JP2015169973A - 火災検知システム及び火災検知方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、火災検知システムに於いて、
仕切り空間となる監視領域を撮影する撮像手段と、
撮像手段により撮像する監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に背景照明する背景照明手段と、
撮像手段により撮像する監視領域を全体照明する全体照明手段と、
監視領域を背景照明した状態で、撮像手段により撮像した監視領域に発生した煙プルームの減光画像から第1段階の火災を検知して第1火災信号を出力する第1火災検知手段と、
第1火災検知手段により第1段階の火災を検知した場合に、背景照明手段による背景照明を停止して全体照明手段による全体照明に切り替える照明切替手段と、
照明切替手段により監視領域を全体照明に切替えた状態で、撮像手段により撮像した監視領域に発生した煙プルームの散乱光画像から第2段階の火災を検知して第2火災信号を出力する第2火災検知手段と、
を設けたことを特徴とする。
本発明は、火災検知方法に於いて、
仕切り空間を形成する監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に背景照明した状態で、撮像手段により撮像した監視領域に発生した煙プルームの減光画像から第1段階の火災を検知して第1火災信号を出力する第1火災検知ステップと、
第1火災検知ステップにより第1段階の火災を検知した場合に監視領域を全体照明に切替えた状態で、撮像手段により撮像した監視領域に発生した煙プルームの散乱光画像から第2段階の火災を検知して第2火災信号を出力する第2火災検知ステップと、
を設けたことを特徴とする。
本発明の火災検知システムは、仕切り空間となる監視領域を撮影する撮像手段と、撮像手段により撮像する監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に背景照明する背景照明手段と、撮像手段により撮像する監視領域を全体照明する全体照明手段と、監視領域を背景照明した状態で、撮像手段により撮像した監視領域に発生した煙プルームの減光画像から第1段階の火災を検知して第1火災信号を出力する第1火災検知手段と、第1火災検知手段により第1段階の火災を検知した場合に、背景照明手段による背景照明を停止して全体照明手段による全体照明に切り替える照明切替手段と、照明切替手段により監視領域を全体照明に切替えた状態で、撮像手段により撮像した監視領域に発生した煙プルームの散乱光画像から第2段階の火災を検知して第2火災信号を出力する第2火災検知手段とを設けるようにしたため、背景照明からの光が煙プルームにより減光する減光画像に基づき第1段階の火災を検知した場合、第1火災信号を出力して火災予兆警報(プリアラーム)を報知させ、更に火災を確認するために、監視領域の照明を背景照明から全体照明に切替え、煙プルームにより散乱した全体照明による煙の散乱光画像から第2段階の火災を検知した場合に第2火災信号を出力して火災警報を報知させることで、距離により大きさが変化する煙プルームの画像であっても、減光画像と散乱光画像の異なる観測画像に基づく火災検知を組み合わせることで、撮像手段で撮像した監視領域の観測画像から確実に火災を検知して警報することを可能とする。
(監視領域の概要)
図1は本発明による火災検知システムを設置した監視領域を示した説明図である。
図2は本発明による火災検知システムの機能構成の概略を示したブロック図である。図2に示すように、火災検知システムは、監視カメラ10と画像処理装置12で構成し、画像処理装置12は、そのハードウェアとしてCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等で構成する。
第1火災検知部50で監視カメラ10の観測画像から監視領域16の煙による減光率を正しく検出するためには、背景となる床面16a、壁面16b及び天井面16cのみが発光し、空間に広がる煙には照明が当たらない背景照明とすることが望ましい。
図2の第1火災検知部50は、監視領域16を背景照明した状態で、監視カメラ10により撮像した監視領域に発生した煙プルームの減光画像から第1段階の火災を検知するものであり、その検出原理を説明すると次のようになる。
