(構成)
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(SOFC)の全体を示す。図3は、図2に示す断面の一部を拡大した拡大図である。このSOFCは、長手方向(x軸方向)を有する平板状の支持基板10の上下面(互いに平行な両側の主面(平面))のそれぞれに、電気的に直列に接続された複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが長手方向において所定の間隔をおいて配置された、所謂「横縞型」と呼ばれる構成を有する。
このSOFCの全体を上方からみた形状は、例えば、長手方向の辺の長さが50〜500mmで長手方向に直交する幅方向(y軸方向)の長さが10〜100mmの長方形である。このSOFCの全体の厚さは、1〜5mmである。
支持基板10は、電子伝導性を有さない多孔質の材料からなる平板状の焼成体である。後述する図9に示すように、支持基板10の内部には、長手方向に延びる複数(本例では、6本)の燃料ガス流路11(貫通孔)が幅方向において所定の間隔をおいて形成されている。また、支持基板10の上下面(両主面)のそれぞれには、各発電素子部Aに対応する箇所に凹部12がそれぞれ形成されている。本例では、各凹部12は、支持基板10の材料からなる底壁と、全周に亘って支持基板10の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。
支持基板10は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY2O3(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl2O4(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。
支持基板10は、「遷移金属酸化物又は遷移金属」と、絶縁性セラミックスとを含んで構成され得る。「遷移金属酸化物又は遷移金属」としては、NiO(酸化ニッケル)又はNi(ニッケル)が好適である。遷移金属は、燃料ガスの改質反応を促す触媒(炭化水素系のガスの改質触媒)として機能し得る。
また、絶縁性セラミックスとしては、MgO(酸化マグネシウム)、又は、「MgAl2O4(マグネシアアルミナスピネル)とMgO(酸化マグネシウム)の混合物」が好適である。また、絶縁性セラミックスとして、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)、Y2O3(イットリア)が使用されてもよい。
このように、支持基板10が「遷移金属酸化物又は遷移金属」を含むことによって、改質前の残存ガス成分を含んだガスが多孔質の支持基板10の内部の多数の気孔を介して燃料ガス流路11から燃料極に供給される過程において、上記触媒作用によって改質前の残存ガス成分の改質を促すことができる。加えて、支持基板10が絶縁性セラミックスを含むことによって、支持基板10の絶縁性を確保することができる。この結果、隣り合う燃料極間における絶縁性が確保され得る。支持基板10の厚さは、1〜5mmである。
図3〜図5に示すように、支持基板10の上下面(両主面)に形成された各凹部12には、燃料極集電部21の全体が埋設(充填)されている。従って、各燃料極集電部21は直方体状を呈している。図5に示すように、各燃料極集電部21の上面(外側面)には、凹部21aが形成されている。各凹部21aは、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、全周に亘って燃料極集電部21の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。
各凹部21aには、燃料極活性部22の全体が埋設(充填)されている。従って、各燃料極活性部22は直方体状を呈している。燃料極集電部21と燃料極活性部22とにより燃料極20が構成される。燃料極20(燃料極集電部21+燃料極活性部22)は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。各燃料極活性部22の前記「周方向に閉じた側壁」の全周と底面とは、凹部21b内で燃料極集電部21と接触している。
図5に示すように、各燃料極集電部21の上面(外側面)における凹部21aを除いた部分には、凹部21bが形成されている。各凹部21bは、燃料極集電部21の材料からなる底壁と、全周に亘って燃料極集電部21の材料からなる周方向に閉じた側壁(長手方向に沿う2つの側壁と幅方向に沿う2つの側壁)と、で画定された直方体状の窪みである。
各凹部21bには、インターコネクタ30の全体が埋設(充填)されている。従って、各インターコネクタ30は直方体状を呈している。インターコネクタ30は、電子伝導性を有する緻密質材料からなる焼成体である。各インターコネクタ30の前記「周方向に閉じた側壁」の全周と底面とは、凹部21b内で燃料極集電部21と接触している。
