JP2015172317A - 柱梁構造、複合梁及び梁端部材 - Google Patents

柱梁構造、複合梁及び梁端部材 Download PDF

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Abstract

【課題】応力が均等化されるように構成した複合梁を含む柱梁構造を提案する。【解決手段】2つの柱部材A1、A2と両柱部材との間に架設される複合梁Bとからなる柱梁構造であって、上記複合梁Bは、複合梁の梁端部材である一対の第1梁部B1と、複合梁の長手方向の中央部を形成する第2梁部B2とで構成される。第1梁部B1の基端側は各柱部材に対して剛接合されており、第1梁部B1の先端側と第2梁部B2の端部とはピン接合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、柱梁構造、複合梁及び梁端部材、特に複合梁を含む柱梁構造、或いはダブルコラム及び複合梁を含む柱梁構造に関する。
近年、オフィスビルなどの分野において、床面積が広い構造物をローコストで提供するため、梁を長大化するとともに外郭を薄くすることが望まれている。なお、「外郭を薄くする」とは、建築物の外部と内部とを区画する外壁・柱等の構造体と窓等の開口部とを含めて薄くすることをいうものとし、特に内外方向の柱の厚さを小とすることをいう。
ロングスパンの梁として、柱に連続する長手方向の両側部を鉄筋コンクリート梁部とするとともに、長手方向の中間部を鉄骨梁部とした複合梁が提案されている(特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1は、鉄筋コンクリート梁部のうち鉄骨梁部寄りの端部を補強することで、この補強部と連続する鉄骨梁部の両側部分を塑性ヒンジ領域とした複合梁を開示している。これにより、塑性変形に強くするとともに、必要保有水平耐力を低く抑えている。
特許文献2は、鉄筋コンクリート梁部及び鉄骨梁部の各長さの比率を調整することで梁の剛性の調整が可能であることを開示するとともに、柱から鉄筋コンクリート梁部を挿通して緊張されたPC鋼材の中央寄りの端部を、鉄骨梁部の端部に定着させた複合梁を提案している。これにより、設計上の融通性を持たせることができる。
また建物の所定の離間間隔を以てラーメン架構の梁を並列配置することで低い階高とするために、建物の外面に沿って平行で相互に隣接したダブルコラム(並列柱)を設ける技術が知られている(特許文献3)。
特開2013−170386 特開2005−030151 特開2004−225347
特許文献1のもの及び特許文献2のものは、鉄筋コンクリート梁部及び鉄骨梁部の接合部の構成として塑性ヒンジ又は剛的接合部を採用している。このため、鉄筋コンクリート梁部及び鉄骨梁部に作用する応力が均等になるように構成することが困難である。応力を均等にしなければ、ロングスパン梁の合理的な構成を実現できない。またロングスパン梁の柱端部と梁中央部との応力が不均等となり、柱端部に応力が過大に集中すると、柱を薄くすることができない。
また特許文献3は、ダブルコラムを開示しているが、柱と梁との関係では、ダブルコラムのそれぞれを相互に隣接した2本平行な梁(並行梁)の各端部に連結しているに過ぎない。しかしながら、並行梁の構造をロングスパン梁に適用することはコスト面で得策ではなく、梁端部の固定度を確保しつつ梁とダブルコラムとの合理的な接合構造を提供することが求められている。
本発明の第1の目的は、応力が均等化されるように構成した複合梁、或いは当該複合梁を含む柱梁構造を提案することである。ここで「応力」とは曲げモーメントをいう。
本発明の第2の目的は、梁端部の固定度を確保しつつ梁とダブルコラムとの合理的な接合構造を有する柱梁構造を提案することである。
本発明の第3の目的は、コンクリートの使用量を節約できる梁端部材を提案することである。
第1の手段は、2つの柱部材と、両柱部材の間に架設される複合梁とからなる柱梁構造であって、
上記複合梁は、複合梁の梁端部材である一対の第1梁部と、複合梁の長手方向の中央部を形成する第2梁部とで構成され、