図3は、図1に示すように、火災により発生する煙をモデル化して示した説明図である。
火災により発生する煙プルームは、火源の拡大による熱量の増加に伴って太くなり、同時に煙の上昇速度u(m/s)および減光率y(%/m) も大きくなっていく。
火災により発生した煙プルーム中の高さ毎のプルーム太さと煙濃度(減光率)は、アルパート(Alpart)の実験式により求められる。このアルパートの実験式は、1972年5月18日、米国、フィラディルフィアで開催されたNational Fire Protection Association の年次会合の76番目の論文「天井設置された火災感知器の時間応答の計算(Calculation of Response Time of Ceiling−Mounted Fire Detectors)」で発表されている。
ΔT=5.38(Q/r)2/3/H
u=0.2Q1/3H1/2/r5/6
プルームの高さHと半径r、減光率yの関係を求める。煙減光係数k(1/m)と温度上昇ΔTの関係は、燃焼する物質により定まり、いま紙の燃えた場合を考えると、
k/ΔT=0.41E−2(1/m・deg)
となる。減光係数k(1/m)を減光率y(%/m)に変換するには
y=(1−e−k)・100
となる。図5(B)は、k/ΔT比の代表値を示す。
S=(L0・tanθ)2
となる。
となる。
Er2/Er1=L022/L012
Er2 =Er1・L022/L012
=W(L01・tanθ)2 ・L022/L012
=W(L02・tanθ)2
=Er2
即ち、均一な光が当たる背景から監視カメラ10に入射するエネルギーErは、背景までの距離Lによらず一定となる
この光の経路に、減光率(1−α)の煙プルームによる煙層が介在する場合、煙層を透過して監視カメラ10に入射するエネルギーEsは、
Es=(1−α)Er
となり、監視カメラ10の入射エネルギーEsは煙層から監視カメラ10までの距離によらず、一定となる。
火災により発生した煙プルームの高さ毎の煙プルームの太さと減光率の関係は、前述したように、図5に示したアルパートの理論により求められる。いま、紙を燃焼物と想定し、火点の熱量が30kWの初期火災で発生したプルームの高さH毎のプルーム半径r、減光率yおよび煙上昇速度uの関係を求めると図8のグラフ図に示すようになる。
監視カメラ10の観測画像に存在する煙プルームの減光率Yから太さ2rを推定することができると、監視カメラ10から煙プルームを発生している火点までの距離Lを算出することができる。
α=45°/700=0.064(°/画素)
となる。なお、以下の説明では、画素をピクセルという場合があり、また、画素数の単位として(pxl)を表記する場合がある。
θ=α・2R(°) (式1)
となる。
L = r/tan(θ/2) (式2)
となる。
監視カメラ10の観測画像に占める煙プルームによる火災判定は、煙プルームの減光率Yから推定した煙プルームの太さ2rが、所定のモデル火災による煙プルームの閾値太さ(2r)th以上となった場合に火災と判定する。
図2に示すように、火災検知システムは、監視カメラ10と画像処理装置12で構成し、画像処理装置12には伝送部28に続いて第1火災検知部50を設けている。
ΔB=Br−Bs
となり、煙プルームを通過する背景からの光の減光量を示す。
Y=(ΔB/Br)・100
として算出する。
Y={(Br−Bs)/Br}・100
として算出したことを意味する。
例えば第1プルーム太さ推定部36は、図6に示した減光率Yとプルーム太さ2rのグラフ特性近似をする関係式を設定しており、この関係式に検出した減光率Yを代入することで、煙プルームの太さ2rを算出して推定する。
いま、第1煙画像判定部30で判定した煙プルーム領域の水平画素数2Rが2R=46ピクセルであったとすると、第1見込み角検出部32で算出する見込み角θは前記式1から
θ=0.064×46=2.94°
となる。
L=15.2(m)
と算出する。
木材や布、紙等が燻焼した場合に発生する白色の煙プルームは、若干の差異はあるものの、図6に示した紙の場合とほぼ同等の煙プルーム太さと減光率の関係を維持し、図2の第1火災検知部50による火災検知が可能となる。