図3に示すように、燃料極20(燃料極集電部21及び燃料極活性部22)の上面(外側面)と、インターコネクタ30の上面(外側面)と、支持基板10の主面とにより、1つの平面(凹部12が形成されていない場合の支持基板10の主面と同じ平面)が構成されている。即ち、燃料極20の上面とインターコネクタ30の上面と支持基板10の主面との間で、段差が形成されていない。
燃料極活性部22は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、NiO(酸化ニッケル)とGDC(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極集電部21は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、NiO(酸化ニッケル)とY2O3(イットリア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とCSZ(カルシア安定化ジルコニア)とから構成されてもよい。燃料極活性部22の厚さは、5〜30μmであり、燃料極集電部21の厚さ(即ち、凹部12の深さ)は、50〜500μmである。
このように、燃料極集電部21は、電子伝導性を有する物質を含んで構成される。燃料極活性部22は、電子伝導性を有する物質と酸素イオン伝導性を有する物質とを含んで構成される。燃料極活性部22における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」は、燃料極集電部21における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」よりも大きい。
インターコネクタ30は、例えば、LaCrO3(ランタンクロマイト)から構成され得る。或いは、(Sr,La)TiO3(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ30の厚さは、10〜100μmである。
燃料極20及びインターコネクタ30がそれぞれの凹部12に埋設された状態の支持基板10における長手方向に延びる外周面において複数のインターコネクタ30が形成されたそれぞれの部分の中央部を除いた全面は、固体電解質膜40により覆われている。即ち、固体電解質膜40は、発電素子部Aの内部から支持基板10の表面を覆うように発電素子部Aの外部へ延びている。換言すれば、固体電解質膜40は、支持基板10の表裏の各主面における発電素子部Aが設けられた領域を除いた部分、及び、支持基板10の側端面(幅方向(y軸方向)の両端面)を覆うように設けられている。ここで、固体電解質膜40における「支持基板10の表裏の各主面における発電素子部Aが設けられた領域を除いた部分、及び、支持基板10の側端面(幅方向(y軸方向)の両端面)を覆う部分」が、「緻密質膜」に対応する。
固体電解質膜40は、イオン伝導性を有する緻密質材料からなる焼成体である。固体電解質膜40は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。即ち、固体電解質膜40は、ジルコニア(ZrO2)を含む。固体電解質膜40の厚さは、3〜50μmである。
このように、支持基板10の表裏の各主面の全域、及び、支持基板10の側端面は、インターコネクタ30と、固体電解質膜40(発電素子部Aの内部(一部)に相当する部分、及び、発電素子部Aの外部に相当する部分(前記「緻密質膜」)を含む)と、で構成された「緻密質からなる膜」により覆われている。この「緻密質からなる膜」は、膜の内側の空間を流れる燃料ガスと膜の外側の空間を流れる空気との混合を防止するガスシール機能を発揮する。このガスシール機能を発揮するため、この「緻密質からなる膜」(インターコネクタ30+固体電解質膜40)の気孔率は、10%以下である。この「緻密質からなる膜」が、「シール部」の一部に対応する。
なお、図2に示すように、本例では、固体電解質膜40が、燃料極20(集電部21+活性部22)の上面、インターコネクタ30の上面の中央部、及び支持基板10の主面を覆っている。ここで、上述したように、燃料極20の上面とインターコネクタ30の上面と支持基板10の主面との間で段差が形成されていない。従って、固体電解質膜40が平坦化されている。この結果、固体電解質膜40に段差が形成される場合に比して、応力集中に起因する固体電解質膜40でのクラックの発生が抑制され得、固体電解質膜40が有するガスシール機能の低下が抑制され得る。
固体電解質膜40における各燃料極活性部22と接している箇所の上面には、反応防止膜50を介して空気極60が形成されている。反応防止膜50は、緻密質材料からなる焼成体であり、空気極60は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。空気極60を上方からみた形状は、燃料極活性部22と略同一の長方形である。
