JP2015169644A - 浸炭深さ測定方法及び装置 - Google Patents

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文孝 石村
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Abstract

【目的】鋼管などの測定対象の表面及び裏面の浸炭深さを非破壊で高精度に測定することができる浸炭深さ測定方法及び装置を提供する。
【構成】測定対象に対して励磁コイルから100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束に対応する電圧を検出して前記測定対象の表面浸炭深さを取得する工程と、これに続けて、前記測定対象に対して励磁コイルから5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したときに前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束に対応する電圧を検出して前記測定対象の裏面浸炭深さを取得する工程とを含むものである。
【選択図】 図1A

Description

本発明は加熱炉などで使用される鋼管や鋼板などの測定対象の裏面(内面)の浸炭深さを求めるための測定方法及び装置に関する。
従来より、石油精製プラントでは原料の温度を上げるための加熱炉が設置されている。加熱炉では原料を流すために加熱炉鋼管(STFA26など)が使用されており、加熱炉の内部は火炎バーナーで加熱され、原料が加熱炉鋼管内を流れる間に加熱される。加熱炉鋼管は外側から加熱、内側には高温の原料が流され、高温の一酸化炭素や二酸化炭素、炭化水素が充満する環境下で長年使用されるため鋼管肉厚の表裏面共に浸炭が生成される。浸炭が生じると加熱炉鋼管の延性や靭性が低下し硬度が増すため高温環境下では熱膨張の影響でき裂が発生しやすくなる。このことが原因による加熱炉鋼管の破裂や破損も報告されている。また、浸炭の進行は加熱炉鋼管の周方向の位置によってばらばらであり、特に浸炭が進行しすぎている(過剰浸炭)位置は破裂や破損の恐れがあり大変危険な状態である。しかし、事故防止のため現在使用している加熱炉鋼管を全て取り替えるには莫大なコストが必要となる。そこで、浸炭深さの検査が可能となれば適切な位置の取替え時期を設定することができ、浸炭の進行が遅い鋼管の延命によりコストダウンも可能となる。
しかしながら、従来の浸炭深さ測定においては主として破壊検査の断面マクロ試験が行われていたが破壊検査の断面マクロ試験によるときは鋼管を切断しないと測定が行えないという問題があった。また近年では超音波による測定が試行されているが、この方法によるときは鋼管表面の材料劣化は確認できるものの、深さや裏面浸炭の測定が困難であり、また浸炭層と健全層(以下「生層」という)との境界から反射波が得られないなどの問題があった。
また、従来より、測定対象の表面側に2種類の永久磁石を別個に配置してそれぞれの各永久磁石により生じる測定対象の表層部及び内面の浸炭層の磁性変化と同表層部の磁性変化とを比較することにより浸炭深さを測定する手法なども提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、このような手法によるときは、2種類の永久磁石を別個に配置する必要があること、直流励磁を用いるためセンサーを測定対象に対して静止させないと測定できないことなどから効率的且つ高精度な測定ができないなどの問題があった。
特許第2539091号公報
本発明は前述のような従来技術の問題点に着目してなされたものであって、交流磁界を鋼管表面側から印加させるだけで測定対象の表面及び裏面の浸炭深さを非破壊で極めて作業性よく効率的に且つ高精度に測定することができる新規な浸炭深さ測定方法及び装置を提供することを目的とする。
このような従来技術の課題を解決するための本発明による浸炭深さ測定方法は、測定対象の裏面の浸炭深さ、又は測定対象の表面及び裏面の各浸炭深さを求めるための浸炭深さ測定方法であって、表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに発生する磁束に対応して検出される電圧を基準電圧としたとき、各表面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する各磁束に対応して検出される各電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記各表面浸炭深さとの関係を示す第1検定曲線(試験材に印加する交流励磁の周波数を100Hz〜1kHzとし、裏面浸炭がなく表面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線)を用意する第1工程と、前記第1工程と略同時に又は相前後して、表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したときに発生する磁束に対応して検出される電圧を基準電圧としたとき、それぞれ異なる複数の各表面浸炭深さ毎に、各裏面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