図2の第2火災検知部100は、第1火災検知部50により第1段階の火災を判定した場合に、照明切替部42により監視領域16を全体照明に切替え、この状態で監視カメラ10により撮像した監視領域に発生した煙プルームの散乱光画像から第2段階の火災を検知して第2火災信号を出力するものであり、その検出原理を説明すると次のようになる。
図1に示した監視領域16を室内照明装置24の点灯により全体照明している場合には、発生した煙20による散乱光画像を監視カメラ10で撮像して煙プルームの発生を検知することができる。この場合、監視カメラ10による煙20の観測画像は、照明光が煙20に当って散乱する散乱光量に相当する画像が得られることとなる。煙20による散乱光を監視カメラ10で観測する場合、煙プルームからの距離Lの2乗に反比例して散乱光量は減少する。
図11は火災が起きた場合の煙プルームの太さと煙濃度y(%/m)の関係を示したグラフ図であり、併せて監視カメラで観測される煙プルームの総輝度X(μW)を示している。
x=y/2R (μW/pxl)
となる。
図13は火点までの距離に対する総輝度及び輝度率の関係を示したグラフ図であり、監視カメラ10の観察画像に存在する煙プルームの輝度率xは、火点までの距離Lによらず常に一定の値となる。この理由を説明すると次のようになる。
X1・L12 = X2・L22
の関係がある。即ち、煙プルームの総輝度X1,X2は、火点までの距離L1,L2の2乗に反比例する。
X2= X1・L12/L22= 1000(mW)
となる。
x=X/(2R)2
となり、
2R1・L1=2R2・L2
であるから
x1=X1/(2R1)2
=X1/(2R2・L2/L1)2
=(X2・L22/L12)/(2R2・L2/L1)2
=X2/(2R2)2
=x2
となる。
監視カメラ10の観測画像に存在する煙プルームの輝度率xから太さ2rを推定することができると、監視カメラ10から煙プルームを発生している火点までの距離Lを、図9に示したと同じ煙プルームの見込み角と火点距離との関係から算出することができる。
θ=α・2R(°) (式3)
となる。これは前述した式1と同じである。
L=r/tan(θ/2) (式4)
となる。これは前述した式2と同じである。
監視カメラ10の散乱光画像に占める煙プルームによる火災判定は、煙プルームの輝度率xから推定した煙プルームの太さ2rが、所定のモデル火災による煙プルームの閾値太さ(2r)th以上となった場合に火災と判定する。
(第2火災検知部の機能構成)
図2に示すように、画像処理装置12に設けた第2火災検知部100は、第1火災検知部50により第1段階の火災が判定されて床面照明装置22a及び壁面照明装置22bを消灯して室内照明装置24を点灯し、監視領域16を全体照明した状態で動作し、伝送部28の伝送制御により監視カメラ10で撮像した動画像データとして、例えば毎秒30フレームとなる監視領域の画像データを伝送し、画像処理装置12に設けた図示しないメモリに記憶する。
いま、第2煙画像判定部130で判定した煙プルーム候補領域の水平画素数2Rが2R=46ピクセルであったとすると、第2見込み角算出部132で算出する見込み角θは前記式3から
θ=0.064×46=2.94°
となる。
L=15.2(m)
と算出する。
木材や布、紙等が燻焼した場合に発生する白煙の煙プルームは、若干の差異はあるものの、図11に示したように、ほぼ同等のプルーム太さと煙濃度の関係を維持する。このため燻焼する対象物に関わらず、図11に示した煙プルームの輝度率と太さの関係が維持され、図2の第2火災検知部100による火災検知が可能となる。
(火災検知処理の概略)
図14は、図2の実施形態による火災検知処理の概略を示したフローチャートである。図14に示すように、まずステップS1(以下「ステップ」は省略)で照明切替部42により壁面照明装置16aと床面照明装置16bをオンし、図1に示したように、監視カメラ10により撮像する監視領域16の背景となる壁面16a及び床面を16b一定照度に背景照明する。
図15は、図14のS2における第1火災検知処理の詳細を示したフローチャートであり、図2の第1火災検知部50の制御動作となる。
図16は、図14のS6における第2火災検知処理の詳細を示したフローチャートであり、図2の第2火災検知部100の制御動作となる。
(火点距離の推定に基づく応用)
