JP2015174845A - 爪真菌症治療剤 - Google Patents

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司郎 吉崎
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Abstract

【課題】爪真菌症を外用塗布で完治させるだけの効力をもつ薬剤を提供する。
【解決手段】主な有効成分としてエチレンジアミン四酢酸三ナトリウム塩またはエチレンジアミン四酢酸三カリウム塩を10重量%〜30重量%の濃度で含む外用剤であることを特徴とする、爪真菌症治療剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、爪真菌症の治療剤に関し、さらに詳しくは有効成分としてエデト酸三アルカリ金属塩類を10重量%〜30重量%の濃度で含有する爪真菌症の治療剤に関する。
エデト酸(EDTA、エチレンジアミン四酢酸)は分子内に4個のカルボキシル基と2個の第三級アミノ基とを含み、1個の分子内塩を形成している弱い酸である。水虫(皮膚糸状菌症)に対するエデト酸の抗菌活性について述べている特許情報としては、資生堂(株)の商品であるオーデコロン・マッサージジェル「キオラインナーセラムR(ディスペンサータイプ)」が水虫患者の水虫を完治させるとして、この商品に含まれている11個の構成成分すべてを含む混合物が水虫治療薬として開示されている。これらの構成成分の一つとしてエデト酸塩が含まれているが、これらの11個の成分のうちのどの成分が水虫治癒作用を示すのかは不明なままであり、解明されていない。なお、この特許情報に記載されているエデト酸塩は、通常使用されるエデト酸二ナトリウム塩であると考えられる(特許文献1)。
エデト酸と皮膚糸状菌症以外の真菌症との関連について述べている特許文献としては、エデト酸カルシウム二ナトリウムなどのエデト酸塩類が膣カンジダ症の治療剤となることが開示されている(特許文献2)。また、エデト酸四ナトリウムなどのエデト酸塩類が、カンジダ菌などのバイオフィルム(菌膜)の形成を抑制することが開示されている(特許文献3,4)。これらの特許文献ではエデト酸塩類が人体内のカンジダ菌を抑制することが開示されているが、皮膚カンジダ症については言及されていない。
エデト酸はグラム陰性菌、緑膿菌、酵母および真菌に対する抗菌活性を有しているが、単独で抗菌性の保存剤として使うためには効力が不足しており、他の保存料との併用で使用されている程度である(非特許文献1)。真菌に対するエデト酸の抗菌作用に関しては、エデト酸二ナトリウムなどがカンジダ菌に対する抗菌活性を持つこと(非特許文献2、3)、およびアスペルギルス菌に対する抗菌活性を持つこと(非特許文献4)が報告されているが、皮膚糸状菌(水虫の原因菌)などの他の真菌については報告が見られない。
また、本発明者は、有効成分としてエデト酸の塩類を10%以下の濃度で含有する皮膚真菌症治療剤に関する医薬発明を特許出願している(特許文献5、6)。
特開2005−263695号公報 アメリカ特許第4107331号公報 特開2008−273984号公報 特許第4012328号公報 PCT/JP/074503号公報 特開2013−556922号公報
医薬品添加物ハンドブック、100頁、エデト酸、抗菌活性、永井恒司監修、薬事日報社、2001年。 B. Chudzik, A. Malm, B. Rajtar and M. Polz-Dacewicz, Annals of Microbiology, 57 (1), 115-119 (2007). 市販EDTA製剤の抗菌性、中島薫,寺田林太郎、久保田稔、第125回日本歯科保存学会講演集、144頁(2006年)。 L. Abrunhosa and A. Venancio, Asian J. Biochemistry, 3 (3), 176-181 (2008).
爪真菌症は爪に生じる真菌感染症であり、合成抗真菌剤の外用塗布では治療効果を得られないために合成抗真菌剤の内服療法が行われている。しかし、この内服療法では肝障害などの副作用が5%程度あるとされており、また、内臓疾患がある人は内服療法を行うことができないという難点がある。このため、爪真菌症を外用塗布で治すことができる薬剤の開発が望まれている。本発明は、この技術的課題を解決することを目的として研究開発されたものであって、爪に対する浸透性に優れ、爪真菌症を効果的に治療することができる新規な爪真菌症治療剤を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するためには、従来行われてきた合成抗真菌剤の類縁体を研究する手法とは全く異なる観点から抗真菌剤の研究を行う必要があることが明らかであろう。従来の合成抗真菌剤は一般に水に不溶性ないしは難溶性であるが、このことが皮膚や爪への透過性を失う大きな要因になっているものと考えられる。皮膚や爪への透過性を高めるためには、水溶性の高い化合物を選択することが望ましいであろう。酢酸は皮膚への透過性が高く、優れた抗真菌剤であるので、各種の有機酸を用いて皮膚糸状菌などの病原性真菌の薬剤感受性試験をCLSI (Clinical Laboratory Standards Institute、米国)ガイドラインに準拠して検討したところ、エデト酸の塩類が病原性真菌に対する抗菌活性を持つことが判明した(特許文献5、6)。エデト酸の塩としてはエデト酸二置換塩、エデト酸三置換塩およびエデト酸四置換塩が存在するが、水溶液が中性を示すエデト酸三置換塩が皮膚組織への刺激が少なく、爪真菌症治療剤として適している。
