JP2015173778A - パンツ型の使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者がおむつを上方に引き上げやすいパンツ型の使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】パンツ型使い捨ておむつは,着用者の腹部に接する前身頃1と,着用者の背部に接する後身頃2と,これらの間に位置する股下部3とに,長手方向に区分されている。また,パンツ型使い捨ておむつは,前身頃1と後身頃2の左右両側部4を互いに接合することにより,ウエスト開口部5と左右一対のレッグ開口部6が形成される。ここで,前身頃1と後身頃2の両方又はいずれか一方に,おむつの幅方向に延びる一又は複数の湾曲伸縮部材70が設けられている。この湾曲伸縮部材70は,少なくとも2箇所以上で,股下部3側に向かって膨らむように湾曲して配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は,着用者の股下に装着され,尿などの液体を吸収し保持するための使い捨ておむつに関する。具体的に説明すると,本発明は,前身頃と後身頃の左右両側を互いに接合することでパンツ型に成型された使い捨ておむつに関するものである。
従来から,例えば乳幼児や高齢者用の使い捨てのおむつとして,パンツ型の使い捨ておむつが知られている。パンツ型使い捨ておむつは,前身頃と後身頃の両側部が予め接合されたタイプの使い捨ておむつである。パンツ型使い捨ておむつとしては,吸収性本体を保持するための外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体となった一体型や,外装体が前身頃及び後身頃で分離され,前身頃外装体と後身頃外装体の間に吸収性本体が架橋された架橋型が知られている。
パンツ型使い捨ておむつは、一般的に、着用者の腹周りに接するウエスト部分に,複数の弾性伸縮部材が固定されている。これらの複数の弾性伸縮部材は,使い捨ておむつの幅方向に沿った伸長状態で固定されている。このため,弾性伸縮部材が収縮すると,使い捨ておむつのウエスト部分に,細かい皺(ウエストギャザー)が形成される。着用者の腹周りにウエストギャザーを形成することで,使い捨ておむつと着用者の腹部のフィット性を高めることができるため,着用者の動きや排泄物の重さに伴って使い捨ておむつがずれ落ちてしまうことを防止できる。また,ウエストギャザーを形成することで,吸収性本体が着用者の肌に密着するようになるため,尿などの排泄液を吸収性本体によって適切に吸収することが可能となる。
また,使いて捨ておむつのウエスト部分に複数の弾性伸縮部材を配置する際に,この弾性伸縮部材を搖動させて,斜めに傾斜して湾曲した状態で固定する技術が知られている(例えば,特許文献1,特許文献2,及び特許文献3)。
例えば,特許文献1には,股部方向へ膨らむ様に湾曲した下方湾曲ギャザーと,ウエスト部方向へ膨らむ様に湾曲した上方湾曲ギャザーとを,ウエスト部分の両側部において交差させる技術が開示されている。これにより,特許文献1の使い捨ておむつは,ずれ落ちを防止するための優れた締め付け力とフィット性を発揮することができる。
特許文献2には,前身頃の腹部相当個所に横方向に沿って複数本の腹部弾性伸縮部材を設け,この腹部弾性伸縮部材を,幅方向の中央部分において股下側に膨らむように配置する技術が開示されている。特許文献2の使い捨ておむつは,腹部弾性伸縮部材の湾曲部分を吸収性本体に交差させることで,着用者の体形に対するフィット性を向上させて,尿漏れを防止することができる。
特許文献3には,外包材に第1胴部弾性部材と第2胴部弾性部材とを交差させて配置し,この交差部を,使い捨ておむつを着用したときの着用者の大転子の部位に当接するように形成する技術が開示されている。特許文献3の使い捨ておむつによれば,弾性部材の締め付けによって,着用者の脚周りにゴム跡が残ることを軽減し,且つ,体液の漏れとおむつのずれ落ちとを防止することができる。
特開平7−299094号公報 特開平10−127687号公報 特開平2009−225977号公報
ところで,着用者は,パンツ型使い捨ておむつを装着するときや,着用中におむつが下方にずれてしまったときに,おむつのウエスト開口部の周辺を掴んで,上方に引き上げる動作を行う。このようにして,着用者は,自身の股下部分にパンツ型使い捨ておむつをフィットさせるようにしている。しかしながら,従来の使い捨ておむつは,腹部周りにおいて弾性伸縮部材が幅方向(横方向)に沿って配置されているため,幅方向への伸縮性は高くなっているものの,長手方向(上下方向)への伸縮性は低いものであった。すなわち,従来の使い捨ておむつは,上下方向にほとんど伸縮しないものであるため,着用者が上方に引き上げにくくなっており,また強引に引き上げようとすると,おむつを構成するシート部材が破れたりすることもある。このことは,おむつの履きやすさを損ねる原因の一つとなっていた。
この点,上記した引用文献1〜3に開示された従来の使い捨ておむつのように,おむつの腹周りに配置する弾性伸縮部材を湾曲させることにより,ある程度上下方向への伸縮性を付与することができる。しかしながら,従来の使い捨ておむつは,いずれも,おむつを引き上げやすくすることを目的として弾性伸縮部材を湾曲させたものではない。このため,従来の使い捨ておむつでは,例えば着用者が掴みやすい位置に上下方向への伸縮性を付与することなど,着用者がおむつを引き上げやすくするための構成が検討されていない。また,例えば従来の使い捨ておむつは,上方に向かって膨らむように湾曲した弾性伸縮部材と,下方に向かって膨らむように湾曲した弾性伸縮部材を交差させるなど,フィット性を重視して弾性伸縮部材を配置している。しかし,上方と下方に膨らむ弾性伸縮部材を設けると,上方に引き上げる力だけでなく,下方に引き下げる力も加わるため,却っておむつを上方に引き上げにくくなるというデメリットが生じることもある。