に5Hz〜40Hzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する各磁束に対応して検出される各電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記各裏面浸炭深さとの関係を示す第2検定曲線(試験材に印加する交流励磁の周波数を5Hz〜40Hzとし、複数の各表面浸炭深さを固定し裏面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線)を用意する第2工程と、測定対象に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したとき前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束を誘起電圧として検出し、前記検出した誘起電圧の前記基準電圧に対する変化率から、前記第1検定曲線を参照して、前記測定対象の表面浸炭深さを取得する第3工程と、前記測定対象に5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したとき前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束を誘起電圧として検出し、前記検出した誘起電圧の前記基準電圧に対する変化率と前記第3工程で取得した前記測定対象の表面浸炭深さとから、前記第2検定曲線を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さを取得する第4工程と、を含むことを特徴とするものである。
また、本発明による浸炭深さ測定方法は、測定対象の裏面の浸炭深さ、又は測定対象の表面及び裏面の各浸炭深さを求めるための浸炭深さ測定方法であって、表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材の表面に近接配置した励磁コイルにより100Hz〜1kHzの交流磁界を前記試験材に印加したとき前記試験材の表面側に発生する漏洩磁束を、前記試験材表面及び前記励磁コイルに近接して配置した検出コイルにより誘起電圧として検出したときの出力電圧を基準電圧としたとき、各表面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に前記100Hz〜1kHzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する各漏洩磁束を誘起電圧として検出したときの各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記各表面浸炭深さとの関係を示す第1検定曲線(試験材に印加する交流励磁の周波数を100Hz〜1kHzとし、裏面浸炭がなく表面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線)を用意する第1工程と、前記第1工程と略同時に又は相前後して、表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材の表面に近接配置した励磁コイルにより5Hz〜40Hzの交流磁界を前記試験材に印加したときに前記試験材の表面の近傍に発生する漏洩磁束を前記試験材の表面及び前記励磁コイルに近接して配置した検出コイルにより誘起電圧として検出したときの出力電圧を基準電圧としたとき、それぞれ異なる複数の各表面浸炭深さ毎に、各裏面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に前記5Hz〜40Hzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する各漏洩磁束を誘起電圧として検出したときの各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記各裏面浸炭深さとの関係を示す第2検定曲線(試験材に印加する交流励磁の周波数を5Hz〜40Hzとし、複数の各表面浸炭深さを固定し裏面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線)を用意する第2工程と、測定対象に対して前記励磁コイルから100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束を前記検出コイルにより誘起電圧として検出し、前記検出した誘起電圧の前記基準電圧に対する変化率から、前記第1検定曲線を参照して、前記測定対象の表面浸炭深さを取得する第3工程と、前記測定対象に対して前記励磁コイルから5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したときに前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束を前記検出コイルにより誘起電圧として検出し、前記検出した誘起電圧の前記基準電圧に対する変化率と前記第3工程で取得した前記測定対象の表面浸炭深さとから、前記第2検定曲線を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さを取得する第4工程と、を含むことを特徴とするものである。