第1梁部の基端側は各柱部材に対して剛接合されており、
第1梁部の先端側と第2梁部の端部とはピン接合されていることを特徴とする。
本手段では、図1に示す複合梁Bを、梁端部材である一対の第1梁部Bと、複合梁の長手方向を形成する第2梁部Bで構成し、第1梁部Bの基端側は、柱部材A、Aに剛接合され、第1梁部Bの先端側と第2梁部Bの端部はピン接合されている。ピン接合の位置を変えることにより第1梁部の基端側と第2梁部の中央部の応力バランスを任意に調整することが可能となる。これによりピン接合の位置を適切に設定することで各梁部に作用する応力が均等化される。なお、第1梁部は、梁の長手方向に延びる鉄骨及びこの鉄骨と並行する一対の主鉄筋を含むSRC造とすることができる。これにより第1梁部をSRC造梁としたから梁端の固定度が確保される。
本明細書においては、特に断らない限り、「基」という語句は複合梁の長手方向のうち柱に近い方を指し、また「先」とは柱から遠ざかる方を指すものとする。また、「梁端部材」とは複合梁の一部であって一方の梁端を含む部材という程度の意味である。
本手段の好適な形態として、上記第1梁部に対する応力と第2梁部に対する応力とが均等化されるように第1梁部の長さと第2梁部の長さとの割合を設計することができる。
この構成では、図13(B)に示すように、第1梁部Bに対する応力と第2梁部Bに対する応力とが均等化される構造を提案している。これに対して、図13(A)は、第1梁部Bの長さが相対的に大き過ぎ、端部応力が過剰となった事例である。図13(C)は、第2梁部Bの長さが相対的に小さ過ぎ、中央部応力が過剰となった事例である。本発明では、ピン接合の位置で応力が零になるので、各梁部の長さの設定により、各梁部への応力が均等化された合理的な梁の設計ができる。なお、図13(B)から判るように、各梁部の応力の均等化とは、各梁部に作用する応力の最大値(絶対値)の均等化であり、梁の長さ方向の全ての部分の応力が均等化されるわけではない。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
2つの柱部材のうち少なくとも一方は、複合梁の長手方向と直交する方向に並設された一対の柱部からなるダブルコラムであり、
上記第1梁部は、上記第2梁部とピン接合された主鉄骨部を有しており、
かつ、上方から見て主鉄骨部の両側から上記各柱部へ至る少なくとも一対の応力伝達鋼材を設けており、これら応力伝達鋼材の端部を各柱部に連係させた。
本手段では、図2に示すように、2つの柱部材A、Aのうちの少なくとも一方をダブルコラムとしている。そして第1梁部Bの主鉄骨部30から、応力伝達鋼材Tを介して、ダブルコラムの各柱部10へ力が伝わるようにしている。応力伝達鋼材Tの態様としては、図9に示す第1梁用主鉄筋でもよく、また図11に示す補助鉄骨部33でもよい。複合梁Bを連係させたから、ダブルコラムの構成であっても、梁端の固定度が確保される。
第3の手段は、柱間に架設するための複合梁であって、
複合梁の梁端部材である一対の鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造の第1梁部と、
複合梁の長手方向の中央部を形成する鉄骨造の第2梁部とで構成され、
第1梁部の先端側と第2梁部の端部とはピン接合されていることを特徴とする。
本手段では、第1梁部BをSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造又はRC(鉄筋コンクリート)造とし、かつ第2梁部BをS(鉄骨)造としている。
第4の手段は、1対の柱部からなるダブルコラムに接続するための複合梁の梁端部材であって、
一対の柱部を並設した方向と直交する方向に延びる主鉄骨部と、
上方から見てこの主鉄骨部の両側に主鉄骨部に並行して配置した一対の主鉄筋と、
これら主鉄骨部及び鉄筋を囲むコンクリート部とからなり、
上記一対の主鉄筋の基端部を、上記柱部との接合可能な接合部とするとともに、主鉄筋の先端部が主鉄骨部へ近接するように形成しており、