このため,現在では,着用者がおむつを上方に引き上げやすくなるように,腹周りの適所に上下方向への伸縮性が付与されたパンツ型使い捨ておむつが求められている。
そこで,本発明の発明者は,従来の課題を解決する手段について鋭意検討した結果,パンツ型使い捨ておむつの腹周りに配置する弾性伸縮部材を,少なくとも2箇所以上で股下側(下方)に向かって膨らむように湾曲させることとした。このように,弾性伸縮部材を2箇所以上で股下側に向かって膨らむように湾曲させることで,弾性伸縮部材に傾斜部分が形成されることとなり,この傾斜部分によって上下方向への伸縮性がもたらされる。さらに,弾性伸縮部材を2箇所以上で湾曲させることで,少なくとも2箇所の湾曲部分の間に非湾曲部分(平行部分)が形成される。この非湾曲部分(平行部分)は,2箇所の湾曲部分に挟まれていることにより,上下方向への伸縮性が高くなっている。そうすると,着用者は湾曲部分の間に形成された非湾曲部分(平行部分)を掴むことで,おむつ全体を上方に引き上げやすくなる。そして,本発明者は,このような記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
本発明は,パンツ型の使い捨ておむつに関する。
本発明のパンツ型使い捨ておむつは,着用者の腹部に接する前身頃1と,着用者の背部に接する後身頃2と,これらの間に位置する股下部3とに,長手方向に区分されている。また,パンツ型使い捨ておむつは,前身頃1と後身頃2の左右両側部4を互いに接合することにより,ウエスト開口部5と左右一対のレッグ開口部6が形成される。
ここで,本発明のパンツ型使い捨ておむつは,前身頃1と後身頃2の両方又はいずれか一方に,おむつの幅方向に延びる一又は複数の湾曲伸縮部材70が設けられている。
そして,この湾曲伸縮部材70は,少なくとも2箇所以上で,股下部3側に向かって膨らむように湾曲して配置されている。
上記構成のように,湾曲伸縮部材70を股下部3側に向かって膨らむように湾曲させることで,使い捨ておむつの前身頃1や後身頃2に上下方向の伸縮性が発現する。これにより,おむつの前身頃1や後身頃2が上下に伸びるようになるため,着用者はおむつを掴んで上方に引き上げやすくなる。特に,湾曲伸縮部材70を2箇所以上で湾曲させることで,この2箇所の湾曲部分の間に非湾曲部分(平行部分)が形成される。この非湾曲部分(平行部分)は,2箇所の湾曲部分に挟まれていることにより,上下方向への伸縮性が高くなっている。そうすると,着用者は,湾曲部分の間に形成された非湾曲部分(平行部分)を掴むことで,おむつ全体を上方に引き上げやすくなる。さらには,この2箇所の湾曲部分の左右外側にも,非湾曲部分(平行部分)が形成されることとなる。この湾曲部分の左右外側の非湾曲部分(平行部分)も上下の伸縮性が高くなっているため,着用者はこの部分を掴んでおむつを引き上げやすいといえる。
本発明において,湾曲伸縮部材70は,中央平行部分71と,左右の中央寄り傾斜部分72,73と,左右の中間平行部分74,75と,左右の外側寄り傾斜部分76,77と,左右の外側平行部分78,79とを有していることが好ましい。
すなわち,中央平行部分71は,おむつの幅方向の中央において,幅方向と平行に延びる部分である。
また,左右の中央寄り傾斜部分72,73は,中央平行部分71の左右両側において,股下部3側に向かって斜めに傾斜する部分である。
また,左右の中間平行部分74,75は,中央寄り傾斜部分72,73の左右外側において,幅方向と平行に延びる部分である。
また,左右の外側寄り傾斜部分76,77は,中間平行部分74,75の左右外側において,ウエスト開口部5側に向かって斜めに傾斜する部分である。
さらに,左右の外側平行部分78,79は,外側寄り傾斜部分76,77の左右外側において,幅方向と平行に延びる部分である。
上記構成のように,湾曲伸縮部材70が,平行部分(71,74,75,78,79)と傾斜部分(72,73,76,77)とを交互に含んで形成されていることで,左右方向の伸縮性と上下方向の伸縮性がバランス良く発揮されることとなる。つまり,平行部分(71,74,75,78,79)によって左右方向の伸縮性が付与されているため,使い捨ておむつが着用者の腹周りにフィットする。また,傾斜部分(72,73,76,77)によって上下方向の伸縮性が付与されているため,使い捨ておむつを左右方向だけでなく,上下方向にも引き伸ばすことができる。特に,中央平行部分71は,その左右両側に中央寄り傾斜部分72,73が形成されている。このため,着用者は,中央平行部分71を掴んで,おむつを上方に引き上げる易くなる。さらに,外側平行部分78,79にも,隣接して外側寄り傾斜部分76,77が形成されている。このため,着用者は,外側平行部分78,79を掴むことによっても,おむつを上方に簡単に引き上げることができる。特に,おむつの幅方向中央部分(中央平行部分71)と幅方向外側部分(外側平行部分78,79)は,着用者がおむつを引き上げようとしたとき,最も自然に掴みやすい部分であるといえる。このため,これらの着用者が自然に掴みやすい部分に上下方向の伸縮性を付与することで,着用者は,自然な動作によっておむつを上方に引き上げやすくなる。
本発明の使い捨ておむつは,前身頃1から後身頃2に掛けて配置された吸収性本体30をさらに有する。ここで,吸収性本体30の幅方向の左右両側縁の一部(P1)は,湾曲伸縮部材70の中央寄り傾斜部分72,73と重畳していることが好ましい。
上記構成のように,吸収性本体30の両側縁の一部(P1)が,湾曲伸縮部材70の中央寄り傾斜部分72,73に重なっていることで,おむつを上方に引き上げたときに,吸収性本体30がこの引き上げ動作に追従しやすくなる。つまり,おむつが引き上げられたときに,吸収性本体30も連動して引き上がるため,着用者と吸収性本体30の間に隙間が生じにくくなる。結果として,尿漏れを効果的に防止できる。