反応防止膜50は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O2(ガドリニウムドープセリア)、及び、SDC=(Ce,Sm)O2(サマリウムドープセリア)等の希土類元素を含むセリアを含む緻密質材料で構成される。反応防止膜50の厚さは、3〜50μmである。反応防止膜50の気孔率は、10%以下である。本実施形態では、緻密質材料からなる反応防止膜50は、前記「シール部」の残りの一部に対応する。即ち、本実施形態において、前記「シール部」は、インターコネクタ30と、固体電解質膜40(発電素子部Aの内外に相当する部分をそれぞれ含む)と、反応防止膜50と、により構成される。
空気極60は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSF=(La,Sr)FeO3(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O3(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO3(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。また、空気極60は、LSCFからなる第1層(内側層)とLSCからなる第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極60の厚さは、10〜100μmである。
なお、固体電解質膜40と空気極60との間に反応防止膜50が介装されるのは、SOFC作製時又は作動中のSOFC内において固体電解質膜40内のYSZと空気極60内のSrとが反応して固体電解質膜40と空気極60との界面に電気抵抗が大きい反応層(SrZrO3)が形成される現象の発生を抑制するためである。
ここで、燃料極20(特に、燃料極活性部22)と、固体電解質膜40と、反応防止膜50と、空気極60とが積層されてなる積層体(より具体的には、その積層体における、燃料極活性部22と空気極60とが向かい合う領域)が、「発電素子部A」に対応する(図2及び図3を参照)。本実施形態では、図2に示すように、支持基板10の上下面のそれぞれにて、複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが、長手方向において所定の間隔をおいて配置されている。
図2に示すように、隣り合う発電素子部A,Aについて、一方の発電素子部Aの空気極60と、他方の発電素子部Aのインターコネクタ30とを跨ぐように、空気極60、固体電解質膜40(=前記「緻密質膜」)、及び、インターコネクタ30の上面に、空気極集電膜70が形成されている。空気極集電膜70は、電子伝導性を有する多孔質の材料からなる焼成体である。空気極集電膜70を上方からみた形状は、長方形である。
空気極集電膜70は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSC=(La,Sr)CoO3(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよい。或いは、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。或いは、La(Ni、Fe、Cu)O3で構成されてもよい。即ち、空気極集電膜70は、ストロンチウム(Sr)又はランタン(La)を含む。空気極集電膜70の厚さは、50〜500μmである。
このように各空気極集電膜70が形成されることにより、図2に示すように、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、一方の発電素子部Aの空気極60と、他方の発電素子部Aの燃料極20(特に、燃料極集電部21)とが、電子伝導性を有する「空気極集電膜70及びインターコネクタ30」を介して電気的に接続される。この結果、支持基板10の上下面のそれぞれに配置されている複数(本例では、4つ)の発電素子部Aが、電気的に直列に接続される。
ここで、電子伝導性を有する「空気極集電膜70及びインターコネクタ30」が、前記「電気的接続部」に対応する。また、インターコネクタ30は、前記「電気的接続部」における前記「緻密質材料で構成された第1部分」に対応し、気孔率は10%以下である。空気極集電膜70は、前記「電気的接続部」における前記「多孔質材料で構成された第2部分」に対応し、気孔率は20〜60%である。
