WO2021132723A1

WO2021132723A1 - パンツ型吸収性物品

Info

Publication number: WO2021132723A1
Application number: PCT/JP2020/049193
Authority: WO
Inventors: 訓功川端
Original assignee: ユニ・チャーム株式会社
Priority date: 2019-12-26
Filing date: 2020-12-28
Publication date: 2021-07-01
Also published as: CN114901227A

Abstract

液吸収性の吸収性本体（１０）と、左右方向に伸縮する胴回り部材（２０）と、を有するパンツ型吸収性物品（１）であって、伸長状態において、胴回り部材（２０）は、左右方向に延びる胴回り弾性部材を有しており、胴回り弾性部材は、腹側において左右方向に非直線状に延びる湾曲弾性部材（３６）を有しており、湾曲弾性部材（３６）は、左右方向における中央が両端（３６ｅｓ）よりも上側に位置するように設けられており、湾曲弾性部材（３６）の少なくとも一部が、前後方向に見たときに、吸収性本体（１０）と重複することを特徴とする。

Description

パンツ型吸収性物品

　本発明は、パンツ型吸収性物品に関する。

　パンツ型吸収性物品として、パンツ型使い捨ておむつが知られている。パンツ型使い捨ておむつには、パンツ型使い捨ておむつが着用時にズレ落ち無いように、弾性部材がパンツ型使い捨ておむつの左右方向（幅方向）に沿って設けられている（例えば、特許文献１参照）。

特開２０１２－０６５８１８号公報

　本発明が解決しようとする課題は、以下の第１課題及び第２課題のうち少なくとも１つである。

　第１の課題は、特許文献１においては、パンツ型使い捨ておむつの着用時又はパンツ型使い捨ておむつがズレ落ちた際に、パンツ型使い捨ておむつの腹側開口付近を引き上げると、かかる引っ張り力は弾性部材に沿って左右方向に働くので、例えば、吸収性本体等にまで引っ張り力が伝わりにくかった。つまり、着用者がパンツ型使い捨ておむつの腹側開口付近を引き上げただけでは、パンツ型使い捨ておむつを引き上げにくかった。

　本発明は、上記のような問題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、パンツ型使い捨ておむつの腹側開口付近を引き上げた際に、引っ張り力がパンツ型使い捨ておむつに広く伝わって、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することである。

　第２の課題は、特許文献１においては、パンツ型使い捨ておむつに着用者が脚を通す際に、弾性部材が脚を通す方向と交差する方向に設けられているので、弾性部材に足の指等が引っ掛かりやすく、着用しにくいおそれがあった。

　本発明は、上記のような問題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することである。

　上記第１の課題を達成するための主たる発明は、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向に伸縮する胴回り部材と、を有するパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記胴回り部材は、前記左右方向に延びる胴回り弾性部材を有しており、前記胴回り弾性部材は、腹側において前記左右方向に非直線状に延びる湾曲弾性部材を有しており、前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央が両端よりも上側に位置するように設けられており、前記湾曲弾性部材の少なくとも一部が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複することを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

　上記第２の課題を達成するための主たる発明は、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向に伸縮する胴回り部材と、を有し、前記胴回り部材の腹側と背側とが、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部によって係止されているパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記胴回り部材は、前記左右方向に延びる胴回り弾性部材を有しており、前記胴回り弾性部材は、腹側において前記左右方向に非直線状に延びる湾曲弾性部材を有しており、前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央が両端よりも上側に位置するように設けられており、前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも上側に位置しており、前記湾曲弾性部材の前記左右方向における両端が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも下側に位置し、且つ、前記吸収性本体の前記左右方向における両端よりも外側に位置していることを特徴とするパンツ型吸収性物品である。

　本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

　第１の課題に対する本発明の効果は、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　第２の課題に対する本発明の効果は、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

おむつ１を腹側から見た概略斜視図である。展開且つ伸長状態であるおむつ１の平面図である。図２のＡ－Ａ線での概略断面図である。中央領域と両側斜め部３６２の接線Ｍｔ，Ｓｔ１，Ｓｔ２を示した図である。伸長状態における湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６の形状を比較するための図である。腹側開口部を引き上げた際の湾曲弾性部材３６及び吸収性本体１０の動きを説明するための図である図１のＡの拡大図であり、係止部５０における湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６の配置を説明するための図である。中央領域の一部が吸収性本体１０と重複しない場合に腹側開口部を引き上げた際の湾曲弾性部材３６及び吸収性本体１０の動きを説明するための図である。おむつ１の自然状態における正面図と側面図である。非接合部の有無による脚周り開口ＬＨの上側の腹側胴回り部３０の引き上がり方を説明するための図である。