本発明の使い捨ておむつは,さらに,吸収性本体30の長手方向の端縁の一部(P2)が,湾曲伸縮部材70の中央寄り傾斜部分72,73と重畳していることが好ましい。
上記構成のように,吸収性本体30の両側縁の一部(P1)に加えて,長手方向の端縁の一部(P2)が,湾曲伸縮部材70の中央寄り傾斜部分72,73と重なっていることで,吸収性本体30の追従性がより一層向上する。さらに,湾曲伸縮部材70の中央寄り傾斜部分72,73によって吸収性本体30の角部分を抑えることができるため,この角部分と着用者の身体の間に隙間が生じにくくなり,吸収性本体30の四隅から尿漏れが発生することを防止できる。
本発明の使い捨ておむつにおいて,湾曲伸縮部材70の数は,複数であることが好ましい。この場合,傾斜部分(72,73,76,77)における複数の湾曲伸縮部材70の間の最も広い間隔(D1)は,平行部分(71,74,75,78,79)における複数の湾曲伸縮部材70の間の最も広い間隔(D2)よりも狭くなっていることが好ましい。
上記構成のように,傾斜部分(72,73,76,77)における間隔(D1)を,平行部分(71,74,75,78,79)における間隔(D2)よりも狭くすることで,傾斜部分の伸縮応力が高まる。このため,おむつ全体を引き上げやすくなるとともに,おむつを引き上げる際に吸収性本体30が追従するようになる。また,平行部分における間隔(D2)を比較的広くすることで,着用者が伸縮部材の間に指を挿し込んで引っ掛けやすくなる。これにより,着用者がおむつを掴みやすくなる。
本発明の使い捨ておむつにおいて,湾曲伸縮部材70は,肌対向面側に位置するインナーシート11と,肌非対向面側に位置するアウターシート12の間に介在している。この場合に,平行部分(71,74,75,78,79)の少なくとも一部は,インナーシート11には接合されておらず,アウターシート12にのみ接合されていることが好ましい。
上記構成のように,湾曲伸縮部材70の平行部分(71,74,75,78,79)をアウターシート12にのみ接合に接合させることで,このアウターシート12側に触れたときに,湾曲伸縮部材70が指に引っ掛かりやすくなる。その結果,着用者はおむつを掴んで上方に引き上げやすくなる。
本発明によれば,着用者がおむつを上方に引き上げやすくなるように,腹周りの適所に上下方向への伸縮性を付与したパンツ型の使い捨ておむつを提供することができる。
図1は,本発明の一実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつを示した全体斜視図である。 図2は,本発明の一実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつを示した平面図である。 図3は,湾曲伸縮部材を抽出して示した模式図である。 図4は,湾曲伸縮部材と吸収性本体の関係を概念的に示した模式図である。 図5は,図2に示したA−A線における断面を概念的に示した断面図である。 図6は,本発明の他の実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつを示した平面図である。 図7は,本発明の他の実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつを示した平面図である。 図8は,本発明の他の実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつを示した平面図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
本願明細書において,「長手方向」とは,使い捨ておむつの前身頃と後見頃を結ぶ方向である。また,「幅方向」とは,使い捨ておむつの長手方向と平面的に直交する方向である。図中において,「長手方向」はY軸で示され,「幅方向」はX軸で示されている。
なお,本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する。
本発明は,パンツ型の使い捨ておむつであれば,公知のものに広く適用可能である。パンツ型の使い捨ておむつとは,前身頃と後身頃の両側部が予め接合された構成の使い捨ておむつである。例えば,パンツ型の使い捨ておむつは,それぞれ別体として形成された前身頃外装体と後身頃外装体の間に,吸収性本体が架橋された構成を有する架橋タイプのものであってもよい。また,パンツ型の使い捨ておむつは,前身頃から股下部を通って後身頃に掛けて一体的に形成された外装体に,股下部を中心として吸収性本体を固定した一体タイプのものであってもよい。以下では,これらタイプのパンツ型使い捨ておむつのうち,外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体的に形成された一体タイプを例に挙げて,本発明の内容を具体的に説明する。
図1は,一実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつ100を前身頃側から見た例を示す斜視図である。また,図2は,使い捨ておむつ100の例を示す展開図である。図2の展開図に示されるように,使い捨ておむつ100は,長手方向(Y軸方向)と幅方向(X軸方向)を有している。使い捨ておむつ100は,装着された際に,着用者の腹部に接する前身頃1と,着用者の背部に接する後身頃2と,着用者の股下にあてがわれる股下部3に,長手方向に区分される。本実施形態において,使い捨ておむつ100は,前身頃1から,股下部3を通り,後身頃2に至るまで一体的に形成された外装体10を備える。そして外装体10の肌対向面側には,股下部3を中心として,前身頃1と後身頃2に延在するように,吸収性本体30が配置されている。