また、本発明による浸炭深さ測定方法においては、前記第4工程は、前記第2工程で用意された第2検定曲線中に、前記測定対象の表面浸炭深さに対応する曲線が存在しない場合に、前記第2検定曲線中の前記測定対象の表面浸炭深さに近い2つの曲線を線形補間して得られる新たな曲線を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さを取得するものであってもよい。
また、本発明による浸炭深さ測定装置は、測定対象の裏面の浸炭深さ、又は測定対象の表面及び裏面の各浸炭深さを求める浸炭深さ測定装置であって、測定対象の表面側に近接して配置され、前記測定対象に対して100Hz〜1kHzの交流磁界と5Hz〜40Hzの交流磁界とを順次それぞれ異なる時期に印加する励磁コイルと、前記測定対象の表面及び前記励磁コイルに近接して配置され、前記励磁コイルから前記各交流磁界が前記測定対象に印加されたときにそれぞれ前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束を誘起電圧として検出する検出コイルと、前記励磁コイルからの100Hz〜1kHzの交流磁界が測定対象に印加されたときに発生する前記測定対象の表面側の漏洩磁束に対応して前記検出コイルにより検出される出力電圧の前記基準電圧に対する変化率に基づいて、予め用意された「表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに発生する前記試験材の表面側の漏洩磁束に対応して検出される出力電圧を基準電圧としたとき、各表面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときにそれぞれ発生する前記各試験材の表面側の各漏洩磁束に対応して検出される各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記前記各試験材の表面浸炭深さとの関係を示す第1検定曲線」(試験材に印加する交流励磁の周波数を100Hz〜1kHzとし、裏面浸炭がなく表面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線)を参照して、前記測定対象の表面浸炭深さを取得する表面浸炭深さ取得手段と、前記励磁コイルからの5Hz〜40Hzの交流磁界が前記測定対象に印加されたときに発生する前記測定対象の表面側の漏洩磁束に対応して前記検出コイルにより検出される出力電圧の前記基準電圧に対する変化率と、前記表面浸炭深さ取得手段により取得された前記測定対象の表面浸炭深さとに基づいて、予め用意された「表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したときに発生する前記試験材表面側の漏洩磁束に対応して検出される出力電圧を基準電圧としたとき、各裏面浸炭がそれぞれ異なる複数の各試験材に5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したときにそれぞれ発生する前記各試験材表面側の各漏洩磁束に対応して検出される各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記各表面浸炭深さと前記各裏面浸炭深さとの関係を示す第2検定曲線」(試験材に印加する交流励磁の周波数を5Hz〜40Hzとし、複数の各表面浸炭深さを固定し裏面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線)を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さを取得する裏面浸炭深さ取得手段とを備えたことを特徴とするものである。
さらに、本発明による浸炭深さ測定装置においては、前記検出コイルは、前記励磁コイルとは別個のコアを有するものであることが望ましい。
本発明においては、予め、「表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに発生する前記試験材表面側の漏洩磁束に対応して検出される出力電圧を基準電圧としたとき、各表面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する前記試験材表面側の各漏洩磁束に対応して検出される各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と各表面浸炭深さとの関係を示す第1検定曲線」と、「表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに発生する前記試験材表面側の漏洩磁束に対応して検出される出力電圧を基準電圧としたとき、各裏面浸炭がそれぞれ異なる複数の各試験材に5Hz〜40Hzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する前記試験材表面側の各漏洩磁束に対応して検出される各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と各表面浸炭深さと各裏面浸炭深さとの関係を示す第2検定曲線」とを用意しておき、測定対象の表面側に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加し、これにより発生する磁束に対応する出力電圧の前記基準電圧に対する変化率から、前記第1検定曲線を参照して、前記測定対象の表面浸炭深さを取得し、その後、前記測定対象の表面側に5Hz〜40Hzの交流磁界を印加し、これにより発生する磁束に対応する出力電圧の前記基準電圧に対する変化率と前記取得した測定対象の表面浸炭深さとから、前記第2検定曲線を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さを取得するようにしている。