JP2015174040A - 蒸気発生設備の水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅を含む給水を用いて運転する蒸気発生設備において、銅のスケール化を安定的に抑制する水処理方法を提供する。
【解決手段】銅を含む水が給水される蒸気発生設備における銅スケールの付着を抑制する水処理方法において、該蒸気発生設備のブロー水を常温に冷却してORP計で測定した酸化還元電位を0mV未満にする還元剤を添加することなく、かつ該蒸気発生設備の水系のpHが11.3以上となるように該蒸気発生設備の水系にアルカリ剤を添加することを特徴とする蒸気発生設備の水処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ボイラや蒸気発生器等の蒸気を発生する設備における水処理方法に関するものであり、詳しくは、銅を含む水を給水して運転する蒸気発生設備において、水が接触する内面に銅を含むスケールが付着することによる伝熱阻害や水の循環不良を抑制する水処理方法に関するものである。
ボイラや蒸気発生器等の給水を加熱して蒸気を発生する設備では、蒸気ラインにエアハンドリングユニットや吸収式冷凍機等の各種熱交換器に銅系の材料が使用されている。そのため、これらの熱交換器で蒸気が凝縮した凝縮水を復水として回収し、給水の一部として再利用する場合、給水中に銅が含まれることとなる。
銅を含む給水で蒸気発生設備を運転すると、銅が缶内でスケール化して、伝熱面での伝熱阻害や、水の循環不良を引き起こし、伝熱効率の低下や、過熱による伝熱面の割れや膨出、循環不良による部分過濃縮や空焚きに起因する噴破の原因となる。
特に、補給水がイオン交換水などの脱塩水の場合や、補給水の脱塩処理を行っていない場合でも復水回収率が高く給水の電気伝導率が低い場合は、ボイラのブロー率を低く設定して缶水の濃縮倍数を高くして運転しているケースでは、給水中の銅の濃度が微量であっても、系内で銅が濃縮されるため、缶内でスケール化しやすくなり、トラブルとして顕在化することが多い。
この問題に対して、特許第5066972号公報(特許文献1)では、ブロー水の酸化還元電位をORPで0mV以上となるようにコハク酸又はその塩、ソルビン酸又はその塩のいずれか1つ以上を含有する防食剤を添加する処理方法が示されている。
特許第5066972号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、銅のスケール化抑制効果は必ずしも十分であるとは言えず、経年的な銅のスケール付着の進行が無視できないレベルとなる場合があるという問題点があった。
このような問題は、補給水として軟水を用いる場合の一部の設備で見られ、また、補給水としてイオン交換水等の脱塩水を用いる場合には多く認められることが判明した。
従って、本発明は、銅を含む給水を用いて運転する蒸気発生設備において、いかなる設備でも銅のスケール化を安定的に抑制する水処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、蒸気発生設備のブロー水を常温に冷却してORP計で測定した酸化還元電位を0mV未満にするような還元剤を添加することなく、かつ該蒸気発生設備の水系のpHが所定値以上となるようにアルカリ剤を添加することにより、銅のスケール化を安定的に抑制することができることを見出した。また、さらに特定のポリマーを併用することで、より高い銅スケール抑制効果が得られることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 銅を含む水が給水される蒸気発生設備における銅スケールの付着を抑制する水処理方法において、該蒸気発生設備のブロー水を常温に冷却してORP計で測定した酸化還元電位を0mV未満にする還元剤を添加することなく、かつ該蒸気発生設備の水系のpHが11.3以上となるように該蒸気発生設備の水系にアルカリ剤を添加することを特徴とする蒸気発生設備の水処理方法。
[2] [1]において、前記蒸気発生設備の水系に、水溶性のポリカルボン酸及び/又はその塩を添加することを特徴とする蒸気発生設備の水処理方法。
[3] [2]において、前記水溶性のポリカルボン酸及び/又はその塩が、分子量1,000〜50,000の、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、及びポリメタクリル酸塩から選ばれる1種以上であることを特徴とする蒸気発生設備の水処理方法。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記蒸気発生設備の補給水が電気伝導率1mS/m以下の脱塩水であることを特徴とする蒸気発生設備の水処理方法。