コンクリート部の先端側を、先細りのテーパ状部とした。
本手段では、第1梁部に対応する梁端部材であり(図9参照)、一対の柱部10を並設した方向と直交する方向に延びる主鉄骨部30と、少なくとも一対の主鉄筋(第1梁用主鉄筋34A)とを有し、この主鉄筋の基端側を柱部10と接合可能な接合部(図示例では固定具38)としている。もっとも接合部は、柱部との接合可能な構造であればよい。
第1の手段に係る発明によれば、第1梁部と第2梁部との対向端部をピン接合することで、当該接合位置に曲げモーメントが0となる点(反曲点)を生じさせることができ、第1梁部と第2梁部との設計が容易である。
第2の手段に係る発明によれば、第1梁部の主鉄骨部と並行する主鉄筋の基端を柱部に応力伝達鋼材として連係させたから、複合梁の荷重を主鉄筋に確実に伝達できる。
第3の手段に係る発明によれば、第1梁部をSRC造とし、第2梁部を鉄骨造としたから、中央部までSRC造又はRC造とした場合と比較して軽量となり、ロングスパン梁として適している。
第4の手段に係る発明によれば、主鉄筋の先端部が主鉄骨部へ近接するから、第2梁部に生じた力が主鉄骨部を介して、主鉄筋にスムーズに伝達できると共に、梁端部材の梁端部材の先端側を先細りのテーパ状としたから、コンクリートの使用量を節約できる。
本発明の第1実施形態に係る柱梁構造の側面図である。 図1の柱梁構造の平面図である。 図1の柱梁構造の斜視図である。 図1の柱梁構造の要部(ピン接合箇所)の側面図である。 図4の要部のV−V方向の横断面図である。 図1の柱梁構造の変形例の要部拡大図であり、同図(A)は、第2梁部の成が第1梁部の成よりも大きい構成を、同図(B)は、第2梁部の成が第1梁部の成よりも小さい構成をそれぞれ示している。 図1の柱梁構造の複合梁の変形状態の説明図であり、同図(A)は複合梁の変形を垂直方向に誇張して描いた図、同図(B)は複合梁の応力分布図である。 本発明の柱梁構造の柱部材の実施例の正面図である。 本発明の梁端部材の平面図である。 図9の梁端部材の側面図である。 本発明の他の実施形態の要部の平面図である。 図11の要部の側面図である。 本発明における各梁部の長さと応力の分布を表す概念図であり、同図(B)は、各梁部に作用する応力が均等となるように第1梁部及び第2梁部の長さを設定した場合を、同図(A)は、同図(B)に比べて第1梁部の長さが長い場合を、同図(C)は、同図(B)に比べて第1梁部の長さが短い場合をそれぞれ表現している。
図1から図7は、本発明の第1の実施形態に係る柱梁構造を示している。
この柱梁構造は、第1柱部材Aと第2柱部材Aとの間に複合梁Bを架設してなる。
本実施形態では、第1柱部材Aを、図2に示す如く、複合梁Bの長手方向に直交する方向に並列した2本の柱部10からなるダブルコラムとしている。もっともこの構造は適宜変更することができる。
複合梁Bは、複合梁の梁端部材である一対の第1梁部Bと、複合梁の長手方向の中央部を形成する第2梁部Bとで構成されている。
上記複合梁Bの中央部である第2梁部Bは、第1梁部Bに比べて複合梁の長手方向に長く形成している。本実施形態では、第1梁部Bは、第2梁部Bに比べて剛性の大きく、第2梁部Bは、第1梁部Bに比べて変形し易い構成を有している。好適な一例として、第1梁部BをSRC造とし、第2梁部Bを鉄骨造とすることができる。第1梁部BをRC造又は後述するS造としても構わない。図示例では第1梁部B及び第2梁部Bが有する鉄骨をH型鋼としている。もっともその構造は適宜変更することができる。
ここで第1梁部BのみをSRC造又はRC造とすることでロングスパン梁端部の剛性が増大し、梁の振動性能が向上する。なお、ロングスパン梁を合理的に実現するためには軽量な鉄骨造が最も適しているが、振動性能が求められる場合にはSRC造、RC造がより好ましい。
上記第1梁部Bの基端部eは第1柱部材A及び第2柱部材Aに剛接合されている。「剛接合」とは、せん断力及び曲げモーメントを伝達する接合の形態をいう。