図3に示す構成では、反応防止膜50が、発電素子部Aの内部(即ち、固体電解質膜40と空気極60との間の部分)から前記「緻密質膜」(=固体電解質膜40における発電素子部Aの外部に形成された部分)の表面を覆うように(表面に接触するように)発電素子部Aの外部へ延びている。空気極集電膜70が、反応防止膜50(より具体的には、反応防止膜50における発電素子部Aの外部に形成された部分)の表面を覆うように(表面に接触するように)形成されている。換言すれば、空気極集電膜70と固体電解質膜40が向かい合う全ての部分において、反応防止膜50(より具体的には、反応防止膜50における発電素子部Aの外部に形成された部分)が介装されている。
図1、図2、及び図6に示すように、支持基板10の長手方向の一端部(x軸負方向の端部)には、支持基板10の表裏の主面における前記長手方向の最も一端側(x軸負方向側)にそれぞれ設けられた発電素子部A同士を電気的に接続する表裏間接続部材80が設けられている。
表裏間接続部材80は、例えば、空気極集電膜70と同じ材料、即ち、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO3(ランタンストロンチウムコバルタイト)、或いは、La(Ni、Fe、Cu)O3等で構成され得る。この場合、表裏間接続部材80は、ストロンチウム(Sr)又はランタン(La)を含むペロブスカイト型導電性セラミックスからなる焼成体である。表裏間接続部材80の気孔率は、空気極集電膜70の気孔率と同じであっても異なっていても良い。
図6に示すように、この例では、表裏間接続部材80は、支持基板10の長手方向の一端部の周囲を周回するように設けられている。従って、表裏間接続部材80は、前記「緻密質膜」における「支持基板10の側端面を覆う部分」(即ち、固体電解質膜40)の表面を覆うように設けられている。
この例では、表裏間接続部材80によって電気的に接続された発電素子部Aの反応防止膜50が、表裏間接続部材80と前記「緻密質膜」(即ち、固体電解質膜40)とが向かい合う全ての部分において介装されるように、発電素子部Aの外部へ延びている。換言すれば、支持基板10の長手方向の一端部では、支持基板10の主面及び側端面を覆うように形成された「緻密質膜」(固体電解質膜40)の表面を覆うように反応防止膜50が形成され、その反応防止膜50の表面を覆うように表裏間接続部材80が形成されている。
図2及び図6に示す例では、表裏間接続部材80は、支持基板10の上下面の一方(図2における上側の主面)に形成された発電素子部Aの空気極60と、支持基板10の上下面の他方(図2における下側の主面)に形成された発電素子部Aの燃料極20(より具体的には、その燃料極20に電気的に接続されたインターコネクタ30)と、を電気的に接続している。即ち、表裏間接続部材80は、支持基板10の上下面に設けられた発電素子部間を電気的に直列に接続している。
以上、説明した「横縞型」のSOFCに対して、図7に示すように、支持基板10の燃料ガス流路11内に燃料ガス(水素ガス等)を流すとともに、支持基板10の上下面(特に、各空気極集電膜70)を「酸素を含むガス」(空気等)に曝す(或いは、支持基板10の上下面に沿って酸素を含むガスを流す)ことにより、固体電解質膜40の両側面間に生じる酸素分圧差によって起電力が発生する。更に、この構造体を外部の負荷に接続すると、下記(1)、(2)式に示す化学反応が起こり、電流が流れる(発電状態)。
(1/2)・O2+2e−→O2− (於:空気極60) …(1)
H2+O2−→H2O+2e− (於:燃料極20) …(2)
発電状態においては、図8に示すように、各組の隣り合う発電素子部A,Aについて、電流が、矢印で示すように流れる。この結果、図7に示すように、このSOFC全体から(具体的には、図7において最も手前側の発電素子部Aのインターコネクタ30と最も奥側の発電素子部Aの空気極60とを介して)電力が取り出される。
(製造方法)
次に、図1に示した「横縞型」のSOFCの製造方法の一例について図9〜図17を参照しながら簡単に説明する。図9〜図17において、各部材の符号の末尾の「g」は、その部材が「焼成前」であることを表す。
先ず、図9に示す形状を有する支持基板の成形体10gが作製される。この支持基板の成形体10gは、例えば、支持基板10の材料(例えば、CSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、押し出し成形、切削等の手法を利用して作製され得る。以下、図9に示す10−10線に対応する部分断面を表す図10〜図17を参照しながら説明を続ける。
図10に示すように、支持基板の成形体10gが作製されると、次に、図11に示すように、支持基板の成形体10gの上下面に形成された各凹部に、燃料極集電部の成形体21gがそれぞれ埋設・形成される。次いで、図12に示すように、各燃料極集電部の成形体21gの外側面に形成された各凹部に、燃料極活性部の成形体22gがそれぞれ埋設・形成される。各燃料極集電部の成形体21g、及び各燃料極活性部22gは、例えば、燃料極20の材料(例えば、NiとYSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して埋設・形成される。