図2に示された展開状態から,前身頃1と後身頃2の左右両側部4を互いに重ね合わせた状態で接合する。これにより,前身頃1と後身頃2の左右両端に,サイドシール部が形成される。このように,左右両側部4において,前身頃1と後身頃2を互いに接合することにより,図2に示された展開状態から,図1に示された状態に組み上がる。図1に示されるように,前身頃1の上端縁と後身頃2の上端縁により,ウエスト開口部5が形成される。また,前身頃1と後身頃2の両端両側部4が接合されることにより,装着時に着用者の左右の脚部周りに位置する一対のレッグ開口部6が形成される。このため,着用者は,ウエスト開口部5から両脚部を入れ,各脚部をレッグ開口部6から出すことで,使い捨ておむつ100を装着することができる。
図1及び図2に示されるように,前身頃1及び後身頃2には,それぞれ,複数の弾性伸縮部材が配置されている。複数の弾性伸縮部材は,基本的に,使い捨ておむつの幅方向(X軸方向)に伸長した状態で,外装体10の前身頃1と後身頃2に固定されている。このため,複数の弾性伸縮部材が収縮すると,前身頃1と後身頃2を構成するシート部材(不織布等)に皺が生じてギャザー(ウエストギャザー)を形成する。このように,使い捨ておむつのウエスト部分にギャザーを形成することで,着用者の腹周りに柔軟にフィットするようになる。
具体的に説明すると,外装体10は,肌対向面側(着用者の肌に対向する面側)に位置するインナーシート11と,肌非対向面側(着用者の肌に対向しない面側)に位置するアウターシート12と,を有する。インナーシート11とアウターシート12は,互いに重ね合わされて,ホットメルト接着剤などによって接合されている。インナーシート11とアウターシート12は,それぞれ,手触りの良い不織布などで構成することが好ましい。そして,インナーシート11とアウターシート12の間には,腹周りのウエストギャザーを形成する複数の弾性伸縮部材70,81,82が固定されている。複数の弾性伸縮部材70,81,82は,それぞれ,幅方向(X方向)に延びており,長手方向(Y方向)に所定間隔を空けて配置されている。このように,外装体10の前身頃1と後身頃2では,インナーシート11とアウターシート12の間に,ウエストギャザーを形成する複数の弾性伸縮部材70,81,82を挟み込んで固定したものであることが好ましい。
具体的に説明すると,符号70は,湾曲伸縮部材を示している。湾曲伸縮部材70は,図1及び図2に示されるように,所定の形状に湾曲して配置されている。湾曲伸縮部材70の詳細は後述する。また,符号81は,ウエスト伸縮部材81を示している。ウエスト伸縮部材81は,使い捨ておむつ100のウエスト開口部5近傍において,幅方向に沿って直線状に延びて固定されている。また,符号82は,タミー伸縮部材を示している。タミー伸縮部材82は,ウエスト伸縮部材81よりも股下部3寄りの位置(下方側)に配置され,幅方向に沿って直線状に延びて固定されている。
さらに,使い捨ておむつ100は,脚周りのレッグギャザーを形成する複数のレッグ伸縮部材83を含んでいてもよい。レッグ伸縮部材83は,使い捨ておむつ100のレッグ開口部6の周縁に沿って固定されている。レッグ伸縮部材83が収縮することで,レッグ開口部6の周縁に皺が生じてギャザー(レッグギャザー)が形成される。
図1及び図2に示した本実施形態において,複数の湾曲伸縮部材70には,ウエスト伸縮部材81や,タミー伸縮部材82が重なっていない。このように,本発明では,複数の湾曲伸縮部材70に他の伸縮部材が重なっていない形態が,好ましい形態である。
また,外装体10の肌対向面には,吸収性本体30が固定される。外装体10と吸収性本体30の固定には,ホットメルト接着剤等を用いればよい。吸収性本体30は,その外形が,矩形状のものであってもよいし,長手方向の中央部分がくびれた砂時計型であってもよい。また,吸収性本体30の外形は,丸みを帯びていてもよい
また,吸収性本体30の構成としては,適宜,公知の構成を採用できる。吸収性本体30は,基本的に,肌対向面側に位置する液透過性のトップシートと,肌非対向面側に位置する液不透過性のバックシートの間に,吸収性材料で構成された吸収体が封入された構造を有する。例えば,トップシートを構成する液透過性材料の例は,織布,不織布,又は多孔性フィルムである。また,例えばポリプロピレンやポリエチレン,ポリエステル,ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維を親水化処理してさらに不織布にしたものを用いることとしてもよい。また,バックシートを構成する液不透過材料の例は,ポリエチレン樹脂からなる液不透過性のフィルムである。特に,0.1〜4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。また,吸収体を構成する吸収性材料としては,例えば,フラッフパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートを用いることができる。また,吸収性材料には,フラッフパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートのうち1種類を単独で用いてもよいし,2種類以上を併用することとしてもよい。
ここで,図1及び図2に示されるように,本発明の使い捨ておむつ100には,所定形状に湾曲するようにして外装体10に固定された湾曲伸縮部材70が含まれる。湾曲伸縮部材70は,前身頃1と後身頃2の両方に設けられていることが好ましい。ただし,湾曲伸縮部材70は,前身頃1と後身頃2のいずれか一方に設けられていてもよい。湾曲伸縮部材70は,前身頃1と後身頃2のそれぞれに複数本ずつ設けられていることが好ましい。ただし,湾曲伸縮部材70は,前身頃1と後身頃2に一本設けられたものであってもよい。