　本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。

　互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向に伸縮する胴回り部材と、を有するパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記胴回り部材は、前記左右方向に延びる胴回り弾性部材を有しており、前記胴回り弾性部材は、腹側において前記左右方向に非直線状に延びる湾曲弾性部材を有しており、前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央が両端よりも上側に位置するように設けられており、前記湾曲弾性部材の少なくとも一部が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複することを特徴とするパンツ型吸収性物品。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、パンツ型使い捨ておむつの腹側開口付近を引き上げた際に、引っ張り力が湾曲弾性部材を介して吸収性本体に伝達するので、小さい引っ張り力でも吸収性本体が引き上げやすくなる。つまり、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り弾性部材が、前記吸収性本体よりも非肌側又は肌側のどちらか一方のみに設けられていることが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、胴回り弾性部材を吸収性本体よりも肌側と非肌側の両側に設けた場合に比べて、胴回り開口が収縮しにくく身体に強くフィットしないので、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材は、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部により腹側と背側が係止されており、前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも上側に位置していることが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材の左右方向における中央が胴回り開口に近いので、腹側の胴回り開口の左右方向における中央を引き上げた際に、かかる引っ張り力が湾曲弾性部材に伝達しやすいので、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材は、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部により腹側と背側が係止されており、前記湾曲弾性部材の前記左右方向における両端が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも下側に位置し、かつ、前記吸収性本体の前記左右方向における両端よりも外側に位置していることが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材の左右方向における両端が脚回り開口に近いので、湾曲弾性部材が引き上がると脚回り開口も引き上がりやすい。また、剛性の高い吸収性本体によって湾曲弾性部材の左右方向における両端の伸縮が阻害されにくいので、引っ張り力が両端にまで伝達しやすく脚回り開口を引き上げやすい。つまり、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複することが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、パンツ型吸収性物品を引き上げる際に、胴回り部材の腹側の胴回り開口の左右方向における中央を引き上げると、先ずは中央の湾曲弾性部材が引っ張り上げられて中央の吸収性本体を引き上げ、次に中央の湾曲弾性部材に連動して左右の湾曲弾性部材が元に戻ろうとして引き上げられて左右の吸収性本体を引き上げる。つまり、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記前後方向に見たときに、吸収性コアと重複しないことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、腹側の胴回り開口の中央を持ってパンツ型吸収性物品を引き上げる時に湾曲弾性部材の左右方向における中央が引き上がるが、湾曲弾性部材と吸収性コアが重なっていないので、湾曲弾性部材の中央の伸縮が吸収性コアに阻害されにくくなる。つまり、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央において、前記左右方向に延びる中央部と、前記中央部の前記左右方向における両端から斜め下に延びる一対の両側斜め部と、を有しており、前記一対の両側斜め部が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複しないことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、腹側の胴回り開口の左右方向における中央を持ってパンツ型吸収性物品の引き上げる時に湾曲弾性部材の左右方向における中央が引き上がるが、中央と連動して伸縮する一対の両側斜め部と吸収性本体が重なっていないので、一対の両側斜め部の伸縮が吸収性本体に阻害されにくく、脚回り開口まで引っ張り力が伝達しやすくなり、脚回り開口を引き上げやすい。つまり、湾曲弾性部材の中央と連動して伸縮する一対の両側斜め部により、胴回り部材全体が引き上げられるので、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央の一部が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複しないことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、パンツ型吸収性物品を引き上げる際に、胴回り部材の腹側の胴回り開口の左右方向における中央を引き上げると、吸収性本体と重複していない湾曲弾性部材の中央が伸長してから重複する湾曲弾性部材に引っ張り力が伝達されるので、小さい引っ張り力でも吸収性本体が引き上げやすくなる。つまり、引き上げやすく着用しやすい吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材は、厚さ方向に積層された複数のシートを備えており、前記複数のシートは、胴回り開口の上端で下側に折り返された開口折り返し部を各々有しており、少なくとも最も非肌側の前記シートの前記開口折り返し部が、前記前後方向に見たときに、前記湾曲弾性部材と重複することが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、パンツ型吸収性物品を引き上げる際に、開口折り返し部は指を引っ掛けやすいので、かかる部分が湾曲弾性部材と重複することにより、開口折り返し部を引き上げた力が直接的に湾曲弾性部材に伝達して吸収性本体を引き上げることができる。つまり、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り弾性部材は、前記胴回り部材の上端部において胴回り開口に沿って延びる腰部弾性部材を有しており、前記開口折り返し部は、非肌側から肌側に折り返されて、前記胴回り部材の肌側に設けられており、前記腰部弾性部材が、前記開口折り返し部に設けられていないことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、肌側においては開口折り返し部で収縮を抑制しつつ、非肌側の腰部弾性部材にて非肌側を収縮させることで、胴回り開口の上端部が内側に折れ曲がることを抑制することができ、胴回り開口をより開きやすくできるので、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央において、前記左右方向に延びる中央部と、前記中央部の前記左右方向における両端から斜め下に延びる一対の両側斜め部と、を有しており、前記一対の両側斜め部の伸長倍率が、前記中央部の伸長倍率よりも、高いことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、中央部の伸長倍率が低いので、左右方向の伸縮を抑制することができ（身体に強くフィットすることを抑制し）、且つ、一対の両側斜め部の伸長倍率が高いので、腹側の胴回り開口の左右方向における中央を引き上げた際に、脚回り開口まで引っ張り力が伝達しやすく、脚回り開口を引き上げやすい。つまり、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記湾曲弾性部材は、複数の弾性部材が延びる方向と交差する方向に隣り合うように間隔を置いて配置されており、前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央において、前記左右方向に延びる中央部と、前記中央部の前記左右方向における両端から斜め下に延びる一対の両側斜め部と、を有しており、前記両側斜め部の前記間隔が、前記中央部の前記間隔よりも短いことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、より狭い範囲に両側斜め部の伸縮力が集中するので、腹側の胴回り開口の左右方向における中央を引き上げた際に、脚回り開口まで引っ張り力が狭い範囲に強い状態で伝達しやすく、脚回り開口を引き上げやすい。つまり、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材は、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部により腹側と背側が係止されており、前記胴回り弾性部材は、背側において前記左右方向に非直線状に延びる背側湾曲弾性部材を有しており、前記背側湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央が両端よりも下側に位置するように設けられており、前記湾曲弾性部材と前記背側湾曲弾性部材は、それぞれが前記左右方向の一端から他端まで連続して設けられており、前記湾曲弾性部材の少なくとも一部が、前記胴回り係止部において、前記背側湾曲弾性部材と連動するように設けられていることが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、腹側胴回り部を引き上げると背側胴回り部も引き上げることができるので、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記湾曲弾性部材と前記背側湾曲弾性部材が連動するように設けれている位置が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも下側であることが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、腹側胴回り部を引き上げると、係止部も引き上げられ、かつ、背側胴回り部も引き上げることができる。つまり、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記左右方向の中央における前記背側湾曲弾性部材の伸長倍率が、前記左右方向の中央における前記湾曲弾性部材の伸長倍率よりも、低いことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、背側湾曲弾性部材が臀部の膨らみに沿って伸長する際の引っ張り力が小さくて良いので、腹側胴回り部を引き上げた際に、小さな引っ張り力により背側を引き上げることができる。つまり、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記背側湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が両端よりも上側に位置するように前記上下方向を反転させて、前記前後方向に見たときに、前記上下方向が反転した前記背側湾曲弾性部材と前記湾曲弾性部材の形状が異なることが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材は下腹部に合わせて機能するように、背側湾曲弾性部材は臀部に合わせて機能するように、それぞれが当接する着用者の部分に合わせて形状を設けることができるので、フィット性の高いパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、自然状態において、前記湾曲弾性部材の上端である前記左右方向における中心の上端から、前記湾曲弾性部材の下端である前記左右方向における両端の下端までの上下方向における寸法が、前記背側湾曲弾性部材の上端である前記左右方向における中心の上端から、前記背側湾曲弾性部材の下端である前記左右方向における両端の下端までの上下方向における寸法よりも、大きいことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材をより上側まで設けることができるので、湾曲弾性部材の引き上げ力を大きくすることができ、より一層引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記湾曲弾性部材の上端である前記左右方向における中心の上端から、前記湾曲弾性部材の下端である前記左右方向における両端の下端までの上下方向における寸法が、前記背側湾曲弾性部材の上端である前記左右方向における中心の上端から、前記背側湾曲弾性部材の下端である前記左右方向における両端の下端までの上下方向における寸法よりも、小さいことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、背側胴回り部を臀部にフィットさせつつ、背側の両側斜め部を上下方向に長く設けることができるので、背側胴回り部の引き上げ力を大きくすることができる。つまり、腹側胴回り部を引き上げると背側胴回り部も引き上げられるので、より一層引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記左右方向に対して、前記湾曲弾性部材の前記左右方向の中央におけるいずれの接線の角度よりも、前記湾曲弾性部材の前記左右方向の中央の両側における接線の角度の方が、大きいことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材の左右方向における中央がなだらかな凸形状となり、湾曲弾性部材が腹側腰部弾性部材に沿うように配置される。そして、腹側腰部弾性部材が湾曲弾性部材に引っ張られて下側に変形し、湾曲弾性部材の左右方向における中央と腹側腰部弾性部材の距離が近くなり、パンツ型吸収性物品を引き上げる際に、湾曲弾性部材の左右方向における中央を掴んで引き上げやすくなるので、引き上げやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り弾性部材のうちの少なくとも前記湾曲弾性部材が、前記胴回り部材と異なる色に着色されていることが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材が着色されて目立つので、湾曲弾性部材を直接的につかみやすくなる。つまり、引き上げを補助する湾曲弾性部材を直接的につかんで引き上げることにより、着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　また、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向に伸縮する胴回り部材と、を有し、前記胴回り部材の腹側と背側とが、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部によって係止されているパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記胴回り部材は、前記左右方向に延びる胴回り弾性部材を有しており、前記胴回り弾性部材は、腹側において前記左右方向に非直線状に延びる湾曲弾性部材を有しており、前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央が両端よりも上側に位置するように設けられており、前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも上側に位置しており、前記湾曲弾性部材の前記左右方向における両端が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも下側に位置し、且つ、前記吸収性本体の前記左右方向における両端よりも外側に位置していることを特徴とするパンツ型吸収性物品が明らかとなる。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、胴回り開口の腹側の中央が胴回り開口を下側に広げるように変形し、一対の脚回り開口の腹側の上側が脚回り開口を上側に広げるように変形するので、着用の際の脚通しの距離が短くなり、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向に伸縮する胴回り部材と、を有し前記胴回り部材の腹側と背側とが、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部によって係止されているパンツ型吸収性物品であって、自然状態において、前記胴回り部材は、前記左右方向に延びる胴回り弾性部材を有しており、前記胴回り弾性部材は、腹側において、前記左右方向における中央が両端よりも上側に位置して設けられた湾曲弾性部材を有しており、前記湾曲弾性部材は、前記胴回り部材の腹側の前記左右方向における中央の上端が、前記胴回り部材の腹側の前記左右方向における両端の上端よりも下側に位置し、且つ、前記胴回り係止部の下端が、前記胴回り係止部の上端よりも前記左右方向の内側に位置し、且つ、前記胴回り係止部の下端が、前記胴回り係止部の上端よりも前記前後方向の前側に位置するように配置されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、胴回り部材の腹側の左右方向における中央の上端が両端の上端よりも下側に位置するので、着用の際の脚通しの距離が短くなって脚通しがしやすくなり、且つ、胴回り係止部の下端が胴回り係止部の上端よりも左右方向における内側に位置し、且つ、胴回り係止部の下端が胴回り係止部の上端よりも前後方向における前側に位置するので、脚回り開口が前側に開きやすくなって脚通しがしやすくなる。つまり、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、胴回り弾性部材を吸収体本体よりも肌側と非肌側の両側に設けた場合に比べて、胴回り開口が収縮しにくく胴回り開口が開きやすいので、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、腹側の前記胴回り部材は、前記左右方向における中央が両端よりも下側に位置し、且つ、前記湾曲弾性部材と交差する弾性部材を有していないことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材の伸縮が阻害されにくくなり、湾曲弾性部材によって発現する脚通しのしやすさの低減を抑制することができる。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、胴回り部材の腹側の胴回り開口の左右方向における中央を引き上げると、先ずは中央の湾曲弾性部材が引っ張り上げられて中央の吸収性本体を引き上げ、次に中央の湾曲弾性部材に連動して左右の湾曲弾性部材が元に戻ろうとして引き上げられて左右の吸収性本体を引き上げる。つまり、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材の中央の伸縮が吸収性コアに阻害されにくいので、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央において、前記左右方向に延びる中央部と、前記中央部の前記左右方向における両端から斜め下に延びる一対の両側斜め部と、を有しており、伸長状態において、前記一対の両側斜め部が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複しないことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、中央の両側が形成する胴回り部材の皺を細かい皺とすることでき、着用時の脚通しの際に脚（足の指等）が引っ掛かり難くなり、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材の中央の伸縮が吸収性本体に阻害されにくいので、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記湾曲弾性部材が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複しないことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材の伸縮が吸収性本体に阻害されにくいので、胴回り開口の腹側の中央が胴回り開口を下側に広げるように変形しやすくなり、且つ、脚回り開口の上側が脚回り開口を上側に広げるように変形しやすくなって、着用の際の脚通しの距離が短くなり、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央において、前記左右方向に延びる中央部と、前記中央部の前記左右方向における両端から斜め下に延びる一対の両側斜め部と、を有しており、伸長状態において、前記一対の両側斜め部の伸長倍率が、前記中央部の伸長倍率よりも、高いことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、中央部の伸長倍率が低いので、左右方向の伸縮を抑制することができて（胴回り開口を広く保つことができて）脚が入れやすく、且つ、一対の両側斜め部の伸長倍率が高いので、胴回り部材の皺を細かい皺とすることできて脚が引っ掛かり難い。つまり、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記湾曲弾性部材は、前記一対の両側斜め部の前記左右方向における外側の両端に、前記左右方向の外側に延びる一対の両端部を有しており、伸長状態において、前記一対の両端部が、脚回り開口の上側の前記胴回り部材の少なくとも一部に設けられていることが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、脚回り開口が上方向に引き上げられて着用時の脚通しの距離が短くなるので、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記一対の両端部が、脚回り開口の上端に沿って延びていることが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、一対の両端部が脚回り開口の形状を保ったまま脚回り開口が上方向に引き上げられて着用時の脚通しの距離が短くなるので、より一層脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、伸長状態において、前記前後方向に見たときに、腹側の前記胴回り弾性部材と前記吸収性本体が重複する領域において、腹側の前記胴回り部材と前記吸収性本体が接合されていない非接合部を有することが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、腹側の脚回り開口の上端部における胴回り部材を上側に引き上げた際に、胴回り部材の引き上げ長さを長くすることができ、着用の際の脚通しの距離を短くすることができるので、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り弾性部材は、前記胴回り部材の上端部において胴回り開口に沿って延びる腰部弾性部材を有しており、伸長状態において、前記前後方向に見たときに、前記腰部弾性部材と前記湾曲弾性部材が重複しないことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、腰部弾性部材が下側に引っ張られにくいので、腰部弾性部材がしっかりと着用者にフィットし、ズレにくくて漏れにくいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り弾性部材は、背側において前記左右方向に非直線状に延びる背側湾曲弾性部材を有しており、伸長状態において、前記背側湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央が両端よりも下側に位置するように設けられていることが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、湾曲弾性部材により背側湾曲弾性部材が上方向に引っ張られるので、背側の胴回り部材（脚回り開口の周縁端部）に脚が引っ掛かり難くなり、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　かかるパンツ型吸収性物品であって、前記胴回り部材は、胴回り開口の上端で非肌側から肌側に折り返されて、前記胴回り部材の肌側に設けられた開口折り返し部を有しており、前記胴回り弾性部材は、前記胴回り部材の上端部において胴回り開口に沿って延びる腰部弾性部材を有しており、前記腰部弾性部材が、前記開口折り返し部に設けられていないことが望ましい。