続いて、図13に示すように、各燃料極集電部の成形体21gの外側面における「燃料極活性部の成形体22gが埋設された部分を除いた部分」に形成された各凹部に、インターコネクタの成形体30gがそれぞれ埋設・形成される。各インターコネクタの成形体30gは、例えば、インターコネクタ30の材料(例えば、LaCrO3)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して埋設・形成される。
次に、図14に示すように、複数の燃料極の成形体(21g+22g)及び複数のインターコネクタの成形体30gがそれぞれ埋設・形成された状態の支持基板の成形体10gにおける長手方向に延びる外周面(即ち、上下の主面、及び、両側の側端面)において複数のインターコネクタの成形体30gが形成されたそれぞれの部分の中央部を除いた全面に、固体電解質膜の成形膜40gが形成される。固体電解質膜の成形膜40gは、例えば、固体電解質膜40の材料(例えば、YSZ)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法、ディッピング法等を利用して形成される。
次に、図15に示すように、固体電解質膜の成形体40gの外側面の全域に、反応防止膜の成形膜50gが形成される。各反応防止膜の成形膜50gは、例えば、反応防止膜50の材料(例えば、GDC)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
そして、このように種々の成形膜が形成された状態の支持基板の成形体10gが、空気中にて1500℃で3時間焼成される。これにより、図1に示したSOFCにおいて空気極60及び空気極集電膜70が形成されていない状態の構造体が得られる。以下、この段階の積層焼成体を「中間焼成体」と呼ぶ。
次に、図16に示すように、各反応防止膜50の外側面に、空気極の成形膜60gが形成される。各空気極の成形膜60gは、例えば、空気極60の材料(例えば、LSCF)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
次に、図17に示すように、各組の隣り合う発電素子部について、一方の発電素子部の空気極の成形膜60gと、他方の発電素子部のインターコネクタ30とを跨ぐように、空気極の成形膜60g、固体電解質膜40、及び、インターコネクタ30の外側面に、空気極集電膜の成形膜70gが形成される。各空気極集電膜の成形膜70gは、例えば、空気極集電膜70の材料(例えば、LSCF、La(Ni、Fe、Cu)O3)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
また、支持基板10の長手方向の一端部においてその周囲を周回するように、表裏間接続部材の成形膜が形成される(図2、及び、図6を参照)。表裏間接続部材の成形膜は、例えば、空気極集電膜70の材料(例えば、LSCF、La(Ni、Fe、Cu)O3)の粉末にバインダー等が添加されて得られるスラリーを用いて、印刷法等を利用して形成される。
そして、このように成形膜60g、70g、並びに、表裏間接続部材の成形膜が形成された状態の支持基板10が、空気中にて1050℃で3時間焼成される。これにより、図1に示したSOFCが得られる。なお、この時点では、酸素含有雰囲気での焼成により、燃料極20(集電部21+活性部22)中のNi成分が、NiOとなっている。従って、燃料極20(集電部21+活性部22)の電子伝導性を獲得するため、その後、支持基板10側から還元性の燃料ガスが流され、NiOが800〜1000℃で1〜10時間に亘って還元処理される。なお、この還元処理は発電時に行われてもよい。以上、図1に示したSOFCの製造方法の一例について説明した。
(作用・効果)
以下、本実施形態の作用・効果について説明する。図2、及び、図18に示すように、支持基板10の表裏のそれぞれについて、支持基板10の長手方向(x軸方向)における燃料ガスの排出側の端部(支持基板の排出側端部)に最も近い発電素子部Aを、特に、「端部発電素子部As」と呼ぶ。また、図2に示すように、前記「電気的接続部」の一部を構成する複数の空気極集電膜70(長手方向に隣接する発電素子部Aを電気的に接続する複数の部分)のうち、「端部発電素子部As」と「端部発電素子部Asに隣接する発電素子部A」とを電気的に接続する空気極集電膜70を、特に、「端部空気極集電膜70s」と呼ぶ。