本発明によれば、銅を含む水を給水して運転するボイラや蒸気発生器等の蒸気発生設備において、銅のスケール化を安定的に抑制することができる。このため、蒸気発生設備のボイラ缶等の水が接触する内面への銅スケールの付着を抑制し、長期に亘り、伝熱阻害や水の循環不良といったスケール障害を引き起こすことなく、安定かつ効率的な運転を継続することができる。
以下に本発明の蒸気発生設備の水処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の蒸気発生設備の水処理方法は、銅を含む水が給水される蒸気発生設備における銅スケールの付着を抑制するために、該蒸気発生設備のブロー水を常温に冷却してORP計で測定した酸化還元電位を0mV未満にする還元剤(以下、「ORP低減還元剤」と称す場合がある。)を添加することなく、かつ該蒸気発生設備の水系のpHが11.3以上となるように該蒸気発生設備の水系にアルカリ剤を添加することを特徴とする。
なお、本発明において、常温とは20〜30℃の範囲内の温度をさす。
ここで、ORP低減還元剤とは、これを蒸気発生設備の水系に添加した場合において、該蒸気発生設備のブロー水を常温に冷却してORP計で測定した酸化還元電位が0mV未満となるような還元剤であり、例えば、ヒドラジン、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、アスコルビン酸及びその塩、タンニン酸及びその塩、没食子酸、糖類等の各種の脱酸素剤や、グルコン酸及びその塩、グルコヘプトン酸及びその塩等の防食剤などが挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
本発明においては、上記のようなORP低減還元剤を一切添加せずに、かつ、蒸気発生設備の水系(以下、「ボイラ水」と称す場合がある。)のpHが11.3以上、好ましくは11.6以上となるようにアルカリ剤を添加する。
添加するアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど、ボイラ水が上記のpHに上昇するものであればいずれでもよいが、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどの炭酸塩は蒸気発生器内部において熱分解により炭酸ガスを発生し、蒸気凝縮水のpHを低下させて銅の溶出を増加させる可能性もあるため、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを用いることが好ましい。
なお、JIS B 8223「ボイラの給水及びボイラ水の水質」では、ボイラ水の水質について、軟水給水の低圧ボイラではpHを11.0〜11.8、イオン交換水を補給水とする場合の低圧ボイラではpHをpH10.5〜11.5と定めているが、本発明では、ボイラ水のpHが11.3以上、好ましくは11.6以上となるようにアルカリ剤を添加する。pHの上限は12.5以下、望ましくは12.2以下、更に好ましくは12.0以下とする。この上限を超えると、ボイラ水のキャリオーバやアルカリ腐食の発生が懸念される。
本発明においては、前述のようなORP低減還元剤を添加せずにアルカリ剤の添加で所定のpHに調整することにより、銅のスケール化を抑制するが、このようにORP低減還元剤を添加しないことで、通常、本発明で処理対象とする蒸気発生設備のブロー水を常温に冷却してORP計で測定した酸化還元電位は5〜80mV程度となる。
本発明では、ボイラ水のpHを上記のように調整すると共に、水溶性のポリカルボン酸及び/又は塩を添加することにより、銅のスケール化をより一層顕著に抑制することができる。ここで、水溶性のポリカルボン酸及び/又はその塩としては、ポリアクリル酸及びその塩、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合物及びその塩、アクリル酸と2−ヒドロシキシ−3−アリロキシ−1−プロパンスルホン酸との共重合物及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、ポリマレイン酸及びその塩などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
水溶性のポリカルボン酸及び/又は塩としては、特に分子量1,000〜50,000のポリアクリル酸及びその塩、もしくは分子量1,000〜50,000のポリメタクリル酸及びその塩が適しており、中でも分子量1,000〜50,000のポリメタクリル酸及びその塩が最適である。
これらの水溶性のポリカルボン酸及び/又は塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水溶性のポリカルボン酸及び/又は塩の添加量としては、添加効果を有効に得る上で、給水中の銅の濃度に対して、1.0重量倍以上、好ましくは3.0重量倍以上が好ましい。その上限としては、缶水中の濃度として500mg/L以下であれば問題ない。缶水中の水溶性のポリカルボン酸及び/又は塩の濃度が500mg/Lを超えるとキャリオーバの発生が懸念される。