　このようなパンツ型吸収性物品によれば、肌側においては開口折り返し部で収縮を抑制しつつ、非肌側の腰部弾性部材にて非肌側を収縮させることで、胴回り開口の上端部が内側に折れ曲がることを抑制することができ、胴回り開口をより開きやすくできるので、脚通しがしやすく着用しやすいパンツ型吸収性物品を提供することが可能となる。

　＝＝＝第１実施形態＝＝＝
　＜おむつ１の基本構成＞
　本実施形態で扱う吸収性物品の一例として、パンツ型使い捨ておむつ１（以下、「おむつ１」とも呼ぶ）の基本的な構成について説明する。図１は、おむつ１を腹側から見た概略斜視図である。図２は、展開且つ伸長状態であるおむつ１の平面図である。図３は、図２のＡ－Ａ線での概略断面図である。なお、図１における「伸長状態」とは、製品（おむつ１）を皺なく伸長させた状態、具体的には、おむつ１を構成する各部材（例えば、後述する外装体２０等）の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで伸長した状態のことを言う。そして、非伸長状態であって、各弾性体が自然に収縮して各部材に皺等が生じている状態のことを「自然状態」という。

　このおむつ１は、図１のパンツ型状態において、互いに直交する三方向として上下方向と左右方向と前後方向とを有している。そして、以下では、このパンツ型状態における上下方向の一方側及び他方側のことを、それぞれ「胴回り開口側」及び「股下側」とも言い、また、前後方向の前側及び後側のことを、それぞれ「腹側」及び「背側」とも言う。

　一方、図２の展開状態においては、おむつ１は、互いに直交する三方向として長手方向と幅方向とを有している。そして、以下では、この展開状態における長手方向の一方側及び他方側のことを、それぞれ「腹側」及び「背側」とも言う。なお、展開状態における上記の幅方向は、パンツ型状態における上記の左右方向と同じ方向である。そのため、以下では、幅方向のことを「左右方向」とも言う。また、展開状態の長手方向は、パンツ型状態の上下方向に沿った方向である。また、図３に示すように、上下方向（長手方向）及び左右方向（幅方向）と直交する方向を「厚さ方向」とし、着用対象者の肌と当接する側を「肌側」とし、その反対側を「非肌側」とする。

　おむつ１は、平面視長方形状である吸収性本体１０と、吸収性本体１０の非肌側に位置する外装体２０（胴回り部材に相当）とを有している。外装体２０は、図１及び図２に示されるように、腹側胴回り部３０（胴回り部材の腹側）と、背側胴回り部４０（胴回り部材の背側）とを備えている。腹側胴回り部３０は、おむつ１の着用時において着用者の腹側に位置する部分であり、図２において、長手方向の中央位置ＣＬよりも腹側（前側）に位置している。背側胴回り部４０は、おむつ１の着用時において着用者の背側に位置する部分であり、図２において、長手方向の中央位置ＣＬよりも背側（後側）に位置している。

　なお、本実施形態のおむつ１では、図３のように腹側胴回り部３０と背側胴回り部４０とが一体的に構成されているが、腹側胴回り部３０と背側胴回り部４０とが別体の部材であっても良い。例えば、長手方向において腹側胴回り部３０と背側胴回り部４０との間の中央位置ＣＬ付近に、着用者の股間部に位置する股下部（不図示）が設けられ、腹側胴回り部３０と背側胴回り部４０と股下部とによって外装体２０が構成されるのであっても良い。

　図１に示されるパンツ型形状のおむつ１は以下のようにして形成される。先ず、図２の展開状態から、長手方向（上下方向）における中央位置ＣＬを折り位置として吸収性本体１０及び外装体２０が二つ折りされる。そして、この二つ折りの状態において互いに対向する腹側胴回り部３０及び背側胴回り部４０が左右方向の両端部において、溶着等の接合手段を用いて形成される一対の係止部５０，５０（胴回り係止部に相当）によって接合される。これにより、腹側胴回り部３０と背側胴回り部４０とが環状に繋がって、図１に示すような胴回り開口ＢＨ及び一対の脚回り開口ＬＨ，ＬＨが形成されたパンツ型状態のおむつ１となる。

　（吸収性本体１０）
　吸収性本体１０は、尿等の排泄物を吸収する機能を有し、図２に示されるように平面視略長方形をなし、その長手方向をおむつ１の上下方向に沿わせつつ左右方向の中央に配置されている。吸収性本体１０は、液体吸収性の吸収性コア１１と、同コア１１の外周面を被覆するコアラップシート１２と、トップシート１３と、バックフィルム１４とを有する。また、吸収性本体１０の左右方向の両側には、不図示の防漏壁が設けられていても良い。

　吸収性コア１１は、パルプ繊維等の液体吸収性繊維を所定形状に成形したものであり、その内部には高吸収性ポリマー（所謂ＳＡＰ）等が混入されている。本実施形態において、吸収性コア１１は平面視略砂時計形状であり、長手方向の中央部が左右方向の内側に凹んだ凹部１１ｃを有している。コアラップシート１２は、吸収性コア１１の外周面を被覆する液透過性のシート部材であり、ティッシュペーパーや不織布等を使用可能である。

　トップシート１３は、吸収性コア１１（コアラップシート１２）の厚さ方向の肌側面に配置され、おむつ１の着用時に着用者の肌と当接する液透過性のシート部材である。本実施形態のトップシート１３は、例えば、エアスルー不織布やスパンボンド不織布等によって形成される。

　バックフィルム１４は、吸収性コア１１（コアラップシート１２）の厚さ方向の非肌側面に配置される液不透過性且つ透湿性のシート部材であり、例えば樹脂フィルムによって形成される。バックフィルム１４が設けられることによって、吸収性本体１０によって吸収された尿等の水分が着用者の衣服側に移動（浸透）することが抑制される。

　（外装体２０）
　外装体２０は、おむつ１の外装を構成する部位であり、肌側シート２１と、腹側に設けられた非肌側シート２２と、背側に設けられた非肌側シート２３とを有する。肌側シート２１及び非肌側シート２２，２３は、厚さ方向に重ねて接合される柔軟なシート状部材であり、例えばスパンボンド不織布等によって形成される。

　また、肌側シート２１と非肌側シート２２，２３との厚さ方向の間には、左右方向に延びる胴回り弾性部材が設けられている。本実施形態では、おむつ１の腹側胴回り部３０において、複数の胴回り弾性部材が所定の伸長倍率で伸長された状態で肌側シート２１と非肌側シート２２との間に挟まれて接合されている。同様に、おむつ１の背側胴回り部４０において、複数の胴回り弾性部材が所定の伸長倍率で伸長された状態で肌側シート２１と非肌側シート２３との間に接合されている。なお、胴回り弾性部材については、後述にて詳しく説明する。

　また、外装体２０を構成する肌側シート２１及び非肌側シート２２は、腹側胴回り部３０の上端３０ｅｕにて、上下方向の上側から下側、且つ、厚さ方向の非肌側から肌側に折り返され、外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２（共に開口折り返し部に相当）を形成している。つまり、腹側胴回り部３０（胴回り部材）は、厚さ方向に積層された肌側シート２１及び非肌側シート２２（複数のシート）を備えており、肌側シート２１及び非肌側シート２２（複数のシート）は、胴回り開口ＢＨの上端３０ｅｕで下側に折り返された折り返し部（開口折り返し部）を各々有している。そして、外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２（開口折り返し部）は、非肌側から肌側に折り返されて、外装体２０（胴回り部材）の肌側に設けられている。言い換えると、外装体２０（胴回り部材）は、胴回り開口ＢＨの上端で非肌側から肌側に折り返されて、外装体２０（胴回り部材）の肌側に設けられた外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２（開口折り返し部）を有している。

　＜胴回り弾性部材について＞
　次に、左右方向に延びる胴回り弾性部材について詳しく説明する。本実施形態においては、前後方向から見たときに左右方向に延びる胴回り弾性部材の形状等が同一ではなく、直線状弾性部材（腹側直線状弾性部材３５，背側直線状弾性部材４５）と、腰部弾性部材（腹側腰部弾性部材３７，背側腰部弾性部材４７）と、湾曲弾性部材３６と、背側湾曲弾性部材４６と、を有している。なお、本実施形態においては、胴回り弾性部材に糸ゴムを用いているが、これに限るものではなく、例えば、伸縮性シート等を用いてもよい。

　直線状弾性部材３５，４５は、上下方向において、係止部５０の下端部から腰部弾性部材３７，４７の下側まで所定の間隔（配置間隔）を置いて左右方向に直線状に延びるように設けられている。直線状弾性部材３５，４５は、着用時において、外装体２０を着用者の胴部（下腹部及び臀部）にフィットさせるように伸縮する。

　腰部弾性部材３７，４７は、外装体２０の上端部において胴回り開口ＢＨに沿って延びており、上下方向に所定の間隔を置いて左右方向に直線状に延びるように設けられている。そして、腰部弾性部材３７，４７の配置間隔は、直線状弾性部材３５，４５の配置間隔よりも短く、かつ、腰部弾性部材３７，４７の伸長倍率は、直線状弾性部材３５，４５の伸長倍率よりも高い。したがって、腰部弾性部材３７，４７は、直線状弾性部材３５，４５よりもしっかりと着用者を締め付けて、おむつ１がズレ落ちないように支持する。

　なお、弾性部材の「伸長倍率」とは、弾性部材（糸ゴム）の自然長を１としたときの伸び度合いを示したものである。例えば、自然状態で長さが１０ｃｍの弾性部材を伸長状態２．５倍とした場合、かかる弾性部材の長さは２５ｃｍとなる。

　また、伸長倍率の測定方法としては、例えば、おむつ１を伸長状態とし、かかる状態の弾性部材の長さを５ｃｍとしてサンプルとする。そして、かかるサンプルを自然状態として長さを測定することにより、伸長倍率を算出することができる。例えば、自然状態で２．５ｃｍであれば、伸長倍率は２倍となる。

　湾曲弾性部材３６は、おむつ１の引き上げ性及び脚通しやすさを向上させるために設けられている。ここで、おむつ１の脚通しやすさの向上とは、例えば、着用者がおむつ１を着用する際に、足の指等がおむつ１に引っ掛かりにくくすることである。そして、かかる足の指等が引っかかりにくくなれば、例えば、おむつ１の着用者が高齢者である場合、おむつ１の着用の際に、大きく胴回り開口ＢＨを広げられず、また、脚を十分に上げられないおそれがあり、かかる場合に、着用時の破けや着用者の転倒等を抑制することができる。