また,図3と図4は,湾曲伸縮部材70の構造的な特徴を示したものである。図3は,湾曲伸縮部材70のみを抽出して模式的に示した図であり,図4は,湾曲伸縮部材70と吸収性本体30を抽出して模式的に示した図である。図2〜図4に示されるように,本実施形態において,複数の湾曲伸縮部材70は,それぞれ,少なくとも2箇所において,股下部3側に向かって膨らむように湾曲した形状で配置されている。すなわち,「股下部側に向かって膨らむように湾曲する」とは,湾曲伸縮部材70が,股下部3側に向かって凸となる(突出する)ように湾曲していることを意味する。図2等に示されるように,本実施形態において,湾曲伸縮部材70は,左側の湾曲部分70aと右側の湾曲部分70bの合計2箇所の湾曲部分を含むものである。
具体的に説明すると,図3に示されるように,湾曲伸縮部材70は,複数の平行部分(71,74,75,78,79)と,複数の傾斜部分(72,73,76,77)と,を有する。平行部分は,使い捨ておむつの幅方向(X軸)と略平行となっている部分である。また,傾斜部分は,使い捨ておむつの幅方向(X軸)に対して所定角度で傾斜している部分である。図3に示されるように,平行部分と傾斜部分は,交互に形成されている。
すなわち,複数の湾曲伸縮部材70は,それぞれ,中央平行部分71と,左右の中央寄り傾斜部分72,73と,左右の中間平行部分74,75と,左右の外側寄り傾斜部分76,77と,左右の外側平行部分78,79とを有する。中央平行部分71は,幅方向の中央において,幅方向と平行に延びる部分である。また,左右の中央寄り傾斜部分72,73は,中央平行部分71の左右両側において,股下部3側に向かって斜めに傾斜する部分である。また,左右の中間平行部分74,75は,中央寄り傾斜部分72,73の左右外側において,幅方向と平行に延びる部分である。また,左右の外側寄り傾斜部分76,77は,中間平行部分74,75の左右外側において,ウエスト開口部5側に向かって斜めに傾斜する部分である。さらに,左右の外側平行部分78,79は,外側寄り傾斜部分76,77の左右外側において,幅方向と平行に延びる部分である。
このように,複数の平行部分(71,74,75,78,79)と複数の傾斜部分(72,73,76,77)とが交互に形成されることで,湾曲伸縮部材70は,2箇所において,股下部3側に向かって膨らむように湾曲した形状となる。つまり,左側の湾曲部分70aは,左側の中央寄り傾斜部分72と,左側の中間平行部分74と,左側の外側寄り傾斜部分76によって構成されている。また,右側の湾曲部分70bは,右側の中央寄り傾斜部分73と,右側の中間平行部分75と,右側の外側寄り傾斜部分77とによって構成されている。
このように,湾曲伸縮部材70を湾曲させるためには,各伸縮部材を外装体10に固定する際に,搖動させればよい。ここでは,幅方向と平行に配置されている弾性伸縮部材を,一度傾斜させて,もう一度幅方向と平行に配置する操作を,「揺動」という。図3では,湾曲伸縮部材70を配置する際の進行方向が矢印で示されている。図3に示されるように,湾曲伸縮部材70は,図中左側から始まって右側に至るように,外装体に対して固定される。
湾曲伸縮部材70は,まず,左側の外側平行部分78において幅方向と平行に配置され,左側の外側寄り傾斜部分76において股下部3側(下方)に向かって傾斜して配置され,その後,左側の中間平行部分74においてもう一度幅方向と平行に配置される。これが,一度目の揺動操作となる。続いて,湾曲伸縮部材70は,左側の中間平行部分74において幅方向と平行になった後,左側の中央寄り傾斜部分72においてウエスト開口部5側(上方)に向かって傾斜して配置され,その後,中央平行部分71においてもう一度幅方向と平行に配置される。これが,二度目の揺動操作となる。また,湾曲伸縮部材70は,中央平行部分71において幅方向と平行に配置され,右側の中央寄り傾斜部分73において股下部3側(下方)に向かって傾斜して配置され,その後,右側の中間平行部分75においてもう一度幅方向と平行に配置される。これが,三度目の揺動操作となる。さらに,湾曲伸縮部材70は,右側の中間平行部分75において幅方向と平行になった後,右側の外側寄り傾斜部分77においてウエスト開口部5側(上方)に向かって傾斜して配置され,その後,外側平行部分79においてもう一度幅方向と平行に配置される。これが,四度目の揺動操作となる。このように,本実施形態では,各湾曲伸縮部材70につき,左側の外側平行部分78から右側の外側平行部分79に至るまでの間に,四度の揺動操作が行われる。これにより,湾曲伸縮部材70は,2箇所の湾曲部分70a,70bを含むように湾曲される。
このように,湾曲伸縮部材70を2箇所以上で湾曲させることで,この2箇所の湾曲部分70a,70bの間に,幅方向に平行な中央平行部分71が形成される。この中央平行部分71は,2箇所の湾曲部分70a,70bに挟まれているため,上下方向への伸縮性が高くなっている。そうすると,着用者は,この中央平行部分71を掴むことで,おむつ全体を上方に引き上げやすくなる。さらには,2箇所の湾曲部分70a,70bの左右外側にも,幅方向に平行な外側平行部分78,79が形成される。この外側平行部分78,79も上下の伸縮性が高くなっているため,着用者はこの部分を掴んでおむつを引き上げやすいといえる。これらの中央平行部分71と外側平行部分78,79は,着用者がおむつを引き上げようとしたとき,最も自然に掴みやすい部分であるといえる。このため,これらの着用者が自然に掴みやすい部分に上下方向の伸縮性を付与することで,着用者は,自然な動作によっておむつを上方に引き上げやすくなる。
さらに,中央寄り傾斜部分72,73と外側寄り傾斜部分76,77の間にも,幅方向に平行な中間平行部分74,75が形成されている。これにより,湾曲伸縮部材70は,平行部分(71,74,75,78,79)と傾斜部分(72,73,76,77)とを交互に含むこととなる。そうすると,湾曲伸縮部材70によって,左右方向の伸縮性と上下方向の伸縮性がバランス良く発揮される。つまり,平行部分(71,74,75,78,79)によって左右方向の伸縮性が付与されているため,使い捨ておむつが着用者の腹周りにフィットする。また,傾斜部分(72,73,76,77)によって上下方向の伸縮性が付与されているため,使い捨ておむつを左右方向だけでなく,上下方向にも引き伸ばすことができる。このように,左右方向の伸縮性と上下方向の伸縮性のバランスをとることで,おむつのフィット性を損なわずに,おむつを上方に引き上げやすくしている。