上記実施形態では、図2、及び、図18に示すように、支持基板10の表裏のそれぞれについて、長手方向における複数の発電素子部Aに関し、端部発電素子部As以外の複数の(本例では、3つの)発電素子部Aの面積S1がそれぞれ等しく、且つ、端部発電素子部Asの面積S2が面積S1より大きい。この例では、端部発電素子部Asの幅方向(y軸方向)の長さが端部発電素子部As以外の発電素子部Aの幅方向の長さと等しい一方で、端部発電素子部Asの長手方向(x軸方向)の長さが端部発電素子部As以外の発電素子部Aの長手方向の長さより大きいことによって、面積S2が面積S1より大きくなっている。なお、上記実施形態では、図2、及び、図18に示すように、支持基板10の表側の複数の(4つの)発電素子部Aの長手方向の位置が、支持基板10の裏側の対応する発電素子部Aの長手方向の位置とそれぞれ一致している。ここにおいて、「発電素子部Aの長手方向の位置」とは、発電素子部Aが位置する(占める)長手方向の範囲における、燃料ガスの排出側の端部を指す(以下、本明細書にて同じ)。
例えば、「長手方向の複数の発電素子部Aにおける長手方向の両端部に位置するそれぞれの発電素子部Aの面積」が、上記実施形態に係る構成、及び、上記特許文献2に記載された「複数の発電素子部の面積が燃料ガスの流れ方向に沿って順次大きくなる構成」において等しい、という場合を想定する。この場合、上記特許文献2に記載された構成と比較して、上記実施形態に係る構成では、長手方向における複数の発電素子部の個数を大きくすることが可能となる。具体的には、例えば、上記実施形態では、長手方向において4つの発電素子部Aが形成されているが、上記特許文献2に記載の構成では、長手方向において3つ以下の発電素子部Aしか形成され得ない可能性が高い。
加えて、上記「発明の概要」の欄に記載した上記第1、第2の問題は、実質的には、端部発電素子部Asにて顕著に発生し、それ以外の「支持基板の排出側端部に近い発電素子部A」には顕著に発生しない。従って、端部発電素子部Asのみの面積を増大して、端部発電素子部Asのみの電流密度を小さくすることによって、上記第1、第2の問題は殆ど発生し得なくなる、と考えられる。以上、上記実施形態によれば、上記第1、第2の問題が発生し難く、且つ、「長手方向における複数の発電素子部の個数」が大きいものを提供することができる。
加えて、上記実施形態では、端部発電素子部Asの面積のみが大きいことに起因して、
前記「電気的接続部」の一部を構成する複数の空気極集電膜70(長手方向に隣接する発電素子部Aを電気的に接続する複数の部分)のうち、端部空気極集電膜70sのみの長手方向(x軸方向)の長さが、それ以外の残りの空気極集電膜70の長手方向の長さと比べて長い。換言すれば、端部空気極集電膜70sのみの抵抗が、それ以外の残りの空気極集電膜70の抵抗と比べて大きくなり易い。この点、上記実施形態によれば、図2に示すように、端部空気極集電膜70sの断面積(電気が流れる方向(長手方向)に対して垂直方向(y−z平面方向)の断面積)が、それ以外の残りの空気極集電膜70の断面積と比べて大きい。従って、端部空気極集電膜70sの抵抗を小さくすることができる。この結果、SOFC全体として発電効率を高めることができる。
(面積S1、S2の最適な割合)
本発明者は、上記実施形態に係るSOFCにおいて、SOFCの限界燃料利用率が、値「S2/S1」と強い相関があることを見出した。以下、このことを確認した試験Aについて説明する。
<試験A>
この試験Aでは、図1(及び、図2、及び、図18)に示したSOFCについて、面積S1(mm2)、及び、面積S2(mm2)の組み合わせ、従って、値「S2/S1」が異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表1に示すように、7種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して10個のサンプル(N=10)が作製された。
各サンプル(図1、図2、及び、図18に示すSOFC)が、上記実施形態と同じ手順で作製された。即ち、先ず、支持基板10、燃料極20(集電部21+活性部22)、インターコネクタ30、固体電解質膜40、及び、反応防止膜50からなる積層体(グリーン体)が共焼成されて、「中間焼成体」が作製された。この「中間焼成体」に、空気極60及び空気極集電膜70(グリーン体)が形成され、空気極60及び空気極集電膜70(グリーン体)が焼成された。この焼成体に対して上述した還元処理が施されて、各サンプルが得られた。
各サンプルについて、支持基板10の材料としては、MgO−Y2O3、NiO/Ni-MgO−Y2O3、MgO−MgAl2O4、NiO/Ni-MgO−MgAl2O4等が使用された。燃料極集電部21、及び、燃料極活性部22の材料としては、NiO/Ni-YSZ、NiO/Ni-CSZ、NiO/Ni-Y2O3等が使用された。インターコネクタ30の材料としては、LaCrO3が採用された。固体電解質膜40の材料としては、YSZ(8YSZ)が採用された。反応防止膜50の材料としては、GDC=(Ce,Gd)O2、SDC=(Ce,Sm)O2等が採用された。空気極集電膜70の材料としては、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O3、LSC=(La,Sr)CoO3、La(Ni、Fe、Cu)O3等が採用された。