よって、本発明によれば、同一の励磁コイルから測定対象に交流磁界の周波数を切り替えて印加し、測定対象の表面側にそれぞれ発生する磁束に対応する出力電圧を検出するという単純な作業を行うだけで、測定対象の表面及び裏面の双方の浸炭深さを効率的に且つ高精度に測定できるようになる。
また、本発明においては、予め、「表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに発生する前記表面側の漏洩磁束に対応して検出される出力電圧を基準電圧としたとき、表面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときにそれぞれ発生する前記試験材表面側の漏洩磁束に対応して検出される出力電圧の基準電圧に対する各変化率と各表面浸炭深さとの関係を示す第1検定曲線」と、「表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに発生する前記試験材表面側の漏洩磁束に対応して検出される出力電圧を基準電圧としたとき、裏面浸炭がそれぞれ異なる複数の各試験材に5Hz〜40Hzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する前記試験材表面側の各漏洩磁束に対応して検出される各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と各表面浸炭深さと各裏面浸炭深さとの関係を示す第2検定曲線」とを用意しておき、測定対象に前記励磁コイルから100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに発生する前記測定対象の表面側の漏洩磁束を前記検出コイルにより検出し、前記検出した出力電圧の前記基準電圧に対する変化率から、前記第1検定曲線を参照して、前記測定対象の表面浸炭深さを取得し、その後、前記測定対象に前記励磁コイルから5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したときに発生する前記試験材の表面側の漏洩磁束を前記検出コイルにより検出し、前記検出した出力電圧の前記基準電圧に対する変化率と前記取得した測定対象の表面浸炭深さとから、前記第2検定曲線を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さを取得するようにしている。よって、本発明によれば、同一の励磁コイルから測定対象に交流磁界の周波数を切り替えて印加し、測定対象の表面側に発生する漏洩磁束に対応する出力電圧を検出するという単純な作業を行うだけで、測定対象の表面及び裏面の双方の浸炭深さを効率的に且つ高精度に測定できるようになる。
また特に本発明においては、前記検出コイルを前記励磁コイルとは別個のコアを有するように構成したときは、前記検出コイルが測定対象の表面近傍の漏洩磁束の変化を検出できるようになるので、浸炭深さの大きさに対応する磁束の変化をより高精度に検出できるようになる(これに対して、検出コイルを前記励磁コイルと同一のコアに線材を巻回することにより構成したときは、検出コイルは前記コアに流れる磁束の変化を検出するだけなので、浸炭深さの大きさに対応する磁束の変化を高精度に検出することは難しいという問題があった)。
本発明の実施形態に使用される電磁気センサ(1/2領域)モデルを示す概略図である。 本実施形態に使用される電磁気センサを示す概略図である。 本実施形態に使用される電磁気センサの動作を説明するための概略図である。 本発明者らが鋼管の表面および裏面の浸炭深さに関する検査実験において使用した基準試験鋼管を示す図である。 浸炭層と生層のB−H曲線を示す図である。 浸炭層と生層のμr−H曲線を示す図である。 浸炭層と生層の導電率の比較を示す図である。 表面1mm、裏面2.5mmの浸炭が施された鋼管内のEPMA分析結果を示す図である。 本実施形態の電磁気センサにより表面浸炭深さを測定した実験結果(500Hz,0.2A)を示す図である。 本実施形態の電磁気センサにより表面浸炭深さを測定した実験結果(15Hz,0.2A)を示す図である。 表面浸炭深さがds=0mm(生材)の場合とds=3mmの場合との磁束密度分布(500Hz,0.2A)を比較した結果を示す図である。 裏面浸炭深さがdo=0mm(生材)の場合とdo=3mmの場合との磁束分布を比較した結果(15Hz,0.2A)を示す図である 励磁条件を500Hz、0.2Aとし、裏面浸炭がなく表面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線を示す図である。 励磁条件を15Hz、0.2Aとし、複数の各表面浸炭深さを固定し裏面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線を示す図である。 本発明者らが浸炭が少ない鋼管について行った検証実験結果を示す図である。 本発明者らが浸炭が多い鋼管について行った検証実験結果を示す図である。