爪真菌症の患部では損傷を受けた爪組織が広範囲に広がっている場合が多く、さらに爪の根元にまで菌が侵入して爪全体が変形、変色している症例も多いのが実情である。そのような重度の組織損傷を伴う爪真菌症では必然的に大量の治療剤が必要であり、治療剤の薬剤濃度が高いほど治療効果も大きくなると考えられる。そこで、溶解度が大きいエデト酸三置換アルカリ金属塩類を10重量%〜30重量%含む処理液を用いて爪真菌症の治療を試みたところ、良好な結果を得ることが出来た。
本発明の爪真菌症治療剤は、有効成分としてエチレンジアミン四酢酸三アルカリ金属塩を10重量%〜30重量%含有することを特徴とする。本発明の治療剤は、難治性の爪真菌症などに対して高い治療効果を持つ、副作用の少ない理想的な爪真菌症治療剤として人類社会に貢献するであろう。
本発明の爪真菌症治療剤は、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウムまたはエチレンジアミン四酢酸三カリウムを10重量%〜30重量%含有するものが好ましい態様となる。また、本発明の爪真菌症治療剤は、上記のエチレンジアミン四酢酸三置換塩類が液状媒体に溶解もしくは分散されてなり、爪真菌症の患部に爪真菌症治療剤を塗布または浸漬することによって、患部に投与されるように用いられるものが好ましい態様となる。
本発明によれば、爪真菌症を効果的に治療することができる。
本発明の爪真菌症治療剤は爪病変部内への浸透性が良く、これまで治りにくいとされてきた爪真菌症(爪水虫)を容易に完治させることが判明した。本発明化合物を含む薬剤を1日1〜3回爪水虫患部に適用することにより、皮膚糸状菌などの真菌を殺すために必要な爪病変部内の薬剤濃度が保たれて真菌を消滅させることができ、数日〜一年程度の処理で爪水虫完治を達成することができる。
本発明化合物の薬剤濃度は、病原性真菌を殺し得る任意の範囲内の濃度を選択できるが、エデト酸三アニオン類を皮膚内へと透過させて長時間その濃度を維持することが必要であり、また、爪の奥深くに潜む皮膚糸状菌の生息部位までエデト酸三アニオン類を到達させることも必要であり、そのような観点から爪真菌症治療剤の濃度は10重量%〜40重量%程度であることが好ましく、さらに10重量%〜30重量%であることがより好ましい。この濃度の薬液は、皮膚への刺激性はほとんど示さず、長時間皮膚と接触しても安全であることが判明している。
本発明化合物は、液剤、クリーム剤、噴霧剤、軟膏剤などの各種の剤型を必要に応じて適宜選択することができる。本発明化合物を溶解するための溶媒としては、水、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、マクロゴールなどの本発明化合物が可溶な任意の溶媒を使うことができる。本発明の皮膚真菌症治療剤は、既知の合成抗真菌薬と混合して使用してもよく、また、木酢液、竹酢液、酢酸、植物抽出液などの水虫に対する民間伝承薬と任意の割合で混合しても差し支えはない。さらにまた、治療剤には、必要に応じて、製薬上一般的に使用される添加剤が含有されてもよい。
[実施例]
ここで本発明化合物の抗真菌活性について実施例を挙げて説明するが、本発明の効果はこれらの実施例のみに限定されるものではない
[実施例1]
エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム三水和物230gに水760mglを加えて溶解し、さらに日本薬局方グリセリン10mlを加えて20重量%試験液を調製した。右手親指爪全体に皮膚糸状菌(Trichophyton rubrum)による爪真菌症がある症例に対して、上記の20重量%液を1日2回塗布した。処理の進行とともに爪根元から新しい爪が伸長し、約1年後に健康な爪を回復した。
[実施例2]
エチレンジアミン四酢酸三カリウム二水和物326.7gに水を加えて1000gとし、30重量%試験液を調製した。両足親指爪全体に皮膚糸状菌(Trichophyton rubrum)による爪真菌症がある症例に対して、上記の30重量%液を1日1回塗布した。処理の進行とともに爪根元から新しい爪が伸長し、約1年半後に健康な爪を回復した。
本発明は、爪真菌症(爪水虫)の治療剤に関するものである。これまで爪水虫は合成抗真菌剤の内服療法を行うしか治療方法がなかったが、本発明の爪真菌症治療剤を外用塗布することにより爪真菌症は容易に完治できるものとなった。本発明は、爪真菌症という厄災から人類を救済し得るものであり、産業上の利用可能性は極めて大きい。



Claims (2)

  1. エチレンジアミン四酢酸三アルカリ金属塩を10重量%〜30重量%の濃度で含むことを特徴とする爪真菌症治療剤。
  2. 請求項1に記載の爪真菌症治療剤において、
    前記エチレンジアミン四酢酸三アルカリ金属塩がエチレンジアミン四酢酸三ナトリウム塩またはエチレンジアミン四酢酸三カリウム塩である、爪真菌症治療剤。
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