各サンプル全体の長手方向(x軸方向)の長さは50〜500mmで、幅方向(y軸方向)の長さは10〜100mmで、厚さ(z軸方向)は1〜5mmであった。端部空気極集電膜70sを除く空気極集電膜70を上方(z軸方向)からみた形状は、長手方向(x軸方向)の長さが10〜40mmで、幅方向(y軸方向)の長さが5〜80mmの長方形であった。端部空気極集電膜70sを上方(z軸方向)からみた形状は、長手方向(x軸方向)の長さが10〜80mmで、幅方向(y軸方向)の長さが5〜80mmの長方形であった。端部空気極集電膜70sを除く空気極集電膜70の厚さは、50〜500μmであった。端部空気極集電膜70sの厚さは、80〜600μmであった。
各サンプルについて、支持基板10の表裏の面積S1、並びに、表裏の面積S2が、それぞれ一致していた。また、支持基板10の表側の複数の(4つの)発電素子部Aの長手方向の位置が、支持基板10の裏側の対応する発電素子部Aの長手方向の位置とそれぞれ一致していた。支持基板10の表裏のそれぞれについて、端部発電素子部Asを除く発電素子部Aを上方(z軸方向)からみた形状は、長手方向(x軸方向)の長さが10〜35mmで、幅方向(y軸方向)の長さが5〜80mmの長方形であった。端部発電素子部Asを上方(z軸方向)からみた形状は、長手方向(x軸方向)の長さが10〜45mmで、幅方向(y軸方向)の長さが5〜80mmの長方形であった。端部発電素子部Asの幅方向(y軸方向)の長さは、端部発電素子部As以外の発電素子部Aの幅方向の長さと等しかった。従って、端部発電素子部Asの長手方向(x軸方向)の長さと、端部発電素子部As以外の発電素子部Aの長手方向の長さと、の割合を調整することによって、値「S2/S1」が調整された。
この試験Aでは、上記還元処理後の各サンプル(図1、図2、及び、図18に示すSOFC)について、SOFCの限界燃料利用率が計測された。この計測は、「温度が750℃、並びに、端部発電素子部As以外の発電素子部Aを流れる電流の電流密度が0.25A/cm2」という条件下にて行われた。この計測の結果は表1に示すとおりである。
表1から理解できるように、値「S2/S1」が1.0未満であると、SOFCの限界燃料利用率が大きく低下し、値「S2/S1」が1.0以上且つ1.1未満であると、SOFCの限界燃料利用率が僅かに低下し、一方、値「S2/S1」が1.1以上であると、SOFCの限界燃料利用率が良好となる。このように、値「S2/S1」が小さいときにSOFCの限界燃料利用率が低下するのは、値「S2/S1」が小さいと、端部発電素子部Asを流れる電流の電流密度が相対的に大きくなり、端部発電素子部Asにおいて上述した「第1の問題」(発明の概要の欄を参照)が発生し易くなることに起因する、と考えられる。
以上より、値「S2/S1」が1.1以上であると、そうでない場合と比べて、SOFCの限界燃料利用率が良好に維持され得る、ということができる。
ところで、上記実施形態に係るSOFCでは、通常の環境下で稼働される場合には、端部発電素子部Asの剥離(特に、支持基板10と燃料極集電部21との界面での剥離)が発生しない。しかしながら、このSOFCが熱応力的に過酷な環境下で稼働されると、端部発電素子部Asの剥離が発生する場合があった。本発明者は、このような端部発電素子部Asの剥離の発生の有無が、値「S2/S1」と強い相関があることを見出した。以下、このことを確認した試験Bについて説明する。
<試験B>
この試験Bでも、上記試験Aと同様、図1(及び、図2、及び、図18)に示したSOFCについて、面積S1(mm2)、及び、面積S2(mm2)の組み合わせ、従って、値「S2/S1」が異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表2に示すように、8種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して10個のサンプル(N=10)が作製された。
各サンプル(図1、図2、及び、図18に示すSOFC)の作製手順、並びに、各サンプルの諸元(各構成部材の形状、大きさ、材料等)については、上記試験Aで使用されたサンプルと同様であった。
この試験では、各サンプルについて、「燃料極20に還元性の燃料ガスを、空気極60に空気をそれぞれ流通させながら、雰囲気温度を常温から750℃まで2時間30分で上げ、その後、雰囲気温度が750℃で一定にて、定電流発生装置を用いてSOFCに一定の電流を流し(即ち、SOFCを稼働(発電)させ)、その後、燃料ガス及び空気の供給を停止した状態(即ち、SOFCの稼働を停止した状態)で雰囲気温度を750℃から常温まで4時間で下げる」というパターンを「1サイクル」とする、所謂「シャットダウン試験」が、10回繰り返し行われた。そして、各サンプルについて、端部発電素子部Asの剥離の発生の有無が確認された。この確認は、目視、並びに、顕微鏡を使用した観察によってなされた。この結果は表2に示すとおりである。