　また、おむつ１の引き上げ性の向上とは、おむつ１の着用又はおむつ１がズレ落ちた際に、容易におむつ１を引き上げることができるようにすることである。例えば、おむつ１の着用者が高齢である場合、背側の胴回り部材に手が回らないことが考えられ、かかる場合に腹側胴回り部３０を引き上げると、吸収性本体１０、背側胴回り部４０等も引き上げられるようにすることである（本実施形態においては、かかる引き上げ性を向上させている。詳しくは「胴回り弾性部材の配置とその効果について」の項にて説明する）。

　伸長状態においては、湾曲弾性部材３６は、腹側胴回り部３０（胴回り部材の腹側）において、非直線状に延びて、左右方向における中央が両端３６ｅｓ，３６ｅｓよりも上側に位置している。つまり、湾曲弾性部材は、上側に凸形状をしている。なお、湾曲弾性部材３６における左右方向の中央は、吸収性本体１０の腹側上端の左右方向における一端から他端までの湾曲弾性部材３６である。すなわち、図２に示す両端１０ｅ，１０ｅの左右方向における内側に位置する湾曲弾性部材３６が左右方向における中央である（以下、中央領域ともいう）。

　湾曲弾性部材３６は、腹側胴回り部３０（胴回り部材）の左右方向の一端から他端まで連続して設けられており、左右方向における中央（中央領域）において、左右方向に延びる中央部３６１と、中央部３６１の左右方向における両端から斜め下（中央（内側）から両外側、且つ、上から下）に延びる一対の両側斜め部３６２と、一対の両側斜め部３６２の左右方向における外側の両端に、左右方向の外側に延びる一対の両端部３６３と、を有している。

　一対の両側斜め部３６２は、腹側胴回り部３０を脚通りに沿う方向に収縮するので、腹側の胴回り開口ＢＨの左右方向における中央を引き上げて湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）を引き上げた際に、連動して伸縮するので脚回り開口ＬＨまで引っ張り力が伝達しやすく、脚回り開口ＬＨを引き上げやすくする。つまり、一対の両側斜め部３６２は、中央領域と連動しておむつ１全体を引き上げやすくする。

　また、一対の両側斜め部３６２の上端においては、胴回り開口ＢＨに沿った中央部３６１が設けられており、かかる中央部３６１によって、胴回り開口ＢＨの中央上端部の左右方向におけるより広い範囲が下側に変形する。同様に、一対の両側斜め部３６２の下端においては、脚回り開口ＬＨの上端に沿った一対の両端部３６３が設けられており、かかる一対の両端部３６３によって、脚回り開口ＬＨの上端部の左右方向におけるより広い範囲が上側に変形する。

　ここで、伸長状態において、吸収性本体１０の両端１０ｅから左右方向の外側であって係止部５０までの湾曲弾性部材３６の領域を非中央領域とする。そして、両側斜め部３６２は、吸収性本体１０の両端１０ｅから非中央領域の左右方向における中心（後述する５０ＣＬにおいて中心。図２参照）まで設けられている（以下、両側斜め部設置位置ともいう）。また、両端部３６３は、非中央領域の左右方向における中心から係止部５０まで設けられている。

　また、本実施形態においては、一対の両側斜め部３６２の伸長倍率が、中央部３６１の伸長倍率よりも高い。具体的には、両側斜め部３６２の伸長倍率が２．８倍、中央部３６１の伸長倍率が２．４倍である。そうすると、中央部３６１の伸長倍率が低いので、左右方向の伸縮を抑制することができ（身体に強くフィットすることを抑制し）、且つ、一対の両側斜め部３６２の伸長倍率が高いので、腹側の胴回り開口ＢＨの左右方向における中央を引き上げた際に、脚回り開口ＬＨまで引っ張り力が伝達しやすく、脚回り開口ＬＨを引き上げやすい。つまり、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、本実施形態においては、中央部３６１が胴回り開口ＢＨに沿って左右方向に延びているが、これに限るものではなく、例えば、上側に円弧状に延びていてもよい。そして、左右方向に対する中央領域における全ての接線の傾きが両側斜め部３６２（両側斜め部設置位置におけるある点。詳しくは後述する）の傾きよりも小さいほうが好ましい。

　図４は、中央領域と両側斜め部３６２の接線Ｍｔ，Ｓｔ１，Ｓｔ２を示した図であり、上図は本実施形態（中央領域の全ての接線Ｍｔの傾きが両側斜め部３６２の傾きよりも小さい）を示しており、下図は中央領域のいずれかの傾きが両側斜め部３６２の傾きと同じ形態を示している。そして、図４の上図に示すように、左右方向に対して、湾曲弾性部材３６の左右方向の中央におけるいずれの接線Ｍｔの角度（図では接線Ｍｔが左右方向に沿っているので０度）よりも、湾曲弾性部材３６の左右方向の中央の両側（両側斜め部設置位置）における接線Ｓｔ１，Ｓｔ２の角度（図で示すθ１，θ２）の方が大きいほうが好ましい。

　なお、中央領域におけるいずれの接線Ｍｔも、湾曲弾性部材３６の外側（上側）において接する接線Ｍｔである。また、両側斜め部設置位置（両側斜め部３６２）における接線Ｓｔ１，Ｓｔ２は、両側斜め部設置位置（両側斜め部３６２）の左右方向における中心であって、湾曲弾性部材３６（両側斜め部３６２）の外側において接する接線Ｓｔ１，Ｓｔ２である。

　図４の上図の場合、両側斜め部３６２の上端が中央部３６１の左右方向の両端を下側に引っ張るように作用するので、中央部３６１の左右方向に延びる長さ分だけ胴回り開口ＢＨの中央上端部が下側に変形する（中央部３６１の左右両端が下側へ引っ張られた後、中央部３６１は元の形状（胴回り開口ＢＨに沿った形状）に戻ろうとするので、中央部３６１の中央も下側へ引っ張られる）。一方、図４の下図の場合、両側斜め部３６２の上端部分であって、中央部３６１に比べると左右方向に短い胴回り開口ＢＨの中央上端部が集中的に下側に変形する。

　つまり、図４の下図に示すように左右方向の中央における接線Ｍｔの角度と中央の両側における接線Ｓｔ１，Ｓｔ２の角度が同じとなる場合に比べて、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）がなだらかな凸形状となり、湾曲弾性部材３６が腹側腰部弾性部材３７に沿うように配置される。そして、腹側腰部弾性部材３７が湾曲弾性部材３６に引っ張られて下側に変形し、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）と腹側腰部弾性部材３７の距離が近くなり、おむつ１を引き上げる際に、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）を掴んで引き上げやすくなるので、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、湾曲弾性部材３６は、複数の弾性部材が延びる方向と交差する方向に隣り合うように間隔を置いて配置されており、両側斜め部３６２における複数の弾性部材の配置間隔（図４に示すＰ２）が、中央部３６１における複数の弾性部材の配置間隔（図４に示すＰ１）よりも短くなっている。そうすると、両側斜め部３６２の配置間隔が中央部３６１の配置間隔よりも長い場合に比べて、より狭い範囲に両側斜め部３６２の伸縮力が集中するので、腹側の胴回り開口ＢＨの左右方向における中央を引き上げた際に、脚回り開口ＬＨまで引っ張り力が狭い範囲に強い状態で伝達しやすく、脚回り開口ＬＨを引き上げやすい。つまり、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、本実施形態においては、腹側胴回り部３０は左右方向の一端から他端まで連続して設けられているが、これに限るものではなく、非連続部を一部含んでいてもよい。例えば、中央部３６１において一部非連続（糸ゴムが切断された範囲）を含んでいる場合であっても、引き上げ性及び脚通しやすさを向上させる作用効果を得ることができる。

　背側湾曲弾性部材４６は、湾曲弾性部材３６と連動しており（すなわち、湾曲弾性部材３６が伸縮すると背側湾曲弾性部材４６も伸縮する。詳しくは後述する）、おむつ１の引き上げ性やフィット感等を向上させるために設けられている。背側湾曲弾性部材４６は、背側胴回り部４０（胴回り部材の背側）において、非直線状に延びて、左右方向における中央が両端よりも下側に位置している。つまり、背側湾曲弾性部材４６は、下側に凸形状をしている。そして、背側湾曲弾性部材４６は、背側胴回り部４０の左右方向の一端から他端まで連続して設けられており、左右方向における中央において、左右方向に延びる中央部４６１と、中央部の左右方向における両端から斜め上（中央（内側）から両外側、且つ、下から上）に延びる一対の両側斜め部４６２とを有している。

　また、左右方向の中央における背側湾曲弾性部材４６の伸長倍率が、左右方向の中央における湾曲弾性部材３６の伸長倍率よりも低い。そうすると、おむつ１の着用時における脚通し後の外装体２０の引き上げの際に、背側湾曲弾性部材４６の伸長倍率が湾曲弾性部材３６の伸長倍率よりも高い場合に比べて、背側湾曲弾性部材４６が臀部の膨らみに沿って伸長する際の引っ張り力が小さくて良いので、腹側胴回り部３０を引き上げた際に、小さな引っ張り力により連動している背側胴回り部４０を引き上げることができる。つまり、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　図５は、伸長状態における湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６の形状を比較するための図である。図５に示すように、背側湾曲弾性部材４６の左右方向における中央が両端よりも上側に位置するように（上凸の形状となるように）上下方向を反転させて、前後方向に見たときに、上下方向が反転した背側湾曲弾性部材４６と湾曲弾性部材３６の形状が異なる。そうすると、湾曲弾性部材３６と上下反転した背側湾曲弾性部材４６が同じ形状の場合と比べて、湾曲弾性部材３６は下腹部に合わせて機能するように、背側湾曲弾性部材４６は臀部に合わせて機能するように、それぞれが当接する着用者の部分に合わせて形状を設けることができるので、フィット性の高いおむつ１を提供することが可能となる。