第1梁部Bの先端部eは、第2梁部Bの各端部にピン接合されている。「ピン接合」とはせん断力を伝達するが曲げモーメントを伝達しない接合の形態をいう。回転軸となる一点で接合している場合に限らず、梁成に対して比較的に狭い範囲内に複数の接合点を設け、実質的に曲げモーメントを伝達しないと認められる場合を含む。
図示例では、図4に示すように、第1梁部B及び第2梁部Bの各鉄骨のウェブ同士を、梁成に比べて巾狭の一対の連結プレート50を介在して連結してなる中間継手Jを設けている。中間継手Jは、第1梁部B及び第2梁部Bの梁成の中間部を連結して、連結箇所から離れた両梁部のフランジ部を含め上側及び下側は連結されていないため、地震力が作用すると当該連結箇所の鉄骨部分がある程度変形することが許容されて、実質的に曲げモーメントを伝達しない構成としている。なお、上記中間継手の構造は適宜変更することができる。
上記第1梁部Bの構造は、連結する柱部材がダブルコラムであるか、シングルコラムであるのかに応じて適宜変更することができる。説明の都合上、ダブルコラムに連結する第1梁部の構造の詳細は、後述の第1梁部の実施形態の欄で解説する。
上記のように構成することにより、第1梁部Bでは上面側に引っ張り力が、また下面側に圧縮力が作用し、逆に第2梁部Bでは上面側に圧縮力が、また下面側に引っ張り力が作用する。そしてピン接合の箇所に反曲点が出現し、図7(B)に示す如く曲げモーメントが零となる。この際に、複合梁Bは、側方から見ると、図7(A)に示す如く垂直荷重によりピン接合の箇所を反曲点として変形する。すなわち、第2梁部Bは下へ凸の弓状となり、第1梁部Bは上へ凸の半弓状となる。一つの梁部材の長手方向の途中に反曲点が出現する場合には曲げモーメントが+から−へ変化するのに対して、本願の場合には、第1梁部Bの応力の最大値と第2梁部Bの応力の最大値とが均等化される。
図6は、本発明に係る複合梁の変形例を示している。同図(A)は、第1梁部Bが有する主鉄骨部30の成に比べて第2梁部Bの鉄骨の成を大とした例であり、同図(B)は、主鉄骨部30の成に比べて第2梁部Bの鉄骨の成を小とした例である。
図8は、本発明の柱梁構造の第1柱部材Aの実施例の正面図である。第1柱部材Aは、一対の柱部10からなるダブルコラムである。図示例では、各柱部10を階高毎に分割するとともに、分割した柱部分10aの上端部同士を幅広の上側外梁部12で、柱部分10aの下端部同士を幅狭の下側外腰壁部14で連結してなる柱PCaユニット16を設けている。そして複数の柱PCaユニット16を、グラウト18を介して順次積み重ねてダブルコラムを形成する。図示例では、これら積み重ねた柱PCaユニット16の柱部分10aの縦主鉄筋20を、機械継手Kで連結している。上側外梁部12及び下側外腰壁部14は、柱部分10aよりも薄く、建築物の内側から見て、柱部分よりも凹んでいる。そして水平方向に隣り合う柱PCaユニット16の上端部同士を、梁PCaユニット22を介して連結して建築物の外郭を構成している。図示例では、柱PCaユニット16の上端部を貫通する第1横主鉄筋24を、梁PCaユニット22を貫通する第2横主鉄筋26に機械継手Kで連結している。ここで「PCaユニット」とはプレキャストコンクリート造による成形品をいう。また、PCaユニットに代えて、RC造又はSRC造としても好適に実施できる。
図9及び図10は、ダブルコラムに連結した第1梁部B(梁端部材)の実施形態を示している。ダブルコラムの構造に関しては、図8の説明を援用する。なお、図9中の22aは、コンクリートを後打ちした箇所(後打ち部)である。第2横主鉄筋26同士を機械継手Kで接続する箇所の周辺を後打ちして図のように形成している。本実施形態の第1梁部Bは、複合梁Bの長手方向に延びる主鉄骨部30と、その先部30aを除く主鉄骨部分を覆うコンクリート部32と、コンクリート部32の内部を主鉄骨部30と並行して貫通する複数本の梁用主鉄筋34と、これら主鉄筋を囲む梁用補助鉄筋36とを有する。図示例では、第1梁部Bは、さらにひび割れ補強筋42を有する。