このような本発明の蒸気発生設備の水処理方法は、銅(イオン)が持ち込まれる特殊循環ボイラ、水管ボイラ、丸ボイラ、排熱回収ボイラなどのあらゆる蒸気発生設備に適用することが可能であるが、特に、電気伝導率1mS/m以下、例えば0.01〜1mS/mの脱塩水を補給水とする蒸気発生設備に有効に適用される。ここで、脱塩水としてはイオン交換水、逆浸透膜処理水、電気脱塩処理水等が挙げられるが、特に製造方式は問わない。脱塩水を補給水とする場合は、重炭酸塩濃度が低くなるため、給水中のMアルカリ度が低下し、缶水中で熱分解によって生じる苛性アルカリの濃度が低くなることから、缶水のpHが低くなりやすいため、本発明に従って、アルカリ剤添加によるpH調整が特に必要となる。
また、本発明が適用される蒸気発生設備の運転圧力としてはボイラ水のpHを高く保つことによるアルカリ腐食防止の観点から、通常3MPa以下、特に2.5MPa以下、例えば0.4〜2.5MPaである。
本発明においては、前記のORP低減還元剤以外の薬剤であれば、上記のアルカリ剤、水溶性のポリカルボン酸及び/又は塩の他、一般的な水処理剤(腐食抑制剤、スケール防止剤等)を併用してもよい。
腐食抑制剤としては、給水配管、排ガスと給水を熱交換するエコノマイザ、蒸気発生設備の缶内については、缶水のORPを上昇させないものとして、例えばコハク酸及びその塩、クエン酸及びその塩、ソルビン酸及びその塩、ケイ酸及びその塩等が挙げられる。蒸気復水系の腐食抑制剤としては、例えば2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モルホリン、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メトキシプロピルアミン、モノグリコールアミン、ジグリコールアミン、シクロヘキシルアミン等の揮発性を有する中和性アミン、オクタデシルアミン等の長鎖脂肪族アミン等が挙げられる。これらの薬剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの蒸気復水系の腐食抑制剤は、銅の溶出を低減するため、缶内での銅スケールの抑制には効果的である。
スケール防止剤としては、例えば第三リン酸ソーダや第三リン酸カリウム等の各種リン酸及びその塩、トリポリリン酸及びその塩、ヘキサメタリン酸、ホスホン酸及びその塩等のポリリン酸及びその塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその塩、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸及びその塩等のホスホン酸及びその塩が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[比較例1]
40℃の純水(電気伝導率0.06mS/m)に塩化銅(II)を5mg−Cu/Lとなるように添加し、さらにブロー水のpHが11.0〜11.1となるように水酸化ナトリウム水溶液を添加し、これをテストボイラに給水して下記の運転条件で120時間運転を行った。
<テストボイラ運転条件>
給水量 :10L/hr
缶内圧力:1.0MPa
ブロー率:10%
この運転試験後、伝熱面への銅の付着量を測定した。また、この試験期間中、ブロー水中の銅の濃度を測定してブロー水からの銅の排出量をブロー水の平均銅濃度として求め、また、給水から添加した銅の量に対するブロー水からの銅の排出率を求めた。なお、試験期間中、ブロー水のpHと酸化還元電位を測定した。
各項目の測定方法及び試験条件は以下に示す通りである。
試験結果を表1に示す。
<伝熱面の銅付着量>
試験後、テストボイラの伝熱部であるテストチューブ(表面積:972cm)を50℃に加熱した1重量%アンモニア水で2回洗浄し、この洗浄水中の銅イオン濃度を原子吸光分析によって測定した。この銅イオン濃度と洗浄水総量とからテストチューブ表面に付着した銅の量を求めた。
<銅の排出量及び排出率>
試験期間中、ブロー水を6回採取し、このブロー水にアンモニア水を添加して加熱することでブロー水中の銅を溶解し、原子吸光分析により銅の濃度を測定し、この6回のブロー水の銅濃度の平均値を算出した。また、ブロー水の平均銅濃度とブロー水量を乗算することで、ブロー水による銅の排出量を求め、給水に添加してテストボイラに持ち込まれた銅の量と、ブロー水による銅の排出量とから下記式より銅の排出率を算出した。
銅の排出率(%)=(ブロー水による銅の排出量/給水に添加してテストボイラに持ち込まれた銅の量)×100
<ブロー水のpH及び酸化還元電位>
試験期間中、ブロー水を熱交換して常温(25℃)まで冷却し、pH及び酸化還元電位を、それぞれpH計及びORP計(いずれも東亜DKK製)で測定して求めた。