次に本発明の一実施形態に係る浸炭深さ測定方法及びこれに使用する浸炭深さ測定装置について説明する。図1A及び図1Bは本実施形態で使用する電磁気センサの1/2領域モデルを示す概略図である。図1A,1Bに示すように、本実施形態の装置を構成する電磁気センサは、略コの字形の積層ケイ素鋼板にφ1.0の線材を80ターン巻回して成る励磁コイル部と、厚さ1mmの積層ケイ素鋼板材にφ0.1の線材を100ターン巻回して成る検出コイル部とから構成されている。測定対象である鋼管と電磁気センサとの間には0.5mmの間隔(リフトオフ)を設けている。電磁気センサに加える交流磁界条件を表1に示す。
表1に示すように、本実施形態では、測定対象に印加する交流磁界は、表面浸炭深さを測定するときは100Hz〜1kHz、例えば500Hz,0.2Aの交流磁界を、裏面浸炭深さを測定するときは5Hz〜40Hz、例えば15Hz,0.2Aの交流磁界を使用する(図1Cなど参照)。
このように、本実施形態では、表面浸炭深さを測定する際には、前記の測定対象の表面側に近接配置した前記励磁コイルから、100Hz〜1kHz、例えば500Hz,0.2Aの交流磁界を測定対象に印加する。表面浸炭深さを測定する場合に印加する交流磁界の周波数を上記のように100Hz〜1kHz(例えば500Hz)としたのは、次の理由による。すなわち、測定対象として代表的な鋼管への磁束の浸透深さを計算すると、100Hzのときは2.54mm、1kHzのときは0.84mmとなるが、鋼管の肉厚は6mm前後が多いので、鋼管の表面側とそれから鋼管の肉厚の半分の深さ(表面から約3mmまでの深さ)までを考慮した周波数範囲として、上記100Hz〜1kHz(例えば500Hz)を採用したものである。
また、前述のように、本実施形態では、裏面浸炭深さを測定する際には、前記の測定対象の表面側に近接配置した前記励磁コイルから、5Hz〜40Hz、例えば15Hz,0.2Aの交流磁界を測定対象に印加する。裏面浸炭深さを測定する場合に印加する交流磁界の周波数を上記のように5Hz〜40Hz(例えば15Hz)としたのは、次の理由による。すなわち、測定対象として代表的な鋼管への磁束の浸透深さを計算すると、5Hzのときは11.38mm、40Hzのときは4.02mmとなるが、鋼管の肉厚は大体6mm前後(又は大体4〜11mm)が多いので、上記のような深さ範囲(上記の11.38mm〜4.02mm)であれば、上記のような肉厚の裏面の浸炭深さが測定できるからである。
500Hzの交流磁界を印加する場合、鋼管への磁束の浸透深さは1.13mmとなり磁束を表面に集中させることができる(高周波数の表皮効果により磁束は鋼管の表面近傍に集中する)ので、裏面浸炭深さの影響はほとんど受けない(図1C参照)。また15Hzの交流磁界を印加する場合、鋼管への磁束の浸透深さは、6.57mmとなり鋼管肉厚6mm全体に磁束が浸透する(低周波数の場合は磁束は深く浸透する)ので、裏面浸炭深さの変化による影響が出るようになる(図1C参照)。
本実施形態で使用する電磁気センサの検出原理は次のとおりである。鋼管の表面側から前記各交流磁界を印加し、前記電磁気センサのコの字形部分と測定対象である鋼管との間に磁束の閉ループを作り、磁束の閉ループから鋼管表面に漏れた漏洩磁束を検出コイルの出力電圧信号として検出する。このときに鋼管表面に漏れる漏洩磁束は浸炭深さによって変化し、この変化は浸炭層と生層の電磁気特性の違いにより生じる。
図2は浸炭層と生層のB−H曲線、図3は浸炭層と生層のμr−H曲線を示す。図2、3から、生層に比べ浸炭層は磁気特性が低下していることが分かる。図3のμr−H曲線から、浸炭層の最大比透磁率は160で、生層の最大比透磁率は521であり、浸炭層は生層に比べ最大比透磁率が69%低下することが分かる。また図4は浸炭層と生層の導電率σの比較を示す。図4から、導電率σは浸炭層の方が大きく、両者の差は44%であった。このように、上記測定に使用する鋼管(例えば加熱炉鋼管 STFA26)の浸炭領域の最大比透磁率は浸炭の無い領域に比べ69%低下し、導電率は44%増加した。これは、浸炭によって炭素濃度が増加することが起因していると考察される。
図1Dに示すような、表面にのみ約1〜3mmの範囲内のそれぞれ異なる各浸炭深さdsが生じている各鋼管(肉厚6mmの基準試験用の鋼管 STFA26)、及び、裏面のみ約1〜3mmの範囲内のそれぞれ異なる各浸炭深さdoが生じている各鋼管(肉厚6mmの基準試験用の鋼管 STFA26)を作成し、これらに対して前記電磁気センサ(図1A,1B,1Cなど参照)を使用して検査実験を行った。図1Dはこの実験に使用した鋼管断面の一覧である。