図3において,中央平行部分71の幅方向(X軸方向)の長さを,符号Lで示している。中央平行部分71の長さLは,着用者が少なくとも片手で掴むことのできる長さであることが好ましい。例えば,長さLは,30mm〜180mm,50mm〜150mm,又は80mm〜120mmであることが好ましく,特に100mm以上であることが好ましい。中央平行部分71の長さLが100mm以上であると,着用者は両手の指(親指を除いた8本の指)を中央平行部分71に引っ掛けることも可能となるため,容易におむつを上方に引き上げることができる。
その他,中間平行部分74,75や外側平行部分78,79の幅方向の長さも,上記中央平行部分71と同様に設定することができる。また,中間平行部分74,75や外側平行部分78,79の長さは,中央平行部分71の長さL1よりも短く設定されていてもよい。例えば,中間平行部分74,75や外側平行部分78,79の長さは,中央平行部分71の長さL1に対して40%〜80%の範囲内とすればよい。
また,湾曲伸縮部材70の平行部分は,ウエスト開口部5側に位置する中央平行部分71,外側平行部分78,79と,股下3側に位置する中間平行部分74,75とに分けることができる。このとき,中央平行部分71と左右の外側平行部分78,79を合わせた長さは,左右の中間平行部分74,75を合わせた長さよりも長いことが好ましい。例えば,左右の中間平行部分74,75を合わせた長さを100%としたときに,中央平行部分71と左右の外側平行部分78,79を合わせた長さは,120%〜300%,150%〜250%程度であることが好ましい。これより,着用者が最も掴みやすいウエスト開口部5側に位置する平行部分(中央平行部分71と外側平行部分78,79)の長さを確保することができる。
また,図3において,傾斜部分(72,73,76,77)の傾斜角度を,符号θで示している。傾斜部分(72,73,76,77)の傾斜角度は,それぞれ異なっていてもよいが,ここでは,各傾斜部分の角度が統一されている場合を例に挙げて説明する。傾斜部分の角度θは,例えば,20度〜90度,又は30度〜60度の範囲で設定することができ,特に40度〜50度,又は約45度(±3度)であることが好ましい。特に,傾斜部分の角度θを40度〜50度の範囲とすることで,左右方向の伸長性と上下方向の伸長性のバランスを良くすることができる。
また,図4には,複数の湾曲伸縮部材70と吸収性本体30の関連性が示されている。図4は,湾曲伸縮部材70と吸収性本体30の関連性を分かり易くするために,多少誇張して図示している。図4に示されるように,前身頃1と後身頃2のそれぞれに,複数の湾曲伸縮部材70が配置されている。また,前身頃1から後身頃2に掛けて,吸収性本体30が配置されている。図示された実施形態において,吸収性本体30の外形は,矩形状となっている。
図4に示されるように,吸収性本体30の幅方向左右の両側縁は,点P1において,湾曲伸縮部材70の中央寄り傾斜部分72,73と重畳している。これにより,湾曲伸縮部材70の中央寄り傾斜部分72,73によって,吸収性本体30の側縁を抑えることができる。従って,吸収性本体30と着用者の身体のフィット性が向上する。また,吸収性本体30が中央寄り傾斜部分72,73と重なっていることで,おむつを上方に引き上げたときに,吸収性本体30がこの引き上げ動作に追従しやすくなる。さらに,本実施形態において,吸収性本体30の長手方向の端縁は,点P2において,湾曲伸縮部材70の中央寄り傾斜部分72,73と重畳している。これにより,湾曲伸縮部材70の中央寄り傾斜部分72,73によって,吸収性本体30の角部分を抑えることができる。従って,吸収性本体30の追従性とフィット性がさらに向上する。
なお,図示された例では,吸収性本体30は矩形状となっているが,吸収性本体30は,その他に砂時計型やひょうたん型などであってもよい。
また,図4では,複数の湾曲伸縮部材70の間の間隔のうち,傾斜部分(72,73,76,77)の間隔が,符号D1で示されている。傾斜部分同士の間隔はそれぞれ異なっていてもよいが,ここでは傾斜部分同士の間隔が統一されている場合を例に挙げて説明する。なお,傾斜部分同士の間隔がそれぞれ異なっていている場合,間隔D1は,傾斜部分同士の間隔のうち,最も広い間隔を意味する。他方,図4では,複数の湾曲伸縮部材70の間の間隔のうち,平行部分(72,73,76,77)の間隔が,符号D2で示されている。平行部分同士の間隔はそれぞれ異なっていてもよいが,ここでは平行部分同士の間隔が統一されている場合を例に挙げて説明する。なお,平行部分同士の間隔がそれぞれ異なっていている場合,間隔D2は,平行部分同士の間隔のうち,最も広い間隔を意味する。
ここで,傾斜部分の間隔D1は,平行部分の間隔D2よりも狭いものであることが好ましい(D1<D2)。傾斜部分の間隔D1が狭いということは,複数の湾曲伸縮部材70の束は,傾斜部分において,その伸長応力が強くなっていることを意味する。このように,傾斜部分における伸長応力を高めることで,おむつの引き上げ動作によって傾斜部分が伸長した後,傾斜部分は強く収縮することとなるため,おむつ全体を上方に引き上げやすくなる。例えば,傾斜部分の間隔D1の間隔は,10mm未満であることが好ましく,1mm〜9.5mm,2mm〜6mm,又は3mm〜5mm程度であることが好ましい。
他方,平行部分の間隔D2が,傾斜部分の間隔D1より広いことにより,着用者は,この複数の弾性伸縮部材70の傾斜部分の間に指を挿し込んで引っ掛けやすくなる。例えば,平行部分の間隔D2は,10mm以上であることが好ましい。例えば,平行部分の間隔D2は,5mm〜20mm,又は10mm〜15mm程度であることが好ましい。着用者は,複数の弾性伸縮部材70の傾斜部分の間に指を挿し込むことで,おむつを掴んで上方に引き上げやすくなる。