　また、図５に示す状態において（背側湾曲弾性部材４６を上下反転させた状態において）、湾曲弾性部材３６の上端である左右方向における中心の上端から、湾曲弾性部材３６の下端である左右方向における両端３６ｅｓ，３６ｅｓの下端までの上下方向における寸法３６Ｌが、背側湾曲弾性部材４６の上端である左右方向における中心の上端から、背側湾曲弾性部材４６の下端である左右方向における両端の下端までの上下方向における寸法４６Ｌよりも小さい。そうすると、例えば、着用者がおむつ１に脚を通して腰のあたりまで引き上げ、背側胴回り部４０（背側の肌側シート２１と非肌側シート２３）が臀部において引き上げられる際に、背側胴回り部４０を臀部にフィットさせつつ、寸法４６Ｌが寸法３６Ｌよりも短い場合と比べて、背側の両側斜め部４６２を上下方向に長く設けることができるので、背側胴回り部４０の引き上げ力を大きくすることができる。つまり、腹側胴回り部３０を引き上げると背側胴回り部４０も引き上げられるので、より一層引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　なお、本実施形態においては、自然状態において、湾曲弾性部材３６の上端である左右方向における中心の上端から、湾曲弾性部材３６の下端である左右方向における両端３６ｅｓ，３６ｅｓの下端までの上下方向における寸法３６Ｌが、背側湾曲弾性部材４６の上端である左右方向における中心の上端から、背側湾曲弾性部材４６の下端である左右方向における両端の下端までの上下方向における寸法４６Ｌよりも大きい。

　おむつ１の自然状態においては、湾曲弾性部材３６の両端部３６３が左右方向に収縮し、中央部３６１が左右方向に収縮することで、腹側胴回り部３０の左右方向の真ん中（吸収性本体１０と厚さ方向に見たときに重なる領域）が撓んで縦皺が発生するので、湾曲弾性部材３６は上下方向の上側に向かって伸びた状態となる（寸法３６Ｌが大きくなる）。

　一方、背側湾曲弾性部材４６の中央部４６１は、厚さ方向に見たときに、吸収性コア１１と重なっているので、背側湾曲弾性部材４６の左右方向における伸縮が抑制され、背側胴回り部４０の左右方向の真ん中の撓みと縦皺の発生が抑制され、湾曲弾性部材３６のように上下方向に伸びない

　したがって、寸法３６Ｌが寸法４６Ｌよりも長くなり、寸法３６Ｌが寸法４６Ｌよりも短い場合と比べて、湾曲弾性部材３６を上下方向に長く設けることができるので、引き上げ力を大きくすることができ、例えば、着用者がおむつ１に脚を通して腰のあたりまで引き上げる際に、より一層引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　＜胴回り弾性部材の配置とその効果について＞
　次に、胴回り弾性部材の配置とその効果について説明する。最初に、胴回り弾性部材と吸収性本体１０の厚さ方向における位置関係（配置）について説明し、次に、湾曲弾性部材３６と吸収性本体１０、湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６、湾曲弾性部材３６と外側折り返し部３０ｆ１、外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２と腰部弾性部材３７，４７、の前後方向から見たときの位置関係について順に説明し、最後に、湾曲弾性部材３６と係止部５０、の上下方向における位置関係を説明する。なお、各々の部材の位置関係は、おむつ１の伸長状態における位置関係である。

　胴回り弾性部材と吸収性本体１０の厚さ方向における位置関係として、本実施形態においては、図３に示すように、胴回り弾性部材が、吸収性本体１０よりも非肌側のみに設けられている。そうすると、胴回り弾性部材を吸収性本体１０よりも肌側と非肌側の両側に設けた場合に比べて、胴回り開口ＢＨが収縮しにくく身体に強くフィットしないので、引上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　次に、湾曲弾性部材３６と吸収性本体１０の前後方向から見たときの位置関係について説明する。本実施形態においては、湾曲弾性部材３６の少なくとも一部が、前後方向に見たときに、吸収性本体１０と重複するように設けられている（図２参照）。そうすると、おむつ１を引き上げる際に、腹側胴回り部３０の胴回り開口ＢＨの左右方向における中央を引き上げると、引っ張り力が湾曲弾性部材３６を介して吸収性本体１０に伝達するので、小さい引っ張り力でも吸収性本体１０が引き上げやすくなる。つまり、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　図６は、腹側開口部を引き上げた際の湾曲弾性部材３６及び吸収性本体１０の動きを説明するための図である。本実施形態においては、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が、前後方向に見たときに、吸収性本体１０と重複しているので、おむつ１を引き上げる際に、腹側胴回り部３０の胴回り開口ＢＨの左右方向における中央を引き上げると（図６左図）、先ずは湾曲弾性部材３６の中央３６ｍが引っ張り上げられて中央の吸収性本体１０を引き上げ（図６中央図）、次に湾曲弾性部材３６の中央３６ｍに連動して湾曲弾性部材３６の左右３６ｓ，３６ｓが元の形状（胴回り開口ＢＨに沿った形状）に戻ろうとして引き上げられて左右の吸収性本体を引き上げる（図６右図）。つまり、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、本実施形態においては、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が、前後方向に見たときに、吸収性コア１１と重複しないように設けられている（図２参照）。そうすると、湾曲弾性部材３６の中央の伸縮が吸収性コア１１に阻害されにくいので、湾曲弾性部材３６の中央と連動して左右の湾曲弾性部材が元の形状に戻りやすい（図６に示す動作がしやすい）。つまり、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、本実施形態においては、湾曲弾性部材３６の一対の両側斜め部３６２が、前後方向に見たときに、吸収性本体１０と重複しない（図２参照）。そうすると、腹側の胴回り開口ＢＨの左右方向における中央を引き上げた際に、脚回り開口ＬＨまで引っ張り力が伝達しやすく、脚回り開口ＬＨを引き上げやすい。つまり、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　次に、湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６の前後方向から見たときの位置関係について説明する。本実施形態においては、係止部５０において、湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６が重複しており、湾曲弾性部材３６が、係止部５０（胴回り係止部）において、背側湾曲弾性部材４６と連動するように設けられている。図７は、図１のＡの拡大図であり、係止部５０における湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６の配置を説明するための図である。

　図７及び図７の矢視Ｂに示すように、湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６が係止部５０において連動するように設けられている。つまり、湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６とは、おむつ１の胴回り部３０，４０をぐるりと一周するように周状に配置されている。そして、このような状態で湾曲弾性部材３６（背側湾曲弾性部材４６）を引っ張ると、かかる引っ張り力が背側湾曲弾性部材４６（湾曲弾性部材３６）に伝達し、かかる引っ張り力によって背側湾曲弾性部材４６（湾曲弾性部材３６）が伸縮する。

　つまり、腹側胴回り部３０を引き上げると、湾曲弾性部材３６により腹側胴回り部３０が引きあがるとともに、連動部において背側湾曲弾性部材４６に引き上げ力が伝達し、背側胴回り部４０も引き上げることができる。すなわち、腹側胴回り部３０を引き上げると背側胴回り部４０も引き上げることができるので、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　なお、図７及び図７の矢視Ｂにおいては、湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６が３本とも全て連動するように設けられているが、これに限るものではなく、湾曲弾性部材３６の少なくとも一部が背側湾曲弾性部材４６と連動するように設けられていれば、引っ張り力が伝達するので、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、湾曲弾性部材３６と背側湾曲弾性部材４６が連動するように設けられている位置が、係止部５０（胴回り係止部）の上下方向における中央５０ＣＬ（伸長状態における係止５０の上端と下端を結んだ真ん中）よりも下側である。そうすると、腹側胴回り部３０を引き上げた際に、湾曲弾性部材３６により腹側胴回り部３０が引きあがるとともに、係止部５０も引き上げられ、かつ、背側胴回り部４０も引き上げることができる。つまり、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、本実施形態においては、湾曲弾性部材３６が腹側胴回り部３０（胴回り部材）と異なる色に着色されている。そうすると、おむつ１を引き上げる際に、湾曲弾性部材３６は腹側胴回り部３０と異なる色に着色されて目立つので、湾曲弾性部材３６を直接的につかみやすくなる。つまり、引き上げを補助する湾曲弾性部材３６を直接的につかんで引き上げることにより、着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。なお、湾曲弾性部材３６のみ異なる色に着色するのではなく、例えば、腰部弾性部材３７，４７等を着色してもよい。また、異なる色とは、例えば、明るい場所において目視で色の違いが識別できればよく、色を限定するものではない。

　次に、湾曲弾性部材３６と外側折り返し部３０ｆ１の前後方向から見たときの位置関係について説明する。本実施形態においては、非肌側シート２２（最も非肌側のシート）の外側折り返し部３０ｆ１（開口折り返し部）が、厚さ方向（前後方向）に見たときに、湾曲弾性部材３６と重複する（図３参照）。そうすると、おむつ１を引き上げる際に、外側折り返し部３０ｆ１は指を引っ掛けやすいので、かかる部分が湾曲弾性部材３６と重複することにより、外側折り返し部３０ｆ１を引き上げた力が直接的に湾曲弾性部材３６に伝達して吸収性本体１０を引き上げることができる。つまり、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　なお、図３では、外側折り返し部３０ｆ１のみが、前後方向に見たときに、湾曲弾性部材３６と重複しているが、これに限るものではなく、例えば、内側折り返し部３０ｆ２も湾曲弾性部材３６と重複していてもよい。