図2の画像処理装置12で第1段階の火災または第2段階の火災を判定した場合に出力される火点距離Lを利用することで、図1の監視領域16における煙20が発生している火点位置を特定することができる。
図2の画像処理装置12で第1段階の火災及び第2段階の火災を判定した場合に出力される煙プルームの太さ、即ち火点の大きさ(規模)の推定値を利用することで、次のような応用が可能となる。
(火災判断)
上記の実施形態は、第1火災検知部で煙プルームの減光画像から第1段階の火災を判定して第1火災信号を出力し、続いて第2火災検知部により煙プルームの散乱光画像から第2段階の火災を判定して第2火災信号を出力しているが、第1段階の火災を判定した場合に火災信号を出力せず、火災確定の判断となる第2段階の火災を判定した場合に火災確定信号を出力して火災警報報知させるようにしても良い。
上記の実施形態は、煙の減光画像から第1段階の火災を判定した場合または煙の散乱光画像から第2段階の火災を判定した場合に、第1火災信号または第2火災信号に加え、推定した煙プルームの太さ及び又は火点距離のデータを出力するようにしているが、第1火災信号または第2火災信号のみを出力するようにしても良い。
上記の実施形態は、煙の減光画像または煙の散乱光画像から推定した煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に第1段階の火災または第2段階の火災と判定して第1火災信号または第2火災信号と共に煙プルームまでの火点距離及び又は煙プルームの太さを示すデータを出力しているが、非火災と判定した場合にも、非火災の煙検出信号と共に煙プルームまでの火点距離及び又は煙プルームの太さを示すデータを出力し、例えば非火災の煙検知による注意警報を出力すると共に、火点距離と煙プルームの太さを表示することで、火気厳禁となっている監視領域での火気の使用を報知し、例えば放火などに対処することを可能とする。
上記の実施形態にあっては、説明を簡単にするため監視カメラの水平片側視野角θを45°とした場合を例にとっているが、適宜の視野角に適用できる。また、監視カメラの水平及び垂直の画素数も(1400×1000)ピクセルに限定されず、適宜の解像度のものが使用できる。
上記の実施形態にあっては、監視カメラと画像処理装置を分離配置して伝送路により接続しているが、両者を一体化した装置としても良い。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
ここで、本発明の特徴をまとめて列挙すると次のようになる。
(特徴1)(システム)
仕切り空間となる監視領域を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像する前記監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に背景照明する背景照明手段と、
前記撮像手段により撮像する前記監視領域を全体照明する全体照明手段と、
前記監視領域を背景照明した状態で、前記撮像手段により撮像した前記監視領域に発生した煙プルームの減光画像から第1段階の火災を検知して第1火災信号を出力する第1火災検知手段と、
前記第1火災検知手段により第1段階の火災を検知した場合に、前記背景照明手段による背景照明を停止して前記全体照明手段による全体照明に切り替える照明切替手段と、
前記照明切替手段により前記監視領域を全体照明に切替えた状態で、前記撮像手段により撮像した前記監視領域に発生した煙プルームの散乱光画像から第2段階の火災を検知して第2火災信号を出力する第2火災検知手段と、
を設けたことを特徴とする火災検知システム(請求項1)。
特徴1記載の火災検知とシステムに於いて、
前記第1火災検知手段は、
前記撮像手段により撮像した前記監視領域の背景照明による画像から煙プルームの存在する煙画像を判定する第1煙画像判定手段と、
前記第1煙画像判定手段により判定された煙画像から煙プルームによる減光率を検出する減光率検出手段と、
前記減光率検出手段で検出した減光率から煙プルームの太さを推定する第1プルーム太さ推定手段と、
前記第1プルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に第1段階の火災と判定して第1火災信号を出力させる第1火災判定手段と、
を設けたことを特徴とする火災検知システム。