上記主鉄骨部30は、本実施例においてH型鋼としている。もっとも適宜変更することができる。図示例では、主鉄骨部30の基端部を補助継手Lにより第1柱部材Aに連結している。補助継手Lは、上方からみてT字形の鋼材であり、その一半部を主鉄骨部30のウェブにボルト結合し、他半部を第1柱部材Aの上側外梁部12に当接するとともに、上側外梁部12に埋設したアンカーボルト44で締結している。もっとも補助継手Lは主鉄骨部30と上側外梁部12とを補助的に連結しているに過ぎず、複合梁Bが受け持つ垂直荷重の大半は、後述の第1梁用主鉄筋34Aを経由して第1柱部材Aの柱部10へ伝達される。なお、「補助的」とは、主鉄骨部30を柱PCaユニット16に取付ける際に、主鉄骨部の位置決め等に用いられ、仮設部材として施工上必要な強度があればよいという意味である。
上記コンクリート部32は、その基端の幅方向両側部をダブルコラムの両柱部10に連結している。図示例のコンクリート部32は、幅広で一定の厚さを有する基盤である。上方からみて、図9に示す如く、コンクリート部の基部を矩形部32aとし、その先部を、幅方向に対称でありかつ先端側が幅狭の台形テーパ状部32bとしている。
また本実施形態では、上記梁用主鉄筋34として、主鉄骨部30から離れた場所に第1梁用主鉄筋34Aを、主鉄骨部30に沿った場所に第2梁用主鉄筋34Bを、それぞれ主鉄骨部30に並行させている。ここで“鉄骨と並行”とは、鉄骨と大よそ同じ方向に延びるという意味である。図示例では、コンクリート部32の先部を台形テーパ状部32bとする場合には、第1梁用主鉄筋34Aの先部(鉄筋先部35という)が台形テーパ状部32bのテーパ面に沿って屈折させてあり、主鉄骨部30に対して当該主鉄骨部に接近するように斜めに設けているが、こうした形態も“鉄骨と並行”という構成に含まれる。
本実施形態では、第1梁用主鉄筋34Aが主鉄骨部30と柱部10との間の応力伝達鋼材Tとして機能する。すなわち、第1梁用主鉄筋34Aの鉄筋先部35を、主鉄骨部30に対して鉄骨部に接近するように斜めに設けることで、主鉄骨部30から第1梁用主鉄筋34Aを介して柱部10へ力がスムーズに伝達されるようにしている。本出願人は、図9の梁端部材の構成を想到する前に、コンクリート部全体を上方から見て長方形とし、第1梁用主鉄筋34Aが主鉄骨部30と平行に直線的にコンクリート部の先端側へ延びるような構造とすることを検討した。こうした構造も本発明の梁端部材の技術範囲に包含される。しかしながら、この構造として力の作用をシミュレーションした場合に、第1梁用主鉄筋34Aの先部と主鉄骨部30との間のコンクリート部分に無理な応力が作用し、構造が相対的に脆弱になることが判った。
第1梁用主鉄筋34Aの先端部及び基端部には、例えばプレートナットなどの固定具38を付設する。第1梁用主鉄筋34Aの先端部側の固定具38は、コンクリート部32内に埋設され、定着されている。第1梁用主鉄筋34Aの基端部は第1柱部材Aの柱部10内に突入させ、定着されている。
第2梁用主鉄筋34Bの先端部及び基端部には固定具38を付設され、コンクリート部32内に埋設され、定着されている。第2梁用主鉄筋34Bの基端部は上側外梁部12内に突入させ、定着されている。なお、定着強度を確保するために設けた固定具38を付設する代わりに、公知のアンカー筋を定着部材としても好適に実施できる。
上記構成により、梁端部と柱部との固定度を確保することができる。
図11及び図12は、本発明の他の実施形態に係る柱梁構造の要部を示している。本実施形態では、第1梁部Bの主鉄骨部30の両側から柱部10に至る一対の補助鉄骨部33を二股状に突出している。各補助鉄骨部33の端部(基端部e)は、柱部10の内面に取り付けられたベースプレート52に溶接されている。このベースプレート52の裏面から突出したアンカーボルト44が柱部10の内部へ埋設されており、これにより力が柱部10へ伝達されるように構成している。十分な付着強度を確保するために、アンカーボルトは各柱部内へ突入した後に柱同士の対向方向へ屈折するL字形に形成している。本実施形態では、上記一対の補助鉄骨部33が応力伝達鋼材Tとして機能する。
