配管(21〜23)と、
    前記流体を駆動すると共に前記流体に脈動を発生させる駆動部(11)と、を備え、
    前記熱交換器内には、前記外部配管と連通する熱交換流路(131、151)が形成されており、
    前記熱交換流路は、前記流体が前記駆動部によって脈動して当該熱交換流路を流れるときに平均レイノルズ数が2000以下となるよう形成されていることを特徴とする熱輸送システム。
  2. 熱交換器(17)と、
    流体を流通させると共に前記熱交換器と接続する外部配管(31〜33、41〜43)と、
    前記流体を駆動すると共に前記流体に脈動を発生させる駆動部(11)と、を備え、
    前記熱交換器内には、前記外部配管と連通する熱交換流路(171)が形成されており、
    前記熱交換流路は、前記流体が前記駆動部によって脈動して当該熱交換流路を流れるときに最小レイノルズ数が3000以上となるよう形成されていることを特徴とする熱輸送システム。
  3. 前記外部配管は、前記流体が前記駆動部によって脈動して当該外部配管を流れるときに平均レイノルズ数が2500以上かつ最小レイノルズ数が2000以下となるよう形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱輸送システム。
  4. 前記流体は液体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱輸送システム。
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