特徴1記載の火災検知とシステムに於いて、
前記第2火災検知手段は、
前記撮像手段により撮像した前記監視領域の全体照明による画像から煙プルームの存在する煙画像を判定する第2煙画像判定手段と、
前記第2煙画像判定手段により判定された煙画像から煙プルームの単位画素当りの輝度率を検出する輝度率検出手段と、
前記輝度率検出手段で検出した輝度率から煙プルームの太さを推定する第2プルーム太さ推定手段と、
前記第2プルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に第2段階の火災と判定して第2火災信号を出力させる第2火災判定手段と、
を設けたことを特徴とする火災検知システム。
また、背景照明からの光を煙以外の対象物、例えば人が一時的に遮ることで煙プルームの減光画像から第1段階の火災を誤って検知しても、第1段階の火災検知に基づき監視領域の全体照明に切替えて撮像した散乱光画像からは、輝度率が煙とは異なるために煙プルームの太さが火災を判定するしきい値を超えることがなく、非火災要因による誤報を防止可能とする。
特徴2記載の火災検知システムに於いて、更に、前記第1火災検知手段は、
前記第1煙画像判定手段により判定された煙画像から煙プルームの見込み角を検出する第1見込み角検出手段と、
前記第1見込み角検出手段で検出した煙プルームの見込み角と前記第1プルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さに基づき、前記撮像手段から前記煙プルームまでの火点距離を算出する第1距離算出手段と、
を設け、前記第1火災判定手段は、前記第1段階の火災を判定した場合に前記第1距離算出手段で算出した火点距離及び又は前記第1プルーム太さ推定手段で推定した煙プルーム太さを示す情報を前記第1火災信号と共に出力することを特徴とする火災検知システム。
特徴3記載の火災検知システムに於いて、更に、前記第2火災検知手段は、
前記第2煙画像判定手段により判定された煙画像から煙プルームの見込み角を検出する第2見込み角検出手段と、
前記第2見込み角検出手段で検出した煙プルームの見込み角と前記プルーム太さ推定手段で推定した煙プルームの太さに基づき、前記撮像手段から前記煙プルームまでの火点距離を算出する第2距離算出手段と、
を設け、
前記第2火災判定手段は、前記第2段階の火災を判定した場合に前記第2距離算出手段で算出した火点距離及び又は前記第2プルーム太さ推定手段で推定した煙プルーム太さを示す情報を前記第2火災信号と共に出力することを特徴とする火災検知システム。
特徴3記載の火災検知システムに於いて、前記第1煙画像判定手段は、前記監視領域に煙プルームが存在しない背景画像を保持し、前記撮像手段により撮像した画像と前記背景画像との差分画像を生成して煙プルーム領域を抽出し、前記煙プルーム領域の水平画素数が所定閾値以上の場合に煙画像と判定することを特徴とする火災検知システム。
特徴6記載の火災検知システムに於いて、前記減光率検出手段は、前記第1煙画像判定手段で生成した差分画像から抽出した煙プルーム領域の所定高さの水平画素列の輝度と、当該水平画素列と同じ位置の前記背景画像の水平画素列の輝度に基づいて煙プルームの減光率を算出することを特徴とする火災検知システム。
特徴3記載の火災検知システムに於いて、前記第1プルーム太さ推定手段は、所定のモデル火災から求めた煙プルームによる減光率と太さの関係を予め設定し、前記関係に基づいて前記減光率検出手段で検出した煙プルームの減光率から煙プルームの太さを推定することを特徴とする火災検知システム。
特徴4記載の火災検知システムに於いて、前記第1距離算出手段は、推定した煙プルームの太さを2r、煙プルームの見込み角をθとした場合、前記火点距離Lを、
L=r/tan(θ/2)
により算出して推定することを特徴とする火災検知システム。
特徴3記載の火災検知システムに於いて、前記第2画像判定手段は、前記撮像手段により撮像した画像から所定輝度以上の画素の集合となる煙プルーム候補領域を検出し、前記煙プルーム候補領域の水平方向の画素数が所定の閾値以上の場合に煙画像と判定することを特徴とする火災検知システム。
特徴3記載の火災検知システムに於いて、前記2プルーム太さ推定手段は、煙プルームの輝度率と太さの関係を所定の実験式に基づいて設定し、前記関係に基づいて前記輝度率検出手段で検出した輝度率から煙プルームの太さを推定することを特徴とする火災検知システム。