　次に、外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２と腰部弾性部材３７，４７の前後方向に見たときの位置関係について説明する。本実施形態においては、腰部弾性部材３７，４７が、外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２（開口折り返し部）に設けられていない（図３参照。折り返される前の非肌側における肌側シート２１と非肌側シート２２の間に設けられている。換言すれば、吸収性本体１０よりも肌側に設けられていない）。そうすると、肌側においては外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２で収縮を抑制しつつ、非肌側の腰部弾性部材３７，４７にて非肌側の外装体２０を収縮させることで、胴回り開口ＢＨの上端部が内側に折れ曲がることを抑制することができ、胴回り開口ＢＨをより開きやすくできるので（身体に強くフィットしないので）、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　次に、湾曲弾性部材３６と係止部５０の上下方向における位置関係について説明する。本実施形態においては、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が、係止部５０（胴回り係止部）の上下方向における中央５０ＣＬ（伸長状態における係止５０の上端と下端を結んだ真ん中）よりも上側に位置している（図２参照）。そうすると、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が中央５０ＣＬよりも下側に位置している場合に比べて、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が胴回り開口ＢＨに近いので、腹側の胴回り開口ＢＨの左右方向における中央を引き上げた際に、かかる引っ張り力が湾曲弾性部材３６に伝達しやすいので、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、湾曲弾性部材３６の左右方向における両端３６ｅｓ，３６ｅｓが、係止部５０（胴回り係止部）の上下方向における中央５０ＣＬ（伸長状態における係止５０の上端と下端を結んだ真ん中）よりも下側に位置し、かつ、吸収性本体１０の左右方向における両端１０ｅ，１０ｅよりも外側に位置している（図２参照）。そうすると、湾曲弾性部材３６の左右方向における両端３６ｅｓ，３６ｅｓが中央５０ＣＬよりも上側に位置している場合に比べて、両端３６ｅｓ，３６ｅｓが脚回り開口ＬＨに近いので、湾曲弾性部材３６が引き上がると脚回り開口ＬＨも引き上がりやすい。また、両端３６ｅｓ，３６ｅｓが吸収性本体１０の両端１０ｅ，１０ｅよりも内側に位置している場合に比べて、剛性の高い吸収性本体１０により湾曲弾性部材３６の両端３６ｅｓ，３６ｅｓの伸縮が阻害されにくいので、引っ張り力が両端３６ｅｓ，３６ｅｓまで伝達しやすく脚回り開口ＬＨを引き上げやすい。つまり、両端３６ｅｓ，３６ｅｓをかかる位置に配置することにより、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　＝＝＝第２実施形態＝＝＝
　続いて、第２実施形態として、おむつ１の胴回り弾性部材の第２の特徴について説明する。図９は、おむつ１の自然状態における正面図と側面図である。そして、矢印で示す距離ＴＬが胴回り開口ＢＨから脚回り開口ＬＨまでのおむつ１の内部を脚が通過する距離であって、かかる距離ＴＬが短くなるほど脚通しが良くなる（図９における矢印の方向は、着用時には胴回り開口ＢＨが開かれて上下方向に沿うような方向となり、脚通りに沿った方向となる）。

　図９を見ると、自然状態においては、腹側胴回り部３０の左右方向における中央の上端３０ｕｍが、腹側胴回り部３０の左右方向における両端の上端３０ｕｓ，３０ｕｓよりも下側に位置している。また、係止部５０の下端５０ｂが、係止部５０の上端５０ｕよりも左右方向の内側に位置している。また、係止部５０の下端５０ｂが、係止部５０の上端５０ｕよりも前後方向の前側に位置している。そして、かかる位置関係は湾曲弾性部材３６の伸縮により発現している（詳しくは後述する）。

　つまり、換言すると、自然状態において、湾曲弾性部材３６は、腹側胴回り部３０（胴回り部材の腹側）の左右方向における中央の上端３０ｕｍが、腹側胴回り部３０（胴回り部材の腹側）の左右方向における両端の上端３０ｕｓ，３０ｕｓよりも下側に位置し、且つ、係止部５０（胴回り係止部）の下端５０ｂが、係止部５０（胴回り係止部）の上端５０ｕよりも左右方向の内側に位置し、且つ、係止部５０（胴回り係止部）の下端５０ｂが、係止部５０（胴回り係止部）の上端５０ｕよりも前後方向の前側に位置するように配置されている。

　かかる配置によると、湾曲弾性部材３６によって、腹側胴回り部３０の左右方向における中央の上端３０ｕｍが、両端の上端３０ｕｓ，３０ｕｓよりも下側に位置するので（図９に示す右上がり斜線部のように腹側胴回り部３０が下側に引っ張られるので）、着用の際の脚通しの距離ＴＬが短くなり、且つ、湾曲弾性部材３６によって、係止部５０の下端５０ｂが、係止部５０の上端５０ｕよりも左右方向における内側に位置し、且つ、前後方向における前側に位置するので、脚回り開口ＬＨが前側に開きやすくなって脚通しがしやすくなる。つまり、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、おむつ１の引き上げ性の向上とは、おむつ１の着用又はおむつ１がズレ落ちた際に、容易におむつ１を引き上げることができるようにすることである。例えば、おむつ１の着用者が高齢である場合、背側の胴回り部材に手が回らないことが考えられ、かかる場合に腹側胴回り部３０を引き上げると、吸収性本体１０、背側胴回り部４０等も引き上げられるようにすることである（第２実施形態においては、かかる引き上げ性を向上させている）。

　そして、自然状態においては、一対の両側斜め部３６２は、腹側胴回り部３０を脚通りに沿う方向（図９に示すＴＬに近い方向）収縮させる。つまり、腹側胴回り部３０の胴回り開口ＢＨの中央上端部を下側に変形させ、腹側胴回り部３０の脚回り開口ＬＨの上端部を上側に変形させるので、着用の際の脚通しの距離ＴＬが短くなる。

　ここで、伸長状態において、吸収性本体１０の両端１０ｅから左右方向の外側であって係止部５０までの湾曲弾性部材３６の領域を非中央領域とする。そして、両側斜め部３６２は、吸収性本体１０の両端１０ｅから非中央領域の左右方向における中心（後述する５０ＣＬにおいて中心。図２参照）まで設けられている。また、両端部３６３は、非中央領域の左右方向における中心から係止部５０まで設けられている。

　また、第２実施形態においては、一対の両側斜め部３６２の伸長倍率が、中央部３６１の伸長倍率よりも高い。具体的には、両側斜め部３６２の伸長倍率が２．８倍、中央部３６１の伸長倍率が２．４倍である。そうすると、中央部３６１の伸長倍率が低いので、左右方向の伸縮を抑制して胴回り開口ＢＨを広く保つことができるので脚が入れやすく、且つ、一対の両側斜め部３６２の伸長倍率が高いので、一対の両側斜め部３６２が形成する腹側胴回り部３０の皺を細かい皺とすることできるので、着用時の脚通しの際に脚（足の指等）が引っ掛かり難くなる。つまり、胴回り開口ＢＨを広く保ち脚が入れやすくて、且つ、着用時の脚通しの際に足の指等が引っ掛かり難くいので、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、第２実施形態においては、腹側胴回り部３０は左右方向の一端から他端まで連続して設けられていたが、これに限るものではなく、非連続部を一部含んでいてもよい。例えば、中央部３６１において一部非連続（糸ゴムが切断された範囲）を含んでいる場合であっても、引き上げ性及び脚通しやすさを向上させる作用効果を得ることができる。

　背側湾曲弾性部材４６は、湾曲弾性部材３６と連動するように設けられており（すなわち、湾曲弾性部材３６が伸縮すると背側湾曲弾性部材４６も伸縮する）、おむつ１の引き上げ性及び脚通しやすさを向上させるために設けられている。背側湾曲弾性部材４６は、背側胴回り部４０（胴回り部材の背側）において、非直線状に延びて、左右方向における中央が両端よりも下側に位置している。つまり、背側湾曲弾性部材４６は、下側に凸形状をしている。そうすると、着用者の臀部の形状に沿い易くなり、且つ、背側湾曲弾性部材４６が設けられていない場合に比べて、背側胴回り部４０よりも引き上げやすい腹側胴回り部３０を引き上げると湾曲弾性部材３６により背側湾曲弾性部材４６が上方向に引っ張られるので、背側胴回り部４０（脚回り開口ＬＨの周縁端部）に脚（足の踵等）が引っ掛かり難くなり（腹側胴回り部３０の引き上げで背側胴回り部４０も引き上がるので足の踵等が引っ掛かり難くなり）、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　そして、背側湾曲弾性部材４６は、背側胴回り部４０の左右方向の一端から他端まで連続して設けられており、左右方向における中央において、左右方向に延びる中央部４６１と、中央部の左右方向における両端から斜め上（中央（内側）から両外側、且つ、下から上）に延びる一対の両側斜め部４６２とを有している。

　また、第２実施形態においては、背側湾曲弾性部材４６のような下側に凸形状をした胴回り弾性部材が腹側胴回り部３０に設けられていない。つまり、腹側胴回り部３０（腹側の胴回り部材）は、左右方向における中央（中央領域）が両端よりも下側に位置し、且つ、湾曲弾性部材３６と交差する弾性部材を有していない。そうすると、下側に凸形状の弾性部材が上側に凸形状の湾曲弾性部材３６と交差していないので、湾曲弾性部材３６の伸縮が阻害されにくくなり、湾曲弾性部材３６によって発現する脚通しのしやすさの低減を抑制することができる。

　＜胴回り弾性部材の配置とその効果について＞
　次に、胴回り弾性部材の配置とその効果について説明する。最初に、胴回り弾性部材と吸収性本体１０の厚さ方向における位置関係（配置）について説明し、湾曲弾性部材３６と係止部５０の上下方向における位置関係、脚回り開口ＬＨに対する湾曲弾性部材３６の両端部３６３の位置関係、湾曲弾性部材３６と腹側腰部弾性部材３７、外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２と腰部弾性部材３７，４７、及び湾曲弾性部材３６と吸収性本体１０の前後方向に見たときの位置関係、の順に説明する。なお、各々の部材の位置関係は、おむつ１の伸長状態における位置関係である。

　胴回り弾性部材と吸収性本体１０の位置関係として、第２実施形態においては、図３に示すように、胴回り弾性部材が、吸収性本体１０よりも非肌側のみに設けられている。そうすると、胴回り弾性部材を吸収性本体１０よりも肌側と非肌側の両側に設けた場合に比べて、胴回り開口ＢＨが収縮しにくく（胴回り開口ＢＨが開きやすく）脚が入れやすいので、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　次に、湾曲弾性部材３６と係止部５０の上下方向における位置関係について説明する。第２実施形態においては、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が、係止部５０（胴回り係止部）の上下方向における中央５０ＣＬよりも上側に位置しており、湾曲弾性部材３６の左右方向における両端３６ｅｓ，３６ｅｓが、係止部５０（胴回り係止部）の上下方向における中央５０ＣＬよりも下側に位置し、且つ、吸収性本体１０の左右方向における両端１０ｅ，１０ｅよりも外側に位置している（図２参照）。

　そうすると、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が中央５０ＣＬよりも下側に位置している場合に比べて、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が胴回り開口ＢＨに近いので、腹側胴回り部３０における胴回り開口ＢＨの中央を下側に引っ張るように作用しやすくなる。つまり、胴回り開口ＢＨの腹側の中央が胴回り開口ＢＨを下側に広げるように変形するので、着用の際の脚通しの距離ＴＬが短くなる。