また,図4に示されるように,湾曲伸縮部材70の中央平行部分71は,吸収性本体30と重なっていないことが好ましい。つまり,湾曲伸縮部材70の中央平行部分71は,吸収性本体30の長手方向端縁よりも,ウエスト開口部5側(上方側)に位置していることが好ましい。中央平行部分71が吸収性本体30に重なると,この中央平行部分71が収縮したときに,吸収性本体30を幅方向に縮めることとなり,吸収性本体30に歪みが発生する恐れがあるためである。なお,湾曲伸縮部材70の中央平行部分71を,吸収性本体30に重ねる必要がある場合には,この重なる領域において中央平行部分71を切断し,中央平行部分71に伸縮性を発現させなければよい。ただし,その場合,湾曲伸縮部材70全体をみると,横方向の伸縮性が低下することとなる。このため,湾曲伸縮部材70の中央平行部分71は,吸収性本体30の長手方向端縁よりも,ウエスト開口部5側(上方側)に位置していることが好ましい形態となる。
図5は,本発明の好ましい実施形態に係る使い捨ておむつの一部の断面を示している。具体的には,図5は,図2の展開図に示したA−A線における断面図であり,特に湾曲伸縮部材70の中央平行部分71の断面を示している。図5に示されるように,使い捨ておむつ100の外装体10は,肌対向面側に位置するインナーシート11と肌非対向面側に位置するアウターシート12とを貼り合わせて構成されている。また,図5に示されるように,アウターシート12は,ウエスト開口部5に相当する端縁において折り返して,インナーシート11の肌対向面側を覆うものであってもよい。
図5に示した実施形態において,複数の湾曲伸縮部材70は,上下方向(長手方向)に間隔をおいて,インナーシート11とアウターシート12の間に介在している。ここで,複数の湾曲伸縮部材70は,インナーシート11には直接接合されておらず,アウターシート12にのみ接合されている。これにより,湾曲伸縮部材70は,実質的にインナーシート11から乖離した状態となっている。このように,湾曲伸縮部材70をアウターシート12にのみ接合することで,着用者は湾曲伸縮部材70に指を掛けやすくなる
さらに,図5に示した例において,インナーシート11とアウターシート12は,複数の湾曲伸縮部材70が配置される領域において,上下方向(長手方向)に沿って,接合部91と非接合部92が交互に形成されている。接合部91は,インナーシート11とアウターシート12を接合する部分である。接合部91は,ヒートシールや超音波シールによってシート部材を融着させた部分であってもよいし,ホットメルト接着剤によってシート部材を接着した部分であってもよい。他方,非接合部92は,インナーシート11とアウターシート12が接合されていない部分である。ここで,接合部91は,複数の湾曲伸縮部材70同士の間に形成されている。言い換えると,複数の湾曲伸縮部材70は,非接合部92において,アウターシート12に接合されている。このように,インナーシート11とアウターシート12を間欠的に接合しつつ,インナーシート11とアウターシート12とが接合されていない箇所において,湾曲伸縮部材70をアウターシート12に接合する。これにより,図5に示されるように,湾曲伸縮部材70が配置された箇所において,アウターシート12が肌非対向面側に向かって突出するようになる。そうすると,着用者は,アウターシート12の突出部分に指を掛けて,おむつ全体を引き上げやすくなる。また,図5に示した実施形態では,アウターシート12に弛み(余り部分)が存在するため,アウターシート12を強く引っ張っても破れにくくなっている。この点からも,着用者はアウターシート12を掴みやすくなる。
このようなアウターシート12の突出部分は,湾曲伸縮部材70のうちの平行部分(71,74,75,78,79)を利用して形成することがこの好ましい。上述したとおり,湾曲伸縮部材70の平行部分,具体的には中央平行部分71,中間平行部分74,75,及び外側平行部分78,79は,着用者が指を掛けやすくなっている部分である。このため,この平行部分(71,74,75,78,79)において,上記した図5の構造を採用し,アウターシート12に突出部分を形成することが好ましい。
図6は,図2に示した実施形態とは異なる実施形態に係る使い捨ておむつを示した展開図である。図6の実施形態は,図2の実施形態とは異なり,複数の湾曲伸縮部材70に,複数のタミー伸縮部材82が重なって配置されている。つまり,使い捨ておむつ100に,湾曲伸縮部材70とタミー伸縮部材82が交差する部分が含まれる。このように,複数の湾曲伸縮部材70と複数のタミー伸縮部材82とは,重なって配置されていてもよい。
図7は,さらに別の実施形態に係る使い捨ておむつを示した展開図である。図7に示した実施形態は,図2の実施形態とは異なり,後身頃2に配置された複数の湾曲伸縮部材70のみが,2箇所の湾曲部分70a,70bを有している。他方,前身頃1に配置された複数の湾曲伸縮部材70は,中央の1箇所にのみ湾曲部分70cを有している。
他方,図8は,さらに別の実施形態に係る使い捨ておむつを示している。図8では,図7とは対照的に,前身頃1に配置された複数の湾曲伸縮部材70のみが,2箇所の湾曲部分70a,70bを有している。他方,後身頃2に配置された複数の湾曲伸縮部材70は,中央の1箇所にのみ湾曲部分70cを有している。
このように,本発明の使い捨ておむつ100においては,少なくとも前身頃1と後身頃2のいずれか一方において,湾曲伸縮部材70が2箇所の湾曲部分70a,70bを有していればよい。
その他,湾曲伸縮部材70を構成する部材としては,伸縮性を有する公知の部材を用いることができる。例えば,湾曲伸縮部材70としては,糸状や平状の弾性ゴムを用いることができる。このようなゴム材としては,スチレン系ゴム,オレフィン系ゴム,ウレタン系ゴム,エステル系ゴム,ポリウレタン,ポリエチレン,ポリスチレン,スチレンブタジエン,シリコーン,ポリエステル等の素材を用いることができる。また,湾曲伸縮部材70としては,シート状の伸縮フィルム,網目状の伸縮部材,伸縮性不織布など,伸縮性を有する部材を適宜採用することができる。