特徴5記載の火災検知システムに於いて、前記第2距離算出手段は、推定した煙プルームの太さを2r、煙プルームの見込み角をθとした場合、前記火点距離Lを、
L=r/tan(θ/2)
により算出して推定することを特徴とする火災検知システム。
仕切り空間を形成する監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に背景照明した状態で、撮像手段により撮像した前記監視領域に発生した煙プルームの減光画像から第1段階の火災を検知して第1火災信号を出力する第1火災検知ステップと、
前記第1火災検知ステップにより第1段階の火災を検知した場合に前記監視領域を全体照明に切替えた状態で、前記撮像手段により撮像した前記監視領域に発生した煙プルームの散乱光画像から第2段階の火災を検知して第2火災信号を出力する第2火災検知ステップと、
を設けたことを特徴とする火災検知方法(請求項2)。
特徴13記載の火災報知方法に於いて、前記第1火災検知ステップは、
前記撮像手段により撮像した前記監視領域の背景照明による画像から煙プルームの存在する煙画像を判定する第1煙画像判定ステップと、
前記第1煙画像判定ステップにより判定された煙画像から煙プルームによる減光率を検出する減光率検出ステップと、
前記減光率検出ステップで検出した減光率から煙プルームの太さを推定する第1プルーム太さ推定ステップと、
前記第1プルーム太さ推定ステップで推定した煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に第1段階の火災と判定して第1火災信号を出力させる第1火災判定ステップと、
を設けたことを特徴とする火災検知方法。
特徴13記載の火災検知方法に於いて、前記第2火災検知ステップは、
前記撮像手段により撮像した前記監視領域の全体照明による画像から煙プルームの存在する煙画像を判定する第2煙画像判定ステップと、
前記第2煙画像判定ステップにより判定された煙画像から煙プルームの単位画素当りの輝度率を検出する輝度率検出ステップと、
前記輝度率検出ステップで検出した輝度率から煙プルームの太さを推定する第2プルーム太さ推定ステップと、
前記第2プルーム太さ推定ステップで推定した煙プルームの太さが所定の閾値以上の場合に第2段階の火災と判定して第2火災信号を出力させる第2火災判定ステップと、
を設けたことを特徴とする火災検知方法。
特徴14記載の火災検知方法に於いて、更に、前記第1火災検知ステップは、
前記第1煙画像判定ステップにより判定された煙画像から煙プルームの見込み角を検出する第1見込み角検出ステップと、
前記第1見込み角検出ステップで検出した煙プルームの見込み角と前記第1プルーム太さ推定ステップで推定した煙プルームの太さに基づき、前記撮像手段から前記煙プルームまでの火点距離を算出する第1距離算出ステップと、
を設け、前記第1火災判定ステップは、前記第1段階の火災を判定した場合に前記第1距離算出ステップで算出した火点距離及び又は前記第1プルーム太さ推定ステップで推定した煙プルーム太さを示す情報を前記第1火災信号と共に出力することを特徴とする火災検知方法。
特徴15記載の火災検知方法に於いて、更に、前記第2火災検知ステップは、
前記第2煙画像判定ステップにより判定された煙画像から煙プルームの見込み角を検出する第2見込み角検出ステップと、
前記第2見込み角検出ステップで検出した煙プルームの見込み角と前記プルーム太さ推定ステップで推定した煙プルームの太さに基づき、前記撮像手段から前記煙プルームまでの火点距離を算出する第2距離算出ステップと、
を設け、前記第2火災判定ステップは、前記第2段階の火災を判定した場合に前記第2距離算出ステップで算出した火点距離及び又は前記第2プルーム太さ推定ステップで推定した煙プルーム太さを示す情報を前記第2火災信号と共に出力することを特徴とする火災検知方法。
特徴15記載の火災検知方法に於いて、前記第1煙画像判定ステップは、前記監視領域に煙プルームが存在しない背景画像を保持し、前記撮像手段により撮像した画像と前記背景画像との差分画像を生成して煙プルーム領域を抽出し、前記煙プルーム領域の水平画素数が所定閾値以上の場合に煙画像と判定することを特徴とする火災検知方法。