図5に、表面1mm、裏面2.5mmの浸炭が施された鋼管内のEPMA測定結果を示す。図5から、浸炭層は最大で約3.8%の炭素が含まれており、その分布は生層(炭素濃度C:0.27%)まで非線形的に減衰することが分かる。
図6は表面浸炭深さdsのみが変化した場合の前記電磁気センサで前記漏洩磁束を測定した実験結果、図7は裏面浸炭深さdoのみが変化した場合の前記電磁気センサで前記漏洩磁束を測定した実験結果を示す。図6、7のどちらも横軸は浸炭深さ(mm)をとり、縦軸には表裏面とも浸炭深さ0mmの鋼管を対象とした実験で得られた前記漏洩磁束に対応する出力電圧の前記基準電圧に対する変化率ηs、ηo(%)をとっている。
図6では、表面浸炭深さdsが増すにつれて変化率も増す傾向が得られた。また、変化率の増加量は表面浸炭深さdsが増すにつれて小さくなっている。
図7では、図6と同様に、裏面浸炭深さdoが増すにつれて出力電圧は増加することが分かる。また、その変化率の増加量は裏面浸炭深さdoが増すにつれて大きくなっている。
前記各実験結果の現象解明を、図2、3のB−H曲線と図4の導電率σを使用した三次元非線形FEM解析で行った。解析モデルは図1Aの1/2領域モデルを使用した。浸炭層の非線形解析法は、図2と図3の初期磁化曲線を使用し、図5のEPMA分析で測定した炭素濃度分布に合わせて、深さ方向に完全浸炭材(C:3.8%)と生材(C:0.27%)の磁化曲線で補間を行った。同様に導電率σに関しても図5のEPMA分析の炭素濃度分布に合わせて、深さ方向に完全浸炭材(C:3.8%)と生材(C:0.27%)の導電率σで補間を行った。
図8は表面浸炭深さがds=0mm(生材)の場合と表面浸炭深さがds=3mmの場合との磁束密度分布を比較した結果である。図8(a)に示すように浸炭深さが0mm(生材)の場合は磁束が鋼管表面に集中して分布していることが分かる。それに比べて、図8(b)に示すように、表面のみに表面浸炭深さがds=3mmの浸炭が生じている場合は鋼管内部に分布する最大磁束密度Bmaxは低下しているが、鋼管表面側の検出コイルに鎖交する磁束は増加している。これは浸炭層の透磁率が低いため、表面浸炭層が増すと漏洩磁束が増加するためと考えられる。
他方、図9は裏面浸炭深さがdo=0mm(生材)の場合と裏面浸炭深さがdo=3mmの場合との磁束分布を比較した結果である。図9(a)に示すように裏面浸炭深さが0mm(生材)の場合には磁束が鋼管肉厚(6mm)全体に分布していることが分かる。それに比べて、図9(b)に示すように裏面のみに裏面浸炭深さがdo=3mmの浸炭が生じている場合は、鋼管内部の最大磁束密度Bmaxは増加し、検出コイル内の磁束も増加している。これは、浸炭層の透磁率が低いので裏面浸炭層が増すにつれて磁束は透磁率の高い生層領域に集中し、漏洩磁束が増加するためと考えられる。
次に、表裏面の浸炭深さが共に未知の鋼管を測定する手法について説明する。ここでは、本実施形態による測定方法の一例として、まず500Hzの励磁条件で表面浸炭深さのみを評価し、次に15Hzの励磁条件で裏面浸炭深さを測定する場合について説明する。図10は、励磁条件を500Hz、0.2Aとし、裏面浸炭がなく表面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線を示している。図10では、横軸に表面浸炭深さds(mm)を取り、縦軸にds=0mmの時の出力電圧を基準とした変化率ηs(%)、すなわち、それぞれ異なる複数の表面浸炭深さを有する各試験材(鋼管)に500Hzの交流磁界を印加した場合(表面浸炭深さのみをパラメーターとした場合)の検出コイルの出力電圧が前記基準電圧よりどのくらい上昇したかを示す変化率をとっている。
図11は、励磁条件を15Hz、0.2Aとし、複数の各表面浸炭深さを固定し裏面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線を示している。図11は横軸に裏面浸炭深さdo(mm)、縦軸にdo=0mmの時の出力電圧を基準とした変化率ηo(%)、すなわち、それぞれ異なる複数の裏面浸炭深さを有する各試験材(鋼管)に15Hzの交流磁界を印加した場合(裏面浸炭深さのみをパラメーターとした場合)の検出コイルの出力電圧が前記基準電圧よりどのくらい上昇したかを示す変化率をとっている。また図11は、表面浸炭深さdsが各深さで固定された場合を示している。
本実施形態に係る浸炭深さ測定方法においては、まず初めに、500Hz,0.2Aの交流磁界を測定対象に印加したときの検出コイルの出力電圧を測定し、この出力電圧から、図10の表面浸炭深さ検定曲線(表面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の検定曲線)を参照して前記測定対象の表面浸炭深さを取得(推定)する。次に、15Hz,0.2Aの交流磁界を前記測定対象に印加したときの検出コイルの出力電圧を測定し、その出力電圧から、図11(裏面浸炭深さのみをパラメーターとした場合の複数の検定曲線)中の前記測定対象の表面浸炭深さ(前記の図10の表面浸炭深さ検定曲線を参照して取得した前記測定対象の表面浸炭深さ)に対応する裏面浸炭深さ検定曲線を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さdoを測定する。