　また、湾曲弾性部材３６の左右方向における両端３６ｅｓ，３６ｅｓが中央５０ＣＬよりも上側に位置している場合に比べて、両端３６ｅｓ，３６ｅｓが脚回り開口ＬＨに近いので、腹側における一対の脚回り開口ＬＨを上側に引っ張るように作用しやすくなり、且つ、湾曲弾性部材３６の左右方向における両端３６ｅｓ，３６ｅｓが吸収性本体１０の両端１０ｅ，１０ｅよりも内側に位置している場合に比べて、剛性の高い吸収性本体１０により湾曲弾性部材３６の伸縮が阻害されにくいので、腹側における一対の脚回り開口ＬＨを上側に引っ張るように作用しやすくなる。つまり、脚回り開口ＬＨの腹側の上側が脚回り開口ＬＨを上側に広げるように変形するので、着用の際の脚通しの距離ＴＬが短くなる。

　すなわち、湾曲弾性部材３６と係止部５０の上下方向における位置をかかる位置関係とすることにより、胴回り開口ＢＨの腹側の中央が胴回り開口ＢＨを下側に広げるように変形し、且つ、一対の脚回り開口ＬＨの腹側の上側が脚回り開口ＬＨを上側に広げるように変形するので、着用の際の脚通しの距離ＴＬが短くなり、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　次に、脚回り開口ＬＨに対する湾曲弾性部材３６の両端部３６３の位置関係について説明する。第２実施形態においては、一対の両端部３６３が、脚回り開口ＬＨの上側の腹側胴回り部３０（胴回り部材）の少なくとも一部（両端３６ｅｓ，３６ｅｓから両側斜め部３６２の左右方向の両外側まで）に設けられている（図２参照）。そうすると、腹側の胴回り開口ＢＨを引き上げた際に、一対の両側斜め部３６２に連動して一対の両端部３６３も引き上げられるので、一対の両端部３６３が設けられた部分の腹側胴回り部３０が引き上げられ、かかる部分の下側の脚回り開口ＬＨも引き上げられる。つまり、一対の両端部が３６３設けられていない場合に比べて、脚回り開口ＬＨが上方向に引き上げられ、着用時の脚通しの距離が短くなり、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、一対の両端部３６３が、脚回り開口ＬＨの上端に沿って延びている（図２参照）。そうすると、一対の両端部３６３が脚回り開口ＬＨの上端に沿って延びていない場合に比べて、一対の両端部が脚回り開口の形状を保ったまま脚回り開口が上方向に引き上げられて着用時の脚通しの距離が短くなるので、より一層脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　次に、湾曲弾性部材３６と腹側腰部弾性部材３７の前後方向に見たときの位置関係について説明する。第２実施形態においては、前後方向に見たときに、腹側腰部弾性部材３７（腰部弾性部材）と湾曲弾性部材３６が重複しない（図２参照）。そうすると、腹側腰部弾性部材３７と湾曲弾性部材３６が重複している場合に比べて、腹側腰部弾性部材３７が下側に引っ張られにくいので、腹側腰部弾性部材３７がしっかりと着用者にフィットし、ズレにくくて漏れにくいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、腹側腰部弾性部材３７と湾曲弾性部材３６に上下方向に挟まれた腹側胴回り部３０の領域（図２に示すＹの範囲であり右下がり斜線部の範囲）において、前後方向から指が入りやすくなる（上下の弾性部材よりも腹側胴回り部３０の方が柔らかいので）。そして、かかる領域Ｙに指を入れることにより、腹側腰部弾性部材３７を掴みやすく（引っ掛けやすく）なるので、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　次に、外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２と腰部弾性部材３７，４７の前後方向に見たときの位置関係について説明する。第２実施形態においては、腰部弾性部材３７，４７が、外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２（開口折り返し部）に設けられていない（図３参照。折り返される前の非肌側における肌側シート２１と非肌側シート２２の間に設けられている。換言すれば、吸収性本体１０よりも肌側に設けられていない）。そうすると、肌側においては外側折り返し部３０ｆ１及び内側折り返し部３０ｆ２で収縮を抑制しつつ、非肌側の腰部弾性部材３７，４７にて非肌側の外装体２０を収縮させることで、胴回り開口ＢＨの上端部が内側に折れ曲がることを抑制することができ、胴回り開口ＢＨをより開きやすくできるので脚が入れやすい。つまり、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　次に、湾曲弾性部材３６と吸収性本体１０の前後方向に見たときの位置関係について説明する。第２実施形態においては、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が、前後方向に見たときに、吸収性本体１０と重複するように設けられている（図２参照）。そうすると、おむつ１を引き上げる際に、腹側胴回り部３０の胴回り開口の左右方向における中央を引き上げると、図６に示すようにおむつ１が引き上げられるので、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　おむつ１を引き上げる際に、腹側胴回り部３０の胴回り開口の左右方向における中央を引き上げると（図６左図）、先ずは湾曲弾性部材３６の中央３６ｍが引っ張り上げられて中央の吸収性本体１０を引き上げ（図６中央図）、次に湾曲弾性部材３６の中央３６ｍに連動して湾曲弾性部材３６の左右３６ｓ，３６ｓが元の形状（胴回り開口ＢＨに沿った形状）戻ろうとして引き上げられて左右の吸収性本体を引き上げる（図６右図）。つまり、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、第２実施形態においては、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が、前後方向に見たときに、吸収性コア１１と重複しないように設けられている（図２参照）。そうすると、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央の伸縮（例えば、図６に示す元の形状に戻る動作における伸縮）が吸収性コア１１に阻害されにくいので、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、第２実施形態においては、湾曲弾性部材３６の一対の両側斜め部３６２が、前後方向に見たときに、吸収性本体１０と重複しない（図２参照）。そうすると、両側斜め部３６２が形成する腹側胴回り部３０の皺を細かい皺とすることでき、着用時の脚通しの際に脚（足の指等）が引っ掛かり難くなる。つまり、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　＜非接合部について＞
　次に、肌側シート２１と吸収性本体１０（バックフィルム１４）が接合されていない非接合部について説明する。第２実施形態においては、前後方向に見たときに、腹側の胴回り弾性部材と吸収性本体１０が重複する領域において、腹側胴回り部３０（腹側の胴回り部材）と吸収性本体１０（バックフィルム１４）が接合されていない非接合部（図２に示すＸの範囲であり右上がり斜線部の範囲）を有する。

　おむつ１が非接合部を有することにより、脚周り開口ＬＨの上側の腹側胴回り部３０を引き上げた際の腹側胴回り部３０の引き上がり方が異なってくる。図１０は、非接合部の有無による脚周り開口ＬＨの上側の腹側胴回り部３０の引き上がり方を説明するための図であり、図１０の上図は非接合部が無い場合（Ｘの領域が接合されている）であり、図１０の下図は非接合部が有る場合（Ｘの領域が接合されていない）である。

　図１０の上図に示すように、Ｘの領域の吸収性本体１０と肌側シート２１が接合されていると、脚周り開口ＬＨの上側の腹側胴回り部３０を引き上げた際に、剛性の高い吸収性本体１０によって腹側胴回り部３０の引き上げ長さが短くなる（Ｘ１までしか引き上げられないので、腹側胴回り部３０が図１０の上図に示す右下がり斜線のように反り返る。）。

　これに対して、図１０の下図に示すように、Ｘの領域の吸収性本体１０と肌側シート２１が接合されていない非接合部が設けられていると、かかる部分では腹側胴回り部３０のみが引き上げられることとなるので、非接合部を設けない場合に比べて、腹側胴回り部３０の引き上げ長さを長くすることができ、着用の際の脚通しの距離ＴＬを短くすることができる（Ｘ２まで引き上げることができるので、腹側胴回り部３０が図１０の下図に示す右下がり斜線のように反り返る。）。つまり、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　また、おむつ１が非接合部を有することにより、腹側の胴回り弾性部材の伸縮が吸収性本体１０に作用し難いので、吸収性本体１０が変形しにくく、変形によって吸収性が低下することを抑制することができる。

　なお、第２実施形態においては、非接合部が吸収性本体１０の左右方向に貫通するように設けられているが、これに限るものではなく、吸収性本体１０の左右方向における両端部のみに設けられていてもよい。かかる場合においても、腹側胴回り部３０の引き上げ長さを長くすることができるので、引き上げやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　＝＝＝その他の実施形態＝＝＝
　上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。

　また、上記実施の形態においては、胴回り弾性部材が、吸収性本体１０よりも非肌側のみに設けられていたが、これに限るものではなく、吸収性本体１０よりも肌側のみに設けられていてもよい。かかる場合においても、上記実施の形態と同様の効果（引き上げやすい効果）を得ることができる。すなわち、胴回り弾性部材が、吸収性本体１０よりも非肌側又は肌側のどちらか一方のみに設けられていればよい。

　また、上記実施の形態においては、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）が、前後方向に見たときに、吸収性本体１０と重複していたが、これに限るものではなく、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）の一部が、前後方向に見たときに、吸収性本体１０と重複しなくてもよい。

　図８は、中央領域の一部が吸収性本体１０と重複しない一例であって、かかる場合に腹側開口部を引き上げた際の湾曲弾性部材３６及び吸収性本体１０の動きを説明するための図である。図８の左図に示すように、腹側胴回り部３０の胴回り開口ＢＨの左右方向における中央を引き上げると、吸収性本体１０と重複していない湾曲弾性部材３６の中央が伸長してから重複する湾曲弾性部材３６の吸収性本体１０に（図８に示すＰに）引っ張り力が伝達されるので（図８の中央図）、小さい引っ張り力でも吸収性本体１０が引き上げやすくなる。つまり、引き上げやすく着用しやすいおむつを提供することが可能となる。　

　また、湾曲弾性部材３６の左右方向における中央（中央領域）の一部が、吸収性本体１０と重複しないことにより、湾曲弾性部材３６の中央の伸縮（例えば、図５に示す元の形状に戻る動作における伸縮）が吸収性本体１０に阻害されにくいので、脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

　さらに、湾曲弾性部材３６が、前後方向に見たときに、吸収性本体１０と重複しなくてもよい（重複する部分が無くても良い）。そうすると、湾曲弾性部材３６が吸収性本体１０と重複する部分が無いので、より一層胴回り開口ＢＨの腹側の中央が胴回り開口ＢＨを下側に広げるように変形しやすくなり、且つ、より一層脚回り開口ＬＨの上側が脚回り開口ＬＨを上側に広げるように変形しやすくなって、より一層着用の際の脚通しの距離が短くなり、より一層脚通しがしやすく着用しやすいおむつ１を提供することが可能となる。