特徴18記載の火災検知方法に於いて、前記減光率検出ステップは、前記第1煙画像判定ステップで生成した差分画像から抽出した煙プルーム領域の所定高さの水平画素列の輝度と、当該水平画素列と同じ位置の前記背景画像の水平画素列の輝度に基づいて煙プルームの減光率を算出することを特徴とする火災検知方法。
特徴15記載の火災検知方法に於いて、前記第1プルーム太さ推定ステップは、所定のモデル火災から求めた煙プルームによる減光率と太さの関係を予め設定し、前記関係に基づいて前記減光率検出ステップで検出した煙プルームの減光率から煙プルームの太さを推定することを特徴とする火災検知方法。
特徴16記載の火災検知方法に於いて、前記第1距離算出ステップは、推定した煙プルームの太さを2r、煙プルームの見込み角をθとした場合、前記火点距離Lを、
L=r/tan(θ/2)
により算出して推定することを特徴とする火災検知方法。
特徴15記載の火災検知方法に於いて、前記第2画像判定ステップは、前記撮像手段により撮像した画像から所定輝度以上の画素の集合となる煙プルーム候補領域を検出し、前記煙プルーム候補領域の水平方向の画素数が所定の閾値以上の場合に煙画像と判定することを特徴とする火災検知方法。
特徴16記載の火災検知方法に於いて、前記2プルーム太さ推定ステップは、煙プルームの輝度率と太さの関係を所定の実験式に基づいて設定し、前記関係に基づいて前記輝度率検出手段で検出した輝度率から煙プルームの太さを推定することを特徴とする火災検知方法。
特徴17記載の火災報知方法に於いて、前記第2距離算出ステップは、推定した煙プルームの太さを2r、煙プルームの見込み角をθとした場合、前記火点距離Lを、
L=r/tan(θ/2)
により算出して推定することを特徴とする火災検知方法。
12:画像処理装置
14:火災報知設備
15:撮像領域
16:監視領域
18:火点
20:煙
22a:床面照明装置
22b:壁面照明装置
24:室内照明装置
26:煙プルーム
28:伝送部
30:第1煙画像判定部
32:第1見込み角算出部
34:減光率検出部
36:第1プルーム太さ推定部
38:第1距離算出部
40:第1火災判定部
42:照明切替部
44:背景画像
45:観測画像
46:差分画像
47:煙プルーム領域
48:水平画素列
50:第1火災検知部
100:第2火災検知部
130:第2煙画像判定部
132:第2見込み角算出部
134:輝度率検出部
136:第2プルーム太さ推定部
138:第2距離算出部
140:第2火災判定部
Claims (2)
- 仕切り空間となる監視領域を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像する前記監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に背景照明する背景照明手段と、
前記撮像手段により撮像する前記監視領域を全体照明する全体照明手段と、
前記監視領域を背景照明した状態で、前記撮像手段により撮像した前記監視領域に発生した煙プルームの減光画像から第1段階の火災を検知して第1火災信号を出力する第1火災検知手段と、
前記第1火災検知手段により第1段階の火災を検知した場合に、前記背景照明手段による背景照明を停止して前記全体照明手段による全体照明に切り替える照明切替手段と、
前記照明切替手段により前記監視領域を全体照明に切替えた状態で、前記撮像手段により撮像した前記監視領域に発生した煙プルームの散乱光画像から第2段階の火災を検知して第2火災信号を出力する第2火災検知手段と、
を設けたことを特徴とする火災検知システム。
- 仕切り空間を形成する監視領域の背景となる壁面及び床面を一定照度に背景照明した状態で、撮像手段により撮像した前記監視領域に発生した煙プルームの減光画像から第1段階の火災を検知して第1火災信号を出力する第1火災検知ステップと、
前記第1火災検知ステップにより第1段階の火災を検知した場合に前記監視領域を全体照明に切替えた状態で、前記撮像手段により撮像した前記監視領域に発生した煙プルームの散乱光画像から第2段階の火災を検知して第2火災信号を出力する第2火災検知ステップと、
を設けたことを特徴とする火災検知方法。
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