なお本実施形態では、もし、前記の図10の表面浸炭深さ検定曲線を参照しての表面浸炭深さの取得の段階において、図11中の複数の裏面浸炭深さ検定曲線中に対応しない表面浸炭深さdsが取得された場合(図11の複数の裏面浸炭深さ検定曲線中に当該測定対象の表面浸炭深さに対応する裏面浸炭深さ検定曲線が存在しない場合)は、図11の複数の裏面浸炭深さ検定曲線中の当該表面浸炭深さに近い2曲線を抽出し、その2曲線を線形補間して新たな曲線を算出するようにしている。
図12,13に、本発明者らが行った検証実験結果を示す。この検証実験においては、実際の石油精製プラントで約20年間使用された2種類(浸炭が少ない鋼管と浸炭が多い鋼管)の加熱炉鋼管(STFA26)を切り出し、断面マクロ試験で表裏面浸炭深さを測定した鋼管に、本実施形態の手法を適用した場合の比較試験を行った。図12,13において、横軸は、鋼管の周方向の測定位置(16点)、縦軸は鋼管6mmの肉厚をそれぞれ示している。前記検証実験結果は図12、13に示すとおりである。これらの結果から、2本の鋼管とも、表面・裏面浸炭深さが本実施形態の手法により高精度に推定できていることが理解できる。このように、本実施形態による測定手法によるときは、周波数500Hzと15Hzとの2種類の交流磁界を交互に印加することにより、加熱炉鋼管の表裏面に発生した浸炭深さを±0.5mmの高い精度で推定できることが分かった。

Claims (5)

  1. 測定対象の裏面の浸炭深さ、又は測定対象の表面及び裏面の各浸炭深さを求めるための浸炭深さ測定方法であって、
    表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに発生する磁束に対応して検出される電圧を基準電圧としたとき、各表面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する各磁束に対応して検出される各電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記各表面浸炭深さとの関係を示す第1検定曲線を用意する第1工程と、
    前記第1工程と略同時に又は相前後して、表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したときに発生する磁束に対応して検出される電圧を基準電圧としたとき、それぞれ異なる複数の各表面浸炭深さ毎に、各裏面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に5Hz〜40Hzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する各磁束に対応して検出される各電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記各裏面浸炭深さとの関係を示す第2検定曲線を用意する第2工程と、
    測定対象に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したとき前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束を誘起電圧として検出し、前記検出した誘起電圧の前記基準電圧に対する変化率から、前記第1検定曲線を参照して、前記測定対象の表面浸炭深さを取得する第3工程と、
    前記測定対象に5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したとき前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束を誘起電圧として検出し、前記検出した誘起電圧の前記基準電圧に対する変化率と前記第3工程で取得した前記測定対象の表面浸炭深さとから、前記第2検定曲線を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さを取得する第4工程と、
    を含むことを特徴とする浸炭深さ測定方法。
  2. 測定対象の裏面の浸炭深さ、又は測定対象の表面及び裏面の各浸炭深さを求めるための浸炭深さ測定方法であって、
    表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材の表面に近接配置した励磁コイルにより100Hz〜1kHzの交流磁界を前記試験材に印加したとき前記試験材の表面側に発生する漏洩磁束を、前記試験材表面及び前記励磁コイルに近接して配置した検出コイルにより誘起電圧として検出したときの出力電圧を基準電圧としたとき、各表面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に前記100Hz〜1kHzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する各漏洩磁束を誘起電圧として検出したときの各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記各表面浸炭深さとの関係を示す第1検定曲線を用意する第1工程と、