表2から理解できるように、値「S2/S1」が2.2より大きいと、値「S2/S1」が2.2以下である場合と比べて、端部発電素子部Asの剥離が発生し易い。これは以下の理由に基づく、と考えられる。即ち、上記カットダウン試験では、支持基板10及び燃料極20は、燃料極20に還元性の燃料ガスが供給されている状態では還元雰囲気に曝される一方で、燃料ガスの供給が停止された状態では酸化雰囲気に曝され得る。このため、支持基板10及び燃料極20には、Niの酸化・還元に起因する寸法変化が発生する。支持基板10及び燃料極20の間では、Niの酸化・還元に起因する寸法変化率に差異がある。加えて、上記カットダウン試験では、支持基板10及び燃料極20の雰囲気温度が大きく変動する。このため、支持基板10及び燃料極20には、熱歪に起因する寸法変化が発生する。支持基板10及び燃料極20の間では、熱歪に起因する寸法変化率に差異がある。以上より、支持基板10と燃料極集電部21との界面では、酸化・還元、及び、熱歪に起因する両者の寸法変化量に差異が生じ得る。ここで、値「S2/S1」が大きいと、端部発電素子部Asの燃料極集電部21と支持基板10との界面の面積が相対的に大きくなるので、端部発電素子部Asの燃料極集電部21と支持基板10との界面における、酸化・還元、及び、熱歪に起因する両者の寸法変化量の差異が大きくなる。この結果、端部発電素子部Asの剥離(特に、支持基板10と燃料極集電部21との界面での剥離)が発生し易くなる、と考えられる。
以上より、値「S2/S1」が2.2以下であると、そうでない場合と比べて、端部発電素子部Asの剥離(特に、支持基板10と燃料極集電部21との界面での剥離)が発生し難い、ということができる。以上、試験A、Bの結果から、値「S2/S1」が1.1〜2.2であるとき、そうでない場合と比べて、SOFCの限界燃料利用率が良好であり、且つ、端部発電素子部Asの剥離が発生し難い、といえる。
なお、本発明者は、通常の条件・環境下(例えば、常温から750℃まで4時間で上げた後に750℃から常温まで12時間で下げるパターン)にて上記実施形態が使用される場合、値「S2/S1」が2.2より大きくても、上述した端部発電素子部Asの剥離が発生しないこと、を別途確認している。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、図2及び図18に示すように、支持基板10の表裏のそれぞれについて、長手方向において複数の発電素子部A(複数の発電素子部A(面積S1)と、端部発電素子部As(面積S2))が形成されているが、図19及び図20に示すように、支持基板10の表裏の一方側にのみ、長手方向において複数の発電素子部A(複数の発電素子部A(面積S1)と、端部発電素子部As(面積S2))が形成されていてもよい。この場合も、上記実施形態と同様、値「S2/S1」が1.1〜2.2であるとき、そうでない場合と比べて、SOFCの限界燃料利用率が良好であり、且つ、端部発電素子部Asの剥離が発生し難い、ことが判明している。
また、上記実施形態では、図2、及び、図18に示すように、支持基板10の表側の複数の(4つの)発電素子部Aの長手方向の位置が、支持基板10の裏側の対応する発電素子部Aの長手方向の位置とそれぞれ一致しているが、図21、及び、図22に示すように、支持基板10の表側の複数の(4つの)発電素子部Aの長手方向の位置が、支持基板10の裏側の対応する発電素子部Aの長手方向の位置に対して長手方向の同じ側にそれぞれずれていてもよい。図21、及び、図22に示す例では、支持基板10の表側の複数の(4つの)発電素子部Aの長手方向の位置が、支持基板10の裏側の対応する発電素子部Aの長手方向の位置に対して、長手方向において燃料ガスの排出側にそれぞれずれている。即ち、支持基板10の表側の端部発電素子部Asが、支持基板10の裏側の端部発電素子部Asと比べて、長手方向において燃料ガスの排出側に配置されている。
図21、及び、図22に示す例では、支持基板10の表側の端部発電素子部Asの面積S2が、支持基板10の表側の端部発電素子部As以外の複数の発電素子部Aの面積S1より大きく、支持基板10の裏側の端部発電素子部Asの面積S2’が、支持基板10の裏側の端部発電素子部As以外の複数の発電素子部Aの面積S1より大きく、且つ、支持基板10の表側の端部発電素子部Asの面積S2より小さい、ことが好ましい。支持基板10の表裏の面積S1は、同じであっても異なっていてもよい。
また、上記実施形態においては、燃料極20が燃料極集電部21と燃料極活性部22との2層で構成されているが、燃料極20が燃料極活性部22に相当する1層で構成されてもよい。
加えて、上記実施形態においては、支持基板10が「長手方向を有する平板状」を呈しているが、支持基板が「長手方向を有する円筒状」を呈していても良い。