また,本発明は,使い捨ておむつの掴みやすさを向上させることを目的の一つとしたものであるため,例えば,掴みやすい部分に着色などを施して,着用者が掴む部分を意識しやすくすることとしてもよい。例えば,複数の湾曲伸縮部材70の全体に着色を施して,他の伸縮部材81,82,83と差別化してもよい。また,湾曲伸縮部材70のうち,中央平行部分71と左右の外側平行部分78,79自体やその周囲に着色を施して,この部分が掴みやすい部分であることを,着用者にアピールすることとしてもよい。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
例えば,上記した実施形態では,湾曲伸縮部材70が2箇所で股下部3側に向かって膨らむように湾曲していることを説明した。ただし,湾曲伸縮部材70は,例えば3箇所,4箇所,又は5箇所以上で,股下部3側に向かって膨らむように湾曲していてもよい。
また,上記した実施形態では,湾曲伸縮部材70に中間平行部分74,75が形成されていることが好ましいことを説明した。ただし,湾曲伸縮部材70に中間平行部分74,75が形成されていなくてもよい。例えば,湾曲伸縮部材70は,中間平行部分74,75に相当する位置において,湾曲伸縮部材70は円弧状にカーブ(湾曲)していてもよいし蛇行していてもよい。例えば,湾曲伸縮部材70は,中央寄り傾斜部分72,73と外側寄り傾斜部分76,77とを円弧状部分によって繋いた形状であってもよい。
本発明は,乳幼児用や高齢者用のパンツ型使い捨ておむつに関する。従って,本発明は,使い捨ておむつの製造業において好適に利用し得る。
1…前身頃 2…後身頃
3…股下部 4…左右両側部
5…ウエスト開口部 6…レッグ開口部
10…外装体 11…インナーシート
12…アウターシート 30…吸収性本体
70…湾曲伸縮部材 70a…湾曲部分(左)
70b…湾曲部分(右) 71…中央平行部分
72…中央寄り傾斜部分(左) 73…中央寄り傾斜部分(右)
74…中間平行部分(左) 75…中間平行部分(右)
76…外側寄り傾斜部分(左) 77…外側寄り傾斜部分(右)
78…外側平行部分(左) 79…外側平行部分(右)
81…ウエスト伸縮部材 82…タミー伸縮部材
83…レッグ伸縮部材 91…接合部
92…非接合部 100…使い捨ておむつ

Claims (6)

  1. 着用者の腹部に接する前身頃(1)と,着用者の背部に接する後身頃(2)と,前記前身頃(1)と前記後身頃(2)の間に位置する股下部(3)とに,長手方向に区分され,
    前記前身頃(1)と前記後身頃(2)の左右両側部(4)を互いに接合することにより,ウエスト開口部(5)と左右一対のレッグ開口部(6)が形成された
    パンツ型の使い捨ておむつであって,
    前記前身頃(1)と前記後身頃(2)の両方又はいずれか一方には,前記おむつの幅方向に延びる一又は複数の湾曲伸縮部材(70)が設けられており,
    前記湾曲伸縮部材(70)は,少なくとも2箇所以上で,前記股下部(3)側に向かって膨らむように湾曲して配置されている
    パンツ型の使い捨ておむつ。
  2. 前記湾曲伸縮部材(70)は,
    前記幅方向の中央において,前記幅方向と平行に延びる中央平行部分(71)と,
    前記中央平行部分(71)の左右両側において,前記股下部(3)側に向かって斜めに傾斜する中央寄り傾斜部分(72,73)と,
    前記中央寄り傾斜部分(72,73)の左右外側において,前記幅方向と平行に延びる中間平行部分(74,75)と,
    前記中間平行部分(74,75)の左右外側において,前記ウエスト開口部(5)側に向かって斜めに傾斜する外側寄り傾斜部分(76,77)と,
    前記外側寄り傾斜部分(76,77)の左右外側において,前記幅方向と平行に延びる外側平行部分(78,79)と,を有する
    請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記前身頃(1)から前記後身頃(2)に掛けて配置された吸収性本体(30)をさらに有し,
    前記吸収性本体(30)の前記幅方向の左右両側縁の一部(P1)は,前記湾曲伸縮部材(70)の前記中央寄り傾斜部分(72,73)と重畳している
    請求項1又は請求項2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記吸収性本体(30)の前記長手方向の端縁の一部(P2)は,前記湾曲伸縮部材(70)の前記中央寄り傾斜部分(72,73)と重畳している
    請求項3に記載の使い捨ておむつ
  5. 前記湾曲伸縮部材(70)は複数であり,
    前記傾斜部分(72,73,76,77)における前記複数の湾曲伸縮部材(70)の間の最も広い間隔(D1)は,前記平行部分(71,74,75,78,79)における前記複数の湾曲伸縮部材(70)の間の最も広い間隔(D2)よりも狭くなっている
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の使い捨ておむつ
  6. 前記湾曲伸縮部材(70)は,肌対向面側に位置するインナーシート(11)と,肌非対向面側に位置するアウターシート(12)の間に介在しており,
    前記平行部分(71,74,75,78,79)の少なくとも一部は,前記インナーシート(11)には接合されておらず,前記アウターシート(12)にのみ接合されている
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の使い捨ておむつ。
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