なお、図示はしないが、第1梁部Bを一本の鉄骨(主鉄骨部)で構成し、主鉄骨部の端部を1対の柱部10の間の上側外梁部12に連結してもよい。具体的には、上側外梁部12の内面に取り付けられた一枚のベースプレートに主鉄骨部の基端部を溶接すればよい。ベースプレートは、例えば、その裏面から突出したアンカーボルトを上側外梁部内に埋設すればよい。
上記構成により、梁端部と柱部との固定度を確保することができる。
図13は、本発明における各梁部の長さと応力の分布を表している。同図(A)では、梁全体の長さに対して第1梁部Bの長さを大きくかつ第2梁部Bの長さを小さくとった場合であり、このときには梁の端部の応力が大となる。同図(C)は、図(A)とは逆に梁全体の長さに対して第1梁部Bの長さを小さくかつ第2梁部Bの長さを大きくとった場合であり、このときには梁の中央部応力が大となる。同図(B)は第1梁部に作用する応力と第2梁部に作用する応力とが均等になるように設計した場合である。それぞれの場合に各梁部に作用する応力の計算は、各梁部の巾、成、長さ及び材質などから従来既知の方法で行うことができる。本発明では応力零となるピン接合の位置を複合梁の長さ(全長)に応じて適切に設定することで、各梁部に対する応力の均等化が容易に実施できる。
上記発明の実施形態は本発明の一例に過ぎず、本発明の技術的範囲には本発明の性質に反しない限り、他の適切な実施形態が含まれると理解されるべきである。
…第1柱部材 A…第2柱部材
B…複合梁 B…第1梁部 B…第2梁部
…基端部 e…先端部 J…中間継手 K…機械継手
L…補助継手 T…応力伝達鋼材
10…柱部 10a…柱部分 12…上側外梁部 14…下側外腰壁部
16…柱PCaユニット 18…グラウト 20…縦主鉄筋
22…梁PCaユニット 22a…後打ち部
24…第1横主鉄筋 26…第2横主鉄筋
30…主鉄骨部 30a…先部 32…コンクリート部 32a…矩形部
32b…台形テーパ状部 33…補助鉄骨部
34…梁用主鉄筋 34A…第1梁用主鉄筋 34B…第2梁用主鉄筋
35…鉄筋先部 36…梁用補助鉄筋
38…固定具
42…ひび割れ補強鉄筋
44…アンカーボルト 46…スタッド
50…連結プレート 52…ベースプレート

Claims (4)

  1. 2つの柱部材と、両柱部材の間に架設される複合梁とからなる柱梁構造であって、
    上記複合梁は、複合梁の梁端部材である一対の第1梁部と、複合梁の長手方向の中央部を形成する第2梁部とで構成され、
    第1梁部の基端側は各柱部材に対して剛接合されており、
    第1梁部の先端側と第2梁部の端部とはピン接合されていることを特徴とする、柱梁構造。
  2. 2つの柱部材のうち少なくとも一方は、複合梁の長手方向と直交する方向に並設された一対の柱部からなるダブルコラムであり、
    上記第1梁部は、上記第2梁部とピン接合された主鉄骨部を有しており、
    かつ、上方から見て主鉄骨部の両側から上記各柱部へ至る少なくとも一対の応力伝達鋼材を設けており、これら応力伝達鋼材の端部を各柱部に連係させたことを特徴とする、請求項1記載の柱梁構造。
  3. 柱間に架設するための複合梁であって、
    複合梁の梁端部材である一対の鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造の第1梁部と、
    複合梁の長手方向の中央部を形成する鉄骨造の第2梁部とで構成され、
    第1梁部の先端側と第2梁部の端部とはピン接合されていることを特徴とする、複合梁。
  4. 1対の柱部からなるダブルコラムに接続するための複合梁の梁端部材であって、
    一対の柱部を並設した方向と直交する方向に延びる主鉄骨部と、
    上方から見てこの主鉄骨部の両側に主鉄骨部に並行して配置した一対の主鉄筋と、
    これら主鉄骨部及び鉄筋を囲むコンクリート部とからなり、
    上記一対の主鉄筋の基端部を、上記柱部との接合可能な接合部とするとともに、主鉄筋の先端部が主鉄骨部へ近接するように形成しており、
    コンクリート部の先端側を、先細りのテーパ状部としたことを特徴とする、梁端部材。

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