    前記第1工程と略同時に又は相前後して、表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材の表面に近接配置した励磁コイルにより5Hz〜40Hzの交流磁界を前記試験材に印加したときに前記試験材の表面の近傍に発生する漏洩磁束を前記試験材の表面及び前記励磁コイルに近接して配置した検出コイルにより誘起電圧として検出したときの出力電圧を基準電圧としたとき、それぞれ異なる複数の各表面浸炭深さ毎に、各裏面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に前記5Hz〜40Hzの交流磁界をそれぞれ印加したときに発生する各漏洩磁束を誘起電圧として検出したときの各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記各裏面浸炭深さとの関係を示す第2検定曲線を用意する第2工程と、
    測定対象に対して前記励磁コイルから100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束を前記検出コイルにより誘起電圧として検出し、前記検出した誘起電圧の前記基準電圧に対する変化率から、前記第1検定曲線を参照して、前記測定対象の表面浸炭深さを取得する第3工程と、
    前記測定対象に対して前記励磁コイルから5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したときに前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束を前記検出コイルにより誘起電圧として検出し、前記検出した誘起電圧の前記基準電圧に対する変化率と前記第3工程で取得した前記測定対象の表面浸炭深さとから、前記第2検定曲線を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さを取得する第4工程と、
    を含むことを特徴とする浸炭深さ測定方法。
  3. 前記第4工程は、前記第2工程で用意された第2検定曲線中に、前記測定対象の表面浸炭深さに対応する曲線が存在しない場合に、前記第2検定曲線中の前記測定対象の表面浸炭深さに近い2つの曲線を線形補間して得られる新たな曲線を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さを取得するものである、請求項1又は2に記載の浸炭深さ測定方法。
  4. 測定対象の裏面の浸炭深さ、又は測定対象の表面及び裏面の各浸炭深さを求める浸炭深さ測定装置であって、
    測定対象の表面側に近接して配置され、前記測定対象に対して100Hz〜1kHzの交流磁界と5Hz〜40Hzの交流磁界とを順次それぞれ異なる時期に印加する励磁コイルと、
    前記測定対象の表面及び前記励磁コイルに近接して配置され、前記励磁コイルから前記各交流磁界が前記測定対象に印加されたときにそれぞれ前記測定対象の表面側に発生する漏洩磁束を誘起電圧として検出する検出コイルと、
    前記励磁コイルからの100Hz〜1kHzの交流磁界が測定対象に印加されたときに発生する前記測定対象の表面側の漏洩磁束に対応して前記検出コイルにより検出される出力電圧の前記基準電圧に対する変化率に基づいて、予め用意された「表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときに発生する前記試験材の表面側の漏洩磁束に対応して検出される出力電圧を基準電圧としたとき、各表面浸炭深さがそれぞれ異なる複数の各試験材に100Hz〜1kHzの交流磁界を印加したときにそれぞれ発生する前記各試験材の表面側の各漏洩磁束に対応して検出される各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記前記各試験材の表面浸炭深さとの関係を示す第1検定曲線」を参照して、前記測定対象の表面浸炭深さを取得する表面浸炭深さ取得手段と、
    前記励磁コイルからの5Hz〜40Hzの交流磁界が前記測定対象に印加されたときに発生する前記測定対象の表面側の漏洩磁束に対応して前記検出コイルにより検出される出力電圧の前記基準電圧に対する変化率と、前記表面浸炭深さ取得手段により取得された前記測定対象の表面浸炭深さとに基づいて、予め用意された「表面及び裏面のいずれも浸炭が0mmの試験材に5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したときに発生する前記試験材表面側の漏洩磁束に対応して検出される出力電圧を基準電圧としたとき、各裏面浸炭がそれぞれ異なる複数の各試験材に5Hz〜40Hzの交流磁界を印加したときにそれぞれ発生する前記各試験材表面側の各漏洩磁束に対応して検出される各出力電圧の前記基準電圧に対する各変化率と前記各表面浸炭深さと前記各裏面浸炭深さとの関係を示す第2検定曲線」を参照して、前記測定対象の裏面浸炭深さを取得する裏面浸炭深さ取得手段と、
    を備えたことを特徴とする浸炭深さ測定装置。
  5. 前記検出コイルは、前記励磁コイルとは別個のコアを有するものである、請求項4記載の浸炭深さ測定装置。
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