[比較例2〜6]
給水に対してヒドラジンを8mg/L添加(比較例2)、タンニン酸の水酸化カリウム塩を15mg/L添加(比較例3)、クエン酸3ナトリウムを20mg/L添加(比較例4)、分子量4,000のポリアクリル酸ソーダを15mg/L添加(比較例5)、クエン酸3ナトリウムを20mg/L及び分子量4,000のポリアクリル酸ソーダを15mg/L添加(比較例6)した以外は、それぞれ比較例1と同様に試験を行った。その結果を表1に示す。
[比較例7]
給水に対してタンニン酸を15mg/L添加し、ブロー水のpHが11.6になるように水酸化ナトリウムを添加した以外は比較例1と同様に試験を行った。その結果を表1に示す。
[実施例1]
給水のpHが11.3になるように水酸化ナトリウムを添加した以外は、比較例1と同様に試験を行った。その結果を表1に示す。
[実施例2〜3]
ブロー水のpHが11.3になるように水酸化ナトリウムを添加し、給水に対して分子量4,000のポリアクリル酸ソーダを15mg/L添加(実施例2)、分子量30,000のポリメタクリル酸ソーダを15mg/L添加(実施例3)した以外は、それぞれ比較例1と同様に試験を行った。その結果を表1に示す。
[実施例4〜6]
ブロー水のpHが11.6になるように水酸化ナトリウムを添加し、給水に対して分子量52,000のポリアクリル酸ソーダを15mg/L添加(実施例4)、分子量4,000のポリアクリル酸ソーダを15mg/L添加(実施例5)、分子量30,000のポリメタクリル酸ソーダを15mg/L添加(実施例6)した以外は、それぞれ比較例1と同様に試験を行った。その結果を表1に示す。
[実施例7]
ブロー水のpHが12.0になるように水酸化ナトリウムを添加し、給水に対して分子量30,000のポリメタクリル酸ソーダを15mg/L添加(実施例7)した以外は比較例1と同様に試験を行った。その結果を表1に示す。
なお、以下の表1において、添加薬剤は下記略号で記載した。
TA・KOH:タンニン酸の水酸化カリウム塩
クエン酸Na:クエン酸3ナトリウム
PANa(4000):分子量4,000のポリアクリル酸ソーダ
PMNa(30000):分子量30,000のポリメタクリル酸ソーダ
PANa(52000):分子量52,000のポリアクリル酸ソーダ
Figure 2015174040
表1の結果から次のことが分かる。
ブロー水のpHを11.0〜11.1とした比較例1〜6では、いずれも伝熱面への銅付着量が多い。このうち、脱酸素機能を有するヒドラジン、タンニン酸の水酸化カリウム塩を添加した比較例2,3では、鋼材の腐食を低減できるがブロー水の酸化還元電位が0mV未満と低く、伝熱面への銅付着量が特に多い。
ブロー水のpHを11.6とし、タンニン酸を添加した比較例7では、pHを上げたことにより、伝熱面への銅付着量は比較例1〜6の場合よりも少ないものの、酸化還元電位が0mV未満と低く、やはり伝熱面への銅付着量は多い。
これに対して、ブロー水のpHを11.3〜12.0とし、ORP低減還元剤を添加しなかった実施例1〜7では、酸化還元電位が30〜70mV程度であり、ブロー水の酸化還元電位が0mV以上と高く、鋼材の腐食を低減できるだけでなく、伝熱面への銅の付着量も比較例1〜7に比べて格段に少ない。特に、好適な分子量の(メタ)アクリル酸系ポリマーを添加した実施例2,3,5〜7、とりわけ好適な分子量のメタクリル酸系ポリマーを添加した実施例3,6,7では伝熱面への銅付着量を著しく低減することができた。

Claims (4)

  1. 銅を含む水が給水される蒸気発生設備における銅スケールの付着を抑制する水処理方法において、該蒸気発生設備のブロー水を常温に冷却してORP計で測定した酸化還元電位を0mV未満にする還元剤を添加することなく、かつ該蒸気発生設備の水系のpHが11.3以上となるように該蒸気発生設備の水系にアルカリ剤を添加することを特徴とする蒸気発生設備の水処理方法。
  2. 請求項1において、前記蒸気発生設備の水系に、水溶性のポリカルボン酸及び/又はその塩を添加することを特徴とする蒸気発生設備の水処理方法。
  3. 請求項2において、前記水溶性のポリカルボン酸及び/又はその塩が、分子量1,000〜50,000の、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、及びポリメタクリル酸塩から選ばれる1種以上であることを特徴とする蒸気発生設備の水処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記蒸気発生設備の補給水が電気伝導率1mS/m以下の脱塩水であることを特徴とする蒸気発生設備の水処理方法。
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