１　おむつ（パンツ型吸収性物品）、
１０　吸収性本体、１１　吸収性コア、１２　コアラップシート、
１３　トップシート、１４　バックフィルム、
２０　外装体（胴回り部材）、２１　肌側シート、２２　非肌側シート（腹側）、
２３　非肌側シート（背側）、
３０　腹側胴回り部、３０ｅｕ　上端、３０ｕｓ　両端の上端、３０ｕｍ　中央の上端、
３０ｆ１　外側折り返し部（開口折り返し部）、
３０ｆ２　内側折り返し部（開口折り返し部）、
３５　腹側直線状弾性部材（胴回り弾性部材）、
３６　湾曲弾性部材（胴回り弾性部材）、３６ｅｓ　両端、３６Ｌ　寸法、
３６ｕｅ　上端、３６１　中央部、３６２　両側斜め部、３６３　両端部、
３７　腹側腰部弾性部材（胴回り弾性部材）、
４０　背側胴回り部、４５　背側直線状弾性部材（胴回り弾性部材）、
４６　背側湾曲弾性部材（胴回り弾性部材）、４６ｅｓ　端部、
４６Ｌ　寸法、４６１　中央部、４６２　両側斜め部、
４７　背側腰部弾性部材（胴回り弾性部材）、
５０　係止部（胴回り係止部）、５０ＣＬ　係止部の中央、５０ｕ　係止部の上端、５０ｂ　係止部の下端、
Ｍｔ　中央部接線、Ｓｔ１　両側斜め部接線、Ｓｔ２　両側斜め部接線
ＢＨ　胴回り開口、ＬＨ　脚回り開口、ＴＬ　脚通しの距離、

Claims

　互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、
　液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向に伸縮する胴回り部材と、を有するパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記胴回り部材は、前記左右方向に延びる胴回り弾性部材を有しており、
　前記胴回り弾性部材は、腹側において前記左右方向に非直線状に延びる湾曲弾性部材を有しており、
　前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央が両端よりも上側に位置するように設けられており、
　前記湾曲弾性部材の少なくとも一部が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り弾性部材が、前記吸収性本体よりも非肌側又は肌側のどちらか一方のみに設けられていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１又は請求項２に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り部材は、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部により腹側と背側が係止されており、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも上側に位置していることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１～請求項３のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り部材は、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部により腹側と背側が係止されており、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向における両端が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも下側に位置し、かつ、前記吸収性本体の前記左右方向における両端よりも外側に位置していることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１～請求項４のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項５に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記前後方向に見たときに、吸収性コアと重複しないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項５又は請求項６に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央において、前記左右方向に延びる中央部と、前記中央部の前記左右方向における両端から斜め下に延びる一対の両側斜め部と、を有しており、
　伸長状態において、
　前記一対の両側斜め部が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複しないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１～請求項４のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央の一部が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複しないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１～請求項８のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り部材は、厚さ方向に積層された複数のシートを備えており、
　前記複数のシートは、胴回り開口の上端で下側に折り返された開口折り返し部を各々有しており、
　少なくとも最も非肌側の前記シートの前記開口折り返し部が、前記前後方向に見たときに、前記湾曲弾性部材と重複することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項９に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り弾性部材は、前記胴回り部材の上端部において胴回り開口に沿って延びる腰部弾性部材を有しており、
　前記開口折り返し部は、非肌側から肌側に折り返されて、前記胴回り部材の肌側に設けられており、
　前記腰部弾性部材が、前記開口折り返し部に設けられていないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１～請求項１０のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央において、前記左右方向に延びる中央部と、前記中央部の前記左右方向における両端から斜め下に延びる一対の両側斜め部と、を有しており、
　前記一対の両側斜め部の伸長倍率が、前記中央部の伸長倍率よりも、高いことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１～請求項１１のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記湾曲弾性部材は、複数の弾性部材が延びる方向と交差する方向に隣り合うように間隔を置いて配置されており、
　前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央において、前記左右方向に延びる中央部と、前記中央部の前記左右方向における両端から斜め下に延びる一対の両側斜め部と、を有しており、
　前記両側斜め部の前記間隔が、前記中央部の前記間隔よりも短いことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１～請求項１２のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り部材は、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部により腹側と背側が係止されており、
　前記胴回り弾性部材は、背側において前記左右方向に非直線状に延びる背側湾曲弾性部材を有しており、
　前記背側湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央が両端よりも下側に位置するように設けられており、
　前記湾曲弾性部材と前記背側湾曲弾性部材は、それぞれが前記左右方向の一端から他端まで連続して設けられており、　
　前記湾曲弾性部材の少なくとも一部が、前記胴回り係止部において、前記背側湾曲弾性部材と連動するように設けられていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１３に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記湾曲弾性部材と前記背側湾曲弾性部材が連動するように設けられている位置が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも下側であることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１３又請求項１４記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記左右方向の中央における前記背側湾曲弾性部材の伸長倍率が、前記左右方向の中央における前記湾曲弾性部材の伸長倍率よりも、低いことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１３～請求項１５のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記背側湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が両端よりも上側に位置するように前記上下方向を反転させて、前記前後方向に見たときに、
　前記上下方向が反転した前記背側湾曲弾性部材と前記湾曲弾性部材の形状が異なることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１６に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　自然状態において、
　前記湾曲弾性部材の上端である前記左右方向における中心の上端から、前記湾曲弾性部材の下端である前記左右方向における両端の下端までの上下方向における寸法が、
　前記背側湾曲弾性部材の上端である前記左右方向における中心の上端から、前記背側湾曲弾性部材の下端である前記左右方向における両端の下端までの上下方向における寸法よりも、大きいことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１６又は請求項１７に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記湾曲弾性部材の上端である前記左右方向における中心の上端から、前記湾曲弾性部材の下端である前記左右方向における両端の下端までの上下方向における寸法が、
　前記背側湾曲弾性部材の上端である前記左右方向における中心の上端から、前記背側湾曲弾性部材の下端である前記左右方向における両端の下端までの上下方向における寸法よりも、小さいことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１～請求項１８のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記左右方向に対して、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向の中央におけるいずれの接線の角度よりも、前記湾曲弾性部材の前記左右方向の中央の両側における接線の角度の方が、大きいこと特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項１～請求項１９のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り弾性部材のうちの少なくとも前記湾曲弾性部材が、前記胴回り部材と異なる色に着色されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、
　液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向に伸縮する胴回り部材と、を有し、
　前記胴回り部材の腹側と背側とが、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部によって係止されているパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記胴回り部材は、前記左右方向に延びる胴回り弾性部材を有しており、
　前記胴回り弾性部材は、腹側において前記左右方向に非直線状に延びる湾曲弾性部材を有しており、
　前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央が両端よりも上側に位置するように設けられており、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも上側に位置しており、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向における両端が、前記胴回り係止部の前記上下方向における中央よりも下側に位置し、且つ、前記吸収性本体の前記左右方向における両端よりも外側に位置していることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向を有し、
　液吸収性の吸収性本体と、前記左右方向に伸縮する胴回り部材と、を有し
　前記胴回り部材の腹側と背側とが、前記左右方向の両端部において、一対の胴回り係止部によって係止されているパンツ型吸収性物品であって、
　自然状態において、
　前記胴回り部材は、前記左右方向に延びる胴回り弾性部材を有しており、
　前記胴回り弾性部材は、腹側において、前記左右方向における中央が両端よりも上側に位置して設けられた湾曲弾性部材を有しており、
　前記湾曲弾性部材は、
　前記胴回り部材の腹側の前記左右方向における中央の上端が、前記胴回り部材の腹側の前記左右方向における両端の上端よりも下側に位置し、且つ、前記胴回り係止部の下端が、前記胴回り係止部の上端よりも前記左右方向の内側に位置し、且つ、前記胴回り係止部の下端が、前記胴回り係止部の上端よりも前記前後方向の前側に位置するように配置されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２１又は請求項２２に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り弾性部材が、前記吸収性本体よりも非肌側又は肌側のどちらか一方のみに設けられていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２１～請求項２３のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　腹側の前記胴回り部材は、前記左右方向における中央が両端よりも下側に位置し、且つ、前記湾曲弾性部材と交差する弾性部材を有していないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２１～請求項２４のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２５に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央が、前記前後方向に見たときに、吸収性コアと重複しないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２５又は請求項２６に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央において、前記左右方向に延びる中央部と、前記中央部の前記左右方向における両端から斜め下に延びる一対の両側斜め部と、を有しており、
　伸長状態において、
　前記一対の両側斜め部が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複しないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２１～請求項２４のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記湾曲弾性部材の前記左右方向における中央の一部が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複しないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２１～請求項２４のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記湾曲弾性部材が、前記前後方向に見たときに、前記吸収性本体と重複しないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２１～請求項２９のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央において、前記左右方向に延びる中央部と、前記中央部の前記左右方向における両端から斜め下に延びる一対の両側斜め部と、を有しており、
　伸長状態において、
　前記一対の両側斜め部の伸長倍率が、前記中央部の伸長倍率よりも、高いことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項３０に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記湾曲弾性部材は、前記一対の両側斜め部の前記左右方向における外側の両端に、前記左右方向の外側に延びる一対の両端部を有しており、
　伸長状態において、
　前記一対の両端部が、脚回り開口の上側の前記胴回り部材の少なくとも一部に設けられていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項３１に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記一対の両端部が、脚回り開口の上端に沿って延びていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２１～請求項３２のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　伸長状態において、
　前記前後方向に見たときに、腹側の前記胴回り弾性部材と前記吸収性本体が重複する領域において、
　腹側の前記胴回り部材と前記吸収性本体が接合されていない非接合部を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２１～請求項３３のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り弾性部材は、前記胴回り部材の上端部において胴回り開口に沿って延びる腰部弾性部材を有しており、
　伸長状態において、
　前記前後方向に見たときに、前記腰部弾性部材と前記湾曲弾性部材が重複しないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２１～請求項３４のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り弾性部材は、背側において前記左右方向に非直線状に延びる背側湾曲弾性部材を有しており、
　伸長状態において、
　前記背側湾曲弾性部材は、前記左右方向における中央が両端よりも下側に位置するように設けられていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
　請求項２１～請求項３５のいずれか１項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
　前記胴回り部材は、胴回り開口の上端で非肌側から肌側に折り返されて、前記胴回り部材の肌側に設けられた開口折り返し部を有しており、
　前記胴回り弾性部材は、前記胴回り部材の上端部において胴回り開口に沿って延びる腰部弾性部材を有しており、
　前記腰部弾性部材が、前記開口折り返し部に設けられていないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。